港北区版【1月1日(水)号】
式典の参加者ら

市の二十歳 3万5千人の門出 13日、横アリで式典

 横浜市の「二十歳の市民を祝うつどい」が1月13日(月)、横浜アリーナで開催される。主催は横浜市、横浜市教育委員会、二十歳の市民を祝うつどい実行委員会。市内では3万5450人、港北区では3120人が節目を迎える。

 コロナの影響で21年から5回、昨年は3回に分けて実施されてきたが、今回から午前・午後の2部制に戻して開催される。内容は、山中竹春市長の挨拶や二十歳の市民に向けたスペシャルメッセージの上映のほか、二十歳の誓いなど。横浜市HPから、ライブ配信とアーカイブ配信される。

 式典テーマは「はじまり」。同実行委員会が決定した。「人それぞれ新しい『はじまり』に向かって歩みを進めていきたい」という気持ちが込められている。野本優菜実行委員長は、「高校生活は大きな制限があった。大学生活などそれぞれが新しい生活を始め、『未来に向かう』ことに焦点を当てた」と話した。会場で配布する記念冊子の企画・作成や、当日の司会なども務める。

 式典終了後は、会場周辺の清掃活動が実施される。申し込みは式典対象者に発送した案内状から、締切は1月10日(金)。

取材に答える山中市長

人にやさしいまち、横浜へ 山中市長が新年の抱負

 本紙では新年を迎えるにあたり、山中竹春横浜市長に2025年の抱負を聞いた。山中市長は、子育て支援や防災・減災対策、防犯対策などの取組を積極的に進める姿勢をみせるとともに、市民の声を大切に「人にやさしいまち」の実現に向け力を尽くす考えを示した。質問に書面と対話で答えた。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

「子育てしやすさ」実感を

 ――市長就任時より、子育て支援に力点を置いてきました。

 「一昨年は子どもの医療費を無料化し、長年市民の皆様から望まれていた中学校での全員給食の導入を決定しました」

「市民目線」の取組み強化山中市長にインタビュー

 「全員給食は2026年4月の開始に向けた準備が着実に進んでおり、小学生の保護者向け試食会のアンケートでも75%の方に『良い印象を持った』と回答いただいています。昨年は、出産や妊婦健診に係る費用への市独自の助成を新たにスタートさせました。出産費用については、国の出産育児一時金50万円に加えて最大9万円を市独自で助成することで、市内公的病院での出産に係る基礎的費用を100%カバーできるようになりました。妊婦健診の助成額は5万円を上乗せし、政令市トップの水準となりました。46万人もの子ども(中学生以下)が暮らす『日本最大の子育て支援都市』として、皆様が安心して子育てをしていただけるよう取り組んでいます」

 ――子育て支援では公式アプリのリリースや保育の負担減、いわゆる「小1の壁」対策等にも取り組んでいます。

 「10月にリリースした全国初の総合的な子育て支援アプリ『パマトコ』は、現在5万人以上の方にご利用いただいています。例えば出産費用助成の申請は、ほぼすべての方が『パマトコ』から申請されています。また、アプリには母子手帳機能や予防接種のスケジュール管理、イベント情報のプッシュ通知など、さまざまな機能を搭載しています。ユーザーの皆様のお声を聞きながら、これからもどんどん進化させていきます。また、保育園に持参するおむつなどの準備や持ち帰りの負担を減らす『にもつ軽がる保育園』も、導入する施設が広がっています。さらに、『小1の壁』の代表例である夏休み中のお弁当づくりの負担を軽減するため、すべての学童等での昼食提供をモデル実施し、95%以上の保護者から『ゆとりを感じた』との満足の声をいただきました」

市民目線の地震防災戦略

 ――防災・減災対策は、横浜市にとって喫緊の課題です。

 「能登半島地震など大きな災害の経験を、横浜でもいつ起きてもおかしくない大規模地震への備えに生かすため、地震防災戦略を刷新し、災害対策を大幅に強化します。

 【1】市民や地域の”発災前からの備え”の強化【2】誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築【3】救援活動や緊急物資輸送の要となる横浜市初の広域防災拠点の整備【4】上下水道の耐震化や緊急輸送路の整備などを加速化する災害に強いまちづくり――の4つの柱に沿って徹底的に『市民目線』に立った取組を進め、市民の皆様の命と暮らしを守るための災害対策を進めていきます」

 ――地域の防犯対策も急務です。

 「地域での平穏な暮らしを守るためには、行政と地域の皆様が連携して取り組むことが必要です。地域からいただいたLED防犯灯の設置要望について、当初予定を拡充し、設置基準を満たすものは全て年度内に整備するなど、スピーディーに対応します。

 また、市内すべての不審者情報をGoogleマップで確認できる市独自の『こども安全・安心マップ』の活用や、学校と家庭との連絡アプリ『すぐーる』を活用した適切なSNS利用の情報発信など、ハード・ソフトの両面から地域防犯の取組を強化します」

市民・企業の行動変容促す

 ――脱炭素社会の実現に向けた取組みについてお聞きします。

 「気候変動を食い止め、環境にやさしい循環型の社会にしていくためには、市民の皆様の行動変容が鍵になります。横浜市は、市民の皆様の身近なアクションを後押しし、環境にやさしい社会につながっていることを実感していただけるような取組を進めています。

 プラスチック資源のリサイクルを拡大するため、昨年10月に先行9区でごみの分別ルールを変更しました。今年4月からは、全18区で新たな分別ルールがスタートします。他にも、消費期限が近くなったパンをお得な値段で販売するロッカーを設置して食品ロスを減らす取組や、ご家庭で揚げ物などに使った油(廃食油)を回収し、飛行機の燃料に生まれ変わらせる取組も進めています。

 昨年12月には、『地球1個分で暮らそう STYLE100』プロジェクトを始動し、地球にやさしい新しい暮らしを市民や企業の皆様と一緒に発信していく取組がスタートしました。

 市内企業の99・6%を占める中小企業の皆様の行動変容につなげるため、『脱炭素行動取組宣言』制度を昨年6月に創設し、環境に配慮した経営、脱炭素経営に取り組む中小企業の皆様のチャレンジを、積極的に後押ししていきます」

「環共」テーマの国際博覧会

 ――旧上瀬谷通信施設で開かれるGREEN×EXPO 2027まで、いよいよあと2年です。

 「『GREEN×EXPO 2027』は、環境と共生し、皆様と共につくる『環共』がテーマの世界で初めての国際博覧会です。

 会場では、まず、皆様を圧倒的な花と緑でお迎えします。脱炭素技術を体験したり生物多様性への理解を深めたりできるエリアをはじめ、農と食が近い暮らしの体験や、子どもたちが自然の大切さを楽しみながら学べるエリアなど、国内外のあらゆる世代の皆様にお楽しみいただける場所となるよう、着実に準備を進めています。

 今後、各エリアの出展内容など、会場計画についてタイムリーに市民の皆様にお伝えし、開催への期待感を高めていきたいと考えています」

 ――会場周辺交通への影響について、対策は。

 「会場および周辺の整備は、地元の皆様の生活に影響がでないことを大前提に、多くの皆様が安全・円滑に来場できる環境を整えていきます。会場周辺の道路整備や主要ルートの交通円滑化をはじめ、環境にやさしいシャトルバスの導入など環境に配慮した対策を関係者と連携して進めています」

 ――2025年度予算編成の方向性を聞かせてください。

 「地震防災戦略を刷新し災害対策を大幅に強化するとともに、子育てしやすさを実感できる更なる取組の推進、医療・福祉の充実などあらゆる世代の暮らしを支えてまいります。

 また、地域交通の拡充に本格的に着手するほか、公園や学校のトイレの洋式化、学校体育館の空調整備など、市民の皆様からの改善要望が多かった身近な環境の整備を大幅に加速させます」

再選出馬、明言せず

 ――今夏の市長選について再選出馬の考えは。

 「市民の皆様から託された任期の中で、成果をしっかりとお返ししていくことに全力を尽くしていきます」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「地域に足を運ぶといろいろなお声をいただき、その一つ一つがとても大切なものです。今年も、市民の皆様の『声』を第一に、人にやさしく、誰もが安心してくらせるまちの実現に向けて、力を尽くしてまいります」

新春寄席で初笑い 1月11日 大倉山記念館

 大倉山記念館ホールで1月11日(土)、「大倉山新春寄席」が開催される。

 内容は、慶應大落研の精鋭による盛りだくさんの落語口演。「新年にふさわしい、学生によるフレッシュな落語で今年の初笑いはいかがでしょうか」と同記念館担当者。

 出演は、慶應義塾大学落語研究会。開演は、午前10時30分(開場は30分前)。事前申し込み制(先着順、定員70人)。参加費無料。

 申込みは、大倉山記念館【電話】045・544・1881、または同記念館窓口まで。

ビニールハウスで「出航準備」する松本さん

小机町・松本さん 野菜宝船の出航準備 新年を華やかに

 毎年、野菜の宝船を製作している「よこはま小松ファーム」(小机町)の松本勝彦さん(77)。今回も例年通り、11月頃から船づくりが始まり、12月半ばから飾り付けを行っている。松本さんに話を聞いた12月19日は、船体に野菜を積もうと出航準備に取り掛かっていた。15〜16種類の野菜を積み上げるほか、干支である巳の置き物、酒樽や盆栽などで飾り付ける。

商売繁盛願う

 船体の種類は特大(3隻)、特小(1隻)、大(3隻)、中(11隻)、小(24隻)、豆船(80隻)で、それぞれの長さは3m、2m70cm、2m、1m50cm、90cm、60cm。好景気と商売繁盛の願いを込めながら、見栄えが良くなるように仕上げる。出来上がった宝船は、ホテルや商業施設に飾られたり、お年賀として贈られたりする。

 「おじいさんっ子」だった松本さん。35〜36年前に祖父の「器用だから」という言葉で宝船を手掛けるようになった。船の作り方は、大工だった義父から教わった。学生の時に学んだ盆栽も生かされている。

 「年齢を重ねて、作物への愛情がより深くなった」と話す松本さん。「野菜は生きもの。切ると萎れてしまう。根っこを切らずポットに入れて、生きたままの姿で野菜を送りたい」と今後の展望を口にした。

<PR>
「今年も身近な商店街に」
大倉山レモンロード商店会
「今年も身近な商店街に」
3会員を紹介
「行ってらっしゃい、おかえりなさい」──。そんな親し気な声が聞こえてきそうな大倉山レモンロード商店会。今回は同商店会から、3会員を紹介する(順不同)。「(有... (続きを読む)
<PR>
2025年は創建1301年、地域とのつながり継続への新たなスタート【横浜市港北区・師岡熊野神社】
2025年は創建1301年、地域とのつながり継続への新たなスタート【横浜市港北区・師岡熊野神社】
師岡熊野神社(石川正人宮司)は2024年、創建1300年を迎えました。その大きな節目には宮神輿の奉納やそのお披露目、例大祭、そして創建千三百年奉祝大祭、奉祝大祭... (続きを読む)
工藤誉交通課長

交通ルールの徹底を 一瞬の不注意で、後悔する前に

 港北警察署交通課によると、2024年1月から11月末までに港北区内で発生した人身事故は、23年から約14%減の512件。数字だけ見ると減少しているが、この数字を見て安心してはならないのは言うまでもなく、あくまで「0(ゼロ)」を目指すものだ。そして、10月には約2年間起きていなかった死亡事故が2件発生したこともあり、正月を機に、改めて交通ルールについて考えてみてはどうだろうか。

 事故の原因で多くを占めたのは、追突事故。至った経緯はさまざまだが、原因のほとんどが”前方不注意”によるものだ。基本的には前方を注視していれば発生しないが、幹線道路が多い区内において、渋滞などで注意が散漫したことが原因となったことが多いという。続いて件数が多かったのは、交差点などでの出会いがしらの衝突事故。「よく通り慣れている道。いつも車や人通りは少ないから」と、安全確認を怠った結果、衝突、というように、大きな道路より、信号機のないような交差点で起こることが多いという。どの事故にせよ、「来ないだろう」「止まるだろう」といった、危険可能性を軽視した結果、発生したもの。「もしかしたら◯◯かもしれない」と常に危険を想定しながら運転することが事故防止につながる。

 同署では現在、小学校や教習所で交通安全教室を行うなど、幼い時や運転者として車道に出る前からの指導にも力を入れている。また、一昨年から努力義務が課された自転車のヘルメット着用についても、更なる定着化を促している。

 交通課の工藤誉課長は、「運転者だけでなく、歩行者に関しても、どんな場所でも交通事故は起こりうると意識し、『ここは平気だろう』ではなく、『もしかしたら』と慎重になってほしい」と注意を促した。

高橋敏行生活安全課長

特殊詐欺 被害総額1億6900万円超 「今すぐ」「あなただけ」に注意

 港北警察署管内の2024年1月から11月末までの特殊詐欺発生状況は61件で、被害総額は約1億6900万円にのぼった。前年比で18件減だが、被害総額は約2200万円増。預貯金詐欺は、そのうち最も多い22件で、被害額の前年比も約3・3倍の約2000万円だった。手口は、親族・警察官などを装い「口座が犯罪に利用されている」などの名目で、被害者のクレジットカードや預貯金通帳等を騙し取るもの。警察官や税務署職員がキャッシュカードを預かりに来たり、暗証番号を聞いたりすることはないため、対策は、このような言葉が出てきた場合はまず疑うこと。親族を装う者からの連絡も、そこで話を完結せずに家族等に相談するなど一呼吸おいて判断することが重要だ。

 また、発生件数は特殊詐欺ほど多くないが、区内でも大きな被害総額を記録したのが、SNS型投資・ロマンス詐欺。被害総額は約3億9500万円と特殊詐欺の2倍を超え、1件に対する被害金額の大きさが分かる。投資詐欺は、SNSやその他非対面の連絡手段から投資を勧め、金銭等をだまし取るもの。ロマンス詐欺は、同じく非対面での連絡手段を用いて被害者と複数回やり取りすることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取るもの。いずれの手口も、やり取りが始まってから、詐欺だと気づくまで当人同士が会わないことがほとんどだ。対策としては、「かならず儲かる」「あなただけ」といった文言に注意し、会ったことのない人から金銭の話が出たら、まず疑うことだ。

 生活安全課の高橋敏行課長は「覚えのない番号からの着信にはスマホの場合は応じない、固定電話の場合は留守電設定にする。その場で判断せず一呼吸を置いて、誰かに相談や、ネットで番号を調べて欲しい」とした。

蛇骨(蛇幸都)神社について話す高橋さん

「白蛇様」に健康祈願 新横浜のパワースポットに

 今年のパワースポットになりそうな神社を紹介しよう。新横浜駅から徒歩約10分、新横浜1丁目のファミリーマートそばにある、蛇骨(蛇幸都)神社だ。

 江戸時代からあるという同神社を管理する高橋稔さんによると、もともとは、新幹線の高架下そば、一本杉の根元にあった祠が蛇骨神社だったという。名前の由来は、「篠原村のヘビ袋に住み着いた大蛇を退治して焼いた跡だから」や、「村の境界を決めるために矢を放ち、その矢が落ちた先にヘビが射られていた」など諸説あるという。長い歴史の中で一度廃れてしまったが、2001年に高橋さんの父親が今の場所に再興した。その際に、地元の守り神として親しみを込めて「蛇幸都(じゃこつ)」と名を当てたという。

 白蛇が祀られ、咳や腫瘍、精神疾患などへのご利益があるとされる同神社。高橋さんは「抜け変わる(脱皮)というところから、歯の健康にもご利益があるそう。ぜひお参りに来てほしい」と話す。今年8月には、近くに同神社の資料館を新設する予定だという。

わら蛇を手にする西方寺の伊藤住職

「わら蛇」通し、地域見守る 伝統行事「注連引き百万遍」

 今年は巳年。ヘビは脱皮することから「復活と再生」を連想し、不老不死や強い生命力につながる縁起の良い動物と考えられている。区内での、そんなヘビにまつわる話をひとつ――。

 新羽町の中之久保という地域には「注連引き百万遍(しめびきひゃくまんべん)」という行事がある。これは約240年前に天明の大飢饉が起こり疫病が流行した際に村人たちが「わら蛇」を作って祈り、疫病退散したことから、以降、毎年わら蛇を作り、祀るようになったもの。今ではこの地域の伝統行事として市の指定無形民俗文化財に指定され、保存会により継承されている。

次世代に継承

 新羽町の西方寺では毎年、保存会の人たちがわらで大蛇を作り、近隣にある新羽小学校や新羽中学校などの校門付近に飾り、子どもたちの健康や登下校の安全を祈願している。また保存会や保護者の指導のもと、同小の3年生が小さなわら蛇を一人一匹作り、地元の文化に触れる機会にしている。西方寺の住職で、保存会の会長を務める伊藤仁海さんは「わらを触ること自体、子どもたちにとって貴重な体験。伝統の行事を継続していきたい」と話す。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
  毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)