神奈川区版【5月15日(木)号】
新会館の前に立つ、岡谷前会長(左)と瀧本現会長

松見町1丁目 新町内会館が完成 半世紀ぶり建て替え

 建て替え工事を進めていた松見町1丁目町内会館がこのほど完成し、約半世紀ぶりに地域住民の交流拠点がリニューアルされた。5月11日には、関係者を招いて落成記念式典が行われた。

 これまで使用されてきた会館は、1979年に建てられたもの。8畳ほどの部屋が2つの広さで、松見地区では近隣町会に先駆けて建てられた反面、最近は建物の老朽化やスペースが課題となっていた。

 同町内会前会長の岡谷博さんは、2014年の神奈川区地域づくり大学校参加を機に、「イベントの開催や情報共有の場、子育てや防災の拠点として、地域がつながる居場所を次世代に残していきたい」とリニューアル構想を思い描いた。

 資金面については町内会内外の100人以上から総額400万円を超える寄付があったほか、横浜市の補助金も活用。昨年夏までに旧会館の解体が完了し、同地で建て替え工事が行われた。

地元業者が手掛ける

 新会館は平屋建てで、広さは約124平方メートルと従来の倍以上に拡張された。工事を手掛けたのは、松見町にある地元業者。設計を木村英雄建築設計事務所(木村英雄代表)、施工を岡地建工社(岡地俊明代表)がそれぞれ請け負った。

 メインスペースは隣接する公園を「借景」として窓を大きくとり、木の梁をむき出しにした開放的な空間に。壁際の1面は引き戸を開けると、ダンスレッスンなどでも使える鏡貼りになっているほか、キッチンスペースも完備。入口のスロープやトイレなどは車いすでも使えるようバリアフリー仕様となっている。

 また「地域の歴史を知ってほしい」という思いから、玄関口には八幡神社の祭礼用の神輿と太鼓が飾られている。

「寄りたくなる場に」

 11日に行われた式典には、関係者ら約50人が出席して完成を祝った。

 今年4月に岡谷前町内会長の後を引き継いだ瀧本雄次新会長は「新しい赤ちゃんが生まれてくれたような思い」とあいさつし、今後の活用方法については「災害時には皆さんの支えとなるのはもちろん、日頃からも商店街への買い物ついでにちょっと寄りたくなるような会館にしていきたい」と意向を語った。

 これまで中心となって動いてきた岡谷前会長は「このような形で立派な会館ができたことは、まるで夢みたいな気分。支援頂いた方々に感謝を申し上げたい」と話した。

洋式化した小学校のトイレ

市立学校 トイレ・空調5年で整備へ 新防災戦略受け加速化

 横浜市は今年度から、市立学校505校のトイレの洋式化と小中学校体育館空調の整備を加速させ、5年をめどに工事を完了させる方針だ。新防災戦略を受けたもので、従来の取組を前倒しする。教育委員会の担当者は「防災の観点からすると学校は地域の公共施設。教育現場に配慮して進めたい」と話す。

残りは3千基

 今回の取り組みは、市が今年3月に改定した「地震防災戦略」に盛り込まれたもの。同戦略では大規模地震の被害軽減を目的に、2029年度までの5年間を集中取組期間としている。今年度予算にも整備の加速が明記され、従来の計画を前倒しして2029年度までに完了する予定だ。

 トイレの洋式化はこれまでも市が重点的に取り組んできたもので、すでに505校中88%は完了。残る約3000基について、従来よりペースを上げて対応していく。

 教育委員会の担当者は「幼稚園や保育園も今はほとんどが洋式。子どもたちの使いやすさのためでもあると同時に、発災時には高齢者など地域の多くの人が使いやすくなるはず」とする。

避難所としても

 また避難所などにもなる小中学校体育館の空調については現在465校中115校(25%)が整備を完了。年に約20校ずつのペースだったものを前倒しして、こちらも5年間での完了をめざす。「夏場の利用などを想定した教育環境の整備が第一だが、能登半島地震を見ても避難所環境は重要。教育活動への影響を最小限にするために長期の休みを活用するなどして進めたい」という。

 今年度予算では22校の工事と80校の設計を盛り込み、次年度以降に80校の工事と80校の設計という計画で進めていく。

 地域施設としての学校の防災化としてはほかに、校庭の夜間照明の整備も行われている。市内25校に設置されており、このうち旧式の22校は順次、LED化と合わせて停電にも備えた防災対応のものに置き換えていくという。

 横浜市町内会連合会の馬場勝己会長は「避難所のトイレや空調は切実。早めてもらえるのならなにより」と話している。

神奈川郵便局の局長に4月1日付で着任した 小松崎 将和さん 新浦島町在勤 59歳

「期待以上」を配達

 ○…神奈川区だけでなく、西区への配達も担当する神奈川郵便局。両区の郵便ポストに投函された手紙やはがきは一度全てここに集まる。貯金・保険を扱わない「郵便専門局」で、保有するバイクは約200台。1日あたりの配達物数は通常郵便だけでも約18万通と南関東では最大規模だ。「郵便専門局での勤務は初めて」と語るが、600人の職員を率い、県内最大の配達業務を担う責任感を滲ませる。

 ○…民間企業の長距離トラック運転手から、「より安定した職を」と郵便局員へ転身したのは21歳の時。横浜港郵便局の配達員からキャリアをスタートし、現場と管理部門の両方を経験した。「人が嫌がる仕事を率先してやる」ことを信条とし、「仕事は厳しいのが当たり前。厳しいからこそ、明るく楽しみながら仕事をしていきたい」と職員にも訴える。

 ○…局のスローガンでもある「期待以上」を大切にする。「お客様が求める確実なお届けという『当たり前』に加えて、気持ちの良い応対や『次も利用したい』サービスなど、プラスアルファの何かを提供することが『期待以上』」と解釈する。一般窓口がない中でも、区民まつりへの協力などを通じて地域との接点を持ちたい考えだ。また、配達を行わない小規模局との連携も強化し、「互いの役割を理解し協力することで、エリア全体のサービス向上に繋げたい」と意気込む。

 ○…仕事への情熱はプライベートにも。50歳で始めたスキューバダイビングは、ライセンスを取得するほど没頭している。「それまではネオン街くらいしか綺麗な世界を見てなかったけれど、海の中の美しい世界に魅了されたよ」と冗談めかして笑顔で話す。「仕事も遊びも一生懸命」がモットーだ。

レポートを発表するラミア局長(中央、横浜市提供)

横浜市 気候変動対策の評価対象都市としての取り組み発表

 横浜市は、脱炭素化に関する取り組みをまとめたレポートを4月16日にパリで行われた国際会議「Urban Days」で発表した。市が2023年に経済協力開発機構(OECD/本部・パリ)による気候変動対策の評価対象都市に、世界で初めて選定されたことを受けて行われたもの。

 OECDは、各国の環境政策などに関する調査や分析を実施。都市などにおける気候変動対策を重要視し、23年のCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)で、独自の指標で政策を評価する「TACAR」(気候変動対策とレジリエンスのための地域的アプローチ)を発表した。

 TACARには、大きく9項目の評価基準を設定。これには国や都市圏などで気候変動対策を実行しているか、市民を気候変動の取り組みに巻き込めているかなどの要素が含まれている。

 市は、2050年までに脱炭素化を目指す「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、公民連携で再生可能エネルギーの導入などを促進。市民向けの取り組みとして、節電効果の大きい家電の購入を促す事業や啓発活動などを行い、持続可能な社会の実現に向けた意識醸成を図ってきた。

 地域における不平等・格差問題の是正などに取り組む都市の首長によるネットワーク「包摂的成長のためのOECDチャンピオン・メイヤー」に山中竹春横浜市長が23年に就任。OECD側から気候変動対策の評価対象都市の選定に関する話を受けた。市はTACARに則る評価基準9項目のうち7項目で最高評価を獲得し、同年に評価対象都市として世界で初めて選ばれた。

 市は選定の根拠となった取り組みをまとめた約60ページのレポートを作成。OECDのラミア・カマル・シャウイ局長がUrban Daysで発表した。ラミア局長は「世界中の国々や都市、自治体などに示唆を与えることになるだろう」と感想を述べた。

 市の担当者は「レポートを活用した上で、今後も市民を環境保全に関する取り組みに巻き込んでいきたい」と話す。

山中市長 再選出馬報道を否定

 横浜市の山中竹春市長は5月14日の定例会見で、横浜市長選挙(7月20日告示、8月3日投開票)に再選を目指して出馬の意思を固めたとの一部報道を否定した。

 記者から市長選について問われ、「残り3カ月の任期で、これまでやってきたことを形にして、市民にお返しすることに集中している」と語り、出馬の判断時期についても「適切な時期に判断したい」と述べるにとどめた。

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ギリヤーク尼ヶ崎さん(写真は昨年公演時)

17日開催の「ヤミ市」 六角橋商店街 最高齢大道芸人が登場

 第3土曜日に行われている「六角橋商店街ヤミ市」。次回5月17日(土)は、国内最高齢の現役大道芸人として活躍するギリヤーク尼ヶ崎さん(94)が今年も登場。食品館あおば裏駐車場の特設会場で午後8時から行われる魂のパフォーマンスに注目だ。

 そのほか午後7時から9時20分頃まで、商店街内各所のステージでのライブパフォーマンスや飲食販売等が楽しめる。問い合わせは同商店街事務所【電話】045・432・2887へ。

交通安全功労者を表彰 個人・団体10者に

 2025年度の神奈川区交通安全功労者表彰が5月1日、区役所で行われた=写真。交通安全に貢献した個人・団体を表彰するもので、今年度は個人5人・5団体が対象。鈴木茂久神奈川区長から賞状が手渡された。対象者・団体は次の通り(敬称略)。

【個人の部】
大塚佳代、三枝正三、鈴木國昭、田中美月、宮田富由

【団体の部】
神奈川区白幡南町自治会交通部、幸ケ谷地区スクールゾーン対策協議会、白幡小いちょうの会、中丸小学校学援隊、松葉台自治会
「忍術修行」に挑む

ボーイスカウト キミも忍者になれる 神の木公園でイベント

 ボーイスカウト神奈川連盟横浜地区神奈川区連絡会は、5月25日(日)に神の木公園=神之木台13=で「忍者体験」をテーマにしたイベント「やってみよう忍び体験」を開催する。文部科学省後援。

 参加者は忍者になりきり公園内に設けられた「暗号解き」や「壁登り」「手裏剣作り」などの修行に挑戦。密書を城の殿様に届けるミッションに挑む。

 対象は年長から小学生までで、保護者の同伴が必要となる。ハンカチ、タオル、水筒を持参。開催時間は午後1時から3時半まで。参加費は無料。雨天の場合は中止となる。申し込みは二次元コードから先着順。

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今季で引退のキヤノン一筋、嶋田直人選手

プレーオフ進出逃す ラグビー横浜キヤノンE(イーグルス)

 NTTジャパンラグビーリーグワン1部の2024―25レギュラーシーズンが5月11日で全日程を終えた。横浜市をホストエリアとする横浜キヤノンイーグルスは6勝12敗で12チーム中8位となり、上位6チームによるプレーオフトーナメント進出を逃した。

 昨季リーグ4位のイーグルスは今季「共に超える」をスローガンに頂点を目指しシーズン入り。序盤は4連勝を飾るなど好調な滑り出しを見せたが、主将の梶村祐介選手や南アフリカ代表でもプレーしたファフ・デクラーク選手が3月に負傷離脱。この影響は大きく、チームは勝ち切れない試合が続いた。シーズン全体でも前半をリードで折り返しながら後半に逆転を許した展開が5試合に上るなど、終盤の試合運びが課題に残った。

本紙持参で先着プレゼントも

本格焼酎・泡盛の試飲会 蔵元26社が参加

 首都圏に拠点がある九州の蔵元による、本格焼酎・泡盛の試飲会が5月25日(日)に横浜駅西口のリトルキャット=鶴屋町=で開かれる。主催は関東本格焼酎・泡盛会。

 当日は同会加盟の蔵元26社などによる、100種類以上の本格焼酎・泡盛・リキュール(梅酒等)の試飲ができるほか、各蔵元が美味しい飲み方の提案をしてくれる。同会の山保豊会長は「蔵元ごとの味の違いや原料の個性を楽しめるので、より多くの方に本格焼酎・泡盛の魅力を知って頂くきっかけになれば」と話す。

 入場券は1千円(当日1500円)で、チケットぴあで販売中。時間は午前11時から午後4時30分まで。当日は本紙持参の先着50人に本格焼酎の小瓶またはカップを配布する。詳細は事務局【電話】044・951・3916(藤居酒造(株))へ。

読者プレゼント

 同会から本格焼酎を抽選で本紙読者15人にプレゼント。希望者はハガキに【1】住所【2】氏名【3】年齢【4】電話番号【5】焼酎に合わせたいつまみを記入し、〒231-0033中区長者町2の5の14タウンニュース社「本格焼酎」係へ。5月31日(土)必着。※賞品は同会から発送。応募は20歳以上に限る。

クラウドファンディングのページ(5月8日時点)

学童向け雨具の資金募集 六角橋の企業が第二弾

 母親の視点を取り入れた商品開発を手掛けるホルドナ=六角橋、和田美香代表=による小学生向けランドセル対応レインポンチョ「Kapapa School(かっぱっぱスクール)」のクラウドファンディング(CF)第2弾が、5月19日(月)まで実施されている。

 同製品は、自身の経験や他の母親、保育士らの意見を基に、雨の日の通学で「ランドセルが濡れる」「一人で着にくい」といった課題を解決すべく考案されたもの。ランドセルごと体を覆い、着脱が容易な設計が特徴だ。CFサイトの「キャンプファイヤー」で支援を募っている。

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横浜魚市場卸協同組合はメギスのつみれ汁を販売

市場の味に舌鼓 山内ふ頭で「春の味覚フェス」

 横浜市中央卸売市場=山内町=に隣接する山内ふ頭で「横浜市場場外マルシェ 春の味覚フェス」が5月10日、11日の両日にわたり開催された。

 2022年度から同市場の卸売業者、仲卸業者などで構成される「横浜市場プロモーション委員会」が主催し、年間を通じて様々な食のイベント「横浜市場場外マルシェ」を実施している。

 会場では横浜魚市場卸協同組合が「魚河岸大鍋海鮮汁」と銘打ち、石川県名物のメギス汁を販売した。能登地方で獲れるメギスをつみれにしたもので、多くの人が列を作った。他にも市場直送の食材を使ったグルメの屋台やキッチンカーに多くの人が詰めかけた。

 神奈川トヨタ自動車(株)は、海のSDGsを学べるワークショップ「横浜産コンブの足湯体験」を実施した。車の給電で温めた湯に、保湿・保温効果があるという金沢区産のコンブを投入。参加した子どもたちは「ヌルヌルしていいにおいがする」と歓声をあげながら足湯を楽しんでいた。

 このほか、神奈川区食生活等改善推進員(ヘルスメイト)による野菜の重さ当てクイズや、アイドルらによるステージライブ、新鮮野菜の直売なども催され、会場は終日にぎわいを見せた。

登壇した井手さん

かながわ福祉サービス振興会 共生社会を考えるシンポ 7月の大学校開校を記念

 「かながわ福祉大学校」の7月の開校を記念したシンポジウムが4月30日、関東学院大学横浜・関内キャンパスのテンネー記念ホールで開催された。介護・福祉に関わる人や自治体の職員など、約250人が参加した。

 シンポジウムは同大学校が目指す「地域共生社会」をテーマに行われた。講演で、慶應義塾大学経済学部教授で同大学校の校長を務める井手英策さんは、所得や地域間などの分断や経済が衰退する中、自己責任では生き辛い現代の日本の状況に触れ、互いに支え合う共生社会の実現が重要だと説いた。

 その後行われたパネルディスカッションでは、加藤憲一小田原市長や関東学院大学法学部の牧瀬稔教授、県内で福祉サービスや子育て支援に取り組むパネリストが登壇した。それぞれの経験や取り組みを発表し、これからの福祉や共生社会への意見を交わした。

 同大学校は、(公社)かながわ福祉サービス振興会が創設する。地域で活動する多様な人を対象に、地域共生社会を創造するリーダーを社会に送り出すことを目的としている。

 瀬戸恒彦理事長は「共生社会の実現には利他の精神を学び、幸せに生きるための知性を磨くことが大切。力を合わせて皆さんと一緒に新しい歩みを始めたい」と話した。

特別仕様のナンバープレートを手にする(左から)河村事務総長、高橋副大臣、山中市長

園芸博仕様のナンバー デザイン発表、7月交付

 2027年に行われる「GREEN×EXPO 2027」の開催を記念した特別仕様のナンバープレートのデザインが5月3日に発表された。

機運醸成図る

 ナンバープレートは園芸博の機運醸成を図るため、主催する公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会がデザインしたもので、ロゴマークがあしらわれている。

 申込受付は6月9日に始まり、交付は7月14日から27年11月30日まで。申し込みは、専用サイト(https://www.kibou-number.jp/)から行うことができる。料金は5月下旬に同サイトで公表される予定。新車・中古車の購入時だけでなく、現在所有している車両の車検時にも、番号を変更することなく交換が可能。「フルカラー版」と「モノトーン版」の2種類が用意されており、フルカラー版の申し込みには1千円以上の寄付が必要となる。寄付金は、園芸博の開催に関連した交通サービスの充実などに充てられる予定。

 3日の発表会には、高橋克法国土交通副大臣、同協会の河村正人事務総長、横浜市の山中竹春市長が出席。山中市長は「市の公用車もこのナンバープレートに切り替えていきたい」と述べた。

12人が立候補を表明 今夏参院選 本紙調べ

 任期満了(7月28日)に伴う夏の参議院選挙で、神奈川県選挙区(改選定数4)には本紙の調べでこれまでに現職3人、新人9人の12人が立候補の意向を示している。(5月9日起稿)

 自民党は2019年の前回改選時にトップ当選した島村大氏が23年に死去したことを受け、公募を実施。元神奈川県局長の脇雅昭氏(43)を選んだ。「県で働く中で国だからできることがあると感じた。行政のデジタル化を進めたい」と話す。

 立憲民主党の牧山弘惠氏(60)は07年に初当選し、4期目を目指す。「物価高から生活を守るための具体的な提案を行う。食料品に掛かる消費税をゼロに引き下げ、暫定税率の早期廃止でガソリン価格を25円引き下げる」と述べる。

 22年の合併選挙で欠員枠の5位で初当選し、任期が約3年だった立憲民主党の水野素子氏(55)は「物価高対策はもちろん、大学までの所得制限のない授業料無償化の推進など、未来を担う人材の育成や産業発展にも力を注ぎたい」と語る。

 13年に初当選し、現在、党女性局長を務め、3期目を目指す公明党の佐々木さやか氏(44)は「物価高克服のための減税や給付、中小企業支援などで給料アップ、全世代を守る社会保障の充実を求めていく」とコメントする。

 日本維新の会からは参議院議員秘書の千葉修平氏(52)が挑む。1999年から八王子市議を1期務め、03年から松沢成文氏の秘書を務める。「首相公選制の実現や飲食店の禁煙化などの受動喫煙対策を訴えていきたい」としている。

 共産党は党県委員会副委員長の浅賀由香氏(45)を擁立する。参院選に過去3回挑戦しており、「賃金の引き上げによる8時間働けば普通に暮らせる社会の実現や、大学をはじめとする高等教育の学費無償化を進めていきたい」と語る。

 国民民主党は元農林水産省官僚の籠島彰宏氏(36)を立てる。13年に農水省に入省し、20年から23年に経済協力開発機構へ出向していた。「日本を守るため、給料が上がる経済が必要。手取りを増やし、再び日本を強くしたい」と語る。

 れいわ新選組は元外務官僚の三好諒氏(39)を擁立する。21年に外務省を退職後、山本太郎参議院議員の秘書を務め、24年の衆院選では神奈川2区から立候補していた。「消費税廃止や社会保険料の減免などを訴えたい」と話す。

 社民党は元相模原市議の金子豊貴男氏(75)を立てる。1991年から2023年まで市議を8期務め、基地問題などに取り組んできた。「今の日本は平和を維持できるか、戦争国家に進むかの岐路に立たされている」と訴える。

 参政党は警備会社顧問の初鹿野裕樹氏(47)を立てる。警視庁に約23年間勤務し、24年衆院選で神奈川11区から出馬していた。「消費税や社会保険料を下げ、可処分所得を増やしたい。また、警察官など公安職の待遇改善を求めたい」という。

 日本改革党からはダンスインストラクターの畠山貴弘氏(45)が出馬意向。23年の南足柄市議選に立候補していた。「国民生活が苦しい中、消費税は5%にし、最終的には廃止。ガソリン暫定税率と再エネ賦課金の即刻廃止」と訴える。

 このほか1人が立候補の意向を示している。

プレゼントされる限定ステッカーのイメージ

横浜に「パウ・パトロール」 キャラ参加イベントも

 横浜市は人気アニメ「パウ・パトロール」のキャラクターがイベントに参加するなどの企画「パウっと開港月間×横浜市」を6月2日まで行っている。

 イベントを紹介するA3判二つ折のマップを用意。5万部を横浜駅や桜木町駅の観光案内所、市内商業・観光施設、区役所で配布している。

 5月24日から6月2日までの10日間は、8種類の限定ステッカーがプレゼントされるキャンペーンを実施。MARK ISみなとみらい、横浜赤レンガ倉庫など、160以上の対象店舗で指定の商品やサービスを購入した人に、横浜オリジナルデザインのステッカーがプレゼントされる。

 ほかにも、5月25日の「ハマフェスY166」や31日の「横浜開港祭」でステージショーが開催される予定。

河村事務総長(左)に目録を手渡す坂倉副会頭(横浜商工会議所提供)

横浜商工会議所 園芸博協会に314万円を寄付 ゴルフ大会で募る

 横浜商工会議所(上野孝会頭)は、2027年の「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)の開催に役立ててもらおうと、5月12日に戸塚カントリー倶楽部=旭区=でチャリティーゴルフ大会を開き、集まった314万円を公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会に寄付した。

 大会には横商や県内の商議所会員、経済団体、横浜青年会議所のメンバーなど201人が参加し、参加費の一部と特別協賛企業13社からの協賛金を寄付。大会幹事長の坂倉徹副会頭が同協会の河村正人事務総長に目録を手渡した。

 ゲストとして巨人元監督の原辰徳さんもプレー。黒岩祐治知事、山中竹春市長も来賓として来場した。

自民党 夏の選挙へ団結を確認 横浜市長選は候補者選び続く

 自民党横浜市連による政治資金パーティーが5月12日、西区のホテルで開かれた=写真=。国会議員や地方議員と支援者らが参加し、夏の参院選と直後の横浜市長選へ向けて一致団結して取り組むことが確認された。

 参院選に立候補を予定している元県局長の脇雅昭氏が決意を述べると、市連幹事長を務める山下正人市議は「参院選の結果が横浜市長選、その後にある衆院選に影響を与える」と語った。

 その後、記者団の取材に応じた山下氏は、市長選の候補者選びが続いていることを説明した上で「4年前のような分裂は避けたい」と一枚岩で臨むことを強調。独自候補を擁立するか、出馬が確実視されている現職の山中竹春市長を推すか、党内の意見を集約していく考えを示した。決断のリミットについては「6月3日の市連大会では方向性を示さないといけない」と語り、早期に結論を出したいとした。

 市長選には、これまでに青果卸「つま正」会長の小山正武氏と市議の高橋徳美氏が立候補の意思を示している。山中市長は態度を明確にしていない。

「脱炭素取組宣言」のロゴマーク

横浜市が中小企業の脱炭素化へ伴走支援開始 専門家の訪問指導など

 横浜市と公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)は5月8日、中小企業の脱炭素化を促進するための新たな2つの支援策を発表した。

 一つ目の「伴走支援」では、昨年6月に創設した「脱炭素取組宣言」制度に参加した事業者を対象に、年間80社に温室効果ガス排出量の見える化と削減計画策定を支援する。専門家が1事業者あたり原則3回の訪問指導を行う。

 二つ目の「訪問支援」では、宣言を行っていない事業者を対象に、脱炭素取組宣言制度の紹介や、排出量を可視化するセルフ診断方法のアドバイスを実施する。これは1社につき1回の訪問で年間400社の枠を設ける。

 両支援とも2026年3月まで無料提供される。申し込みはIDEC横浜のサイト(https://datsutanso.idec.or.jp)から。

 市は市内企業の99.6%を占める中小企業の取り組みが脱炭素社会実現に不可欠とし、「脱炭素取組宣言」制度を創設。すでに5千以上の事業者が参加している。今後も「知る」「測る」「減らす」の3ステップで中小企業の脱炭素経営を促進し、地域全体の脱炭素社会実現に向けた取り組みを加速させる方針だ。

 問い合わせや脱炭素に関する相談はIDEC横浜【電話】045・225・3713。

対象の生ハム(市提供)

「カルディ」で販売の生ハムからサルモネラ属菌検出 栄区の工場で製造

 横浜市は5月8日、栄区飯島町の工場で製造された生ハムからサルモネラ属菌が検出されたと発表した。生ハムはコーヒー豆や輸入食品を販売する「カルディコーヒーファーム」の店舗で販売されていたもので、運営会社は対象商品の販売を中止し、自主回収を始めた。

 横浜市保健所が4月22日に行った抜き取り検査で発覚した。対象商品は「Original 生ハム切り落とし」(内容量120グラム)。4月7日、9日、10日に製造された約2万個が店舗で販売された可能性がある。

 サルモネラ属菌は、動物の腸管や自然界に広く分布。感染すると6〜72時間の潜伏期間を経て激しい腹痛や下痢、発熱、嘔吐などの症状を引き起こす。

 市は「健康被害の情報は現時点で確認されていないが、お手元に残っている場合は食べずに返品してほしい」と呼びかける。店舗を運営するキャメル珈琲は「対象商品があれば店舗へお持ちいただくか、電話でご連絡ください」としている。問い合わせはキャメル珈琲お客様相談室フリーダイヤル0120・415・023(午前9時〜午後6時)。

セットのケーキは今井さん(上写真右端)手作り

地域カフェで一杯 #2 カフェ七島みなみ

 神奈川区内には様々な団体が運営する「地域カフェ」--住民同士のコミュニケーションの場があります。本紙記者が一杯頂きながらお話をお聞きします。



 2016年から続く「カフェ七島みなみ」。神奈川区民生委員児童委員協議会の会長を務める今井典代さんをはじめ、地域の有志が運営している。近所の人の話から、その日あった詐欺電話の中身まで、ご近所同士の茶飲み場の代わりとなっている。名物は今井さんお手製の、月替わりケーキ。この日は自家製マーマレードジャムが入ったショートケーキ。近隣企業の事務員にも「差し入れ」されている逸品だ。

「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」を務める高橋優斗さん  【プロフィール】1999年11月15日、横浜市出身。2015年から芸能事務所に所属し、テレビや舞台、コンサートなどで幅広く活動。2024年に芸能事務所を退所し、YX factory株式会社(現 横浜バニラ株式会社)を設立、代表取締役社長CEOに就任。スタートアップ起業家として、横浜発ギフトスイーツ「横浜バニラ」ブランドを展開する。

横浜「注目の人」インタビュー 「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」高橋優斗さん 大好きな横浜に新しい風吹き込む

 馬車道、関内、山下公園、横浜中華街、元町・山手の横浜ベイエリアで5月24、25日に開催されるイベント「ハマフェスY166」。複数の会場で音楽や食などが楽しめるこのイベントの「次世代ブランドディレクター」に就任したのが横浜市出身で横浜バニラ株式会社の代表取締役社長CEOを務める高橋優斗さん(25)。15歳から芸能活動を行っていた高橋さんは、2024年にギフトスイーツを手掛ける会社を設立。第1弾商品の「塩バニラフィナンシェ」が人気を集めている。横浜への愛着が強い高橋さんに「ハマフェス」への思いや起業のきっかけなどを聞いた。(取材=2025年4月17日)

◇ ◇ ◇

――今回、「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」に就任しました。意気込みを教えて下さい。

「実は昨年のハマフェスには、一人の市民として遊びに来ていました。今回、横浜を代表する多くの企業が力を合わせて盛り上げるという、歴史あるイベントに参加させていただけることをうれしく思っています。若い人に来ていただけるようなイベントにするという実行委員会の思いがあり、私に声がかかったという認識です。このイベントをさらに進化させたいと考えているので、今回がその第一歩だと感じていただければと思っています。15歳から芸能活動を始め、東京を拠点にしていたので、これまでは横浜の方とお会いする機会があまりありませんでした。横浜はとても好きな街なので、盛り上げたいと思うと同時に、今回、若い世代として大きなイベントに参加させていただけることを光栄に感じています。先日、実行委員会の会議に出たのですが、横浜の地域や企業の重鎮ばかりでした(笑)」

――「ハマフェスY166」へ向けて、具体的にどのような活動をしていますか。

「すでに企画を進めている大学生との話し合いに参加しています。今回は時間が限られていたので、間に合わなかったものが多くありました。今回は自分が表に出るパフォーマンスはありませんが、横浜は『音楽の街』と感じるので、来年以降は、音楽をテーマにした企画を行えたらといいなと考えています。『ハマフェス』に長期的に関わっていきたいと思うので、『Y170』あるいは『Y200』まで関われるようにしたいです」

――これまでの活動から横浜への愛着を感じます。横浜の中で思い出の場所はどこですか。

「大さん橋や赤レンガ倉庫の風景は、辛い時の自分を支えてくれた場所です」

――始球式に4年連続で参加するなど、横浜DeNAベイスターズの大ファンとしても知られています。

「昨年、生まれて初めてベイスターズの日本一を見て、どうしたらいいか分からなくて、とにかく涙が出ました。ベイスターズは横浜の象徴ですし、ほぼ毎日試合を見ています。同世代の選手が次々と活躍する中、度会(わたらい)隆輝選手に注目しています。チームを明るくしてくれる存在ですね」

「強いオーナーシップを持った人間になりたい」

――2024年10月に会社を設立しました。以前から経営に興味があったのでしょうか。

「以前からありました。漠然とですが、18、19歳ぐらいの頃から、40、50歳ぐらいには自分の会社を持つことを経験したいとは思っていました。芸能活動は波があり、その中で生きていくこと、永遠にそこにいることは難しいだろうと思っていましたし、世の中のことを知らなすぎると痛感しました。この業界でなくなると、生きていけないのではと感じてしまうような、少し特殊なところでもありました。芸能の仕事をする中で企業の皆さんにお会いする機会が多く、自分の会社やチームを持っている方は、いろいろな波を乗り越えていて強いと感じましたし、その力に憧れというか、何か惹かれるものがありました。『生きる力がすごいな』と思い、そこに魅力を感じました。強いオーナーシップを持った人間になりたいと思い、さまざまなタイミングが重なって起業しました」

――地元の横浜で起業したのは、どういった思いからですか。

「まず会社を作る時、自分が大好きなものから始めたいと思い、野球やアニメとともに大好きな横浜を選びました。横浜は仕事で帰ってくる機会も多かったですし、地元の友達との思い出や青春、そして家族との温かい思い出がたくさん詰まっている場所でした。横浜出身であることに自信もありました。とても愛着があったからこそ、横浜をもっと魅力的な場所にしたいと思い、会社を立ち上げました」

――社名の「横浜バニラ」に込められた思いを教えて下さい。

「最初は『YX factory(ワイテンファクトリー)』という名前で立ち上げました。『横浜から10年後を作る』、『横浜のさまざまな可能性を掛け合わせて作っていく』という意味を込めていました。横浜が軸足ということで、そこから社名を『横浜バニラ』にしました。我々が手掛ける『横浜バニラ』というブランドを圧倒的な軸として、100年後まで続くおみやげにしたいと思っています」

「開国博Y150」の思い出からアイスに

――バニラに着目したのはどうしてですか。

「小学4年生だった2009年、家族で横浜開港150周年のイベント『開国博Y150』に行き、ペリー来航の歴史などと一緒に横浜発祥のものが紹介される企画を見ました。そこにアイスクリン(現在のアイスクリームの原型とされるもの)の製造機械があり、アイスが特別好きだったというわけではないのですが、そのことがとても強く印象に残っていました。歴史もありながら若い世代も楽しめるようなおみやげ作りにいろいろ悩んでいたところ、横浜発祥のアイスクリームのことを思い出し、『アイスクリームといえば、バニラだろう』となりました。日本アイスクリーム協会が調べた好きなアイスクリームの味ランキングでもバニラは1位で、感覚的にも多くの人が連想するものがバニラでした。社名の『横浜バニラ』は直感で決めましたが、覚えやすくて良かったと思います」

――社長としての仕事と芸能活動、どのように違いを感じますか。

「全然違いますね。やっぱり一つ一つの決断の重みが違うというか、会社を立ち上げたばかりなので、それは痛感します。例えば、『この量発注していいのか』とか、大きなお金が動くことですし、かなりシビアです。少しうまくいっているなと思うとトラブルが起きたりして。でも、それが当たり前だと感じるようになりました。より責任が求められるという感じです。自分がやりたいと考えたことに対し、社員についてきてもらうことになるので、すごく慎重になりながらも、決断して進めています。とにかく、決めるということが多いですね」

――「横浜バニラ」ブランドの第1弾商品となった「塩バニラフィナンシェ」は、2025年2月22日に販売を始め、「12時間で販売されたフィナンシェの最多個数世界No.1」としてギネス世界記録に認定されました。この商品もご自身のアイデアですか。

「まずやりたかったのは、バニラ味のお菓子でした。アイデアを何とか形にしてくれる仲間が多くいるので実現できました。経営者として、僕自身も反省する分、相手からいろいろなことを聞くと『これ違うんじゃないですか?』とどんどん言いたくなってきましたね。それを反復している感じです。社内でも、アイデアや『これをやりたい』っていうことが多いですね。意味の分からないことも言うので、そうすると周りに止められます(笑)」

――「塩バニラフィナンシェ」は横浜の高島屋やそごう、ジョイナス、新横浜駅構内などでも販売され、大人気商品となっています。

「おかげさまで大きな反響をいただいています。生産が追い付かない状況で、近々改善する見込みです。残念ながら、ハマフェス会場での販売はないのですか、すでに幅広い世代の方に手に取っていただき、とてもありがたいです。そこは目指しているところなので、忘れずに着実にやっていきたいと思っています」

――次の商品は考えていますか。

「考えています。バニラを起点に広げていくという強い思いを持っていて、すでに進めているものがあります」

――アニメが好きとのことですが、推しの作品はありますか。

「たくさんありますね。 『薬屋のひとりごと』は本当に面白いです。あと、『わたしの幸せな結婚』も。1クール前は 『Re:ゼロから始める異世界生活』や『アオのハコ』がやっていて、もう毎週見るものがある『神』みたいな状態でした。最近になって、『ONE PIECE(ワンピース)』が面白いなと。原点にして頂点なのかもしれないですね。『ワンピース』って溜めて見たくなる時があるじゃないですか。僕は溜める派なんですよ。たまにネタバレをくらうのですが(笑)。限定パッケージとか、アニメとコラボした商品開発もやってみたいですね」

センチメンタルな気分になる赤レンガ

――今後、関わってみたい横浜のスポットやイベントはありますか。

「赤レンガ倉庫では年中、イベントが行われていますよね。特にクリスマスの時期のイベントは印象的なので、そこに関われたらうれしいです。疲れた時に赤レンガへ行くと、幸せそうな家族が散歩しているんですよ。海からの浜風を感じながらそれを見ると、どこかセンチメンタルな気分になりますね」

――最後に「ハマフェスY166」を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

「若い世代にどれだけ来てもらえるかが、今後のハマフェスの大きなテーマとなります。歴史もありつつ、進化するのが横浜らしいイベントだと思うので、その一歩目となるハマフェスY166に来ていただければと思います」