相模原市は5月29日、2024年度に子育て支援センターと児童相談所で虐待の相談を受けた児童数を発表した。虐待が疑われる児童の人数は3284人で過去最多となった。特に心理的虐待は割合、件数ともに増加した。
児童虐待の相談人数は全国的に増加が続いている。相模原市は17年、子育ての不安や悩みを相談できる「子育て支援センター」を各区に設置。児童相談所(児相)と同センターで相談(通告)を受け付けている。
前年度比195人増
24年度の相談人数は前年度から195人増の3284人。23年度は前年度比81人減の3089人だったが、再び増加に転じた。
児相への相談人数は前年度から125人増加し1798人だった。うち890件は警察からの通告で、前年度比189人の増加。児相は相談の他、児童を強制的に保護できる権利を持っているため、警察機関からの相談が多い。市こども家庭課の担当者によると、警察署内での認識の共有や通告の徹底が進んでいることも人数が増加した背景にあるという。
健診で虐待が疑われるケースなど比較的軽微な虐待の相談が多い同センターへの相談人数も引き続き増加。前年度比70人増の1486人だった。
種類別で見ると、脅迫や無視など心理的な外傷を与える「心理的虐待」が大幅に増えて1678人だった。前年度から215人増加し全体の半数以上を占めている。食事を与えない・長時間の放置などの「ネグレクト」は851人。「身体的虐待」は733人だった。
年齢別では前年度同様、最も多いのは乳幼児で1394人。小学生が1149人、次いで中学生(466人)となっている。乳幼児期から続く虐待が小学生時点で確認されるケースもあり、市の担当者は乳幼児期のリスクが依然として高いとみている。
関心の高まりも
同課の担当者は「件数が増えていることに加え、支援機関や学校、市民の間で虐待に対する意識や関心が高まってきており、埋もれていたものが把握されてきている」と分析。「直接的な原因ではないが、子育ての負担が大きい保護者の中には近くに頼れる人がいなかったり相談がしにくい状況の人もいる。起こっていることに対する対応や支援だけでなく、乳幼児期の子育てサポートなどの発生予防、市民に対する普及啓発も合わせて進めていく」とした。
また、24年度は両施設で受け付けた児童虐待以外の相談件数も前年度比5・4%増の2866人で過去最多だった。
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