宮前区版【6月6日(金)号】
指導を受け枝切りに挑戦する児童

鷺沼小4年生 通学路のサクラに学び 業者指導で植え替え体験

 ソメイヨシノの老木などを植え替えている市道鷺沼線の街路樹更新工事で、同路線が通学路になっている鷺沼小学校の4年生児童が5月29日、川崎市と工事事業者である矢島建設工業(多摩区)、斉藤造園(水沢)の出前授業を受けた。工事で発生した伐採木を活用した体験型の授業で、街路樹に対する学びを深めた。

 桜並木が約200m続く「春待坂」は、区内屈指の花見スポットとして知られ、同校の通学路になっている。ソメイヨシノは1967年に植えられたもので、生育不良による倒木の危険性や、根上りに伴う歩行者などへの安全性の確保が課題となっていた。

 体験授業は、児童に緑に対する関心を持ってもらいたい宮前区役所道路公園センターと、業界のイメージアップを図りたいという2社の思いが一致して実現したもの。校庭にはショベルカー3台とダンプカー3台が搬入され、約200人の児童は、社員の指導を受けながら試乗、アームを上下させるなどした。街路樹工事で発生したソメイヨシノの伐採木も持ち込まれ、ノコギリやせん定ばさみで枝を切る体験も行った。

 一方、屋内授業では、同センターの職員が講師となり、当時の写真を見せながら春待坂の街路樹の歴史を紹介。更新工事の様子やソメイヨシノの生態などを、クイズ形式で解説した。

 体験授業を終え、4年5組の松永悠杜さん(10)は「整備してくれる人がいるおかげで、通学路のサクラが見られることがわかった。早く花が咲いてほしい」と感想を話した。

 更新工事で伐採するのはソメイヨシノ60本とケヤキ19本。通行に支障をきたす場所や狭小で樹木の生育に適さない場所については植え替えせず、ソメイヨシノ55本とゆっくり成長する陽光サクラ10本が植えられる。

マンホールトイレの構造(断面図)=市提供

川崎市 マンホールトイレを整備 市内156カ所に

 川崎市は、マンホールトイレの整備などを軸とした「新たな災害時のトイレ対策の考え方」を4月末に示した。能登半島地震などの教訓を踏まえ従来の対策から転換。今後トイレの正しい使い方の認知強化に注力する。

 マンホールトイレは、マンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、下水道管に接続して利用できる災害時用のトイレ。これまでは汲み取り式の仮設トイレを設置する方針で進めてきたが、マンホールトイレは、汲み取り不要で発災当初からの使用ができ、持続的に使用できる利点などを踏まえ、方針転換を行った。

 整備するのは、市内小中学校などの指定避難所151カ所と川崎区・宮前区を除く5区役所。今年度に基礎調査やパブリックコメントを実施し、2026年度から30年度にかけて整備が完了する予定。

 市危機管理本部は「災害時のトイレ環境の確保は市民の生命、財産を守る上で最重要事項の一つ」と説明する。

既存インフラと連動

 市が方針転換したきっかけは、昨年1月の能登半島地震。発災時の状況に鑑み、道路状況やバキュームカーの台数などを踏まえ、従来の対策で衛生的な環境を保つのは困難と判断した。

 また、マンホールトイレは、下水管の耐震化や応急給水拠点との親和性もあるという。

 市では避難所や重要な医療機関などと水処理センターを結ぶ下水管の耐震化を、26年度の工事完了を目指し実施していた。加えて、学校にある水飲み場など、災害時に誰でも自由に給水ができる「開設不要型応急給水拠点」の整備も進行中。し尿を流すために必要な水源が確保できる状態となっている。市担当者は、「他の都市では水源として学校プールの貯水を使うことが多い。市内にはプールがない学校もある中、開設不要型応急給水拠点の整備が進んでいることは川崎市の大きな特徴」と話す。

 今後は、専用の下水管を新たに地中に埋め、現在耐震化を進めている本管に接続する形で整備を行う。本管が被害を受けていても一定期間使用可能な「貯留型」を中心に採用していくという。

「宝の持ち腐れ」防ぐ

 今回の方針には、既存の仮設トイレを公園に配備するなど、避難所以外の場所でも災害時に使うことができるトイレ環境の整備を進めていくことも盛り込まれた。

 使用が容易で発災からすぐ使用できる携帯トイレについては指定避難所、市立学校、児童関連施設で、これまでのストックに加え、新たに2日分の備蓄を確保する。

 さらに、自助・共助への働きかけも強める構えだ。備えることの重要性の発信や使い方などの周知も進めていく。市担当者は「整備しても実際の使い方を知らないと『宝の持ち腐れ』になってしまう。周知に力を入れていきたい」と話した。

工事現場を囲うフェンスを利用し6月15日に絵を描くイベントを行う 和田 美智子さん 宮崎在住 69歳

幸せは夢中になること

 ○…自身が営むペンギンカフェの向かいにあった商業施設が閉店し、解体工事のための白いフェンスが立ち並んだ。「お店からは緑が見えてのどかで、フランスの街を思わせるおしゃれな雰囲気だったのに」。寂しさを感じていた時、何気なく知人のアーティストに思いを打ち明けた。「そうしたら、『僕には大きなキャンバスにしか見えない。子どもたちに絵を描いてもらおうよ!』って提案されて、私も気持ちが明るくなって、よしやってみようって」

○…子どものころから夢中になる性格だった。マンガ雑誌の発売が待ちきれず、住んでいた静岡から東京まで出かけた。青春時代は歌手の吉田拓郎に憧れ、所属事務所に入りたいと事務所前で座り込み直談判したほどだ。20代には演劇に興味を持ち、劇団の舞台に立ち、モデルも経験した。

 ○…29歳で結婚し主婦に専念。2人の息子に恵まれた。だが、57歳の時に夫が他界。夫が経営していた会社を引き継いだが、慣れない日々に心身をすり減らし、食事も一切喉を通らないほど体調を崩した。転機は、食材を加熱せずに調理する「ローフード」との出合いだった。「そのおかげで元気になれた」と魅力に引き込まれ、還暦を過ぎてから学校に通いマイスターの資格を取得。「食事の力はすごい。多くの人に食べてほしい」と、2年前に念願の店を構えた。

 ○…明るい人柄を慕ってか、店には同じ価値観を持つ人々が集うようになった。今では、定期的に音楽ライブやヨガ、ウォーキングの教室、マルシェなどが開催されるように。自らもローフードのスイーツ教室を予定している。「やらないよりやったほうがいい。ワクワクすることにチャレンジしていきたい」と目を輝かせた。

向丘出張所を出発する参加者

向丘地区 歩いて魅力再発見 イベント賑わい

 街中のチェックポイントを写真に収めながら巡るイベント「ディスカバーウォークみやまえ」が6月1日、向丘地区で開催された。子どもから大人まで5チーム20人が参加した。

 主催は、みやまえスポーツふぇすてぃばる向丘地区実施委員会。地図上にあらかじめ設定されたチェックポイントを制限時間内に多く巡り、獲得した合計得点を競うルールで、参加者は地図を片手に、宮前美しの森公園や菅生公園、神木天満宮など、難易度に応じて得点が設定された全23カ所のチェックポイントを目指した。各チームは時間配分や巡る順序に知恵を絞り、ポイントに到着すると証拠となる写真を撮影した。

 参加者からは「暑かったけど、たくさん歩いて楽しかった」「小6の娘をリーダーにして、考えながらポイントを獲得することができ、楽しかった」などの感想が聞かれた。上位3チームには景品が渡された。

バッグに黄色いバッジを付けた山田さん

東高根森林公園 愛犬が「隊員」に わんわんパトロール隊結成

 愛犬との毎日の散歩を通じて地域の安全に目を配る「宮前わんわんパトロール隊」が5月27日、東高根森林公園で活動を開始した。飼い主14人と愛犬15頭が「隊員」として登録し、パトロールを行なった。

 この取り組みは、同園で月に一度、犬のしつけ相談会をボランティアで開催している山田理恵さんが、東京都世田谷区で行われている同様の活動を知り、「地元でも」と導入したもの。宮前区によると、「わんわんパトロール隊」という名称で活動している団体は他になく、宮前区では初の結成となった。

 同日、事前に同公園などに設置された募集の貼り紙を見て、隊員登録に訪れた飼い主たち。隊員の印となる黄色いバッジを受け取った参加者は「子どもがいるので安心につながる」「チームの一員になれたようでうれしい」と喜びを語った。山田さんは「宮前区は犬を飼っている方が多いので、こうした取り組みの輪を広げていきたい。犬と人のより良い共生社会を目指す上でも大切な活動だと考えている」と話した。

隊員犬を募集

 第2回目の隊員登録会が6月24日(火)、同公園入口ベンチ付近で行われる。午前11時30分から1時間ほと。

 希望者は、「宮前わんわんパトロール隊」のインスタグラムをフォローした画面を当日提示する。先着30人で、隊員バッチが手渡される。

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浄照寺で演芸会
入場無料
浄照寺で演芸会
6月15日 「気楽亭」スタート
鷺沼二丁目交差点そばの浄照寺(浄土真宗・お西)の本堂で6月15日(日)、演芸会が行われる。落語の起源は説法だと言われている。そこで同寺では「寺の本堂を話芸の... (続きを読む)

「空気砲」に歓声 鷺沼小で化学ショー

 鷺沼小PTAが5月31日、米村でんじろうサイエンスプロダクションを招いたイベントを行った。任意加入の同PTAが保護者への還元策として実施。約530人の児童と保護者がショーを楽しんだ。

 ジャイアン村上さんが「空気砲」=写真=をはじめ、ブーメランや液体窒素を使ったロケット発射、雲づくりなどの実験を行った。村上さんは「不思議と思う気持ちを大切に、家でもやってみてほしい」と期待を寄せた。米山奈美会長は「今後も大人と子どもが楽しめる企画を考えていきたい」と話した。

神奈川県議会 所属委員会が決定

 神奈川県議会でこのほど、本会議の議決に先立ち専門的かつ詳細に議案等を審査する常任委員会などの構成が決まった。

 宮前区選出議員では、持田文男議員(自民)が、公害の防止その他環境の保全、農業、林業及び水産業、そのほか環境農政局などの仕事について審査する「環境農政常任委員会」に所属。柳瀬吉助議員(清進)は、都市計画、道路、河川その他土木、住宅及び建築、水道事業、電気事業、公営企業資金等運用事業、相模川総合開発共同事業、酒匂川総合開発事業、そのほか県土整備局や企業庁などの仕事について審査する「建設・企業常任委員会」に所属する。

脳トレとフレイル予防 向丘出張所で

 健康講座「脳トレとフレイル予防体操」が6月23日(月)、向丘出張所で開かれる。午前11時から正午(受付時間10時45分から)。参加無料。主催はつばめプロジェクト運営委員会。

 地元クリニックの看護師が講師を務め、健康寿命延伸を目的とした脳トレや体操を行う。飲み物やタオルは持参。動きやすい服装で。問い合わせは、内田さん【携帯電話】090・8171・3297。

カエルの鳴き声を発表する児童

向丘小学校 音の魔法に「びっくり」 音響効果の出前授業

 映像に音を付けてより魅力的に演出する「音響効果」を題材にした出前授業が5月30日、向丘小学校で行われた。サウンドプロデューサーの加藤直正さんを講師に迎え、4年生3クラスの約110人が、音を生み出すプロの技に触れた。

 授業の冒頭、加藤さんは音響効果という仕事について解説。続いて、貝殻をこすり合わせてカエルの鳴き声を出したり、うちわをあおいでタカの羽ばたき音を表現したりと、意外な道具で効果音を再現してみせた。児童たちも貝殻を使ったカエルの鳴き声作りに挑戦し、手の中から音が生まれる感覚を楽しんだ。

 また、「サウンドクイズ」と題したコーナーでは、ポテトチップス、せんべい、うまい棒といったスナック菓子を食べる音や、鉛筆、ボールペン、サインペンで文字を書く音を聞き分ける問題に挑戦。さらに、同じ映像に明るい音楽と寂しげな音楽をそれぞれ付け、音によって映像の印象が変わることを体感した。

 参加した児童は、「貝殻でカエルの鳴き声が作れるなんてびっくりした」「いつも見ているドラマに、こんな工夫がされているとは知らなかった」と話していた。

 同校の担当者は、「初めて知ったことも多かったと思う。経験を通して情報を受け取る力、発信する力を身に付けてほしい」と語った。

色づきだした境内のアジサイ=6月2日撮影

アジサイ1千株 咲き競う 6月15日 妙楽寺でまつり

 「あじさい寺」の名で親しまれる妙楽寺(多摩区長尾3の9の3)で6月15日(日)、「長尾の里あじさいまつり」が開かれる。同実行委員会主催、多摩区観光協会後援。

 今年で27回目。毎年、同寺の境内に咲き誇る約1千株のアジサイを楽しむ多くの人で賑わう。溝江光運住職は「昨年の猛暑で何本か枯れてしまったが他のアジサイは花持ちも良く、例年通りお楽しみいただけると思う」と話す。今年3月には参拝者が屋外で休憩できるあずまやを境内に建立。「自由にご利用ください」と呼びかける。

将棋塾を初開催

 今年も長尾こども太鼓の演奏で開幕。地元町会や協力団体による地場野菜や菓子、飲み物、軽食のほか、長尾町会環境美化部によるアジサイ苗の販売がある。野点も実施。加えて本堂では小学生を対象にした将棋ワークショップ「こども将棋塾」を初開催。プロ棋士による実演や指導対局などが予定されている。午前10時30分から午後0時30分。参加者募集中。事前申込制。詳細は同寺。

 同寺に向かう道路、通称アジサイロードも人々を出迎える。例年、長尾の里あじさい保存会や長尾町会、有志らが下草刈りや清掃を行っている。実行委員長で同町会会長の井田良一さんは「準備を整え、皆さまをお迎えします」、保存会の井田光政会長は「あずまや、トイレの整備も完了し、ゆっくりあじさいを鑑賞いただける環境が整った」と語る。

 まつりの開催は、午前10時から午後2時まで。雨天決行。駐車場なし。詳細・問い合わせは、同寺【電話】044・922・3653。

あじさい号の臨時便を運行

 当日はJR久地駅・妙楽寺間をコミュニティバス「あじさい号」直行便が臨時運行する。詳細・問い合わせは、高橋商事【電話】044・945・0282。

岡村三郎氏

参院選 無所属・岡村氏 出馬へ 75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

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小学生への読み聞かせ 市民館で講座

 宮前区小学校図書ボランティアの会が6月20日(金)から10月31日(金)まで、「小学校での読み聞かせ講座〜絵本とお話の本の選び方〜」(全9回)を宮前市民館で行う。時間は午前9時45分(受付開始9時20分)〜正午。

 対象は小学校で読み聞かせボランティアをしている人、または関心のある人。子連れ不可。受講料は2500円。定員は先着25人。締め切りは6月13日(金)。申し込みは【URL】https://forms.gle/91ejaShGMouNpD7N6。問い合わせは【メール】miyaborakai@gmail.com。

参加したメンバー

川崎富士見LC 洗足学園で献血 学生ボラも参加

 社会奉仕団体・川崎富士見ライオンズクラブ(LC/斎藤欽一会長)は5月27日、洗足学園音楽大学(高津区)で献血活動を行った。

 同LCメンバー16人と学生ボランティア2人が参加。大型バス「愛の献血車」を招き、学生や教職員に献血を呼びかけた。受付数は77人で、そのうち59人が献血し、同LCから米などが配られた。斎藤会長は「学生さんの協力もあり、多くの方に参加してもらえた」と話した。

 日本赤十字社では、提供された血液から安全な血液製剤を製造している。慢性的に続いている献血不足の現状を踏まえ、同LCは献血活動を継続。昨年には、神奈川献血推進に尽力したとして、黒岩知事から表彰された。

國谷涼太氏

今秋の川崎市長選 國谷氏が出馬表明

 任期満了に伴い10月26日に投開票される川崎市長選挙に、國谷(くにや)涼太(りょうた)氏(25)=麻生区片平在住=が無所属で立候補する考えを、5月23日の記者会見で明らかにした。

 國谷氏は大阪府和泉市生まれ。小学生の時に麻生区へ転居し、麻生小学校、麻生中学校、県立多摩高校、早稲田大学社会科学部を卒業。現在は東京都内のコンサルティング会社に勤務している。

 29日に本紙の取材に応じた國谷氏は、「今の川崎は強みを生かせていない。ポテンシャルを引き出し、もっと成長するまちにしていきたい」と出馬理由に言及。子育て世代の定着、規制緩和などによる企業進出、シニアの活躍などを促進する考えを示し、具体的な政策は国の動向を見極め、参院選後に明らかにするとした。「若すぎる、無謀だという意見があるかもしれないが、私には川崎の未来をもっと良くしたいという圧倒的な熱意と覚悟がある」と述べた。

 市長選への出馬意向の正式な表明は國谷氏が初めて。(6月3日起稿)

堀川圭輔氏

参院選 NHK党 堀川氏擁立へ 受信料制度見直し訴える

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)にNHKから国民を守る党が会社員の堀川圭輔氏(51)を擁立することを決めた。

 堀川氏は2022年の参院選静岡選挙区、23年の豊島区議選に同党から立候補して落選している。5月29日の会見で「NHKの受信料制度は今の時代に合っていない」と述べ、受信料を支払った人だけが視聴できる制度の導入を訴えた。

(写真右)福田市長と篠山選手(写真下)左から篠山選手、北GM、川崎社長

川崎ブレイブサンダース 「来季は上位」意気込み 篠山選手ら市長表敬訪問

 男子プロバスケットボールのBリーグ2024-2025シーズン終了に伴い、「川崎ブレイブサンダース」の川崎渉社長と北卓也GM、篠山竜青選手の3人が6月2日、福田紀彦川崎市長を表敬訪問した。

 長らくチームの要だったニック・ファジーカス選手が昨年引退し、ヘッドコーチが交代して首脳陣が外国人になるなど、今季は大きな変化が続いた。そのため18勝42敗で中地区8位と厳しい成績だったが、5月30日のBリーグ年間表彰式では、各部門の優秀選手として篠山選手が「B1ベストFT成功率賞」を受賞し、チームのキャラクター「ロウル」が、マスコットオブザイヤーに輝くなど、最終盤に明るい話題も聞かれた。

 川崎社長は「シーズン後半に若い選手が加わり、目指すバスケが形になった。敗戦が多くてもポジティブに取り組めたことは来年につながる収穫だった」と前向きに総括し、北GMは「来シーズンは上位を狙いたい」と宣言。主将としてチームを率いた篠山選手は「来シーズンは新体制2年目なので、結果を出さなくては。すでにオフを返上してトレーニングを始めた選手もたくさんいる。引き続きご声援をお願いしたい」と意気込みを語った。

 福田市長はBリーグの「オールスター」に密着したテレビ番組での篠山選手の「活躍」にも触れ、「リーグ戦で強いことも大事だが、ブレイブサンダースの存在が川崎を元気にしてくれる。若い世代のバスケ教室など地域での取り組みもありがたい。来季も色々な意味で活躍をお願いしたい」と感謝を伝えた。

 訪問後の取材では来季の課題について、篠山選手は「強いチームと比べると細かいプレーの質の部分が欠けていた。強くなるために、そこを突き詰めてやっていく」と語り、ファンサービスについても、「川崎の皆さんにもっともっとブレイブサンダースを応援していただけるよう、まだまだやります」と断言した。

(上)パプアニューギニアの武具など国内外の仮面や神像を展示する企画展会場(下)岡本が国内外で撮影した写真

岡本太郎美術館企画展 「太陽の塔」地下展示とは 民族学との出合い解説

 1970年の大阪万博のレガシーとして知られる岡本太郎の代表作「太陽の塔」について、文化庁の文化審議会が5月16日、重要文化財への指定を答申した。これに先立ち川崎市岡本太郎美術館(多摩区)で開催中の企画展「岡本太郎と太陽の塔-万国博に賭けたもの」では、「太陽の塔」の足元の地下展示に焦点を当て、民族学的な観点から岡本が「塔」に込めたメッセージをひもといている。

 岡本太郎の「太陽の塔」は、55年前に大阪府吹田市で開かれた大阪万博のテーマ館として建設された高さ約70m、基底部の直径約20mの構造物。大阪万博で「テーマ展示プロデューサー」を任された岡本は、工業化・近代化を礼賛する従来の万博に否定的な立場から、「塔」を中心とするテーマ展示を構想した。

 岡本太郎美術館では大阪市で開催中の関西万博にあわせ、「太陽の塔」の足元の地下展示に焦点を当てた企画展を開催中だ。2000年に開かれた「太陽の塔からのメッセージ展」では展示できなかった地下展示に焦点をあてている。

なまなましい実感

 岡本は地下展示を考えるうえで、「過去-根源の世界」をテーマに据えた。その狙いを自著でこう述べている。「人間が(略)どのような手ごたえで生をたしかめてきたか、そのなまなましい実感をつきつけたい」

 イメージを具体化するため、東京大学や京都大学の学生約20人を47の国や地域に派遣し、神像や仮面、生活用具などの民族資料約2600点を収集。それらを「塔」の足元の地下空間に配置し、生活の知恵や神聖なものへの祈りを表現した。

 今回の美術館の企画展では、当時の地下展示のイメージを基に国内外の仮面や神像を展示しつつ、パリ時代の民族学との出合いや、国内外の習俗を知るための取材旅行で撮影した写真や論考を展示。「塔」の構想スケッチや制作現場の記録映像なども見られる。日本工業大学(埼玉県宮代町)のプロジェクトチームが7年がかりで制作した、「塔」を追体験できるVR作品「甦(よみがえ)るVR太陽の塔」の上映もある。

 担当学芸員の喜多春月さんは「岡本は従来の万国博とは異なるものを目指したが、その背景となったのが民族学との出合い。パリでの学びや国内外でのフィールドワークが、どのように『塔』につながるかをご紹介している」と話す。企画展は7月6日(日)まで。

高津市民館で開かれた金賞受賞者らの表彰式の様子。前列中央は応援サポーターで俳優の風間トオルさん

健幸福寿プロジェクト 計459人の要介護度が改善 10期の参加者募集中

 川崎市独自の介護施策である「かわさき健幸福寿プロジェクト」が今夏で10期目を迎える。第8期までに2千以上の事業所と3千人以上の高齢者がプロジェクトに参加して状態の改善に挑み、459人の要介護度が改善した。

 「かわさき健幸福寿プロジェクト」は、要介護度の改善と維持に積極的に取り組んだ市内の指定介護保険事業所(介護サービス事業所)を応援するため、市が報奨金などで支援する制度。要介護認定で1から5の状態にある利用者(高齢者)が、事業所と共に一定の取り組みを続け、要介護度が改善した場合に利用者本人を表彰し、事業所に報奨金を贈る仕組みだ。

 プロジェクトが本格スタートした2016年から、集計が完了した第8期までの参加業所数は延べ2355カ所で、参加した高齢者数は市内の介護サービス事業所を利用する3393人だった。

 第8期の参加者551人のうち要介護度が改善したのは85人で、高齢者の身体機能を測る指標「日常生活動作」(ADL)が改善した人は6人だった。改善した利用者を支える各事業所が対象となる報奨金は、延べ219事業所に贈られた。

杖なしで歩きたい

 第8期に要介護度が改善して「金賞」を受賞した黒木則行さん(77)のケースでは、脳出血の影響で左手足に麻痺や感覚障害が残ったため2022年1月に「要介護4」と認定されたが、本人が「杖なしで歩きたい」と強く希望した。介護支援専門員や福祉用具専門相談員、理学療法士などがチームケア体制を整えて黒木さんのリハビリをサポートした結果、杖は欠かせないものの毎日1時間ほどの歩行が可能になった。

 23年10月には「要介護2」と2段階の改善がみられ、金賞受賞後も「同窓会に参加する」などの目標を設定し、チームケア体制でリハビリに励んでいるという。

 市では今年7月から来年6月までの第10期の参加者を募集中だ。介護サービス事業所が利用者の希望と意志を確認のうえ、オンラインまたは書面で市に申し込む。市の担当者は「介護の現場を応援するプロジェクト。多くの事業所に参加してほしい」と話している。

 問い合わせは市高齢者事業推進課【電話】044・200・2454。

水道管の更新工事=川崎市提供

京都の冠水事故受け 川崎市 水道管調査「異常なし」

 川崎市は4月に京都市で発生した水道管の漏水事故を受け、老朽化した水道管の緊急調査を実施した結果、異常は確認されなかったと発表した。

 今年4月30日、京都市の中心地で地中に埋設された鋳鉄管(ちゅうてつかん)(水道管)から漏水し、大規模な冠水事故が起きた。この事故は66年前に埋設された水道管が破損し、穴が空いていたことが漏水の原因とみられることから、国土交通省は5月7日、「緊急輸送道路下に埋設されている鋳鉄管の緊急調査」の実施を全国自治体に要請した。鋳鉄管は、昭和30年代までに採用されていた水道管で、現在の「ダクタイル鋳鉄管」に比べ、素材が衝撃に弱いという。

 市はこれを受けて5月13日から21日までの間、緊急輸送道路の下に埋設されている鋳鉄管を対象に、地表への漏水や路面の段差などの異常の有無を、目視で確認。その結果、異常は確認されなかったという。

 市では地震時に破損などの被害が想定される鋳鉄管を「老朽管」と位置づけ、優先的に更新工事を進めてきたという。市内の水道管総延長約2500Kmのうち、2023年度末の時点で約10Kmの「老朽管」が残っており、今回はこのうちの計4Kmを緊急調査の対象とした。

綱引きのイメージ

生田緑地で国際フェス 「言葉超えた多文化交流」 グローバル運動会など

 スポーツやワークショップを通して異文化交流するイベント「生田緑地国際スポーツ&カルチャーフェスティバル ウィズTAROマルシェ」(スポカルフェス)が6月8日(日)、生田緑地(多摩区)で初めて開催される。川崎市の外国人市民代表者会議で委員長を務めたスリランカ人男性と、英会話教室を営む日本人男性がタッグを組み、川崎の「新しい祭り」を目指している。

 「スポカルフェス」は、5万人以上の外国人が暮らす川崎で、スポーツや文化、「食」を通じた異文化交流の場を創出する試み。多国籍編成のチームで綱引きや玉入れを競う「グローバル運動会」と、さまざまな国の文化体験ができるワークショップ、子どもたちのダンスや外国のパフォーマンスが見られるステージなどがある「カルチャーフェスティバル」の二部構成で、諸国の食が楽しめるキッチンカーも出店する。

 多摩区内で英会話教室を営む高部真生さんと、高津区在住のペレーラ・ラヒルサンケータさんが企画。「リアルな異文化交流の場を作りたい」と考えた高部さんが、知人を介してペレーラさんと知り合い、今年1月から2人で準備を進めてきた。

 「言葉の壁を超えて楽しむ場にしたい」と高部さん。ペレーラさんも「大いに盛り上げて川崎の新しいお祭りにしていきたい」と意気込む。

 会場は生田緑地内の岡本太郎美術館に隣接する広場。運動会は午前10時〜11時半、カルチャーフェスは午前11時〜午後5時。問い合わせは運営チーム【電話】080・9007・0309。

昨年度の最優秀賞の献立を味わう福田紀彦市長と受賞者

中学校給食献立コン 今年度も募集開始 サブテーマ「ご飯がすすむ」

 川崎市教育委員会は、中学校の生徒と保護者が給食の献立を考える「中学校給食献立コンクール」の応募作品を募集している。8月27日まで。

 このコンクールは2017年に市の「みんなで創る『健康給食』」の取り組みの一つとしてスタート。市立中学校に通う生徒やその保護者を対象とする「生徒部門」と「保護者部門」があり、「生徒部門」の献立は主食、主菜、副菜、汁物がそろう1食分、「保護者部門」は「副菜」1品を応募する。

 今年のサブテーマは「ご飯がすすむおいしい献立」。市教委によると、給食で提供されるご飯を残す生徒も多く、ご飯の残食率はほかの食材より高い約1割。カレーや親子丼のようにご飯に具材がかかっている場合は完食する生徒が増えるが、ご飯が単体で提供される日は、残食率が上がるという。

 審査のうえ10月上旬に最優秀賞やアイデア賞(生徒部門のみ)などの受賞者を発表する。最優秀賞の生徒の献立は来年1月、保護者の献立は2月に給食で提供される。

 応募用紙に必要事項を記入し、学校に提出する。保護者はオンラインも可。問い合わせは市教委健康給食推進室【電話】044・200・2158。

SPARTAN KIDSブース(左)とラクロス体験

GO!GO!!フロンターレ

スポーツ教室で楽しく体を動かそう!

 中学生以下を対象としたスポーツ教室イベントが6月8日(日)、Anker フロンタウン生田で開催される。

 「Anker フロンタウン生田 キッズスポーツフェスタ2025 supported by SOMPOひまわり生命」と銘打ち、今年も20種類以上のブースを開設。子どもたちに多種多様なスポーツを体験できる機会を提供する。

 SPARTAN KIDSブースでは、走りながら障害物をクリアするスパルタンレースを体験できる。実際のレースに出場している講師とともに、思い切り体を動かそう。ラクロス体験では、川崎ファルコンズの選手と一緒に、パスやシュートに挑戦できる。

 ほかにも、ストリートテニス体験やスナッグゴルフ、足や腕に切断障がいのある人がプレーする、アンプティサッカー体験など、体を動かすブースが盛りだくさん。

 時間は午前10時〜午後1時。参加無料。雨天時は内容変更の可能性あり。詳細・問い合わせは同所【電話】044・328・5771。

画像はいずれも川崎フロンターレ