鶴見区版【3月13日(木)号】
「一人でも多くの人の心に響けば」と2人

若者の生きづらさ、劇で表現 区内NPOの在籍・OG生が出演

 人生の生きづらさに悩む若者が、絶望の中から希望を見つける物語を描くミュージカルが4月20日に鶴見公会堂で開かれる。そのミュージカルに、佃野町で不登校の子どもたちを支援するNPO法人フリースペースたんぽぽに通う高校生やOGが出演する。「自分の人生を大切に生きてほしい、『声をあげていいんだよ』という思いが伝われば」と稽古に励んでいる。

 この公演は、「月桃の花」歌舞団が主催するミュージカル「私はここだ!」。苦学生でアルバイトで学費を稼ぎながら保育士をめざす専門学校生の主人公のさくらが、新型コロナで父親を亡くしてしまう。さくらは父親の遺言に沿って…という内容で、現代の生きづらさの中から希望を見つける物語となっている。

 この脚本の一部を手掛けたのが、たんぽぽOGの青島みのりさん(26)=写真左。小中学生時代に不登校を経験し、今は専門学校に通う。過去には「誰にも助けを求められない、自己責任と自分を責めてばかりいた」と話す青島さん。でも、たんぽぽで歌舞団に誘われて劇に出演する中で、「自分を表現していいんだ。声をあげていいんだ」と自信を持てるようになっていった。

 そして、現在たんぽぽに在籍し、特別支援学校に通う高校1年生の音葉來さん(仮名)=同右=も出演する。同公演はこれまで川崎市内で3回上演され、音葉さんも出演。「人前で演じることは学校の発表会くらいしかなかったけれど楽しい」と笑顔で語る。

 鶴見公会堂での上演は4月20日の午後2時から。公演後には出演者との交流も行われる。チケットは一般1999円、学生・障害者1000円、高校生以下500円。申込み・問合せは室生さん【電話】090・1215・5220。

たんぽぽの交流会も

 ミュージカルに先立って午後0時30分から、同公会堂でたんぽぽによる交流会も開かれる。

 不登校を体験した若者から経験談を聞いて、相談や交流をすることができる。たんぽぽでは「このミュージカルや交流会が、今、学校に行きづらい、生きづらいと悩む若者たちが前を向くきっかけになれば。『今のままでいいんだよ』と伝えたい」と呼び掛けている。

災害用トイレトレーラー=横浜市提供

横浜市 機動的な避難設備導入へ 全国初「TKB」で環境改善

 横浜市は災害時の避難生活支援策として来年度、全国の自治体として初めて、トイレ・キッチン・ベッドの「TKBユニット」を導入する。公園などでの設置を想定し、今後、運用方法を検討していく。

 市は昨年の能登半島地震の状況などを踏まえ、地震防災対策を大幅に強化するため、3月中に「新たな地震防災戦略」を策定する予定。市民から避難所のトイレやプライバシー、就寝環境を心配する声があることを受け、誰もが安心して避難生活を送ることができるようにする備蓄品などの購入のため、25年度予算に9億7412万円を盛り込んでいる。

 災害時の避難所に必要とされる「トイレ・キッチン・ベッド」を略したTKBユニットは、従来の地域防災拠点とは別に、新たな避難生活支援策の一つとして取り入れる。25年度はトイレトレーラー5台、キッチンカー1台、簡易ベッド(コット)300台を購入する。被災状況に応じて公園や競技場などでの設置を想定している。

 能登半島地震では、災害後の避難生活による体調悪化などが原因で亡くなる「災害関連死」が300人を超えた。市は避難所の環境を改善する一環として、全国の自治体に先駆けてTKBユニットの導入を決めた。電源や居住用テントなど付随する資機材も併せて購入、試験的に導入する。これらの予算額は3億2千万円。

能登での支援実績も

 市総務局によると、ユニットを使う対象者や具体的な運用方法は「イタリアなどの先進事例を基に、今後検討していく」としている。市は「災害用トイレトレーラー」を約1年間、輪島市の避難所に派遣し、支援活動を行った実績もある。トイレトレーラーは、水洗用のタンクや手洗い場が備え付けられた移動式の仮設トイレで、洋式便器が備わっている。仮設トイレは和式が多いため「きれいで使いやすい」という声もあったという。

 同局の担当者は「これまでの取り組みと併せて、市民の皆様が安心して避難生活を送ることができる仕組みを構築していきたい」と話した。

駒岡中町長生会で友愛サロンを開く 星野 洋子さん 駒岡在住 74歳

笑顔で集える場づくりを

 ○…駒岡中町会の老人会、長生会で高齢者の憩いの場として親しまれている「友愛サロン」の発起人。現在も主体的に携わり、脳トレになるじゃんけんゲームや体操など誰もが楽しめて間違えても笑顔が生まれる場づくりを心掛けている。「みんなで笑って楽しくできることがしたかった。誰かが寂しそうにしているのはあまり見たくない」と柔らかな笑顔で語る。

 ○…福島県出身で就職を機に鶴見へ。今でこそ地元と深くつながっているが、現役時代は職場だった川崎幸市場と自宅を往復する毎日だった。朝6時前に家を出て帰宅は昼過ぎと、地元と関わる機会を持てなかった。そして60歳で定年を迎えて長生会に加入。話し相手や見守りを必要とする高齢者を同世代が支える友愛活動を実施する友愛委員に選ばれた。「思い立ったら冷めないうちに」の行動派で、8年ほど前に友愛サロンを企画。「地域のつながりは地域で守って、作っていく。これが一番大切」と思いを語る。

 ○…昔から大のスポーツ好きで、幼少期は男子に交じって遊ぶ活発な女の子だった。老人クラブの活動では地元の仲間と初めて参加した区のペタンク大会で優勝したことも。「私が出しゃばりなところもあって、指揮をとることがちょっと上手いのかも」と笑う。グラウンド・ゴルフでも一昨年に全国大会に出場するなど、シニアスポーツで活躍を続けている。

 ○…やさしい介護予防運動「ふまねっと運動」のサポーターの資格も持つ。「誰かの役に立てたらいいなって」とどこまでも献身的。友愛サロンで行う脳トレゲームやパズルも全て独自に考えた。「みんなに楽しんでもらえれば苦労はないです。つながりを絶やさず、支え、支えられる関係を広めていけたら」

渋谷区長から感謝状を受け取る児童

生麦小に区から感謝状 記念事業の活動評価

 市立生麦小学校(小倉孝行校長)で3月6日、同校創立100周年記念事業に対して鶴見区から感謝状が贈られた。

 これは、この度の周年事業が学校と地域の連携を促進する顕著な活動として評価されたもの。

 当日は渋谷治雄区長が同校を訪れ、児童実行委員の委員長や記念事業の運営委員長を務めた生麦第一地区連合会の石川建治会長ら5人に感謝状を手渡した。実行委を務めた児童は地域や保護者に感謝を述べ、「生麦小の良い伝統を150年、200年と続けていきましょう」と全校児童に呼びかけた。

鶴見川人道橋が開通へ 3月27日の午後2時に

 鶴見川の新鶴見橋から末吉橋間で整備が進められてきた鶴見川人道橋が3月27日、午後2時に開通する。

 2021年度から行われてきた整備。最寄り駅までの移動時間短縮や、利用できるバス路線の増加等による生活利便性の向上のほか、大規模災害時に広域避難場所の三ツ池公園への避難時間短縮など防災機能の向上などが期待されている。

手を上げてクイズに答える児童たち=提供

断熱や窓の大切さ学ぶ ナイス(株)が児童に特別授業

 区内に本社を構えるナイス(株)でこのほど、鶴見、汐入小学校の児童が住宅の役割や断熱などを学ぶ校外学習「冬でも暖かく快適に過ごす住まい方」が行われた。

 これは、脱炭素化に向けて横浜市が省エネ住宅に対する市民の意識醸成に向けた取組みを行う「よこはま健康省エネ住宅推進コンソーシアム」における活動の一環。

 今回は児童向けとして、住まいの役割や寒さに対応した生活の工夫などをクイズを交えて紹介。

 模型を使って断熱材の効果を比較する実験や窓の役割、暖房器具を安全に効率よく使う方法などが説明され、児童たちが熱心に質問する様子も見られた。

 同社の担当者は「今回学んだことを活かして、住まい方を考え工夫することに繋がれば。今後も子どもたちの成長を支援し、地域社会・経済の活性化や課題の解決に努めていきたい」と話した。

箏と三絃のコンサート 東京藝大卒の市内有志が出演

 箏・三絃コンサート「濱糸」が3月23日、鶴見区民文化センターサルビアホールで開かれる。

 横浜市内在住で東京藝術大学邦楽科箏曲生田流卒業生の有志7人による公演。区内在住の鎌田美穂子さん(十七絃・二十五絃箏)や片岡由紀さん(箏)、宇山葵さん(箏)も出演する。曲目は「千鳥の曲」「瀬音」「残月」など。

 午後2時開演。チケット一般3500円、学生1500円。申込は美-soh企画【電話】090・7200・7006、または同ホールまで。

入賞、入選した児童たち

選挙標語コンクール 投票啓発の14作品を表彰 小中学生対象で1264点の応募

 選挙啓発などを目的とした「鶴見区明るい選挙啓発標語コンクール」の表彰式が3月5日、鶴見区役所で開かれた。

 政治・選挙に関心を持つきっかけ作りとして、鶴見区明るい選挙推進協議会(新田弘子会長)が2014年から行っているもの。区内の市立小中学生を対象に啓発標語を募集し、今年は前回の2倍近い1264点が集まった。

 応募作品を同協議会らが審査し、14作品が入賞・入選作に選ばれた。

 最優秀賞は、市場小学校5年の吉野さんによる「その一歩、その一票 あなたが作る 鶴見の未来」。表彰状を受け取った吉野さんは「選ばれて嬉しい。友達からもアイデアを募って、みんなの思いも込めて考えた。自分も選挙に行ける年齢になったら投票したい」と笑顔で感想を語った。

 最優秀作品は、今後の選挙啓発活動に活用される。同協議会の新田会長は「昨年の2倍近い応募があって嬉しかった。子どもたちの思いに刺激を受けて、大人たちの投票行動に繋がることを期待します」と語った。

 入賞者は以下の通り(順不同)。

【最優秀賞】「その一歩、その一票 あなたが作る 鶴見の未来」吉野さん(市場小5年)

【鶴見区明るい選挙推進協議会会長賞】「投票しよう 鶴見の未来に その一票」塚田さん(下野谷小6年)

【同協議会副会長賞】「変わらない? 初めに変わるのは あなた自身」堤さん(獅子ケ谷小6年)/「変えられる 自分の生活 その一票で」河村さん(鶴見小6年)

【区選挙管理委員会委員長賞】「私の未来も 鶴見の未来も 私は決めたい」高橋さん(平安小5年)

【区長賞】「その権利、あなたの意思を 鶴見の未来へ!」高橋さん(豊岡小6年)

ほか8作品が入選

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下級生らの前で発表する6年生児童

学びの集大成を発表 聖ヨゼフ小で「エキシビション」

 聖ヨゼフ学園小学校=東寺尾=の6年生がこのほど、1年間の学習の成果を発表するエキシビションを行った。

 同校では「パッションプロジェクト」として一人ひとりの好きなこと、夢中なことの探究を大切にしていて、今回は児童たちが1年間かけて1つのテーマを調べてきた成果を保護者らに発表するもの。

 「歴史は未来の教科書」「本の魅力研究所へようこそ」など、グループごとに多岐にわたる発表が行われ、保護者や下級生から大きな拍手が起きていた。

初心者向けのボート教室 鶴見川漕艇場で4月13日

 鶴見川漕艇場で4月13日、「初心者ボート教室」が開かれる。

 NPO法人横浜市ローイング協会の指導のもとでボートを体験できる。担当者は「初心者でも親子でも気軽に体験できます」と呼び掛けている。

 午後1時から3時30分まで。小学4年生以上対象。先着10人。参加費2500円(中学生以下1500円)。着替え持参。申込は3月18日午前10時から電話で受付。(問)同漕艇場【電話】045・582・8680

参加者と脳トレカードを体験する村木会長(右)

駒岡中町長生会 サロンを全老連会長が視察 独自の活動などを評価

 駒岡中町会の老人会、長生会が行う「友愛サロン」で2月28日、全国老人クラブ連合会の村木厚子会長や区老人クラブ連合会の日向邦夫会長が視察に訪れた。

 これは、話し相手や見守りを必要とする高齢者を同世代で支える老人クラブの「友愛活動」において、昨年に区内で行われた全体研修会で長生会が友愛サロンの取組みを発表したことがきっかけ。

 同サロンは、同町会の星野洋子さん=「人物風土記」で紹介=が8年ほど前に企画。地域の高齢者が自宅に引きこもってしまわぬよう、月に1回集まって体操やゲームなどを一緒に楽しみ、積極的に参加してもらえる場を設けている。

 当日は約40人が参加。健康維持のためのタオル体操や、脳トレに繋がるじゃんけんゲームのほか、みんなで替え歌を歌って楽しむ様子などが見られた。また、星野さんが考えた「脳トレカード」ゲームは、青や赤など色を表す言葉が違う色で書かれた札を迷わずに取り合うもの。これに全老連の村木会長も参加し、会員との交流を楽しんだ。村木会長は「数々の工夫された取組みが素晴らしい。初めて参加した私も皆さんが快く受け入れてくれて、交流を楽しめました」と感心した様子で語った。

 星野さんは「サロンではゲームなどで間違っても誰も責めないし、誰もが楽しめるように工夫をしている。これからも皆さんと一緒に楽しい体験をしていけたら」と笑顔で語った。
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表彰を受けた自治会町内会長ら=区提供

自治会町内会長14人を表彰 永年在職で区が感謝会

 「自治会町内会長永年在職者表彰」の受賞者がこのほど発表され、3月4日にキリンビール(株)横浜工場で開かれた感謝会で14人が功績を称えられた=同面に表彰者一覧掲載。

 これは横浜市や鶴見区が、在職中の地区連合会長や自治会町内会長を5年刻みで表彰するもの。今年は在職25年で1人、20年で1人、10年で4人、5年で8人の計14人が受賞。10年以上は山中竹春市長から、5年は渋谷治雄区長からそれぞれ表彰を受けた。

 感謝会に出席した山中市長は「会長として地域のまとめ役の重責を長年にわたり担っていただき心から感謝します。これからも横浜市政にご意見をお聞かせください」と述べた。受賞者代表であいさつした鶴見上町自治会の寺田慶太朗会長は周囲の協力に感謝を述べつつ、「会長を務めて早25年。町会の活動は縁の下の力持ちのような地道なもの。しかし、その活動が地域の安心や絆を紡ぐ大切な営み。今後も地域や鶴見のために尽力していきたい」と語った。

高齢者のための文化祭 16日に「シルバーフェスタ」

 鶴見区老人クラブ連合会主催の「第16回鶴見シルバーフェスタ」が3月16日、鶴見公会堂で開かれる。

 舞台ではクラブ会員の団体・個人が舞踊などを披露し、サークルによる作品展示も行われる。

 入場無料。午前10時から午後4時まで。展示は9時30分から。問合せは同連合会【電話】045・505・5581。

住民に防火対策を呼びかける署員

鶴見消防署 北寺尾で防火対策を啓発 春の火災予防運動で

 鶴見消防署の署員が3月6日、北寺尾周辺の住宅を巡り、防火対策や住宅用火災警報器の設置・維持管理を呼びかけるチラシの配布などを行った。

 これは、1日から始まった全国一斉の「春の火災予防運動」の一環。同署ではこの運動に合わせて毎回区内各地で啓発活動を続けていて、今回は高齢化率の高い同地区を対象に行った。チラシを配布しながら住宅火災の危険性を呼びかけ、希望する住民には住宅防火診断も行った。

 また、7日にはJR鶴見駅西口周辺で鶴見警察署や防犯協会らと協力してチラシや啓発物を配布した。消防署予防課の西淳希さんは「冬は乾燥して火災が起こりやすいので、注意をして生活してほしい」と話した。

火災による死者増

 横浜市内では2024年に発生した火災による死者(放火自殺は除く)は24人(内19人が65歳以上)で過去10年間で最多となっている。全員が住宅火災で死亡したことを踏まえ、市消防局では原因として多いリチウムイオン蓄電池など電気機器からの出火や、たばこを原因とした火災に注意を呼び掛けている。

昨年の「ヤギえんちょう」

ヤギえんちょうが初出勤 入船公園 3月18日に

 入船公園=弁天町=のマスコットキャラターとして毎年人気の「ヤギえんちょう」が3月18日、今年の初出勤日を迎える。

 園内の除草や来園者の癒し役として10月ごろまで活動する。

 登場は午前11時を予定。(問)同園【電話】045・501・2343

賞品総額150万円

商店街巡りで豪華賞品 デジタルスタンプラリー

 (一社)横浜市商店街総連合会(石川清貴会長)が主催する「よこはま あっち!こっち!商店街ウォーク デジタルスタンプラリー」が、3月31日まで開催中だ。

 これは同事業に参加する約150の商店街に一つずつ設置されたスポット店舗の店頭ポスター内二次元コードを読み込むと、スタンプを貯めることができる。取得スタンプ数に応じて、横浜の人気ホテルのペア宿泊券(10万円相当)やペアランチ券(1万円相当)、5000円相当の共通商品券が抽選で126人に当たる。参加は無料でアプリのインストールも不要。詳しくは市商連のホームページで確認を。

市作成の啓発動画の一部(横浜市提供)

横浜市 ITで小児がん理解啓発 「メタバース」で患者支援も

 15歳未満の病死原因で最も多いという「小児がん」について、横浜市では、患者の支援を目的にITを駆使した取組を推進している。昨年から「メタバース」を利用した患者同士の交流機会の創出のほか、今年からは初の啓発動画の配信も開始。市は、患者や家族の現状への理解促進を図りたいとしている。



 小児がんとは15歳未満がかかるさまざまながんの総称で、主に白血病や脳腫瘍などがある。子どもの病死原因第1位とはいえ、国立がん研究センターが昨年公表した調査結果によると、小児がんにおける白血病患者の10年後の生存率は86・6%、脳腫瘍患者では71・7%。近年は医療の進歩により、り患しても7〜8割は治癒が望めるという。

 り患数の少なさも小児がんの特徴だ。横浜市がん・疾病対策課によると、全国で新たに小児がんと診断された人は2018年が2094人、19年が2117人、最新の統計という20年が2080人。市内でも18年が41人、19年が58人、20年が49人で、「希少がん」とも呼ばれている。

中澤佑二さん協力で初動画

 り患数の少なさから「成人のがんと比べて社会の理解が不足している」と同課。そこで市は近年、理解促進に向けITを活用した取組を進めている。

 昨年8月、治療の副作用による外見の変化などを気にせずに患者同士が交流できる場を創出しようと、市はインターネット上の仮想空間「メタバース」の活用を試行。開催した交流イベントでは、患者や家族らが自身の分身である「アバター」を利用して会話を楽しみ、交流を深めた。市は「来年度も実施できれば」としている。

 また市は、横浜F・マリノスで活躍した中澤佑二さんの協力で、啓発動画を初めて作成。小児がんの治療を受けた市内の子どもが「闘病中に辛かったこと」などを語る動画で今年1月、市公式YouTubeチャンネルで配信を開始した(30年1月まで配信予定)。同課の担当者は「患者やご家族の現状を知り、自分には何ができるのかを考えていただくことにつながれば」としている。

三好諒氏

参院選 れいわ 三好氏擁立へ 39歳、消費税廃止訴える

 れいわ新選組は夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に元外務省職員の三好諒氏(39)を擁立することを決めた。

 三好氏は2013年に外務省入省、21年退職。22年から山本太郎参議院議員の秘書を務め、24年の衆院選で神奈川2区から立候補していた。3月11日の会見で「しがらみのない政治で消費税廃止や社会保険料の減免などを訴えたい」と述べた。

「おやこフロア」のイメージ(市提供)

中央図書館に「おやこフロア」 4月22日オープン

 横浜市は中央図書館=西区=の一部を親子向けのフロアにしリニューアルし、4月22日にオープンすることを発表した。

市は同館や野毛山動物園がある野毛山地区全体でまちづくりを進める「のげやまインクルーシブ構想」を掲げており、同館のリニューアルはその第一弾となる。

 計画では、同館1階全体を「のげやま子ども図書館」とし、喫茶店が入っていたレストランフロア部分を「おやこフロア」として改装する。同フロアは約300平方メートルで、未就学児と保護者を対象としている。

AIで絵本探し

 白木の本棚が並び、絵本のほかにおもちゃも置かれ、本を読むだけではなく、休んだり話したりできるようになっており、同構想の理念である「誰もが分け隔てなく、学び、楽しみ、やすらげる」を実践する場となる。AIを活用した絵本推薦システムを導入し、子ども向けの端末では、ロボットと連動して楽しく本を探せるようにする。フロアに設置する自動販売機では、紙おむつや液体ミルクを扱う予定で、「楽しく過ごせる場」を目指す。

 同館の担当者は「『赤ちゃんが声を出すので、図書館に行けない』と思っていた方にも安心して来ていただきたい」と話す。

 「のげやま子ども図書館」全体の完成は2026年度中の予定。「おやこフロア」のオープンと同日に野毛山動物園のふれあいコーナーや屋内休憩棟も新しくなる。

議論する(左から)山中市長、古川政務官、辻教授

大都市制度考えるシンポジウム 山中市長は「特別市」早期法制化訴える

 新たな大都市制度について考えるシンポジウムが3月8日、戸塚区民文化センター「さくらプラザ」で行われた。指定都市市長会の主催で横浜市の共催。

 前半は一橋大学大学院の辻琢也教授が横浜市などが目指す、道府県から権限や財源を得て政令市が独立する「特別市」について解説。後半は辻教授に山中竹春市長と古川直季総務大臣政務官を交えたディスカッションがあった。

 山中市長は県と市の二重行政の例を挙げ、「都市の活力を高められる」と特別市の早期法制化を訴えた。古川氏は「住民への影響があるかという視点で丁寧に議論を積み重ねるべき」と話した。

山中市長(前列中央)と両校の選手ら

高校野球 センバツ出場の横浜と横浜清陵が山中市長訪問

 第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園球場)に出場する横浜高校=金沢区=と横浜清陵高校=南区=の選手や監督らが10日、横浜市役所を訪れ、山中竹春市長を訪問した。

 6年ぶり17回目の選抜出場となる横浜の阿部葉太主将は「全力で最後まで一生懸命戦いたい」と述べ、村田浩明監督は「窓から見える富士山のように日本一を目指す」と勝利を誓った。

 「21世紀枠」で春夏通して初の甲子園出場となる横浜清陵の山本康太主将は「甲子園で勝つという目標へ向けて頑張りたい」と話し、野原慎太郎監督は「今まで通りの野球で横浜市を盛り上げたい」と語った。また、村田監督とは以前から親交があり、「横浜高校と一緒に甲子園に出場できるのは、言葉では表せない思い」と感激した様子だった。

 山中市長は「横浜市民の期待を背負い、大暴れする姿を楽しみにしている」と活躍を願った。

 横浜は大会2日目の第2試合で市立和歌山と、横浜清陵は4日目の第1試合で広島商業とそれぞれ対戦する。

小山正武氏

つま正・小山正武会長が横浜市長選に出馬の意向

 横浜中央卸売市場で野菜卸売業を営む(株)つま正の小山正武会長(76)が、任期満了に伴う今夏の横浜市長選挙に出馬する意向を3月8日に行われた自身のパーティーで発表した。次期市長選への立候補表明は小山氏が初めて。現職の山中竹春市長は同日現在、態度を示していない。

 小山氏はつま正やガトーよこはま・こまつな保育園などを展開するつま正グループを率いるほか、ライオンズクラブ国際協会330-B地区第47代ガバナーや各種団体の会長を歴任している。

 小山氏は「経済人や地域活動の経験・人脈を活かし、377万人都市の先頭に立って横浜を育てていきたい」とし、「横浜市民ファーストで市民の命を守る」として市民債を活用して防災拠点を兼ねた自校方式の給食室を公立小中学校に作ることなどを政策に挙げた。

横浜(上)と横浜清陵の部員ら(ともに1月24日の出場決定時)

センバツ高校野球 横浜は市立和歌山、横浜清陵は広島商業と対戦 組み合わせ決定、3月18日開幕

 横浜市内から横浜高校=金沢区=と県立横浜清陵高校=南区=が出場する「第97回選抜高校野球大会」(3月18日から甲子園球場)の組み合わせが3月7日に決まった。

 6年ぶり17回目の出場となる横浜は、大会2日目の第2試合で市立和歌山と、「21世紀枠」で初出場となる横浜清陵は4日目の第1試合で広島商業とそれぞれ対戦する。広島商業は横浜が優勝した昨年11月の明治神宮野球大会で準優勝している。

 大会が順調に進めば、横浜は19日、横浜清陵は21日に初戦を迎える。

各地の名物が販売される(横浜市提供)

東北・北関東の特産品が勢ぞろい 横浜市庁舎で3月13日・14日

 横浜市と再生可能エネルギーの創出や利用拡大などを目的とした連携協定を締結している東北・北関東の自治体の名産品などを販売する交流物産展が3月13日(木)、14日(金)に横浜市役所1階アトリウムで行われる。

 市は脱炭素社会の実現に向け、これまでに再エネ資源を豊富に有する17市町村と協定を締結。現地で発電された再生可能エネルギーを市内の事業者が購入している。

 昨年に続いて今年も交流物産展を開催し、青森、岩手、秋田、福島、茨城の12市町村が参加。神栖市の野菜、岩手くずまきワインなどの特産品が一堂に会する。

 13日は午後1時から6時、14日は午前10時から午後5時まで。詳細は脱炭素・GREEN×EXPO推進局カーボンニュートラル事業推進課【電話】045・671・2636へ。

展示されている児童の作品

市会議事堂に児童の絵 「未来のまち」などテーマに

 横浜市会は市会議事堂に市内の児童が描いた絵画を3月25日まで展示している。より多くの市民に市会への関心を持ってもらうのが狙い。

 展示されている全55作品を描いたのは、議事堂見学や本会議を傍聴するために来庁した市内の小学生。「大人になった自分」「未来のまち」をテーマに自由な発想で描いている。展示された作品は、5月中旬に始まる第2回市会定例会のポスターにも掲載される予定。

 展示場所は市会議事堂3階受付前。 開庁時間は平日午前8時45分から午後5時15分(土日祝日は休み)。開庁時間外でもガラス越しに見学できる。問い合わせは横浜市会議会局【電話】045-671-3040。

作成したチラシを手にする下水道河川局の職員

「水辺愛護会」をもっと知って 横浜市がチラシ作成

 水辺の清掃活動などを行うボランティア団体「水辺愛護会」の制度を知ってもらおうと、横浜市はチラシを作成し、3月から駅などで配架を始めた。水辺愛護会は現在、市内に99団体あるが、会員の高齢化などで活動継続が難しいという課題を抱えており、市は「まずは制度を知ってもらいたい」としている。

 水辺愛護会制度は市民が水辺とふれあい、親しめるようにと市が1997年に創設。現在は市が維持・管理する水辺施設がない中区、西区、南区の3区を除く15区で99団体が活動。自治会町内会や商店会、学校、企業などに所属するメンバーが河川や水路、せせらぎ緑道などで清掃や除草活動を行う。団体の特色に合わせ、花壇づくりや生き物調査、小学校の学習に協力する団体もある。清掃や除草活動には水辺の規模や回数に応じて市から補助金が交付される。

高齢化・担い手不足課題

 制度を所管する市下水道河川局によると、団体の中には会員が高齢化し、活動の担い手が不足しているところも多いという。新たな会員や団体を発掘しようと、市は制度を知らせるA4判のチラシを作成し、駅などに配架した。また、今年度から水辺愛護会の活動を支援する専門職員を配置。市内公園の約9割に設けられている「公園愛護会」と同様に、愛護会が整備されていない水辺にも活動を広げられるように取り組んでいる。

 同局は「まずは水辺愛護会について知ってもらい、多くの河川に活動が広がれば」と話す。水辺愛護会に関する問い合わせは同局【電話】045・671・4215。

 

 

 

神奈川県 6〜29歳向け掲示板を運用 子ども・若者の声を反映へ、意見募集中

 神奈川県は、子どもや若者の意見を施策に反映させることを目的に、6歳から29歳までを対象にしたオンラインプラットホーム「みらい☆キャンバス」((https://mirai-canvas.liqlid.jp/)を運営している。

 「みらい☆キャンバス」では、掲示板、意見箱、WEBアンケート、オンラインワークショップの4つの手法から、ユーザーが好きな方法を選んで自分の意見を発信することができる。寄せられた意見は「こどもまんなか社会」の実現に向けて様々な施策を考えるための参考にするという。

 ニックネームを登録するだけで簡単に利用できるといい、現在もさまざまなテーマでアンケートや意見募集が実施されている。県は「日頃考えていることや、神奈川県の未来について、自由に意見を発信してほしい」と呼びかけている。