さがみはら南区版【6月5日(木)号】
大型ビジョンのある古淵駅前交差点で啓発物を手渡す署員ら

古淵駅前交差点 大型液晶で安全啓発 相模原南署と企業が協定

 相模原南警察署と不動産管理業などを営む、(株)政右ヱ門(古淵)は5月28日、地域安全に関する協定を結んだ。同社が管理する古淵駅前のビルに設置した大型ビジョンに同署からの安全情報を毎日流すというもの。区内のデジタルサイネージに定期的に同署の情報が流れるのは初めての試みとなる。

 (株)政右ヱ門の大型ビジョンは古淵駅前交差点にある自社ビルに今年2月に設置された。放送時間は午前6時30分から午後10時まで、企業のPRや天気予報、時事ニュースを放送している。

 今回結んだ協定内容は、「自転車の安全利用を始めとする各種交通事故防止に関する活動」、「特殊詐欺を始めとする各種犯罪の被害防止等に関する活動」、「防災などの地域安全情報に関する活動」、「その他警察活動の広報」を定期的に放送していく。

 同社の細谷政徳専務によると、放送の周期は現在5分に1回、約30秒ほど。自転車に関連する啓発や今年8月に開催されるアフリカ開発会議での警備や交通対策の周知などを放送。内容は月ごとに変えていくという。

 同署によると、相模原市や民間企業が管理する区内デジタルサイネージでの警察広報は行われているが、同署から依頼したときのみの不定期となる。定期的な発信での協定締結は今回が初めて。

 協定を申し出た同社の細谷専務は「有益な情報が流れるメディアだと広めていければ。また地域の安全情報を流し、警察や市民の方のバックアップをしたい」と語る。同署の伊東速人署長は「申し出は非常にありがたい」と感謝し、「駅前で画面が大きくよく目に留まる。防犯や交通事故の防止は警察だけでは難しく、区民の意識が大切。皆さんと連携して安全安心のまちづくりを進めていきたい」と語った。

児童虐待相談人数 過去最多3284人 心理的虐待の割合増加

 相模原市は5月29日、2024年度に子育て支援センターと児童相談所で虐待の相談を受けた児童数を発表した。虐待が疑われる児童の人数は3284人で過去最多となった。特に心理的虐待は割合、件数ともに増加した。

 児童虐待の相談人数は全国的に増加が続いている。相模原市は17年、子育ての不安や悩みを相談できる「子育て支援センター」を各区に設置。児童相談所(児相)と同センターで相談(通告)を受け付けている。

前年度比195人増

 24年度の相談人数は前年度から195人増の3284人。23年度は前年度比81人減の3089人だったが、再び増加に転じた。

 児相への相談人数は前年度から125人増加し1798人だった。うち890件は警察からの通告で、前年度比189人の増加。児相は相談の他、児童を強制的に保護できる権利を持っているため、警察機関からの相談が多い。市こども家庭課の担当者によると、警察署内での認識の共有や通告の徹底が進んでいることも人数が増加した背景にあるという。

 健診で虐待が疑われるケースなど比較的軽微な虐待の相談が多い同センターへの相談人数も引き続き増加。前年度比70人増の1486人だった。

 種類別で見ると、脅迫や無視など心理的な外傷を与える「心理的虐待」が大幅に増えて1678人だった。前年度から215人増加し全体の半数以上を占めている。食事を与えない・長時間の放置などの「ネグレクト」は851人。「身体的虐待」は733人だった。

 年齢別では前年度同様、最も多いのは乳幼児で1394人。小学生が1149人、次いで中学生(466人)となっている。乳幼児期から続く虐待が小学生時点で確認されるケースもあり、市の担当者は乳幼児期のリスクが依然として高いとみている。

関心の高まりも

 同課の担当者は「件数が増えていることに加え、支援機関や学校、市民の間で虐待に対する意識や関心が高まってきており、埋もれていたものが把握されてきている」と分析。「直接的な原因ではないが、子育ての負担が大きい保護者の中には近くに頼れる人がいなかったり相談がしにくい状況の人もいる。起こっていることに対する対応や支援だけでなく、乳幼児期の子育てサポートなどの発生予防、市民に対する普及啓発も合わせて進めていく」とした。

 また、24年度は両施設で受け付けた児童虐待以外の相談件数も前年度比5・4%増の2866人で過去最多だった。

第51代相模原市議会議長に就任した 大槻 和弘さん 御園在住 69歳

挑戦で切り開いていく

 ○…議長になり各地の議会へ挨拶回りの最中。色んな議会を見て「これはすぐに導入したい」と思うほど、常に相模原市議会に還元するアンテナを張っている。今後は全国の議長と交流が増える。「全国の人たちと関わることで相模原市を客観視することができる。この2年はとにかく人脈や経験をしっかり築きたい。大事なのはその後、市民や議会にフィードバックしていくこと」。

 ○…父親の仕事の関係で幼少期から北海道や静岡県など転校を繰り返してきた。30代で印刷会社を起業。地域と付き合いが増え40歳で御園五丁目自治会の会長を引き受けた。8自治会650人を集めた防災訓練や、当時では珍しい、夏祭りでナイアガラの滝の花火を行うなど地域の活気を主導してきた。「転校を繰り返していた自分にとっての故郷がなかったから、地域の子どもたちへ楽しい故郷の記憶や思い出を作りたかった」。

 ○…小学生の頃、絵を描く度に褒められた。描いた絵が校長室に飾られるほど。「美的センスがあったのかな」と照れ笑い。司法を学びたい時期もあったが、次第にものづくりをしたいと思うようになり、美術大学を志した。入学試験で24色の絵の具を持って挑んだが、周囲はスーツケースいっぱいに自分の表現したい色を持っているのを見て「これじゃダメだ」と思った。1年間の浪人の末、多摩美術大学美術学部に入学。

 ○…自治会活動では形骸化する防災訓練の改革や避難所運営のマニュアル作成など、気が付いた地域課題の解決を図ってきた。行政により強く課題を訴えるため議会の場に立つことを決意。無謀だといわれたが51歳で出馬した。「超えるのに不可能な壁はない。みっともない上り方でも先は見える」と意気込む。

4月に開所したりとせ保育園

相模原市 南区のみ待機児童8人 相模大野での需要高く

 相模原市は2025年4月1日現在における待機児童数が8人であることを発表した。昨年より1人の増加となり、いずれも南区、1歳児の児童である。

 待機児童が南区のみ発生する状況は23年から。1歳児の預かりを利用する人が昨年と比較し、大野南地区で36人増加している。市の保育課担当者は「2、3歳児と年齢に比例して、それぞれの定員枠が増加するが、1歳児の需要がこれに追いついている」と分析する。同地区は都心に働きに出やすいという点で、相模大野駅周辺での保育需要が高く、4月にりとせ相模大野保育園(相模大野)が新たに開所している。

 市は、同駅周辺に超高層マンションが開業することを受け、26年4月開所に向けた新規の民間保育所の公募、既存の保育所での定員枠の増加などで対策を図る。ただ、昨年より保育所等利用申込者が減少しているため、新規の園を開所しても定員割れを起こす園が出てくるという課題がある。

 8人の待機児童について市は「ほかの自治体と比較して少ない方ではあるが、8人も利用できないことが事実なので、しっかり対策をしていきたい」と話す。

和のアップサイクル 6月13日からユニコムで

 「第12回古和楽展」が6月13日(金)から15日(日)までユニコムプラザさがみはら(ボーノ相模大野3階)で開催される。

 何代かに渡って受け継がれてきた着物や和装小物を現代にマッチしたウェアやバッグなど様々なものにアップサイクルしている。アロハシャツやブックカバー、帯バッグなどが並ぶ。また同所の大学・地域連携支援事業の一環として、着物や情報提供、アンケート協力した相模女子大学学生の卒業制作が展示される。

 時間は13日(金)が午後1時から7時、14日(土)が午前10時から午後7時、15日(日)が午前10時から午後4時。問い合わせは塩満さん【携帯電話】090・7200・6709。

童謡・唱歌を歌おう 6月14日 総合学習センター(中央区)

 心に響く童謡や唱歌を歌い継ぐイベント「みんなで歌おうイン相模原」が6月14日(土)、中央区の総合学習センターで開催される。午後1時45分開場、2時開始。主催は童謡唱歌を歌う会レモン。

 指導は大沢洋子さん(玉川大学芸術学科ピアノ専攻卒)、伴奏は大貫眞里さん(武蔵野音楽大学ピアノ科卒)。会費は1千円(会場費/当日払い)。「必要な方はマスクをお持ちください。体調がすぐれない場合は、参加をお控えください」と話している。

 申し込み・問合せは同会【携帯電話】090・9396・7295。

過去開催時の様子(市提供)

受講料無料 相模原市、「発達サポート講座」で子育て応援 基礎講座Aコース9月開始、参加者80名募集中

 相模原市は「相模原市発達サポート講座」の第6期受講生募集を6月1日から開始した。子どもの発達に関する保護者の不安軽減と保護者以外の人も含めた子どもの発達への理解促進を目的とするもの。

 毎年開催されているこの講座は、講師として明星大学の星山麻木教授を迎え、基礎講座A・B・Cの3コース(各7回)全21回を実施する。現在参加者を募集している基礎講座Aコースは、9月10日(水)から11月19日(水)までの全7回。

子どもの発達への理解を深める

 子どもの発達支援において大切なこと、診断と発達評価、障害特性の理解(ASD、AD/HDなど)について学ぶ。各回午前9時30分から11時30分まで。Aコース修了後はB・Cコースも継続して受講できる。

 昨年度までの受講者からは「『誰にでも特性はある』。そう思えるようになると、心が楽になりました」、「子ども同士がお互いを理解し助け合える事を目指し、私達大人も学び続け、セーフパーソンになり、地域全体がセーフスペースになるよう、活動していきたい」などの感想が寄せられている。

受講申込は7月11日まで

 対象は相模原市内在住・在勤で、子どもの発達に関心のある人。定員は80名程度で、応募多数の場合は抽選となる。受講料は無料。会場は市役所本庁舎周辺施設。

 受講申込は7月11日(金)必着。インターネットの専用フォーム(下記にリンクあり)から申し込むか、市のホームページ(下記にリンクあり)からダウンロードできる受講申込書に記入してFAX(042-754-7990)または郵送(相模原市中央区中央2-11-15)で相模原市教育委員会生涯学習課【電話】042-769-8287。

相模原市内の「リンゴ病」報告数 過去10年で最多 感染症情報センターが対策を呼び掛け

 相模原市感染症情報センターは5月29日、第21週(5月19日〜25日)の週報で、市内で伝染性紅斑の定点あたりの報告数が2・4となったと発表した。この数値は過去10年間で最多。

 市内10カ所の定点医療機関からの報告数は、中央区で19人、南区で3人、緑区で2人、合計24人。同センターの担当者は「全国的にも過去5年で最多の報告数」と話し、中央区での報告数が多いことについては、「受診する人が他区より多いからではないか」と分析する。

伝染性紅斑とは

 伝染性紅斑は、両頬がリンゴのように赤くなる特徴的な発疹が現れることから、通称「リンゴ病」と呼ばれている。ヒトパルボウイルスB19による感染症で、潜伏期間は1〜3週間。主に幼児から中学生くらいの年代に多く見られるもので、同担当者は「市内では4〜8歳が多い」という。発疹は頬に現れた後、体や手足に網目状に広がるが、通常1週間程度で自然に消失する。

 発疹が出る前に風邪のような症状が見られることもあり、発疹が出ている時期には感染力は低下しているため、発疹のみで他の症状がない場合は登園・登校が可能とされている。

 予後は良好な場合が多いが、妊婦が感染すると胎児水腫や流産を引き起こす危険性があるため、同担当者は「妊婦は風邪のような症状のある子どもとの接触を避けてほしい」と話し、「このウイルスにはアルコール消毒の効果が低い。流水と石けんによる手洗いやマスク着用を徹底してほしい」と対策を呼び掛けている。

百日せきも過去最多

 全国的に流行している百日せきの感染報告も続いている。第21週には市内で5件の報告があり、これは過去5週間の平均値2・20件を上回るもので、過去6年で最多。2025年の累積数は20件となった。

 同担当者は「特に乳幼児は重篤化するケースもある」と話し、引き続き感染症対策に努めるよう、呼び掛けている。

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