中原区版【2月14日(金)号】
カラー化された市役所付近の焼け跡の写真(平和通りから市役所方面を撮影)=平和館提供

川崎市平和館 空襲戦災写真をカラー化 3月から記録展で公開

 戦後80年――。川崎市平和館では現在、川崎市市制100周年記念事業として「川崎大空襲」の戦災写真のカラー化プロジェクトを進めている。3月8日(土)から同館で開催する「戦後80年 川崎大空襲記録展〜戦時下の市民生活と川崎大空襲〜」で展示する予定だ。期間は5月6日(火)まで。

 1945年4月15日未明、米軍のB―29爆撃機が焼夷弾1万2748発(1072t)などを投下し、罹災者は10万人を超えた川崎大空襲。川崎市が空襲で出した死者約1千人、負傷者約1万5千人の大半はこの空襲によるものだったという。

 川崎市平和館は、この「川崎大空襲」の記録と共に、「平和」と「戦争」の両面から考えてもらうきっかけにしてほしいと、毎年「川崎大空襲記録展」を開催。今年、同展で初めて企画されたのが戦災を写したカラー化写真の展示だ。

AIと体験者の証言で

 川崎大空襲のカラー化プロジェクトは、昨年夏ごろにスタート。「10年前だとAI(人工知能)技術が今ほど進歩していない。10年後だと体験された方の証言が取れない可能性が高い。戦後80年、市制100周年の今だからできた」と企画の意図を語る北村憲司館長。複数のソフトを用いて、AIで白黒写真を自動着色。空襲体験者で証言活動を行っている川崎区在住の小川一夫さん(96)の記憶や体験談をヒアリングしながら写真の色彩を補正して進めてきた。

 その結果、今回カラー化された写真は計9枚。当時は、戦局の悪化による配給制など、軍事統制中だったこともあり、憲兵による監視などで市井の人たちが街中の写真を簡単に撮ることができなかった。そのため、空襲前後の川崎のまちを記録した写真はほとんどなく、あったとしても空襲で焼けてしまったこともあり、残された写真は希少だという。そうした数少ない空襲直後の写真や、終戦直後の写真の中から、市役所3階から明治産業(現在のソリッドスクエア)方面を撮影したものや、市役所付近の焼け跡、焼け跡に建つバラック小屋などの写真をカラー化した。

80年前をリアルに

 北村館長によると、カラー化を進める中で、空襲を避けるために白と赤茶色で偽装された市役所、防空壕を掘った際に湧き出た水をかき出した水で生えた緑の草など、AIの学習機能ではわかりえないことまで小川さんの証言で初めてわかったという。「人の思い、建物の被害状況など、よりリアルなものができた」と北村館長は今回の企画を振り返る。

 「80年前の大空襲は川崎市の100年の歩みの一つ。展示を見て記憶を継承してもらい、未来に向けて平和について考えるきっかけになってほしい。今、自分ができることを考えてもらう機会になれば」と北村館長は話している。

川崎市予算案 防災・防犯、子育てに重点 トイレ対策に2億円

 川崎市は2月6日、2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年比2・5%増の8927億円で過去最大。近年リスクが高まる自然災害における防災・減災、暑熱、防犯などの安全対策、周産期支援や子育て施策のデジタル化推進などに重点を置き、「誰もが安心・安全に暮らせるまちづくり」を強調した。

 同日行われた記者会見で福田紀彦市長は「生命(いのち)を守る安全・安心予算」と命名し、「私たちの暮らしの基盤を改めて見直したい」と説明した。

 防災・減災、暑熱、防犯などの安全対策では、災害時のトイレ対策に2億2千万円計上。携帯トイレ約95万枚を公的備蓄として新たに用意し、避難所や市立学校に2日分の備蓄を確保。全避難所へマンホールトイレ整備の検討も進めていく。

 必要性が高まっていた市立学校体育館等の空調設備の整備については、2億9千万円を投じる。25年4月1日時点では市内の全体育館178棟のうち7棟の設置にとどまるが、25年度は15棟の整備に着手。27年度までに23棟の設置を目指す。

 また、防災ラジオの導入や木造住宅の耐震化支援、AEDのコンビニへの設置、防犯カメラ設置にも予算を拡充。埼玉県八潮市の道路陥没事故により緊急性が高まる下水道の地震・浸水対策では179億円を投じる。

妊婦健診支援を拡充

 子育て関連では、周産期支援における切れ目ない支援として18億円を計上。7月から妊婦1人あたりの公費負担を現行の8万9千円から13万5千円へ拡大し、妊娠期の経済的負担を軽減する。

 「かわさき子育てアプリ」のリニューアルには3千万円を計上。妊娠届や出生連絡票などの申請・届出機能や、乳幼児健診の手続き機能を搭載して利便性を図る。

 まちづくり事業に関しては、福祉人材の確保・定着に向けた取り組みや市立看護大学大学院の開学などに注力。また、新たに患者の苦痛を軽減するアピアランスケア助成制度を創設し、医療用ウィッグなどの費用を助成する。がん患者以外も対象で、政令市では初。

 市制100周年を機に生まれた事業を継続し推進する取り組みには1億5千万円計上。昨年の「みんなの川崎祭」や「Colors,Future!Summit」などを発展させ、100周年のレガシーを一過性にせず、市の文化につなげたい考えだ。

 地域公共交通の再構築に向けた取り組みでは、路線バスと様々なモビリティが連携する「モビリティ・ハブ」の形成に新規で5千万円盛り込む。

 25年4月から改定される市立小中学などの給食費は国の臨時交付金と一般財源を活用。保護者負担額は据え置きとなる。

市税、初の4千億超

 歳入で大きな割合を占める市税は、市民税や固定資産税の増加により4年連続増加となり、初の4千億円を超えた。将来の借金返済のために積み立てている減債基金からの新規借入は92億円で、12年からの借入総額は766億円にのぼった。

 ふるさと納税による市税の流出額は149億円で前年度見込より13億円拡大。一方、受入額は38億円で9億円の増加を想定する。福田市長は「さらに体制を強化し、受入額の拡大を目指したい。市民に対しても、ふるさと納税の影響について伝えていく」と話した。

体の強さと正確な左足のキックが持ち味のディフェンダー 神橋 良汰さん 麻生区出身 22歳

応援される選手になりたい

 ○…即戦力の呼び声高い期待の新人が川崎フロンターレに加入した。持ち味は193cmという長身と体の強さを活かした空中戦、そして正確無比な左足のキックだ。攻撃の起点となる鋭い縦パスも、味方の足元にピタリと届けるスルーパスもお手のもの。「選手の特徴に合わせてキックの球種を選んでいる」と繊細な技術を語る。

 ○…フロンターレの育成組織に所属していたものの、トップチームへの昇格はかなわず大学へ。悔しさはあったが、「4年後にフロンターレに戻る」ことを目標に努力を重ねた。「フロンターレの事業部の皆さんも見守っていてくれたし、両親や友人のためにも必ず叶えたかった」と当時を振り返る。けがでプレーできなかった時期にはマネージャーとしてチームに貢献。ピッチの外から見ることで、チームとして戦う大切さを学んだ。

 ○…麻生区出身。街にはフロンターレのポスターやエンブレムがあふれ、常に身近な存在だった。小学生の頃にはフロンターレの試合は一年間の半分以上も観戦したという。今年1月に商店街回りをした際には「温かい応援の声を聞いて、あらためて良いまちだと思ったし、クラブが川崎を象徴する存在になっている」と実感。「周りの人がいてこそ、今の自分がいる。応援してもらえる選手になって、ピッチでの活躍で恩返しをしたい」と決意を語る。

 ○…休みの日には一人の時間を作るために、都内のカフェや喫茶店に行ってコーヒーを楽しむ。試合前には一転して、KANDYTOWNやBAD HOPといったヒップホップ音楽を聴いて気持ちを高める。あの時、サックスブルーとブラックのユニホームに憧れた少年が、今同じユニホームを身にまとい、ピッチに立つ。

3月10日 川崎商議所 商店街活性化フォーラム 専門家がヒント指南

 個店や商店街の活性に役立つヒントや集客につながるアイデアを10の事例から学ぶ「商店街活性化フォーラム」が3月10日(月)午後2時から、川崎商工会議所2階第3・4会議室(川崎区)で開催される。川崎市商店街連合会と川崎商工会議所が主催する。

 講演では「新時代の新集客法」をテーマに、店舗活性化コンサルタントの村越和子氏=写真=が登壇。また、川崎駅広域商店街連合会による、インバウンド集客に向けた取り組みの報告や、商業者向けの支援メニュー紹介なども行われる。

 主催者は「自分たちでも取り入れることができるものを発掘、活用できる機会」と参加を呼び掛ける。定員は先着100人。市商連会員優先。2月28日(金)締め切り。詳細情報や参加申し込みは、川崎市商店街連合会(k-shouren@tiara.ocn.ne.jp 044・548・4106)。

新城高校の公式サイト

 2025年度神奈川県公立高等学校の入学者選抜(一般募集共通選抜)の志願変更が2月7日に締め切られ、志願者数が確定した。市内の公立高校では、県立新城(中原区)の普通科が県内で3番目に競争率が高い一方で、6校8学科で募集人員に満たなかった。

 志願変更後の7日時点の県内の全日制142校の平均競争率は1・17倍で、前年度の1・18倍より0・01ポイント低かった。3434人が志願を変更し、24人が志願を取り消した。

 県内の全日制では県立横浜翠嵐普通科(横浜市神奈川区)の2・04倍が最も高く、県立新城普通科が1・84倍(前年度1・45倍)で3番目に高い。定時制では、県立川崎(川崎区)の単位制普通科が1・20倍(1・04倍)で2番目だった。

 市内の公立高校で募集人員に届かなかったのは、県立川崎工科(中原区)の総合技術科が0・68倍(0・80倍)、県立大師(川崎区)の単位制普通科が0・76倍(0・88倍)など。26年度に県立田奈(横浜市青葉区)と統合される予定の県立麻生総合(麻生区)の単位制総合学科は、0・49倍(0・45倍)と募集人員の半分を割り込んだ。

 学力検査は14日にあり、28日に合格者が発表される。

防護服を着て搬送する消防署員

市消防局 試合中のテロ対応訓練 関係機関から190人参加

 川崎市消防局は2月6日、川崎フロンターレらと合同のテロ災害対応訓練をUvanceとどろきスタジアムby Fujitsuで実施した。市内各消防署の消防隊員ら延べ190人が参加し、関係機関の連携などを確認した。

 市消防局として同スタジアムを使った大規模な訓練は今回が初。訓練では、サッカーの試合中に何者かがスタンドで液体を散布し、会場内に多数の負傷者や逃げ遅れが発生していることを想定して行われた。体調不良を訴える観客役が悲鳴をあげ逃げ出すと、警備員、運営会社の川崎とどろきパーク(株)が119番通報。消防、警察らが駆け付け、防護服を着た消防署員、警察署員が危険性を把握した後、スタジアムの外に負傷者を搬送。外で救護隊が負傷者の除染活動、トリアージを行い、応急救護。搬送するまでを実戦さながらに行い、関係機関との連携を確認した。

 市消防局の担当者は「スタンドや階段などを使って実際にテロが起きた際の検証や、関係機関との連携、それぞれの活動を確認することができた。今後も備えをしていきたい」と話した。

賀詞交歓会 vol.4

■三浦恵美市議

 関係者や支援者らが集まった中で、あいさつに立った三浦市議。市議会での質疑で質問したことなど、昨年を振り返った。初当選から3年目を迎える今年、市民からの要望を関係各所へ訴えていくため、「みなさんの声を聞き、問題解決につながる活動に取り組むことを目的に、足りない部分はしっかりと勉強していく」と抱負を語った。また、今年の干支のヘビにちなみ「ヘビは後退することができず、前に向かって進むことしかできない。昨年までの自分から脱皮し、市民からさらに頼られる存在になれるよう新しい自分として成長していきたい」と誓いを込めた。(2月8日、七福本店)

■末永直市議

 冒頭、出席した国会議員、自民党川崎市議団らから激励を受けた末永氏。市議会に初当選してから3期10年目を迎え、関東労災病院横のアンダーパス化を繰り返し要望し昨年実現したことや、市内小中学校体育館の空調設備、コンビニへのAED設置が来年度予算化されたことを報告した。自動運転バスの実証実験が市内で行われたことにも触れ「区内の交通不便地区解消で走らせていきたい」と抱負を語った。続けて「市のインフラへの投資が下がっている。投資しなければ、市民の生命や安全、財産が守れない。しっかりチェックしていきたい」と誓った。(2月9日、市国際交流センター)



調査踏まえ防災講演 2月26日 総合自治会館で

 中原区は「中原区ぼうさい講演会」を2月26日(水)、川崎市総合自治会館(小杉町3丁目)で開催する。午後7時から8時30分。オンライン配信も実施。参加費は無料。

 高さ100m以上の高層マンションが12棟あり、約6800世帯が暮らす武蔵小杉駅周辺地域。大地震が発生した際には、エレベーターが停止するなど、さまざまな影響が考えられる。講演会では、昨年12月に高層マンションの住民を対象に行ったアンケート調査の結果を踏まえ、在宅での避難の考え方などの最新の防災知識を学ぶ。講師は日本大学危機管理学部の秦康範氏。当日は住民らを交えたパネルディスカッションも行う。

 事前申込制で会場参加は定員60人(抽選)、オンラインは定員無し。申込みは、2月21日(金)までに区ウェブサイトにある参加申込フォームから。問い合わせは区危機管理担当【電話】044・744・3141。

下新城1丁目のマンションの共有部(上)と市川さん宅に咲いたアロエの花

オレンジの花爛漫 下新城にアロエの花

 薬用になる植物としても知られるアロエ。珍しいと言われるその花が、下新城の一角に咲いている(2月8日撮影)。

 読者から「散歩中に見掛け、珍しいのではないか」と情報提供があり行ってみると、1丁目のマンションの共有部の花壇や市川千寿子さん宅の一角でオレンジ色の花を咲かせていた。市川さんによると、植栽して5年になり、昨年から花が咲くようになったという。川崎市緑化センターの担当者は「気候や植えてある場所によるが、この季節に花が咲くこともある」と話した。

校舎4階から脱出シューターを使った避難を体験

有事に備え、啓発・確認 中原区総合防災訓練に600人

 中原区総合防災訓練が2月9日、上丸子小学校で行われた。近隣町会や区民ら約600人が訪れ、有事の際の備えについて学び、体験した。

 年に2回行われている区総合防災訓練。今年度2回目となった今回、震災や風水害等の災害発生に備え、地域や関係機関、行政の顔が見える関係や、地域で助け合える仕組みづくりを構築し、地域防災力の向上を目的に開催された。

 今回、丸子地区連合町内会や近隣マンションの自主防災組織らで構成された同小避難所運営会議のメンバー約120人が6班に分かれてブースを設け、炊き出しなどそれぞれの役割を確認して回った。

 同小学校のバルコニーに設置されている脱出シューターの取り扱い訓練も行われ、同小の教員らが4階から実際にシューターを使った避難を体験した。女性教員は「速さがなくて逆に怖かった。足を使って滑り降りたので、いざという時に子どもたちにこの体験を伝えたい」と話した。会場では、土のう作成やAED、煙などの体験も行われ、幅広い年齢の人たちが参加した。

 今回の訓練の当番町会で中心を担った上丸子山王二丁目町会の防災部長・本木好幸さんは「脱出シューターや給水訓練を今回初めてやった。各町会で連携、確認することで有事に備えていきたい」と話した。



親子サッカー教室の開会式

サッカーで育む子どもたちの笑顔 川崎フロンターレ中原アシストクラブ

 サッカーを通した地域の発展を願い、区民と行政、川崎フロンターレが三位一体となって活動する「川崎フロンターレ中原アシストクラブ」。チームを支援する個人や企業など約50の会員が力を合わせている。

 2009年の発足当初から会長を務める藤本秀明さん。「スポーツを通して、地域の子どもたちに笑顔を--」。この理念にのっとり、コロナ禍以前は食育イベントや等々力緑地内散策など数々のイベントを生み出してきた。なかでも人気だったのが、等々力陸上競技場で例年行ってきた「親子サッカー教室」。コーチと身近に触れ合えるとして、多くの親子連れでにぎわっていた。「笑顔で楽しむ子どもたちを見ることができた。こうした体験が、大人になってからもずっとチームを応援してくれるという思いだった」。また子どもたちが楽しめる企画を実施したいと考えている。

 長年フロンターレを応援している藤本さん。「我が家からは競技場を一望できる。クラブを育ててくれた場所。毎日『ありがとう』という気持ちで眺めている」と話す。今シーズンの開幕に向け、「わたしたち地域住民がいつも応援しています」とエールを送る。



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中原地域交通安全活動推進委員のメンバーら

中原警察署 退任者へ感謝状贈呈 交通安全活動推進委員

 中原地域交通安全活動推進委員の退任式と委嘱式が2月4日、中原警察署で行われた。主催は中原警察署。

 道路における安全と円滑な交通のために、地域で交通安全活動のリーダーとしてボランティアで活躍する同委員。昨年末に退任した朝山秀男氏(活動期間は33年)、石井茂宏氏(同13年)、山口敦男氏(同11年)、伊藤稔氏(同9年)に対し、中原区の交通安全活動に尽力したとして、佐藤智宏署長から感謝状が贈られた。代表して登壇した朝山氏は「違法駐車問題から始まった委員としての活動。交通ルールやマナーの啓発に向けて取り組んできた。住民や関係者らの理解と協力に感謝している」とあいさつした。

 続いて行われた委嘱式では、新たに委員に加わった内藤和彦氏、戸張裕康氏、今井潤氏、安藤秀夫氏を含む25人に委嘱状を交付。委員たちは今後2年間、区内の交通安全活動に従事していく。

 県内では今年に入り、交通事故による死者が全国ワーストの18人発生(2月4日時点)。中原交通安全協会の鹿島義久会長は「退任された方々は長い間お疲れさまでした。新たな委員の皆さんにも交通安全に力を貸してほしい」と語った。

五穀豊穣や商売繁盛を願って行われた初午祭式典

大戸稲荷で初午祭 関係者ら20人が祈願

 170年前にまつられたと伝わる川崎市地域文化財のピンスケ大戸稲荷神社(下小田中1の4の1)で2月8日、恒例の「初午(はつうま)祭」が行われた。主催は大戸稲荷大明神奉賛会(松原重郎代表)。

 商売繁盛や五穀豊穣、家内安全などを願い、会員や関係者ら約20人が参列。京浜伏見稲荷神社(新丸子)の富澤俊太郎さんがお清めとお祓いを行い、祭りの趣旨を読み上げると、参列者一人一人が神前に玉串を捧げた。

 以前は大戸小学校の南側にあった同稲荷が現在の場所に移設されたのは、同小が大戸国民小学校として創立された後の1943年ごろ。当時の教員らにより管理され、道路を挟んで向かいにある「権九郎稲荷」と、今はない「おひな稲荷」とともに下小田中三稲荷と呼ばれていた。

 松原代表は「昔から人々の手によって守られきた伝統行事。奉賛会の会員たちも高齢化してきているので、何とか若い人へ継承して残していきたい」と思いを込めた。

市民活動の成果紹介 市民館でパネル展示

 中原市民館は2月19日(水)まで、同館市民ギャラリーで「学びと活動のパネル展示キャラバン」を開催している。午前9時から午後5時。

 市内の市民館や分館は、市民の自主的な「学び」や、「活動」する場所を提供してきた。そうした市民の活動の成果や、これまでの市民館主催事業の成果をまとめたパネルを市内全域から集めて展示している。

 問い合わせは、同館【電話】044・433・7773。



「ピーク時ほどではないが、地域社会の偏見も課題」と語る岡野敏明会長

コロナ禍から5年 川崎市内で再び患者増 川崎市医師会長「初心、忘れずに」

 2020年1月に新型コロナウイルスの感染者が国内で確認されてから5年が過ぎた。2023年からは感染症法上の位置づけが「5類」に変更されたが、実は再び市内の新型コロナ感染者数は増えている。川崎市医師会の岡野敏明会長に、「アフターコロナ」の現状を聞いた。

 新型コロナ感染症は、23年5月以降、感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更され、行政による行動規制などは行われなくなった。しかし厚生労働省の人口動態統計によると、この5年間で新型コロナウイルスが原因で亡くなった人は、24年8月までに13万人以上。「5類」変更後に限っても、約4万4千人が亡くなっている。

 川崎市内でも、年末年始の休日診療体制の6日間で、診療所を受診した約7千人のうち約4千人がインフルエンザを発症し、約400人が新型コロナに感染していた。指定医療機関の患者数を定点調査している市の「感染症発生動向調査」では、今年1月27日から2月2日に304人が新型コロナに感染し、指定医療機関1施設あたりコロナ感染者が4・98人と、インフルエンザの4・84人より多かった。

 川崎市医師会の岡野会長は、「コロナが消えたわけではないことを認識してほしい」と呼びかける。「今まさに感染者は増えている。初心に戻って、マスクや手洗いを徹底してほしい」

 岡野会長によれば、「5類」以後は、医療機関としても、新型コロナの検査を積極的にしないケースが増えているという。さらに会長が「コロナ禍から継続する課題」と指摘するのが、新型コロナに感染している可能性がある発熱患者の対応に、消極的な医療機関があることだ。

 改正感染症法では、コロナ禍では受け入れ可能な病院が限られたために治療を受けられない患者が続出した反省から、都道府県が「感染症予防計画」を策定し、あらかじめ医療機関と協定を結ぶよう制度化した。

 岡野会長はコロナ禍の序盤、集団感染が起きた大型クルーズ船での対応も経験し、コロナ対応の難しさを熟知する。そのうえで「依然として高齢者への感染が怖い。ワクチン接種を呼びかけるなど、経験を生かし、感染のまん延防止にあたっていく」と話している。

川崎市、外国ルーツの人々へのネット上の差別発言に削除要請 

 「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、川崎市は複数の投稿サイト運営者などに対し、外国にルーツをもつ人たちに対するネット上の差別的言動の削除を要請し、2月4日に公表した。

 同条例の第17条では、ネット上の表現活動が外国ルーツの市民に対する不当な差別的言動と認められるとき、拡散を防止するために必要な措置を講ずる、としている。

 市は条例に基づき、継続的にネット上の差別的言動を調査しているが、このほど掲示板「5ちゃんねる」や投稿サイト「X」、ブログサイト「アメーバブログ」、同じくブログサイトの「ライブドアブログ」に、不当な差別的言動に該当するものが34件、見つかったという。

 いずれも特定の市民に対し、国外の出身であることを理由に非難や中傷する内容で、「5ちゃんねる」では「祖国に帰れ」「なぜ日本に居座るのか」、「X」では「『ともに』ではなく帰れ」、「ライブドアブログ」では「日本もあなたたちの居場所ではない」などの投稿が掲載されていた。このため市は2月3日、「5ちゃんねる」を運営するロキテクノロジー社や、「アメーバブログ」を運営する(株)サイバーエージェントなど、サイトの運営会社に、削除を要請した。

 市の担当者によると、同様の差別的言動は2023年夏ごろから急増しており、市としても啓発動画を公開するなど対策を強めている。担当者は「市が毅然とした対応を続けることで、市民への啓発になる。今後も周知に力を入れていく」と話している。