中原区版【5月30日(金)号】
「地域と住民たちのために力を合わせて頑張りたい」と力を込める松尾代表理事(左)と有馬さん

武蔵小杉エリマネ 体制一新、課題解決へ 一部業務を外部に委託

 武蔵小杉エリアに建つタワーマンションの自治会的な役割を担うために組織された(一社)武蔵小杉エリアマネジメント(通称エリマネ/松尾寛代表理事)が今春から体制を一新。一部業務を外部委託し、住民間の連携や災害対応など、課題解決に向け再始動した。

 「エリマネ」は高層マンションが計画された2007年に川崎市主導で組織された。現在14棟のマンション入居者およそ7500世帯を対象に、住民がボランティアで運営。これまでコスギフェスタなどのイベント、行政や商店街、周辺町会など各団体との橋渡し役も担ってきた。

 コロナ禍に減少した会員が自粛期間を経ても伸び悩んでいる上、多岐にわたる活動で事務局の負担は増え、理事の高齢化や後継者不足も課題に。松尾代表理事は「2年ほど前からエリマネを『持続可能な組織』とするため解決策を探ってきた」という。昨年開いた総会から協議を重ね、事務局機能はそのままに業務を分担することを決議。地域のにぎわい創出を目的としたプロジェクト「武蔵小杉エリアプラットフォーム」の窓口業務を地元企業に移譲。また、住民間のコミュニティーや防災分野については地域コミュニティーアプリの開発・運営を手掛け、地域社会の課題解決を目指すPIAZZA(株)(東京都中央区)に4月から業務委託している。

負担減で顔ぶれも一新

 エリマネ事務局の抱える負担が減ったことで、30代から50代の4人が新たに理事に名乗りを上げるという効果も早速表れた。松尾代表理事は「自分も75歳になったし、他の理事たちの平均年齢も上がってきている。今までエリマネの活動に関心がありながら、参加することができなかった現役世代が加わったことは大きい」と語る。

 業務を委託されたPIAZZA(株)が目指すのは、地域に特化したアプリを使った住民間のコミュニティーづくりをはじめ、防災情報の共有など地域で暮らす人々が集まるプラットフォームの構築。防災に関しては同社が実施した「地域の防災・災害対策アンケート」の調査結果を生かして、体制づくりを検討していくという。課題として懸念される運営費については、各マンションに設置されたデジタルサイネージや、住民の協力を得て行うマンション住民向けのポスティングなどを具体策に上げて収益化を狙うという。

 同社まちづくり事業部エリアマネジメントチームのリーダー、有間旬治さん(36)は「エリマネを持続可能な組織とするためにもコンサル的な立場ではなく、住民の方々と並走して一緒に考えていきたい」と話す。

アプリで地域情報を発信

市社協×NEC 自治会活動、アプリで支援 情報等を発信、加入促進へ

 川崎市社会福祉協議会は、NECと協働して地域活性化応援アプリ「まちくるみ」の実証実験を中原区内の町内会自治会で行っている。同アプリは、町内会・自治会への加入促進、若年層の参画が目的で、地域情報や店舗のクーポンを発信。実証実験は今年9月末までを予定しており、参加自治会や情報、クーポンの発信を増やしていく意向を示す。将来的には全市でのアプリ活用を展開していきたい考えだ。

 今回の実証実験は、市社協とNECが2023年7月にパートナーシップ協定を結び、町内会・自治会の支援について検討していたことがきっかけ。市内648の自治会・町内会に運営状況についてアンケート調査を実施。その中で、町内会・自治会への加入率の低下、役員の高齢化・負担増が課題として挙がった。そこで若年層の自治会・町内会に関心を持ってもらうと同時に、加入を促進するため、デジタル技術を活用して情報発信を行い、地域クーポンを使って地域振興ができないかと、アプリを使った実証実験が今年1月から中原区内でスタートした。

 今回、使用されるアプリ「まちくるみ」は、自治体が提供する情報や行政サービスを提供するNECのアプリ「住民ポータルサービス」をもとに、川崎市の自治会・町内会向けに同社が開発したオリジナルのもの。ユーザーの所属する自治会の情報に加え、中原区役所や社協などの関係機関の情報を配信しており、5月からは区内商店街加盟店のクーポンを発行している。また、会員向けにアンケートを実施する機能も付いている。

 現在、実証実験に参加しているのは、区内8自治会・町内会、5商店街で、アプリユーザー数は約200人(5月21日時点)。参加自治会・町内会には、アプリのダウンロードや登録方法をはじめとしたサポートを行っており、参加している自治会・町内会からは「アプリのサポートをしてくれるのがありがたい」「他の町内会の取り組みを知ることができる」などの声が上がっているという。

 NECの担当者は、今後自治会等の支援のための機能拡充も検討しており、「参加自治会、情報発信してくれる団体、クーポンを発行してくれる店舗を増やしていくことで、若年層への効果を検証していきたい」と話している。社協の担当者は「アプリを周知し、これまで自治会などへの接点が少ない世代が自治会のことを知り、参加する機会になってほしい。検証結果次第で、ゆくゆくは全市に展開できれば」と期待を寄せる。

ソムリエの競技会で優勝し、6月にフランスで開催されるイベントに参加する 三竹 桃果さん 多摩区出身 25歳

武器磨き、挑戦重ねる

 ○…ホテルで働く上での武器を身に付けようと、ソムリエの資格を取得。合格からわずか1年、国内の優秀な人材を見出す競技会で優勝をつかんだ。6月にフランスで行われる各国の優勝者が集うイベントへの参加権獲得に、「とても光栄。自分にとってプラスになる」と目を輝かせる。「もっと勉強しないとと、自分自身を追い込めていることもこの挑戦で得たことの一つ」と凛とした表情で語る。

 ○…ナシや野菜を育てる農家に生まれる。現在はホテル虎ノ門ヒルズで、専属ソムリエとして、多くの客をもてなす。接客業に就いたきっかけは、地元・多摩区内のカフェやレストランでのアルバイト経験。フレンドリーな雰囲気の中、人と会話する楽しさを学ぶ一方、より高いレベルでのサービス提供に努めたいという気持ちが芽生え、ホテル内レストランへの就職を叶えた。

 ○…大学ではアカペラサークルに所属し、仲間たちと音を紡いだ。そんな日常を襲ったのがコロナ。思うように練習ができず仲間も減っていく日々で、一筋の光となったのが人気アカペラ番組への出場だ。女声6人チームのベース担当として、大舞台に立った。「大学生の過ごし方は人それぞれ。皆同じ熱量だったからこそ、同じ時間を共有しあえた」と青春の日々を振り返る。

 ○…海外での勤務や国際的な資格の取得を視野に入れ、時間があれば日々勉強。膨大な知識を必要とするため、インプットを重ねる毎日だ。「農業のような勉強もする。子どもの頃の自分に言っても信じないと思う」といたずらっぽく笑う。今後は趣味のイラストとかけ合わせ、ワインの魅力を新たな形で発信する夢も描く。「妥協はしたくない。今に満足せず上を目指していく」

市内で一斉に清掃=写真は過去

二ヶ領用水を清掃しよう 6月1日 区内は2カ所

 二ヶ領用水クリーンアップ協議会が主催する二ヶ領用水一斉清掃が6月1日(日)に開催される。午前9時から10時30分。小雨決行。

 川崎市内のほぼ全域を流れる総延長32Kmの神奈川県下で最も古い人工用水である二ヶ領用水。毎年恒例となっているこの清掃活動は、各区で一斉に行われている。中原区は、コスギアイハグ前広場、白田橋が集合場所に。手ぶらでの参加可。

 申込みは、二次元コードから。問い合わせはNPO法人多摩川エコミュージアム【メール】npo@tama-eco.com。

円筒分水の中や周囲を清掃する児童ら

東住吉小 円筒分水を清掃 6年生83人、力合わせ

 市立東住吉小学校(木月住吉町)の6年生83人が5月26日、総合学習の一環として二ヶ領用水久地円筒分水(高津区)の清掃活動を行った。

 学校近くを流れる二ヶ領用水について、4年生のときから継続して学習してきた児童。昨年12月、1998年に国登録有形文化財に指定された円筒分水を見学した際に、市民団体・久地円筒分水サポートクラブがボランティアで清掃活動していることを知り、手伝いを申し出て実現した。当日はクラスごとに分かれ、同クラブメンバーのアドバイスを受け、周囲にある雑草や菜の花の種取りなどを実施。クラスの代表者が円筒分水の中に入り、水の流れをよくするために泥をブラシで押し出した。円筒分水の清掃を体験した安藤陽逢さんは「力のいる作業で大変だったけど、泥がなくなってすっきりした」と笑顔で額の汗をぬぐった。池田幸子教諭は「団体の皆さんのおかげで、児童たちに文化財の清掃活動という貴重な経験をさせていただいた」と感謝した。

 同クラブ代表の神谷憲一さんは「通常は立ち入ることができない円筒分水の中で、子どもたちが身近にある文化財に触れる機会になってよかった」と思いを口にした。

オカリナなどの演奏も企画=写真は過去

核廃絶へ「市民のつどい」 6月1日 川崎市平和館

 川崎市の核兵器廃絶平和都市宣言を記念した恒例の「平和をきずく市民のつどい」が6月1日(日)に川崎市平和館(木月住吉町33の1)で開催される。午前10時から午後3時。参加費無料。同実行委員会主催。

 1982年6月8日に政令指定都市で初めて川崎市が宣言した「核兵器廃絶平和都市」。以降、この日を記念して毎年企画され、今回で43回目。

 今年は、日本原水爆被害者団体協議会の濱住治郎さんを招き、「『ノーベル平和賞受賞』とこれからの核兵器廃絶運動」について記念講演を行う。そのほかにも学童パフォーマンス「オカリナ」、朗読の会「りんどう」、合唱団「いちばん星」のステージ、「川崎・中原の空襲・戦災を記録する会」「みやまえ・東部62部隊を語り継ぐ会」などの展示、模擬店が出店される。

 問い合わせは、同実行委員会(柴田昇さん)【電話】090・1458・3102。

川崎市長選 10月26日投開票に

 川崎市選挙管理委員会は5月12日、任期満了に伴う川崎市長選挙を、10月12日(日)告示、26日(日)投開票の日程で行うことを決定し、同日発表した。

 福田紀彦市長は今年11月18日に任期満了を迎える。2021年10月31日に行われた前回の市長選は、衆院選と同日選となり、投票率は57・66%で前回比5・36ポイント増。中原区旧10区(小杉地区、住吉地区の一部、玉川地区、丸子地区)は60・25%、中原区旧18区は(大戸地区、住吉地区の一部)は58・76%だった。川崎市の選挙人名簿登録者数は3月3日現在で127万1896人。

バザーに参加したメンバー

ソロプチ川崎 被災地支援へ32万円 バザーの収益金を寄付

 女性による奉仕団体、国際ソロプチミスト川崎が5月24日、こすぎコアパークで国内外災害支援チャリティバザーを行った。収益金32万4300円は、全てミャンマー地震と能登半島地震の被災者へ寄付される。

 当日参加したメンバーは約20人。開始前から列ができ、多くの人が訪れにぎわった。メンバーが提供した洋服や小物、雑貨をはじめ、米、野菜、花などを格安価格で販売。訪れた人たちからは「安く提供してくれてうれしい」「購入することで被災地に協力したい」という声が上がった。

 国際ソロプチミスト川崎・渡邉葉子会長は「少しでも被災した方たちの力になりたいという思いで活動している。一日も早い復興を願っています」と思いを込めた。

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コアパークがレモン一色に

 武蔵小杉駅前のこすぎコアパークで「レモンフェスティバル2025」が5月30日(金)から6月1日(日)に開催される。主催はDotDeli(株)(横浜市)。

 会場にはレモンを使ったドリンクやフードなどが並ぶ。レモンをかじって表情に出ないかチャレンジする「無表情レモン選手権」、重量測定チャレンジなどの企画もあり。開催時間等の詳細は公式ウェブサイト(https://lemon-fes.com/)。

江川せせらぎ遊歩道 アジサイの花の饗宴 道行く人を楽しませる

 日本気象協会が発表した梅雨入り予想によると、関東甲信は6月上旬で平年並みになるという。武蔵新城駅の南口から続く約2・5Kmの江川せせらぎ遊歩道の終点、江川ポンプ場前に梅雨の訪れを感じさせるように色鮮やかなアジサイの花が咲き、道行く人々の目を楽しませている(5月23日時点)。

 下水道整備により河川としての役割を終えた江川の跡地を利用した同所。「湧水の小路」「桜のプロムナード」などの8つのエリアに分かれ、テーマごとに植物が配置されて風景を眺めながら散歩が楽しめる水と緑が豊かな遊歩道だ。川ではコイが泳ぎ、カモがくつろいでいる姿も見られる。ベンチで休んでいた女性は「緑に囲まれた中で、静かに流れる水の心地よい音に耳を澄ませていた。区民にとって身近にある憩いのスポットですね」と笑顔を見せた。

 梅雨入り前の貴重な晴れ間が続く間が、散策の機会となりそうだ。

標語「歯みがきで 丈夫な体の 基礎づくり」

 「歯と口の健康週間」が6月4日(水)から10日(火)まで行われる。歯と口の健康週間が6月4日からになったのは、昭和初期に日本歯科医師会が「6(む)4(し)」にちなんで、「虫歯予防デー」としたのが始まり。その後、「口腔衛生週間」や「口腔衛生強調運動」と名称が変わり、2013年から現在の「歯と口の健康週間」になった。

 今年度の目標は「心と体を支える歯と口の健康づくり」。関係団体は「歯みがきで 丈夫な体の 基礎づくり」を標語に、乳幼児期から高齢期まですべてのライフステージで歯と口の健康に関する正しい知識を啓発し、適切なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアを推進する。

お口の健康フェア

 歯と口の健康週間に合わせ、歯科保健知識の普及・啓発を目的としたイベントが6月1日(日)、川崎アゼリアサンライト広場(川崎駅直結)で開催される。時間は正午から午後3時まで。

 「お口の健康フェア2025〜心身を強くする大事な口腔ケア〜」と銘打った同イベントに参加するのは、共催する川崎市と市歯科医師会のほか、市薬剤師会、市歯科技工士会、市栄養士会、市食生活改善推進員連絡協議会、新東京歯科衛生士学校の7団体。

 会場では、各参加団体のブースや健康測定・歯科相談コーナーなどがあり、さまざまな角度から歯と口の健康について知ることができる。また、健康な歯を持つ人を表彰する「歯っぴい家族コンクール」などの表彰式も午前11時から実施される予定となっている。

 参加無料、申し込み不要。問合せは市歯科医師会【電話】044・819・4494、市健康福祉局歯科保健政策担当【電話】044・201・3182。

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市長に要請書を手渡す高橋会長(左)

福田市長に4選出馬要請 政治団体「先を読んだ市政評価」

 今年10月26日に投開票される川崎市長選挙に向け、市内各団体の代表者らによる政治団体「川崎の発展を考える会」が5月21日、現職の福田紀彦市長に4選への出馬要請を申し入れた。

 市長室を訪れ出馬要請書を手渡した同会の高橋章会長は「3期12年の実績、川崎の発展を考え先を読んだ市政を評価している」とし、市政運営の続投を求めた。福田市長は「市内を代表する各界の方からのご評価は素直に嬉しく、思いは受け止める」としつつ、「課題は山積しており重責」と話し、今後の議会で意思を示す考えを伝えた。

要請は「満場一致」

 同会は2017年に設立し、福田市長に出馬要請するのは同年と21年に続き3回目。現在は約200人が加盟し、4月の総会では、経済や教育改革など市政全般で評価する声が上がり、出馬要請は「満場一致だった」という。同会事務局顧問で元副市長の砂田慎治氏は「軌道修正する必要はないとの判断。市民市長を掲げているため、政党色のない団体が動くことが必要」と説明。多選批判については「弊害がないとはいえないが、議論はなかった」とした。

 当日は神奈川県宅建政治連盟の川崎3地区連盟も、「功績は顕著」とし出馬要請書を手渡した。

収穫体験する子ども

「農業と畜産の祭典」盛況 等々力緑地に多くの人出

 川崎市内の農業と畜産の魅力を発信するイベントが5月18日、等々力緑地で開催された。主催はJAセレサ川崎と川崎市からなる、かわさき農業フェスタ実行委員会。

 半世紀にわたり親しまれてきた「花と緑の市民フェア」が体験型イベント「かわさき農業フェスタ」に生まれ変わった。会場には多くの親子の姿が見られ、市内産の農産物「かわさきそだち」の販売や収穫体験、イチゴ釣りなどを楽しむ子どもたちの歓声が聞かれた。同時開催された「川崎市畜産まつり」では、羊の毛刈り体験やポニーの乗馬、搾乳疑似体験などが行われた。

 JAの担当者は「組合員と一体となって川崎の農業の魅力を発信できた。地域の皆さまに川崎の農業を身近な存在として感じていただき、私たちの活動が未来の農業を支える基盤となればうれしい」と話した。

献血を呼び掛けたメンバー

献血に55人が協力 川崎中原LC

 川崎中原ライオンズクラブ(鳥海信明会長)は5月24日、メンバーら5人が参加して東急武蔵小杉駅東口近くで献血活動を行った。輸血に必要な血液が不足する中、赤十字血液センターと連携し、駅前の通行人らに協力を呼び掛けた。

 当日は感染症対策を徹底し、55人が受付。基準を満たした51人が採血した。採血量は2万ミリリットル(200ミリリットル2人、400ミリリットル49人)。鳥海会長は「クラブにとって大事な社会貢献活動の一つ。今後もメンバーと力を合わせ、継続して取り組んでいきたい」と思いを込めた。

親子で浴衣を着付けよう 6月21日(土)・7月5日(土)

 小中学生とその保護者を対象にした「親子で楽しむ浴衣着付け体験」教室が、中原市民館(和室)で開催される。日時は、6月21日(土)(午前9時から正午)と、7月5日(土)(午後1時から5時)の全2回。主催は、NPO法人日本きものと文化歴史研究会(原修一理事長)。

 当日は、浴衣のほか小物類を持参、ない場合は各種レンタル(500円〜)も可能。参加希望者は、名前(親子共)、年齢、参加希望日、保護者連絡先、レンタルの有無がわかるよう、電話かショートメールで申し込み。締切は6月14日(土)。参加費は無料で、先着20人(10組)まで。原理事長は「夏祭りに合わせて着付けを体験してほしい」と参加を呼び掛ける。

 同教室の申し込み・問い合わせは同研究会(相崎さん)【電話】090・4017・5950。
山田館長(右)とめいじろう=平和教育登戸研究所資料館提供

登戸研究所資料館 明治大学 来館者10万人達成 山田館長らが祝福

 今年で開館15周年を迎えた明治大学平和教育登戸研究所資料館(多摩区)の来館者が、10万人を突破した。10万人目は都内の私立高校に通う男子高校生だった。

 明治大学平和教育登戸研究所資料館は、戦時中に旧日本陸軍が偽札や化学兵器などの秘密兵器を研究・製造していた「登戸研究所」の史実を伝える施設として、2010年に開館した。

 来館者が10万人に達したのは5月16日。前日の15日に9万9995人となったため、スタッフらは「明日で達成する」と確信。16日は開館前から山田朗館長や大学の公式キャラクター「めいじろう」もスタンバイし、来館者を迎えた。

 午前10時の開館と同時に来場したのは、校外平和学習のために訪れた都内の私立高校の生徒たちだった。スタッフは間違えないよう、来館者一人一人にパンフレットを手渡し、16日の「5人目」の分にあらかじめ付箋を貼っていた。

 「おめでとうございます。10万人目です」

 スタッフが祝福すると、男子生徒は驚いた様子だったが、山田館長と「めいじろう」が「祝来館者10万人達成」と書いたパネルを手に登場すると、状況を理解し、笑顔を見せたという。

 登戸研究所が手掛けた兵器の一つに「風船爆弾」があるが、昨年11月から続く企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争-」が好評という。昨年5月、風船爆弾をモチーフにした小説が発売されヒットした影響もあり、来館者が明らかに増加したという。2023年11月の9万人達成から1年半で10万人達成となった。

 山田館長は「これからも戦争と平和について多角的に、わかりやすく伝えていきたい」とコメントした。

陳謝する水野氏

参院選 立民・水野氏が不出馬表明 パワハラ報道で陳謝

 今夏の参院選神奈川選挙区からの出馬を表明していた立憲民主党の水野素子参議院議員が5月21日、立候補辞退の会見を開いた。

 週刊誌でパワハラ疑惑が報じられた水野氏。「不快な思いをされた方に深くお詫びする」と陳謝する一方で、「事実誤認や誇張がある」とも述べた。今後については「今は残りの任期を全力で全うしたい」とした。

岡村三郎氏

参院選 無所属・岡村氏 出馬へ 75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

プログラムは各種用意

市社協 夏休みにチャレボラ体験 参加無料「自分の成長に」

 川崎市社会福祉協議会などが主催する「夏休み福祉・チャレンジボランティア体験学習(チャレボラ)」が、7月20日(日)から8月21日(木)まで開催される。参加費無料。

 市内在住・在学の小学生から大学生までが対象。子どもや高齢者、障害のある人との触れ合いなど、参加したいプログラムを選んで体験ができる。担当者は「夏の思い出に残る体験を通し、自分の成長につなげてみませんか」と呼び掛ける。

 申し込みは6月2日(月)午前9時から。先着順で定員になり次第終了。詳細は二次元コードから。(問)同協議会ボランティア活動振興センター【電話】044・739・8718

風船を飛ばす手順を示す小川さん

戦後80年 戦禍の記憶【4】 宮前区在住 小川辰夫さん(97) 「風船爆弾で勝てるわけねえ」 「唯一の兵器」に祝杯も

 志願して旧日本陸軍の秘密戦研究施設「登戸研究所」で働いた。当時まだ16歳。働き始めの仕事は旋盤工だったが、ある時から同世代の少年たちと特別なミッションを任された。「風船爆弾」の試験飛行だった。

 「体が丈夫なやつ6人が千葉の一宮海岸に集められてね。でっかい風船を砂浜まで運んで、膨らませて。そいつをアメリカまで飛ばすんだって言われてね」

 化学兵器や偽札などと同様、風船爆弾は、登戸研究所で研究開発された日本陸軍の秘密兵器だった。「兵器」と言っても、和紙にコンニャクを塗り付けて仕立てた直径約10mの風船に、爆弾を仕込んだものだ。1944年11月から45年4月まで、計9300発をアメリカに向けて飛ばしたと言われている。

 小川さんたちは、その巨大風船が太平洋を渡りアメリカに到達するのかどうかを調べる「試験チーム」だった。車で運ばれてくる風船を数人がかりで砂浜まで運び、ボンベを使って膨らませ、はしごに乗って穴がないかどうかを点検。「穴一つ見つけるとサツマイモ1本もらえたよ。あれは愉快だったな」。1日に飛ばした風船は4個から5個程度。風船はぐんぐん高度を上げ、太平洋へと向かっていった。

 風船がアメリカに到着したことが確認されると、軍の幹部が海岸の街にやってきた。旅館の一室で幹部は言った。「風船爆弾は、わが国がアメリカを攻撃できる唯一の兵器だ」。大人たちは祝杯を挙げたが、「こんなもんで勝てるわけがねえ」と思ったという。「それから終戦まで、あっという間だったな」

 終戦の1週間ほど前、研究所では「証拠隠滅命令」を受けて大忙しだった。作業に追われながら「日本は負けたんだな」と確信したという。

 敗戦の年の12月、フィリピンなど熾烈(しれつ)な戦地を転戦した小川家の長男が復員した。やせ細り、ひどい身なりで自宅に現れた時、家族も「どこの乞食だ」と気付かないほどの形相だった。当時の兄の姿を思うたび、「涙が出るんだよ」と言葉を詰まらせる。「兄貴は戦争のことをほとんど話さなかった。戦争なんて、二度とやっちゃいけねえよ」

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 今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。
会期が延長された企画展のチラシ

企画展「女の子たちの戦争」 登戸研究所 好評につき会期延長 「風船爆弾」注目集まる

 明治大学生田キャンパスにある平和教育登戸研究所資料館で開催中の企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争-」が好評につき、会期が3カ月延長されることが決まった。5月31日(土)で終了の予定だったが、8月30日(土)までとなった。

 今回の企画展は旧日本陸軍が「決戦兵器」と位置付け、1944年から45年にかけて登戸研究所で全力を挙げて研究開発していた「風船爆弾」について、風船づくりのために各地で動員された女学生たちの証言を交え、作戦計画の経緯からその顛末までを詳しく解説している。

 昨年11月20日に始まり、会期は半年間の予定だったが、市内外から来館者が絶えず外国人も増えるなど、予想外の反響が続いているという。昨年5月に発売された小林エリカさんの小説「女の子たち風船爆弾をつくる」(文藝春秋)が毎日出版文化賞を受賞するなど広く注目を集めたことで、作品で描かれた「風船爆弾」への関心も高まったようだ。

 山田朗館長による展示解説も追加で4回、開催される(要予約)。日曜〜火曜休館。問い合わせは資料館【電話】044・934・7993。

総務委員会の災害時対応訓練(議会事務局提供)

委員会のオンライン開催 川崎市議会 育児や介護等に拡大

 川崎市議会は、新型コロナのまん延と大規模災害が発生した場合に限って認めていた委員会のオンライン開催要件を、妊娠や育児、介護等にも拡大し、4月1日から運用を開始した。

 今年3月19日の本会議で「川崎市議会委員会条例」の改正案を議決。妊娠や育児、介護やけがなどのやむを得ない理由がある場合、常任委員会に市議がオンラインで出席できる。

 これまでは新型コロナウイルスなど重大な感染症のまん延防止のためか、大規模災害の発生時に限り、常任委員会へのオンラインでの出席が認められていた。しかし2023年2月7日付の総務省通知で、「育児・介護等の事由をはじめ、具体的にどのような場合にオンラインによる方法で出席を可能とするかは、各団体において判断される」ことが示された。

 さらに市議会では昨春に発足の「女性議員ネットワーク会議」がオンライン開催の拡大を求める政策提言をまとめ、昨夏に正副議長に提出。これを受けて各会派による「検討プロジェクト」を立ち上げ、話し合いを続けていた。

 「女性議員ネットワーク会議」の会長を務める山田瑛理市議(川崎区)は、子育て中の議員が子どもの発熱などで委員会を欠席する場合など、「オンラインなら出席できるはず」と考えていたという。運用拡大について、「提案を議会全体で後押しして頂けた。子育て世代や介護中の議員にとって選択肢が増え、家庭と政治活動を両立する環境がさらに整ったと思う」と喜びを語った。

パブリックビューイングの案内イメージ

GO!GO!!フロンターレ

一緒に試合観戦だわん!

 サッカーJ1・川崎フロンターレは5月31日(土)、愛犬と一緒に試合観戦ができるパブリックビューイングを、U等々力で開催する。

 試合は明治安田J1リーグ第19節 サンフレッチェ広島戦(アウェイ)。午後5時30分キックオフ。全国でペットショップを展開する、ペットプラスの協力のもと、愛犬と一緒に観戦できる特別エリアを用意。家族や友人と、アットホームな雰囲気で観戦を楽しめる。

 ほかにも特別企画として、愛犬向けのグッズ販売や、思い出の一枚を撮ることができる記念撮影スポットを設置。散歩体験では、広々としたスタジアムのトラックを、リードをつけて一緒に歩くことができる。

 入場無料。午後4時半開場。雨天決行。愛犬同伴の場合の観戦エリアは、バックスタンド北側となる。おむつの着用のほか、初年度ワクチンプログラムと狂犬病予防接種が済んでいることが参加条件。詳細は同スタジアム【電話】044・722・0303。

画像はいずれも川崎フロンターレ