宮前区版【9月5日(金)号】
夏の甲子園でチームを準優勝に導く活躍をした竹中選手

日大三高竹中秀明選手 「原点は有馬フレンズ」 甲子園準優勝 支えた捕手

 第107回全国高校野球選手権で準優勝を果たした日大三高。全試合でマスクをかぶり、チームを支えた捕手・竹中秀明選手は、宮前区内の少年野球チーム・有馬フレンズで野球の基礎を学んだ。優勝は逃したが、甲子園を沸かせたプレーは記憶に新しい。

 西東京大会から正捕手として投手を盛り立て、強力打線の6番を担った竹中選手。甲子園では3回戦の高川学園戦で、初回に2塁打、2回には2点適時打を放つなど3安打と活躍した。また、エースの近藤優樹投手や毎試合かわる先発投手たちを好投に導いた。

 日頃から投手とのコミュニケーションを心がけているという竹中選手。「近藤は芯を持っている、山口は少し慎重なところがある」と投手一人ひとりの性格を理解し、「投手が投げやすいように」とそれぞれに合わせた声掛けやリードを心がけたという。決勝では惜しくも涙をのんだが、「今思うと、仲間と高校最後の試合を特別な場所で戦えたことは誇りです」と微笑んだ。

 野球部を率いる三木有造監督は「明るい性格で、いつも周りに目を配ることができ、仲間思い。そうした人間性が魅力」と厚い信頼を寄せ、「捕手は竹中しか考えていなかった。大黒柱として活躍してくれた」と褒め称えた。

小2からチームの要

 竹中選手が野球を始めたのは小学1年。同級生に誘われ、3つ上の兄もプレーしていた有馬フレンズに入会した。兄が全国大会に出場した姿を見て、「ベンチで見ているだけだったけど、レベルが高く、自分もその中で戦いたいと思った。それが野球に夢中になる原点になった」と振り返る。

 監督をしていた伊藤真也さんは「捕手を始めたのは2年生の頃。体格が大きかったことが理由だった」と振り返る。優しい性格で、甲子園で審判にボールが当たった時に、心配して声を掛けている姿を見て「昔と変わっていない」と感じたという。同チームからは、栃木県代表・青藍泰斗高の中田吏投手も甲子園の土を踏んだ。「小学生の頃は2人でバッテリーを組むこともあった」と感慨深げだった。

 竹中さんは、今後、大学でも野球を続けていく予定。将来はプロを目指す。「一つでも上のレベルで野球ができたら」と抱負を語った。

川崎市総合防災訓練 避難所設営など「本番」並み 福田市長も細部を確認

 「防災の日」に合わせ、2025年度の川崎市総合防災訓練が8月31日、川崎総合科学高校と多摩川緑地(幸区)で開かれ、近隣住民ら約500人が参加し、避難所運営や防災トイレの設置などを本番さながらに取り組んでいた。

 今回の防災訓練は幸区の総合防災訓練を兼ねて開催された。市消防局や神奈川県警、自衛隊による救出救護訓練や、地元消防団による放水体験会、同区の自主防災組織のメンバーらによる避難所運営訓練などを実施。福田紀彦市長も冒頭から参加し、防災トイレのしくみの確認や、治療などが必要な避難者の「二次避難」の作業を担う「保健衛生福祉班」の実務内容などを見学し、疑問点などを細かく確認して回った。

 昨今の気象状況の影響か、校庭に設営された国土交通省の「降雨体験車」は、約100人分の体験枠が早々に埋まった。小学4年の息子と体験した幸区の女性は「豪雨の中の移動は、とても見通しが悪いことが分かった。体験できてよかった」と話していた。

「自助」の意識を

 今年度の国の「防災白書」では、冒頭に「国民の防災意識の向上」を掲げ、災害を自分事として捉えて防災・減災意識を高め自ら行動を起こすことで、「公助」(行政)ではなく「自助・共助」による防災意識を醸成することが「重要」と位置付けている。

 このうち「共助」である地域防災の一部を担うのが「自主防災組織」だ。災害時の近隣住民の状況の把握や避難所運営の補助など、役割は大きい。市内に769の組織があり、このうち町内会や自治会を母体としない組織は160ある。市の担当者によると、数は増えているが活動に対する補助金の利用実績を見ると「休眠組織」も半数近いという。同担当者は「実態を把握し、活動して頂けるよう周知している」と話す。

 川崎市自主防災組織連絡協議会会長の川田和子さんは、「市内には174の避難所があるが、人口規模が大きいため『在宅避難』が基本。そのため一人一人が『自助』の意識を持って欲しい」と語る。

 協議会では今年1月、川田さんの地元である宮前区民を対象に避難所運営に関する講習会を開催した。「共助の担い手」としての啓発が狙いだった。川田さんは「一人ひとりが知識を持って防災対策を行うことで、地域防災力は高まる。取り組みを市全域に広げたい」と話していた。

施設や里親の養育で育った経験を語り、里親制度推進に協力する 池田 累さん 南足柄市在住 34歳

川崎の里親が人生を変えた

 ○…7歳のころ、母が自分と兄、そして再婚相手の男性を残して家を出た。9歳の時に神奈川県内の児童養護施設へ入所。14歳から18歳まで川崎市内の里親のもとで育った。現在は3児の父となり、不動産業を営む傍ら、里親制度を推進するこども家庭庁などの依頼を受け、「語り部」として自身の経験を語る。

 ○…幼い頃から野球に夢中になり、1998年の横浜高校の「春夏連覇」に刺激を受け「野球選手になる」と決意。施設から通う中学の野球部で力をつけると、野球に打ち込める環境を求めて中学3年で川崎市内の里親家庭へ。市大会3位の成績を収め、10校以上の高校から推薦の誘いを受けたが、「養育」を受ける立場では選択肢が限られていた。すべて断り、地元の公立である市立橘高校へ進学を決めた。

 ○…1番目の里親は「1年間」の条件だったため、高校進学直前に2番目の里親家庭へ。明るい女性看護師と無口な自動車整備士の里親夫婦は、野球に打ち込むことを歓迎してくれた。野球三昧の日々で「ろくに言葉を交わさなかった」というが、「2人が毎日仕事に出かけ、暮らしを回す姿を見ていたことは大きかった」と振り返る。

 ○…18歳で自立すると、何でも相談できる「人生の先輩」として里親の存在感が増した。交際相手との結婚を考え始めた20代半ばには、家庭を持つイメージが湧かず、「先輩」にあれこれ尋ねた。「母は『この女性なら間違いない』、父は『嫁の言うとおりにしとけ』と。そうか、この2人のように暮らせばいいのかと思えた」。結婚式では泣きじゃくりながら、2人に「ありがとう」を連呼した。「確実に自分の人生を変えてくれた。里親のおかげで、『この生き方で大丈夫なんだ』と思えている」

準優勝のYAMAYURIメンバー=提供写真

女子野球「YAMAYURI」 惜しくも準V

 女子学童野球の神奈川県選抜チーム「YAMAYURI」が、8月14日から20日に岡山県で開催された女子小学生の全国大会「NPBガールズトーナメント2025全日本女子学童軟式野球大会」で準優勝に輝いた。

 2回戦から登場の「YAMAYURI」は、打線が爆発し、準々決勝までの3試合を二桁得点で圧勝。一転、投手戦となった準決勝は4投手の継投で相手を完封し、優勝した2018年以来の決勝に駒を進めた。

 決勝の相手は大会連覇を狙う大阪ベストガールズ。序盤からリードされるも1点差で食らいつき、最終回を迎えたが、四死球とエラーが重なり大量失点を喫し、惜しくも準優勝に終わった。

 金子末松監督はチームワークを準優勝の要因に上げ「毎日一生懸命に努力した結果」と選手たちを労った。

宮前区から2選手

 宮前区からは麻田志歩さん(神木マーキュリーズ・平小6年)と有村悠唯さん(向丘サンダース・犬蔵小6年)が出場した。

 麻田さんは、投手として5試合すべてに登板。決勝を含め3試合に先発し2試合を抑えというフル回転の活躍を見せた。麻田さんは「5日間連投は初めての経験でとても疲れましたが、チームメイトのみんなが一生懸命に守ってくれたので安心して投げることができた」と返った。

 有村さんは、3試合に出場。決勝と準々決勝では遊撃手としてチームを支え、準々決勝では3塁打を放つなど貢献し、全力プレーが光った。有村さんは「全国大会という舞台で仲間たちとプレーすることができ貴重な体験になった」と話した。

最優秀賞の漬物を紹介する高津区の代表

市老連女性委員会 漬物作りで健康を 最優秀賞は高津区

 地域の高齢者で組織する(公財)川崎市老人クラブ連合会の女性委員会が8月5日、「おつけもの大作戦」と銘打った漬物の品評会を市教育文化会館で行った。

 漬物作りをいきがいや健康づくり、認知症予防などに役立ててもらおうと初開催されたもので、同女性委員を含む33人が参加。連合会に所属する9地区の代表(幸区は出品なし)が夏野菜を漬けた自慢の一品を持ち寄り、出来栄えを競った。

 宮前区からは2人が参加し、長イモとキュウリを酢と砂糖に漬け込んだピクルスを出品。各地区2人ずつの女性委員計18人の投票の結果、高津区代表の「キューリの佃煮風つけもの」が最優秀賞に輝いた。

参加した川崎市の福田市長(右から3人目)と各市議会の正副議長ら

県内3政令市 「特別市」へ連携強化確認 懇談会に福田市長ら出席

 川崎市、横浜市、相模原市の神奈川県内3政令市の市長と市議会正副議長が8月26日、相模原市内で懇談会を開催し、新たな大都市制度である「特別市」の法制化に向けた連携について意見を交わした。

 特別市の実現により、都道府県との連携強化に加え、市町村との水平連携が推進・強化され、行政サービスの充実などの成果を市民、近隣自治体を含めた圏域、日本全体に還元できるとしている。

 座長を務めた相模原市の本村賢太郎市長は、今年5月、6月に超党派の国会議員、指定都市市長らで14年ぶりに開催された「指定都市を応援する国会議員の会」で、「次期地方制度調査会に特別市制度の法整備を含めた大都市制度の在り方の調査審議について諮問し、議論を進めること」を求める決議があったことを報告した。

 川崎市の福田紀彦市長も、総務省に研究会やワーキンググループが立ち上がったことを「大きな成果」だと強調した。横浜市の山中竹春市長は、この3年間で国への要望などを通じて「機運が盛り上がってきている」と述べた。3市の市長と正副議長は意見交換の後、今後も連携を深め、特別市制度の早期法制化を目指すことを確認した。

 特別市を巡っては黒岩祐治県知事が実現に懸念を示す。本村相模原市長は「特別市の法制度化は必要と国に訴えていく」と述べた。

9〜11月号の表紙

神奈川県 文化芸術の情報冊子を発行 特集は「かながわ県民文化祭」

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の9月〜11月号をこのほど発行した=写真。

 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号では、9月から県内各地で行われる「かながわ県民文化祭2025」を特集。県、各市町村で開催される主なプログラムを紹介している。また、アンケートに答えてチケットやカレンダーが当たるプレゼント企画も実施している。

 冊子はA4判で、オールカラー32ページ。県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

小学校時代を振り返る石日分さん

戦後80年 戦禍の記憶【10】川崎区在住 石 日分(ソクイルブン)さん(94) 子ども心にも感じた差別 「ヘイトが戦争招く」

 「引っ込み思案で、周りの友だちより10センチほど背が高いのが嫌だった。朝鮮人ということにも劣等感を抱いていた」と子ども時代を振り返る。

 1931年に長崎県諫早で生まれた在日コリアン2世。韓国出身の父親は渡日後、建設・土木作業現場をまとめる親方だった。そんな父親のもとには、働く場を求めてやってきた同郷の人たちが集まった。飯場として、常に20〜30人の朝鮮人と共同生活を送り、工事が終わるたびに新しい仕事場へと移った。佐賀や大分、福岡など九州を転々とし、小学校4年生までに3回転校した。日本の植民地支配による「創氏改名」で当時の名前は石原桃子。本名を名乗るようになったのはずっと後年になってからだ。

 朝鮮人が徴用などでやってきた時代、小学校1クラス50〜60人の中に5〜6人の朝鮮人の子どもがいた。あまり日本語が話せない子は、いじめの対象となっていた。日本人とけんかになっても公平に叱らない教師もおり「子ども心に差別を受けていることを感じた」。キムチ入りの弁当は「臭い」と言われた。特に冬場はストーブの上に弁当を置いて温めていたため、「いくら食べ慣れているとはいってもあの臭いは強烈だった。日の丸弁当がうらやましかった。だけど母親に言いだすこともできないし、梅干を手に入れる方法もわからなかった」。

 足が速く、運動会の選手に選ばれたこともある。その翌日、選考から漏れた子の姉に呼び出され「新入りのくせに、朝鮮人のくせに」と5、6人に囲まれて蹴られた。家庭訪問では朝鮮人集落に住んでいたことで担任が訪れなかったこともある。仲良くしていた日本人の友だちの誕生会に誘われたのは6年生の時。「いつも可愛い洋服を着ている子でした。初めて日本の家庭に遊びに行きましたが、その子のお母さんからジロジロとみられていました」

 一方で分け隔てなく接し、お使いや大事な用事も任された教師は忘れられない。

 紛争や戦争が絶えない現在。日本でもヘイトスピーチが大きな社会問題となっている。「人種差別が戦争を招いている。差別に対し一人ひとりが良識を持って団結しなければ」と話す。

- - - - - - - -

今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

後期の部で審査にあたる笹田さん(左)=提供

梨、ブドウの出来栄え競う 市内産果樹の品評会

 JAセレサ川崎は、川崎市内で生産された果樹を対象にした「令和7年度川崎市梨・ぶどう品評会」を8月18日と29日に開催した。

 市内の果樹生産者の栽培技術向上や優良品種の普及を図り、都市農業の理解促進と消費拡大を目指して実施されているもの。18日に川崎市農業技術支援センター(多摩区)で行われた前期の部では、梨が55点、ブドウが12点出品された。前期の部の最高賞にあたる川崎市長賞は、多摩区菅稲田堤の白井正壽さん(55)が梨(幸水)で受賞した。入賞は特別賞11点、 優秀賞2点、優良賞6点、佳良賞11点、努力賞2点だった。

 29日にJAセレサ川崎菅支店(多摩区)で行われた後期の部では、梨61点、ブドウ6点が出品。品評会最高位にあたる神奈川県知事賞は梨(豊水)で、ブドウの最高位の川崎市議会議長賞はシャインマスカットで、いずれも白井さんが受賞した。入賞は特別賞9点、優秀賞2点、優良賞4点、佳良賞14点だった。審査長を務めた神奈川県農業技術センター横浜川崎地区事務所の笹田昌稔主査は「梅雨にまとまった雨が降らなかったが、生産者による灌水(水やり)などでサイズも揃い、平年並みの甘さが出た。自信を持って販売してほしい」と講評した。

令和7年度ポスター

緑化・育樹コンクール 標語募集一般の部 9月10日(水)まで

 公益財団法人かながわトラストみどり財団では、2025年度緑化運動・育樹運動コンクールの標語を募集している。

 

 募集は一般の部で、対象は「樹木を植える・森林を育てる・守る大切さや未来への希望、人と緑の関わりを表現した、簡潔で語調の良いもの」。応募資格は神奈川県在住・在勤者で応募点数は1人1点。標語と氏名・職業・住所・電話番号を明記の上、はがきで同財団〒220-0073横浜市西区岡野2の12の20神奈川県横浜西合同庁舎内、同財団に郵送する。9月10日(水)必着。

 

 提出作品については、同財団審査会が各賞を選出し、10月に入選者に通知する。入選作品のうち最優秀賞には知事賞を、他の入選作品には理事長賞が贈られる(佳作除く)。また、入選者・入選作品はホームページに掲載される。

 

 問い合わせは、同財団【電話】045・412・2255へ

遊んで学んで「ご近助」に 有馬中央公園で催し

 「みやまえご近助ピクニック&宮前区防災フェア」が9月23日(火)、有馬中央公園で開催される。時間は午前10時から午後2時まで。

 災害時に隣近所同士で助け合う意味の「近助」。地域の人々の顔の見える関係づくりを目的に毎年開かれている。

 今年は、手作りの雑貨が並ぶハンドメイドマルシェや、ものづくりを体験できるワークショップ、掘り出し物を見つけられるフリーマーケットなど、さまざまな出店が並ぶ。また、町内会・自治会の活動紹介や模擬店なども開かれる。

 「宮前区防災フェア」では、地震体験車での震度体験やVRを活用した災害体験を通じて、いざという時に役立つ知識や行動を、家族みんなで身につけることができる。

 (問)区地域振興課【電話】044・856・3135

 

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
<PR>
【中途募集】「タウンニュース」の記者として、街の力になりませんか?
【中途募集】「タウンニュース」の記者として、街の力になりませんか?
神奈川県と東京多摩地域で発行する地域情報紙「タウンニュース」。制作するタウンニュース社では、紙面、Webプロモーション、イベント企画運営、公共施設の管理業務など... (続きを読む)
川崎市役所

有馬小でプールの水流出 市教委「防止策を確認」 文科省は負担軽減策推奨

 川崎市教育委員会は8月27日、市立有馬小学校(宮前区)でプールの止水作業を怠ったためプール約0・7杯分相当の167・2㎥を流出させた事案があったことを公表した。市教委は再発防止に向けた取り組みや、文部科学省が推奨するプール管理業務の外部化を推進していくとしている。

 経緯としては、7月17日午後にプールの水が半分程度であることに気づいた校長が、消防用水として満水にしておくよう教務に指示し、教務から指示をうけた教員が同日午後2時ごろから注水を開始したものの、止水作業の確認が漏れ、約17時間にわたり水が流出したもの。翌日朝に出勤した同校教員が、プールの水が流出していることに気づいた。

 流出量に基づく損害額は約14万円だが、参議院選挙関連の準備や校内工事に向けた業務などが立て込んでいたといい、市は諸事情を勘案し、関係者への損害賠償請求は行わない。市教委の担当者は「止水漏れ防止策が適切か否かなど、各校に注意喚起のうえで確認していく」としている。

9校で外部施設利用

 全国で続くプールの水の流出事案に関し、文部科学省は昨年7月に「学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方について(依頼)」と題した文書を全国に通知した。この中で、学校プールの管理業務が教員の過度な負担につながる事態も見受けられ、管理を任された教師が過失の責任を問われ損害賠償を求められる状況を「望ましくない」とし、指定管理者制度の活用や民間業者への委託などを推奨している。

 市内でも現在、小学校9校が市営や民間の屋内プールを活用して水泳の授業を実施している。市教委の担当者は「屋内プールは天候に左右される心配がなく、プール管理の負担軽減にもつながる。取り組みを広げていきたい」と話している。

実証実験が重ねられるオンデマンドバス「のるーとKAWASAKI」

「総合都市交通計画」素案 川崎市 持続可能な環境整備へ パブコメ、10月6日まで

 川崎市は総合的な交通体系の構築に向けた「第2次川崎市総合都市交通計画」の素案をまとめ、9月5日からパブリックコメント(市民意見募集)を実施している。

 「総合都市交通計画」は、市の交通政策の基本的な考え方を示すもの。第2次計画では20年後の2045年に、市のイメージ調査で「川崎市が便利と感じる」市民が約55%となることを目指して計画を策定する。

 素案によれば、高齢化やバス運転手の担い手不足などの社会環境の変化に対応し、市民の暮らしやすさと移動しやすさを組み合わせた持続可能な交通環境の整備を目指す、としている。

 具体的にはまず、運転手不足による路線バスの減便などの課題に対応するため、鉄道やオンデマンド交通、電動キックボードなどの新世代モビリティといった複数の交通手段の中継拠点を整備し、地域公共交通ネットワークの構築を進める。市の担当者によると、「バス運転手に必要な大型第二種免許の取得者は減少する一方だが、(タクシー運転手に必要な)普通第二種免許の取得者はたくさんいる。この層にご協力いただきながら構造転換を図りたい」という。

 また素案では、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)エネルギーの供給拠点となる計画が進められている臨海部に関して、「首都圏を支えるエリアになる」(市担当者)ことを視野に入れた交通基盤ネットワークの形成を目指すとしている。

 素案は市のウェブサイトのほか、各区の区役所や図書館、市民館などで閲覧できる。パブコメは10月6日(月)までで、ネットかFAX、郵送のほか、市まちづくり局交通政策室(市役所本庁舎19階)に持参も可能。対面方式による説明会も、市内3カ所で実施する。詳細は交通政策室【電話】044・200・2760。

乳幼児のアトピー学ぶ 区役所1階健診ホールで

 「こどものアレルギー教室」が10月8日(水)、宮前区役所1階健診ホールで行われる。午後1時15分から2時45分(受付は午後1時から)。

 「乳幼児アトピー性皮膚炎について」をテーマに、医師の石川良子さんが、日常生活で注意すべきことや治療法について解説する。質疑応答の時間も設けられる。

 定員は15人。保育あり(要予約・先着7人)。申込は9月8日(月)から、専用フォーム(https://logoform.jp/form/FUQz/1136114)から。

 問い合わせは、区地域支援課【電話】044・856・3302。

 

設置されたおむつ替えテント©川崎フロンターレ

GO!GO!!フロンターレ

ホーム戦でおむつ替えテント設置

 川崎フロンターレは東急電鉄と共催して、明治安田J 1リーグとJリーグYBCルヴァンカップのホームゲームで、小さな子どもを連れたサポーター向けに、おむつ替えのための専用テント「のるふろベビーステーション」を設置した。

 東急電鉄が沿線の子育て世帯や学生を応援する「東急スクラムプロジェクト」の一環として、共同で設置するもの。スタジアムでの観戦のハードルとなりがちな乳幼児のおむつ替えスペースを確保することで、より多くの家族に安心して観戦してもらうことを目指している。

 設置場所は、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuのメインスタンド前広場(ガチャガチャブース横)。おむつ台とジョイントマットを用意し、一組ずつ利用できる。時間はキックオフ3時間半前から30分前まで。

 同クラブの島貫篤さんは「小さなお子様がいるご家族に、少しでも快適に試合を観戦してもらえたら嬉しい。ご来場をお待ちしています」と利用を呼び掛けている。