川崎区・幸区版【6月6日(金)号】
マンホールトイレの構造(断面図)=市提供

川崎市 マンホールトイレを整備 市内156カ所に

 川崎市はマンホールトイレの整備などを軸とした「新たな災害時のトイレ対策の考え方」を4月末に示した。能登半島地震などの教訓を踏まえ従来の対策から転換。今後トイレの正しい使い方の認知強化に注力する。

 マンホールトイレは、マンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、下水道管に接続して利用できる災害時用のトイレ。これまでは汲み取り式の仮設トイレを設置する方針で進めてきたが、マンホールトイレは、汲み取り不要で発災当初からの使用ができ、持続的に使用できる利点などを踏まえ、方針転換を行った。

 整備するのは、市内小中学校などの指定避難所151カ所と川崎区・宮前区を除く5区役所。今年度に基礎調査やパブリックコメントを実施し、2026年度から30年度にかけて整備が完了する予定。

 市危機管理本部は「災害時のトイレ環境の確保は市民の生命、財産を守る上で最重要事項の一つ」と説明する。

既存インフラと連動

 市が方針転換したきっかけは、昨年1月の能登半島地震。発災時の状況に鑑み、道路状況やバキュームカーの台数などを踏まえ、従来の対策で衛生的な環境を保つのは困難と判断した。

 また、マンホールトイレは、下水管の耐震化や応急給水拠点との親和性もあるという。

 市では避難所や重要な医療機関などと水処理センターを結ぶ下水管の耐震化を、26年度の工事完了を目指し実施していた。加えて、学校にある水飲み場など、災害時に誰でも自由に給水ができる「開設不要型応急給水拠点」の整備も進行中。し尿を流すために必要な水源が確保できる状態となっている。市担当者は、「他の都市では水源として学校プールの貯水を使うことが多い。市内にはプールがない学校もある中、開設不要型応急給水拠点の整備が進んでいることは川崎市の大きな特徴」と話す。

 今後は、専用の下水管を新たに地中に埋め、現在耐震化を進めている本管に接続する形で整備を行う。本管が被害を受けていても一定期間使用可能な「貯留型」を中心に採用していくという。

「宝の持ち腐れ」防ぐ

 今回の方針には、既存の仮設トイレを公園に配備するなど、避難所以外の場所でも災害時に使うことができるトイレ環境の整備を進めていくことも盛り込まれた。

 使用が容易で発災からすぐ使用できる携帯トイレについては指定避難所、市立学校、児童関連施設で、これまでのストックに加え、新たに2日分の備蓄を確保する。

 さらに、自助・共助への働きかけも強める構えだ。備えることの重要性の発信や使い方などの周知も進めていく。市担当者は「整備しても実際の使い方を知らないと『宝の持ち腐れ』になってしまう。周知に力を入れていきたい」と話した。

意見交換を行う参加者たち

さいわいSDC 地域活動、さあ始めよう 交流深める意見交換会

 新川崎タウンカフェ(幸区鹿島田)内の、さいわいソーシャルデザインセンター(まちのおと/SDC)は5月28日、地域活動のヒントにしてもらおうと、「まちのおとを語りつくせ!vol.5〜意見交換会〜」を開催。参加者は既に活動を行った2人の話に聞き入った。

5万円で地域活動

 当日のプログラムは、地域団体のゲストトーク、「地域コミュニティ活性化サポーター」の東樹康雅氏によるトークセッション、参加者によるグループでの意見交換の大きく3つ。地域活動に関心のある20人以上が参加した。

 ゲストトークでは、最大5万円の支援金で地域活動に取り組むことができる「まちづくり協働事業」を受託した、NPO法人幸まちづくり研究会の千葉美佐子代表と、つながるSAIWAIの島津悠香代表が、それぞれの活動を報告。

 千葉さんは、新鶴見操車場跡地に整備された、新川崎ふれあい公園の一角にある「体験の森」で、子どもとその家族などを対象とした植樹や農体験を実施してきた。活動を通して参加者が交流し、子どもたちには社会性やコミュニケーションを育む場になっているという。

 保育園の園長でもある島津さんは、仕事の中で発達障害のある子どもなどに触れる機会が多く、何か支援できることはないかとの思いから、同事業に応募。専門家の話を気軽に聞ける相談会や、発達障害のある子どもがワークショップで作ったタイダイ染めの靴下などを販売するマルシェの開催を行ってきた。地域の人からの思いもよらない協力を得る機会が増え、人とのつながりを感じているという。

「まずは一歩を」

 その後は東樹氏が登壇し、代表の2人にこれまでの苦労などをインタビュー。これから地域活動を始める参加者にとって、有意義なエピソードや教訓を聞き出した。質疑応答では、高校生の参加者から、「どんなふうに活動を宣伝したのか」といった質問も。2人はインスタグラムの利用や、協力してくれそうな企業や団体に直接出向くといった具体的な方法を伝授した。島津さんは参加者に対して、「SDCに駆け込んで、手取り足取り教えてもらったおかげで今がある。やりたいことがある人は、ぜひ一歩を踏み出してほしい」と励ました。

 川崎市は、市民創発による暮らしやすい地域の実現を目的として、「これからのコミュニティ施策の基本的考え方」を策定。SDCはその1つの仕組みで、人と団体などをつなぐコーディネートやプロデュースを目指している。

田島地区商店街連合会会長に5月28日付で就任した 渡辺正さん 川崎区桜本在住 78歳

柔和な笑顔 秘めた意思

 ○…約45年前のスーパーマーケット進出阻止運動は、田島地区の商店主たちが一丸となった原点だ。自身は青年商店主として参加。「メーデーにまで参加したよ。出店反対のデモ行進を行ったんだ」。3年余りの闘いの末、スーパーマーケットは出店を断念した。田島商店街連合会が確立したのもこれがきっかけだった。

 ○…当時を思い出すには訳がある。最盛期には200超あった田島地区の加盟商店数だが、今では約60にまで減少し、商店会の数も4となった。商店街をめぐる厳しい状況の中での連合会会長就任。「こういうときこそ、会員の結束を固めることが大切」と力を込める。「和」をモットーに「田島地区発展のために頑張っていきたい」が抱負だ。

 ○…桜本で5人きょうだいの末っ子として生まれ、東桜本小、桜本中学校に通った。「数学好きで頭が良かったよ」と懐かしそうに、少し自慢げな様子。父親は地元町内会の設立に尽力し、副会長を務めた。自身は商店街活動で地域に恩返ししようと30代前半から桜本商店街で汗を流してきた。道路改修や街路灯の設置などに力を注いだ。名物イベント「日本のまつり」を取り仕切ったことも懐かしい思い出だ。

 ○…東京オリンピックが開かれた1964年、10歳離れた2番目の兄と桜本で(有)イサム電気商会を開業し、16型のカラーテレビの販売に勤しんだ。電話一本で修理にかけつけ、地域からの信頼を培ってきた。今でこそ重労働は息子に託すが、フットワークの軽さは健在で、照明器具の取り付けなどに向かう。「昔から住んでいる人であれば、桜本1、2丁目、藤崎あたりなら、自宅の見当が付くよ」。85歳まで店頭に立つことを目標に掲げる。

練習に励む参加者=公式Xから

元プロ指導 競技用自転車教室 川崎競輪場で

 競技用自転車で川崎競輪場のバンクを走行する体験教室が6月15日(日)に開かれる。主催は、NPO法人サイクル・アクティブ・リング(成田昇理事長)。

 元競輪選手が指導。開催時間は午後1時から4時。集合は川崎競輪場北門に午後1時。費用は1000円(傷害保険料含)で自転車、ヘルメット持参。定員は30人。

 希望者はウェブサイト(https://cycleactive.link/)の専用フォームから。6月13日(金)締切。

紙芝居を読む赤松さん

元・市教員赤松さん 紙芝居でヒロシマ伝承 東住吉小6年生に披露

 元川崎市の教員で、現在「ヒロシマを伝える紙芝居師」として活動する赤松理さん(65)が5月30日、東住吉小学校で原爆を題材にした紙芝居を6年生に披露した。

 広島出身の赤松さんは、大学卒業後に川崎市で教員に。市内の小学校で教鞭をとり、小倉小(幸区)で校長を務めた。再任用で川崎市教育委員会にも勤務し、今年3月にリタイア。「生まれ育った広島のことを伝えていかないといけない」と使命に感じ、現在の活動を始めた。

 活動で使っている紙芝居は、1997年に勤めていた学校の6年生の単元で、広島の歴史を学んで表現することに取り組んだ児童が制作した『赤いくし』という作品だ。広島の原爆が描かれた数々の作品を参考に、4人家族が被爆し生き残った妹が、母親が大切にしていた「赤いくし」を平和と共に自分の娘に受け継いでいくという内容を子どもたちが考え、絵も自ら描いた。

 東住吉小の6年生は今年度、総合の時間に平和学習に取り組んでおり、今回の授業が実現。赤松さんは活動のきっかけとなった絵本『絵で読む広島の原爆』、書籍『8時15分 ヒロシマで生き抜いて許す心』について紹介。そして『赤いくし』をスクリーンに映しながら感情を込めて読み上げた。また赤松さんの構想から紙芝居にした『ここにもよって祈ってほしい 慰霊碑・記念碑』も披露。平和記念公園周辺に数多くある慰霊碑・記念碑の中から、8つのエピソードを紹介し、「広島に行った際にはぜひ寄って手を合わせてほしい」と児童に呼び掛けた。児童から「紙芝居を作る中で大切にしたことは」と質問された赤松さんは「知って、調べて、理解したことを当時の子どもたちに表現してもらいたかった。被爆後の惨状から立ち上がり、今の広島があること、人間の強さや希望を伝えてくれた」と答えた。

 紙芝居を聞いた同校の重水楚乃美さんは「家族を亡くしても希望を持って生きていくことに感動した。平和を広める活動をしたいと思っているので、そのお手本にしたい」と感想を話した。赤松さんは「子どもたちがしっかり理解してくれていた。今後も広島のことを伝え、隣の人を大切にする連鎖が平和の輪になることを伝えていきたい」と話した。

北野書店 学校図書館向けの本展示 国際交流センターで

 北野書店(幸区鹿島田)主催による「川崎市学校図書展示会」が6月7日(土)まで、川崎市国際交流センター(中原区)で開かれている。時間は午前10時から午後7時(最終日は6時)まで。

 学校図書館向けの図書約1万5千冊を展示し、実際に手に取って見ることができる。市立特別支援学校や小中学校の特別支援学級で採択されている「附則第9条本」のコーナーも開設。川崎市関連の本のコーナーでは、市在住の科学者で東京理科大栄誉教授の藤嶋昭氏やむかし話の第一人者・小澤俊夫氏、絵本作家・故かこさとし氏の図書を展示している。

 会場では同社が後援する「第3回友だちに薦めたいこの1冊コンクール」の入賞作品も紹介されている。

 申し込みは、北野書店ウェブサイト内の専用フォームもしくはファクス(044・511・2340)で希望日、氏名、参加人数などを明記する。問い合わせは同書店【電話】044・511・5491。

サイン入りユニフォームを手にする平野選手(左)と福田市長

卓球Tリーグ 平野選手らが優勝報告 木下アビエル神奈川

 川崎区を拠点に活動する、卓球Tリーグ所属の女子プロチーム、木下アビエル神奈川が5月28日、福田紀彦市長を表敬訪問し、2024─25シーズンのリーグ優勝を報告した。

 同クラブは18年の設立で、優勝は今回で2度目。24─25シーズンは19勝6敗の成績でリーグ2位となり、プレーオフトーナメントに進出。決勝で日本ペイントマレッツに競り勝ち、優勝を果たした。

 当日はキャプテンの平野美宇選手、来シーズンから指揮を執る王子嘉樹監督、木下テーブルテニスクラブの河西智典社長らが出席。平野選手は「市民の応援が力になっている。今後も試合に足を運んでほしい」と話した。福田市長は「次はディフェンディングチャンピオンとして、活躍に期待したい」とエールを送った。来シーズンは7月末に始まる予定。

左奥から時計回りに、パーソナリティーの須山さん、鈴木社長、西屋選手、盛合選手

FM大師で新番組 FM大師オリジナル番組紹介【1】 「ボクシングタイム」が開始!

 川崎区中心のコミュニティーFM放送局・FM大師で6月1日、新番組「ボクシングタイム」が始まりました。

 株式会社ライフケア順(鈴木順一社長)の提供で、ボクシングが好きな鈴木社長とパーソナリティーの須山成美さんが、同社で訪問看護や弁当配達の仕事などをしながら、ボクサーとして活躍中の若手選手を紹介します。初回放送には、盛合竜也選手(23)と西屋香佑選手(24)が出演し、2人を深堀りしました。

 今後は毎月第3日曜日の午前11時〜正午の放送を予定。次回は6月15日(日)です。

神奈川県議会 所属委員会決まる

 神奈川県議会は5月26日、常任委員会と特別委員会、予算委員会や、県内広域水道企業団議会議員、川崎競馬組合議会議員など各種委員会の所属議員を発表した。常任委員会は、総務政策▽防災警察▽文化スポーツ観光▽環境農政▽厚生▽産業労働▽建設・企業▽文教の8委員会。特別委員会は、共生社会▽安全安心・未来環境▽社会問題対策▽デジタル・新産業・健康の4委員会。川崎区、幸区選出議員の所属先は次の通り。カッコ内は会派名。敬称略。

【川崎区】杉山信雄(自民党)…総務政策、公衆浴場入浴料金等協議会委員、予算▽栄居学(立憲民主党・かながわクラブ)…防災警察副委員長、川崎競馬組合議会議員、都市計画審議会委員、予算▽西村恭仁子(公明党)…総務政策副委員長、予算

【幸区】田中徳一郎(自民党)…総務政策、美しい環境づくり推進協議会委員、予算▽市川佳子(立憲民主党・かながわクラブ)…厚生、社会問題対策、総合計画審議会委員

風船を飛ばす手順を示す小川さん

戦後80年 戦禍の記憶【4】 宮前区在住 小川辰夫さん(97) 「風船爆弾で勝てるわけねえ」 「唯一の兵器」に祝杯も

 志願して旧日本陸軍の秘密戦研究施設「登戸研究所」で働いた。当時まだ16歳。働き始めの仕事は旋盤工だったが、ある時から同世代の少年たちと特別なミッションを任された。「風船爆弾」の試験飛行だった。

 「体が丈夫なやつ6人が千葉の一宮海岸に集められてね。でっかい風船を砂浜まで運んで、膨らませて。そいつをアメリカまで飛ばすんだって言われてね」

 化学兵器や偽札などと同様、風船爆弾は、登戸研究所で研究開発された日本陸軍の秘密兵器だった。「兵器」と言っても、和紙にコンニャクを塗り付けて仕立てた直径約10mの風船に、爆弾を仕込んだものだ。1944年11月から45年4月まで、計9300発をアメリカに向けて飛ばしたと言われている。

 小川さんたちは、その巨大風船が太平洋を渡りアメリカに到達するのかどうかを調べる「試験チーム」だった。車で運ばれてくる風船を数人がかりで砂浜まで運び、ボンベを使って膨らませ、はしごに乗って穴がないかどうかを点検。「穴一つ見つけるとサツマイモ1本もらえたよ。あれは愉快だったな」。1日に飛ばした風船は4個から5個程度。風船はぐんぐん高度を上げ、太平洋へと向かっていった。

 風船がアメリカに到着したことが確認されると、軍の幹部が海岸の街にやってきた。旅館の一室で幹部は言った。「風船爆弾は、わが国がアメリカを攻撃できる唯一の兵器だ」。大人たちは祝杯を挙げたが、「こんなもんで勝てるわけがねえ」と思ったという。「それから終戦まで、あっという間だったな」

 終戦の1週間ほど前、研究所では「証拠隠滅命令」を受けて大忙しだった。作業に追われながら「日本は負けたんだな」と確信したという。

 敗戦の年の12月、フィリピンなど熾烈(しれつ)な戦地を転戦した小川家の長男が復員した。やせ細り、ひどい身なりで自宅に現れた時、家族も「どこの乞食だ」と気付かないほどの形相だった。当時の兄の姿を思うたび、「涙が出るんだよ」と言葉を詰まらせる。「兄貴は戦争のことをほとんど話さなかった。戦争なんて、二度とやっちゃいけねえよ」

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

ダンスを練習する子どもたち

キッズ教室参加者募集中 富士通スタで

 富士通スタジアム川崎は同スタジアムで開催中のキッズ教室の参加者を募集している。

 「キッズコーディネーショントレーニングbySGX」は、子どもの身体能力や運動能力の向上を目指す。対象は小学1年生〜4年生。開催日時は7月22日までの毎週火曜日午後4時30分〜5時30分。

 「基礎から学べる!キッズダンス教室」は初心者から、楽しく、さまざまな種類のダンスに挑戦する。対象は小学1年生〜6年生。開催日時は7月24日までの毎週木曜日午後5時〜6時。料金は1回650円×残りの回数分で都度払いは不可。申し込み、問い合わせは富士見公園パークセンター【電話】044・276・9133。詳細はウェブサイト(富士通スタジアム川崎 検索)

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賞状を手に準優勝した団体のメンバー

県大会団体で準優勝 川崎真道館道場、全国へ

 川崎区で活動している川崎真道館道場が5月25日に開催された「第39回神奈川県道場少年剣道大会」に出場。田中和太朗さん(先鋒、大田区在住小学6年)、宇和川仁太さん(中堅、東門前小学校6年)、谷垣内博仁さん(大将、東門前小学校6年)は3人制の団体戦で準優勝を果たした。

 89チームの団体が参加し、決勝では、横浜市青葉区の錬武館Aと対戦。先鋒が2本負けしたが、中堅の宇和川さんが1本勝利で、意地を見せた。大将戦は2本負けを喫し、優勝を逃した。

 同大会は、全国大会の県予選会も兼ねており、準優勝の同道場は、7月に日本武道館で開催される第59回全国道場少年剣道大会に2年連続2回目の出場が決定。

 山崎玉一朗監督は、「昨年はベスト8の壁を突破出来ず、悔しい思いをした。地道な稽古と遠征の積み重ねてきた結果、実を結んだ。全国大会も頑張っていきたい」と語った。

イベントのチラシ

川崎宿大学 市内で砂糖づくりの歴史? 6月28日、市役所本庁で

 東海道歴史の学び場「川崎宿大学」が6月28日(土)に川崎市役所本庁舎2階ホールで開く。

 同大学は、誰でも参加できる広場で歴史や文化を学びながら、地域を語り合う場でもある。

 今回は神奈川県立歴史博物館の望月一樹館長を講師に招き「蔦重の時代 川崎では砂糖づくりが行われる?」をテーマに18世紀後半、川崎で池上新田を開発した池上幸豊がサトウキビの栽培から白砂糖にする製造方法を確立し、その製法を各地に伝えていったことなどが学べる。

 主催者は「みんなで楽しく学びましょう」と来場を呼び掛けている。

 受講料100円(資料代として)、午後6時から8時まで(5時30分から受付)、定員80人(先着順)、詳細は川崎区役所【電話】044・201・3136。

バザーに参加したメンバー

ソロプチ川崎 被災地支援へ32万円 バザーの収益金を寄付

 女性による奉仕団体、国際ソロプチミスト川崎が5月24日、こすぎコアパークで国内外災害支援チャリティバザーを行った。収益金32万4300円は、全てミャンマー地震と能登半島地震の被災者へ寄付される。

 当日参加したメンバーは約20人。開始前から列ができ、多くの人が訪れにぎわった。メンバーが提供した洋服や小物、雑貨をはじめ、米、野菜、花などを格安価格で販売。訪れた人たちからは「安く提供してくれてうれしい」「購入することで被災地に協力したい」という声が上がった。

 国際ソロプチミスト川崎・渡邉葉子会長は「少しでも被災した方たちの力になりたいという思いで活動している。一日も早い復興を願っています」と思いを込めた。

國谷涼太氏

今秋の川崎市長選 國谷氏が出馬表明

 任期満了に伴い10月26日に投開票される川崎市長選挙に、國谷(くにや)涼太(りょうた)氏(25)=麻生区片平在住=が無所属で立候補する考えを、5月23日の記者会見で明らかにした。

 國谷氏は大阪府和泉市生まれ。小学生の時に麻生区へ転居し、麻生小学校、麻生中学校、県立多摩高校、早稲田大学社会科学部を卒業。現在は東京都内のコンサルティング会社に勤務している。

 29日に本紙の取材に応じた國谷氏は、「今の川崎は強みを生かせていない。ポテンシャルを引き出し、もっと成長するまちにしていきたい」と出馬理由に言及。子育て世代の定着、規制緩和などによる企業進出、シニアの活躍などを促進する考えを示し、具体的な政策は国の動向を見極め、参院選後に明らかにするとした。「若すぎる、無謀だという意見があるかもしれないが、私には川崎の未来をもっと良くしたいという圧倒的な熱意と覚悟がある」と述べた。

 市長選への出馬意向の正式な表明は國谷氏が初めて。(6月3日起稿)

(写真右)福田市長と篠山選手(写真下)左から篠山選手、北GM、川崎社長

川崎ブレイブサンダース 「来季は上位」意気込み 篠山選手ら市長表敬訪問

 男子プロバスケットボールのBリーグ2024-2025シーズン終了に伴い、「川崎ブレイブサンダース」の川崎渉社長と北卓也GM、篠山竜青選手の3人が6月2日、福田紀彦川崎市長を表敬訪問した。

 長らくチームの要だったニック・ファジーカス選手が昨年引退し、ヘッドコーチが交代して首脳陣が外国人になるなど、今季は大きな変化が続いた。そのため18勝42敗で中地区8位と厳しい成績だったが、5月30日のBリーグ年間表彰式では、各部門の優秀選手として篠山選手が「B1ベストFT成功率賞」を受賞し、チームのキャラクター「ロウル」が、マスコットオブザイヤーに輝くなど、最終盤に明るい話題も聞かれた。

 川崎社長は「シーズン後半に若い選手が加わり、目指すバスケが形になった。敗戦が多くてもポジティブに取り組めたことは来年につながる収穫だった」と前向きに総括し、北GMは「来シーズンは上位を狙いたい」と宣言。主将としてチームを率いた篠山選手は「来シーズンは新体制2年目なので、結果を出さなくては。すでにオフを返上してトレーニングを始めた選手もたくさんいる。引き続きご声援をお願いしたい」と意気込みを語った。

 福田市長はBリーグの「オールスター」に密着したテレビ番組での篠山選手の「活躍」にも触れ、「リーグ戦で強いことも大事だが、ブレイブサンダースの存在が川崎を元気にしてくれる。若い世代のバスケ教室など地域での取り組みもありがたい。来季も色々な意味で活躍をお願いしたい」と感謝を伝えた。

 訪問後の取材では来季の課題について、篠山選手は「強いチームと比べると細かいプレーの質の部分が欠けていた。強くなるために、そこを突き詰めてやっていく」と語り、ファンサービスについても、「川崎の皆さんにもっともっとブレイブサンダースを応援していただけるよう、まだまだやります」と断言した。

(上)パプアニューギニアの武具など国内外の仮面や神像を展示する企画展会場(下)岡本が国内外で撮影した写真

岡本太郎美術館企画展 「太陽の塔」地下展示とは 民族学との出合い解説

 1970年の大阪万博のレガシーとして知られる岡本太郎の代表作「太陽の塔」について、文化庁の文化審議会が5月16日、重要文化財への指定を答申した。これに先立ち川崎市岡本太郎美術館(多摩区)で開催中の企画展「岡本太郎と太陽の塔-万国博に賭けたもの」では、「太陽の塔」の足元の地下展示に焦点を当て、民族学的な観点から岡本が「塔」に込めたメッセージをひもといている。

 岡本太郎の「太陽の塔」は、55年前に大阪府吹田市で開かれた大阪万博のテーマ館として建設された高さ約70m、基底部の直径約20mの構造物。大阪万博で「テーマ展示プロデューサー」を任された岡本は、工業化・近代化を礼賛する従来の万博に否定的な立場から、「塔」を中心とするテーマ展示を構想した。

 岡本太郎美術館では大阪市で開催中の関西万博にあわせ、「太陽の塔」の足元の地下展示に焦点を当てた企画展を開催中だ。2000年に開かれた「太陽の塔からのメッセージ展」では展示できなかった地下展示に焦点をあてている。

なまなましい実感

 岡本は地下展示を考えるうえで、「過去-根源の世界」をテーマに据えた。その狙いを自著でこう述べている。「人間が(略)どのような手ごたえで生をたしかめてきたか、そのなまなましい実感をつきつけたい」

 イメージを具体化するため、東京大学や京都大学の学生約20人を47の国や地域に派遣し、神像や仮面、生活用具などの民族資料約2600点を収集。それらを「塔」の足元の地下空間に配置し、生活の知恵や神聖なものへの祈りを表現した。

 今回の美術館の企画展では、当時の地下展示のイメージを基に国内外の仮面や神像を展示しつつ、パリ時代の民族学との出合いや、国内外の習俗を知るための取材旅行で撮影した写真や論考を展示。「塔」の構想スケッチや制作現場の記録映像なども見られる。日本工業大学(埼玉県宮代町)のプロジェクトチームが7年がかりで制作した、「塔」を追体験できるVR作品「甦(よみがえ)るVR太陽の塔」の上映もある。

 担当学芸員の喜多春月さんは「岡本は従来の万国博とは異なるものを目指したが、その背景となったのが民族学との出合い。パリでの学びや国内外でのフィールドワークが、どのように『塔』につながるかをご紹介している」と話す。企画展は7月6日(日)まで。

高津市民館で開かれた金賞受賞者らの表彰式の様子。前列中央は応援サポーターで俳優の風間トオルさん

健幸福寿プロジェクト 計459人の要介護度が改善 10期の参加者募集中

 川崎市独自の介護施策である「かわさき健幸福寿プロジェクト」が今夏で10期目を迎える。第8期までに2千以上の事業所と3千人以上の高齢者がプロジェクトに参加して状態の改善に挑み、459人の要介護度が改善した。

 「かわさき健幸福寿プロジェクト」は、要介護度の改善と維持に積極的に取り組んだ市内の指定介護保険事業所(介護サービス事業所)を応援するため、市が報奨金などで支援する制度。要介護認定で1から5の状態にある利用者(高齢者)が、事業所と共に一定の取り組みを続け、要介護度が改善した場合に利用者本人を表彰し、事業所に報奨金を贈る仕組みだ。

 プロジェクトが本格スタートした2016年から、集計が完了した第8期までの参加業所数は延べ2355カ所で、参加した高齢者数は市内の介護サービス事業所を利用する3393人だった。

 第8期の参加者551人のうち要介護度が改善したのは85人で、高齢者の身体機能を測る指標「日常生活動作」(ADL)が改善した人は6人だった。改善した利用者を支える各事業所が対象となる報奨金は、延べ219事業所に贈られた。

杖なしで歩きたい

 第8期に要介護度が改善して「金賞」を受賞した黒木則行さん(77)のケースでは、脳出血の影響で左手足に麻痺や感覚障害が残ったため2022年1月に「要介護4」と認定されたが、本人が「杖なしで歩きたい」と強く希望した。介護支援専門員や福祉用具専門相談員、理学療法士などがチームケア体制を整えて黒木さんのリハビリをサポートした結果、杖は欠かせないものの毎日1時間ほどの歩行が可能になった。

 23年10月には「要介護2」と2段階の改善がみられ、金賞受賞後も「同窓会に参加する」などの目標を設定し、チームケア体制でリハビリに励んでいるという。

 市では今年7月から来年6月までの第10期の参加者を募集中だ。介護サービス事業所が利用者の希望と意志を確認のうえ、オンラインまたは書面で市に申し込む。市の担当者は「介護の現場を応援するプロジェクト。多くの事業所に参加してほしい」と話している。

 問い合わせは市高齢者事業推進課【電話】044・200・2454。

水道管の更新工事=川崎市提供

京都の冠水事故受け 川崎市 水道管調査「異常なし」

 川崎市は4月に京都市で発生した水道管の漏水事故を受け、老朽化した水道管の緊急調査を実施した結果、異常は確認されなかったと発表した。

 今年4月30日、京都市の中心地で地中に埋設された鋳鉄管(ちゅうてつかん)(水道管)から漏水し、大規模な冠水事故が起きた。この事故は66年前に埋設された水道管が破損し、穴が空いていたことが漏水の原因とみられることから、国土交通省は5月7日、「緊急輸送道路下に埋設されている鋳鉄管の緊急調査」の実施を全国自治体に要請した。鋳鉄管は、昭和30年代までに採用されていた水道管で、現在の「ダクタイル鋳鉄管」に比べ、素材が衝撃に弱いという。

 市はこれを受けて5月13日から21日までの間、緊急輸送道路の下に埋設されている鋳鉄管を対象に、地表への漏水や路面の段差などの異常の有無を、目視で確認。その結果、異常は確認されなかったという。

 市では地震時に破損などの被害が想定される鋳鉄管を「老朽管」と位置づけ、優先的に更新工事を進めてきたという。市内の水道管総延長約2500Kmのうち、2023年度末の時点で約10Kmの「老朽管」が残っており、今回はこのうちの計4Kmを緊急調査の対象とした。

綱引きのイメージ

生田緑地で国際フェス 「言葉超えた多文化交流」 グローバル運動会など

 スポーツやワークショップを通して異文化交流するイベント「生田緑地国際スポーツ&カルチャーフェスティバル ウィズTAROマルシェ」(スポカルフェス)が6月8日(日)、生田緑地(多摩区)で初めて開催される。川崎市の外国人市民代表者会議で委員長を務めたスリランカ人男性と、英会話教室を営む日本人男性がタッグを組み、川崎の「新しい祭り」を目指している。

 「スポカルフェス」は、5万人以上の外国人が暮らす川崎で、スポーツや文化、「食」を通じた異文化交流の場を創出する試み。多国籍編成のチームで綱引きや玉入れを競う「グローバル運動会」と、さまざまな国の文化体験ができるワークショップ、子どもたちのダンスや外国のパフォーマンスが見られるステージなどがある「カルチャーフェスティバル」の二部構成で、諸国の食が楽しめるキッチンカーも出店する。

 多摩区内で英会話教室を営む高部真生さんと、高津区在住のペレーラ・ラヒルサンケータさんが企画。「リアルな異文化交流の場を作りたい」と考えた高部さんが、知人を介してペレーラさんと知り合い、今年1月から2人で準備を進めてきた。

 「言葉の壁を超えて楽しむ場にしたい」と高部さん。ペレーラさんも「大いに盛り上げて川崎の新しいお祭りにしていきたい」と意気込む。

 会場は生田緑地内の岡本太郎美術館に隣接する広場。運動会は午前10時〜11時半、カルチャーフェスは午前11時〜午後5時。問い合わせは運営チーム【電話】080・9007・0309。

昨年度の最優秀賞の献立を味わう福田紀彦市長と受賞者

中学校給食献立コン 今年度も募集開始 サブテーマ「ご飯がすすむ」

 川崎市教育委員会は、中学校の生徒と保護者が給食の献立を考える「中学校給食献立コンクール」の応募作品を募集している。8月27日まで。

 このコンクールは2017年に市の「みんなで創る『健康給食』」の取り組みの一つとしてスタート。市立中学校に通う生徒やその保護者を対象とする「生徒部門」と「保護者部門」があり、「生徒部門」の献立は主食、主菜、副菜、汁物がそろう1食分、「保護者部門」は「副菜」1品を応募する。

 今年のサブテーマは「ご飯がすすむおいしい献立」。市教委によると、給食で提供されるご飯を残す生徒も多く、ご飯の残食率はほかの食材より高い約1割。カレーや親子丼のようにご飯に具材がかかっている場合は完食する生徒が増えるが、ご飯が単体で提供される日は、残食率が上がるという。

 審査のうえ10月上旬に最優秀賞やアイデア賞(生徒部門のみ)などの受賞者を発表する。最優秀賞の生徒の献立は来年1月、保護者の献立は2月に給食で提供される。

 応募用紙に必要事項を記入し、学校に提出する。保護者はオンラインも可。問い合わせは市教委健康給食推進室【電話】044・200・2158。

SPARTAN KIDSブース(左)とラクロス体験

GO!GO!!フロンターレ

スポーツ教室で楽しく体を動かそう!

 中学生以下を対象としたスポーツ教室イベントが6月8日(日)、Anker フロンタウン生田で開催される。

 「Anker フロンタウン生田 キッズスポーツフェスタ2025 supported by SOMPOひまわり生命」と銘打ち、今年も20種類以上のブースを開設。子どもたちに多種多様なスポーツを体験できる機会を提供する。

 SPARTAN KIDSブースでは、走りながら障害物をクリアするスパルタンレースを体験できる。実際のレースに出場している講師とともに、思い切り体を動かそう。ラクロス体験では、川崎ファルコンズの選手と一緒に、パスやシュートに挑戦できる。

 ほかにも、ストリートテニス体験やスナッグゴルフ、足や腕に切断障がいのある人がプレーする、アンプティサッカー体験など、体を動かすブースが盛りだくさん。

 時間は午前10時〜午後1時。参加無料。雨天時は内容変更の可能性あり。詳細・問い合わせは同所【電話】044・328・5771。

画像はいずれも川崎フロンターレ