横須賀・三浦版【3月14日(金)号】
ヴェルニー公園に設置されている小栗上野介忠順の胸像

大河ドラマ「逆賊の幕臣」 小栗の功績 広める機に 放送決定に歓迎ムード

 2027年に放送されるNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」が3日に発表され、主人公が横須賀製鉄所(横須賀造船所)の建設に尽力した江戸時代の幕臣、小栗上野介(こうずけのすけ)忠順(ただまさ)(1827-68)に決まった。日本の近代化と横須賀発展の礎を築いた一方で、これまで功績に光が当たる機会は少なく、歴史研究家や観光関係者からは「小栗の偉業を全国に広めるまたとない機会。放送が待ち遠しい」と期待感が広がっている。

 小栗は1860年に日米修好通商条約批准書交換のため使節団として渡米。帰国後は外国奉行や勘定奉行などの要職を歴任し、横須賀製鉄所建設に携わった。27年は生誕200年に当たる。

 軍政の改革やフランス語学校の設立など日本の近代化に大きく貢献したが、大政奉還後に官軍との徹底抗戦を主張。隠居先の上野国権田村(現群馬県倉渕町)でとらえられて処刑され、明治新政府の成立後は「逆賊」のレッテルを貼られた。

 小栗が発案し、フランス人技師のヴェルニーが実現した横須賀製鉄所は日本初の近代艦船造船所として知られ、横須賀が軍港都市として発展していく上で重要な役割を果たした。小栗にスポットが当たることについて、横須賀開国史研究会会長で郷土史家の山本詔一さん(75)は「ようやくという思い。これまで正当な評価がなされていなかったが、横須賀の郷土史を語る上でも欠かせない人物」と評価。本紙で「OGURIをあるく」を連載する藤野浩章さんも「日本の工業の発展は横須賀から始まったと言っても過言ではなく、(放送を通じて)この事実を全国の人に知ってほしい」と期待した。

 22年には北条義時を主人公とする「鎌倉殿の13人」が放送され、翌年1月まで鶴岡八幡宮境内に開館していた大河ドラマ館には期間中で30万人を超える入場者があった。小栗にひもづく観光キャンペーンなども今後具体化するとみられ、観光活性化や誘客促進への期待感も高まる。上地克明市長は5日、「この度の放送を大きな契機と捉え、小栗公の功績を多くの方々に知っていただくためにさまざまな事業を企画していきたい」とのコメントを出した。

三崎地区に立地する三浦市役所

三浦市 三崎地区に常設出張所 反発受け市長方針転換

 2026年11月に予定されている三浦市役所の移転を巡り、吉田英男市長は3日、現在市役所が立地する三崎地区に常設の市役所出張所を設置する考えを明らかにした。これまでは移動式の出張所を設ける方針だったが、高齢化が進む三崎地区で常設型を望む声が強く、方針を転換した形。設置場所などは市民の利便性やコスト面を加味しながら今後検討していくとしている。



 同日の市議会本会議で神田眞弓市議(自民)の一般質問に答えた。

 市内の出張所は、初声市民センターと昨年6月に完成した南下浦市民センターに設置。市役所移転後、三崎地区を合わせた市内4カ所で常設の行政事務を行うことについて、吉田市長は財政面や効率化の観点から否定的な立場だった。

 これに対し、三崎地区の住民からは「南下浦と初声地区には出張所があるのに不公平」と反発。市内3地区で最も高齢化が進んでいることもあり、「住民にとって切実な問題」として昨年8月に市民団体が4781筆の署名を添えて常設型の設置を求める要望書を提出していた。

 こうした経緯を念頭に、吉田市長は「三崎地区を中心とした市民の皆様の要望が非常に強いことを踏まえ、改めて常設型での設置を検討する」と表明。設置場所は現在の公共施設の利用を基本とし、市民の利便性やコスト面を検討しながら決定する考えを示した。

 出張所設置は、これまで市議会でも議論が交わされており、6月の市長選でも争点の1つになるとみられていた。

横須賀の歴史検証などをテーマに活動する「毛利塾」を主宰する 毛利 邦彦さん 横須賀市汐入町在住 77歳

「技術史」で育む郷土愛

 ○…「日本の近代化は横須賀から」。幕末に建設された横須賀製鉄所をはじめ、近代日本の工業化の礎となった横須賀を技術史の観点から掘り下げた調査・研究を精力的に行っている。先ごろ市内で開催した歴史パネル展では、終戦直後に米軍が夏島の航空技術廠(しょう)で撮影したとされる映像に残る巨大な風洞について情報提供を呼び掛け、多くの市民の関心を呼んだ。

 ○…汐入の開業医のもとに生まれ、大学卒業まで同地で暮らした。現在は歴史家としてのイメージが先行するが、電力関連のエンジニアと大学の客員教授という経歴を持つ。会社員時代にはオーストリアの火力発電技術の改良に中心となって取り組み、稼働で発生する酸性雨の原因物質を取り除くことに成功した。定年後に横須賀に戻り、技術の担い手が育った故郷の魅力を発信すべく現在の活動を開始した。

 ○…戦中の横須賀で特攻機「桜花」を設計した三木忠直が戦後、罪責の念に駆られ「技術の平和利用」に転じ0系新幹線を開発したエピソードに強い感銘を受ける。戦前に軍事産業で発展した背景から、その歴史を覆ってしまう向きもある中、「横須賀で培った技術が戦後の発展を支えたことを未来ある子どもたちに知ってほしい」と技術史から郷土愛を育む教育を提言する。

 ○…「横須賀の近代技術」に特化した調査・研究が少ない中、昨年は国の重要文化財である幕末のスチームハンマーがオランダ製ではなく英国製であることを発表し、従来の説を覆した。近年、横須賀製鉄所を建設したヴェルニーの子孫が横須賀に関連した著書を発刊したことを受け、同書を日本人向けに再編集する試みに意欲を見せる。後世へ地元の魅力を伝えていくため、研究の手は止めない。

取り組みに賛同して参加した三浦学苑の生徒。たばこの吸い殻などを拾い集めた

街の美化 奉仕の心で ロータリーが一斉清掃

 奉仕団体のロータリークラブ(国際ロータリー第2780地区)は9日、ヴェルニー公園から観音崎まで約10Kmの海岸路「1万メートルプロムナード」の一斉清掃を行った。

 横須賀エリアで活動する同クラブの会員と若い世代のローターアクトに加え、大学生や高校生、ボーイスカウトメンバー総勢540人が協力して街の美化に取り組み、散策しながらたばこの吸い殻やペットボトル容器などのゴミを拾い集めた。異世代間交流の場にもなっており、参加者はつながりを深めた。

 閉会式で横須賀ロータリークラブの高橋隆一会長は「自分たちのまちをキレイにする気持ちと奉仕の心を大切に」と呼びかけた。

三浦海岸クリーン作戦

 三浦市では三浦ロータリークラブのメンバーが三浦海岸のビーチクリーンを行った=左下写真。同クラブの呼び掛けで集まった地元の小中学生らと一緒に活動。マイクロプラスチックが海の生態系に与える影響を伝えるミニ講義もあった。このほかに三浦商工会議所青年部のメンバーが、重機を使って砂浜に埋まっているゴミを掘り起こす作業に汗を流した。

ショーに出演する大和晴彦選手(横須賀市提供)

うみかぜ公園で16日BMX大会 トップ選手の大技も

 五輪競技種目でアーバンスポーツとして注目を集める自転車競技・BMXのローカル大会(ジャム)が3月16日(日)、横須賀市平成町のうみかぜ公園BMXパークで開かれる。横須賀市の主催。若手選手やジュニアライダーが自慢の技で観客を沸かす。

 「音楽・スポーツ・エンターテイメント」を基軸としたまちづくりを掲げる市は2022年度を「アーバンスポーツ元年」と位置づけ、全国大会の誘致や選手による学校訪問などを積極展開してきた。24年度は新たな取り組みとしてスクール事業を実施。当日はスクール参加者が練習の成果を披露する「うみかぜBMXパークスクールジャム」(午前10時〜午後12時30分)と、一般参加者が技を競う「うみかぜパークジャム」(午後1時30分〜)を実施。同市出身のBMXライダー・大和晴彦選手らが参加するショー(12時40分〜1時)も予定されている。

 またダンスやパルクールなどさまざまなスポーツが体験できる「パークスポーツフェスタ」も同日開催。キッチンカーの出店も。詳細はタウンニュースウェブタイアップ記事へ。

※天候不良により、「うみかぜBMXパークスクールジャム」と「うみかぜパークジャム」及びBMXショーは3月23日(日)に延期、「パークスポーツフェスタ」は中止。
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自転車で空を舞うアーバンスポーツ「BMX」を観に行こう!うみかぜ公園(横須賀市平成町)でジャム(大会)とショー
自転車で空を舞うアーバンスポーツ「BMX」を観に行こう!うみかぜ公園(横須賀市平成町)でジャム(大会)とショー
五輪競技種目でアーバンスポーツとして注目を集める自転車競技・BMXの若手やジュニアライダーが自慢の技で観客を沸かす「うみかぜパークジャム」と横須賀市主催のスクー... (続きを読む)
昨年実施の様子

すかGOMI 「拾った量」で競い合う 5月開催 出場者募集

 横須賀市内の美化活動に取り組む市民公益活動団体「クリーンよこすか市民の会」は5月10日(土)、スポーツ感覚でゴミ拾いを楽しむイベント「すかGOMI」を実施する。ごみ拾いに競技性を持たせ、楽しみながら環境美化への意識啓発を図るもので、昨年は20チーム81人が参加した。今年も、3〜5人のチームを編成して制限時間内に指定エリア内のごみを拾い集め、回収量をポイント化して競う。

 会場は市役所前公園で時間は午前9時20分から正午。募集は20チームで、横須賀市内在住・在勤・通学者が対象。事前申込制で、e-kanagawaから応募する。3月23日(日)締切。競技ルールなど詳細は「すかGOMI」で検索。
実行委員会の3人(中央が遠谷さん)

ゴスペルフェス パワフルな歌声 三崎に響け 関東各地から8団体が参加

 「三浦ゴスペルフェスティバル」と銘打った音楽ライブが4月12日(土)、うらり2階の三浦市民ホールで開かれる。

 第1回となった昨年、都内や横浜など市内外からゴスペルサークルが参加し、荘厳な歌声と軽快なリズムで来場者を楽しませていた。今年は関東を拠点に活動する8団体が集い、三崎にパワフルな歌声を響かせる。

 フェスは、諸磯出身のゴスペルシンガーである長谷川繁さんと今回のイベントにも参加予定の「三崎ゴスペルサークル」に所属する花岡静夫さん、シンガーとして活動する遠谷政史さんを中心に実行委員会を立ち上げ、開催にこぎつけた。

 実行委員長の遠谷さんは幼少期から、母のかつての疎開先であった三浦へたびたび足を運んでおり、思い入れがあったという。そんな折、ゴスペルを通して長谷川さんと出会い、イベントの構想を始めた。「大好きな三浦を音楽で活気づけたい。ゴスペルに馴染みがない人も気軽に立ち寄ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。

 今年は、三浦出身のお笑い芸人、島山ノブヨシさんが総合司会を務め会場を盛り立てるほか、市内の飲食店紹介なども行う。ホール内には市内中学校の吹奏楽部の楽器維持費に充ててもらう募金箱も設置する。

 午後12時45分開場。観覧無料。詳細は「三浦ゴスペルフェスティバル」で検索。

訪れた人の「三浦半島の思い出」を作品化して壁一面に張り出している

公開制作草山歩作品展 誰かの大切な記憶 イラスト化

 横須賀市の上町商店街にある私設ギャラリー「ヨコスカアートセンター」では、アーティストの草山歩さんによる個展「5分だけでもいい」が開かれている。3月23日(日)まで。

 草山さんは「イラスト×地域活性化」をテーマに活動するイラストレーター。本業は神奈川新聞社の記者で、取材を通して地域が内包する文脈を読み取り、作品に落とし込んでいく独自のスタイルを築いている。ポップなデザインを得意としており、2022年にはよこすか海岸通りの大型壁画に『スカジェニポップ』と題した作品を手掛けている。

 今回の展示では訪れた人から「三浦半島の大切な思い出」をヒアリングし、草山さんの心に浮かんだイメージを出力する公開制作に挑んでいる。浮き輪をつけたまま電車で汐入駅から馬堀海岸に向かう道中のワクワクした幼少期の記憶を作品化したものなどが飾られている。

 ギャラリー内に机や本棚、書籍を持ち込んで自室を再現するパフォーマンスもユニーク。思考と嗜好の内面を詳らかにしている。午前10時30分から午後6時30分。月曜・木曜休廊。

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松尾市長(右)と協定書を交わす小林副理事

三浦半島工事業協会 災害時、庁舎を応急措置 鎌倉市と協定締結

 (一社)三浦半島建物改修工事業協会(横須賀市森崎・岡田成煥代表理事)は10日、大規模地震や風水害で公共施設が被害を受けた場合に応急処置や復旧改修を行う協定を鎌倉市と締結した。

 同会は建設業や修繕業を営む20社が構成。対象は鎌倉市役所と市内4カ所の行政センターで、市の要請に応じて人員や重機などを派遣する。工事費用は市が負担する。これまで横須賀、三浦、逗子市、葉山町とも同様の協定を締結しており、三浦半島の4市1町との協定が完了した。

 締結式で、松尾崇市長は「本庁舎や支所は整備から50年以上が経過しており、大規模災害時の業務継続が課題だった。支援は大変心強い」と謝辞を述べた。副理事を務める小林達三さん((株)K2・横須賀市)は「災害出動がないに越したことはないが、仕事を通じて少しでも地域の力になりたい」と抱負を語った。

横須賀市のケアマネ 10年後、需要50人増 事業者団体が意識調査

 団塊の世代が75歳以上になり、医療・介護の需要過多が懸念される「2025年問題」。横須賀市も例外ではなく、市の資料によると、23年時点で約2・5万人いた市内の要介護・要支援認定者数は今後増え続け、10年後の2035年に約3万人に達しピークを迎えるとしている。

 横須賀市居宅介護支援事業所連絡協議会はそうした状況を踏まえ、ケアマネジャーを対象とした意識調査を昨年実施した。2月14日にはケアマネジャーの持続可能性や今後のあり方を問うシンポジウムをオンラインで開催。市内外で働くケアマネジャーや介護事業所関係者、医療関係者など約200人が参加した。

 調査では、ケアマネ1人あたりの担当者数を35人と仮定し、35年には全市で446人が必要になると試算。現在の398人を維持しつつ、さらに48人を新たに確保しなければならない現状があることを訴えている。

5年毎の資格更新 5万円自己負担も

 業務の負担について3つ選択する質問では、主に「事務業務の煩雑さ」(53・9%)「資格更新制度」(43・5%)「シャドーワーク(報酬の伴わない業務)」(31・3%)などが挙げられた。

 書類のペーパーレス化などによる事務業務の簡略化を求める意見のほか、5年ごとに資格の更新が必要な現在の制度に対する負担もアンケートから明らかになった。神奈川県では、主任ケアマネジャーの資格取得には研修などで5年と約20万円の費用が、更新には5万円がかかる。個人資格のため、費用は自己負担となる事業所が多く、従事者にとっては大きなコストになっているという声もあった。

 身寄りのない人の受診付き添いや救急車の同乗、金銭管理など、報酬の発生しない業務外の対応が本来の業務を妨げていることも、負担として挙げられた。

供給不足に危惧

 シンポジウムでは資格のあり方など国の制度づくりに疑問を投げかける声が多く聞かれたほか、現場の負担が膨らむことでケアマネ人材が減り、「サービスが提供しきれなくなるのではないか」という危機感もあらわになった。AIを活用した業務効率化や、制度改革を促すロビー活動などの重要性も共有された。

 シンポジウムを終え、同協議会会長の玉井秀直さんは「より良い10年後を作るため、利用者に現状について関心を寄せてほしい」と呼び掛けた。

寄付品を持つ上地市長(右)と竹原工場長

日産追浜工場 地域の交通安全願う 横須賀市に教材など寄付

 日産自動車(株)追浜工場(竹原永郎(としお)工場長)は3月3日、横須賀市に交通安全教育用DVDとプレーヤーを寄付し、上地克明市長から感謝状が贈呈された。同社が全国で毎年実施している交通安全活動「ハローセーフティーキャンペーン」の一環。社員からの寄付をもとに啓発グッズを自治体に届けており、同市は今回で32回目となった。

 これと合わせて、同社が協賛するアマチュア作家による「日産童話と絵本のグランプリ」の大賞作品も寄贈した。今回は、童話「今日にかぎって」(樺島ざくろ作)と絵本「さんにんだけのないしょのはなし」(スージィ作)の2作品、各118冊。市内の保育園や幼稚園などに届けられる。

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三浦・横須賀商議所 講談で経営講座 江戸の豪商河村瑞賢に学ぶ

 江戸時代の初期の豪商である河村瑞賢(ずいけん)の経営手法を講談で伝える講座が3月24日(月)、三浦商工会議所と横須賀商工会議所の主催で開かれる。講談師の神田春陽さん=写真=が講師を務める。

 河村は伊勢の貧農から身を起こし、土木業と材木販売で巨額の富を築いた大商人。幕府や諸大名からの依頼で多くの公共事業にも携わったことでも知られる。一代で財を築いた河村のエピソードから経営のヒントとなる視点や考え方を学ぶ。小網代出身の神田ようかんが前講を務める。

 会場は三浦市三崎の三浦商工会議所4階会議室。午後3時開演で定員80人。申し込みは【メール】miuraccikosyukai@gmail.com

華麗なシュートご覧あれ 三浦でラクロス全国大会

 「全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会」が3月28日(金)から30日(日)まで、初声町下宮田の潮風スポーツ公園(指定管理者・スポーツプラザ報徳)で開かれる。

 2009年から全国中学校高等学校女子ラクロス連盟の主催で始まった大会。22年から市内を会場に行われ、今年で16回目を数える(20・21年は新型コロナウイルスの影響で中止)。東日本1位から5位、西日本1位から3位の強豪8校が集結し、熱戦が繰り広げられる。

 初戦は28日の午前10時から。決勝戦は最終日の午後2時頃からを予定している。

 国内の公共施設では珍しい競技仕様のグラウンドを有す同施設。女子日本代表チームの練習拠点となっているなど「聖地化」が進む。現在はジュニア向け教室を開催し、次世代の選手育成にも力を入れている。

ベイ2軍公式戦生中継 ジェイコムが通年放送

 ジェイコム湘南・神奈川は、2025年度に開催される横浜DeNAベイスターズファーム公式戦を生中継する。横須賀スタジアムほかで開催されるホームゲーム71試合のうち、15試合以上を予定している。

 昨シーズンは地元チームの応援ムードを高める狙いで2試合放送。1軍・2軍がダブルで日本一になったこともあり、ファンの声に応える形で放送拡大に踏み切った。

 初戦は3月15日(土)の対東京ヤクルトスワローズ戦で午後12時55分放送開始。ベイスターズ公式グッズが当たるプレゼント企画も実施する。

ものまね紅白 軍配どっち 芸人VSヒーローのコラボ

 三浦半島のご当地エンタメ対決だ──。

 芸人集団「0468スタイル」と音楽戦士「コントラバスヒーロー」によるコラボステージ=写真=が3月23日(日)、三浦市三崎の「うらり」2階三浦市民ホールで催される。

 第1部のお笑いライブでは、三浦市諸磯出身の島山ノブヨシさんのコンビ「ノブとカカズ」、白石町出身の石渡晶久さんほかが登場。三崎に笑いの渦を巻き起こす。第2部ではコントラバスヒーローとの共演でものまね紅白歌合戦を届ける。

 午後2時開演。チケットは全席自由で大人1000円(1200円)、高校生以下500円(600円)※カッコ内は当日料金。購入はうらり1階管理事務所【電話】046・881・6721。

いきいきシニア「元気の源」は 尾上町シニアクラブ 真鍋よし子さん(76)/ 三浦市尾上町在住

「好き」に没頭 貝殻アート

 そこはまるで小さな美術館。ユニークな表情を浮かべるカエルの置き物やウインドチャイム、本物そっくりの生け花が自宅の一室にずらりと並ぶ。貝殻を使った手芸を始めて約20年。尾上町シニアクラブでは特技を生かした季節ごとの行事や講師役も務めてきた、地元同世代のけん引役だ。

 三浦市社会福祉協議会を定年退職後はケアマネジャーの資格を取得し、介護支援に携わった。

 きっかけは社協時代、重度障害者が貝殻で花を作るワークショップを見て。元々の手先の器用さに生け花の心得もあり、興味を惹かれた。見よう見まねで初めて作ったのは花のブローチ。好きと感じたものは何でも手を出す質だが、これはとりわけ「病みつきになっちゃった」。

 素材の貝殻は全て三浦海岸で拾い集めたもの。現役時代は仕事帰りに三浦海岸に通い、日暮れまで素材探しに没頭した。

 二枚貝に巻貝、ツノのような貝。名前は分からないが、眺めていると不思議とさまざまな形に見えてくる。開いた二枚貝を口に見立て、目をつけると満面の笑みを浮かべるカエルに。色がついた貝殻は帽子や前掛けをつければ愛らしさ満点の作品の完成だ。

 作品はことあるごとに友人や知人に譲り、これでもずいぶん少なくなった。息子が経営する接骨院の患者さんが入院すると聞いたときには「無事に自宅に”カエル”ように」と手渡すと大層喜ばれた。心を込めた作品が人に喜ばれるのも、長年制作を続けるモチベーションだ。

 夫の介護もあり、現在創作は休止中だが、頭の中にはアイデアが詰まっている。「時間にゆとりができたら有志を集めた教室や作品展もできたら」と構想を巡らす。好きを追求し、形にすることが元気の源。これまでも、これからも。

港音楽祭 吹奏楽部の活動費に 売上金を市教委へ寄付

 三浦市立中学校吹奏楽部の楽器購入支援とプロ音楽家との共演による生徒の文化的意識向上を目的としたチャリティーコンサート「港音楽祭」が2月8日に開かれた。同27日には、ソプラノサックスプレーヤーで諸磯在住の朝本千可さんらを中心とする実行委員が三浦市教育委員会を訪れ、売上金の一部を寄付した=写真。市内3校の楽器の修理費や活動費に充てられる予定だという。

 第5弾となった今年は三崎中16人、南下浦中18人、初声中9人の3校合同とプロミュージシャンらが共演。約250人の観客を前にビートルズの「Hey Jude」を演奏し、会場は盛り上がりを見せた。朝本さんは「自分たちの音楽をたくさんの人に聞いてもらう感覚や機会はとても貴重。今後も継続的に企画できたら」と話している。

余った食料寄付支援に役立てて カーブス三浦海岸駅前店

 女性専用フィットネスクラブ「カーブス三浦海岸駅前店」(三浦市上宮田)が2月27日、クラブの会員から寄せられた食料品を三浦市社会福祉協議会へ寄付した。

 カーブスジャパン(東京都港区)が全国約2千店の加盟店の会員に働きかけるフードドライブ活動の一環。同店でもフードロス対策や食料支援を目的に毎年1月15日から1カ月間、自宅で余った食料品の寄付を募っている。7回目の今回はレトルト食品や缶詰、菓子、飲料、調味料など約83・4kgが集まった。

 寄付された食料品は同社協に相談があった生活困窮者らに随時配布される。同店の久松真美マネジャーは「物価が高騰する中、多くの協力を寄せていただいた。必要な人に届けてもらい、地域の役に立ててもらえたら」と思いを託した。

イチロクカンファレンス 挑戦者の声を聞く 4人の仕掛人が発表

 横須賀中央のシェアオフィス「16 Startups」(小川町19の5富士ビル3階)は3月17日(月)、新しいことに挑戦している仕掛人によるピッチイベント「イチロクカンファレンス」を開催する。ビジネスを通じて社会課題の解決に取り組む起業家や文化芸術の担い手などを迎える。登壇者は以下の4人。

 小学校高学年に特化した学童保育と不登校児童・生徒の居場所づくりを行っているNPO法人むすびぃとの池井将さん/三浦半島の地域資源を活用した宿泊プログラムの開発に挑む赤川真里さんと逢坂万里子さん/三浦半島のご当地ヒーロー「コントラバスヒーロー」の企画・主演・総合演出を手掛ける地代所プロダクションの地代所悠さん/2026年2月に実施する文化の祭典「よこすかフェス」の準備を進めている同実行委員長の横田和弘さん。

 午後7時から9時。参加無料。申し込みは「イチロク・スタートアップス」のHP(https://16startups.com/)からエントリーする。

横浜製鉄所跡(横浜市中区)

OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第38回 横浜編【5】文・写真 藤野浩章

「不治(ふじ)の病に臥(ふ)した患者を見離さず、敵(かな)わぬまでも薬を投与したり手術を試みる医師のようなものかもしれぬ」(第五章)



 ついに建設が決まった造船所。小栗にとって大きな節目を迎えた最良の日となった。

 しかし1点、曇りがあるとすれば、それは勝海舟の存在だろう。勝はこの時、専横と反幕府の行いが疑われて軍艦奉行を罷免され小栗がその後に座ったが、本来「二人三脚」で海軍力強化に取り組みたいところ。しかし勝は"イギリス派"と言われていただけに、今後の対立が目に見えていた。

 冒頭の小栗のセリフは、あくまで現体制の中で最大限の努力をするという意思の表れ。しかし勝は幕臣ながら、幕府の枠組みすら乗り越えようとしている。このすれ違いが2人の間に大きな溝を作っていくのだ。その根源は出身の違いではないか?と本書は推測しているが、これは後述しよう。とにもかくにも、揺れ動く2人の心の内を読むと何とももどかしい。

 さて建設は決まったものの、巨大事業にはいくつかの段階が必要で、まず必要なのは、造船に必要な部品などを製造する"小造船所"だった。

 JR石川町駅のすぐそば、商業施設の前の植え込みに「横浜製鉄所跡」の説明板がある。工場は太田川沿い、現在の中華街近くに存在し、半年あまりの突貫工事で建設された。しかもたまたま、佐賀藩が造船所を造ろうと大量の工作機械を輸入していたが、計画が頓挫して幕府に預けられていた。それらを活かし、後に横須賀製鉄所を陰で支えることになる。

 あとは肝心な"大造船所"をどこにするか、だった。