茅ヶ崎・寒川版【9月5日(金)号】
オープン当初の道の駅

道の駅湘南ちがさき 49日間で来場40万人突破 売り上げは3億円超え

 茅ヶ崎市は8月29日の定例記者会見で、7月に開業した道の駅「湘南ちがさき」の利用状況について発表した。グランドオープンの7月7日から8月24日までの49日間で、想定の1・5倍となる約40万人が来場、累計売上は約3億円となった。

 会見では同道の駅の澤本勇二支配人が「テレビ取材が多く、市のPRに加えSNS配信などもあり注目度が上がっていた」と好調の要因をあげた。「夏休み中は通常、道の駅はファミリー層が多いが、湘南ちがさきではあらゆる層の来場があった。まだまだ想定を上回っているが、盆明けから落ち着きつつあり、最近は地元来場者が多く見られる」と話した。

 また、「売り切れることが多い商品」として、イヌヰ熊沢商店の「湘南いぬいあんぱん」、アゼリアうみ風の「無添加ちがさき三層プリン」、かいひ丸の「しらす・生しらす」をあげた。なんどき牧場の「茅ヶ崎メンチ」は累計で2万個を売り上げ、最多を記録しているという。

施設貸出を開始

 8月23日から屋外の交流広場にキッチンカーの出店が始まった。今後も、土日祝日には行う予定だという。

 また同日には、市が作成したプロモーション動画が公開された。道の駅や周辺の柳島に焦点を当てたもので、動画は市役所本庁舎や市公式YouTube「ハーモニアスちがさき放送局(@chigasakikoho)」で視聴することができる。

 9月1日からは、交流広場や地域振興拠点2階の多目的室の貸し出し募集を開始しており、地域イベントや会合の会場としての利用も可能。すでにコンサートやダンス、車の展示会などの問い合わせがあるという。

 貸し出しの運用に加えて、「周辺道路などの混雑次第」としたうえで、道の駅主催のイベントなども早ければ10月から行っていくという。

 佐藤光市長は「市内外の事業者や市民の皆さんの協力で盛り上がっている。今後は多目的スペースでチョイス茅ヶ崎のワークショップや加山雄三さんの展示などもできたら面白い。茅ヶ崎、湘南を盛り上げていきたい」と話した。

寒川町 ストリートSP整備へ 2028年1月オープン目指す

 寒川町は8月22日に記者会見を行い、(仮称)寒川町ストリートスポーツパークの設置に向けた事業費として9月補正予算案に総額15・6億円を盛り込むと発表した。事前のインフラ整備に伴う下水道工事などに充てられる。町は現在、地方創生に向けた取り組みとしてストリートスポーツパーク(以下パーク)の建設を進めており、2028年1月のオープンを目指している。今後は各所でPRイベントなどを開催するなどパークの周知に努めていく考えだ。

 この事業では、寒川町一之宮5丁目内にある2万5000平方メートルの敷地に、スケートボードやBMX競技の練習に加えて大会やイベントが開催できるパークのほか、カフェやベンチ、レストランなどの交流スペースを設置した公園として整備する。パークの総事業費は総額16・4億円とされる。

 整備事業手法は主に民間活力の活用が軸で、管理運営を民間などに委託する指定管理者制度や、民間の資金や技術を活用して公園整備や運営を行うPFI事業などを検討。26年3月までに事業者を選定し、26年度から本格的に公園施設整備工事に着手していくとしている。担当課によると、「公園と一体型のスケートボード、BMXの屋内施設としては全国でも唯一では」と話す。

町独自の魅力創出へ

 パークの整備の理由について町は、20歳代前半の在住者の転出超過が進んでいる点を挙げる。

 町の人口ビジョンでは、23年に4万9029人だった総人口が65年には3万5661人に減少すると見込んでおり、今後、「若者に選び続けてもらう」ことは持続可能なまちづくりを進めていく上でも喫緊の課題だったという。

 そうした中、町は知名度アップを目指し、19年にストリートスポーツ競技の世界大会「ARK LEAGUE」を民間との協力で開催。それを契機に、パリ五輪のBMXレーシング女子日本代表の畠山紗英選手や、数々の世界大会で優勝している白井空良選手など求心力のある世界トップレベルを目指す選手たちやその家族が町内に移住してきている。こうした動きを受け、町はストリートスポーツを通じてまちづくりに参加してもらうことで、さらなる関係人口の創出につなげていく方針を打ち出した。

 加えて、町は少子高齢化・人口減少への対応を目的に25年度から28年度を計画期間とする「寒川町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定。人口ビジョンに掲げた目標人口などの達成を目指し、地方創生に向けた取り組みの一環としてパークの整備とともに各施策を進めていく構えだ。

 町では、この整備事業について今年4月にパブリックコメントを実施したほか、町民説明会を行った。今後も町内の小学校などでストリートスポーツの競技者を招いたイベントを開催し、ストリートスポーツの普及やパーク建設の周知に努めていくという。深澤文武副町長は「観光も含め魅力のコンテンツの一つとして、選ばれる町となるよう取り組み、多くの関係人口の流入を目指したい」と話している。

5月に湘南電設業協同組合青年部の部会長に就任した 山本 峻也(しゅんや)さん 平塚市在住 42歳

電気で地域照らしたい

 ○…電気事業の技術で地域活性化を図る「湘南電設業協同組合青年部」には、平塚・茅ヶ崎市、大磯・二宮・寒川町内の電設業従事者が所属する。サザンビーチフェスタでの烏帽子岩ライトアップや、湘南ベルマーレひらつかビーチパークでの竹あかり設置のほか、今年は、平塚市で開催された「市民平和の夕べ」でも竹あかりを初展示した。「大勢の来場者が写真を撮ってくれていたのを見て、うれしかった」とほほ笑む。

 ○…茅ヶ崎市で生まれ、平塚市立松延小学校、金旭中学校、大磯高校を卒業し武蔵工業大学へ。現在は、平塚市徳延にある電気工事業の(有)サンライフの代表取締役を務める。「父親が創業したので、中学生の頃から手伝いをしていた。面白い仕事だなと思った」と継ぐことに迷いはなかった。コンクリートの建物をメインに扱う横浜市の企業で、3年間修行。「父親は木造がメインだったので、会社として工事の幅が広がった」と力強く話す一方で、「35歳で引き継いだ時、お客さんとの交渉や図面作成などが大変で、父親の凄さが分かった」と語る。

 ○…コロナ禍を機に趣味となったのは、釣りだ。休日は大磯港や平塚新港などに赴き、釣った魚は自分で捌いて家族と一緒に味わう。「新鮮でおいしいと言ってくれます」と家族からの評判は上々だという。平塚のららぽーとやジアウトレットは、妻と2人の子ども達と過ごせる、とっておきの場所になっている。

 ○…20人以上の会員を束ねる部会長としての抱負は「地域貢献すること」。コロナ禍前は、平塚市の渋田川や二宮町の葛川のライトアップにも協力していたことを例に挙げ、「依頼をもらったら、ライトアップイベントに積極的に協力していきます」と意気込んだ。

子どもたちに指導する畠山選手=提供

BMⅩ・畠山紗英選手 競技の魅力地元で発信

 寒川町出身で2024パリオリンピックBMXレーシング日本代表の畠山紗英選手による「親子体験教室 Startup BMⅩ」が8月31日、さむかわ中央公園内のパンプトラックさむかわで開催され、小学生とその保護者15人が参加した。

 今回子どもたちが挑戦したBMXは、アクロバティックに飛んだり跳ねたりするサイクルスポーツ。当日は、畠山選手の迫力ある実演に始まり、練習会やパンプトラックと呼ばれる専用コースの走行を体験した。参加者は全員が初心者で、序盤は緊張した様子だったものの、2、3回コースをまわると徐々にコツをつかみ始め、「もう一回やりたい」と何度もコースを回るなどして楽しんでいた。

 参加した保護者は「子どもが前からパンプトラックに興味を示しており、申し込んだ。良い体験になったと思う」と話した。

 畠山選手は「教えることが初めてでとても緊張したけれど、すごく楽しかった。この機会を通して、少しでもBMXに興味をもってもらえたらうれしい」と話した。

イベントのチラシ

ローカルイノベーション湘南主催トークイベント 国会議員と居酒屋で語ろう 参加申込受付中 19日「ビール片手に」

 一般社団法人ローカルイノベーション湘南は9月19日(金)、河野太郎衆議院議員、脇雅昭参議院議員をゲストに招き、「ビール片手に語ろう湘南の未来」と題してトークイベントを焼鳥トサカ(北茅ヶ崎駅前/茅ヶ崎市茅ヶ崎844)で開催する。午後7時開始(6時30分受付)。会費は5000円(食事代)で、応募者多数時は抽選となる。

 主催する「ローカルイノベーション湘南」は、地域のさまざまな課題の解決に向けて活動し、持続可能な開発目標・SDGsの実現を目指す団体。同イベントでは、地元選出の国会議員2人と焼鳥を楽しみながら「茅ヶ崎のこれから」について語り合う。仕事帰りに気軽に立ち寄れるのでぜひ参加してみては。

 参加希望者は事務局に電話、または関連リンクから申し込みを。

(問)080・1123・4683(担当門馬)
寄贈式にて。宮城会長(右)と栗原会長

湘南労福協 未使用タオルを寄贈 障害者支援団体に630本

 藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町の労働組合などで構成される湘南地域労働福祉協議会(宮城宏之会長)は先月19日、同2市1町内にある3つの障害者就労支援関連団体に計630本のタオルを贈った。

 茅ヶ崎市では市地域作業所連絡会、寒川町は町社会福祉協議会に寄贈。地域活動支援センターパインナッツで寄贈式が行われた。同連絡会会長の栗原小百合さんは「厳しい運営状況の中、実用的な支援で本当に助かる」と感謝の意を表した。

 同協議会では、会員から未使用タオルを集めて福祉施設に寄贈する「タオル1本運動」を毎年実施。宮城会長は「みんな社会の役に立ちたいとの思いでこの活動に参加してくれている。引き続き貢献できるよう力を尽くしたい」と話した。

「4番目に奉仕を」 茅ヶ崎オーシャンライオンズクラブ

 今年でクラブ結成20年目。周年事業は今後検討していくといい、今年度はダウン症や自閉症の児童とその家族を対象にしたイルカとの触れ合い事業、ビーチサッカー事業、子ども祭り事業を予定している。

 今年のテーマは「4番目に奉仕を」。「第1に家庭、第2に仕事、第3が趣味で、そして4番目として奉仕。会員にはぜひ助け合いの気持ちを共有してほしい」と信条を示す。活動については「特別なことではなく、日常の延長として参加してくれるとうれしいし、そういうクラブにしていきたい」と意欲を見せる。

地域をつなぎ子どもの未来応援 茅ヶ崎グリーンライオンズクラブ

 今年度の活動テーマは『つながる地域 育む未来』。少年サッカー大会や野球大会へのボール、優勝旗の寄贈など、クラブが長く取り組んできた活動を受け継ぎながら「女子スポーツや文化面で活躍する子どもたちも応援できたら」と新たな活動も視野に入れる。

 茅ヶ崎青年会議所時代の先輩から声をかけられて入会したのは8年前。会員の減少や高齢化に危機感を抱く。「クラブを次の世代に継承していくためにも、伝統を大切にしながら新しいやり方も取り入れて若い世代を呼び込み、活気を取り戻したい」と話した。

混声合唱団レント演奏会 27日、市民文化会館

 混声合唱団レントの第8回コンサートが9月27日(土)、茅ヶ崎市民文化会館大ホールで開催される。午後2時開演。

 オープニングではメサイアから「And the glory of the Lord」を、第1部では混声合唱組曲「水のいのち」を、第2部では「懐かしのポップミュージック」と題してカーペンターズやビートルズの名曲を、第3部では信長貴富の世界として「誕生」「こころようたえ」「夜明けから日暮れまで」などを披露する。入場無料。会場では能登半島地震の復興支援のための募金箱も設置する。

 (問)【電話】0467・51・7482田井さん

力をあわせて奉仕の花を咲かせよう 寒川ライオンズクラブ

 町の花壇整備を主な奉仕活動とすることから、今年のスローガンは「力をあわせて奉仕の花を咲かせよう」。「交流をとにかく大切にしている。会員とともに、地域のために力になれれば」

 年に4回の献血事業への協力や産業まつりでの鴨鍋の販売、さらに手話教室を通して、聴覚障害がある人との交流を深めるなど、活動は多岐にわたる。一方で、会員は高齢化とともに減少傾向。「地域のために、手を取り合って奉仕活動することはとても楽しい。もっとたくさんの人に興味を持ってもらいたい」と力をこめる。

あいさつに立つ菅原前監督と五十嵐新監督=提供

ちがさきリトル 25周年で記念式典 新監督に五十嵐ひかりさん

 小学生の陸上教室「ちがさきリトル」が今年25周年を迎え、8月2日にコルティーレ茅ヶ崎で記念式典を開催した。

 創設者などの来賓を招き、27人が参加した。

 今年4月に、10年以上監督を務めた菅原睦雄さんから、五十嵐ひかりさんに代替わり。菅原前監督は活動を振り返り、「陸上を通して子どもたちの心に火をつけるということをしてきたが、逆に明るく元気な姿に心躍らされてきた。子どもの笑顔は万金に値する。これからもちがさきリトルを盛り上げていってほしい」と話した。

 また、3代目監督に就任した五十嵐新監督は「息子が小学5年生の時に世話になり、翌年から20年以上コーチとして関わらせてもらっている。四半世紀続けてこられたのも皆様のおかげ。これからも楽しみながら、50年、100年と続いていきますように」と話した。

 同クラブは2000年に中島運動公園で約40人の生徒で開校した。日清全国大会のほか、卒業生は全中やインターハイに出場するなど全国レベルで活躍。現在は柳島競技場で135人の子どもを教えている。

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当時住んでいた町について説明する中野さん

戦争がマヒさせた「死の恐怖」 茅ヶ崎市在住 中野敬子さん

 1945年3月10日の東京大空襲では、アメリカ軍の約300機のB―29爆撃機が来襲し、約10万人の命を奪った。当時5歳でその光景を目の当たりにした茅ヶ崎市在住の中野敬子さん(85)が当時を語る。

 中野さんの自宅は現在の東京都世田谷区にあった。あの日、空襲警報が鳴ると、背中に身分証明書などの書類や弟のおしめを背負い、大切に育てていたというほおずきの植木鉢を抱えて近所にある防空壕へと急いだ。

 自宅近くは空襲による大きな被害は免れたというものの、母親の頭に落下してきた焼夷弾の破片が当たり、痛々しい傷跡を残した。「防空壕から遠くに見える街が炎で真っ赤に染まっていて、思わず『花火みたいだね』と言ってしまい、父に叱られたの」

 父に連れられて近くの小学校に出向いた際、無数の死体が並べられているのを目にしたこともあった。「父の発した『これが戦争なんだ』という言葉が今でも鮮明によみがえる」

 中野さんは当時のことを思い出して不思議な感覚になるという。「人の死は当たり前すぎて、怖いという感情がないの」。飛行機が墜落し、パイロットの遺体が木の枝にぶら下がっているのを見ても、そこに恐怖はなかったという。

 中野さんは、家族とともに疎開した奥多摩で終戦を迎えた。戦後は自動車関係の仕事に就く父のおかげで「生活面で困ったことは少なかった」というが、「小学校には裸足で通った。紙やペンはないから棒で地面に文字を書いてひらがなを覚えた」と振り返る。

 あれから80年。今でも、中野さんは幼いころの記憶に胸を痛める。それでも当時を生きた身として、子どもたちに戦争の無残さや恐ろしさを伝えたいという。「争いはあれど、いかに思いやり、ゆとりがある心を持てるかが大切だと思う」

戦争体験談を募集

 タウンニュース茅ヶ崎・寒川編集室では、戦後80年に合わせた企画として、戦争体験談をお話いただける方を募集しています。この企画は、紙面や特設ウェブサイトを通じて戦争体験を後世に伝えることが目的です。戦時中の生活、学童疎開、学徒動員、防空演習、戦地の実相、出征先や軍隊内での体験など幅広い内容を受け付けています。体験した場所は国内・国外を問いません。

 情報提供は茅ヶ崎・寒川編集室【電話】0463・25・0700または氏名(ふりがな)、年齢、住所、連絡先、お話できる内容の要旨を明記の上【メール】chigasaki@townnews.co.jp。

(上)田んぼプロジェクトのメンバーら(下)草刈りをする篠田さんと参加者

稲作を通じ「農」に理解を 寒川町で「田んぼプロジェクト」

 地元住民によるグループが、寒川町倉見の田んぼで無施肥無農薬栽培の米作りに取り組んでいる。グループの篠田琢さんは「農家さん任せではなく、消費者も農業にかかわることで農のさまざまな課題にアプローチできるのでは」と話す。

 この取り組みは、茅ヶ崎市共恵のクルーズタウンコーヒーロースターズの篠田さんが茅ヶ崎・藤沢エリアで有機農業を行うイマハ菜園の今林久則さんからの呼び掛けで、4年前に無施肥無農薬栽培での米作りを始めることになったのが契機。篠田さんはこの取り組みを「田んぼプロジェクト」と題し、一切の肥料・農薬を使わない、自然農法での米作りを通じて、田んぼの維持管理、コメ文化の継承などを目的に一緒に取り組んでくれる仲間をSNSで募ったところ、32世帯の応募があった。「当時はコロナ禍で、皆さん農業や食育の大切さを感じていた」と話す。

 田んぼは藤沢市の有機農家・相原農場が周辺の離農者から「耕作放棄はしたくない、田んぼとして維持してほしい」との思いで託された農地を安価で借り受けているもの。現在は相原農場の民間グループと一緒になり、10代から70代のおよそ50人の大所帯で活動。全体作業に加え、各自の都合で田んぼに出向き、作業するスタイルを取っているという。

 昨年はさらに別の農地を引き受けたが、稲の大敵である雑草のノビエが繁茂。稲と形が似ていて見分けが付きにくく駆除に苦労したというが、今年は昨年の経験を生かして大量に駆除できたことから作業も順調に進んでいる。篠田さんは米作りの魅力について、「自分たちで育てて収穫して、脱穀し、籾ずりしたお米は本当においしい。その体験はぜひ皆さんにも味わってほしい」と目を輝かせる。

農業を「自分事」に

 一方で米作りを始めた当時を振り返り、「生産者に丸投げでなく、消費者側もコメ文化を維持する必要があると感じていた。食料自給率、食の安全保障の問題も山積みで自分たちでも動くべきだと思った」と篠田さん。併せて「田んぼは流域治水(河川氾濫時の緩衝地帯など)や生物多様性の役割、美しい田園風景などお金に換算できない機能がたくさん」と指摘。今後は有志の民間グループが米作りで農業を補完する、「田んぼプロジェクト」のような動きがモデルケースとなって周囲に広がればと期待する。

 昨年は玄米375kgを収穫。今年も12月に収穫祭を開いて喜びを分かち合うつもりだ。篠田さんは「去年以上の収穫になれば。そうして皆で笑顔になれば、米作りはやめられなくなり、もっと農業への理解も深まるのでは」と願いを込める。

昨年行われた実践発表会

認知症ケアの実践報告会 9月14日 麗寿会主催

 社会福祉法人麗寿会(茅ヶ崎市南湖)が主催して9月14日(日)、茅ヶ崎市役所で認知症実践報告会が開催される。時間は午後1時から4時まで。参加申し込みは不要で、出入り自由。茅ヶ崎市の共催、慶寿会、翔の会の協力。

 「認知症の方とそのご家族の安心した毎日を支えるために」をテーマに、認知症に関する知識、認知症当事者にかかわるさまざまな取り組みを紹介。近年のケアの実践事例について各施設の担当者が発表する。

 同法人以外の社会福祉法人関係者が参加するのも同報告会の特徴で、今回も展示ブースでは各法人が選りすぐりの福祉用具を披露。福祉用具の最新情報がわかる内容になっている。参加してみては。

 詳細・問い合わせは麗寿会事務局【電話】0467・85・1148。

迫力のある太鼓演奏に拍手を送る利用者ら

まつなみクラブ 迫力の太鼓演奏に驚嘆 施設内で好評の演奏会

 NPO法人・介護の会まつなみが運営する茅ヶ崎市松浪の地域密着型通所介護事業所「まつなみクラブ」で8月18日、太鼓の演奏会が行われ、利用者らが交流のひと時を楽しんだ。

 昨年の演奏会で利用者から好評だったことから今回も開催された同イベント。利用者は下寺尾太鼓保存会による演奏を楽しんだほか、メンバーから叩き方やリズムの取り方について指導され、笑顔を見せていた。

 管理者の遠座麻衣子さんは「間近で聴く太鼓の迫力に皆さんのまさに表情は真剣そのもので、大満足のひと時を過ごされたようで良かった」と話した。

更新された5種類のマップ

丸博ガイドマップを更新 市役所、公民館で配布中

 茅ヶ崎市内の史跡や見どころを地域ごとにまとめた「丸博ガイドマップ」がこのほど、12年ぶりにリニューアルされた。この間に新設された施設を記載したり、解説を最新の知見に合わせたものにしている。

 このマップは市内全域を博物館と見立て、地域の資源を調査・研究する「ちがさき丸ごとふるさと発見博物館アクションプロジェクト」(茅ヶ崎市教育委員会社会教育課と市民ボランティアによる協働組織)が作成したもの。

 A4版を3つ折にし、史跡や歴史的スポットの解説を記載。距離にして約1〜3Km、20分〜40分ほどで散策できる内容になっている。

 「香川・下寺尾の周辺〜下寺尾官衙遺跡群、勘重郎堀など〜」「鶴嶺八幡宮の周辺〜旧相模川橋脚、弁慶塚など〜」「大山道(高田・室田)〜熊野神社、本在寺など〜」「旧鉄砲道から海岸へ〜えぼし岩、団十郎山の碑など〜」「南湖院から八雲神社へ〜南湖院跡、住吉神社など〜」の5種類が作成されている。

 ただ、時間が経過したことで現状と合わない部分が多くなってきたため、4月から更新作業に着手。写真を新しくしたほか、宅地開発によりなくなってしまった石碑を削除、2016年にオープンした茅ヶ崎ゆかりの人物館など新たな施設を追加した。また烏帽子岩の地層について従来の約800万年前から約1200万年前とするなど、解説を最新の知見に合わせている。

 新たなマップは茅ヶ崎市役所分庁舎3階の社会教育課窓口のほか茅ヶ崎市博物館、公民館、図書館、コミュニティセンターなどで配布しており、市ウェブサイトからダウンロードも可能。

 同課は「茅ヶ崎をもっと知りたいと思っている人にピッタリのガイドマップになっているので、ぜひ手に取って散策を楽しんでほしい」と話している。問い合わせは【電話】0467・81・7226へ。

知っておきたい成年後見制度の基礎 9月15日、茅ヶ崎市役所で講演会

 成年後見制度の基礎知識と題した講演会が9月15日(月・祝)、茅ヶ崎市役所本庁舎4階会議室3、4、5で開催される。午前10時から正午まで。

 認知症や障害などで判断能力が低下した際に、本人に代わって金銭の管理や介護等の契約を行う成年後見制度について、行政書士・社会福祉士の渡辺和也さんが講演する。

 定員は先着100人。参加無料。申し込みは9月5日(金)までにウェブサイト(https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/cgi-bin/enquetes/e6334a73ef1a417b8b3f31482c82003f)から、または茅ヶ崎市成年後見支援センター【電話】0467・81・7230へ。

鶴嶺東コミセン ひこうき飛ばそ 東海大生招き子どもに

 鶴嶺東コミュニティセンターで8月24日、「紙ひこうき作り教室」が子どもを対象に行われた。

 「鳥人間コンテスト」にも出場している東海大学の人力飛行機チームTUMPAメンバーを講師に招いて行われている。鶴嶺中学の科学部教諭が今年からオブザーバーとして参加することになり、対象を中学生まで拡大し、2部制での開催となり、約50人が参加した。

 小学5年生以上対象の回では、人力飛行機の滑走場での練習風景や製作過程などをスライドショーで鑑賞。パイロット用トレーニングマシンの展示もあったほか、模型飛行機を製作し、実際に飛ばしていた。子どもからは「34mもの大きな翼を、空気抵抗などを算出して作っているのに驚いた」などの声があがっていた。

 幼時からの子ども対象の回では、紙ひこうきを製作し飛ばす=写真=と、15m以上ある同コミセン会議室の壁から壁まで届くものもあり、驚きの声があがっていた。

健康福祉フェスタ開催 9月23日 茅ヶ崎地区コミセン

 茅ヶ崎地区コミュニティセンター(茅ヶ崎市元町10の33)が主催して9月23日(火・祝)、「コミセン健康福祉フェスタ」が開催される。時間は午後1時から4時(受付は3時30分まで)。参加無料。茅ヶ崎市社会福祉協議会が共催。

 会場では計測器による脳体力や野菜不足のチェックコーナー、福祉用具体験、障害スポーツのボッチャ体験のほか、点字で自分の名前を書くコーナーなどを用意。出張企画として、爪の健康診断やネイル体験(先着12人・当時受付)も行われる。

 会場には駐車場がないので注意を。担当者は「ぜひご来場いただき、健康について理解を深めてもらえれば。ご家族とお越しください」と話している。

 詳細および問い合わせは同コミュニティセンター事務局【電話】0467・88・7522。

茅ヶ崎商工会議所青年部 青少年の心身育成に貢献 少年野球にメダル提供

 茅ヶ崎市出身の元プロ野球選手・山本昌広さんと茅ヶ崎市が主催し、NPO法人茅ヶ崎野球協会が主管する「第15回山本昌広杯少年野球大会」が8月10日から23日まで、茅ヶ崎公園野球場で開催され、茅ヶ崎商工会議所青年部(小菅麻里菜会長・以下YEG)が後援として参加した。

 茅ヶ崎YEGは、地域経済の未来を担う青少年の健全育成を目的に2015年度から同大会に協賛しており、優勝チーム、準優勝チームに対して記念メダルを贈呈している。

 16チームが参加した今大会も白熱した試合が繰り広げられ、決勝を10対1で制した親和ファイヤーズ(茅ヶ崎市)が優勝。今宿少年野球部(同)が準優勝を収めた。閉会式ではYEGメンバーが戦い抜いた2チームにメダルを授与し、熱戦を演じた少年たちをたたえた。

 大会を終え、小菅会長は「子どもたちが夢に向かって力強く成長していく姿を、これからも私たち青年部は心から応援します」と話している。

ちがさき丸ごとふるさと発見博物館 茅ヶ崎の自然・歴史を学ぼう 10月3日から全12回

 茅ヶ崎市教育委員会は、「ちがさき丸ごとふるさと発見博物館講座(基礎編)」の受講者を募集している。

 同事業は市と市民ボランティアが地域全体を「博物館」に見立て、歴史や自然環境について学び、その掘り起こしを目指すもの。

 第17期となる今回は、10月3日から12月19日までの毎週金曜日全12回で開催される。各回午前10時から11時45分まで。図書館や博物館などを会場に行われ、茅ヶ崎の歴史や民俗、自然、生物調査の方法などを学ぶ。

 定員は先着20人。対象は茅ヶ崎市内在住、在勤、在学で原則全ての回に参加できる人。9月19日(金)午後5時までに市のウェブサイト(https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kyouiku/1020501/1038652/1055927.html)から申し込みを。

 問い合わせは市社会教育課文化財保護担当【電話】0467・81・7226へ。