鎌倉版【8月29日(金)号】
「地元の健康を守る」と語るさいとう代表

キャンナス鎌倉、発足 看護師らが社会貢献

 看護師のボランティア団体「キャンナス鎌倉」が9月1日(月)に発足する。イベントの救護班や健康・産前産後の相談、受診などの同行、医療・介護保険でカバーしきれない看護ケアなどでの社会貢献を目指す。代表のさいとうあやかさん(腰越在住)は、「地元の健康を守る」と意気込む。

 「訪問ボランティアナースの会キャンナス」(本部/藤沢市)は、鎌倉女学院出身の菅原由美さんが1996年に設立。全国に170超の支部があり、フルタイム勤務の看護師から、リタイアした有資格者まで、さまざまな立場の人が「できる(can)ことをできる範囲で行うナース(nurse)=キャンナス」として活動する。震災などがあれば、全国から有志が集まり、揃いのピンクのTシャツで被災者のケアも行う。

 「看護イコール趣味と思えるくらい好き」と話すのは、9月にキャンナス鎌倉を発足させるさいとうあやか代表だ。フットケアが得意な訪問看護師として地元で働きながら、キャンナス本部の依頼を受けて活動に協力してきた。三男の出産を機に、「育休中の今ならできる」とずっとやりたかった支部の立ち上げに乗り出した。

 保険でカバーできない看護ケアの一般的な利用料は1時間6千円を超える。「(必要なケアを考えれば)妥当ではあるけど、高いですよね。だからといって家族だけで対応するのは大変だから」と有償ではあるが、もっと手の届きやすい料金で利用できるようにと準備を進めている。「思いに共感してくれる仲間も10人以上集まった。みんなの得意分野を生かした活動もできるはず」と期待に目を輝かせる。

 訪問看護以外のボランティアも視野に入れている。「お祭りなどの救護班もできる」と腰越のイベント主催者に自らを売り込んだり、認知症カフェを開催したりと、動きは加速中だ。

1日はマルシェも

 1日の発会式では、「地域の人にキャンナスを知ってもらいたい」と飲食を中心としたマルシェも開催。午後2時から4時30分まで。会場はfolk腰越(腰越3の28の14)。参加無料。
鎌倉商工会議所で行われた説明会の様子

市役所移転計画 分割案に賛否の声 計180人が説明会参加

 鎌倉市役所の移転計画をめぐり、松尾崇市長が新たに表明した分割案の説明会が、8月3日から23日にかけて対面とオンラインで4回開催され、合計180人が参加した。最終日の23日に鎌倉商工会議所地下ホールで開催された説明会には約50人の市民が参加し、賛否の声があがった。

 市役所移転については、当初は深沢地区の新庁舎への全面移転を計画していたが、市役所位置条例改正案の可決が見通せないことから、松尾市長が7月に現在の御成町に市長室や市議会などの中枢機能を残し、それ以外の部署を移転する分割案を示していた。

 説明会では、松尾市長が「災害に強いまちづくりのために一刻も早い対策が必要。2つの拠点を両輪として鎌倉市役所の機能を作っていく」と分割案への理解を求めた。

 参加者からは、「市民の利用の観点からすると1カ所で全てできるほうが便利」「非効率で無駄が多く、あらゆる面で負担増が避けられない」などの反対意見があがった。一方、「建設費の高騰も考慮すると早急に実現すべき」「より多くの方が受け入れやすい案になったと思う」などの賛成意見もあがった。

 他にも、「建設費は元の案と比べ増えるのか」「費用はどのように生み出していくのか」など費用に関する質問も多くあがった。新庁舎等の施設整備費は約170億円が見込まれているが、松尾市長は「物価高騰で増える見込みはあるが計画の変更で増えるわけではない。鎌倉市は借金の負担率が低い自治体だが、しっかりと財政計画を立てていく」と回答した。

 また、10月に行われる市長選挙を見据え、「見直し案を掲げて市長選に出て当選したら進めることに問題ないと考える。反対している議員が市長選に対抗馬として出て民意を問えばいい」という意見もあがった。

 移転計画について、市市街地整備課によると現在は「説明会で出た意見やアイデアを踏まえて移転する部署や機能などを検討し、案の具体化を進めている」とし、今後の情報発信について説明会等については「未定」だという。

「鎌倉市の蝶 附 神奈川県産蝶の生息動向」を出版した 浅野 勝司さん 岡本在住 87歳

蝶と歩んだ人生

 ○…可憐に舞う蝶に魅せられ、観察をライフワークとしてきた。前回発行した冊子から6年の時を経て、このほど、2008年から17年までの観察記録を再編集した「鎌倉市の蝶 附 神奈川県産蝶の生息動向」を出版した。9月に88歳を迎える記念として、「生きた証として残しておきたかった」と、長年の探求の集大成を手に穏やかに語る。

 ○…宇都宮市で育ち、幼い頃から「きれいだから」と蝶が好きだった。当時は今のように手軽に情報が得られず、高校時代には図書館の図鑑をノートに書き写すなどして、独学で知識を深めたという。宇都宮大学で昆虫学を専攻し、卒業後はJA全農に就職。全国を巡って農家や農協職員に農薬の使い方を指導した。社会人になっても昆虫への情熱は衰えず、愛好家仲間とともにヨーロッパや東南アジアなどに採集旅行に出かけたほか、研究会に所属し、情報交換を行ってきた。

 ○…35歳で結婚し、男女2人の子どもを授かったが「多忙で一緒に遊ぶ時間がなかなか取れなかった」と振り返る。「2人とも立派に独立して、本当に妻に感謝ですね」とほほ笑む。1977年に鎌倉市へ移り住み、しばらく昆虫からは離れていたが、退職を機に情熱が再燃。70歳で「地元の蝶を記録しよう」と決意。それから10年以上にわたり、鎌倉中央公園や広町緑地など市内各所を歩き回り、蝶の生態を記録してきた。

 ○…著書は、小中学生にも分かりやすい言葉で解説する一方で、専門用語も散りばめることで、読み応えのある一冊に仕上げた。「この記録が、鎌倉の自然を考えるきっかけになればうれしい」。思いが詰まった冊子は、市内の小中学校や図書館に寄贈され、未来へと引き継がれていく。

手作りソーラーカーを走らせる子どもたち

太陽光発電を体感 三菱電機で科学教室

 上町屋の三菱電機株式会社鎌倉製作所研修センターで8月25日、科学教室「太陽光発電の仕組みを知ろう!〜ソーラーカーの工作教室〜」が開催された。

 次世代を担う子どもたちの向学心や研究心を伸ばすために毎年開催しているもので、今年で7回目。この日は県内の小学生15人が参加した。

 教室では、同社の社員が太陽光発電の仕組みについて解説。実験では、太陽電池パネルの向きや光の色による発電量の違いや、赤外線などの目に見えない光での反応などが紹介された。

 後半の工作では、ペットボトルを使ったソーラカーを組み立て、窓際で光を当てて走らせた。参加した子どもたちからは「光で電気ができるのが面白いし、不思議」「自分で作ったソーラーカーが走ってうれしかった」などの感想があがった。

著書を手にする浅野さん(左)、お気に入りの蝶「ツマキチョウ」

浅野勝司さん 鎌倉市の蝶 一冊に 10年の記録を出版

 浅野勝司さん(87・岡本在住)=人物風土記で紹介=がこのほど、著書「鎌倉市の蝶 附 神奈川県産蝶の生息動向」(文彩堂出版)を出版した。

 蝶に魅せられた浅野さんが、2008年から17年まで、10年にわたって続けた蝶の観察記録をまとめたもの。約6年前に同タイトルで作成した冊子の内容をさらに詳しくしたもので、市内で観察した73種の蝶を写真付きで紹介している。

 幼い頃から昆虫が好きで、社会人になってからも愛好家仲間とともにヨーロッパや東南アジアなどに採集旅行に出かけたほか、地元の研究会に所属し、情報交換を行ってきた。70歳を機に「地元鎌倉の蝶を観察しよう」と思い立ち、鎌倉中央公園や広町緑地など市内各地で種類や量、発生場所、時期などを記録し続けた。浅野さんは「地域の記録として、活用してもらえたら」と話す。

 市内では、島森書店とたらば書房で取り扱い。1320円(税込)。(問)浅野さん【携帯電話】090・1552・2370

消防本部と消防団による放水

災害時の連携を確認 山崎で総合防災訓練

 山崎浄化センタースポーツ等広場で8月20日、2025年度の鎌倉市総合防災訓練が行われた。防災関連の団体が多数参加し、地震や火災などを想定したさまざまな訓練が行われた。

 これは、9月1日の「防災の日」にあわせた防災週間の一環として行われたもの。地震発生時に迅速かつ正確な災害応急対応ができるよう、関係機関の連携強化や市民の防災意識向上を目的に毎年実施されている。

 この日は、市消防本部や消防団をはじめ、陸上自衛隊、警察署、東京電力パワーグリッド、東京ガスなど400人以上が参加。地震の際に安全行動をとるシェイクアウト訓練を参加者全員で行ったほか、アマチュア無線を使った情報通信、物資輸送、ライフライン応急復旧、給水、家屋に取り残された被災者の救出などの訓練が行われた。また、消火訓練では市消防本部と消防団が放水を披露した。市総合防災課では「災害関連機関との連携体制が確認できた。今後も訓練を重ね、防災体制の強化や市民の意識向上を図っていきたい」と話した。

防災の第一歩は自分自身から

 9月1日は「防災の日」。地震や津波などの大規模災害のほかに、突然の断水や停電など、大小関係なく災害に見舞われた時、自分自身の「備え」が何よりも重要になる。鎌倉市総合防災課では、「ハザードリスクを知る、個人の備蓄、公的機関が発信する情報の収集により力を入れてほしい」と話す。

 【ハザードリスク】

 地震や津波、洪水、火山の噴火などがハザードリスクとされ、市では南関東地震や南関東地域直下の地震、神奈川県西部地震、東海地震などが想定されている。ハザードマップの確認を。

 【個人の備蓄】

 飲料水や食料品、救急用品、衛生用品など。

 【情報収集】

 さまざまな情報収集手段があるが、市では「公的機関が発信する情報を正確に入手すること」を推奨する。

 市では、気象情報などの防災情報や、不審者などの安全安心に関する情報を、携帯電話やパソコン等へ電子メールで配信するサービスを行っている。また、鎌倉市公式LINEアカウントからも同情報を受け取ることが可能。希望者は市ホームページから登録を。

天才を育てた女性の生涯を映画化

鎌倉日仏協会 「レオニー」上映とお話の夕べ 9月28日 きらら鎌倉ホール

 鎌倉生涯学習センターきらら鎌倉(鎌倉駅東口徒歩3分)で9月28日(日)、日米合作映画「レオニー」の上映会と松井久子監督によるトークイベントが開かれる。主催は(一社)鎌倉日仏協会。

 彫刻家イサム・ノグチを育てた母レオニー・ギルモアの波乱に満ちた生涯をエミリー・モーティマーさんや中村獅童さん、原田美枝子さん、竹下景子さん、中村雅俊さんら俳優陣が熱演する。

 午後5時開場、5時30分開演。前売券・当日券ともに2000円。チケット申し込み、問い合わせは、鎌倉日仏協会【電話】0467・25・5784またはメールm.nakanishi@vesta.ocn.ne.jpへ。

救急講話会とフェア 7日・9日に開催

 鎌倉市消防本部は救急の日(9月9日)と救急医療週間(7日〜13日)に合わせて、市内で救急予防講話会や救急フェアを開催する。いずれも参加無料で予約不要。

日常での予防法

 講話会では、日常生活の中でできる工夫や気付きなどを例に、健康やけがの予防について救急隊員や看護師、保健師が講話する。対象は60歳以上の人やその家族。7日(日)は鎌倉消防署3階講堂で、9日(火)は腰越行政センターコミュニティールームで開催。いずれも午前9時から正午まで。(問)深沢出張所【電話】0467・32・4090

救急車を展示

 9日にコーナン鎌倉大船店の駐車場で行う救急フェアでは、心肺蘇生法の体験や救急車の展示・乗車体験を実施。また、寝たきりの高齢者や身体障害者、傷病者らをベッド等を備えた専用車で有償で搬送する鎌倉市患者等搬送事業の認定事業所も参加する。午前9時30分から正午まで。(問)玉縄出張所【電話】0467・44・1529

メダルと賞状を持つ井澤さん

全中陸上 女子走り高跳び全国3位 大船中の井澤さん

 大船中学校3年の井澤菜緒さんが、8月17日から20日に沖縄県で開催された「第52回全日本中学生陸上競技選手権大会」の女子走高跳に出場し、1m63cmをクリアして全国3位に輝いた。

 各地から36人の精鋭が出場した今大会。井澤さんは「緊張はなく、いつも通りの雰囲気で飛べたと思う」と振り返る。

 1本目の1m54cmは、「助走が合わず」2回目でクリア。その後、3cmずつ高さを上げ、1m63cmまですべて1発でクリアした。最終の跳躍は自己ベストの1m66cmに挑戦。残念ながらバーは落下してしまったが、「調子は上々。そこまで悪くない跳躍だったので、次につなげたい」と前向きな姿勢を見せる。

 今大会は、自身の身長166cm超えを目標としてきた井澤さん。全国3位という結果に「うれしかったけど、目標を超えられなかったのでくやしい。少し複雑な心境です」とはにかんだ。

次大会は市総体

 中学1年から陸上を始めた井澤さん。現在はクラブチームと部活で週5日練習に励んでいる。

 次は9月15日(月・祝)にアサンテスポーツパーク(県立スポーツセンター)で開催される「鎌倉市中学校総合体育大会」に出場予定。「自己ベスト更新を目指す」と意気込む。

 また、8月7日・8日に栃木県で行われた関東大会に出場した、岩瀬中学校2年の仲本結来(ゆら)さんは、女子2年100m決勝で12秒85を出し、7位入賞した。

質問に答える松尾市長

鎌倉市長選 松尾市長、8月30日までに意思表明か

 任期満了に伴い10月19日告示、26日投開票で実施される鎌倉市長選挙への出馬について、現職の松尾崇市長(51)は、立候補者事前説明会が行われる8月30日(土)までに、「何らかの意思表明をする」とした。

 8月25日の定例記者会見で記者からの質問に答えた。同説明会への参加を尋ねられた松尾市長は、「決めていない」と回答。30日までに意思表明をするかという問いに対し、「何らかの意思表明はする予定」とした。

 松尾市長は、2009年の市長選で初当選し、現在4期目を務める。

 鎌倉市長選挙の立候補者事前説明会は8月30日午後2時から鎌倉商工会議所102会議室で実施される。

 選挙人名簿登録者数は14万9696人(6月2日現在)。3人が立候補した前回の投票率は41・78%だった。

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前回の最優秀作品「煙舞い立つどんど焼き」松山進さん 鎌倉中央公園

公園の「素敵な一瞬」募集 フォトコン 17日締切

 (公財)鎌倉市公園協会は、第15回「公園で見つけた素敵な一瞬フォトコンテスト」の作品を募集している。

 同協会が管理する鎌倉市内の公園が対象(笛田公園、広町緑地は対象外)。1人3点まで応募可能。撮影日不問だが、1年以内の作品推奨。

 応募の中から、最優秀賞1点(商品券2万円分)、優秀賞2点(同1万円分)、佳作数点(図書カード3千円分)が選出され、10月中旬に表彰予定。9月17日(水)必着。

 詳細は、同協会ホームページへ。(問)【電話】0467・45・2750(火曜定休)またはinfo@kamakura-park.com

講演会のチラシ

松坡文庫研究会 「唐津と松坡・田辺新之助」 10月12日に講演会

 鎌倉市中央図書館(御成町20の36)3階多目的室で10月12日(日)、松坡文庫研究会第11回講演会「唐津と松坡・田辺新之助」が開催される。

 逗子開成中学校・高等学校の前進である第二開成学校や鎌倉女学校(現・鎌倉女学院)の創設者で、漢学者、教育者の田辺新之助氏。講演会では、同会の袴田潤一会長と片山健介さんが講師となり、連作漢詩「韓津十二勝」の風光を紹介し、田辺新之助氏の唐津での修学、恩師、友人について語る。

 時間は午後2時から4時。参加無料。定員は申し込み先着30人。

 希望者は、メール(件名を松坡文庫研究会講演会申し込み、chu1ib@city.kamakura.kanagawa.jp)または電話(【電話】0467・25・2611)で申し込みを。9月2日(火)受付開始。

鎌倉ジュニアオケが定演 8月31日 芸術館で

 「鎌倉ジュニアオーケストラ」が8月31日(日)、鎌倉芸術館大ホールで第42回定期演奏会を開催する。入場無料。

 同団は、1984年に田辺四郎さんが設立した音楽好きの子どものためのオーケストラで、鎌倉市や近隣市の子どもたちが所属し、練習に励んでいる。

 今回の演奏会では、チャイコフスキー『交響曲第4番』より第1楽章、第4楽章や、ヴェルディ歌劇『ナブッコ』序曲などを演奏する。午後1時開場、1時30分開演。(問)同オーケストラ事務局【携帯電話】080・5512・6137