八王子版【2月13日(木)号】
マンホールを外して異常がないか確認した

八王子市 道路・下水管を緊急点検 埼玉県の陥没事故を受け

 埼玉県八潮市で起きた道路の陥没事故を受け、市は1月31日にプロジェクトチームを設置して、同様の危険箇所がないか、市内の道路や下水道管の緊急点検を実施している。手始めに、災害時の幹線となる「緊急輸送道路」など40路線で目視による路面点検を実施して異常がないことを確認、引き続きマンホールや下水道管内部の調査を行っていく。

 八潮市の事故は下水道管の老朽化による破損が原因とみられていることから、国は全国の自治体に「晴天時1日あたり30万㎥以上の下水処理場とつながる内径2m以上の下水道管」を対象に緊急点検をすることを要請していた。

 市内に該当する水道管はなかったが、市は水環境部と道路交通部の職員10人からなるプロジェクトチームを設置して、1月31日に甲州街道や北野街道といった緊急輸送道路など40路線で目視による路面点検を行い、舗装のへこみや亀裂などの異常がないことを確認。さらに市独自の取り組みとして、内径1・8m以上の下水道管約4・3Kmを対象とした緊急点検を行うことを決めた。このうち合流式の下水道管2・2Kmで、マンホールを開けて内部の壁面などに亀裂やゆがみなどがないかを目視で確認する調査を2月4日から始めた。また12日から14日にかけて北野街道沿いの一路線にある分流式下水道菅2・1Kmで、管内に人が入って点検を行う管路内調査を下水が少ない深夜に実施する。

 点検は2月中に完了する予定。調査結果に基づいて危険度判定を行い、必要に応じて修繕などを実施する。市の担当者は「早急に調査を行い、安全を確認することで市民の皆様の不安を解消したい」と話している。

最優秀賞を受賞した2作品の研究ポスターと発表した生徒たち

聖パウロ学園高校 研究展で最優秀賞 恩方地区の課題に焦点

 下恩方町にある聖パウロ学園高等学校(小島綾子校長)の生徒らが、社会的課題についての研究や取り組みを発表する「グリーンインフラ・ネットワーク・ジャパン2025全国大会」に出展。2グループが学生・研究者部門でともに最優秀賞を受賞した。応募があった全92件のうち、最優秀賞は4件。

 「グリーンインフラ」とは森林や河川、水田など、自然環境がもつ機能を活用し、社会的な課題を解決しようという考え方。同大会ではこれに関する取り組みを発表し、持続可能な社会に役立てることを目的としている。研究を1枚にまとめたポスター展示の観覧者投票をもとに、学生・研究者部門から2件、企業・行政部門、非営利部門から各1件ずつ最優秀賞が選ばれた。

2グループが出展

 今回受賞したのは、同校が所有する「学校林(りん)」についての研究と、同校のある恩方地区で課題となっている獣害についての研究。2年生の有志2グループが出展した。

 「学校林」を題材にしたのは、南澤剛至さん、小川滉太さん、松本実知さん。敷地内にある「パウロの森」で、土砂災害などを防ぐ流域治水がどのように行われるかに着目。硬度計を使用して土の硬度を調査したり、森の保水力を向上させる手入れ方法をまとめた。

 獣害については、北村アレンさん、飯田星来さん、井出涼介さん、立川愛也さん、幅下加瑞希さんが研究。恩方地区では、収穫予定のないゆずなどを狙い猿などが田畑を荒らす獣害が発生していることを受け、昨年、同校生徒がボランティアで収穫。これを八王子市や町会、民間企業と協力して学校給食やオリジナルクラフトビールに活用する取組をまとめた。

 学生らは、先月末に東京ビッグサイトで行われたポスターセッションにも参加。小島校長は「2件とも地域と関わり地域の抱える課題に向き合った点が評価されたのでは」と総括。ポスターセッション後は、「内容を説明するのにすごく緊張した」「専門家の人から指摘されたアドバイスが参考になった」など生徒は思い思いの感想を述べた。

「感じたままに伝えたい」第38回障害者文化展で市長賞を受賞した 青木 百合江さん 川口町在住 74歳

絶望乗り越え 絵に魂込め 

 ○…「入選したというファックスをもらってびっくり。とってもうれしかった」。初めて応募した障害者文化展で、最優秀に当たる市長賞を受賞した。ちぎり絵で表現した鷹は、散歩中に偶然出会った鷹匠の鷹。「私と鷹匠さんとの会話を理解しているような、そんな賢さを瞳から感じたの」。心に覚えた感動を、約1カ月費やして形に。中学・高校と美術部に所属しており、油絵やちぎり絵、裁縫など、手先を使う作業には腕に覚えがある。

 ○…八王子生まれの八王子育ち。60歳を迎える頃、突然耳が聞こえづらくなった。「ストレスかな」。しかし事は思ったより深刻で、自分が中途聴覚障害者となったとわかったとき、激しく動揺した。奇しくも当時は社交ダンスの競技選手だった。「音がわからないと踊れない」。絶望の海に投げ出されたようだった。

 ○…立ち直る原動力になったのは、「自分と同じ立場の人のために尽くしたい」という気持ち。障害があったとしても、人は「少し手を貸してもらえるだけで生きがいややりがいを感じる」。ダンスの経験を生かし、視覚障害者とペアになる晴眼者としてブラインドダンス大会に出場。耳に届くわずかな音階だけを拾い、激しいダンスをリードし、2008年の全日本選手権大会ではラテンダンス部門で2位を獲得した。

 ○…創作活動の息抜きは、柄の映える留袖などをズボンなどの洋服に作り替える和装リメイク。「一つ仕上がると、すぐ次の創作がしたくなる」というように、常に手を動かして作品を生み出している。次のちぎり絵の題材は「だるま」を構想中。作品づくりを通して、健常者も障害者も関係なく笑顔になれる世界を思い描く。

上半分の銅板がはがされた霞神社の屋根

銅板窃盗に注意 滝山で神社の屋根が被害

 滝山公園内にある滝山霞神社と高月金毘羅社の屋根に使用されていた銅板が盗まれた。2社の総代と奉賛会は近隣住民に注意を呼び掛けている。

 被害に気付いたのは1月31日の夕刻。霞神社は裏側の屋根の上半分、金毘羅社は正面の屋根すべてと裏側の約半分がはぎとられていた。銅板は1枚およそ15cm×60cmの長方形で、2社で合計360枚ほどがなくなっており、周辺には留め具が散らばっていたという。

 霞神社は日露戦争以降の旧加住村出身の戦没者を祀っており、加住地区遺族会や奉賛会によって維持管理されてきた。1996年には有志の寄進により改築した経緯がある。同社奉賛会の高橋清一会長(80)は「地域の大切なものなのに。神仏を敬う心を踏みにじる行為だ」と憤る。

 金毘羅社は江戸時代、水運業を主力としていた村民が、海運(開運)の神社として多摩川を一望できる同地に建立したという。創建200年事業で1994年に社殿を再建した。同社総代の澤井正喜さん(66)は、「驚いた。防犯カメラを設置するなどの対策をしたい」と話していた。

 銅の換金価格の高騰により都内でも増加傾向にある金属盗。八王子警察署管内では昨年、銅のケーブルなど10件の被害があったが神社の屋根板はなかった。同署では巡回や警戒を呼び掛ける。

ラベルを手がけたsaoriさん(左)と製造者の島村さん

クラフトリキュール&ジン こだわりは「八王子産」 女子高生がラベルデザイン

 八王子産の桑の実やホップなどを使って造り上げたお酒に、市内在住の女子高生アーティストがデザインしたラベルを施したクラフトリキュール「マルベリー&ホップス」とクラフトジン「翠靄(すいあい)」。昨年9月の販売開始以来、市内外の酒販店や飲食店で親しまれている。この1月には日本遺産「桑都物語」の普及啓発につながる商品としてロゴマークの使用も承認されるなど、地域との結びつきを深めている。製造者の島村悟さん(50)とラベルをデザインしたsaoriさん(17)に、その誕生秘話を尋ねた。

酒造りの夢叶え

 八王子で生まれ育った島村さんはバーテンダー修業を経て、23年前に三崎町にオーセンティックバー「洋酒考」をオープン。オーナーバーテンダーとして酒の造り手と飲み手をつなぐ役割を担う中で、漠然とだが自身も「造り手の側に立ってみたい」という思いを持っていたという。

 転機はコロナ禍。店が営業できず、さまざまなイベントも中止になる逆境の中で「今がその時ではないか」と前向きに捉えた。「自分が造るなら、生まれ育った八王子を内包したお酒にしたい」と八王子産の原材料を使うことを決定。市議で農家の船木翔平さんに協力を仰ぎ、大谷町の農園でマルベリー(桑の実)やホップの栽培を始めた。酒造免許も取得し、万町にあるアパートの一室に小さな製造所を設けて、試行錯誤を繰り返しながらオリジナルのジンとリキュールを造り上げた。

イメージ捉える

 もう一つ考えなければならなかったのが、ボトルのラベルデザイン。島村さんは海外のボトルにあるようなシックでモノクロのアートラベルを付けたかったが、洋酒にマッチしづらい墨絵しか浮かばず方向性を決めきれないでいた。そんな時、島村さんのインスタグラムの投稿で八王子産の酒造りが進んでいることを知ったsaoriさんのお母さんが興味を持ち、メッセージを送ったことがお互いの活動を知り合うきっかけとなった。

 新進気鋭の若手アーティストとして活躍するsaoriさんの作品を見た島村さんは「これしかない」とラベルのデザインを打診。意気投合し、2週間後には市内のファミレスで打ち合わせを行っていたという。

 saoriさんは初めてのラベルデザインに苦戦しながらも、島村さんに見せてもらった夏の朝に高尾山に降りる霧「翠靄」や、農園で育てている桑の実やホップの画像をもとにイメージを膨らませてデザインを仕上げた。島村さんも「見た瞬間に驚くほどしっくり来たことを覚えている」と絶賛。昨年9月20日から販売を開始したところ、「久しぶりに応援したいお酒が出てきた」などと酒販店や飲食店からの反応も上々という。

 「八王子」にこだわる島村さんは日本遺産「桑都物語」のロゴマークを八王子織物の絹糸を使ったタグを作って瓶にかけようと現在、準備を進めている。また八王子産のパッションフルーツを使った新商品も年内の販売開始に向けて開発している。島村さんは「市外の人には八王子に興味を持ってもらうきっかけに、市内の人にはより八王子を好きになってもらえるようなお酒にしていきたい」と展望し、saoriさんも「たくさんの人に手に取ってもらえるようなお酒になれば」と願っている。

 マルベリー&ホップス(2700円)と翠靄(2900円)はECサイトや市内の酒販店などで取り扱っている。問い合わせは「八王子クラフトリキュール」のインスタグラムから。

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自覚症状がなくても内視鏡検査はできる?
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胃腸科消化器内科
症状はないけれど、がんが心配だから大腸や胃の内視鏡検査を受けたい場合は、健康保険が適応されませんので注意してください。大腸がんや胃がんの疑いにつながる症状として... (続きを読む)

笑顔で豆まき 福招け 八幡八雲神社で節分祭

 立春前日の2月2日、元横山町の八幡八雲神社(柚井正道宮司)で除災招福や商売繁盛などを願う節分祭が催された。

 豆まきには裃姿の年男・年女をはじめ、八王子芸者や萩生田光一代議士らも参加。子どもたちによる豆まきも行われ、特設ステージの上から「鬼は外、福は内」と元気いっぱいにお菓子や福豆をまくと、来場者が手や袋を差し出して「こっちにも投げて」などと歓声を上げた。

 この日は同神社青年会によるお囃子、厄除けそばや甘酒の振る舞いもあり、寒気に震える来場者たちを温めた。7歳の息子と参加した30代の母親は「良い年になりそう」と笑顔を浮かべた。

参加募集 GX経営を学ぶ 経産省主催セミナー

 経済産業省が2月19日(水)、八王子商工会議所を会場に「GX推進セミナー」を行う。GXとは、グリーントランスフォーメーションの略で、化石燃料をできるだけ使わず、大気汚染物質の排出が少ないクリーンなエネルギーを活用していくための変革や戦略のこと。経済成長の新たなエンジンとしても捉えられており、企業の経営戦略にも大きな影響を与えると言われている。

 セミナーでは、なぜ今取組む必要があるのか、どんなメリットがあるのか、何から始めたらよいのか、また支援制度の紹介など、GXを経営に活かす第一歩を学ぶ。

 主催者は「GXを企業の皆様の企業価値の向上につなげる機会としてぜひご参加ください」と呼びかける。

 午後2時30分から4時30分まで。会場は同会議所4階ホール(大横町11の1)。定員は先着80人。参加費無料。対象は市内を拠点に活動する事業者。申込みは二次元コード。締切は2月17日(月)午後5時。

 問い合わせは八王子商工会議所【電話】042・623・6311またはボストン・コンサルティング・グループ合同会社【メール】exl-GX-kenshu-Hachioji@meti.go.jp。

めだかフェア 22・23日 JR八王子駅周辺で

 めだかすくいグランプリや種親の販売を行うイベント「めだかスタートダッシュフェア」が2月22日(土)・23日(日)に行われる。会場はあやめ会めだか販売店(子安町1の2の6)とめだかやドットコム本店(八王子オーパ5階)。

 めだかすくいグランプリでは入賞者に豪華景品あり。種親めだかは春から採卵できる種親向けの品種が大集合。ワークショップは事前予約で魚の育成におすすめな「命水液」のプレゼントも。

 時間は午前11時から午後6時。(問)同店【電話】042・649・4410。

オーナーでパティシエでもある佐々木さん

チョコ高騰 菓子店どう工夫 街のパティシエに聞いた

 物価高や材料費の高騰が叫ばれて久しいが、明日のバレンタインデーを控え、街の菓子店ではどのように対策を講じているのか。散田町にある「パティスリータツヤササキ」のオーナーでパティシエの佐々木達也さん(39)に話を聞いた。

 同店はフランスで修行したオーナーが2011年に創業した菓子店。タルトや焼き菓子、ショコラなどを製造・販売している。佐々木さんによると、今年、チョコの仕入れ値がなんと昨年の約2倍に。せめて売値は「1・5〜1・7倍以内で収めたい」という思いと、製造スタッフの人数や労働時間の改善もかんがみ、「どうにか価格を抑えた商品を作れないか」と考えた。

 そこで実行したのが、昨年までの「型抜きチョコ」(型にチョコを流し込み固める)をやめ、「割れチョコ」(平たく固め適度な大きさに割る)に。これにより、型容器の洗浄の手間や取り出したチョコへの細かな装飾技術が不要となり、品質や味はそのままに、売値を落ち着かせることに成功。また、一つの袋に従来より多く封入することで、個包装数を減らし、包装代や人件費を浮かせた分も、価格に反映させた。

「葛藤の連続」

 街の菓子店として、この難局をいかに乗り越えるか「葛藤の連続」だという。「豪華で高級な型抜きチョコは百貨店に任せる。自分たちは街のパティスリー。顧客が求めるのは美味しさと手頃な買いやすさではないか」と持論を展開する。

 試行錯誤の末に製造した割れチョコだが、「修行先のフランスでもよく売られていたので、あこがれもあった」と佐々木さん。材料費高騰に悩みながらも、少しでも顧客が求める美味しい商品を生み出していく。

ビートレインズ U15、トライアウト受付中 2月17日、27日

 八王子を拠点に次世代のプロ選手育成を目指そうと、プロバスケチーム「東京八王子ビートレインズ」がU15のトライアウトを2月17日(月)と27日(木)に開催する。現在、申込み受付中。

 対象は2025年4月から新中学生になる1年から3年男子。参加費2000円。ボール、バッシュ、ウエア、飲み物、タオルと事前課題レポートを持参すること。会場は、17日が第六中学校体育館、27日が八王子市富士森体育館分館競技場。定員は20人。

 活動は週4回。市内体育館で練習し、2025年度は都U15リーグや都U15バスケットボール選手権大会(ジュニアウィンターカップ予選)などに出場予定。

 課題レポート用紙の詳細や申込みはビートレインズ公式ホームページ(https://trains.co.jp/news/detail/id=15825)。

体をくねらせた姿が特徴的

桑都を彷彿、蚕チョコ 八日町のホテルで「攻めの発注」

 今年のバレンタイン、八王子のかつての養蚕業を彷彿とさせる「蚕チョコ」はいかが--。

 八日町にある八王子スカイホテル内の土産店では現在、蚕の幼虫をリアルに模したチョコレートを販売している。ホテルは1997年創業だが、1階に入る土産店「802 SKY SHOP」は2年前に開店。長谷川雄二店長によると、高尾山観光で多くの外国人旅行客が宿泊するなか、八王子らしい、まちの歴史がわかるような土産品を探していたという。

富岡製糸場でも販売

 群馬県の富岡製糸場でも販売されているこのチョコは、葉の部分には桑の葉パウダーが練り込まれ、蚕本体はホワイトチョコ。富岡製糸場が世界遺産に登録されてから、土産物として人気を呼んでいる。

 同じ絹産業で栄えた地として同店も仕入れることにしたが「かなり攻めた発注」と長谷川店長。バレンタインを前に「八王子でも話題になってくれれば。観光客だけでなく、地元の人も手に取ってほしい」と話す。

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今まで手がけたちぎり絵や油絵作品を紹介する青木さん=青木さんの自宅にて

ちぎり絵 豊かな色彩 表現 市長賞に川口町・青木さん

 市が主催する「感じたままに伝えたい〜第38回障害者文化展」の表彰式が1月21日、学園都市センターギャラリーホール(旭町)で行われた。

 市内の特別支援学校の学生や福祉事業所の利用者などが出展。絵画や陶芸、貼り絵など62点が集まり、市長賞や市社会福祉協議会会長賞などが表彰された。

 市長賞に選ばれたのは、川口町在住の青木百合江さん(74)=人物風土記で紹介。受賞作はちぎり絵作品「鷹」=写真下=で、あらかじめ絵の具で色をつけた紙を何色分も用意しておき、下絵に見合う色紙を選んでちぎって貼っていく技法で制作した。

鷹匠の鷹に感動

 青木さんは、耳が不自由ながら読唇や筆談などで日常的なコミュニケーションをとっている。散歩で陵南公園を訪れたときに鷹匠に出会い、「そのくりくりとした目や輝く羽根に感動した。ちぎり絵で立体感を出してみたいと思った」と題材を鷹にした理由と受賞の喜びを語った。

案内チラシより

響く南米の調べ フォルクローレフェスタ

 八王子フォルクローレフェスタが、2月22日(土)に北野市民センター8階ホールで開催される。午前11時から午後5時20分まで(開場は午前10時30分)。入場無料。

 南米アンデスの民族音楽、フォルクローレ愛好者らが一堂に会して開く演奏交流会。12回目を迎える今回は「八王子フォルクローレ同好会」や「ケーナを楽しむ会」など若者からベテランまでの個性豊かな17グループが出演して演奏を披露。合同演奏やダンスも予定されている。

 問い合わせは実行委員会の草野さん【電話】042・651・7174。

合同練習で汗を流した

支援学校生と野球で交流 オール八王子桑都クラブ

 『心を育む野球』を掲げ活動する中学軟式野球チーム「オール八王子桑都クラブ」(川上一樹代表)が2月1日、ホームグラウンドの市立第五中学校の校庭で、市内の特別支援学校に通う子どもが中心の野球チーム「IM army」と初の合同練習を行った。

 異なる背景や特性を持つ子どもたちが同じ環境で練習することでお互いの違いを受け入れ、助け合いや思いやりの心を育んでもらおうと実施。11歳から18歳までの15人が参加して、初対面同士でペアを組んでキャッチボールなどをして交流した。

 川上代表は「野球が好きな者同士、すぐに打ち解けて雑談や声かけをしていた姿が印象深かった」と今回の交流に手応えを感じている様子。「将来の共生社会、誰もが野球を楽しめる八王子を作っていきたい」と思いを語った。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第17回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 「来週、何とか時間を取って、散髪に来るわ」

 突然、由江が声を上げた。

 「キミちゃん大丈夫よね?」

 「えっ!」

 キミは驚いた。由江の有無を言わせぬ表情を見た。

 「大丈夫だと思うわ」

 キミは首を傾げながら答えた。

 「あなた達は?」

 「難しいわ。お店から家の仕事まで、いっぱい溜まっているのよ。休みも欲しいし」

 他の三人は、もう疲れて、早く帰りたい感じであった。

 「由江さんとキミさんが、来週また来てくれるんですか! ありがたい、みんな喜びますよ」

 村上は、子ども達の健康・衛生状態が日々悪くなっていくのが気がかりであった。村の人達も良く協力してくれる。それでも、大勢の子ども達の生活は厳しかった。シラミやノミが、更に子ども達の体力を奪っていた。

 村上が満面に笑みを浮かべて喜んでいた。

 「恵介、由江さんとキミさんが、来週も散髪に来てくれるって。良かったな! おまえは、来週、一番に散髪してもらえばいい」

 村上は、ハリネズミのような恵介の頭を撫でた。

 「もうすぐ八王子行きのバスが来ますよ」

 寮母さんが柱時計を見ていた。今度来るバスが八王子行きの最終バスであった。

 「さあ、みんなで、お姉さん達を見送ろう」

 「行こう! 行こう!」

 村上の呼びかけに応えて、子ども達の間から声が上がった。子ども達の宿泊施設である、隣保館からバスの停留所までの道を、大勢の子ども達がキミ達を囲みながら賑やかに進んで行った。

 ―あれ、由江ちゃんはどこ? 

 キミは、子ども達と一緒に歌を歌って、歩いていた。ふと気づくと、横にいたはずの由江がいなかった。

〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。