旭区・瀬谷区版【1月16日(木)号】
左から北村さん、角田さん、三塚さん、山下さん、讓原教諭

横浜隼人高校3年生 交通情報サイトを開設 生徒らのバス利用便利に

 横浜隼人高校=瀬谷区阿久和南=の3年生の山下悠翔(はると)さん、三塚耀(あきら)さん、角田圭一郎さん、北村実玖さんが12月、同校の最寄りバス停の発着時間などをまとめた生徒や教職員、学校利用者限定の「バス・鉄道運行状況表示サイト」を独自に開発・リリースした。

 サイトには二俣川駅、希望ヶ丘駅、三ツ境駅、戸塚駅に向かう各バスの発車時刻や遅延状況が記載されている。また、到着までの時間に合わせ、「歩いても間に合います」、「走ったら間に合います」など校舎からバス停に向かった際の目安も表示。さらに、6社10路線の鉄道運行状況も閲覧でき、同校関係者にとって大きな助けとなっているという。

他校の事例参考に

 同校では、多くの生徒たちが公共交通機関を利用しているが、最寄りバス停の発着時間をまとめたサイトがなかった。

 そんな中、特別選抜コースに所属する北村さんは大阪電気通信大学の学生たちが電車の運行情報掲示板を作成したことを知り、クラスメイトで独自にプログラミングを学んでいた山下さんに運行状況サイトの作成を提案。話を受けた山下さんは同じくプログラミングを得意とする三塚さんや、別クラスの角田さんにも声がけ。開発リーダーとして、10月後半からサイトの開発に着手した。

 「サイト作成は初めての経験でした」と話す山下さん。ウェブページを作るための専用言語「HTML」を学び、元となるシステムを2人と協力して2週間で組み上げ。11月にはページを作成したという。北村さんも広報担当としてチラシを配布するなど、サイトを多くの人に知ってもらおうと尽力した。

 山下さん、三塚さん、角田さん、北村さんはそれぞれ「人の役に立つことが好きなので達成感がある」、「生徒がサイトを使っているのを見ると嬉しい」、「サイトを作るのは初めてだったがうまくいった」、「友人たちの助けになれて良かった」と口々に語った。

 特別選抜コース主任の讓原和教諭は、「勉強と並行してサイトも作った生徒は初めてです」と驚嘆。これまでも勉強やテストの際にはクラスメイトに率先して呼びかけ、良い影響を与えてきたとして、「これからも頑張ってほしい」とエールを送った。

様々なサービスを利用できるアプリ

旭区若葉台 地域アプリで生活豊かに リリース記念しセレモニー

 デジタル技術などを活用して旭区若葉台地区の住民の暮らしを豊かにしようと、「若葉台アプリ」がこのほどリリースされた。12月21日にはわかばダイバーシティスペースWakkaでセレモニーが執り行われ、関係者らがサービス開始を祝った。

 アプリは、(一社)コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会が提供し、認定NPO法人若葉台が運営する。500人以上の医師が24時間365日対応する遠隔医療相談や、経理を学べる女性向けの会計スクールとリモートワークの就労支援などのサービスを利用できるほか、地域のイベント、子育て支援や防災に関する情報なども知ることができる。

 アップ・ストアやグーグルプレイからダウンロード可能。基本無料で、有料サービスも一部ある。また、サービスによってはアカウント登録が必要となる。

スマートシティ実現へ

 同協議会では2023年度から、認定NPO法人若葉台や(一財)若葉台まちづくりセンター、横浜市、旭区役所、イッツ・コミュニケーションズ(株)などと連携。高齢化が進む若葉台において、ICT(情報通信技術)などを活用した地域課題の解決や持続可能な都市の実現を目指し、高齢者の移動をサポートする電動カートの導入などに取り組んできた。一連の取り組みは、総務省による「地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」に採択されている。

 事業説明も兼ねて開催された21日のセレモニー。出席した古川直季総務大臣政務官は「誰一人取り残さない、スマートシティ実現に向けた第一歩。モデルケースとなり、全国で同じ地域課題を抱える団地などの課題解決につながることを期待しています」とあいさつ。旭区の権藤由紀子区長は「皆さんが自分なりに社会とつながり参加できる地域社会を、デジタル技術によって作っていければ」と話した。

 関係者らが見守るなか、古川政務官、権藤区長、同協議会の江川将偉代表理事、認定NPO法人若葉台の白岩正明理事長、若葉台連合自治会の菅尾貞登会長、総務省関東総合通信局の高地圭輔局長、横浜市の福田次郎CIO補佐監によるテープカットも実施。若葉台アプリのサービスを体験する時間もあり、会場は賑わいを見せた。

農業を営む「横浜ワタヤファーム」の代表を務める 小川名(おがわな) 駿さん 旭区下川井町在住 27歳

横浜の農業に新風を

 ○…400年以上続く農家の14代目として、昨年3月に代表を任された若手経営者。2人の姉がおり、家業は長男の自分が受け継ぐと決まっていたそうだが、「決まった仕事が多いと最初は思っており、嫌だった」。それでも大学などで農業を勉強し、裁量が大きいことに気づいた。「良くも悪くも自由なんです」

 ○…これまで行ってきたキャベツなどの露地野菜の栽培と並行し、横浜では珍しいというマンゴーなどの熱帯果樹の育成に注力。きっかけは「一人旅」だった。3年ほど前に、現場の声を聞くために、一人で九州の農家を何軒も訪問。その中で宮崎県にある一軒のマンゴー農家に出会った。「マンゴーは好きじゃなかったが、食べてみてその美味しさに驚いた。嫌いな人にも食べてもらいたいと思った」。その縁もあり、同農家に就職してマンゴーの栽培を勉強し、「横浜で栽培しているケースは少ない。地元で育ててみたい」と挑戦を決意した。

 ○…小学2年で野球を始め、横浜隼人中学・高等学校では軟式の野球部に所属。大学では一転、元プロも所属する硬式野球の社会人クラブに飛び込んだ。「軟式からの転向は難しいが、やってみないとわからないという気持ちで始めた」。次第に試合出場も増え、自信になった。大学生の時には他に、友人と車で日本一周。「土地ごとの方言や料理など、知らない世界が日本にもあると実感し、一人でも旅行したいと思った」

 ○…今後は地域の人などに向けた収穫体験の実施も見据える。「将来のために、横浜の農業を無くしてはならない。小さな農家だが、自分なりにできることに挑戦したい」。今は農業に注力し、休みはほぼ無しだ。「余裕ができたらまた旅行したいなあ」と笑う。

演奏を楽しむ参加者

ライブで薬物防止訴える 奉仕、音楽団体が協力

 旭区笹野台のアジアンダイニングシムランで12月21日、バンドの演奏を聞きながら薬物の危険性などについて学ぶ、「子どもを!地域を!薬物乱用から守ろうライブ!」が開かれた。

 この催しは、地域の学校で薬物乱用防止教室を開く「横浜旭ライオンズクラブ」(大江航会長)と、笹野台でライブイベントを行い、収益金や募金を学校や被災地に寄付してきた「三ツ境ポップスフェスティバル実行委員会」(居酒屋「深海魚」店主・伊藤嘉朗さんら主催)が協力したもの。

 当日は観客に向け、同クラブの吉田正利さんが子どもたちを取り巻く薬物問題について話す場面もあった。

 「子どもたちも薬物被害にあうことを大人たちに知ってもらい、みんなで何とかする地域を作りたい」と伊藤さん。吉田さんは「薬の過剰摂取によるオーバードースや、大麻グミなどさまざま問題がある。地域と協力して、子どもを被害から守っていきたい」と語った。

大会イメージビジュアル (C)一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ

女子バスケに無料招待 市が先着合計800組

 横浜武道館=中区=で2月7日(金)から9日(日)に行われる日本女子バスケットボールリーグ(Wリーグ)の優勝チームを決める「大樹生命 Wリーグ ユナイテッドカップ2024-25ファイナルステージ」に、横浜市が市民合計800組1600人を無料招待する。

 7日午後7時からGAME1、8日(土)午後2時からGAME2、午後4時30分からGAME3、9日は午後2時からファイナルが行われる。

17日に受付開始

 申し込みは、市の電子申請システムで1月17日(金)正午から31日(金)午後11時59分まで受け付け。横浜市民が対象で先着順。問い合わせは市にぎわいスポーツ文化局【電話】045・671・4566。

両区で新年の集い 25年の幕開け祝う 関係者ら一堂に

 「旭区新年賀詞交換会」と「瀬谷区新年祝賀会」が1月8日と5日にそれぞれ開催。行政関係者や各種団体・企業の代表、各区選出の市・県・国会議員などが一堂に会して、2025年の始まりを盛大に祝った。

旭区

 保土ケ谷区のモンテファーレで開かれた旭区の新年賀詞交換会。林重克実行委員長は年内に開通見通しの鴨居上飯田線などに触れて、「交通利便性が良くなる半面、地域の混雑も懸念される。しっかり対処していきます」とあいさつ。また、旭区で多発する振り込め詐欺について、「地域全体で取り組み、行政・旭警察署・住民、皆さまと一緒に撲滅していければ」と意気込んだ。

 権藤由紀子区長は昨年の能登半島地震などを振り返り、「安全と安心への備えについて改めて考える機会が多くありました」として、地域防災力の向上に意欲を見せた。また、旧上瀬谷通信施設(旭区、瀬谷区)で2年後に行われる「GREEN×EXPO 2027」について、オープンガーデンや巨大なアート作品展示などを通じ、「皆さまの共感と期待を高めていきます」と話した。

瀬谷区

 瀬谷区新年祝賀会は瀬谷センターで開催。高岩敏和実行委員長は地域の夏祭りやレクリエーション大会などについて触れて、「顔の見える関係づくりが一層進めば」とあいさつ。「絆が深まり、いざという時に助け合い、瀬谷区全体が生き生きと元気になることを願っています」と期待を寄せた。

 植木八千代区長は約800日後に迫ったグリーンエキスポに向けて、「これからもしっかりと盛り上げていきます」と強調。また、「職員が一丸となって、区民の皆さまとともに、幸せが実感できる瀬谷づくりに取り組んでいきます」と新年の抱負を話した。

 この日は「第24回 瀬谷区生き生き区民顕彰」の表彰式も行われた。顕彰された区民は以下の通り※敬称略。

 ▽地域社会への貢献/ユートピア自主防災隊、川端洋子、深澤徳枝、松本昇、藤井昭男、外山瑞男、臼井秀雄、西村快晴、片桐恭子、杉山幸、森幸子、折笠ヒロミ、下瀬谷中学校PTAふるさと祭り実行委員会

 ▽自治会町内会の円滑な運営への功績/松田貴也、坂口友彦、田中光子、佐藤由美子、中丸貢、松木正信、中村武昭、野中恵美、村井美津子、登坂千恵子

 ▽全国大会などに出場/廣瀬誠、山下夢、齊藤元希、横浜隼人中学校女子卓球部、横浜隼人高校女子卓球部、同・女子バレーボール部、同・新体操同好会、同・水泳部、同・美術部、同・文芸部、横浜隼人中学・高校和太鼓部、横浜隼人高校男子ソフトボール部、横浜隼人高校 小屋松恋、日向楓、永石旭飛、斎藤優心、吉濱吏琥、吉濱来藍、渡部知暉、中村優太

小川名さん=写真右=も調理を指導した

二俣川小 地元農家と授業で交流 提供野菜で調理実習

 旭区の二俣川小学校で12月20日、地元農家の野菜を使用した調理実習が行われた。

 同校では、地産地消を教えるにあたり、区内で農業を営む「横浜ワタヤファーム」の小川名(おがわな)駿代表(27)=人物風土記で紹介=に、家庭科の授業で使う野菜の提供を打診。小川名さんが快諾し、地元農家と小学校の交流が実現した。

 この日は5年1組が調理実習を実施。児童たちは、前日夕方に収穫したばかりだという白菜、長ネギを用いた味噌汁を、小川名さんの指導も受けながら作った。

 出来上がった味噌汁を食べた児童は「ネギが甘くて美味しい。野菜がもっと好きになった」と舌鼓を打った。

 その後は小川名さんへの質問コーナーが行われた。これからの目標を聞かれた小川名さんは、「農家の平均年齢は68歳くらいといわれており、高齢化が進んでいる。野菜を食べ続けられるように、この状況を変えたい」と語った。

演奏する(左から)奥山さん、青嶋さん、熊井さん

生演奏に「感動」 東横INNでライブ

 東横INN二俣川駅北口で12月24日に「100万人のクラシックライブ」が開かれ、子どもから大人まで約40人が冬の名曲やクリスマスソングを楽しんだ。

 音楽あふれる街を目指して、(株)東横インと(一財)100万人のクラシックライブが協力している取り組み。この日は同ホテルのロビーを舞台に、青嶋祥代さん(バイオリン)と熊井麗音さん(ピアノ)が出演。「至近距離で聴く音楽を楽しんでください」などと呼びかけて、ヴィヴァルディによる「四季」の「冬」、映画「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」、高見沢俊彦さんが作った同ライブのテーマソング「FLOWER OF LIFE」などを披露した。

 終盤には同ホテルのスタッフで、神奈川フィルハーモニー管弦楽団所属の奥山佳代子さんも協演。曲の解説を交えながら、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「行進曲」と「花のワルツ」などを演奏して、会場を盛り上げた。

 観客は「プロの生演奏を二俣川で聴くことができて嬉しい。(出演者との)距離が近いため、感動が胸に飛び込んできました」とライブを堪能した様子だった。

植木区長(右)と澁谷会長(左)を訪問した斎藤さん=瀬谷区役所

ライフセービング 斎藤さんが世界2位 瀬谷区長らを表敬訪問

 ライフセービング世界選手権大会で銀メダルを獲得した高校3年生の斎藤優心(ゆうしん)さん=瀬谷区南瀬谷=が12月19日、瀬谷区の植木八千代区長と瀬谷区スポーツ協会の澁谷悦旦会長を表敬訪問した。

 斎藤さんは4歳で水泳を始め、高校でライフセービング部に入部した。昨夏にオーストラリアで行われた同大会には、ユース日本代表として初出場。うつ伏せの状態から反転してバトンを奪い合うビーチフラッグス競技で準優勝に輝いた。また、10月の全日本ユースライフセービング選手権大会でも、直線を駆け抜けるビーチスプリント(U―18男子)とビーチフラッグス(同)でそれぞれ2位と3位だった。

 表敬訪問ではビーチフラッグスについて、大きい体格の海外の選手と渡り合うために、状況に合わせたコース取りが重要になる点などを紹介。今後の目標を聞かれると、「大人のカテゴリーでも経験を積んで、日本代表として世界大会に出たい」と意気込んだ。

ガチャガチャコーナーや水消火器体験などに、多くの家族連れが訪れた

防災意識高める新年に 旭区で消防出初式

 新年恒例の「旭区消防出初式」が1月11日、旭公会堂及び旭消防署で行われた。

 式典では、区内の防火防災に貢献した人や団体への表彰が行われたほか、横浜市消防音楽隊により「勇気100%」や「アンパンマンのマーチ」など子どもに親しみのある曲が演奏された。

「自宅の点検を」

 種子田太郎旭消防署長は、住宅火災が増えていることに触れ、「電源タップや電池など、電気が起因しているケースが多い。発火を防ぐために自宅を点検してほしい」と区民に呼びかけた。

 旭区連合自治会町内会連絡協議会副会長の安藤眞弘さんは、昨年発生した能登半島地震を念頭に置き、「旭区では関東大震災以来大きな災害は起きておらず、想像しがたい。消防団などと連携した日々の訓練で備えていきたい」と語った。

 式典に合わせて防災啓発ブースやふれあいブースも開設。水消火器体験や煙体験ハウス、消防車両見学など、親子連れが楽しめる催しが行われ、大いににぎわっていた。

 母親と来たという小学3年の児童は「消火器の放水を体験してみて、実際に火事が起こった時に使ってみようと思った」と話した。

表彰を受けた環境行動推進功労者(左)と環境事業推進委員の永年在職者

環境活動を称える 瀬谷区で表彰式

 瀬谷区の環境行動推進功労者と環境事業推進委員の永年在職者を称える表彰式が12月11日に瀬谷区役所で開かれた。

 今年度は推進功労者1団体と6人、同委員在職5年の22人が選ばれた。受賞者は以下の通り(敬称略)。

 【環境行動推進功労者】”瀬谷四丁目町内会 街・美化隊”、伊沢信次、福田勇、鈴木武夫、孫福常、大森照子、埒見和子

 【環境事業推進委員永年在職5年】磯辺良子、入澤初男、天形紀子、中村良二、岩崎眞也、鈴木正義、高橋匡男、鈴木文子、小野友也、大竹かすみ、山下繁、雁部元尉、阿部孝夫、鈴木和雄、川上幸助、藤田明夫、井上謙一、清水吾悦、福田勇、鈴木武夫、伊與田伸一、山部正

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インタビューに答える黒岩知事

黒岩知事インタビュー デジタル活用で施策推進 新地震防災戦略策定へ

 年頭にあたり本紙では黒岩祐治知事にインタビューを行った。黒岩知事は、デジタル技術を最大限に活用し少子高齢化や人口減少にあたっていく姿勢を改めて強調した(聞き手・熊坂淳)。

 ――少子高齢化・人口減少への対応を視点に据えた新総合計画が昨年、策定されました。

 「少子化の流れに歯止めはかかっていませんが、背景のひとつに子どもを産み育てることに対する様々な不安があるのでは、と考えています。例えば出産に伴う痛みだとか経済的不安、仕事上のキャリアと両立できるのか、急な発熱や引きつけへの対応ができるかなど。こうした不安を少しでも取り除けるようにと開発したのが無料通信アプリLINEを使った『かながわ子育てパーソナルサポート』で、昨年はオンラインで相談できる機能を盛り込みました。デジタルの力を活用しながら、今後も子育て当事者の目線に立った施策を進めていきます」

 ――三浦半島エリアや県西エリアでの人口減が特に著しいです。

 「人口減少地域は、裏返して言えば自然豊かで住みやすい場所でもあります。そうした利点を生かし、県では『ちょこっと田舎でオシャレな神奈川』をキャッチフレーズに施策を展開しています。都心への通勤圏内にありながら自然環境に恵まれ、かつちょっとおしゃれという魅力を前面に打ち出した移住定住作戦です。コロナ禍においては都心から本県への移住者が増えましたので、この流れを今後も継続していきます」

 ――少子高齢化に伴い生産年齢人口も減ってきています。

 「今の高齢者は元気です。そういった皆さんに働いていただける環境づくりを、まずは進めたい。それからロボットとDXです。ロボット技術やデジタル技術は、業務効率化を補うために大きな力になると考えています。それと外国人です。県は現在ベトナムとの間に太いパイプを持っており、昨年、県内企業で働いてもらう流れもできました。優秀な外国人材によって労働力不足を補う施策も推進します」

 ――昨年も米軍による事件・事故事案が続発しました。日米地位協定の改定が課題です。

 「神奈川県は沖縄に次ぐ第二の基地県です。日米安保条約、安保体制を守るのが我々の大きな使命だと思っていますが、米兵の犯罪を日本の法律体系の中で扱えないという現状に対し、割り切れないという住民感情もあります。私は米軍基地が所在する15都道府県の知事で構成する『渉外知事会』の会長でもあります。石破総理は総裁選時に日米地位協定の見直しを明確におっしゃっていましたので、この問題を前に進めてくださることを期待しています」

 ――今年3月に新たな地震防災戦略を策定予定です。

 「昨年の能登半島地震では情報網が未整備で全体像を把握できない状況がありました。県では『防災DX』を以前から準備してきましたが、それをさらに発展させ、デジタル技術の活用促進により安心安全を図ることを基本に据えます」

 ――県民の皆さんに新春のメッセージを。

 「昨年は横浜DeNAベイスターズが日本一となり、大谷翔平選手も大活躍、オリンピック・パラリンピックでも神奈川県勢が活躍してくれました。そうした『感動』『高揚感』を新しい年でも展開したいですね」

村上大臣(中央左)に要望書を手渡す川口氏(同右)。左から田中氏、古川直季総務大臣政務官、2人おいて鈴木議長、竹野内氏(横浜市提供)

「特別市」法制化へ横浜市会が国に要望書

 横浜市が実現を目指す「特別市」に関し、横浜市会の鈴木太郎議長ら市議4人が1月14日、法制化を求める要望書を国に提出した。

 特別市は原則として市が市域の地方事務の全てを担い、権限や財源を市に一本化する制度。実現には法制化が必要で、市は他の政令市と連携し、実現を目指している。

 同日、鈴木議長と市会大都市行財政制度特別委員会委員長の川口広氏、副委員長の竹野内猛氏、田中優希氏が村上誠一郎総務大臣に鈴木議長名の要望書を手渡した。

 市は特別市の実現で、市民サービスの向上や経済活性化が進むとしており、要望書には「日本全体の成長力を高め、経済を活性化していくために、地方創生を推進するとともに、大都市が持つ力を最大限発揮できる特別市の早期法制化の実現に取り組むべき」と記した。

 市会はこれまでも特別市の早期実現を求める意見書を議決するなどし、国への要望を続けている。 

協定書を手にする市こども青少年局の福嶋誠也局長(左)と境社長

ひとり親支援で横浜市が離婚後子育てアプリ運営会社と協定

 横浜市はひとり親家庭の支援のため、離婚後の子育てアプリ「raeru(ラエル)」を運営するGUGEN Software株式会社=西区=と2024年12月に連携協定を結んだ。

養育費支払い・面会交流の連絡調整

 協定は同社が市に提案を行ったことで実現した。アプリは、離婚後の父母が養育費や子どもとの交流のための連絡を調整するもの。メールやSNSを使わずにやり取りができる。基本的なサービスが使えるプランは無料で利用できる。

 協定により、横浜市内在住と登録した場合、使える機能が増えるプレミアムプラン(月額500円)を初月から3カ月間、無料で試せる。市はアプリを通してひとり親支援に関する情報を発信していく。

 同社の境領太社長は「離婚後の父母が相手に直接関わりたくないという声が多い。官民連携できめ細やかなひとり親支援を行い、困っている人を助けたい」と述べた。

はしごの上で技を見せるとび職人

横浜消防出初式 職人妙技や一斉放水 赤レンガ倉庫に9万人

 新年恒例の「横浜消防出初式」が1月12日、横浜赤レンガ倉庫などで行われ、約9万人(主催者発表)が集まった。市消防局とラジオ日本による運営事業体の主催。

 横浜市鳶工業連合会、横浜古式消防保存会によるはしご乗りとまといの振り込みでは、とび職人がはしごの上でバランスを取りながら妙技を見せた。車両展示コーナーには、消防局のはしご車のほか、ごみ収集を行うパッカー車やレッカー車などが並び、子どもに人気だった。一斉放水もあり、横浜の災害対応力を来場者に示した。

 また、市消防局が撮影に協力している消防司令センターを舞台としたフジテレビのドラマ「119エマージェンシーコール」(1月13日放送開始、月曜日午後9時から)に出演する主演の清野菜名さんや佐藤浩市さんらがサプライズで登場し、見どころなどを語った。

瀬谷地図くらぶ 1月25日に「埋もれた」歴史講座 中屋敷地区センターで

 地図を基に横浜市瀬谷区の歴史を調査しているグループ「横浜・瀬谷地図くらぶ」(田中常義会長)が1月25日(土)、瀬谷区の埋もれた歴史を探る講座を中屋敷地区センター=瀬谷区中屋敷2の18の6=で開く。午後1時30分〜4時15分。

 講座は2部制。第1部では「横浜市18区における瀬谷区の立ち位置を考える」と題して、街の特徴や将来について理解を深める。第2部のテーマは旧上瀬谷通信施設で2年後に行われる国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)に関連して、「上瀬谷郷が花博の地になるまで」。グリーンエキスポの開催が決まるまでの苦労話などを語る。

 参加費は資料代として200円。予約不要で、希望者は当日会場へ。問い合わせは田中会長【携帯電話】090・3814・2007、または【メール】tt1110@jcom.home.ne.jp。

「インフルエンザ」の12月23日から29日の区別の定点当たり患者報告数

横浜市内でインフルエンザ流行警報が発令中 患者報告数、前々週の3倍以上に

 横浜市衛生研究所は1月8日、インフルエンザの流行情報を発表し、流行警報が2週継続しているとして注意を呼び掛けている。市内153カ所の医療機関から報告された患者数の平均値(定点あたりの患者報告数)は、12月23日から29日の1週間で60.35人となり、2週間前の3倍以上を記録している。

 市全体の定点あたりの患者報告数は8月下旬以降、緩やかな増加傾向が続き、10月下旬に流行開始期に突入。12月中旬に流行注意報が発令された。12月16日から22日に定点あたりの患者報告数が43.33人となり、流行警報の発令基準となる30.00人を上回っていた。

15歳未満が55.5%でA型が99.6%

 年齢別では、15歳未満の報告が全体の55.5%。学級閉鎖などは小学校を中心に81施設、患者数は1,415人に上る。市内迅速診断キットの結果は、A型が99.6%、B型が0.4%で、A型が多い。同研究所では突然の高熱が出やすいA型と、嘔吐下痢など胃腸症状が出やすいB型の流行パターンとして、「通常は1月中旬までA型が多く、1月下旬からB型が増えていく傾向」としながら、「コロナとB型に同時罹患している患者の報告もある」と話し、A型でもコロナとの同時罹患もありうるため、医療機関できちんと診断を受けるよう、注意を促している。

インフルエンザ入院患者の半数以上が高齢者

 市内に4カ所ある基幹定点医療機関におけるインフルエンザ入院患者は、12月23日から29日に106人で、累計は231人となった。そのうち、70歳代が46人、80歳以上が78人で、70歳代以上が全体の53.68%と半数以上。次いで10歳未満が36人となっていて、「免疫力の低い低年齢児、もともと基礎疾患がある人の多い高齢者が重症化しやすい」と同研究所は分析している。

 同研究所は、咳エチケットや正しい手洗い、不要不急の外出を控えること、人混みでのマスク着用や換気などの予防策を改めて呼び掛けている。

パマトコ「妊産婦・こどもの健康相談」画面(市提供)

横浜市子育て応援アプリ「パマトコ」に新コンテンツが登場 妊娠・子育ての相談を簡単に

 横浜市は1月9日、公式子育て応援アプリ「パマトコ」に妊産婦や保護者が24時間、医師や助産師に相談できる新たなコンテンツを追加した。

 パマトコは、子育てに関する手続きや情報を集約したアプリで、2024年7月にWEB版、10月にアプリ版をリリース。12月末には登録者数が6万人を突破した。

24時間、医師や助産師に相談可能

 追加されたコンテンツは、「妊産婦・こどもの健康相談」。市内在住の妊婦と未就学児の保護者が無料で利用できる。

 「いつでも相談」と「みんなの相談検索」の2つの機能があり、「いつでも相談」では、オンラインフォームから妊娠や子育てに関する不安を相談でき、医師や助産師から原則24時間以内に回答が届く。「みんなの相談検索」では、「離乳食を食べてくれない」といった相談に対し、医師や助産師が過去に対応した1万件以上の回答を検索できる。

子育て情報を発信するオンラインマガジンも

 横浜で子育てをする魅力を発信するオンラインマガジン「横浜子育て応援マガジン」も同日、パマトコに追加された。座談会やインタビューなどの特集記事、横浜市の事業や魅力を紹介するミニコラムなどが掲載されている。

 市は、今後もパマトコに新たなオンライン手続きを追加するなど、機能を拡充していく予定だ。

 パマトコ全般および子育て応援マガジンについての問い合わせは、こども青少年局企画調整課【電話】045-671-4281。妊産婦・こどもの健康相談についての問い合わせは、こども青少年局地域子育て支援課【電話】045-671-2455。

公演のポスター

「7本指のピアニスト」 西川悟平さんのコンサート 1月18日、西区の教育会館

 「奇跡の7本指のピアニスト」と呼ばれる西川悟平さんによるトーク&ピアノコンサートが1月18日(土)午前10時から横浜市教育会館=西区紅葉ケ丘=で開催される。主催は横浜市教職員組合、主管は障がい児教育連絡協議会。

 西川さんはニューヨークを拠点に活動し、カーネギーホールなどで聴衆を魅了してきたピアニスト。2001年に難病である「ジストニア」に冒され、両手の演奏機能を完全に失うも、懸命なリハビリを続け、動かせるようになった右手の5本と左手の2本の指での演奏を確立。公演で世界を飛び回り、21年の東京パラリンピックの開会式でも演奏した。

 入場無料。希望者はサイト(https://teket.jp/12358/43145)から申し込む。問い合わせは同組合【電話】045・231・6231。

鏡開きを行う石川会長(中央)や山中市長(左から2人目)ら

横浜市商店街総連合会 設立60周年で記念式典

 横浜市内の約1万店が加盟する一般社団法人横浜市商店街総連合会の設立60周年記念式典と新年賀詞交換会が1月9日、西区のホテルで行われ、約100人が参加した。

 同会は1964年6月に設立。これまでに加盟店で使える共通商品券の発行や消費者との交流を図るための「ハートフルコンサート」などを実施。最近では、名物商品の人気投票企画「ガチ!シリーズ」や「商店街プロレス」を行うなどしている。昨年10月には、「PayPay」を使ったプレミアム商品券を販売し、人気を集めた。

 式典で石川清貴会長(神奈川区商店街連合会会長)は「住みやすい地域社会づくりへ向けて大型店と連携するなどし、課題を解決していきたい」と意欲を示した。今後、商店街を巡るデジタルスタンプラリーを行うことを予定しており、「工夫してイベントを実施したい」と抱負を述べた。

 式典には山中竹春市長も出席し、60周年を迎えたことに対する感謝状を石川会長に手渡した。

あいさつする林会長

連合神奈川 「賃上げが当たり前の社会を」 新春のつどいで林会長

 県内最大の労働組織「連合神奈川」の「新春のつどい」が1月8日、ワークピア横浜=中区=で行われた。

 連合が支援する立憲民主党や国民民主党の国会議員や地方議員のほか、黒岩祐治知事や山中竹春市長など、県内自治体の首長らも参加した。

 林克己会長はあいさつの中で、昨年の春闘で33年ぶりに賃上げが5%を超えたことに触れた上で、「デフレ脱却へ1回目の歯車が回ったに過ぎない。経済の好循環のために歯車を回さなければならない」と述べた。さらに「賃上げが当たり前の社会を」と決意を語った。

 夏の参院選については「政権交代の足がかりとなる結果を出すことが重要」と述べた。連合神奈川は昨年11月に神奈川選挙区で国民民主党から立候補予定の籠島彰宏氏の推薦を決めている。

ムクロジ文:中村多加夫(瀬谷環境ネット)写真:同 瀬谷の生き物だより180

 お正月の遊びである「羽根つき」に使う羽根の玉には、ムクロジの硬くて丸い種が使われている。

 ムクロジはムクロジ科の落葉高木で、日本、中国、東南アジアなどに自生している。葉は互生、長さ30〜70cmほどの偶数羽状複葉を持ち、秋に黄色く紅葉する。6月ごろ枝先に淡緑色の花を多数つけ、秋には直径2cmほどの丸い果実を実らせる。この果実は熟すと半透明のあめ色になる。果実の中には直径10mmほどの黒くて丸い種が入っている。

 この種は適度な重さがあり、羽根つきの玉として最適なものであった。また、美しい光沢があるため、お守りや数珠の材料、装飾品として、更に果皮にサポニンを含むので石鹸の代用としても利用された。

 ムクロジという名前は、「無患子」と書き、「患い(病)が無い子」という意味がある。この名前は、ムクロジの果実が魔除けや厄除けとして使われていたことに由来している。

 ムクロジの木は、瀬谷区二ツ橋にある最勝寺の鐘つき堂の横に有るので、花の咲く時期に、葉が茂っている姿や花を見に行ってみては如何か。