港北区版【4月3日(木)号】
出演したミユキさん(上=同センター提供)、県内の赤血球製剤供給量の推移

輸血用血液製剤 県内供給量が過去最多に 赤十字血液センター発表

 神奈川県赤十字血液センター(大豆戸町)はこのほど、県内における2024年度の輸血用血液製剤の供給量が過去最高になる見通しだと発表した。医療機関からの需要は急増しているが、県内だけでは必要な献血者数を確保できていない状況だ。同センターでは、輸血経験者が出演する動画を公開するなど、献血の普及、啓発を図っている。

 同センターによると、特に赤血球製剤の供給量が増えており、2010年度は38万747単位だったが23年度は43万1047単位になり、14年間で13%増(1単位=200ミリリットル)。24年度の見込みは43万7497単位になる(24年4月から25年2月までは実績、3月は計画数で算出)。

 供給量増加の背景には、高齢化やコロナ禍以降の手術件数の増加、在宅医療での使用料増加など複数の要因が重なっている。輸血は、年齢と共に罹患率が高くなるがん等の病気やけがの治療のために行われる。

 血液中のすべての成分を献血する「全血献血」の献血者数は、24年度4月から1月までの前年度比で4613人多く、過去最高を記録。しかし、県内の全血献血だけでは対応が困難で、関東甲信越ブロック内で調整して供給している。

若年層の献血者減少

 少子高齢化により、全国的に献血可能人口が減少している。10代から30代の協力者数はこの約10年間で33%減。同センターでは、今後さらに少子高齢化が進むと将来の安定供給に支障をきたすと危惧しており、若い世代への普及、啓発が重要な課題としている。

動画で普及、啓発

 同センターは献血が誰かの命につながっていることを伝えるために、動画「LIFE GOES ON#5献血がくれた『たからもの』」を公開している。出演したのは、輸血経験のあるミユキさん(40代)。動画では自身の経験などを語っている。ミユキさんは30歳の時、倦怠感や脱力感で最寄りのバス停から自宅まで歩けなくなった。肝臓の機能が低下し、意識障害などの症状が現れる「劇症肝炎」と診断され、医師から「明日の命もわからない」と告げられたが、48人分の輸血で救われた。その後、出産を経験し元気に生活している。動画に出演し「献血は、あなたの大切な人を助けられるかもしれません。元気を分け合い、優しさが広がる世界であってほしい」と期待を寄せた。

相談員が書類作成などを補助

横浜市 「お悔やみ窓口」全区設置へ 秋から、遺族の手続き補助

 亡くなった人の区役所での手続きについて、横浜市は遺族の負担軽減を目的に、申請書作成の補助や案内などを行う専用窓口「お悔やみ窓口」を今年秋に全区設置することを決めた。現在、設置に向けて場所等の調整を行っているほか、4月から必要な手続きを1冊にまとめたハンドブックの配布も始めた。

 亡くなった人の区役所での手続きは、戸籍課での世帯主変更申請や保険年金課の介護保険の資格喪失など、個々のケースで異なり多岐にわたる。

 同窓口では、利用予約時の情報から必要な手続きを区役所側で調べて申請書を用意。窓口では書類作成を補助するほか、申請書提出の各課の窓口を案内する。

 同窓口は大分県別府市が先駆的に導入。国が2020年にガイドラインを作成したこともあり、全国で設置が進む。20ある政令指定都市では10市以上で実施。相模原市は昨年7月に、川崎市では同10月に設置した。

 横浜市では、昨年1月からモデル実施として鶴見区と瀬谷区で窓口を設置。平日1日4組の予約枠で試行してきた。

 この1年間での試行でそれぞれの区の死亡者数に対する利用率は鶴見区が11%、瀬谷区が20%。市の担当者は「利用率が低いとの指摘もあるが、一方で予約枠は5割程度で稼働している。必要な手続きをまとめたハンドブックを見てご自身で手続きする方も多かった」と分析する。また、利用者のアンケートでは「利用して良かった」と回答した人の割合が98%以上と高く、「求められているのは確か。全区実施にあたり周知にも力を入れたい」とする。

 横浜市会で3年前から窓口の設置を呼びかけてきたある市議は「遺族の負担軽減のためにもっと早く設置すべきだった。利用率の課題はあるが、利用者の満足度は高い。安心して相談できる場として、各区役所での設置場所など今後を見守っていきたい」と話す。

 市は全区での窓口設置に向けた場所等の調整を進めているほか、モデル実施でも好評だった「お悔やみハンドブック」の各区での配布を4月から始めた。

食堂や弁当販売に参加したメンバー

NPO法人ロクマル 食を通し、地域に活力 60代以上の居場所提供 

 「人生100年時代」といわれる現代。都筑区の「NPO法人ロクマル」(有澤厚子理事長)は、食を通した活動や関連するセミナー・講座などの開催で、60代以上の高齢者が地域社会と交わり、元気に過ごせるための場を提供。地域の活性化につなげる活動を続けている。

シニアでもない高齢者でもない

 「ロクマル」は2011年、事務所が入るビル2階の厨房付きコミュニティースペース「みんなのキッチン」を使い、食を通した地域交流をきっかけに活動を開始した。

 理事長の有澤さんは、元々雑誌社で働いた経験を持ち、1999年に地域コミュニティー紙を創刊。地元の主婦から企業の社長まで、さまざまな人々を取材する中、注目したのが、地域で活躍する、特に60歳前後の女性の「働き方」だった。「経済的な理由で働く人がいる一方、女性は子育てや介護などで働く機会が少なかった人もおり、自分らしさや生きがいなど、若い頃には『したくてもできなかった』働き方を追い求める人たちがいる。そうした女性たちの働き方を支援できないか」と思案。「食べて・語って・仕事が生まれる」をコンセプトに「食」を通じた地域のつながりを生む場として、60代の調理チームを結成。これが「ロクマル」へと発展していく。

 有澤さんは「60代は子育ても終わり、会社や家計のために働くことから解放される『人生最高の時期』」と定義。高齢者でも、シニアでもないことを表現するため、数字の60を「ロクマル」と読み、自分の力を生かし柔軟に働く60代を「ロクマル」、50代を「プレロクマル」とネーミングした。

得意を生かし作る活躍の場

 コロナ禍を経た現在の主な活動は、「みんなのキッチン」での食堂運営と弁当販売(毎週水曜、4月から弁当販売は毎週木曜)のほか「IT」「健康」「世代間交流」「居場所づくり」など「ロクマル世代」と一緒に喋りたい、知って欲しい、といったテーマでの講座やセミナーなどの開催。地域活動への参画につなげるための場を提供し、60代以上が地域社会と交わり、活躍し、心豊かな人生を送ることを応援している。

 「みんなのキッチン」では、毎月1回(第2土曜)、定年後の男性がパン作りを学び、販売する「パンじいちゃんのパン食堂」を実施。食堂の開店日に合わせて行う「健幸体操」教室やコロナ禍を機に一人暮らしの高齢者などに一言添えて弁当を届ける「お手紙弁当」なども人気の活動だ。

 セミナーや講座では東京大学名誉教授で、『おひとりさまの老後』の著者としても知られる上野千鶴子さんや「高齢社会をよくする女性の会」理事長の樋口恵子さん、世界最高齢のプログラマーとして知られる若宮正子さんなどが講師として登壇している。

多様化する活動70、80、90も

 コロナ禍がきっかけで始まった「お手紙弁当」は、「手書き」の良さを見直し、「古くて新しいコミュニケーション」として新たに手紙書き講座や交流会にまで発展している。また昨年、自転車で横転。骨折し、杖をつく生活を強いられた有澤さんは、「今後は杖をつく人が増えるかも」と「杖の輪談義」 を開催。好評で4月23日(水)には、第2弾を開催。当日は杖アドバイザーによる杖の選び方指導も行われる。

 時代と共に活動も多様化。「今のロクマルは元気。70(ナナマル)、80(ハチマル)、90(キュウマル)になっても元気でいるために、今からできる準備を」と有澤さんは笑った。

 ロクマルの活動について知りたい、参加したい人のために4月12日(土)午後1時30分から「みんなのキッチン」(エルドラード横浜2階)で活動説明会が行われる。

 問合せはロクマル事務局【電話】045・944・1714、メールminna@dassama.com

▲厚生労働省発表データより作成

健康寿命の延伸めざす 「体力年齢」知りロコモ対策

 日本人の平均寿命は延びているが、健康寿命との差は「不健康な期間」を意味するとされ、この期間を短縮するには、運動器の障害により歩行などの移動機能の低下をきたす状態「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」への対策が重要だ。横浜市スポーツ医科学センター(港北区小机町)のスポーツ版人間ドック(SPS)では、ロコモに関する体力要素を測定し、専門家がアドバイスを行うことで、健康寿命の延伸に取り組んでいる。

要介護・要支援の原因は

 2022年の統計で、日本人の平均寿命は男性81・05年、女性87・09年である。一方、健康寿命は男性72・57年、女性75

・45年であり、日常生活に制限のある「不健康な期間」が生じている=左図。この期間を短縮するには、早い時期から疾病・介護予防に取り組むことが大切である。

 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、要支援になった原因の上位にあがるのが、骨、関節、筋肉といった運動器の障害。日本整形外科学会は、運動器の障害により歩行などの移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」として提唱している。

 ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高まる。要支援、要介護になる原因のトップは、転倒、骨折や関節の病気などの運動器の故障であることはあまり知られていない。

ロコモ度を測定

 便利な移動手段の多い現代社会では、日常生活に支障がないと思っていても、ロコモになったり、すでに進行していたりする場合もある。また、高血圧など生活習慣病のある人は、比較的若い頃からロコモの原因となる病気にかかりやすいこともわかっている。自身の状態は、ロコモ度を測ることで簡単に判定することが可能。すでにロコモの場合も、それ以上進行させないことが重要だ。

専門家からアドバイス

 横浜市スポーツ医科学センターのスポーツ版人間ドック(SPS)では、ロコモに関する体力要素である、歩行速度、脚筋力、バランス能力、柔軟性、骨量、体組成などの測定を実施し、利用者の体力年齢を測定する。判定後は、医師、管理栄養士、スポーツ科学員などの専門スタッフが、スポーツ医科学に基づいたアドバイスを行う。

 検査内容は、血液検査・尿検査・血圧/脈拍・胸部レントゲン・安静心電図・運動負荷心電図・骨量・内科診察・食事調査・身長/体重・体脂肪率・全身反応時間・片脚立ちバランス・脚筋力・脚伸展パワー・長座体前屈・握力・最大歩行速度・運動問診と多岐にわたるが、検査・測定から結果返却まで1日で終わるのが特徴。一人ひとりの結果に応じて、運動や食事を含む生活習慣の改善に向けた具体的な個別アドバイスを実施する。

 同センターのスポーツ科学員、吉久武志さんは「スポーツや運動をしている人の利用も多いですが、逆にほとんど運動習慣がない人もいます。また働く世代もコロナ以降の在宅ワークなどで出勤の機会が減り、運動量が減っている方もいます。身体機能の低下で将来寝たきりにならないためにも、体力年齢を気にしてほしいですね」と話す。同センターには、各種運動・スポーツ教室やプール、トレーニングルーム、医師の診断に応じた運動療法を行う「メディカルエクササイズコース(MEC)」が設置されており、結果を受けたアフターフォローも可能としている。

 SPSの料金は、横浜市民は1万5000円、65歳以上(横浜市民)の高齢者は半額の7500円になる(保険適用外)。予約・問合せは、同センター【電話】045・477・5050へ。

「菊名の居場所あったか」が運営する駄菓子屋の責任者を務める 秋山 和江さん 錦が丘在住 77歳

「あったかい」居場所づくり

 ○…ギャラリー&スペース弥平で毎週水曜に開いている「駄菓子屋さん」。「子どもたちが安心できる居場所を作ろう」と、2019年に菊名みんなのひろばで始まり、22年4月に現在の場所に拠点を移した。多い時には120人の子どもが遊びに来る。駄菓子を購入して食べたり工作したりする姿に、「のびのびしている様子を見ると嬉しくなる」と温かい眼差しを送る。

 ○…きっかけの一つとなったのは、菊名コミュニティハウスでの出来事。交流コーナーで4年生男子児童がゲームで遊んでいると、新聞を読んでいた男性が「うるさい」と首元を締め上げたことがあった。子どもが安心して遊べる環境を整えるため、「駄菓子なら10円や20円でも買うことができる」と「駄菓子屋さん」を開いた。ボランティア18人で運営しており、「駄菓子屋だけでなく、それぞれ他の活動をしている人が集まっている。良い人ばかりで、仲間に恵まれた」と話す。

 ○…東京都杉並区出身。都立の肢体不自由児施設で保母(保育士)として勤務した。3歳児から入所できる施設で、「いろんな子どもと出会った。母親がそばにいないのに汗だくになりながら歩行訓練する姿などを見て、私も頑張らなきゃって」。結婚を機に菊名へ来てからも、「ダメだったらダメで、まずは挑戦。元気なうちにできることをやりたい」とさまざまな活動に参加している。

 ○…高齢者などの外出支援を行う団体などにも所属し、地域の暮らしを支える。高齢者の一人暮らしが増えていることにも触れ、「『ここにいて良いんだよ』と伝えたい。子どもや親の交流、情報交換だけでなく、高齢者も、誰もが集えるような温かい場所になれば」と語る。

港北ふれあいまつりでの演舞

アピタで阿波おどり 4月13日 港北あわ連

 「港北あわ連」は4月13日(日)、アピタテラス横浜綱島(綱島東4の3の17)屋外・芝生広場で阿波踊りを披露する。【1】午前11時【2】午後2時からの2公演。各回30分程度。観覧無料。雨天中止。

 港北区を中心に、阿波踊りの魅力を伝えるとともに地域活性化や地域振興に貢献している同団体。約20人のメンバーが月2回の練習を経て、綱島さくらまつりや港北ふれあいまつり等で迫力ある阿波踊りを披露している。連長を務める(有)ウルマ建設会長の閏間(うるま)眞治さんは「間近で演舞を見られるのが醍醐味。多くの人たちに見に来てもらい、楽しい阿波踊りを肌で感じてほしい」と呼びかける。

高校生からルール説明を受ける家族

ボドゲの魅力を体験 大倉山おへそ×朋優学院

 大倉山のおへそ(小松由希子・小澤麻美共同代表)で3月29日、地域住民参加型のボードゲームイベントが初開催された。同イベントは、品川区にある朋優学院高等学校ボードゲーム部との共催で行われた。

 開催のきっかけは、以前から多数あった「ボードゲームのイベントを開催してほしい」という地域住民の声。当日は子どもから大人まで32人が参加した。

 同校部員たちが持ち寄った30種以上のゲームが並び、参加者の年齢や好みに合わせておすすめのゲームを提案。いわば"ボドゲソムリエ"の役割も果たしていた。

 同校の河原瑞姫さん(17歳)は「顔を合わせておしゃべりしながらできることがボードゲームの魅力。楽しんでもらえてうれしい」と語った。また、父親と参加した区内在住の木田湊人さん(9歳)・みらいさん(5歳)は「初めてやるゲームだったけど楽しい」「まだやりたい」と笑顔で話した。

 主催の小松さんは「会話がはかどるボードゲーム。今回を皮切りにイベントを定期的に続けていきたい」と今後の展望を語った。
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▲案内板の設置を見守る地域の関係者ら

岸根町 「琵琶橋」伝承に”若手”奮闘 「新たな名所に」案内板設置

 岸根町に伝わる「琵琶橋」の伝承――。かつて江戸時代、旅人たちが足を止め、物語を紡いだ伝説の橋「琵琶橋」の跡地が整備され、このほど一般公開された。地域住民の長年の願いが叶い、3月21日には橋の遺構である石材と、往時の物語を今に伝える案内板がお披露目された。

 公開されたのは、橋の遺構である5点の石材と、橋の歴史と伝説を記した案内板。石材には、「明和五年(1768年)」や「文化十三年(1816年)」などの年号とともに、当時の地域住民らの名前が刻まれている。これらは、2022年に地域の関係者らによって拓本が採られたことで判明している。

 案内板には、室町時代の武将・太田道灌がこの地を訪れた際に詠んだ歌、「関東の みすま耕地の びわの橋」が紹介されている。また、橋の由来や、丸太橋から石橋への架け替えなど250年以上にわたる橋の歴史が記されており、訪れる人々に琵琶橋の物語を伝える役目を持つ。

歴史的遺産を後世に

 琵琶橋は、かつて地域を流れていた「根川」という農業用水路に架けられていた小さな橋だ。江戸時代には、源頼朝や琵琶法師にまつわる数々の伝説が語り継がれ、旅人たちの間で広く知られていた。1980年代にその役割を終え、石材のみが残された状態だったが、この歴史的遺産を後世に残したいという地域住民の強い思いから、95年頃から整備活動を開始。しかし、遺構の残る土地の所有者が変わるなどして難航していた。

 今回、中心となって案内板設置を主導したのは、代々この地に住み、「びわばし」を屋号とする株式会社ビルコ社長の岩田一清さん(44)と、同級生で不動産賃貸業を営む市川直樹さん(同)だ。「土地の所有権が移り、遺構が処分されてしまわれないよう、保存・伝承のために動きました。今の土地所有者様をはじめ、皆さんのご協力により完成し、ほっとしています」と岩田さんは語る。案内板の説明文を担当した市川さんは、祖父で地区連合町内会長などを務めた茂さんの草案を引き継いだ。「祖父の思いも踏まえながら作りました。地域のことを聞いて回って、自分のルーツを知ることもできた」と話す。(株)ビルコ会長の岩田清さんは「若い二人が地域のことに尽力し、こうして形になって嬉しい」と喜んでいた。

 琵琶橋の跡地は、岸根交差点から徒歩約3分、新横浜駅からは徒歩約14分の場所に位置し、周辺には岸根高校もある。地域住民だけでなく、学生たちも訪れることが期待され、土地所有者の神戸哲志さんのもとには早速、学校関係者から見学の依頼が届いているという。監修を行った大倉精神文化研究所理事長の平井誠二さんは「岸根の皆さんは地域の歴史や文化を特に大切にしている方が多いと感じる。琵琶橋の存在を、次の世代に伝えていくことができるようになった」と語る。

 琵琶橋の跡地は、地域の歴史と文化を伝える新たな拠点として、地域活性化のシンボルとなるだろう。

横浜市 防犯カメラなど配布 459カ所の地域防災拠点に

 横浜市の今年度予算が3月25日の市会で可決成立。全ての地域防災拠点への簡易防犯カメラと防犯ブザーの配布に2100万円が計上された。市が定める459カ所に簡易防犯カメラ2台と防犯ブザー10個を配布する予定だ。

 市が進める「誰もが安心して避難生活を送れる環境改善」の取組の1つ。災害発生時の避難所生活での防犯対策強化を目的としている。

 市の担当者は「各拠点で行う訓練で配布物品の設置場所や活用方法を考えてもらい、日頃から防犯意識を高めてもらいたい」と話す。

前回大会の決勝戦。左が優勝した机選手

新羽町でスカッシュ世界大会 日本ランク1位 机選手も出場

 世界プロスカッシュ協会(PSA)公認の大会「DYNAM CUP PSA YOKOHAMA OPEN 2025」が4月9日(水)から13日(日)にかけて、新羽町にあるGreetings Squash Yokohama(グリーティングス・スカッシュ・ヨコハマ)で開催される。主催は同施設を運営するT&Wカンパニー株式会社。

 「グリーティングス―」は今年3月まで18年間、ヨコハマスカッシュスタジアム・SQ─CUBE横浜として稼働し、レジャーや教室、大会開催など、”スカッシュの聖地”となってスカッシュ界を盛り上げてきた施設。4月1日にリニューアルオープンした。

 スカッシュは2人の競技者が正面の壁に向かい、テニスのようなラケットでボールを交互に打ち合う、イギリス生まれの屋内スポーツ。2028年ロサンゼルス五輪の追加競技となったことで、注目を集めている。

 スカッシュの普及と選手の競技力向上を目的とした今大会は、昨年優勝した日本ランキング1位で横浜市出身の机龍之介選手(ダイナム)をはじめとする世界10カ国から48人が参戦。ハイレベルな試合が繰り広げられる。主催者の渡辺祥広キャプテンは「選手の皆さんが日ごろの練習の成果を発揮して、5日間の大会を大いに盛り上げていただけることでしょう」と期待を寄せる。

■住所/新羽町482 北新横浜駅から徒歩1分

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居合の演武

県立武道館 息をのむ武術の数々 あらゆる武道家が一堂に

 関東総合武道交流演武大会が3月29日、県立武道館で初めて行われ、関東各地の武道師範・愛好家が一堂に会し、日頃鍛えた技を披露した。

 武種や流派の枠を超えて演武交流し、共に切磋琢磨することによって日本武道を普及・振興することが目的の同大会には、関東各地から古武道を含めた多種多様な武道16団体が集結。それぞれの団体の師範らが、静寂の中でさまざまな技を繰り出すと、観客たちは息をのんでその姿を見守った。それぞれの演武が終わると、各団体同士で交流が生まれていた。

 主催した国際水月塾武術協会の小佐野淳会長は「空手だけ、剣道だけというような単発の武道大会はよくあるが、これだけの団体がまとまった大会はほかにはない。皆、一流の師範たち。間合いや型、技の速さや捌き方などはさまざまだが、相手と戦うという点は変わらない。他の団体から学び、自分たちの武道に活かす機会としてもらえたら」と意義を話した。

大豆戸町から大倉山へと続く太尾堤緑道の桜並木(3月28日撮影)

桜の名所、見頃に 昨年より1週早い開花

 桜の季節到来。気象庁によると、横浜市では昨年より1週早く、3月25日に開花を迎えた。

 区内では言わずと知れた桜の名所、太尾堤緑道の桜並木も咲き誇り、3月28日には散歩したり、ベンチで食事をしたりしながら花を愛で、カメラやスマホを向ける人の姿が見られた。

横浜労災病院=市提供

夕方の小児急病に対応 労災病院で4月から外来設置

 横浜市は4月1日から、横浜労災病院=小机町=と済生会横浜市東部病院=鶴見区=で、急病の小児のための夕方の外来診療を開始した。

 横浜市によると、救急相談センター(#7119)の小児に関する医療機関案内の入電件数は午後6時から8時にかけてピークを迎えるなど、小児医療のニーズは夕方時間帯に高まる。しかし、この時間帯は診療を終えている診療所等が多く、市内3カ所の夜間急病センターも診療開始前で、急病の小児医療体制の狭間となっている。

 そこで市は今回、この医療ニーズ検証のために小児人口の比較的多い北東部地域をモデル実施として選び、横浜労災病院と済生会横浜市東部病院での設置を決めた。

 診療は小児科のみ。時間は平日・土曜の午後6時から8時(日曜・祝日は4時から8時)まで。労災病院での受付は事前に代表電話(【電話】045・474・8111)に連絡し「正面玄関」か「救急センター入口」へ。また、この2院は救急医療機関のため緊急性のない受診の場合は時間外選定療養費の負担が必要。

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山中市長(左)に宣誓を行う職員

新職員746人が新たな一歩 横浜市採用式

 4月から横浜市の職員となった人の「採用式」が1日に関内ホール=中区=で行われた。

 採用されたのは事務職、技術職、医療技術職、技能職の計746人。式では4人の代表が山中竹春市長から辞令を受け取った。

 代表で宣誓を行った女性職員は「横浜市民の奉仕者であることを認識し、誠実かつ公正に良心に従って職務を執行することを誓います」と述べた。山中市長は「これから皆さんと働けることにワクワクしている」と期待を込めたメッセージを送った。

横浜市会議事堂(資料写真)

横浜市長選立候補表明の高橋徳美市議が自民会派離団

 横浜市長選挙(7月20日告示、8月3日投開票)への立候補を表明した金沢区選出の高橋徳美市議が3月31日付で自由民主党横浜市会議員団を離団したことが発表された。

 また、同日付で港南区選出の山田桂一郎市議が日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会を離団し、保土ケ谷区選出の関嵩史市議とともに新しい会派「地域政党よこはま」を結成したことも発表された。

 これらの動きに伴う横浜市会の会派構成は次の通り。▽自由民主党33▽公明党15▽立憲民主党12▽日本維新の会・無所属の会7▽日本共産党5▽民主フォーラム5▽地域政党よこはま2▽無所属7

港北警察署管内 2件の不審者情報あり、万引き6件のほか、自転車盗3件、2件の置引き・自動車盗・車上ねらい、特殊詐欺など発生 2025年3月17日から3月23日の犯罪発生件数

 港北警察署は3月25日、同署管内における2025年3月17日から3月23日の犯罪発生件数を発表した。

 それによると、6件の万引きのほか、自転車盗3件、置引き・自動車盗・車上ねらいがそれぞれ2件、特殊詐欺などが発生した。また、2件の不審者情報も寄せられた。

 自転車盗は、綱島西で2件・日吉本町で1件発生した。同署では「駐輪する際は、ダブルロックを心掛けましょう」としている。

 車上ねらいは、綱島東で3月17日午前11時5分から午後1時20分の間に発生。路上に車両を無施錠で駐車していたところ、車内からリュックサックを盗まれた。大倉山では3月18日午後3時30分から3月19日午前4時15分の間に発生。駐車場内に車両を駐車していたところ、キーシリンダーを破壊された。

 自動車盗は綱島西で3月17日午前0時10分から正午の間に発生。駐車場に駐車していた車両を盗まれた。また、未遂ではあるが、綱島東では3月16日午後6時から3月18日午後4時30分の間に発生。月極駐車場内に車両を駐車していたところ、左前部のバンパーを外された。

 置引きは、新横浜で3月18日午後1時3分から午後4時37分の間に発生。車両内荷物棚に置いていたリュックサックを盗まれた。同じく新横浜で3月22日午前9時40分から午前10時20分の間に発生。商業施設内の記入台に置いていた財布を盗まれた。

不審者情報

 師岡町地区で3月22日、女子児童らが遊戯中に面識のない男性から声を掛けられる事案が発生した。樽町地区では3月23日、女性が買い物中に面識のない男性からスマートフォンを向けられる事案が発生した。

詐欺電話に注意

 同署によると、区内において警察官をかたる犯人から「特殊詐欺に関わっている可能性がある」等の詐欺の電話が入電しているという。「電話でお金の話が出たら詐欺です。必ず周囲の人や警察に相談してください」と同署では注意喚起している。

政治の場「男女平等と感じる」1割 市民意識調査で明らかに

 横浜市が実施した男女共同参画に関する市民意識調査の結果が3月28日に発表され、政治の場で男女の地位が「平等」と感じている人の割合が1割にとどまることなどが明らかになった。

 調査は市内の18歳以上を対象に昨年9月から10月にかけて実施し、1667人から回答を得た。

 男女の地位の平等感について、▽家庭生活▽就職活動▽職場▽学校教育▽地域活動▽政治▽法律・制度▽社会通念・習慣・しきたり―の8項目を聞いたところ、学校教育では「完全に平等になっている」と「ほぼ平等になっている」と回答した人が合わせて53・3%で最も高かった。それに対し、政治では10・1%と最も低く、「男性の方が優遇されている」と「どちらかといえば男性の方が優遇されている」を合わせた回答は75・6%だった。

「らしさ」期待 女性6割

 日常生活での男女の役割期待に関する質問では、回答者全体の7割以上が「『女/男らしさ』を言われたり期待されたりした経験がある」と回答した。この経験に対し、女性の62・8%、男性の40・5%が不都合さや不快感、生きづらさを感じるとしている。

家事分担 理想と現実乖離

 家事・育児・介護の分担割合の理想については、男女ともに回答者の約5割が「あなたと配偶者等が同じ割合」と回答した。しかし、実際の分担割合は、女性の39・0%が「自分が8〜9割」を担っていると回答。対照的に男性は最多が「自分が1〜2割」の40・2%で、理想と現実の間に大きな乖離があることが明らかになった。

 共働き世帯の平日の家事・育児・介護に費やす時間も、夫の平均時間が2時間26分であるのに対し、妻の平均時間は5時間25分と、妻の方が約3時間長い。

 男女共同参画社会の実現に向けて、市が取り組むべきことを聞いたところ、「保育所や小学生の放課後の居場所などの整備」、「離職した女性の再就職を支援する取組」、「柔軟な働き方や仕事と育児・介護の両立支援に向けた企業への働きかけ」がともに6割を超えた。

警察官になりきって記念撮影を行う親子

メモワール 岸根町の結婚式場「ソシア21」で子ども向けイベント

 冠婚葬祭業などを手掛ける株式会社メモワールが運営する結婚式場「ソシア21」=岸根町=で3月29日、「メモワールグループ春のキッズイベント」が行われた。

 同社が地域への感謝の思いを伝えるために実施したもの。事前に港北区内の幼稚園などに呼びかけを行ったこともあり、多くの家族連れが来場した。射的や輪投げなどの縁日やキーホルダーなどの工作コーナーが設けられたほか、警察官やパティシエの衣装を着て記念撮影ができる企画もあり、にぎわいを見せた。

 3歳、5歳、6歳の男児とともに参加した母親は「子どもが大きな声を出しても大丈夫なので、こうしたイベントはうれしい」と話した。別の家族連れの父親は「初めて来たが、とてもきれいな場所で、子どもも喜んでいた」と笑顔で話した。

 同社は横浜市と災害時の帰宅困難者の受け入れに関する協定を結ぶなど、地域貢献活動を続けており、今後も今回のような地域向けイベントを行っていく方針だ。

今年も横アリで春巡業 26日、力士ら集まる

 恒例の「令和7年春巡業大相撲横浜アリーナ場所」が4月26日(土)、横浜アリーナで開催される。

 午前9時に開場して公開稽古が始まり、初切や相撲甚句など、巡業ならではの催し物も楽しめる。午後3時に打ち出し(終了)予定。

 チケットは一部完売している。当日券を販売予定。チケットに関する問い合わせは、大相撲巡業チケット事務局【電話】0570・05・3366へ(午前10時から午後5時)。

「シックススターフィニッシャー」のメダルを掲げる町田さん

65歳の全盲ランナー 世界6大マラソン制覇 港北区在住 町田宏さん

 港北区在住の全盲ランナー、町田宏さん(65)が3月に開催された東京マラソン2025で完走し、世界6大マラソン(ボストン・ロンドン・ベルリン・シカゴ・ニューヨーク・東京)を制限時間内に完走したランナーに与えられる「シックススターフィニッシャー」の称号を獲得した。

 東京マラソンでは、沿道で応援する人たちの熱狂ぶりや声援の大きさに、「良い景色を感じながら、楽しく走れた」と振り返る町田さん。同大会の制限時間(6時間30分)よりもずっと速く、5時間49分55秒でゴールした。町田さんが所属し、障害者が一般市民とともにランニングを楽しむ国際的スポーツ団体「アキレス・インターナショナル・ジャパン」によると、日本人の視覚障害者の称号獲得は初めてだという。

 町田さんは横浜市職員時代の26歳のときに、「網膜色素変性症」を発症。徐々に視野が狭くなり、視力が低下し、失明することもある国指定の難病で、町田さんは40歳で全盲に。「ショックだったがゆっくり進行していったから、心の準備ができた」と振り返る。ただ、足元のごみ箱を倒したり、書類の内容が頭に入ってこなかったりとミスが続く日々を経験し、「まだうっすら見える頃が一番大変だったし、悩んだ」という。全盲になってからは音声ガイドや周りのサポートを受けながら、定年まで勤めあげた。

 健康維持のためのウォーキングから同団体を知り、50歳で練習会に参加し、マラソンを始めた。走る喜びを得た町田さんは、団体の勧めもあり、2013年にニューヨークマラソンに初出場。以降、世界を飛び回り、海外5大会を完走した。「ちょうど東京が最後になった。なかなか抽選が当たらず、(称号は)12年かけてようやく獲得できたよ」とにっこり。

 「120歳位まで生きたいね。科学技術が発展して、人工網膜でこの目でも見えるようになるはずだから」と笑顔の町田さん。「そのためにもずっと健康でいなきゃ」

「つづきの本ばこ」(イメージ)

「つづきの本ばこ」が開設 ららぽーと3階に

 新しい図書取次所「つづきの本ばこ」が3月29日、ららぽーと横浜(都筑区池辺町4035の1)3階北立体駐車場出入口付近に開設された。

 図書取次所は、横浜市内の市立図書館で予約した本の貸出しと返却ができる施設。都筑区には総合庁舎内に「都筑図書館」があり、1日あたりの平均入館者数や貸出冊数は市内18館で最多。しかし、区南部からのアクセス性が低いことが課題だった。そこで大規模な駐車場を備え、自家用車で来館しやすいららぽーと横浜に新たな図書取次所(名称・都筑南図書取次所)が設置された。

愛称は投票で決定

 取次所の愛称「つづきの本ばこ」は、投票で決定した。「つづき」には、ららぽーと横浜の場所を表す「都筑」のほか「本の続き」、「イベントの続きで本を探す」など、「続き」の意味が。「本ばこ」には、子どもから大人になっても「ずっと本を楽しめるような場所になるように」という想いが込められている。

 「つづきの本ばこ」には、絵本や小説、暮らしに役立つ本、都筑・緑図書館司書のおすすめ本などが置かれ、読書だけの利用も可能。また子ども用のスペースや展示・イベントスペースも設置されている。

 なお本の予約や受取りには、図書館カードの作成が必要。カードはオンラインまたは市立図書館や移動図書館で作成できる。図書取次所でカードの作成はできないので注意が必要。利用可能時間は、平日は午前10時から午後8時まで、土日祝日は午後9時まで。休所日は年末年始と、ららぽーと横浜の休館日。

模型愛が紡ぐ人生 心は楽に 日々、顧みる 野田友幸さん(青葉区在住)

 「やっぱり、一から自分の手で作ってこそだよね」。野田さんが手掛ける模型は全て「フルスクラッチ」――既存のものは一切使用せず、全てが手作りだ。もちろん、図面も手描き。当時の図面や写真をもとに、主砲の1基、手すりの1本まで精密に再現している。特に、退職前から仕事の合間を縫い、13年かけて完成させた駆逐艦「雪風」は、(株)東急ハンズの第20回ハンズ大賞で準グランプリを受賞した大作だ。

「手作り」だから知れること

 横須賀海軍で造船に携わる父に製造の話を聞いて育ち、昔から船や飛行機の模型作りが好きだった野田さん。ゼネコンに勤め、高層ビル建設の現場監督も務めた元建築士だ。30代の頃には愛車までデザイン。アルミ板を加工して、自身の手でモデルチェンジするなど、「自分で作る」ことへのこだわりは人一倍だ。

 フルスクラッチの良さは「技術や歴史を理解できる」こと。実際の図面を見れば、内部の設計までよく分かる。当時最新鋭だった蛍光灯や、空調、トイレ、風呂の設備など「当時の最新技術の結晶だ」と熱い愛のこもった語りは止まらない。さらに、社内でも「模型好き」で名が通っていた野田さん。仕事で関わりがあった自衛隊関係者に誘われ、潜水艦の内部見学やヘリコプターの搭乗など、趣味を通じて貴重な出会いや経験を得た。趣味が、人生を豊かに彩っている。

完璧でなくても

 ただ、趣味だけを楽しんでいるわけではない。「やるべきことは、ちゃんとやらなきゃね」と野田さん。

 まずは、家での役割を果たすこと。若い頃は仕事と趣味に没頭していた野田さんだが、今は食器洗いなど家事手伝いを率先。奥さんの買い物には必ず同行し、朝食のおかずを一品作ることも。その甲斐あってか、夫婦仲は良好だ。

 次に健康づくり。若草台地区センターで開かれている体操教室に、夫婦で毎週参加。散歩も定番で、桜台周辺をのんびり歩きながら、四季の移り変わりを楽しんでいる。

 そして何より、常にアンテナを張ること。サークルや展示会を通して情報を集め、視野を広げている。退職をきっかけに団地内のボランティアにも参加。自身の知識や趣味を活かして活動できないかと画策している。

 一人で籠らず、周囲に意識を向けることを大事にしている野田さん。一方で、「完璧にこなさなくてもいい」と話す。大切なのは、日々自身や周りとの関係を顧み、改善を重ねること。それは、趣味に関しても同じだ。「時間は一生ある。急がず焦らず、好きな時に好きなだけ。楽な心で、楽しみ続けることです」

研究をまとめた冊子を手にする小谷田さん(左)と村上さん

地域を探究、心の灯消さず 八杉神社郷土史研究会

 地域の神社などを研究している八杉神社郷土史研究会(港北区)。同神社奉賛会総代の小谷田作夫さん(78)が会長を務め、(公財)大倉精神文化研究所の客員研究員である村上芳信さん(82)らで構成されている。

 同会の発足は約3年前。以前から同神社の研究を行っていた村上さんの情熱に小谷田さんが感化されて立ち上がったという。200年にわたる同神社の歴史について、通史『流域地域学研究』をこれまでに2冊発行しており、現在3冊目を執筆している。「徹底して調べないと見えてこない」と話す村上さん。2冊目までは文献や石碑・棟札など「文字史料」を中心とした調査だったが、3冊目は同神社の歴史を知る人物から聞き取り調査なども実施し、その成果をまとめる。

 村上さんは、6〜7年前に前立腺がんにより歩行困難になり余命3年の宣告を受けたことがある。現在は状態が良くなり、「調査することが楽しくてしょうがない」と数々の資料に視線を向ける。「顕彰碑や慰霊碑など、地域を研究すると素晴らしいものも悲しいものも見えてくる。長生きしてもっと研究したい」

横浜市長選 7月20日告示、8月3日投開票

 任期満了に伴う横浜市長選挙の日程が7月20日告示、8月3日投開票に決定した。3月28日の市選挙管理委員会で決まった。

 公職選挙法により、任期満了日の前日から30日以内に選挙を行う必要があり、投票日は期間中の日曜日の8月3日、10日、17日、24日の中で検討されていた。お盆の時期と重なることや8月20日〜22日にアフリカ開発会議が市内で開かれることなどを考慮し、日程を決めた。

 告示の7月20日は参議院選挙の投票日になる可能性がある。異なる選挙の投開票と告示が同日になるのは法的には問題はないが、その場合、投票所入口から半径300m以内では選挙カーによる街頭演説を行えないなどの制限がある。

リーフレットを手にする柏崎さん(右)と芝崎さん=提供写真

港北区の魅力、1枚に 篠原小×F・マリノス×区

 横浜市立篠原小学校6年生はこのほど、「横浜F・マリノスプロジェクト」として港北区の魅力をまとめたリーフレットを作成した。

 同プロジェクトは同小と同クラブ、港北区区政推進課が連携して「町の魅力発信」について考えるもの。児童らは地域の特徴を調べて、リーフレットにまとめた。新横浜周辺の施設等を紹介する内容になっており、5月19日(月)まで区役所1階に配架されている。

 同課の柏崎崇宏課長は「子どもならではの視点で、家族で出かけられるような内容になっている。引っ越しシーズンのため、転入する人にも手に取ってほしい」と話した。(一社)F・マリノススポーツクラブの芝崎啓さんは「きれいにまとめられている。みんなで協力して作り上げた経験が大事だと感じた」とコメントを寄せた。

港北童謡の会 歌う、春のコンサート 4月20日 港北公会堂

 港北公会堂で4月20日(日)、港北童謡の会「スプリングコンサート」が開催される。午後2時開演(開場は30分前)。

 ピアノは真田美也香さん、ゲストにはバイオリンとビオラのデュオ「横浜姉妹」を招く。

 参加費990円。事前申し込み不要、当日は直接会場へ。

 (問)計屋代表【携帯電話】070・5556・1491

 

にぎわう会場

交流物産展で東北・北関東の魅力を発信 横浜市庁舎にぎわう

 横浜市と再生可能エネルギー(再エネ)の創出や利用拡大などを目的とした連携協定を締結している東北・北関東の自治体の名産品を販売する交流物産展が3月13、14日に横浜市役所1階アトリウムで行われた。

 市は脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、2019年2月に再エネ資源を豊富に有する東北12市町村と連携協定を締結。その後に茨城県神栖市と締結して東北地方から裾野を広げ、現在17市町村と協定を結んでいる。

 横浜市内では、現在約130事業者が連携協定で得られた再エネを活用。電気代の一部を地域活性化資金として連携先の自治体に還元している。自治体間の交流促進を図ろうと、昨年初めて交流物産展を実施。好評を博し、今年も開催する運びとなった。

 今年の交流物産展には青森、岩手、秋田、福島、茨城の12市町村が参加。野菜やワインのほか、岩手県九戸村の非公認マスコットキャラクター・キングオブチキンの関連グッズなどが販売された。市内在住の40代女性は「独自性のある商品ばかりで楽しかった」と感想を述べた。

 

パーティーで市長選への意欲を語る高橋氏

横浜市長選 市議の高橋徳美氏が出馬へ 市会議長の鈴木氏も意欲示す

 任期満了に伴う今夏の横浜市長選挙に横浜市会議員の高橋徳美氏(56)が立候補する意向を表明した。3月27日に行われた自身の政治資金パーティーで明らかにした。高橋氏は25日に自民党市議団に離団届を提出。6月中旬に市議を辞職し、市長選には無所属で出馬する方向。金沢区では市議補欠選挙が行われる見通し。

 高橋氏は出馬を決めた理由に山中竹春市長の市政運営への不満や閉塞感を挙げ、2026年度から中学校で始まる全員給食について「安全で温かい食事を与えたい」と述べ、一部の学校は自校で調理する方式にすべきだと主張した。また、27年の国際園芸博覧会を契機に「50年後の横浜をつくりたい」と語った。

 高橋氏は会社員、参議院議員秘書を経て、2011年に金沢区選挙区で初当選。現在4期目。市会運営委員会の委員長などを務める。

 市長選への立候補表明は(株)つま正会長の小山正武氏(76)に続いて2人目。山中市長は態度を明確にしていない。

 同日、市会議長の鈴木太郎氏(58)が記者向けの定例会報告の場で「市長選に意欲を持っている。そのことは自民党に伝えてある」と述べ、今後、党の対応を踏まえて立候補を判断する意向を示した。

認知症について語る蝶野さん(中央左)と中島さん(同右)

プロレスラー・蝶野正洋さんが認知症啓発イベント参加「相手を思いやる気持ちを」

 認知症について考えてもらうための横浜市によるイベントが3月26日、市役所1階アトリウムで行われ、プロレスラーの蝶野正洋さんらが参加した。

 蝶野さんは市が作成した認知症に関する動画に出演している。この日は動画で若年性認知症の当事者として紹介されている中島輔(たすく)さんと蝶野さんらの対談が行われ、約300人が熱心に耳を傾けた。

「症状、状況は人それぞれ」

 対談に先立ち、中島さんは普段通っているデイサービスの仲間と行っているバンド活動の成果として歌を披露。これを見た蝶野さんは「今までは認知症と聞くと、徘徊などのイメージが先行していたが、症状や状況は人それぞれ違うということが分かった」と述べた。さらに、「プロレスラーの先輩には、自分の言いたいことばかり話して、会話のキャッチボールが成り立たない人もいる」とユーモアを交えて会場を沸かせた後、「認知症に関する正しい情報を得て、相手を思いやる気持ちを大切にしたい」と語った。

 中島さんが通う若年性認知症の支援に特化した介護サービス事業所を運営するGrASP株式会社の山崎健一さんは「認知症の方が活躍でき、周りの人に支えられる環境を作りたい」と述べ、そのためには社会全体の正しい理解が不可欠だと訴えた。

 蝶野さんらが出演する啓発動画は今後、公開される予定。

港北公会堂 巨大迷路とクラフト 4月3日 ダンボールで遊ぼう

 港北公会堂(大豆戸町26の1)に4月3日(木)、ダンボールでできた巨大迷路が登場する。

 時間は、【1】午前10時〜10時50分【2】11時〜11時50分【3】午後1時〜1時50分【4】2時〜2時50分【5】3時〜3時50分。定員は各回10人(先着順)。現在受付中で、定員に達し次第締切。

 誰でも参加可能(小学2年生以下は保護者同伴)。参加費は、ダンボールクラフト1個付きで500円。クラフトは恐竜、トラックの小物入れ、フラワーペン立て、おウチの貯金箱の4種から選べる。「組み立てたら色を塗って完成です」

 問い合わせは港北公会堂【電話】045・540・2400へ。