町田版【6月5日(木)号】
「町田の特産物にしたい」と話す白タマネギを掲げる松井さん

森野在住松井さん 「誰もが農業」仕組みづくり 次世代へ可能性示す

 森野在住の松井優一さん=人物風土記で紹介=が誰もが農業に取り組める仕組みづくりを進めている。最先端の技術を用いて効率的な農業を実践し、次世代が取り組みやすい前例をつくっていきたいとしている。

 「私たちの食を支える農家が減っていることに危機感を覚えたんです」。そう話す松井さんが町田を拠点に取り組みを始めたのは2021年。農業に関わる仕事に就くなか、高齢となった農家が廃業してしまう姿を目にする機会が増えたことがきっかけだった。後を継がせないのは「稼げないから」という理由であることが多いと耳にし、農業を大学院まで学び、仕事で関わってきた者として、「そんなことはない」という思いが高まっていくように。自ら農業で稼ぎ暮らしていけることを示したいと考えた。

 そして、その実践の場に選んだのは生まれ育った町田。農作物産出額、耕地面積が共に国内最下位である東京で「都市型農業」として成功事例をつくることができれば、誰もが取り組めるものとして農業をより示すことができると思ったという。

 上小山田町の畑を借りると1年間で2度の収穫期を迎えることができる二毛作をスタート。電動草刈り機や生産管理システムなどを用いて、ブルーベリーやサツマイモ、タマネギの栽培を始め、4年目となった現在は町田市内の直売所に農作物を納品するほか、育てた野菜を飲食店で使用してもらうようになった。

 農家の生まれではない自分が農業に挑戦することにも意味があると考えているという松井さんは「農業に関するコンサルティングなども行っているが、新しい農家の形として別の生業をもつことも示していければと思う。いずれ町田の特産物になるものも生み出していきたい」と意気込みを話す。

注目も

 松井さんの活動は注目を集めている。農作業の生産性向上に取り組む事例としてや起業家として、その活動がTVなどで紹介され、応援者も増えてきた。

 松井さんが育てたタマネギを使用している中町の飲食店「ペダラーダ」を運営する三井康弘さんは「共に地域を盛り上げたいという思いをもって使用させてもらうようになった。みずみずしくておいしい。みなさんに喜んでもらっている」と笑顔。松井さんの農業法人が入る創業支援施設「町田新産業創造センター」の滝口進さんは「活動を応援し続けていきたいと思う」と話している。

東京都 ガソスタ多角化を支援 防災拠点として期待

 東京都がガソリンスタンドを支援する。中小企業が運営する都内スタンドの事業多角化などに対して助成するもので先月下旬に受付を開始。30年でおよそ3分の1まで数を減らした都内スタンドを守っていきたい考えだ。

 昨年度からスタートしたこの支援は専門家を派遣して経営に関するアドバイスを送る一方、整備・改修にかかる経費やコインランドリー、コンビニといった店舗を併設する事業の多角化などについて助成するもの。スタンドの空きスペースを活用して新たなビジネスを考える中小企業事業者などに対する支援も行い、今年度は省エネや人材確保などにつながる分野にも対象を拡大させた。

 助成金の申請は先月下旬から受付を開始し、12月26日(金)まで。スタンドの機能向上や事業の多角化などに対する助成は経費の3分の2以内で上限は2500万円。この支援について検討したという図師町でスタンドを運営する株式会社高木商店は「今回は時期尚早という結論に至ったが、この支援が続くのであれば、将来的に活用する機会はあると思う」と話す。

 都内のスタンドは減少している。都の担当者によると、1990年代なかばにおよそ3千あったスタンドは2021年には約900カ所まで減ったといい、「それぞれの理由で厳しい経営状況にあるようだ。事業を多角化するなどして運営の安定化を図ってもらいたいと考えている」とする。

 その思いの背景にあるのが、スタンドの災害時における役割だ。緊急車両への燃料提供のほか、被災者や帰宅困難者の立ち寄り場としての機能を期待しているという。市内スタンドが加盟する組合と防災に関する協定を締結している町田市の担当者は「町田のスタンドは防災に関して無くてはならない存在となっている」としている。

 この支援(環境に配慮したマルチエネルギーステーション化に向けた経営力強化・設備導入等支援)に関しては都のHPまたは、(公財)事務局【電話】03・5822・7232まで。

誰もが農業に取り組める仕組みづくりを進める 松井 優一さん 森野在住 38歳

次世代に可能性示す

 ○…電動草刈り機や生産管理システムなどの先端技術を用いて、効率的に農作物を育てる。1つの畑で2度の収穫期を迎える二毛作を進め、4年目。育ててきたブルーベリーやタマネギなどの収穫量が増えていることに笑みがこぼれる。取り組みの背景にあるのは次世代に農業の可能性を示したいという思い。農家の生まれでない自分が実践することに意味があると考えている。「若者に響けばと思います」

 ○…農業を学び、関連する仕事に就いていたなか、廃業する農家が増えていることに衝撃を受けた。みなの食を支える仕事。「稼げない」と後継者に任せることなく、田畑が無くなっていくことにさびしさを覚えた。そして芽生えたのが、「なら、自分が稼げる農業を示したい」という思い。生まれ育った町田をその舞台に選び、愛着ある街の魅力を広めていく機会にもなると笑顔をみせる。

 ○…「どこにでもいる普通の子どもでしたね」。幼い頃、自然のなかを走りまわるのが好きだった。みどりの多い市内の公園で昆虫を捕り、樹木に興味をもった。お気に入りだったのは祖父母の暮らす新潟の田畑。広大な自然に夢中になった思い出が残る。「のめり込みやすい。学生時代はバスケットボールでした」。人気漫画に影響された日々を振り返る。

 ○…取り組みを進めるなか、次のステップとして考えるのは町田の特産物を育てること。一押しは白タマネギ。多く流通するものよりも平べったい形のものを選び、当初から育ててきた。「珍しい形でしょ。シャキシャキしていておいしいんですよ」。活動を広げるうちに町田を盛り上げたいという思いが高まってきた。「農業の街」として、町田に活気を生んでいくつもりだ。

井上雅人さん

若手応援企画 第二弾 井上雅人と若手が共演

 二期会を代表する実力派バリトン井上雅人さんと町田イタリア歌劇団が協力のもと実現する若手応援コンサートが6月12日(木)、町田市民フォーラム3階ホールで開催。

 ソプラノ・中嶋彩香さんは東京藝術大学及び大学院修了、ウィーンに留学して研鑽を積みオペラ、コンサートに活躍。テノールの大平倍大さんは東京藝術大学及び大学院を首席で修了、ウィーンに留学して研鑽を積みドイツリートを中心に活躍と、両者ともに若手の逸材とされている。

 「二人とも、うっとりとしてしまう美しい声を持っています。井上さんの胸を借りて若手二人がのびのびと美声を披露してくれることが楽しみです。ぜひフレッシュな歌声を存分にご堪能下さいませ」と主催者。午後2時30分開演(2時開場)。チケット3千円。

(問)柴田さん【携帯電話】090・1734・8116。

市川さん

10年ぶりのオペレッタ J.シュトラウスII世「こうもり」上演

 テノール・岡坂さん率いるボッカ・デル・モンテと町田イタリア歌劇団が毎年コラボする大好評企画が6月17日(火)、今年も町田市民フォーラム3階ホールで上演される。

 上映作品は、オペレッタを代表する「こうもり」。藤原歌劇団の吉村恵さん、岡坂弘毅さん、中畑有美子さん、市川宥一郎さん、小野寺光さん他、二期会の大網かおりさん、新国立劇場の上野裕之さん他が勢揃いする。日本語上演でダイレクトに意味がわかる公演となる。ゲストには藤原歌劇団の若き逸材・石井和佳奈さん、堀越俊成さんが登壇し華を添える。「圧倒的な歌声と演技で感動と笑いを届けます。3千円で観劇出来るのは町田だけ。満足度200%を約束します。早めの予約を」と柴田さん。

 午後1時開演(12時30分開場)で3千円。(問)柴田さん【携帯電話】090・1734・8116。

港区で サレジオなど参加 22日、高専合同説明会

 小山ヶ丘のサレジオ工業高等専門学校などが参加する「第4回私立高専合同進学説明会」が6月22日(日)、金沢工業大学虎ノ門キャンパス(港区)で開催される。高専4校の学校紹介を聞くことができるほか、個別相談を通して進学への疑問を解消できる。参加するのはサレジオ高専のほか、神山まるごと高専(徳島県)、近畿大学工業高等専門学校(三重県)、国際高等専門学校(石川県)の4校。

 対象は、高等専門学校入学に関心のある人およびその保護者、教育関係者で時間は午前10時から午後2時まで。参加無料。申込は申込フォーム(https://forms.gle/7kNU15LWMSfEGaKA7)から。締め切りは6月21日(土)正午まで。問い合わせは国際高等専門学校【電話】03・5777・1964。

ヴァイオリニストら「四季」演奏 8月 小田原市で

 東京都交響楽団の弦楽セクションの精鋭たちが8月11日(月・祝)、小田原市で現代の優れたヴァイオリニストの一人として活躍するシュロモ・ミンツと共にヴィヴァルディとピアソラ、2つの「四季」を全楽章演奏する=写真。世界最高峰の音楽家たちが奏でる「四季」を堪能することができるもので、午後3時開演(午後2時開場)、会場は小田原三の丸ホール(小田原駅徒歩13分)。全席指定4000円で18歳以下は1000円、未就学児入場不可。同ホールHP、イープラス他でチケット発売中。問合せは小田原三の丸ホール【電話】0465・20・4152(午前9時から午後8時)。

りえさん(右)とりささん

全盲双子のコンサート 7月に鶴川で

 市内在住の盲目の双子ピアニスト、木村りえさん・りささん姉妹によるデュオコンサートが7月6日(日)、和光大学ポプリホール鶴川で開かれる。午後1時開演(開場は12時30分)。

 点字訳された楽譜を2〜3週間で覚え、日頃から息の合った演奏を披露している2人。同ホールで姉妹だけによる演奏を行うのは約6年ぶりで、今回は特に思い入れのある曲を選んだという。りえさんはバッハの讃美歌と、自身が好むメンデルスゾーンの作品を演奏。りささんは、モーツァルトの楽曲を披露する。

 りえさんは「情熱とエネルギーを注ぎ込んで弾けたらと思う。お客さんと楽しむことができれば」と意気込み、りささんも「表現を磨き、当日お届けしたいです」と笑顔を見せた。

 チケットは全席自由で2千円。市民ホール窓口・電話などで販売中。問い合わせは冨貴さん【携帯電話】090・3122・1674へ。

市音楽協会主催 ピアノコン参加募集中 7月に予選

 町田市音楽協会が現在、第49回全国町田ピアノコンクールの参加者を募集している。昨年、市長賞(グランプリ)を獲得した藤森帆美さんに、昨年のグランプリ獲得について話を聞いた。

--グランプリを受賞されて

 「まさか自分が受賞できるとは思っていなかったので、本当に驚きました。大学の試験と重なって出場を迷いましたが、『練習の成果を試したい』と思って挑戦を決めました。7回目の出場にしてこれまでのリベンジを果たせてうれしかったです。音の一つひとつに自分なりの考えを込めた演奏が評価されて光栄でした」

--ピアノとの出会いは

 「3歳のときに電子ピアノで遊び始めたのが最初です。6歳で『もっと真剣にやってみたい』と思い、本格的にピアノを始めました。それからはピアノ講師であるおばと二人三脚で歩んできました」

--日々の練習はどのように

 「どんなに忙しくても1日に最低2〜3時間は練習にあて、コンクール前は8時間に及ぶ日もありました。学業との両立は大変でしたが、時間をやりくりして練習していました。昨年の受賞はおばも喜んでくれて、『よく頑張ったね』と言ってもらえたことがうれしかったです」

--ピアノの魅力は

 「『ピアノほど自分に合うものはないのでは』と思っています。休日には音楽鑑賞に行くこともあり、特に海外のピアニストの演奏から大きな感動を受けることが多いです。緻密な音の構築、そして華やかな生演奏を聴くと、鳥肌が立ちます」

--今後の目標は

「聴く人の心を動かせるような演奏家になりたいと考えています。そして将来は、音楽教員としての道にも進みたいです。教育実習で生徒たちと触れ合った経験が大きく影響しています。実習最終日に生徒からもらった手紙には感動しました。一人の教員として見てくれていたんだ、ということに心を打たれた思い出が残っています。音楽は年齢を問わず楽しめるものなので、その魅力を子どもたちにも伝えていきたいと考えています」

薬師池公園であじさいまつり 6月29日まで

 町田薬師池公園四季彩の杜で花しょうぶやあじさいが咲き誇る「しょうぶ・あじさいまつり」が始まった。野津田町と本町田の2カ所の会場で開催され、入園無料。6月29日(日)までの期間中は観光案内人によるガイドや、「早乙女姿」の姿になった女性による花しょうぶの手入れなどが行われるという。

畑に咲く紅花

下小山田で紅花まつり 6月13・14日に開催

 (社福)まちだ育成会が管理運営する町田市大賀藕絲館(おおがぐうしかん)(下小山田町3267)で「紅花まつり」が6月13日(金)、14日(土)の2日間行われる。午前10時から午後2時30分まで。小雨決行。

 同館裏にある畑で紅花摘みを体験できるほか、紅花染め製品を販売。また、紅花おこわ、サブレ、ゼリーなどといった期間限定の紅花製品のほか、切り花、各種ドライフラワーに加え、地元・下小山田の新鮮野菜も店頭に並ぶ。14日には午後1時から参加型のフラダンスショー、午後1時45分から太鼓の生演奏が行われるなどの企画が予定されている。駐車場がないため来場は公共交通機関を利用のうえ。問合せは同館【電話】042・797・1616へ。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

わんぱく力士、熱戦披露 町田JC主催 270人が出場

 子どもたちが真剣勝負を繰り広げる恒例の「わんぱく相撲町田場所」が先ごろ、町田市立総合体育館(南成瀬)で開催された。41回目を迎えた今回は、市内から約270人の小学生と未就学児の男女が参加。服の上から簡易まわしをつけ、学年ごとのトーナメント戦に挑んだ=写真=。土俵では数秒で勝敗が決する取り組みがみられた一方、互角の勝負が続き、取り直しになる白熱した一番もあった。

大の里から

 開会式では、今年の大相撲春場所で優勝した大の里関からの応援動画が上映されると会場がわき、笑顔になる子どもたちの姿がみられた。主催した町田青年会議所(町田JC/立花翼理事長)の青少年育成委員会・吉井瞬委員長は、「当日までの努力や取り組み後の高揚感、悔しさを通じて、子どもたちにとって何かに夢中になるきっかけの場になったのではないか」と大会を振り返った。

城南信用金庫 年金受給で特典提供

 町田市内に5店舗を展開する城南信用金庫は現在、年金受給口座に特典を付けた「シルバードリーム=画像=」サービスを提供している。新たに同金庫を年金受取口座に指定し、預金残高が50万円以上ある利用者を対象に、選べる記念品が進呈される。記念品は次の4種類から1つを選択することができる。【1】三越伊勢丹のカタログギフト、【2】新潟産コシヒカリ5キログラム×3袋、【3】JTBトラベルギフト1万円分、【4】全国百貨店共通商品券1万円分。

 対象となる年金は、国民年金、厚生年金、共済年金、恩給、援護年金、老齢福祉年金。ただし、年金基金からの振込分は対象外となる。すでに同金庫で年金を受け取っている顧客にも、誕生日プレゼントの進呈や、観劇会へのペア招待(抽選)などの特典が用意されている。

紹介者にも特典

 さらに9月30日(火)までの期間中、新たに同金庫で年金を受給する人を紹介した顧客に対し、新潟県産コシヒカリ2キログラムを進呈するキャンペーンを実施している。

 詳細は同金庫のホームページまたは【フリーダイヤル】0120・753・012(平日午前9時から午後5時まで)へ。

山崎に開所した児相

山崎に町田児相 今月始動 施設内に市の窓口 連携に期待

 東京都町田児童相談所が1日、山崎に開所した。これまで町田市は八王子児童相談所の管轄だったものの、改正された国の設置基準に基づき新設されたもので、虐待や非行、発達の遅れなど、子どもに関する問題に対応し、専門的な見地から必要な支援を行う役割を担う。

 同じ施設内には育児や家庭の悩みを受けつける町田市の子ども家庭支援課も入り、従来よりも連携強化が期待されることになる。

多様なアプローチ

 施設には言葉で思いを表現するのが難しい子どものための「箱庭療法室」や、親子間のより良い関わり方を支援する「PCIT(親子関係相互交流療法)室」など、子どもたちに対して多様なアプローチができる設備を完備。おもちゃのある部屋もあり、子どもたちが安心して過ごせるような空間も用意されている。市の担当者は「児相と連携を取り、対応していきたい」と話している。

 町田児童相談所の相談受付は、平日午前9時から午後5時まで(【電話】042・851・9357)。夜間・休日の相談は、夜間緊急連絡ダイヤル(【電話】03・5937・2330)で受け付ける。なお、町田児童相談所は2030年度以降に、現在木曽東にある町田市教育センターの敷地内へ移転する計画となっている。

戦争体験談を募集 タウンニュース町田編集室

 タウンニュース町田編集室では戦後80年に合わせ、戦争の体験談を募集中。紙面や特設ウェブサイトで紹介する予定で戦時中の生活や学童疎開、学徒動員などの体験を受けつける。

電話やメールで

 情報提供は町田編集室【電話】042・753・8500まで。メールmachida@townnews.co.jpでも受付中。

新鮮な野菜が並ぶ同店内

相原のB型事業所が業務募集 「簡単なPC作業任せて」

 相原町の900を超える戸数を数える「武蔵岡団地」内で野菜・惣菜などを販売する就労継続支援B型事業所「むさしおか商店」が現在、軽作業の仕事を受けつけている。買い物代行や弁当の配達なども行っている同店。勤務する障害者がやりがいをもてる業務を求めているという。

 同店を運営するクロニクルワークス町田相原の奥澤高広さんは「障害者が『ありがとう』という言葉が飛び交う場所に身を置けるようにしたいと考えている。外注できる簡単なPC作業などを任せていただければ」と呼びかけている。

 詳細・問い合わせは同店(都営武蔵岡アパート10号棟1階)【電話】042・850・1137まで。