高津区版【7月18日(金)号】
左から河合コーチ、松田選手、村上選手、牧山選手、川渕選手

NECグリーンスイミングクラブ 4選手が世界選手権へ パラ水泳、国内選考を突破

 NECグリーンスイミングクラブ溝の口に在籍する松田天空(あんく)選手、村上舜也選手、川渕大耀選手、牧山和樹選手がそれぞれ国内選考を突破。8月からタイで開かれる知的障害者を対象にした「2025 Virtus水泳世界選手権」と、9月にシンガポールで開かれるパラ水泳の世界最高峰の大会の一つ「2025WPS世界選手権」への出場を決めた。

 各大会への出場は、日本知的障がい者水泳連盟や日本パラ水泳連盟が定める派遣標準タイムを突破することが必須。その上で、各クラスから代表として選出されるのは最大3名までとなる。4選手は、4月に富士で行われた「WPSワールドシリーズ」と、ヨコハマ国際プールで6月に開かれた「日本知的障がい者選手権水泳競技大会」を経て国際大会への切符を獲得した。

 松田選手と村上選手は、これまでさまざまな国際大会に出場してきたベテラン選手。お互いを良きライバルとして見ており、普段の練習でも切磋琢磨しあっている。

 松田選手と村上選手は大会に向けて「自分の泳ぎを考えて、楽しみながらレースをしたい」「本番はこれからと考えて練習に取り組みたい」とそれぞれ語った。

若き力、世界へ

 川渕選手と牧山選手はともに高校生。川渕選手はパリパラリンピックへの出場経験があり、今回も大舞台への活躍に熱意をにじませ「表彰台の頂点を目指し、世界のライバルに立ち向かっていきたい」と語っている。

 一方、牧山選手は国際大会への出場経験がなく、日本代表に選ばれたのは初めてだという。「緊張しているが、世界と戦えることに嬉しく思っている。精一杯頑張りたい」と、素直な気持ちを明かした。

 4人の努力を見守ってきた河合大輔コーチは「どの選手も実力のある選手ばかり。本番でも活躍を期待したい」と思いを込めた。

要約筆記者の研修の様子

川崎市登録要約筆記者協会 文字で「聞こえ」支え30年 高津市民館で記念事業も

 「聞こえない」「聞こえにくい」といった人が会議などの場に参加できるよう、話し手の意図を文字で伝える通訳「要約筆記」。この活動を市内で手掛ける要約筆記者で構成される「川崎市登録要約筆記者協会」が、活動30周年の記念事業を今秋「高津市民館ノクティホール」で行う。

 「要約筆記」とは、話されている内容を要約し、文字で伝える聴覚障害者への情報保障の取り組み。生まれつき聴覚に障害のあるろう者などの言語である「手話」に対して要約筆記は中途失聴者や難聴者などの意思疎通をサポートする手法として役立てられている。

 市内でこの活動を手掛ける川崎市登録要約筆記者協会(三品めぐみ会長)には現在41人の登録要約筆記者が在籍。派遣要請に応じて会議や講演会、病院、学校などさまざまな場所に出向き、手書きまたはパソコンでその場の話の内容を文字にして通訳している。

約1年の研修経て養成

 川崎市で要約筆記者になるためには厚生労働省のカリキュラムに則って「川崎市聴覚障害者情報文化センター」(中原区)で開催される養成講座の受講が必須(今年度の募集受付は終了)。約1年に及ぶ講座を修了したのち、全国統一の認定試験をクリアして、川崎市に登録、要約筆記者として活動できるようになる。

 登録後は協会に所属して定期的な研修を行い、会員同士が互いに知識や技術の研鑽(けんさん)に努めている。また、会報発行を通じた情報共有や例会開催等による会員間の親睦なども深めているという。

10月にトークショー

 設立30周年を前に同協会では高津市民館ホール(ノクティホール)を会場に10月7日(火)午後2時から記念イベントを開催。シンガーソングライター、作詞家として知られる加藤登紀子氏を招きトークショーを行う。

 当日は「マイナスもプラスにひっくり返そう」というテーマの下、同氏による興味深いエピソードなどが披露される予定。また会場では要約筆記や手話通訳も行われ、川崎市登録要約筆記者協会の活動を垣間見ることもできる(定員600人・入場無料)。申込みは左記二次元コードより(1口2人まで)。申込み締切りは8月31日(日)。

中原区で行われる「なかはらっぱ祭り」のダンス公演をプロデュースする 藤平 真梨さん 末長在住 34歳

ダンスで心の開放を

 ○…「人の数だけ踊りや表現がある」。手掛けるインクルーシブ・ダンス公演には、小学生から年配者まで約30人が参加。年齢や性別、ダンス経験、障害の有無に関わらず、メンバーの個性を生かした舞台を6回のワークショツプで作り上げた。「サンライズ・アンド・サンセット」をテーマに、日の出から日没までの色の変化をダンスで表現する。「あるがままの心を開放するような、自由な動きに注目してほしいですね」

 ○…小学生のころは全身をレインボーカラーで着飾る個性的な子だった。一方で、7歳からバレエに打ち込み、数々の舞台を踏んできた。転機は18歳のときに、留学先のオーストラリアで出合ったコンテンポラリーダンス。「ビビッときた。バレエの古典的な動きと違い、自由な表現に魅了されちゃいました」。持ち前の感性が花開く。20カ国以上を回り、ダンスを通して人や文化に触れてきた。

 ○…「日本の閉鎖的な社会や生きづらさみたいなものを踊りで解き放ちたい」。中学でいじめられた経験も、人の気持ちに寄り添いたい思いの根底にある。振付家としても活躍の場を広げる中、伝えたいのは「自分にOKを出していいんだよ」。どんな動きも個性として認めてあげたいと思う。「自身に向き合えば、他の人を受け入れることにつながるから」

 ○…タイやラオスを旅していたときに、人々が自然に集まり踊りを通したコミュニティーがあることに驚いた。今、地域との関わり中で大切にしている原点がここにある。舞台でプレゼントされた花束でドライフラワーを作ることが息抜き。「意外と地味な趣味で『らしくない』と言われるけど、癒されるんです」。大きな瞳を細め、満面の笑みを浮かべた。

27種類の科学・ものづくりが楽しめる総合イベント(写真は過去の会場風景)

科学・ものづくりに挑戦 坂戸「KSP」で体験企画

 坂戸の「かながわサイエンスパーク」(KSP)で8月2日(土)、子どもたちに科学やものづくりへの好奇心を持ってもらうことを目的に、身近な材料や珍しい機械、道具を使った科学やものづくりの体験イベント「かわさきサイエンスチャレンジ」が行われる。午前10時から午後4時までで入場無料。主に小学生を対象に開催されており、今回で20回目となる。

 当日は22の企業や大学、団体、自治体などが27種類の科学・ものづくりのプログラムを提供。今回は新たに高津区役所と高津消防署が参加し、災害時のトイレ対策や、起震車による大地震の揺れ、火災時の煙を体感して身を守る方法を学ぶ体験など、科学の視点から「地域」「防災」を考える新しいプログラムも登場する。

 事前予約は不要で、当日会場で配布されるパンフレットに記載されている二次元コードをスマートフォンで読み取り、専用サイトから整理券を取得する。整理券は午前の部は9時から、午後の部は12時から取得可能。一部、整理券を取得せずに参加できるプログラムもある。詳細は左記からイベント公式サイトを参照。詳細問い合わせなども同サイト内から可能。

子どもから大人まで楽しめる内容

7月20日「なかはらっぱ祭り」 「何か始めるヒント」一堂に 高津区のダンサーもひと役

 市民活動団体等が日頃の様子など発表し、来場者と交流を深める催し「なかはらっぱ祭り」が7月20日(日)に中原市民館で開催される。

 このイベントは、市民活動の成果等をパネル展示やワークショップ、作品展示、実演ステージなどで楽しめ、仲間を見つけたり、何かを始めるヒントにしてもらおうというもの。特に今年はコラボ企画として「かわさきパラムーブメント」の世界観を楽しみながら感じられるダンス公演が予定されており、高津区在住のダンサー・藤平真梨さん=人物風土記で紹介=がプロデュースを担当する。イベント詳細などは上記二次元コード参照。

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プロが語る家づくり 7月29日 オンライン開催

 川崎市環境局脱炭素戦略推進室は7月29日(火)午後7時〜8時、「太陽光発電・ZEHって何?プロが語る『これから』の家づくりオンラインセミナー」を開催する。

 家づくりの工程や太陽光発電の魅力、住宅会社の選び方など多摩区の工務店タマックが実際の施工例などを解説する。

 参加無料。定員100人で、ウェブ会議システムZoomを使用する。事前申込制で7月25日(金)締切。問合せは、同室【電話】044・200・2178へ。参加申込はウェブサイトを参照。

ペットボトルを空へ打ち上げる参加者(昨年の様子)

発明クラブ 水ロケットを飛ばそう コンテスト 参加者募集中

 川崎市内北部(多摩区・麻生区・高津区・宮前区)を中心に活動する「川崎北部少年少女発明クラブ」(上森規光会長)は8月1日(金)、午前10時から向の岡工業高校(多摩区堰)で、恒例の「ペットボトル水ロケット飛翔コンテスト」を開催する。現在、参加者を募集している。

 当日は、午前中に水ロケットを作り、午後に完成したロケットの飛距離を競う。対象は小学1年生から中学3年生。小学生は要保護者同伴。参加費1人500円。

 参加希望者は同クラブブログ(【URL】https://ameblo.jp/kncic/)内「参加者募集・ペットボトル水ロケット飛翔コンテスト」にある専用フォームから7月19日(土)正午までに申し込みを(多数の場合は抽選)。参加決定、および当日の持ち物など詳細はメールで通知する。

 問い合わせは専用フォーム【URL】https://x.gd/78kh4。

呉市の吉浦町(現・若葉町)の海軍工廠砲煩実験部から見た広島原爆のきのこ雲 撮影者:尾木正己 写真カラー化:渡邉英徳(東京大学大学院)

川崎市平和館 原爆写真をカラー化 終戦の日に合わせ特別展

 川崎市平和館(中原区木月住吉町)は7月26日(土)から、特別展「天然色で見る広島・長崎と80年後の世界」を開催する。8月24日(日)まで。午前9時から午後5時。8月11日を除く毎週月曜、12日(火)、19日(火)は休館。

 同館では、市民に戦争の悲惨さを伝え、平和に対する理解を深めてもらうことを目的に、毎年終戦の日である8月15日前後に特別展を企画している。戦後80年となる今年、東京大学大学院の渡邉英徳研究室の協力で、広島、長崎の原爆写真をカラー化したものを展示。同館の担当者は「モノクロ写真は遠い昔の風景と捉えがち。カラー化されることで、より最近のこと、自分事として感じる機会にしてほしい」と企画の意図を語る。

 そのほかにも、広島の高校生が被爆者の証言をもとに共同制作した「原爆の絵」、核実験の歴史、現在の核兵器の分布、核軍拡・軍縮の年表などのパネル展示を行う。6日(水)、9日(土)午前11時からと、午後1時からの2回、9歳以上の小学生を対象に、空襲や原爆などの戦争をテーマにしたアニメーション映画を上映する。定員30人(当日先着順)。

 終戦記念日となる15日(金)には平和館見学ツアーも実施。午後1時15分から2時15分。9歳以上で先着20人。事前申込み制で7月16日から市ウェブサイト、電話、FAXで申込み受付。

 今回の特別展関連イベントして2つの上映会も開催する。8月2日(土)午後2時から、英国で制作された核戦争をテーマにしたアニメーション作品『風が吹くとき』を上映。16日(土)午後2時からは日系人映画監督のスティーヴン・オカザキ氏が手掛けたドキュメンタリー映画『ヒロシマナガサキ』を上映。両日とも事前申込み制で定員は先着40人。市ウェブサイト、電話、FAXで申込み。(問)同館【電話】044・433・0171、【FAX】044・433・0232

市教委のパンフレット

対話による校則の見直し カギ握る「子どもの権利」

 生徒と教員が対話しながら校則を見直す動きが、全国の教育現場に広がっている。国の働きかけを受けた流れであり、川崎市でも取り組みが進む一方で、一筋縄ではいかない「現場のリアル」もあるようだ。

 今年春、川崎市立川中島中学校(川崎区)の保護者に「校則の見直しに関するアンケート結果」と題した文書が、市の教育アプリを通して共有された。こんな内容だ。

 ▽校則の見直しに賛成ですか?(賛成98・3%)▽靴の色を白以外もOKにする(賛成88・8%)▽夏服着用時に体操着での登下校をOKにする(賛成94・2%)

 2024年度の同校PTA役員の発案で、同校の保護者にアンケートを実施し、415人から回答を得たものだ。

 発端は髪型の「ツーブロック問題」だった。同校では禁止されていたが、近年「過度な刈り上げ禁止」へと変更された。PTA役員の一人、高買舞さんは「『過度』の判断が難しいという保護者が多かったので、校則に関する親の声を学校に伝えたら、『校則を変えるには生徒の主体性が必要』という回答だった」。アンケートで声を可視化し、学校に共有した。

 あとは「生徒の主体性」次第だが、高買さんは子どもの「リアル」への懸念を打ち明ける。「一部の生徒が頑張って主張しても、消極的な子も多い。そもそも中1や中2が学校に問題提起することは難しいと思う」

 同校の新山英樹校長は「アンケートは承知している。子どもたちの学校生活をよくするためにルール変更が必要なら、子どもの声を聴き、教員たちと相談しながら対応していく」と語る。

子どもの意見表明権

 校則の見直しを巡り、文部科学省は22年12月に改訂した生徒指導の手引き「生徒指導提要」で「本当に必要なものか、絶えず見直しを行う」よう学校に求め、見直し過程での生徒参加を推奨している。これを受けて対話型の見直しの動きが全国に波及。川崎市教育委員会では23年3月に冊子「子どもたちとともにつくる学校生活のルールや約束」を作成し、学校に配布のうえ校長会などで周知を図っている。市教委の担当者は「何かしらの見直しを全校で実施している」とし、「市としては子どもの権利の観点からも『子どもたちと一緒に』という点を重視している」と強調する。

 確かに市の「子どもの権利条例」では子どもに自分の意見を表明する権利(意見表明権)を保障しているが、高買さんが指摘するように、自分の権利を行使できる子どもばかりではない。

 市の子ども会議の委員で、子どもによる「子どもの権利の学び舎」活動を続ける高木萌伽さん(17歳)はこう語る。「自分の声が反映される経験が少ない子どもは『意見を言おう』と思えない。子どもが意見する力を養うには、日ごろから『自分の声や意見を聴かれる経験』が重要。周囲の大人も子どもの思いに共感し、共に行動してほしい」

第40回「麻生音楽祭」終幕 累計7千人が参加

 今年で40回目の開催となった「麻生音楽祭」は7月12日に最終日を迎え、麻生市民館ホールで「ポピュラーミュージックショー」が催された。6月からひと月にわたり続いた音の祭典は、この日の出演者全員がステージに上がって合唱する「Specialバンド」で華々しくフィナーレを迎えた。

 地域の市民や音楽家が中心となって1984年に開いた「音楽フェスタ」を契機に、麻生市民館が開館した翌年の86年に「麻生音楽祭」は始まった。回を重ねるごとに参加者も観客も増え、今では出演者約2千人、観客約5千人が参加する規模に成長した。

 40回目となる今年は、2月に川崎市制100周年記念事業を兼ねた音楽祭の40周年記念イベント「1000人でオーケストラと歌おう!」を特別に実施。約700人が参加し、事前にプロから歌唱指導を受けた上で、坂本九さんの「明日があるさ」などを観客と共に熱唱した。

 音楽祭は6月14日に開催した新百合ヶ丘駅南口広場でのオープニングコンサートを皮切りに、スクールコンサートやアンサンブルのつどいなど6部門を6日間に分けて開催。麻生フィルハーモニー管弦楽団が麻生区のイメージソング「かがやいて麻生」を編曲したオリジナル版を演奏するなど、地域色豊かなステージが続いた。

 最終日の12日はポップスやゴスペル、ロックなど多彩なジャンルのステージが続いた。最終演目「40周年記念Specialバンド」では、この日の出演者約60人のほぼ全員がステージに上がり、井上陽水さんと奥田民生さんの「ありがとう」を全員で歌い、音楽祭は幕を閉じた。

 実行委員長の池上裕子さんは「40周年に向け、実行委員全員が『学園祭』のような熱量で準備を続けてきた。その全てを無事に終えられ、本当に感無量。ご協力、ご参加いただいた全ての方に、感謝している」と満面の笑みだった。

警告ブロックが整備されたアゼリアの地下駐車場につながる階段

アゼリアの点字ブロック 視覚障がい者「願い叶う」 主要駅つなぐ経路設置へ

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」(川崎区)の構内で、視覚障がい者の安全確保のための点字ブロック設置に向けた調整が続いている。障がい者団体が福田紀彦市長に10年以上、要望を続けてきたものだが、JR川崎駅から京急川崎駅へ向かうルートが、ようやくつながろうとしている。

 7月4日、川崎市と川崎アゼリア(株)、そしてNPO法人川崎市視覚障がい者福祉協会(以下協会)の3者が集まり、アゼリア構内での新たな点字ブロック設置について今後の方針を確認した。今春に設置した地下駐車場に向かう階段の設置に続き、JR川崎駅から京急川崎駅をつなぐルートや、市役所方面をつなぐルートを点字ブロックでつなぐ方針という。

 アゼリアには平日でものべ約27万人の往来があるが、構内にほとんど点字ブロックがないため、協会が10年以上前から福田市長あての「要望書」の中で訴えてきた。協会関係者は「やっと安心してアゼリアを歩くことができる」と喜びを語る。

 この件では、協会は市長への要望に加えて初めて市議会に請願書を提出した。これが総務委員会で採択され、本会議でも全会一致で採択。市は2025年度予算に点字ブロック整備を支援する「整備負担金」を計上。一気にことが進んだ。

「合理的配慮」義務

 協会ではアゼリアの件以外でも、2009年のNPO発足以後、毎年6月に要望書を市に提出してきた。今年の要望も多岐にわたり、「武蔵小杉駅から中原区役所へ向かう途中の交差点に音声信号機を」「田園都市線宮前平駅のホームドアの改善を」「視覚障がい者向けの老人ホームやグループホームを」など、いずれも切実な問題ばかりだ。要望は市の庁内のほか神奈川県警など関係各方面へと伝わるが、アゼリアのように長らく動きがみられないものも、少なくないという。

 協会関係者は「要望に応えてくれることは有難い。しかし障がい者福祉に積極的な自治体と、市内の状況を比べてしまう時もある」と語る。

 さらに近年は「深刻な困りごと」も発生した。コンビニやスーパーのセルフレジ、飲食店などのモバイルオーダーだ。音声ガイドや点字で機能を補わない限り、「情報が得られず、お手上げの状態」と訴える。

 昨年4月には障がい者に対する「合理的配慮の提供」を義務化した改正障害者差別法が施行された。障がい者が「社会的バリアーを取り除いてほしい」と意思表示した場合、事業者側は合理的に対応する必要がある。

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昨年の「10代のための見学会」で解説する山田館長

明大登戸研究所資料館 今年も10代向け見学会 「戦争」や「平和」議論も

 明治大学生田キャンパス(多摩区)内にある「平和教育登戸研究所資料館」が、昨年初めて開催した夏の特別イベント「10代のための見学会」を、今年も8月15日(金)に開催する。戦後80年の夏に、あの戦争における日本の加害の史実について、山田朗館長が若い世代に伝承する試みだ。

 特別イベントのタイトルは「ひみつの研究所をさぐれ〜登戸研究所と戦争の裏側〜」。対象は小学5年生から高校3年生で、山田館長の案内を受けながら登戸研究所資料館の展示を見学した後、グループに分かれて感想を述べあい、「戦争」や「平和」などをキーワードに意見を交わす。

 戦時中に旧日本陸軍の「秘密戦」の研究・開発機関だった登戸研究所では、生物兵器や偽札、風船爆弾などが開発され、多くが実際の作戦に使われた。終戦時に証拠隠滅が図られたが、資料館ではこれら「秘密戦」の実態を、資料と写真で解説している。

 中でも風船爆弾は小説化されたこともあり、幅広い年代に関心を集め、現在開催中の企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争」は、好評のため会期を3カ月延長した。今回の特別イベントも、風船爆弾に焦点を当てた内容になるという。

 山田館長は「若い世代に戦争のさまざまな面を知ってもらえるよう、わかりやすい説明を心がける」と意気込みを語る。

 参加希望者は、資料館の公式ウェブサイト内の受付フォームから申し込む。先着15人。問い合わせは資料館【電話】044・934・7993。

GO!GO!!フロンターレ

富士通スタで恒例の夏祭り!

 川崎フロンターレが運営する富士通スタジアム川崎で8月17日(日)、「第6回 富士通スタジアム川崎 夏まつり Supported by ひまわり調剤薬局」が開催。

 今年は同スタジアムのフィールドだけでなく、隣接する富士見公園エントランス広場と川崎競輪場のイベントステージも会場となり、大規模に実施される。

 盆踊りや射的、かき氷等の飲食販売のほか、浴衣を着て来場すると、フロンターレ選手のサイン入りグッズが当たる抽選会に参加できる。今年は新たな企画も予定。

 午後4時から午後9時まで、入場無料(一部有料)。各ブースの詳しい内容は、同スタジアムの公式ウェブサイト「EVENTS GUIDE」を参照。担当者は「ご家族、ご友人と夏の思い出を作りにぜひ来場ください」と呼び掛ける。雨天・荒天時の開催可否は、当日午後1時頃に同スタジアムの公式X(旧ツイッター)で案内。詳細は同所【電話】044・276・9133。

不定期連載 市民健康の森だより 第193回 「川崎7区市民健康の森交流会」について

 川崎市では7区全てに「市民健康の森」が指定されています。それぞれの健康の森には保全や管理を担当する私たちのようなボランティア団体が存在します。7区の健康の森ボランティア団体は川崎市公園緑地協会がつなぎ役となり2カ月に一度、交流会を持っています。交流会は情報交換が主な目的ですが、各区の直近の活動実績をお互いに紹介しますので色々と参考になります。健康の森発足の25年前から継続している息の長い活動です。この交流会、昨年度までは等々力の川崎市公園緑地協会の会議室で実施していましたが、今年度は各区の健康の森を順次訪問し、視察を兼ねて現地で開催することとなりました。

各区のボランティアの方々と親睦深め

 初回の5月は幹事区の多摩区の市民健康の森「日向山の森」で実施しました。日向山は小田急線生田駅から徒歩15分強、世田谷通りの日向山のふもとからはかなりの急坂を上ったところにあります。日向山の森は植生豊かで、広葉樹中心の森に加えて竹林や笹が茂る斜面が広大で多摩区市民健康の森ボランティア団体の「日向山うるわし会」の皆さんは間伐や笹刈りなど相当大変だろうと思います。当日も笹刈りが行われていました。

 7月は幹事区が麻生区でしたので麻生区市民健康の森「多摩美の森」を訪問しました。多摩美の森は小田急読売ランド前駅から世田谷通りを渡ると数分で「多摩自然歩道」に入れて、そこを10分程進んだ場所です。この自然歩道は住宅地のすぐそばとは思えない実に自然豊かな遊歩道です。日向山の森とは3キロほどの距離しかなく、2つの健康の森を訪れると改めて川崎市西部の自然の豊かさが感じられました。

多摩美の森では交流会終了後には広場の中央にある大きな藤棚の下で懇親会を開催して頂けましたので多面的な情報交換が出来ました。今年度は今後も各区市民健康の森を訪問しますので各区ボランティア団体への相互理解はより深まるものと思います。