小田原・箱根・湯河原・真鶴版【3月1日(土)号】
笑顔で子どもたちを迎える佐藤夫妻(右)。壁には西湘生の写真が貼られている

青春彩る惣菜パン 西湘高校そばの「サトパン」

 3月は卒業シーズン。西湘高校そばに50年近く生徒を見守り、愛される店がある。サンドイッチを中心に扱うサンドHOUSEサトー、愛称「サトパン」だ。

 朝は「いってらっしゃい」、放課後は「気をつけて帰ってね」。サトパンを営む佐藤さん夫婦は生徒らに温かく声をかける。もともとは惣菜店だったが、「栄養たっぷりの食べ物で子どもたちをおなかいっぱいにしたい」と、リニューアルして惣菜パンを販売するようになった。健康面に気を配り、パンには野菜やたんぱく質の多い食材を挟むことを意識して作る。中でも人気は、さまざまな具材を挟んで揚げた「カリカリサンド」。季節ごとに変わる具材はベーコンやコンビーフなど10種類以上にのぼる。開店は午前7時で、日祝休み。高校生だけでなく、通勤時に利用する社会人もいる。「みんなに喜んでもらえるから頑張れる」と佐藤夫妻は笑顔をみせる。

壁一面に写真

 また店内の一角は、生徒の写真がぎっしりと壁に貼られ、青春のみずみずしさであふれている。始まりは、店内に貼られていた写真に気づいたこと。そのまま捨てずにボードを作って壁に飾ったところ、いつしか卒業を迎えた生徒が写真を貼っていくようになったという。卒業生から「メッセージを残したい」とリクエストされて1994年に用意したノートも、いまでは40冊ほどになった。

 部活の仲間と訪れた男子生徒(1年)は、「パンはボリューミーでおいしいし、いつも元気をもらっている。卒業するときは自分も壁に写真を貼りたい」と声を弾ませた。「3世代で来てくれる人もいる。いつまでも関わらせてもらえてうれしい」と佐藤夫妻。これからも地域に根差し、青春の味を守り続ける。

旧市民会館跡地周辺(2月26日撮影)

旧小田原市民会館跡地 無償貸出で試験活用 市民や事業者のニーズ調査

 整備が進む旧市民会館跡地とその隣接地について、小田原市は市民や事業者が実際にスペースを利用することで、活用方法やニーズ、周辺住民への影響を検証する「オープントライアル」を3月22日(土)から実施する。

 旧市民会館は2021年7月に老朽化のため閉館。跡地は、西側にある本町臨時駐車場と南側に隣接する土地開発公社用地などと合わせたエリアの整備計画として進められ、昨年10月に整備の基本構想が策定された。

 活用コンセプトは「まちのリビング」。市民や事業者から具体的な活用方法やアイデアを募るため、無償で利用できるオープントライアルの実施に至った。

 敷地内は人工芝やベンチなどを施した「くつろぎゾーン」と仮設駐車場の「駐車場ゾーン」を仮整備する。期間は本整備工事着手までの間。

 くつろぎゾーンの利用方法は、申請不要で自由に利用できる一般利用と、事前申請が必要な占用利用の2種類。占用利用は、収益を伴う事業や一定規模以上の区画を占用する場合に申請が必要となる。利用時間は午前8時から午後6時。利用料は無料。

 駐車場ゾーンは時間貸し駐車場、予約式駐車場、カーシェアリングで効果検証を行う。利用時間は24時間。

 市はオープントライアルの結果を踏まえ、整備方針や整備後の事業スキームを構築するとしている。

県西地区リハビリテーション協議会会長で、3月に「®フェス」を開催する 酒井 勇紀さん 小田原市板橋在住 43歳

共に盛り上げ、みんなが健康に

 ○…県西2市8町の医療施設や介護保険施設に勤務する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーションに関する専門職が所属する「一般社団法人県西地区リハビリテーション協議会」。2009年の設立時からのメンバーで10年前から会長を務める。3月には、インクルーシブな体験イベント「Rフェス」を開催。「病気やケガがある人も健康な人も、共に活動しながら地域を盛り上げることで、一人ひとりが健康になれる環境をつくりたい」と意気込む。

 ○…愛知県出身。中学校から高校まで陸上部に所属し、800mで県1位になったことも。「運動をしていたので高校生なりのイメージで」と理学療法士を志し、神奈川県の大学に進学した。4年時の実習先として訪れた小田原が「観光地に来た気分で、大変なはずの実習が楽しかった」。卒業後、そのまま実習先の小林病院に就職した。リハビリテーション科を約10年経験した後転職、現在は訪問リハビリに従事。地域支援に携わる。

 ○…昨年11月から始めたギターが新たな趣味に。「我が家のインフルエンサー」である中学生の娘が自宅で流す音楽に影響され、勢いでギターを購入した。娘の受験期には演奏欲を抑えつつ、ユーチューブを見てイヤホン越しに知識を深めた。以前は音楽に苦手意識があったと言い、「まさか自分が弾けるとは」と笑顔がこぼれた。

 ○…2000年の介護保険制度創設や回復期リハビリテーション病棟が増えたのを機に、リハビリの重要性が広まった。地域の連携が必要と感じ、協議会を設立。自治体からの委託で介護教室などにも取り組む。「ミクロ的な活動が全国で高まれば国民皆保険制度の維持になる」。信念を持って活動を続ける。

金管五重奏に歓声 新日本フィル 吉浜小で演奏

 新日本フィルハーモニー楽団が2月14日、湯河原町立吉浜小学校を訪問し、金管楽器の五重奏を披露した=写真。

 当日は児童約250人のほか、地域ボランティアも参加。民謡やアニメソングが演奏され、児童らは手拍子をしてプロの音色に耳を傾けた。

 同楽団メンバーで湯河原町出身の鈴木崇弘さんは「児童たちが喜んでくれたことがダイレクトに伝わった。自分たちも児童の憧れの存在になれれば」と振り返った。

防災について考えよう 諏訪の原公園で1日から

 県立おだわら諏訪の原公園(久野3821の1)で3月1日(土)から9日(日)まで、「そなえパークウィーク」として防災イベントを行う。

 東日本大震災の教訓を生かし、公園が緊急時に果たす役割や身の回りの備えを見直し、防災力を高める目的で同公園では2014年から実施している。同公園は「ペット防災体験会なども実施します。防災について考えるきっかけになれば」と来場を呼び掛けている。

 期間中に予定されているイベントは以下の通り。▽3月1日〜9日/小田原フラワーガーデンと合同防災クイズラリー(午前9時〜午後5時)、(ガーデンは月曜休園)▽9日/パトカー・白バイ展示(午前10時〜午後2時)、神奈川県警察音楽隊演奏(1時30分〜2時)、ペット防災体験会(【1】午前10時〜【2】午後2時〜/各回30分前から受付)、水消火器的当てゲーム(【1】午前11時〜【2】午後1時〜/各1時間)※クイズラリー以外は雨天中止。

 詳細は同公園HPまたは【電話】0465・34・0404。

災害時の備え学ぶ

 精神保健福祉普及相談事業「家族教室」が3月7日(金)、小田原合同庁舎で行われる。午後2時から4時まで。

 「心の病を持つ人のご家族と考える 災害発生時に備え、私たち家族に何ができるか」がテーマ。講師は南足柄市社会福祉協議会・自立サポートセンタースマイルの小泉智史氏。能登半島地震で災害ボランティアセンター運営に派遣された経験をもとに、平時からの備えなどについて話す。対象は統合失調症を中心とする精神障害がある人の家族。申し込みは4日(火)までに県電子申請システムか小田原保健福祉事務所保健予防課【電話】0465・32・8000。

風景を描いた原画

たなかさん原画展 旧松本剛吉別邸で

 旧松本剛吉別邸(小田原市南町)で3月7日(金)から16日(日)まで、市内在住のイラストレーターで画家たなかきょおこさんの原画展「小田原近郊花ごよみ」が開催される。午前10時〜午後4時。

 たなかさんが制作しているカレンダーの原画を中心に、小田原近郊の花のある風景画を展示。(問)旧松本剛吉別邸【電話】0465・20・5693

小田原城こども遊園地 復旧工事2年想定か

 昨年8月末の台風10号の影響で甚大な被害を受けた小田原城址公園こども遊園地について、小田原市は崩落箇所の復旧工事完了までに2年程度を要するとした。これにより遊園地の休園期間を当初の2025年度から延長する。

 被害を受けたのは遊具3機と両替機1台で、遊具近くのサクラが倒れ土砂崩れが発生。遊具と両替機は約5メートル下の空堀へ滑り落ちた。応急処置として現在、落下した遊具などを撤去し、崩落斜面全体を大型の防水シートで被覆している。

 市は崩落箇所の復旧に向け、25年度に委託業務で工事方法を検討していくという。

 こども遊園地は被害発生以降、臨時休園している。復旧に時間を要することから市は、遊具の維持管理が課題とし、復旧工事の計画と並行してこども遊園地のあり方を検討する方針だ。

足柄下郡、当初予算を発表 一般会計、3町とも増加

 足柄下郡3町はこのほど、2025年度の当初予算案を発表した。

箱根町

 箱根町は総額194億1000万円(前年度比13・6%増)で、そのうち一般会計は125億4400万円(同15・6%増)、特別会計32億4400万円、企業会計36億2200万円。歳入の約5割を占める町税は64億4600万円(同1・1%増)。そのうち町民税が9億3280万円(同11%増)、入湯税は6億6450万円(同2・7%減)。繰入金は8億7910万2000円(同69・5%増)。

 主な新規事業として、65歳以上を対象にチャージ済みの電子マネーカードを配布する「物価高対策高齢者買物支援事業」に2288万円を計上。このほか、温泉地域の地域医療体制維持のため、新たな診療所施設を建設する「(仮称)温泉地域診療所建設事業」に9503万円を計上した。

湯河原町

 湯河原町は総額196億2945万円(同4・52%増)で、そのうち一般会計は105億2400万円(同7・87%増)、特別会計66億3015万円、企業会計24億7530万円。歳入は、町税が37億9386万4000円(同0・96%増)で、そのうち町民税は13億5022万1000円(同2・69%増)。一方で歳出は、光熱費や人件費など経常的な経費、社会保障制度の充実に向けた経費などを合わせた義務的経費が48億2556万2000円(同10・61%増)で、5割弱を占める。

 主な新規事業として、学校の水泳授業に民間のプール施設を活用する「学校水泳授業委託事業」に306万円、「防災行政無線システム更新事業」に5940万円を計上した。

真鶴町

 真鶴町は総額70億2691万2000円(同6・0%増)で、そのうち一般会計は41億7100万円(同12・70%増)、特別会計21億9048万6000円、企業会計6億6542万6000円。歳入のうち町税が占める割合は約2割で8億7598万1000円(1・01%増)。基金繰入金は3億8614万円(同59・2%増)。

 主な事業として、地域活性化起業人制度の活用の継続、「真鶴アプリ」「地域通貨」実現に向けた企画管理事業に960万8000円を計上。二酸化炭素排出量削減事業では、節水シャワーヘッドの無償配布とソーラーパネルの本体購入費として1150万円を計上。このほか、「小さな人だまり」事業や、コミュニティバス用の車両購入、真鶴字塔の入地内の舗装改修工事など、土木費として1億7743万6000円(同50・91%増)を計上した。

真鶴町 水道料金改正案を延期 「時間かけて説明必要」

 真鶴町は2月19日、町議会3月定例会に提出を予定していた水道料金を値上げする条例改正案について、提出を延期すると、議会全員協議会で明らかにした。

 町は当初、老朽化した水道管の更新費用を確保し、水道事業の経営健全化を図る狙いとして、基本料金を最大29%値下げする一方で、使用量に応じた従量料金を値上げする改正案の提出を予定していた。しかし、町民や議員から「別荘を所有している人が得をする」「水道料金が減る人はどの程度いるのか」などの意見が寄せられていた。改正案の延期を決めた町は「もう少し時間をかけて丁寧な説明が必要と判断した」と説明している。

 しかし、現行料金のままでは水道事業の赤字が続くため、基本料金を一律20%引き上げる改正案を、町議会3月定例会で提出する方針を示した。基本料金の引き上げ分には、国からの「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、町民の負担額を解消するという。

 町は、延期となった改正案について、町民への説明などを進めたうえで内容を見直し、今秋に予定される町議選後に議案を再提出し、2026年度からの適用を目指していく。

無添加ドライフルーツ「蜜柑」と鈴木社長

就労支援施設が開発 食感パリッと無添加ドライ蜜柑

 噛むとパリッとした食感で、徐々に爽やかな香りと甘みが広がる―。

 小田原市酒匂の就労継続支援B型事業所「スプラウト・プラス」が、2月下旬から無添加ドライフルーツ「神奈川県産 蜜柑」を販売している。

 同施設を運営する株式会社スズキ(市内延清、鈴木浩二社長)では、利用者の安定的な就労機会の提供や工賃アップを目的に、自社オリジナル製品の開発を進めてきた。

 原材料に使用しているのは、小田原市近隣の農家から仕入れたミカン。流通に乗りにくい規格外品を仕入れることで、原材料費を抑えつつ、フードロス削減や生産者の収入にもつながっているという。

 試作期間は約2年間。施設に導入した食品用乾燥機で約18時間かけ、果実を房ごと「しっかり乾燥」させ、パッケージに脱酸素剤を封入することで防腐効果が確認できたという。酸化防止剤や防腐剤不使用、砂糖も使わない「無添加ドライフルーツ」を完成させた。

 1袋(20g入り)550円。同社ではそのまま食べるほか、ヨーグルトやサワーに入れる楽しみ方も紹介している。販売場所はミナカ小田原1階逸品屋金次郎、小田原駅前「小田原まると」、小田原市観光交流センター。仕入れた原材料が無くなり次第、「蜜柑」の今季分の販売は終了。

 鈴木社長は、「ぜひ地元の方にも味わっていただければ。新商品としてキウイフルーツの試作も進めています」と話している。

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市川さんからセリや水揚げされた魚の説明を聞く参加者

小田原の魚の魅力を公開 セリ見学ツアーが好評

 小田原の豊富な魚や美味しさを堪能してください―。通常は関係者以外立ち入ることができない小田原漁港内の水産市場を見学して朝どれ地魚を味わう「セリ市見学と漁港の朝メシツアー」が好評だ。

 県西部の水産物流通拠点「小田原市公設水産地方卸売市場」(市水産市場)は、相模湾でとれたばかりの地魚に加え全国から水産物が集まる。ツアーは地魚の消費拡大に取り組む若手水産関係者らによる「小田原地魚大作戦協議会」が2022年度に実施したクラウドファンディングの返礼品として初開催。好評だったため24年度、市水産海浜課が市観光協会に委託して定期開催している。

朝どれ地魚に舌鼓

 1月下旬、息が白く染まる夜明け前にツアーは開始。この日のガイドは同協議会副会長で老舗魚商の18代目、市川将史さん。定員いっぱいのツアー参加者を案内し、水揚げされた魚の種類やセリの駆け引きなどを説明。この日落札した鮮魚を紹介し、「これから皆さんの朝食で提供されます」と話すと参加者から歓声が上がった。

 朝食の準備中は小田原まち歩き実行委員会にバトンタッチ。平井丈夫委員長が漁港周辺の見どころを案内した。仲買人や鮮魚店などの”目利き”から「味が良い」と評価される小田原の魚の理由に触れたほか、偶然会った鮮魚店の社長から話を聞くなど、その場限りの特別感も魅力のひとつだった。散策後は、待ちに待った朝食タイム。この日は水揚げされたばかりのイシダイなどが振舞われた。

 藤沢市から参加した夫婦は「こんなに早い時間から元気に働いている人たちがいることを知り驚いた。プロから話を聞けて良かった。魚を食べるときに皆さんの顔が思い浮かぶと思う」と笑顔で話した。

魚離れの歯止めに

 ツアーは24年度に計11回実施。同課によると各回すぐに定員に達し、10回までのアンケートで参加者の約6割が市内在住者で、満足度は平均4・79点(5点満点)だった。「ネットには載っていない生の声を聞けて面白い」「地元の魅力を再発見できた」などの感想があった。同課は「日本全国で魚離れが進んでいる。ツアーを通して魚の美味しさや魅力を知ってもらえたら」と期待を寄せた。

 来年度は4月から月2回程度実施予定。各回定員12人で、参加費6000円。詳細、申し込みは小田原まち歩き実行委員会のHP「あるってこ」から。

イベントのチラシ

持続可能な未来に 3月8日 かなごて流域祭

 マルシェや音楽などを楽しみながら「ローカル&サステナブルな未来」を考えるイベント「かなごて流域祭2025」が3月8日(土)、小田原城址公園銅門広場で開催される。午前10時〜午後4時。同実行委員会と合同会社小田原かなごてファームが共催。

 「流域マルシェ」では地産地消や環境配慮にこだわったクレープ、プラントベースのカレー、天然酵母パン、コーヒーほかを販売。

 ステージでは小田原市出身のロックバンドLUCKCAMEのライブ(3時30分〜)や、よさこいやキッズダンスのパパフォーマンスが披露される。リペア体験やコンポスト体験などのワークショップもある。

「教育」「食エネ自給」トーク

 会場では2つのトークセッションも行われる。【1】持続可能な地域を創るための教育とは」(11時35分〜)は、元文部科学事務次官・前川喜平氏とかなごてファーム代表の小山田大和氏が「これからの主権者教育」についてを交わす。【2】「流域の電気を使おう!流域で進める食エネ自給のまちづくり」(1時50分〜)では、小山田氏のほか、再エネやクリーンエネルギーの推進、活用などに取り組む竹村英明氏、藤井崇史氏、馬上丈司氏が登壇する。

実証事業での検証結果を語る佐藤社長

ベルマーレフットサル スポーツの力 地域活性に 実証事業の成果を検証

 湘南ベルマーレフットサルクラブ(佐藤伸也代表取締役社長)が2月19日、中小企業庁の採択事業として地元企業らと取り組んでいる、地域課題解決を図る実証事業の成果報告会を実施した。

 ベルマーレフットサルと地域企業5社は昨年8月、若者が社会活動に参加する機会、外部人材の活用促進といった、県西エリアが抱える課題を連携して解消しようという取り組みを開始。中小企業庁が推進する、収益を目指しながら地域課題に取り組む「ゼブラ企業」として採択を受け、社会活動に取り組んできた。

 この日の報告会はベルマーレフットサルの運営拠点「B1」(小田原市栄町)で開催。経済産業省など公共機関の職員や小田原箱根商工会議所、社会活動に関心がある地元企業に加え、地域でまちづくり活動を行う関係者ら約30人が参加した。

地域とチームの好循環

 現在取り組む34の課題解決プロジェクトの分析などを進めたという佐藤社長。「企業やサポーターへヒアリングを行い、社会活動に我々が関係することで企業は信頼性向上、ファンも応援意欲、試合会場への来場動機につながっていることが分かった。社会性と事業性を両立させることで、チーム自体の強化にもつながっていくサイクルが構築できる」と参加者に語った。

 また今後は社会活動を収益化させることが課題とした佐藤社長。地域課題解決を軸としたビジネスモデルの創出やクラウドファンディングの活用を進め、「スポーツ団体は『つなぐ力』が強い。スポーツの力で地域を支援し、地域とともに強くなる仕組みを全国にモデル展開していければ」と展望を語った。
過去の見学会の様子(市提供)

本丸・二の丸の遺跡を巡る 3月15日に見学会

 小田原市文化財課が3月15日(土)、遺跡見学会「小田原城本丸・二の丸」を開催する。午前10時〜正午。参加無料で事前申込制。

 発掘調査で明らかになった戦国時代から近代に至る小田原城本丸・二の丸の様子について、学芸員の案内で散策する。参加者には、遺跡の内容を解説した小冊子「小田原の遺跡探訪シリーズ20『小田原城本丸・二の丸』」を配布する。

 当日は小田原城馬出門に集合、城址公園で解散予定。定員は50人で先着順。申し込みは3月13日(木)までに同課に電話。

 問い合わせは、市文化財課【電話】0465・33・1715(平日午前8時30分〜午後5時15分)。

潤生園やすらぎの家栢山 能登被災地に義援金

 通所介護サービス潤生園やすらぎの家栢山の利用者らが先ごろ、能登半島地震災害義援金として日本赤十字社を通して10万円を寄付した。

 「被災地のために何か役に立てることを」と、同施設の利用者が手縫いして販売した雑巾の売上金を活用したもの。義援金を受け取った日本赤十字社神奈川県支部小田原市地区長の加藤憲一市長は「現地で役立ててもらえるよう責任を持ってお届けさせていただきます」と話した。

3種類のお茶を味わった

お茶の違いを楽しむ 江嶋で「春のお茶会」

 日本茶と和紙の専門店「江嶋」(小田原市栄町)で2月14日、「春のお茶会」が開催された。

 「厳選したおいしいお茶と餡子を楽しむひとときを過ごしてほしい」との思いから企画されたイベントで、おだワクマルシェとの共催。飲み比べとして足柄茶など3種類のお茶が用意され、お茶請けには鈴木製餡所の餡子と、種秀のもなかの皮が提供された。

 当日は8人が参加し、お茶の違いや餡子との組み合わせを楽しんだほか、お茶の種類や淹れ方、急須の手入れの方法などを興味深く学んだ。参加者は「煎茶の体験は初めて参加した。どれも美味しくいただくことができた」と話した。

新年会

◆さがみ未来塾

 小田原市の報徳会館で2月5日、地域の若手経営者らによる交流の集まり「さがみ未来塾」が新年会を開催した。この日は第一部として、損害保険ジャパン(株)神奈川支店による講演「中小企業における災害等への対応と備え」が行われた。その後行われた新年会ではさがみ信用金庫の遠藤康弘理事長が「ためになる講演と会員同士の懇親の場で有益な時間を過ごしてほしい」と挨拶。多岐にわたる若手事業者らは親交を深めていた。

◆小田原市商店街連合会

 小田原お堀端万葉の湯で2月5日、新春のつどいが開かれた。丸田茂晴会長は、近年の市内商業の回復に触れ、「コロナ禍から2年で人出が回復し、駅前や小田原城周辺に関しては、観光客で潤いを見せている」。一方で、少子高齢化が進む中、「持っているリソースをどのように活用し、コンパクトに勝ち進んでいくべきか」と述べ、「皆さんの力とともに、地域の発展に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

◆小田原食品衛生協会

 2月13日に小田原お堀端コンベンションホールで新春のつどいを開催した。第一部の表彰式では、食品衛生功労者や永年勤続優良従業員などが発表され、受賞者に表彰状が手渡された。第二部の賀詞交歓会では古川孝昭会長が挨拶。小田原市と箱根町、湯河原町、真鶴町と災害時協定を締結し、講習会や避難所への食中毒予防セットの配置などの取り組みを進めてきたことに触れ、「避難所でも食の安全安心を守るための取り組みをいま一度心していきたい」と抱負を述べた。

曽我別所会場(2月24日撮影)

寒さ耐え ウメほころぶ 開花遅れ 見頃は

 寒さが残った2月下旬、県西エリアの各地で春の訪れを楽しむ観梅者の姿が見られた。

 小田原市の曽我梅林では2月24日まで「小田原梅まつり」が開催され、多くの来場者が足を運んだ。藤沢市から電車で来場した女性は「初めて足を運んだ。きれいな富士山も見ることができた」と話した。

 今年は例年より10日ほど遅れて開花し、イベント終盤に見頃を迎えた。曽我別所梅まつり観光協会は「まつりは終了したが、歩道を歩くなどルールを守り楽しんでほしい」と呼び掛けた。自家用車の来場は小田原牧場アイス工房に駐車可能。

 湯河原町の幕山公園では3月9日(日)まで「梅の宴」を開催。2月25日時点の開花状況は五分咲きで、町観光課は「今後気温が上がれば見頃に近づくのでは」と話した。

ソプラノ歌手・吉田美紀さん

ソプラノ リサイタル 3月8日 タウンニュースホール

 ソプラノ歌手・吉田美紀さん=写真=が3月8日(土)、タウンニュースホール(小田急線東海大学前駅南口徒歩1分)でリサイタルを行う。

 吉田さんは、昭和音楽大学声楽科卒業。イタリア国立F.ヴェネッツェ音楽院声楽科で最高学位ラウレアを取得し、最高点で修了。イタリア留学中は諸外国の交響楽団と共演、さまざまなコンサートにも出演し研鑽を積んだ。帰国後はソロ活動のほか、アンサンブル楓のメンバーとしても活動。また、コンサートの企画・運営、後進の指導にもあたる。藤原歌劇団準団員。

 当日は「砂山」(中山晋平)、「からたちの花」(山田耕筰)、「優雅な月よ」(V.ベッリーニ)、「オペラ《魔笛》より 夜の女王のアリア」(W.A.モーツアルト)他を予定。ピアノは更田充恵さん。午後2時開演(1時30分開場)、3時半終演予定。入場料2千円(予約制・自由席・未就学児入場不可)。予約は公演事務局の秦野市文化会館【電話】0463・81・1211。

登壇するリバティ小田原日本語学校の学生

若者外国人日頃の成果披露 三の丸ホールで発表会

 小田原三の丸ホールで2月7日、外国人の若者らによる日本語の発表会が行われた。

 午前と午後は、留学生に日本語教育を行うリバティ小田原日本語学校(長峯信哉校長)が恒例のスピーチ発表会を開催。今回はネパールやバングラデシュ、スリランカなどから来日した約60人がスピーチ発表の舞台に立った。

 登壇した一人、イステアクさん(バングラデシュ)は来日に向けた試験につまづいた経験を振り返り、「留学は無理だと周りから言われてもここに来ることができた。数えきれないほど失敗はしたが、人生は勝つか学ぶか。皆さんも決して諦めないで」と笑顔で呼び掛けた。

 また夕方からは、小田原白梅LC(ライオンズクラブ)が日本で暮らす外国人の支援と交流促進を目的に立ち上げた「小田原白梅IESクラブ支部」(倉田朋子支部会長)が日本語スピーチ大会を開催。学生や社会人15人が日本での暮らしを語った。

 中学2年の時にフィリピンから来日したという高校生、ルグトゥ リー ヒョン ホーさんは「日本に来た当初は分からないことだらけで怖かったけど、私とつながろうとしてくれた人たちがいた。これからは私が支えになりたい。言葉や文化が違っても一人ではありません」と発表した。

 両イベントとも参加者は、それぞれの思いを日本語で伝え、会場からは大きな拍手が送られていた。

酒匂の徒歩渡しの再現

全国街道交流会議 「道と地方創生」語る 小田原市でプレシンポ

 全国街道交流会議第14回全国大会三島大会のプレシンポジウムが1月27日、小田原三の丸ホールで行われた。

 三島大会は11月に開催予定で、箱根八里と伊豆下田街道地域を舞台にしている。プレシンポジウムは、「道と地方創生〜箱根八里から伊豆湘南道路まで」をテーマに、全国大会に向け機運醸成、街道・道路についての学びを深めることを目的に開催された。

 オープニングでは湘南建設業協会の会員が、浮世絵の東海道五十三次にも描かれている「酒匂川の徒歩(かち)渡し」の再現パフォーマンスを披露した。

 会場では国土学アナリストの大石久和氏が「次世代を担う子供たちへ 街道・インフラ・財政・経済」を、同会議会長で政策研究大学院大学名誉教授の森地茂氏が「交通と広域連携」をそれぞれテーマに講演した。

春の訪れを俳句で詠む 小田原俳句大会が大会

 小田原俳句協会(村場十五会長)が2月9日、おだわら市民交流センターUMECOで「第61回小田原梅まつり俳句大会」を行った=写真。

 当日は63人が参加。事前募集した兼題の部(488句・155人応募)と当日の出席者による席題の部が行われた。上位入賞者は以下の通り。※敬称略。

 ■兼題「梅/余寒」▽神奈川県知事賞/白梅や老いて素直のむずかしき(長島久江)▽小田原市観光協会会長賞/梅一輪吉報のごと解けたる(横塚昌平)▽神静民報社賞/一礼に弓場引締る余寒かな(西賀久實)▽小田原俳句協会会長賞/梅の香もたたみて母の入院着(須田聡子)▽小田原俳句協会名誉会長佃悦夫特選/赤児笑ふ席にぱつぱつと梅わらふ(西岡青波)▽小田原俳句協会顧問池田忠山特選/梅の香もたたみて母の入院着(須田聡子)▽小田原俳句協会会長村場十五特選/一礼に弓場引締る余寒かな(西賀久實)▽沈丁俳句会代表寶子山京子特選/紅梅や地球儀ぐるぐる回っている(大石雄介)▽草むら俳句会代表佐々木重満特選/館内に刀文列なる余寒かな(池田忠山)▽こよろぎ代表神山つとむ特選/余寒この硯の海に陽の舞ひぬ(近藤久江)

 ■席題「春季雑詠/雲雀」▽1位/戦中の母の生活を知る雛(西岡青波)▽2位/老二人七曜忘れ春炬燵(加藤かほる)▽3位/城といふ真白き翼春景色(池田忠山)

イベントのチラシ

マルシェで春を満喫 3月2日 大久寺で

 おだワクマルシェが3月2日(日)、「春のひなまつりマルシェ」を開催する。午前11時〜午後3時。会場は大久寺(小田原市城山)。

 当日は和菓子やおにぎり、パン、焼き菓子などの販売のほか、茶道のワークショップ(事前申込制)、アロマハンドケアなどが出店。また、寺の本堂には7段飾りのひな人形が飾られる。

 「思い思いに楽しんでいただける春のピクニックのような時間になれば」と主催者。

 (問)おだワクマルシェ・渡辺さん【電話】090・6014・6282

耳庵生誕150年の記念講演 西さがみ文化フォーラム

 「西さがみ文化フォーラム」が3月16日(日)、おだわら市民交流センターUMECOで開催される。午後3時〜5時。会費1000円。定員80人(満員になり次第締切)。

 61回目を迎える今回は、戦前・戦後と通じて「電力王」と呼ばれた実業家で、晩年は数寄者として小田原で過ごした松永安左ヱ門の生誕150年を記念した講演。テーマは「近代数奇茶と小田原・箱根 =鈍翁益田孝、幻庵野崎廣太、耳庵松永安左衛門を中心に=」。これまで、同氏らの追善茶会を開催してきた田代道彌さんが登壇して、小田原と箱根に所縁のある数奇者について語る。問い合わせ、申し込みは同会事務局・小泉さん【電話】090・5409・3071。

小田原青色申告会 「青色十色」2―3月号を発行

 公益社団法人・小田原青色申告会が会員と県西地域の住民向けに発行する広報紙「青色十色」の2―3月号を発行した。

 確定申告や税制度などをわかりやすく伝える同広報紙。今号では、確定申告指導会場と指導会場への持ち物チェックリストのほか、同会の記帳処理サービスや青色個別指導会、会計ソフト相談会などを特集。

 また「よりみちこみち」コーナーでは、焼きたてパンを提供する「255Bakery」をピックアップ。「足下地蔵尊の延命水」など、井細田駅周辺の散歩コースを紹介している。

陶芸をはじめませんか 小田原陶芸同好会 会員募集

 「自分たちで作陶から施釉・焼成まで!創造する楽しみと喜びを仲間と味わってみませんか」

 小田原陶芸同好会では5月入会の会員を募集している。対象は小田原市及び近郊在住で60歳以上(未満の方も若干名)。活動場所は小田原市生きがいふれあいセンターいそしぎ工芸室。入会金5千円、月会費2千円。

 3月18日(火)に午前10時から見学・説明会をいそしぎ2F会議室で実施。参加希望者は3月17日(月)までに申込み・問い合わせを。【電話】090・2653・0105(林)

女性の不安・困りごとは 神奈川県の相談窓口へ

 神奈川県では、不安や困りごとに悩む女性を対象に、LINEや電話、メールで相談できる窓口を設置している。

 『かながわ女性の不安・困りごと相談室』では、「生活が苦しい」「どこにも居場所がない」など不安や生活上の課題を抱える県内女性を対象に相談を受け付けている。

 パートナーから「暴言を吐かれる」「生活費を渡してもらえない」「交友関係を監視される」など、様々な暴力に関する相談は『かながわDV相談LINE』へ。匿名でも相談可能。どんな小さな困りごとでも一人で悩まずに相談を。

過去のコンサートの様子(提供)

3・11を忘れない 三の丸ホールでコンサート

 「3・11を忘れないジョイントコンサート」が3月11日(火)、小田原三の丸ホール・小ホールで開催される。午後2時開演で、4時終演予定。申し込み不要で、入場無料。

 東日本大震災復興支援が目的で同コンサート実行委員会が主催、小田原市後援。4回目となる今回は、7つの団体が演奏や歌声、朗読を披露する。また東日本大震災で発生した津波の流木や、倒壊した家屋の柱などから作られたバイオリン「TSUNAMI」を使った弦楽四重奏も予定されている。

 さらに午後1時から4時15分まで、ホワイエでチャリティマルシェが行われるほか、会場内に東北・能登被災地への募金箱も設置する。

 問い合わせは神馬さん【電話】0465・22・1044または【メール】j_viola2000jp@yahoo.co.jp。

「親なきあと」を考える 3月15日にセミナー

 障害のある子の「親なきあと」相談室小田原によるミニセミナーが3月15日(土)午前10時30分〜11時45分、おだわら市民交流センターUMECO会議室5で開催される。

 今回は、「障害年金更新のポイント」をテーマに小西一航社会保険労務士が、最新の障害年金の動向と対策等について話す。オンラインでの参加も可能。資料代500円。申し込みは、同団体ホームページ『親なきあと相談室小田原』または【電話】0465・46・6800(平日午前10時〜午後4時)。