川崎区・幸区版【2月14日(金)号】

川崎市予算案 防災・防犯、子育てに重点 トイレ対策に2億円

 川崎市は2月6日、2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年比2・5%増の8927億円で過去最大。近年リスクが高まる自然災害における防災・減災、暑熱、防犯などの安全対策、周産期支援や子育て施策のデジタル化推進などに重点を置き、「誰もが安心・安全に暮らせるまちづくり」を強調した。

 同日行われた記者会見で福田紀彦市長は「生命(いのち)を守る安全・安心予算」と命名し、「私たちの暮らしの基盤を改めて見直したい」と説明した。

 防災・減災、暑熱、防犯などの安全対策では、災害時のトイレ対策に2億2千万円を計上。携帯トイレ約95万枚を公的備蓄として新たに用意し、避難所や市立学校に2日分の備蓄を確保する。全避難所へのマンホールトイレ整備に向けた検討も進めていく。

 近年の気候変動により必要性が高まっていた市立学校の体育館等の空調設備の整備については、2億9千万円を投じる。25年4月1日時点では市内の全体育館178棟のうち7棟の設置にとどまるが、25年度は15棟の整備に着手。27年度までに23棟の設置を目指す。

 また、防災ラジオの導入や木材住宅の耐震化支援、AEDのコンビニエンスストアへの設置、防犯カメラ設置などにも予算を拡充。埼玉県八潮市の道路陥没事故により緊急性が高まる下水道の地震・浸水対策では179億円を投じる。

妊婦健診支援を拡充

 子育て関連では、周産期支援における切れ目ない支援として18億円を計上。7月から妊婦1人あたりの公費負担を現行の8万9千円から13万5千円へ拡大し、妊娠期の経済的負担を軽減する。

 「かわさき子育てアプリ」のリニューアルには3千万円を計上。妊娠届や出生連絡票などの申請・届出機能や、乳幼児健診の手続きが機能を搭載して利便性を図る。

 まちづくり事業に関しては、福祉人材の確保・定着に向けた取り組みや市立看護大学大学院の開学などに注力。また、新たに患者の苦痛を軽減するアピアランスケア助成制度を創設し、医療用ウィッグなどの費用を助成する。がん患者以外も対象で、政令市では初。

 市制100周年を契機に生まれた事業を継続し推進する取り組みには1億5千万円を計上。昨年の「みんなの川崎祭」や「Colors,Future!Summit」などを発展させ、市制100周年のレガシーを一過性のものにせず、市の文化につなげたい考えだ。

 地域公共交通の再構築に向けた取り組みでは、路線バスとさまざまなモビリティが連携する「モビリティ・ハブ」の形成に新規で5千万円を盛り込む。

 25年4月から改定される市立小中学などの学校給食費は、国の臨時交付金と一般財源を活用。保護者負担は現行の額に据え置きとなる。

市税、初の4千億超

 歳入で大きな割合を占める市税は、市民税や固定資産税の増加により4年連続の増加となり、初の4千億円を超えた。将来の借金返済のために積み立てている減債基金からの新規借入は92億円で、2012年からの借入総額は766億円にのぼった。

 ふるさと納税による市税の流出額は149億円で前年度見込より13億円拡大。一方、受入額は38億円で9億円の増加を想定する。福田市長は「さらに体制を強化し、受入額の拡大を目指したい。市民に対しても、ふるさと納税の影響について伝えていく」と話した。

カラー化された市役所付近の焼け跡の写真(平和通りから市役所方面を撮影)=平和館提供

川崎市平和館 空襲戦災写真をカラー化 3月から記録展で公開

 戦後80年――。川崎市平和館では現在、川崎市市制100周年記念事業として「川崎大空襲」の戦災写真のカラー化プロジェクトを進めている。3月8日(土)から同館で開催する「戦後80年 川崎大空襲記録展〜戦時下の市民生活と川崎大空襲〜」で展示する予定だ。期間は5月6日(火)まで。

 1945年4月15日未明、米軍のB―29爆撃機が焼夷弾1万2748発(1072t)などを投下し、罹災者は10万人を超えた川崎大空襲。川崎市が空襲で出した死者約1千人、負傷者約1万5千人の大半はこの空襲によるものだったという。

 川崎市平和館は、この「川崎大空襲」の記録と共に、「平和」と「戦争」の両面から考えてもらうきっかけにしてほしいと、毎年「川崎大空襲記録展」を開催。今年、同展で初めて企画されたのが戦災を写したカラー化写真の展示だ。

AIと体験者の証言で

 川崎大空襲のカラー化プロジェクトは、昨年夏ごろにスタート。「10年前だとAI(人工知能)技術が今ほど進歩していない。10年後だと体験された方の証言が取れない可能性が高い。戦後80年、市制100周年の今だからできた」と企画の意図を語る北村憲司館長。複数のソフトを用いて、AIで白黒写真を自動着色。空襲体験者で証言活動を行っている川崎区在住の小川一夫さん(96)の記憶や体験談をヒアリングしながら写真の色彩を補正して進めてきた。

 その結果、今回カラー化された写真は計9枚。当時は、戦局の悪化による配給制など、軍事統制中だったこともあり、憲兵による監視などで市井の人たちが街中の写真を簡単に撮ることができなかった。そのため、空襲前後の川崎のまちを記録した写真はほとんどなく、あったとしても空襲で焼けてしまったこともあり、残された写真は希少だという。そうした数少ない空襲直後の写真や、終戦直後の写真の中から、市役所3階から明治産業(現在のソリッドスクエア)方面を撮影したものや、市役所付近の焼け跡、焼け跡に建つバラック小屋などの写真をカラー化した。

80年前をリアルに

 北村館長によると、カラー化を進める中で、空襲を避けるために白と赤茶色で偽装された市役所、防空壕を掘った際に湧き出た水をかき出した水で生えた緑の草など、AIの学習機能ではわかりえないことまで小川さんの証言で初めてわかったという。「人の思い、建物の被害状況など、よりリアルなものができた」と北村館長は今回の企画を振り返る。

 「80年前の大空襲は川崎市の100年の歩みの一つ。展示を見て記憶を継承してもらい、未来に向けて平和について考えるきっかけになってほしい。今、自分ができることを考えてもらう機会になれば」と北村館長は話している。

体の強さと正確な左足のキックが持ち味のディフェンダー 神橋 良汰さん 麻生区出身 22歳

応援される選手になりたい

 ○…即戦力の呼び声高い期待の新人が川崎フロンターレに加入した。持ち味は193cmという長身と体の強さを活かした空中戦、そして正確無比な左足のキックだ。攻撃の起点となる鋭い縦パスも、味方の足元にピタリと届けるスルーパスもお手のもの。「選手の特徴に合わせてキックの球種を選んでいる」と繊細な技術を語る。

 ○…フロンターレの育成組織に所属していたものの、トップチームへの昇格はかなわず大学へ。悔しさはあったが、「4年後にフロンターレに戻る」ことを目標に努力を重ねた。「フロンターレの事業部の皆さんも見守っていてくれたし、両親や友人のためにも必ず叶えたかった」と当時を振り返る。けがでプレーできなかった時期にはマネージャーとしてチームに貢献。ピッチの外から見ることで、チームとして戦う大切さを学んだ。

 ○…麻生区出身。街にはフロンターレのポスターやエンブレムがあふれ、常に身近な存在だった。小学生の頃にはフロンターレの試合は一年間の半分以上も観戦したという。今年1月に商店街回りをした際には「温かい応援の声を聞いて、あらためて良いまちだと思ったし、クラブが川崎を象徴する存在になっている」と実感。「周りの人がいてこそ、今の自分がいる。応援してもらえる選手になって、ピッチでの活躍で恩返しをしたい」と決意を語る。

 ○…休みの日には一人の時間を作るために、都内のカフェや喫茶店に行ってコーヒーを楽しむ。試合前には一転して、KANDYTOWNやBAD HOPといったヒップホップ音楽を聴いて気持ちを高める。あの時、サックスブルーとブラックのユニホームに憧れた少年が、今同じユニホームを身にまとい、ピッチに立つ。

3月10日川崎商議所 商店街活性化フォーラム 専門家がヒント指南

 個店や商店街の活性に役立つヒントや集客につながるアイデアを10の事例から学ぶ「商店街活性化フォーラム」が3月10日(月)午後2時から、川崎商工会議所2階第3・4会議室で開催される。川崎市商店街連合会と川崎商工会議所が主催する。

 講演では「新時代の新集客法」をテーマに、店舗活性化コンサルタントの村越和子氏=写真=が登壇。また、川崎駅広域商店街連合会による、インバウンド集客に向けた取り組みの報告や、商業者向けの支援メニュー紹介なども行われる。

 主催者は「自分たちでも取り入れることができるものを発掘、活用できる機会」と参加を呼び掛ける。定員は先着100人。市商連会員優先。2月28日(金)締め切り。詳細情報や参加申し込みは、川崎市商店街連合会(【メール】k-shouren@tiara.ocn.ne.jp 【FAX】044・548・4106)。

健闘をたたえ合う幸・臨港両消防団員

臨港消防団が8位入賞 救急法競技会で

 日本赤十字社神奈川県支部主催の「第27回赤十字救急法競技会」が1月25日、海老名運動公園総合体育館(海老名市)で開催され、幸消防団からは2チーム8人、臨港消防団からは1チーム4人が参加した。

 同競技会は事故や災害時に自分の身を守る「自助」、互いが助け合いながら活動する「共助」の知識・技術を深めることを目的に、同支部が毎年開催するもの。希望者は誰でも参加できる。日頃の訓練の成果を発揮すると同時に、新たな知識を学んで持ち帰り、地域に還元していくなどの意義がある。

 競技は救護に適した結び方である本結びをリレー形式で行う「本結びリレー」、カードに書かれた部位の止血スピードと正確性を競う「三角巾リレー」、それぞれ傷病の異なる複数の傷病者を1チーム4人で手分けして手当てする「総合実技」の3種目。全43チーム172人がしのぎを削り、臨港消防団は総合成績で8位入賞を果たした。

 臨港消防団の団員は「いつもの訓練環境とは違ったが、日頃の訓練が8位入賞という結果につながって良い経験になった。これからの消防団活動に生かしたい」と喜びと抱負を語った。一方、幸消防団の団員は「今回の悔しい思いを来年にぶつけたい。中学校や高校、自主防災組織などに学んだ技術と知識を伝えていきたい」と意気込みを述べた。

ポスターを手に意気込む渥美社長

おつけもの慶 キムチでギネス記録挑戦 2月16日 アゼリアで

8時間で2500個販売

 川崎のキムチ専門店「おつけもの慶」が2月16日(日)、ギネス世界記録に挑戦する。8時間で2500個の白菜キムチの販売を達成すると「最も売れたキムチ」として記録が認定される。同店を運営するグリーンフーズあつみ代表取締役社長の渥美和幸さんは「多くの人とつながり、盛り上がる特別な一日。一緒にギネス記録達成を喜びたい」と語る。

 同店は2003年、川崎区渡田新町に一号店をオープン。行列のできる店として話題を呼び、桜本商店街で開かれた「S級グルメキムチグランプリ」ではチャンピオンを獲得。現在は7店舗を直営し、全国の百貨店での催事に出店する。

 コリアタウンが身近な川崎区で生まれ育った渥美さんは「川崎のキムチを名物にしたい」が口癖だ。衰退するコリアタウンに危機を抱き、地域に恩返しをしたいとの思いで川崎のキムチのアピールに勤しむ。昨年には東南アジアやアメリカに進出を果たした。世界進出の一歩を喜んだ一方で「海外で川崎のイメージがオートバイだった」といい、外国人に知ってもらえるようにとギネス世界記録挑戦の気持ちを固めたという。

 会場は川崎アゼリアサンライト広場で午前11時から午後7時まで開催。多くの人にイベントを楽しんでもらおうと、ステージを開設し、音楽やものまねライブなども開催する。

トライアスロン練習会 U等々力で

 川崎市トライアスロン協会(嶋崎嘉夫会長)は2月24日(月・祝)、ランニングをテーマにした練習会をU等々力(中原区)で開催する。時間は午後1時30分から3時30分まで。

 ランニングの姿勢づくりや重心移動、腕振りと接地のタイミングなどのポイントの反復練習とトラックを使ったインターバルトレーニングを実施する。

 定員は15人、最少催行人数は10人。参加費は中学生以上2500円、大人は施設使用料別途200円負担。

 申し込み、詳細は同協会ウェブサイト。締め切りは2月22日(土)。

スマホ相談会 プラザ田島で

 川崎市教育委員会は2月20日(木)、スマホ相談会をプラザ田島(教育文化会館田島分館/川崎区追分町)で開催する。

 スマホの基本操作、写真や動画撮影、LINEの使い方などで困っていることがあれば気軽に相談できる。

 開催時間は午前10時から正午。定員は先着20人。費用は無料、出入り自由。申し込みは当日直接会場へ。

熱弁する小池氏

小池晃書記局長 「米国言いなり予算」批判 川崎区で主張

 共産党の小池晃書記局長が2月3日、川崎日航ホテルで開かれた同党の賀詞交歓会で、国会で審議中の新年度予算案について言及。「アメリカの言いなり、大企業優先の予算。正面から議論する国会になっていない」と述べた。課税最低限の引き上げや高校授業料の無償化は大事であるとしつつ、「それがなされたからと言って予算に賛成することは、自民党に手を貸す助け舟の競い合いをしている」と他の野党を批判した。

 小池氏は「アメリカに対して堂々とものが言える共産党の役割が大きい」とも強調。今夏の参院選での比例5議席獲得を目指すと述べた。

消防士体験を行う子どもたち=昨年

家族で楽しむ「防災フェス」 2月24日 富士通スタで

 災害時に役立つ知識や適切な行動を楽しみながら学んで体験する「防災フェス2025 Supported by アンカー・ジャパン株式会社」が富士通スタジアム川崎(川崎区富士見・富士見公園内)で2月24日(月・祝)に開催される。主催は同スタジアム(川崎フロンターレ)。

 会場を3つのエリアに分け、アメフト、陸上競技、ラクロス、サッカーのゴールシュートで防災を学ぶ企画や、防災かるたなどのアトラクションを開催。消防車の展示・写真撮影や簡易トイレ体験なども行われる。また、川崎フロンターレのサイン入りグッズが当たる抽選会などを実施。スタンプラリーやフロンターレのマスコットとの記念撮影会も予定され、家族で楽しめるイベントとなっている。

 参加費は無料。一部有料ブースもある。開催時間は午前10時から午後2時。雨天時は内容が変更になる可能性あり。詳細は、同スタジアムウェブサイトで確認できる。

賞状と記念品を手にする田中さん

塚越中田中さん 作文でW受賞 素直な気持ちつづる

 塚越中学校(幸区塚越)の3年生・田中ひよりさん(14)がこのほど、「WFPチャリティーエッセイコンテスト2024」(以下「チャリティーコンテスト」)で審査員特別賞、「第6回おおぞら全国中学生なりたい大人作文コンクール」(以下「大人作文」)で優秀賞を受賞し、喜びを語った。

 「チャリティーコンテスト」は国連世界食糧計画の公式支援窓口である認定NPO法人 国連WFP協会が主催。応募1作品につき給食2人分(60円)が協業企業からWFPに寄付される。「大切さを考えよう 私たちのごはん」をテーマに、小学生から大人まで合計2万2674通のエッセイが寄せられた。

 「大人作文」は学校法人KTC学園などが主催。「なりたい大人」をテーマに、全国の中学生から2万7466通が集まった。

 田中さんは夏休みの宿題で2つのコンテストに応募。「WFP」では「『当たり前』をありがとう。」というタイトルで、コロナ禍を経て感じた給食のありがたさをつづった。「授業でWFPのことは知っていた。チャリティーというのも魅力的だった」と振り返る。「大人作文」では将来の夢を語る作品が多い中、「気づく」というタイトルであえて夢を描けない現状を吐露。正直な感情の動きが受賞につながった。

 好きな科目は国語で、スピーチの授業が印象に残っているという。「自分で考えて発信することが好き。これからも気持ちを素直に表現していきたい」とほほえんだ。

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防護服を着て搬送する消防署員

市消防局 試合中のテロ対応訓練 関係機関から190人参加

 川崎市消防局は2月6日、川崎フロンターレらと合同のテロ災害対応訓練をUvanceとどろきスタジアムby Fujitsu(中原区)で実施した。市内各消防署の消防隊員ら延べ190人が参加し、関係機関の連携などを確認した。

 市消防局として同スタジアムを使った大規模な訓練は今回が初。訓練では、サッカーの試合中に何者かがスタンドで液体を散布し、会場内に多数の負傷者や逃げ遅れが発生していることを想定して行われた。体調不良を訴える観客役が悲鳴をあげ逃げ出すと、警備員、運営会社の川崎とどろきパーク(株)が119番通報。消防、警察らが駆け付け、防護服を着た消防署員、警察署員が危険性を把握した後、スタジアムの外に負傷者を搬送。外で救護隊が負傷者の除染活動、トリアージを行い、応急救護。搬送するまでを実戦さながらに行い、関係機関との連携を確認した。

 市消防局の担当者は「スタンドや階段などを使って実際にテロが起きた際の検証や、関係機関との連携、それぞれの活動を確認することができた。今後も備えをしていきたい」と話した。

2月16日教文で 多文化フォーラム 共生・共育テーマに

 川崎区で取り組まれている多文化共生活動について理解を深める「共生・共育多文化フォーラム」が2月16日(日)、川崎市教育文化会館(川崎区富士見)で開催される。

午前10時から午後3時。主催は社会福祉法人青丘社、The LitZone Beside(以下リットゾーン)、共催は川崎区役所。

 開催当日は2部構成で、第1部では多文化共生保育研修会や中国ルーツの若者グループ「リットゾーン」の活動報告、外国ルーツの子どもへの日本語支援や高校生の生活支援に関する報告と意見交換を行う。第2部は、多文化共生保育研修会による多文化遊びコーナー、県立川崎高校定時制多文化クラブによるフィリピンダンス「ティニクリン」の披露、参加者全員で「イッツ・ア・スモールワールド」を多言語で合唱する企画などを予定。

 青丘社は、区の地域コミュニティーづくりや地域課題解決を目的としたSDC(ソーシャルデザインセンター)のコアメンバーとして、多文化共生活動を展開。これまで経済的困難・在留資格の壁などを抱える外国ルーツの高校生や若者が気軽に寄り、つながりや相談できる場づくりを目指して取り組みを進めてきた。フォーラムは交流の輪をさらに広げることを目的としている。

 参加費は無料で、定員は先着60人(先着順)。参加希望者は、電話またはメールで受け付けている。社会福祉法人青丘社【電話】044・288・2997【メール】hara@seikyu-sha.com

避難所での就寝時を体験する参加者

河原町団地 夜間災害想定し訓練 在宅避難の大事さ実感

 河原町団地自治会連絡協議会(池田満会長)は2月1日、河原町グラウンド・体育館で夜間を想定した防災訓練を実施した。地域住民ら140人以上が参加した。

 同訓練は、未だに災害時は避難所に行けばいいと考えている人が多い現状を踏まえ、実際に避難所での生活を体験し、在宅避難に対する備えの重要性を再確認する目的で行われた。

 訓練では、川崎市直下で震度6弱の地震発生を想定。避難所施設の安全確保を行ったのち、避難所を開設。その後各世帯が避難所へ集合し、受付や避難スペースでの生活体験を行った。

 また床が歩行困難な段ボールで覆われ、家を出ることにも危険が伴うと実感できる能登半島地震の疑似体験スペースや、在宅避難の啓発ブースも設置し、災害時の学びを深めた。

 避難所運営の担当者は「日本は災害が多く、いつ起こるかわからない。慌てないように各家庭での備えを進めることが重要とともに、災害時は皆で力を合わせることが大切なので、訓練を繰り返し行うことが大事だと実感した」と語った。訓練の参加者は「夜間を想定して訓練を実施したが、もっと悪い状況で発災する可能性もある。最悪の事態も想定して、備えを進めていきたい」と神妙に話した。

市内各商連会長とあいさつに立つ柳沢会長

消費拡大へ意気込み 川崎市商連が賀詞交歓会

 川崎市商店街連合会の賀詞交歓会がこのほど、中原区のホテル精養軒で開かれた。

 市内7区商連の役員や来賓ら約90人が出席する中、あいさつした柳沢正高会長は、「賃上げも実施されたが、円安と原油高が家計を圧迫し、財布のひもは固い。しかし飲食店も息を吹き返し、消費拡大には期待できる。商店街を元気づける活動を続けていきたい」と決意を込めた。福田紀彦川崎市長は「スマホ決済なども柔軟に対応し、前向きに進んでほしい」と祝辞を述べた。

演説する後藤市議

ジェンダー平等に言及 後藤市議、新春の集いで

 川崎区選出の後藤真左美市議(共産)は2月2日、東海道かわさき宿交流館(川崎区本町)で開かれた同党・川崎区後援会の新春の集いで市政報告を行った。

 後藤氏はライフワークであるジェンダー平等の取り組みについて言及。性暴力を根絶する「フラワーデモ」に参加した際、「痴漢を撲滅して欲しい」という中学生の声に応えるため、市に粘り強く働き続けた結果、市交通局公式Xを通じて啓発活動が始まったと強調した。

 また、地域との接点を増やし、地域課題や要望を拾い上げていきたいと抱負を語った。

前回のごみ拾いの様子

稲毛公園を「お掃除」 23日 ごみ拾いイベント

 稲毛公園(川崎区宮本町)で2月23日(日)、ごみ拾いイベント「稲毛公園お掃除デイ」を開催する。時間は午前11時から午後2時(ごみ拾いは正午まで)。

 昨年3月にリニューアルした同公園の魅力を高めようと開催されており、今回で2回目。1月の初回には約50人が集まり、多世代が交流しながら清掃活動を行った。

 今回は清掃活動後におもちゃづくり会を開催。木や竹など自然素材を使ったおもちゃを作る。ごみ拾い参加者はお菓子のつかみ取りができるので、子どもも楽しめそうだ。健康体操やフードトラックの出店もある。

 予約不要、参加無料。ごみ袋・トングは貸出あり。詳細は市まちづくり局拠点整備推進室【電話】044・200・0264へ。

新版画、風景画の変遷 浮世絵ギャラリー 15日から

 川崎浮世絵ギャラリーでは、2月15日(土)から4月20日(日)まで、「新版画―風景画の変遷 松亭・巴水・紫浪・光逸・江逸」展を開催する。

 新版画は、大正時代に浮世絵の伝統を受け継ぎながら、新たな技法で制作された木版画。同展では、新版画を代表する作家・川瀬巴水(はすい)をはじめ、高橋松亭、笠松紫浪、土屋光逸、石渡江逸らの作品約140点を前後期で展示する。

 同展では歌川広重や小林清親らの作品も展示し、新版画の風景画との比較を通して、その魅力に迫る。また、近年注目される笠松紫浪、土屋光逸、石渡江逸の未公開作品を展示する。横浜市子安町に住み、付近の日常風景を描いた江逸の作品群は必見。

 ギャラリートークは、前期が2月26日(水)と3月9日(日)、後期が4月3日(木)と4月6日(日)に開催。各日午後2時から30分程度で、参加費無料。

 同ギャラリーの蛭田裕紀子さんは「大正期のノスタルジックな風景を楽しんで」と呼び掛ける。前期/2月15日(土)〜3月16日(日)、後期/3月20日(木・祝)〜4月20日(日)。2月16日(日)臨時休館。

「ピーク時ほどではないが、地域社会の偏見も課題」と語る岡野敏明会長

国内の感染拡大から5年 新型コロナ 医師会長「初心忘れず」 年末年始の患者数400人 

 2020年1月に新型コロナウイルスの感染者が国内で確認されてから5年が過ぎた。2023年からは感染症法上の位置づけが「5類」に変更されたが、実は再び市内の新型コロナ感染者数は増えている。川崎市医師会の岡野敏明会長に、「アフターコロナ」の現状を聞いた。

 新型コロナ感染症は、23年5月以降、感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更され、行政による行動規制などは行われなくなった。しかし厚生労働省の人口動態統計によると、この5年間で新型コロナウイルスが原因で亡くなった人は、24年8月までに13万人以上。「5類」変更後に限っても、約4万4千人が亡くなっている。

 川崎市内でも、年末年始の休日診療体制の6日間で、診療所を受診した約7千人のうち約4千人がインフルエンザを発症し、約400人が新型コロナに感染していた。指定医療機関の患者数を定点調査している市の「感染症発生動向調査」では、今年1月27日から2月2日に304人が新型コロナに感染し、指定医療機関1施設あたりコロナ感染者が4・98人と、インフルエンザの4・84人より多かった。

 川崎市医師会の岡野会長は、「コロナが消えたわけではないことを認識してほしい」と呼びかける。「今まさに感染者は増えている。初心に戻って、マスクや手洗いを徹底してほしい」

 岡野会長によれば、「5類」以後は、医療機関としても、新型コロナの検査を積極的にしないケースが増えているという。さらに会長が「コロナ禍から継続する課題」と指摘するのが、新型コロナに感染している可能性がある発熱患者の対応に、消極的な医療機関があることだ。

 改正感染症法では、コロナ禍では受け入れ可能な病院が限られたために治療を受けられない患者が続出した反省から、都道府県が「感染症予防計画」を策定し、あらかじめ医療機関と協定を結ぶよう制度化した。

 岡野会長はコロナ禍の序盤、集団感染が起きた大型クルーズ船での対応も経験し、コロナ対応の難しさを熟知する。そのうえで「依然として高齢者への感染が怖い。ワクチン接種を呼びかけるなど、経験を生かし、感染のまん延防止にあたっていく」と話している。

ネットの差別的言動34件 川崎市 運営会社に削除要請

 「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、川崎市は複数の投稿サイト運営者などに対し、外国にルーツをもつ人たちに対するネット上の差別的言動の削除を要請し、2月4日に公表した。

 同条例の第17条では、ネット上の表現活動が外国ルーツの市民に対する不当な差別的言動と認められるとき、拡散を防止するために必要な措置を講ずる、としている。

 市は条例に基づき、継続的にネット上の差別的言動を調査しているが、このほど掲示板「5ちゃんねる」や投稿サイト「X」、ブログサイト「アメーバブログ」、同じくブログサイトの「ライブドアブログ」に、不当な差別的言動に該当するものが34件、見つかったという。

 いずれも特定の市民に対し、国外の出身であることを理由に非難や中傷する内容で、「5ちゃんねる」では「祖国に帰れ」「なぜ日本に居座るのか」、「X」では「『ともに』ではなく帰れ」、「ライブドアブログ」では「日本もあなたたちの居場所ではない」などの投稿が掲載されていた。このため市は2月3日、「5ちゃんねる」を運営するロキテクノロジー社や、「アメーバブログ」を運営する(株)サイバーエージェントなど、サイトの運営会社に、削除を要請した。

 市の担当者によると、同様の差別的言動は2023年夏ごろから急増しており、市としても啓発動画を公開するなど対策を強めている。担当者は「市が毅然とした対応を続けることで、市民への啓発になる。今後も周知に力を入れていく」と話している。