宮前区版【8月22日(金)号】
北乃さん(右)と作品を作る子ども

川崎市内2病院 小児病棟から万博参加 俳優も支援しアート制作

 大阪・関西万博会場と全国各地の小児病棟等をオンラインでつなぐアートイベント「KIDS ART WORKSHOP-ゴチャ・ゾウ」が8月8日に開催された。川崎市内からは日本医科大学武蔵小杉病院(中原区)、総合川崎臨港病院(川崎区)の小児病棟で生活する子ども等が参加。木材とタイルを使ったアート作品を作り、万博や他会場の参加者と出来栄えを共有して楽しんだ。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている大阪・関西万博。同イベントはこのテーマに沿いながら、難病等で長期間入院している子どもたちにも、万博を楽しんでもらうために開催された。当日は市内2病院のほか、岡山大学病院、長野県立こども病院等の子どもたちもZoomを通して万博とつながり、木材とタイルを使って制作した作品を見せ合って楽しんだ。

大人も驚く想像力

 日本医科大学武蔵小杉病院では、年長から高校1年までの子どもたち6人が参加。俳優の北乃きいさんや同病院の関係者とともに、アート作品を制作した。最初は緊張気味だったが、大人たちの積極的な声掛けによって徐々に打ち解け、笑顔をみせた。中には万博の公式キャラクター・ミャクミャクを木材に直接マジックで描いたり、タイルと木材を組み合わせてゲーム機のニンテンドー・スイッチを模して作ったりする子どもたちもいて、北乃さんらが驚く一幕も。制作が終わると、子どもたちは細長い木材を使った作品に「木のタワー」、カラフルなタイルを散りばめた作品に「色の王国」等、思い思いの名前を付け、Zoomを通して紹介した。

 また他会場には俳優の伊原六花さん(万博会場)、鈴鹿央士さん(岡山大学病院)などが参加し、制作をサポート。北乃さんは「プライベートでもボランティアで同じようなことをした経験がある。明るい子が多くて、逆にパワーをもらった」と感想を語った。

 同イベントは万博のテーマ事業プロデューサー・中島さち子氏が手掛けるイベント「世界遊び・学びサミット」の一つで、認定NPO法人 キッズアートプロジェクト(渡邊嘉行理事長/川崎区)が協力し実施。同法人はこれまで、粘土でクリスマス作品を作るオンライン教室等を実施して、入院中の子どもたちを勇気づけてきた。今回は総合川崎臨港病院でも理事長を務めている渡邊氏を通じて、全国各地の小児病棟等をつないで開催されることとなった。渡邊氏は「今後は海外の小児病棟ともつながるイベントにできれば」と展望を話した。

8月1、2日にチョークアートの展示会を初めて開催した 岡崎 彩子さん 野川台在住 43歳

「きっとうまくいく」

 ○…20代半ばでチョークアートの教室を始め、出産や子育てを経て、2年ほど前に西野川で再開。この夏、生徒たちと、初めて作品展を開催した。展示数は22点、小規模ながらも「作品を見てもらうことで、まだ知られていないチョークアートの魅力を広めるきっかけになった」と、手応えを感じている。

 ○…チョークと聞くと、学校の黒板を連想するが、オイルパステルという画材を使い指で色を混ぜながら描くオーストラリア発祥の看板アートを教えている。その魅力にはまったのは22歳の頃。毎日終電で帰宅するような仕事ばかりの日々に嫌気がさし、単身で留学したオーストラリアで出合った。町を歩いていると、カラフルで温かみのある色合いで描かれた看板が目に飛び込んできた。「絵なんて描いたことがなかったけれど、やってみたい」。すぐに第一人者のレッスンを受け、4カ月でプロライセンスと講師の資格を取得するほど没頭した。

 ○…長崎県で生まれ、小学1年生から宮前区で育った。子どもの頃から「もじもじタイプ」。恥ずかしがったり、ためらったりする性格だったが、高校生で始めた英会話が転機に。新しい文化や人との出会いが楽しく、夏休みには米国への留学を経験。「いつか海外に住んでみたい」という思いが、その後のオーストラリアでの生活へとつながった。

 ○…現在は夫と2人の息子と暮らす。自宅の一室を教室にし、人柄や技術を慕って小田原や千葉から通う生徒も。目下の悩みは「チョークアートの認知度が低いことと、教室の生徒数が少ないこと」。好きな言葉は「everything's gonna be alright(きっとうまくいく)」。その言葉を胸に、チョークアートの魅力の発信に情熱を注ぐ。

サギヌマSC宮前平 全国大会に6人出場

 サギヌマスイミングクラブ宮前平に所属する6人が、8月26日まで東京アクアティクスセンターで開催される「第48回全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会」に出場する。

 同大会は日本水泳連盟が主催する18歳以下を対象とした全国大会。春季と夏季の年2回開かれ、トップスイマーたちが練習の成果を競う。出場選手は以下のとおり。

 萩原瑞稀さん(宮前平中3年)50m自由形、100m自由形、佐藤李音さん(犬蔵中1年)、中野結月さん(宮前平中1年)、萩原あかりさん(同)4×50mフリーリレー、4×50mメドレーリレー、正木結衣さん(同)4×50mフリーリレー、竹森柚歩さん(犬蔵小6年)4×50mメドレーリレー。

永田署長(左)と金井社長

宮前警察署 地域安全へ協定締結 イッツコムと連携へ

 宮前警察署(永田高訓署長)とケーブルテレビ局のイッツ・コミュニケーションズ株式会社(金井美惠社長)は、「地域安全に関する協定」を締結し、8月18日に同署で締結式を行った。

 同協定では、【1】特殊詐欺をはじめとする犯罪等の被害防止【2】交通事故防止【3】犯罪抑止や交通事故防止にかかる広報啓発・情報発信【4】子ども・高齢者などの見守り【5】その他安全・安心まちづくりに関する事項―について連携して取り組んでいくとしている。具体的には、犯罪や交通事故の発生状況や防止策などの情報を同社のチャンネルで発信していく他、家庭訪問をする機会にはチラシなどを配布するという。

 金井社長は「地域のメディアとして、連携して安全・安心な情報を発信していきたい」と意気込みを語り、永田署長は「効果的な情報発信が可能となり、宮前区の安心・安全の向上につながる」と期待を寄せた。

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マジックショーには子どもも参加

マジック道具を手作り 西野川で工作教室

 西野川の宮山スポーツプラザで8月14日、小学生の親子を対象とした「工作教室」が開かれた。夏休みの思い出づくりや自由研究に役立ててもらおうと同館が企画。「真夏のマジックショーと親子で作る不思議な工作」をテーマに、40人の親子らが参加した。

 イベントでは、マジシャンのSaggyさんが登場。コップの中から次々とレモンを出したり、紙袋に入れたルービックキューブが触らずに一瞬で完成するマジックを披露。子どもたちは目を丸くしたり、身を乗り出したりしていた。

 マジックショーの後は、マジック道具の工作を行った。低学年の児童は、スライドすると描いた絵が現れる不思議なファイルを制作。高学年の児童は、3つに切れたストローが一本に戻るマジック道具を手作りした。参加した親子は、完成した道具を使い、楽しそうにマジックを披露し合っていた。

水と空気圧を利用しロケットを飛ばす参加者

少年少女発明クラブ ロケット自作 飛距離競う

 川崎北部少年少女発明クラブ(上森規光会長)の「ペットボトル水ロケット飛翔コンテスト」が8月1日、県立向の岡工業高校(多摩区)で開催された。工作や科学実験を通じて創造力などを養う活動に取り組んでいる同クラブの恒例行事で約40人が参加した。

 参加者は1・5リットルペットボトルの空容器を組み合わせて高さ50cm程度のロケットを製作。そこに350ccの水を入れ、6・5kgの空気圧をかけて校庭で打ち上げ、飛距離を競った。

 飛距離は同校のボランティア生徒が計測器でミリ単位まで計測。生徒により好記録が読み上げられると歓声が上がった。横浜市都筑区から初めて参加し、トップバッターで好記録を出した鈴木遥馬さん(小学4年)は、「水しぶきで一瞬ロケットを見失って、見たらもう遠くにあった。先っぽを少し重くするため、ビニールテープや針金を巻いて微調整するのが大変だった」と話した。

 この日は、台風の影響で途中から雨が降り出しコンテストは中止に。36人がロケットを作ったものの、20人は飛ばすことができなかった。同クラブの上森会長は「当クラブの会員に加え、一般募集の子たちも多数参加してくださった。雨が強くなったため、打ち上げは半分の子たちしかできず、イベントとしては無念の結果になった。打ち上げが叶わなかったロケットを飛ばす機会を検討している」と述べた。

過去に行われたツアー

宮前区観光ガイドの会 下半期ツアー参加者募集

 宮前区観光ガイドの会(小川清会長)は、10月から3月までの期間に行われる下半期ウォーキングツアー(全5回)の参加者を募集している。

 ツアーの日程と内容は、10月14日▽防空壕キクラゲの栽培めぐり(約6Km)、11月11日▽旧平村の歴史散歩(約6Km)、12月9日▽緑地公園探訪と円福寺(約6Km)、2月10日▽夢見ケ崎公園と周辺探訪(約5Km)、3月10日▽南部市場と幸町周辺散歩(約5Km)。全て火曜日。

 各日、午前9時集合、午後0時30分解散予定。料金は、全コース参加を原則とし、資料・保険料含む3500円。定員は40人(抽選)。申込締切は8月29日(金)。

 申し込み・問い合わせは、事務局の山部さん【携帯電話】090・3134・3870、またはkiyo1947@ozzio.jp。

会員の木下賢治さんの作品

宮前写真倶楽部 35周年記念写真展

 宮前写真倶楽部(淺川吉章会長)は、設立35周年を記念した「宮前写真倶楽部写真展」を、8月29日(金)から9月3日(水)まで宮前市民館市民ギャラリーで開催する。

 期間中は、会員16人が撮影した国内外の風景、スナップ、花など、個性豊かな作品を1人3点ずつ、計48点を展示する。

 時間は午前10時から午後5時まで。入場無料。

 問い合わせは淺川さん【電話】090・3508・0262。

夜の観察会に80人 水沢の森でにぎわい

 宮前区市民健康の森「水沢の森」(菅生緑地西地区)で8月16日、『夜の観察会』が行われた。ボランティアグループ「水沢森人(もりんど)の会」が主催。スタッフ23人と稗原小や菅生小の児童とその保護者など57人、総勢80人が参加した=写真。

 今年は昆虫観察を中心に行われ、専門家である吉野勲さんがユーモアを交えて解説。参加者はススキ原にわけ入り、無数に飛び交うバッタを捕まえたり、林の中で昆虫を見つけたりして楽しんだ。最後にかき氷を食べ、水沢の森にちなんだ手作り品を持ち帰った。

 同会の担当者は「熱心に観察シートを書いたり、バッタがびっしりつまった虫かごを誇らしげに見せるお子さんたちの姿は微笑ましかった」と話した。

36組の親子が議場見学 正副議長へ質問も

 川崎市議会は8月6日、小学4年〜6年生を対象にした「夏休みこども議場見学会」を実施し、市内外の小学生と保護者36組が参加した。

 議会のことをより広く知ってもらおうと実施し、今回で12回目となった同見学会。当日は、市議会局の職員が、一昨年に議場が第2庁舎から新庁舎に移転したこと、壁や天井の造りなどを説明。その後、2グループに分かれて、子どもたちが議員席から原典之議長、堀添健副議長に質問を投げ掛けた。「どうして議員になったのか」「どんな活動をしているのか」などの質問に議長、副議長が丁寧に答えていった。

 また議会図書室や委員会室に設けられたチェックポイントでクイズに答えていくスタンプラリーも行われ、「議長はどうやって決まるのか」などのクイズに子どもたちは保護者と一緒に挑戦していった。

 横浜市在住の北條あずささん(小4)は「議長への質問は緊張したけど、スタンプラリーが面白かった」と話し、中原区在住の濱田雄守さん(小5)は「議長に会ってみたかったので参加した。質問の答えで難しい話も多かったので、しっかり勉強したい」と感想を語った。

 原議長は「『川崎市は高齢化が進んでいるのか』『等々力緑地の環境問題』など想定外の質問があり、将来が頼もしく感じた。今回は応募された方全員に参加してもらった。一人でも多くの人に議会をより身近に感じてもらえて有意義な時間になった」と語った。

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『うつし世の静寂に』より 

消えゆく川崎の風土問う 『うつし世の静寂に』上映 9月にアートセンターで

 川崎を拠点に映画づくりを続ける「ささらプロダクション」(宮前区)製作の旧作2本の特別上映会が、9月6日(土)と7日(日)、川崎市アートセンター(麻生区)小劇場で開催される。由井英監督作の『オオカミの護符』と『うつし世の静寂(しじま)に』で、いずれも失われつつある川崎の風土や風習にフォーカスした作品だ。

 『オオカミの護符』(2007年製作)は、川崎北部に残る護符にいざなわれ、関東一円に伝わる信仰の風習を追ったドキュメンタリー映画で、08年度の文化庁・文化記録映画優秀賞を受賞した。一方の『うつし世の静寂に』(10年製作)は、農村社会を支えた共同体の形「講」が川崎北部でも続く様子をとらえ、宅地化で失われた習俗と人との関係性を問う意欲作だ。

 『うつし世』は6日午前と7日午後に上映、『オオカミ』は6日午後と7日午前に上映予定。両日とも上映後にトークイベントがある。チケット発売中。問い合わせは主催の川崎市アートセンター【電話】044・955・0107。

「一人でもくつろげる施設づくり」に注力する小倉園長

夢見ヶ崎動物公園 魅力向上のアイデア募集 地域の「拠点機能」も加わる

 夢見ヶ崎動物公園(幸区)が魅力向上のためのアイデアを募集している。川崎市と民間企業が共同で取り組む「住民参加型クラウドファンディング」の実証実験で、クラファンの対象となる事業候補の公募に加え、ユーザーから幅広い意見を集める目的もある。

 昨年に開園50周年を迎えた夢見ヶ崎動物公園では、今年度中に再整備計画を策定する予定。これと並行して魅力向上の取り組み「ゆめみ50+1アクション」を進行中で、新たな動物の導入や、市民が救護した負傷動物の治療といったバックヤードの仕事を紹介するワークショップなどを開催している。

 実証実験も「アクション」の一環。川崎市が事業開発コンサルティング会社「Blue Lab」(本社・東京都)と共同で、市民から募ったアイデアやリクエストの事業化を目指すという。アンケートで選ばれたアイデアの実現に向けたクラファンを来年度に実施予定だが、まずは施設面や公園の機能に関するアイデアや希望を9月30日まで募集している。

散策がてら読書も

 また小倉充子園長は、クラファンに限らず「今の夢見ヶ崎動物公園に足りないものや、あればもっと楽しくなると思うものなど、利用者の目線から意見を寄せて欲しい」と呼びかける。

 同園では昨秋、休憩スペースや多目的室、乳児室などを備えた公共施設「パークセンター」を開設した。すると子育て世代の集まりや知的障がい者の絵画教室など、多様な市民が「センター」を利用し始め、さらに共用スペースに「書棚コーナー」を開設したところ、高齢者を中心に散策を兼ねて読書に訪れる来場者も増えたという。

 小倉園長は「もともと入園無料なので誰にでも開かれている施設だが、パークセンターの新設によりコミュニティーの『拠点機能』も加わった。その観点からも、利用者目線の要望や意見を寄せて欲しい」と呼びかけている。問い合わせは動物公園【電話】044・588・4030。

国際化学五輪「銀」の高校生 高津のKISTEC 「挑戦の大切さ痛感」と報告 藤嶋館長「立派な科学者に」

 アラブ首長国連邦のドバイで7月に開催された「国際化学オリンピック」に日本代表として出場し、銀メダルに輝いた高校3年生・早田茂さんが、このほど神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC、高津区)内の光触媒ミュージアムを凱旋訪問し、藤嶋昭館長らに結果を報告した。

 「国際化学オリンピック」は90カ国・地域等から354人の高校生らが参加し、日本からは早田さんのほか中原区在住の高校3年生・天野春翔さんら計4人が出場。一人が金メダルを、3人が銀メダルを獲得し、帰国後に文部科学大臣表彰を受賞した。

 早田さんは大和市在住で三田国際科学学園高等学校(東京都)に通う高校3年生。2023年12月に光触媒ミュージアムを訪れた際、対応にあたったKISTEC研究員の濱田健吾さんから「オリンピック」の選考を兼ねる「化学グランプリ」の要綱を手渡され、背中を押された。選抜試験の準備中もKISTECのスタッフが支援を続けた経緯があり、早田さんが報告に訪れた。

 KISTEC職員らは手作りのくす玉などで早田さんを迎え、藤嶋館長と早田さんがくす玉を割ると一斉に「おめでとう!」と祝福した。早田さんはパソコンを使ってドバイで経験したことを藤嶋館長らに説明。他国チームと交流を深めたことや、「理論」の問題が「ヤバかった」と振り返る難問だったことなどを報告。観光も楽しめたといい、「ハンバーガーがおいしかった」などと、無邪気に笑った。

 報告の最後には「自分は物理の方が得意と思ったが、挑戦することは大事だと痛感した。ここを訪ねて本当によかった」と感謝を伝えた。藤嶋館長は「早田さんの力と活躍に感心している。挑戦を後押しできたこともうれしい。ぜひ立派な科学者になってほしい」とエールを送った。

10代の参加者に向け資料館の展示を説明する山田館長(中央)

明大登戸研究所資料館 戦後80年 「戦争の本当の姿」伝える 10代向け特別イベントで

 終戦から80年を迎えた8月15日、明治大学生田キャンパス内の平和教育登戸研究所資料館で、10代のための特別イベント「ひみつの研究所をさぐれ! 〜登戸研究所と戦争の裏側〜」が開催された。小学5年から高校3年までの18人が日本の加害の歴史について学び、考察を深めた。

 同イベントは、戦争中に「秘密戦」の兵器を製造していた旧日本陸軍登戸研究所の史実を、戦争を知らない世代に伝える試みとして昨夏に初めて実施された。2回目の今年は申し込みが殺到し、定員より3人多い18人が市内外から参加。イベントの進行には同大の学生ボランティアの意見を取り入れ、山田朗館長の解説のもと館内を回った後、3グループに分かれて自由な雰囲気のもとで意見を交わした。

 戦時中、登戸研究所で働く人は所内のことを口外することを禁じられていたことについて、参加者が「終戦後に『ヤバいことやってた』と暴露する人がいなかったのはなぜか」と質問すると、進行役の学生は「研究所内の立場がそれぞれなので、沈黙した理由も一人ひとり違うと思う」と回答。逆に学生から「もし国から給料を出すから研究所で働けと言われたらどうする?」と質問され、「闇バイトと違って国の命令なら、危険だとは思わずに働くと思う」と即答する参加者もいた。

 イベントの最後には全員からの質問に山田館長が答えた。愛知県から参加した高校3年生の野牧叡人(えいと)さんは「日本にとって都合が悪い秘密の歴史を研究し、資料館で伝える意味は」と鋭く質問。山田館長は「人間は戦争でどんなひどいことでもやってしまうもの。戦争を知る世代が消えゆく時代に、戦争の本当の姿を伝え続ける必要がある」と回答した。

上半期の市内の火災件数 川崎市消防局 過去10年で最多の211件 リチウムイオン電池「注意を」

 川崎市内における2025年度の上半期(1月〜6月)に発生した火災件数は、昨年同時期より30件多い211件で、過去10年間で最多だったことが分かった。火災原因ではたばこや電気機器が多いほか、川崎市消防局では猛暑で発火事案が多発しているリチウムイオン電池の取り扱いに注意を呼び掛けている。

 7月29日に市消防局が公表した火災概況の速報によると、火災件数種別は建物火災が133件、車両火災が16件、その他の火災が62件だった。建物火災のうち住宅火災は79件で、このうち共同住宅が52件、専用住宅が19件、複合用途の住戸部分が8件だった。また火災による死者9人のうち8人が65歳以上の高齢者だった。

 火災原因のトップはたばこの31件。「ポイ捨て」による火災が後を絶たず、市消防局では「喫煙マナーを守って欲しい」と呼びかける。次いで電気機器と配線器具がそれぞれ23件だった。

 電気機器や配線器具などによる電気火災のうち、昨今の猛暑でスマートフォンやモバイルバッテリー、充電式扇風機などのリチウムイオン電池に起因する火災が増えており、市内でも昨年1年で30件、今年上半期では13件だった。市消防局ではリチウムイオン電池を内蔵する機器に関し、「正しく取り扱い、スマホなどに異常を感じたらすぐに使用を中止し、金属の容器に入れたうえで購入店やメーカーに相談を」と訴えている。

GO!GO!!フロンターレ

 フロンタウンさぎぬまで9月6日(土)、夜のヨガイベント「芝生de星月夜ガ」が開催される。

 まちづくり活動等のために、同所と宮前区が結んだ「まちづくり連携協定」のもと企画されたもの。夜の芝生の上で、疲れを癒やすヨガを体験できる。今回は同区のcafe83が提供する、野菜たっぷりの「冷たいスープ」の特典付き。

 午後8時10分から8時50分。中学生以上500円、小学生以下無料。先着40人。中学生以上にはヨガマットを一人一枚無料貸し出し(小学生以下は貸し出しなし)。宮前区民以外も参加可能。申込みは同所公式ウェブサイト内のオンライン予約システム「hacomono」のほか、電話やカウンターでも可能。9月5日(金)午後3時締切。雨天中止で、開催可否は前日午後5時頃にメールで連絡、及び同所公式Ⅹで告知。(問)フロンタウンさぎぬま【電話】044・854・0210。