横須賀・三浦版【4月25日(金)号】
「高床式砂栽培」。土ではなく砂を使用している

日建リース工業 障害者雇用特化の農園 浦賀に進出、9月開園めざす

 障害者が活躍できる就労の場として、横須賀市浦賀2丁目の浦賀火葬場跡地に民間企業が運営する農園が開設されることになった。建設資材レンタル大手の日建リース工業(株)(本社=東京都千代田区)が「はーとふる農園」の名称で展開している事業で、農薬を使用しないベビーリーフのハウス栽培などを行う。約60人の障害者就労を予定しており、9月の開園をめざす。

 同社はビルの建設工事などに使用する足場などの仮設資材をレンタルする業界トップ。強度の高い鋼製足場システムを提供しているが、安全基準の見直しなどで不要となった資材を再利用してビニールハウスの骨組みに用いている。企業として社会課題の解決にも向き合う中で、障害者雇用の課題を知り、農園事業とマッチングさせるアイデアが生まれた。2018年に埼玉県で最初の農園を開設。横須賀は7園目となる。

 全国的に障害者の働く機会は広がりつつあるが、福祉的就労では十分な収入を得られないのが実情だ。神奈川県が公表している23年度の平均工賃は就労継続支援A型(雇用型)で月額9万4395円、就労継続支援B型で1万5855円という水準。同社では経済的に自立可能な就労の場の実現を掲げており、月額約15万円の収入が期待できるという。これを実現するための環境整備として同農園では、仮設資材を活用した「高床式砂栽培」を導入。腰高で作業できるため身体的負担が軽く、肥料や水やりを自動化することで生産性を高めている。栽培品目のベビーリーフは毎日、種植えや間引き、収穫が可能で農業の一連の過程を理解しやすいことを利点にあげる。大手スーパーなど出荷先も確保しており、経済活動を成立させている。

 同社では、25年度末までに敷地内3つのエリアにビニールハスウ9棟を設置する計画。障害者の就労だけでなく、地域スタッフも採用していく。地域貢献活動として、農園見学などを通して障害者雇用の啓発にも努めていく考えを示している。

横須賀市と包括連携協定

 日建リース工業と横須賀市は4月18日、民官連携による「はーとふる農園よこすか」開設の包括連携協定を結んだ。両者が協力して地域福祉と経済の向上に努める。「従業員から障害者の働く場の創出を求められて横須賀への進出を決めた」と同社の関山正都副社長=写真右。

馬堀小の校舎と新たに加わった3番の歌詞

馬堀小 走水の情景加えた新校歌 堀口大學の長女が作詞

 馬堀小学校に新校歌が完成した。同小と走水小学校は2025年4月に統合しており、馬堀小の既存の校歌1・2番に走水の情景などを取り入れた3番を追加したもの。馬堀小の従来の校歌の作詞者が詩人の故・堀口大學氏だったこともあり、長女の堀口すみれ子氏に作詞を依頼。今後音楽の授業で練習をし、行事などで斉唱していく。

地域からの要望踏まえて

 「踊る太陽 光る海 波を数えて 育ったね--」。今回現行の校歌に追加された歌詞は6行分。「日本一海に近い学校」とも呼ばれた走水小の付近から見える海や引いては返す波、富士山などの情景と児童らが育ってきた環境を表現した。

 日本武尊とその后である弟橘媛命の伝承が伝わっていることでも知られる同地を言い表す「歴史の先端 走水」、東京湾を扉に見立て、この地から飛び出していこうという願いを込めた「世界の扉を 開こうよ」といったフレーズなどを盛り込んだ。馬堀小の中川幸太校長(24年度まで走水小校長)は「馬堀小学校の子どもたちからも走水の要素を校歌に加えたいという要望があったと聞いている。走水小としては、本当にありがたかった」と話している。

練習積んで斉唱へ

 両校の統合が正式に決定したのは24年1月。約150年の歴史に幕を下ろした今春まで、2校は統合に向けた準備を進めるため、合同で企画調整会議を重ねてきた。その中の一つに校歌の追加・変更があり、「走水の情景や要素を歌詞に表せたら」という声が両校関係者や児童から出ていたという。

 これを受けて馬堀小校歌の作詞者でもある故・堀口大學氏の長女で詩人の堀口すみれ子氏に作詞を依頼。昨年度中には完成し、児童に歌詞が共有されたが、覚える時間などを十分に確保できなかったこともあり、4月7日の始業式では校歌の斉唱は行われなかった。今後授業で校歌を練習する時間を設けて、行事などで斉唱する予定だという。

還暦前にバイクデビューし、東北を目指したエッセイを上梓した 齋藤 博美さん 横須賀市西逸見町在住 59歳

何歳からでも遅くない

 ○…齢56にして125ccまでのバイクに乗れる免許を人生ではじめて取得した。卒業検定は教習を始めてから1年以上経過し、6度目で合格。通常より何倍も時間がかかったが、「諦めないようサポートしてくれた人たちのおかげかな」。ツーリングでは、道に迷うと何度も停車し街ゆく人に道を尋ねた。「なにも見返りはないのに助けてくれる。人の温かさに触れられるのもバイクの良いところ」と目を細める。

 ○…西逸見町出身。短大卒業後、約15年市内で保育士を、その後は多少の英語力を頼りに英会話教室で講師を勤めた。「苦手意識があっても楽しむことを第一に。そんなメッセージを伝えたかった」。還暦前に初心者ながらバイクに挑戦できた所以だ。

 ○…縁もゆかりもなかったバイク。きっかけとなったのは古くから知るバイク好きの友人の訃報だった。同窓会で少し会話をする程度で、特に親しいわけではなかったが、「わたしが乗ることで少しは弔いになるのかな」。元来、運動神経は良くなかった。筋力があるわけでもなかった。教習では何度もこけた。つらかった。それでも「もうやめたほうがいい」「この先は無理ですよ」。教習所の指導員や周囲の人はそんな言葉を誰もかけてこなかった。「周囲の理解と助けがあったからこそ頑張れた」

 ○…「三浦半島は本当に美しい」。生涯地元を離れたことはなかったが、バイクにまたがると、見える世界が変わった。潮風を感じながら下る坂道、ふとサイドミラーを覗くと顔を出す富士山、道中で出会う人の温かさ-。これまで知りえなかった景色や自身の感情をバイクが教えてくれた。挑戦心はいくつになっても忘れない。

高山辰雄『月』(1985年)

横須賀美術館 海辺で触れる現代日本画 成川美術館の所属作品展示

 横須賀美術館では、アートを介した地域連携企画の第3弾として箱根・芦ノ湖にある日本画専門美術館「成川美術館」が所蔵する厳選49作品を紹介するコレクション展を開催している。6月22日(日)まで。

 山本丘人、毛利武彦、平山郁夫、稗田一穂、堀文子、平松礼二など日本を代表する27作家が描いた作品や神奈川ゆかりの作品は、重厚で深みのある革新的なものから花鳥風月をモチーフにした華やかなものまで多彩。海辺に位置する美術館で日本画のきらめきと独自の表現を感じ取ることができる。

 成川美術館は、実業家の成川實の収集した昭和中期以降の現代日本画のコレクションを基に1988年に開館。現在は約4000点の作品を所蔵している。芦ノ湖と箱根神社の赤い鳥居の景観を見下ろす高台に建つ現代的な和風建築であり、展望室から見える雄大な景色も人気を博している。

 会期中は成川美術館のグッズも販売している。

2024年度年間観覧者数歴代最多「ジブリ展」効果で30万人超

 横須賀美術館は、2024年度の入館者数が歴代最高となる30万1086人を記録したことを発表した。これまでは開館した07年度の16万5961人が最多だったが、2倍近くに伸長。民官連携で取り組んだ「鈴木敏夫とジブリ展」の17万2658人が数字を押し上げた。このほかにも国指定重要文化財である運慶の真作5体を飾った「運慶展」、20世紀を代表する画家、ダリの天才性に焦点を当てた「サルバドール・ダリ展」なども集客に寄与した。

 今年度は7月に「住友洋画コレクション」と同館の設計者で昨年、「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞した建築家の山本理顕氏に光を当てた特別展示がある。9月には「ブラチスラバからやってきた! 世界の絵本パレード」の企画展があるが、これを最後に11月から改修工事のため長期休館に入る。再開は26年9月を予定している。

三浦海岸でビアフェス 京急沿線7店舗が出店

 京急急行電鉄(株)はゴールデンウィーク期間中に三浦海岸駅前広場で「三浦海岸ビールまつり」を開催する。三浦半島に点在するブルワリーを中心にクラフトビールを提供するほか、三浦海岸の地元店舗のフードが楽しめる。

 日程は、前半が4月26日(土)から30日(水)、後半が5月2日(金)から6日(火)まで。各日午後1時から7時(最終日は午後6時)。荒天中止。入場無料で申込不要。

 三浦ブルワリー(三崎口)や法龍山麦酒(久里浜)、横須賀ビール(大滝町)など7店舗が出店予定。フードはcafe134や、もったいない食堂など、三浦海岸エリアの飲食店が登場する。

 クラフトビール購入者には京急ストア三浦海岸駅前店・三浦海岸店で利用できる惣菜の割引券が配布される。

 各店出店日など詳細は「三浦海岸ビ―ルまつり」で検索。

写真撮影を楽しむ来園者(4月21日撮影)

しょうぶ園 咲き乱れる200本の藤

 横須賀市阿部倉の「横須賀しょうぶ園」では、藤の花が見頃を迎えている。「九尺藤」「八重黒龍」「野田長藤」など11品種、約200本が藤園や藤棚に植えられており、来園者はカメラを片手に撮影を楽しみ、色とりどりの花を観賞していた。同園担当者によると紫色の花から咲き始めており、次いで白い花が5月初旬ごろに開花していく見通しだという。

 同園では「ふじまつり」を5月5日(月)まで開催中。期間中は和菓子、洋菓子、お茶、豆腐、野菜、手芸品、陶器などの出張販売が行われる。入場料は6月まで大人320円、小中学生100円。

 詳細は同園【電話】046・853・3688。

自由度の高い私的メディアのZINEとして発行されている『ヨソモノ』

文芸ZINE『ヨソモノ』 人に焦点、街の個性あぶり出す

 地域における自分の立ち位置を「ヨソモノ」の言葉で表現し、移住者の視点で横須賀を捉えることを試みた小冊子『ヨソモノ』の第2号を市内衣笠町在住のフリーライター、木内アキさんが刊行した。

  *  *  *  * 

 地元に暮らす人の当たり前を浮かび上がらせて再認識を促すアプローチが注目を集め、昨春に発刊した創刊号は自費出版ながら印刷した1千冊が完売。大好評を博した。今回も好きなテーマとデザインで私的に編集する文芸ZINE(ジン)として手掛けた。

 第2号のテーマに据えたのは「横須賀の ひと。」と木内さん。「街とは、建物や道路、海や山という物理的な風景ではなく、そこに生きる人々の営みや記憶が積み重なることで立ち現れるもの」と定義し、人を語ることで、街の個性をあぶり出すことに挑戦した。移住者や横須賀を離れて別の街で暮らしているヨソモノたちのエッセイに加え、地元に根を張って生きている人たちへのインタビューで構成。「地元の人(ジモノ)の目に映る記憶や愛着、ヨソモノが感じる驚きや発見が交差することで『記憶と現在』『深層と表層』が同居するような、新しい街の風景を描ける──」との想いを込めて編集した。

 前回好評だった写真ページも増量。”街の風景に人の気配を加える”という意図のもとで写真家の橋本裕貴さんが新たに撮り下ろした。

 A5サイズ、フルカラーで102ページ。定価1600円(税込)。取り扱いは文教堂横須賀MORE,S店(横須賀中央)、圏外書房(横須賀中央)、Book & Coffee AMIS(上町)ほか。公式オンラインショップ「YOSOMONO BOOKS」(https://yosomono.theshop.jp/)でも販売している。

西逸見町の齋藤さん アラ還で始めるバイク旅 エッセイ本を上梓

 横須賀市西逸見町在住の齋藤博美さん=人物風土記で紹介=が、60歳を前にして小型限定普通二輪免許を取得し、横須賀からバイクで東北を目指した物語を記した「アラ還バイクデビュー」(文芸社/112P)を上梓した。

 50数年の人生でバイクに縁もゆかりもなかった齋藤さん。失敗と時間を重ねながら免許取得に向け教習に励む姿や、取得後のツーリングでは道中で人情に触れながらなんとか目的地を目指す姿、自身の過去の話、なぜ50代後半で突然バイクなのかなどを赤裸々に記した。

 齋藤さんは「体力的にも年齢的にもハードルはあった。ただ周りの人に助けてもらい、この年齢からでもバイクに乗ることが出来ている。ぜひ手に取って読んでみてほしい」と話している。

 定価1000円(税別)で、購入は文教堂 横須賀MORE,S店。そのほかの店舗では取り寄せとなる。1000部発行。

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スポーツに親しむ環境整備などで市議と市民が意見交換

条例制定目指す横須賀市議会 スポーツ振興の意義議論 市民の健康増進、地域活性

 スポーツの振興で市民の健康増進を図るとともに地域の活性化を目指す横須賀市議会が、「(仮)横須賀市スポーツ振興条例」の制定に取り組んでいる。詳細を検討している中で広く市民に意見を求めようと4月19日、議員とスポーツ団体の代表、大学生など約30人が集まって、西逸見町の生涯学習センターで意見交換会が開かれた。

 前提となる考え方を共有するため、関東学院大学経営学部の奈良堂史准教授が「スポーツによるまちづくりの進め方と要点」と題した講演を行った。奈良准教授はスポーツの価値として、「公平・公正・平等なルールの中で競い合うことや試合後に互いに称え合うなど社会規範を学べる」と説明した。

 まちづくりとスポーツをリンクさせて進める上でのポイントには、市のスポーツ振興の「現状認識」、国・県などのスポーツ政策の動向を踏まえた「政策的環境」の認識、現実的な視点で描く「ありたい姿」、「できること、できないこと」を取捨選択した具体的施策、地域色などの「独自性の加味」の5つを挙げた。これらを踏まえ、ビジネスと同様の戦略的な思考と発想で進めることの必要性を強調した。このほかに重要な視点として、人口減少・少子高齢化時代を踏まえる視点も説き、トップアスリートを頂点に置いて、競技人口のすそ野を広げる従来型のピラミッドモデルの発想から「する・見る・支える」の多様な関わり方を重視する意識の変容を伝えた。

 策定中の条例案の検討状況については、同協議会で委員長を務める加藤真道市議が報告。全体像として、条例の目的や基本理念、市の責務、市民の役割などが示された。参加者との意見交換では「横須賀の独自性や他市との差別化が見えない」「スポーツをライフスタイルに落とし込む環境整備を求めたい」といった発言や「体育施設のひとつとして学校の活用を推し進めるべき」などの要望があった。

 同条例は議員提出議案として、12月定例会の提出をめざしている。

華麗な包丁さばきを見せた阪井さん(右)

三崎海南神社 三浦の食文化向上願う 華麗な包丁さばき「食の神」に感謝

 三浦の食文化向上を願うイベント「第37回 食の神フェスティバル」が4月18日、三崎の海南神社で開かれた。手を触れず、箸と包丁だけで魚をさばく神事「包丁式」が執り行われた。

 第12代景行天皇が三浦半島から安房・上総へ巡行した際に、料理番を務めた磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)を「食の神」として祀ったことから、料理人らを中心に信仰を集める行事。境内にある相州海南高家神社では長年の努めを終えた包丁に感謝を捧げる包丁供養祭が、神楽殿では古式に則った包丁式などがそれぞれ執り行われた。

 包丁人を務めたのは横浜市金沢区で日本料理店を営む阪井義信さん(三浦市在住)。

 平安時代から伝わる「四條古流」に則り、まな板に載せた6kgのキハダマグロを捌いたのち、境内の相州高家神社社殿に奉納した。

シティサポート500万円寄附 横須賀市が感謝状

 横須賀市は、市内の体育館や運動公園などの公共施設を管理運営している一般財団法人「シティサポートよこすか」からの寄附に対して感謝状を贈った。4月17日に市長室で上地克明市長から同法人の竹内英樹代表理事に手渡された=写真。

 2024年度に同法人から市に総額500万円の寄附があった。内訳は市が推進するアーバンスポーツのBMXやパルクール、ウインドサーフィンの普及促進、街なかミュージックの支援などのエンタメ関連事業に450万円。

 このほかに社会福祉事業指定寄附として50万円が福祉基金に積み立てられ、ボランティア活動の推進や在宅重度障害者への出張理美容サービス扶助、ひとり暮らしの高齢者などの緊急通報システム事業に充当されている。

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写真は過去の演奏風景

本堂でクラシック 大光寺でコンサート

 横須賀市平作にある日蓮宗「大光寺」の本堂で5月11日(日)、東日本大震災復興祈願と題したチャリティコンサートが催される。震災で亡くなった人の慰霊と復興祈願法要を行った後に、チェンバロ奏者の佐藤徳子氏とチョロ奏者の高橋敬氏が優雅な演奏を届ける。

 曲目は「G線上のアリア」(J.S.バッハ)「調子の良い鍛冶屋」(ヘンデル)「海の見える街」(久石譲)ほか。

 同寺では震災発生直後から岩手県大槌町の支援活動をスタート。今回で12回目を数える。会場で募金箱を設けて寄付を呼び掛ける。寄せられた義援金は、岩手県大槌町と石川県珠洲市に全額届けられる。

 同寺の瀧川真弘住職によれば、本堂は天井が高く、壁の反響もあるため優れた環境で演奏を聴くことができるという。

 午後1時45分開始。参加自由。問い合わせは大光寺【電話】046・851・2667。

三浦海岸「ねもマ」 逸品集う青空市

 三浦の逸品が集う青空市「ねもとうきうきマーケット」(ねもマ)が4月27(日)、ねもと長嶋米酒店(上宮田3288)で開かれる。午前10時30分からで、売り切れ次第終了。雨天決行。

 三浦海岸駅前周辺の賑わい創出のため、同店の長嶋崇さんが中心となり実施しているイベント。

 当日は飲食や古着販売、物販などの出店のほか、お笑い芸人によるライブやピアノ演奏なども。ガラポンくじもある。問合せは同店【電話】046・888・0002。

模型サークルおおなみ会 浦賀で造られた艦船ジオラマ

 横須賀を中心に活動する模型サークルクラブ「おおなみ会」が4月26日(土)・27日(日)の両日、浦賀船渠(浦賀ドッグ)で建造された艦船や青函連絡船などの船舶の模型作品の展示を行う。同日に開かれる浦賀咸臨丸フェスタの関連企画。350分の1スケールで製作された浦賀ドッグ=写真、横須賀海軍工廠造船船台、三菱長崎造船所造船船台など精巧に表現されたダイオラマは本物さながら。一見の価値ありだ。このほかに戦艦三笠や世界の艦船模型も飾られる。

 会場は浦賀コミュニティセンター(横須賀市浦賀5の1の2)2階会議室。時間は午前10時から午後4時(27日は午後3時)。入場無料。

小栗上野介像(東善寺蔵)

OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第44回 横須賀編【10】文・写真 藤野浩章

「要は、造船所建設を実現することでござる。そのためなら、この首などなんでもないこと。なにしろ馘首(かくしゅ)には慣れておりますからな」(第六章)



 馘首という言葉が出てきてドキッとするが、これは解雇、免職のこと。製鉄所建設に関する最終決定の段になって、当の小栗が勘定奉行を罷免されるという事態になった。当時39歳。思えばこの頃から彼は歴史の表舞台に登場していくが、その高い能力のせいか、あちこちで軋轢(あつれき)が生まれることになる。

 一部の幕臣で進めてきた製鉄所建設だが、最終段階で公になると、想定を大きく超える批判が巻き起こる。

 そもそもの必要性、建設場所、金額--そのほとんどが小栗を名指しした批判だったという。中でも大きかったのが「なぜフランスなのか」ということ。前述の通り、今回は半ば消去法だったわけだが、その過程を知らずに「小栗のフランス狂い」「賄賂(わいろ)をもらっている」などという声が多発するのは、時代を超えてどこでもありそうな話ではある。何より「海軍はイギリス」というプライドを大きく傷つけられた英国と、幕府を敵視する薩摩、長州にとっては小栗憎し、という状況で「"じゃんこ"(筆者注・あばた顔)など、早く罷免させるべし」という声が強まっていく。これらは、後に起こる悲劇に少なからぬ影響を与えたはずだ。

 小栗は冒頭のセリフのようにまったく意に介さず、むしろ無役ながら精力的に製鉄所づくりに取り組んだ。

 ところが、幕末の状況が彼にさらなる試練を与えていく。時代が小栗を再び舞台に呼び戻す。