金沢区・磯子区版【9月11日(木)号】
食堂リニューアルに携わった生徒会メンバー

横浜創学館高校 40年ぶりに食堂刷新 ロゴや名称を生徒が考案

 横浜創学館高校(廣瀬裕校長)=金沢区六浦東=の食堂が9月1日、約40年ぶりにリニューアルされた。「航海」をコンセプトに、施設名「夕照キャビン」やロゴは生徒が考案。食堂だけでなく、休憩場所や自習室としても利用できる空間が完成した。

 同校は昨年春頃から、長机にイスが並んだ無機質な食堂を、カフェのような憩いの場にしようと、(株)オンワードコーポレートデザインと「食堂リニューアルプロジェクト」を開始。海の近くにある同校で学ぶ3年間を航海に見立て、「Voyage(航海)」をコンセプトにした。

 施設名は、生徒会でアイデアを出し合い、同校から徒歩7分ほどの場所にある「夕照橋」と、船の客室をイメージした「キャビン」を取り入れた「夕照キャビン」に決まった。あわせて施設ロゴも生徒たちで考案。いくつか案が出た中で、錨をモチーフに、創学館のSとGを組み合わせたロゴが選ばれた。

 食堂は室内に189席、屋外テラスに56席が設けられている。食事だけでなく、自習もできるようにコンセントやカウンター席なども設置されている。また、食堂の壁面には、生徒一人ひとりがメッセージを書いた付箋を貼ることで一つの絵が完成する「ポストイットアート」を配置。文化祭や入学式など季節やイベントに応じて生徒参加型のアートが完成する。

 9月1日のオープン当日、食堂リニューアルに携わった生徒会長の毛利遊さん(2年)も初めて食堂へ。「質素だった食堂が生まれ変わった。目に見えない人と人とのつながりが強くなる、そんな場所になれば」。ロゴをデザインした副会長の末森勇気さん(同)は「ロゴが採用されうれしい。今後何年もロゴが残ると思うと責任を感じるが、みんなが気軽に来られる場になってほしい」と話した。

文化祭で開放

 食堂は9月13日(土)、14日(日)に開かれる文化祭「夕照祭」で開放される。来場希望者は12日(金)午後5時までに予約を。
小柴自然公園のインクルーシブ遊具広場

横浜市 公園遊具点検手引き改訂 確認ポイントなど見直し

 横浜市は今年4月、市民の憩いの場である公園の安全性を高めるために「横浜市公園施設点検マニュアル」を改訂した。他都市の事故事例などを盛り込み、遊具の点検ポイントなどを見直した。また、老朽化した遊具の更新を加速させ、子どもたちが安心して遊べる環境づくりを推進する考えだ。

 市内の公園で2007年度、木製のぶらさがり遊具が根本から折れて児童が負傷するなど、遊具の不具合が原因となる事故が相次いで3件発生した。これを受け横浜市は同年10月、「遊具点検マニュアル」を策定。今年4月には、(一社)日本公園施設業協会が取りまとめる「遊具の安全に関する規準」の改訂版を適用した「公園施設点検マニュアル」を改訂した。新たなマニュアルでは、ブランコの座板や座板を固定する吊り金具が変形している場合、内部の鉄板に不具合の可能性があるなど遊具の種類ごとに点検ポイントの見直しや追加が行われた。

分解して確認も

 「公園のまちヨコハマ」を掲げる市が管理する約2700の公園にある遊具は約1万基。土木事務所職員らによる年3回の通常点検のほか、専門業者による分解を伴う詳細点検を年1回実施。市みどり環境局によると、過去5年間で公園遊具の不具合による事故は確認されていないという。

 市は公園遊具を計画的に更新しており、今年度は老朽化した遊具の改修・更新を大幅に加速させる方針。昨年度比で倍の160基を整備する計画だ。新しい遊具の設置にあたっては、公園の利用状況や安全領域の確保を考慮し、安全規準に適合したものを選定。市によると、近年では複合遊具の整備が増えているという。

 誰もが楽しめるインクルーシブ遊具広場の整備も進められており、小柴自然公園=金沢区長浜=に2023年に市内で初めて設置されたほか、本牧市民公園=中区=でも整備計画が作成されている。また、各区の「こどもログハウス」も順次リニューアルする予定で、同局は「アスレチック遊具や親子の交流スペースのほか、冷暖房設備などの充実を図る」としている。

「浜小学校おやじの会」会長を務める 横山 昌平さん 磯子区汐見台在住 47歳

大人の力で子どもを笑顔に

 ○…磯子区の浜小学校児童の父親約20人が登録する「おやじの会」をとりまとめる。学校ごとのチーム対抗で水風船を投げ合うなどして楽しむイベント「スプラバルーン」を夏休み中に企画。3年目の今年は汐見台・山王台含めて約200人の児童が集まり、夏の思い出作りの一端を担った。「大人の力を使って、子どもたちだけでは普段できない体験をしてほしい」。遊んだ後の清掃にもゲーム性を持たせ、片付けまで楽しめるように工夫を凝らした。

 ○…7年前、同会の発足と長男の入学のタイミングが重なり、創設時から会の一員に。会長を引き継ぎ、コロナ禍で活動が止まってから校内の一角にある畑の手入れが主な活動だったが、「子どもたちが直接喜ぶ活動をしよう」と新企画を模索。「家でたくさんの水風船を使うのは難しい。保護者の力を集結させ、楽しめるイベントになれば」と、人気ゲームになぞらえたスプラバルーンを2年前に公園で開催した。子どもたちにも好評で、PTAや青少年指導員の協力も得て継続して企画を続けている。

 ○…学生時代は、ディズニーキャストとしてアルバイト。そこで妻と出会い、今では家族で年に数回パークへ遊びに行く。現在は東京都立大学システムデザイン学部准教授として、データサイエンスの教育・研究に従事している。

 ○…磯子区出身だが、区外の私立校を卒業。子どもたちのためだけでなく、「学校を通して地域のためにもなれば」という思いもある。スプラバルーンには区内外から興味を持つ声が届いており、「地域ごとに企画するなど、自然と広がっていくならうれしい。ノウハウは伝えていきたい」。子どもたちを喜ばせるために、力を尽くしていく。

山中市長、選挙活動の妨害に「公選法改正が必要」 市長選で「誹謗目的の文書掲示あった」

 横浜市の山中竹春市長は9月10日の定例記者会見で、先の市長選で自身の街頭演説中に妨害行為があったとし、市民の安全を確保するために公職選挙法の改正が必要だとの認識を示した。

 山中氏は選挙戦を振り返り、演説中にスピーカーで音を被せられたり、誹謗を目的とした文書を掲げられたりするなどの妨害行為があったと指摘し、「断じてあってはならない」と非難した。山中氏に抗議をする人と演説を聞く人との間でトラブルに発展したケースもあったという。「市民の安全が保たれない環境で選挙活動を続けることは難しい」とした上で「公職選挙法の改正が必要だと思う」と述べた。

 市長選では、山中氏に批判的な市民が演説現場に集まり、抗議の声を上げたり、プラカードのようなものを掲げる様子が見られた。

地下鉄「関内駅」構内に設置されたパネル

市営地下鉄 映画『8番出口』とコラボ 異変探しラリー 9月23日まで

 横浜市交通局は、現在公開中の映画『8番出口』とのタイアップ企画として「異変探しラリー」を市営地下鉄構内で開催している。9月23日(火)の終電まで。

 物語のキーワードである「異変」をテーマに、地下通路を舞台にした映画の世界観を体験できる内容となっている。

 参加は無料。スマートフォンなどで、市営地下鉄全40駅に掲出されているポスター内の二次元コードから参加登録を行う。「異変パネル」を掲出中の湘南台、戸塚、上大岡、関内、新横浜、あざみ野、センター北、日吉の8駅を巡り、パネルに隠された異変を見つけ出す。

 4駅クリアで映画オリジナル待ち受け画像が、8駅全てクリアで市営地下鉄と映画のコラボ待ち受け画像がプレゼントされる。

 映画『8番出口』は、世界的ヒットゲームを実写化したもの。二宮和也さんが主演、金沢区出身の川村元気さんが監督を務める。地下通路の無限ループから抜け出すために異変を探すという物語で、第78回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門に選出されるなど、公開前から高い注目を集めている。

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仰木さん(右)と娘さんで撮った最後の写真

自殺予防週間 家族の死をどう受け入れるか 自死遺族に聞く後悔と立ち直り

 9月10日から16日は「自殺予防週間」。国内での自殺者数は近年減少傾向にあるものの、2024年でも2万人以上が自ら命を絶っている。

 命を絶つほど苦しんだ本人はもちろん、身内を亡くした遺族も苦しみと後悔の念を抱き続けてしまうもの。今回は、自死遺族に当時の思いや、立ち直りのきっかけなどを聞いた。

 仰木奈那子さん(筆名・75)は10年前に娘を32歳の若さで亡くし、その思いを短歌を詠んで歌集として出版もした。

 「娘は麻酔科専門医として務めながら大学院での研究も夜遅くまで続ける毎日で、自死までの1年半に一日の休みもなくうつ病を発症していました。死の前日に私に電話口で『逃げ出したい、もう嫌だ』と泣き叫びました。でも、私は元気づける意味で『そんなこと言ってどうするの』と怒鳴りつけてしまいました。翌日に謝ろうと電話をしても繋がらず、心配になって娘の家に駆けつけたら…。頭ごなしに怒鳴りつけ、謝ることができないまま死に別れてしまったことが悔やまれて仕方なく、ずっと自分を責め続けました」

 「娘を亡くして憔悴する私に、多くの方が声をかけてくれました。優しいお言葉も最初は何も受け入れられませんでした。でも、自死遺族向けの電話相談で、同じ苦しみを体験した相談員さんから『苦しみは1、2年は続くので自由に悲しんでください』『苦しみや悲しみは乗り越えられるものではなく、月日が経つうちに上手に付き合っていけるようになる』とお聞きし、私もそのように生きていかねばと思いました。同じ体験をしているからこそ、真の理解者として信用していました。特に、私が娘の死後にうつ病の薬の副作用で歩けなくなってからは、電話相談が唯一社会と繋がる手段でした」

 ――娘さんの死を受け入れられたきっかけは?

 「短歌を詠むことが娘へのお詫びと感謝を伝える唯一の手段でした。心の中で娘と向き合う日々で1年が経った頃、自宅の階段から転落した際に幸運にも軽い怪我で済み『娘に守られている』と感じました。このままではいけない。娘が患者さんの命を救うことに懸命だったので、私も人さまの役に立たねばと県の要約筆記者の資格を取り、今は傾聴ボランティアの会に所属しています」

 ――現在、同じような苦しみを抱く自死遺族にメッセージを

 「私は電話相談の方々に助けて頂きました。安心して本音を語れますので、ぜひ勇気を持って電話してみてください」

 横浜市は専門の相談員に匿名で話せる電話窓口を設置している。自死遺族ホットライン【電話】045・226・5151(毎月第1・3水曜午前10時から午後3時)。

15日に商店街プロレス プララ杉田パティオ広場で

 京急線・杉田駅直結のプララ杉田で9月15日(月・祝)、商店街プロレスが開催される。

 大日本プロレスと横浜市内の商店街による企画。1階パティオ広場にリングが設置され、午後0時10分からこどもプロレス教室、0時30分から前半戦、2時30分から後半戦の試合を行う。試合前の午前11時30分からは、エソラビト菜々子さんによるライブも。当日プララ杉田館内で500円以上の買い物をすると先着で、座席で観戦が可能。当日直接会場へ。

龍華寺所蔵の「脱活乾漆造菩薩坐像」=県立金沢文庫提供

県立金沢文庫 金沢ゆかりの仏像一堂に 95周年特別展 11月9日まで

 県立金沢文庫開館95周年特別展「金沢八景みほとけ巡礼-仏像からよみとく金沢の歴史-」が11月9日(日)まで、同館=金沢区金沢町=で開催されている。

 かつて「武蔵国六浦荘金沢」と呼ばれ、中世には鎌倉の外港として栄えた同区。近世には金沢の内海の名勝は、「金沢八景」と呼ばれ、風光明媚な景勝地として多くの人が訪れた。

 今回の特別展では、金沢の内海周辺に建立された由緒ある寺院と、そこに安置された仏像を通して、中世金沢に展開した寺院の実態や、その後の金沢八景を中心とした巡礼寺院としての位置づけを明らかにする。

 主な展示作品は▽脱活乾漆造菩薩坐像(奈良時代・龍華寺・市指定有形文化財)▽阿弥陀如来坐像及び両脇侍立像(久安三年・宝樹院・県指定重要文化財)▽運慶作大威徳明王像(建保四年・光明院・重要文化財)▽運慶作抜頭面(建保七年・瀬戸神社・重要文化財)▽薬師如来坐像(鎌倉時代・東光禅寺・市指定有形文化財)▽金銅製愛染明王坐像(永仁五年・称名寺・重要文化財)▽地蔵菩薩坐像(鎌倉時代・泥牛庵)ほか。

 開館は午前9時から午後4時30分(入館は4時まで)。毎週月曜休館(祝日の場合は開館、祝日の翌日が休館)。一般600円、20歳未満・学生500円、65歳以上200円、高校生100円、中学生以下と障害者無料。土曜・日曜・祝日の午後2時からと3時からは、ボランティアによる展示解説も。事前申し込み不要。問い合わせは県立金沢文庫【電話】045・701・9069。

「もの忘れ」について学ぶ 金沢公会堂で講演会

 金沢公会堂=金沢区泥亀=で10月31日(金)、講演会「もの忘れがあっても私らしく〜当事者の声に耳を傾けて〜」が開催される。午後2時から3時30分(1時30分受付開始)。入場無料。

 講師は樹診療所かまりやの医療福祉部長で地域連携相談室長の内田太郎さん(精神保健福祉士)。日頃から「もの忘れ検診」で相談者と向き合う中で得られた認知症の基礎知識や、相談にあたっての注意点、相談するタイミングなどを分かりやすく解説してくれる。

 「もの忘れは病気なのか」「どこに相談すればいいのか」「もの忘れがあっても今の生活は続けられるのか」といった不安や疑問にこたえてくれる。

 先着50人。申し込みは本日11日から電話で。申し込み、問い合わせは金沢区役所高齢・障害支援課高齢者支援担当【電話】045・788・7777。

「世界一」が目標という島崎さん

バドミントンで全国2位 西柴小1年 島崎さん

 金沢区西柴在住の島崎晄輔さん(西柴小学校1年)が、8月15日から17日まで青森県で開かれた「第26回ダイハツ全国小学生ABCバドミントン大会」に出場。男子Cグループ(1・2年生)で準優勝した。

 全国各地の予選を勝ち抜いた選手らが出場し、日本一を争う同大会。過去の優勝者が日本代表として活躍するなど、トッププレイヤーの登竜門として知られている。

 島崎さんは今年4月に行われた神奈川県予選を制して、今回初めて全国大会に出場。男子Cグループには49人が出場し、3人や4人ごとのグループで行う予選リーグ、各グループ上位2人が進む決勝トーナメントで優勝を争った。島崎さんは予選を2勝で通過。2年生がいる中で決勝トーナメントも勝ち進み、初出場で準優勝を成し遂げた。島崎さんは「緊張したけど、うまくプレーできた。うれしかった」と話す。

家族で自主練

 先に競技を始めていた2人の姉の影響で、島崎さんがバドミントンを始めたのは3歳の時。現在は厚木市を拠点とする小中学生のクラブチーム「Selfish」に所属する。週3日のチームでの練習だけでなく、小学校の体育館やスポーツセンターなどを借りて家族で自主練習にも励んでいる。

 準優勝したことで来年は県予選を免除され、推薦で全国大会に出場できるという。「家族で全国大会に出たのは晄輔が初めて。目標へ向けて一緒に頑張りたい」と父の太輔さん。晄輔さんの目標「世界一」へ向け、家族で力を合わせていく。

生ごみたい肥化施設を見学する参加者

横浜環境保全 アフリカから視察団 生ごみたい肥化など学ぶ

 第9回アフリカ開発会議に参加したアフリカ諸国の環境・廃棄物部門の責任者8人が9月2日、横浜環境保全(株)金沢事業所=金沢区鳥浜町=に視察に訪れた。環境省、JICA、横浜市とアフリカ諸国が共同して立ち上げた「アフリカのきれいな街プラットフォーム」の横浜研修の一環。

 一般廃棄物の収集運搬などを行う同社の企業理念や地域貢献活動を学ぶとともに、ごみ収集車に子どもたちが描いた絵を塗装する「デザインパッカー車」事業などについて講義を受けた後、同事業所の生ごみたい肥化施設を見学した。ザンビアのチシンバ・ケネディさんは「有機廃棄物の再利用に高い関心を持っている。アフリカ諸国に紹介したい」と話していた。

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25回目の金沢文庫芸術祭 9月14日、海の公園で

 「第25回金沢文庫芸術祭」が9月14日(日)、金沢区の海の公園で開催される。午前9時30分から午後8時。入場無料。「こどもの未来は地球の未来」をスローガンに今年で25回目。主催は金沢文庫芸術祭実行委員会。

 内容は、ワークショップや同区内の子どもたちが描いた「こども大型絵画」の展示、平和のエコピースキャンドル、プレイパーク、ドリンク販売のほか、子どもから大人まで楽しめるステージ、先住民族広場、チャイハネのワークショップ・マーケットなど100を超えるブースが出展予定。午後5時45分からは会場内を練り歩くサンセットパレード、6時30分から男女2人のジャパニーズレゲエユニット「マーレーズ」のライブも。問い合わせは事務局(アサバ アートスクエア内)【メール】info@bunko-art.org。

 また、同園中央砂浜では「サンドアートフェスティバル」も同時開催。主催は海の公園。立体造形師の佐藤圭吾さんが制作した高さ2・4mの大型砂像を9月14日から21日(日)まで展示する。問い合わせは海の公園管理センター【電話】045・701・3450。

三浦半島戦争遺跡 「物言わぬ語り部」後世に 自分の足でめぐるガイドブック

 明治から昭和初期にかけて、首都防衛を目的に建設された「東京湾要塞」と呼ばれる戦争遺跡(戦跡)にスポットを当てたガイドブック『三浦半島 東京湾要塞地帯を行く!』=写真=を在野の研究家であるデビット佐藤さん(佐藤正弘/66)が発行した。

 東京湾要塞は三浦半島と房総半島に築かれた砲台や海堡などの軍事施設。同ガイドブックでは三浦半島に遺されている約80の戦跡を紹介している。佐藤さんによれば、

戦跡は主に明治以降の戦争の痕跡を指すもので、軍事遺構だけでなく、有形・無形のものすべてが対象であり、体験者の証言も含むというのが近年の考え方だという。

 今回手掛けたガイドブックもそうした視点に立ち、砲台跡や弾薬庫、地下壕などの施設に加え、供養塔、特攻隊員の遺品、戦時教育に用いられた二宮金次郎像ほかを盛り込んだ。数多の戦跡資料は学術的で堅苦しい記述が大半であるため平易な言葉で伝えることに力点を置き、現地を訪れて五感を通して感じてもらう作りとした。佐藤さんは「戦争遺跡が語り掛けることに耳を傾けて欲しい」と話している。

 佐藤さんは2018年からタウンニュース横須賀版(現横須賀・三浦版)で戦跡を紹介するコラムを担当。ガイドブックはここで取り上げてきた内容を大幅に加筆し、新たな情報も追加した。これからの戦跡の保存活用を考える対談なども掲載している。

 B5判オールカラー160ページで定価2728円+税。購入希望者は佐藤さんのメール(tkyosai830@tf6.so-net.ne.jp)へ。

イベントチラシ

9月13日・14日 小田原で「えっさホイおどり」  LumiUnionの出演決定

 「小田原ちょうちん」や童謡『おさるのかごや』など小田原のエッセンスを盛り込んだよさこいイベント、「ODAWARAえっさホイおどり2025」が9月13日(土)・14日(日)に小田原市内で開催される。両日午前10時開始。入場無料で雨天決行、荒天中止。

 今年は約40チームが参加し、13日は小田原三の丸ホール(小田原城址公園隣)でコンテスト(正午〜午後7時)。14日は、観客投票で勝敗が決まる「紅白対抗演舞祭」が3会場で行われる。他にも小田原城址公園や周辺エリアを会場に2日間、流し踊りや定点演舞で盛り上げる。

 両日、小田原城二の丸広場ではキッチンカーや地元店など約100店が集まるマルシェ(午前10時〜午後5時30分)も開催される。

13日、LumiUnionがライブ

 13日は、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんがプロデュース&メンバーの(ルミユニオン)アイドルグループ「LumiUnion(ルミユニオン)」の出演が決定。各会場でのコラボ企画に登場するほか、小田原三の丸ホールでライブも実施。マフラータオル、猿子(鳴り物)などえっさホイとのコラボグッズも数量限定で販売する。

 イベントスケジュールなど詳細は、実行委員会ホームページ(https://essahoi.com)で確認できる。

9〜11月号の表紙

神奈川県 文化芸術の情報冊子を発行 特集は「かながわ県民文化祭」

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の9月〜11月号をこのほど発行した=写真。

 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号では、9月から県内各地で行われる「かながわ県民文化祭2025」を特集。県、各市町村で開催される主なプログラムを紹介している。また、アンケートに答えてチケットやカレンダーが当たるプレゼント企画も実施している。

 冊子はA4判で、オールカラー32ページ。県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

山中市長「市民目線の人にやさしいまちを」 再選後初の本会議、2期目の所信表明

 8月の横浜市長選挙で再選された山中竹春市長が9月9日、市会第3回定例会初日の本会議で2期目の所信表明を行った。この中で「市民目線の人にやさしいまちを作っていく」などと述べ、決意を示した。

 約66万票を得て再選を果たした8月の市長選後、初の本会議。発言の冒頭で山中氏は「この本会議場で改めて皆さまにごあいさつできることを大変光栄に感じている。同時にその責任を深く受け止め、市政に誠実に向き合い、全力を尽くす」と語った。1期目で取り組んだ子育て支援策などで好循環が生まれたとし、「横浜経済の持続的な成長発展をより確かなものにしていくことが私の責務」とした。

 より良い社会の姿を追求する都市モデルを構築するための柱として、▽循環型都市への移行▽観光経済の活性化▽未来を作るまちづくり――の3つを掲げた。さらに、市役所内部の改革のために、AIやデータの活用を進めることや世界目線の政策実行が必要だと訴えた。また、市民目線の政策実現へ「『しなやかな行政』へと転換していく」とも語った。最後に「二元代表制のもと、これからも市会の皆さまと真摯に議論を重ね、『オール横浜』で横浜の未来を作っていく」と締めくくった。

 市会定例会は10月23日まで開かれる。一般質問は9月12日。10月以降は2024年度の決算審査が行われる予定。

ホームでの体験も(横浜市提供)

横浜市へのふるさと納税で相鉄駅長体験ツアー 返礼品に新メニュー

 横浜市のふるさと納税の返礼品として、相模鉄道株式会社が駅長の仕事を体験できるツアーを企画し、9月3日から申し込みを受け付けている。

 ツアーは11月24日に星川駅=保土ケ谷区=で行われる。参加者は駅係員の朝礼から始まり、硬券入場券に日付を押印する作業、改札スタンパー体験、多機能機による運賃検索などの窓口改札業務を体験できる。さらに駅設置のマジックハンドを使った落とし物の拾得体験や構内放送、手旗による合図などのホーム担当業務も行う。

 午前の部(午前10時〜正午ごろ)と午後の部(午後1時30分〜3時30分ごろ)の2回開催され、各回4人ずつの計8人限定。

 寄付金額は4万円。返礼品を受け取れるのは横浜市外在住者。申し込みは「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」「ふるなび」「さとふる」「JRE MALL ふるさと納税」のふるさと納税ポータルサイトから行う。市財源確保課は「相模鉄道の魅力がたっぷり詰まった貴重な体験をふるさと納税で楽しんでほしい」と呼びかける。

年間受入額35億円目標

 横浜市は、ふるさと納税による市税流出が以前から課題になっている。

 2024年度は横浜市の寄付受入額が約29億円だったのに対し、税減収額は約298億円。このうち約75%は地方交付税で補塡されるが、影響は大きい。

 税収確保向け、市は新たな返礼品を追加したり、寄付の使い道や事業紹介に焦点を当てた独自サイトを開設するなどしている。25年度の受入額目標を35億円に設定しており、同課は「年末にかけて納税が増える傾向にあるので、取り組みを進めたい」としている。

県大会優勝の賞状を手にする田中さんと作品

高校生ものづくりコンテスト神奈川県大会の木材加工部門で優勝 磯子工業高3年 田中さん

 神奈川県立磯子工業高校の田中大也さん(建設科3年)がこの夏、「高校生ものづくりコンテスト」神奈川県大会の木材加工部門で優勝した。同校生徒の県大会優勝は6年ぶり。

 工業高校などの生徒向けに開かれている同大会。木材加工や電気工事、測量、溶接など8部門に分かれ、技術・技能の向上を目指して競技を行う。

 田中さんが出場した木材加工部門は、制限時間内に用意された材料を使って課題に沿った形を組み上げ、完成度や正確性などを競う。木材に鉋をかける「木造り」から加工用の寸法を描く「墨付け」、その後の「加工」「組み立て」までを一人で行い、完成した作品を減点方式で作品を審査する。

 バレーボール部を引退し、6月頃から同コンテストに向けて練習に励んできた田中さん。放課後や朝の授業前にも時間を作り、苦手なノミを使った作業を重点的に練習して本番に臨んだ。その結果、「1位になるとは思っていなかったけど、県大会当日は今までで一番うまくできた」と話し、初出場で県大会優勝を成し遂げた。

夢は宮大工

 県大会に優勝したことで、8月26日には埼玉県で開かれた関東大会にも出場。23人中10位で入賞は逃したが、「大会では一人で作業をするけど、練習環境を作ってくれる先生や応援してくれる仲間など、たくさんの人に支えられていると気づいて感謝の気持ちを感じた」と振り返る。

 将来の夢は「宮大工」と話し、今年1月には国家資格「建築大工技能士」の2級に合格。卒業後は神奈川県外の工務店へ就職を希望し、新たな資格取得へ挑戦するなど、夢に向けた努力を続けている。「技能五輪にも出れるなら出たい。将来は宮大工として、日本の伝統文化を受け継いでいきたい」と語った。

会場に並ぶ消防車など

赤レンガ倉庫で体験型イベント「横浜防災フェア」 ラジオ日本の番組公開録音も

 体験型の防災イベント「横浜防災フェア」が横浜赤レンガ倉庫イベント広場で9月6日に始まった。7日まで。

 イベントはラジオ日本と横浜市の主催で49回目。会場入口には消防車のほか、災害現場で活動する車両が並び、記念撮影をする人の姿が目立った。横浜市資源循環局のブースでは、災害時の家庭のトイレが使えなくなった時のための非常用トイレを紹介していた。

 ステージではラジオ日本の番組の公開録音があり、毎週月曜日午後6時から放送されている「マツラジ」に出演するお笑いコンビ「スカイサーキット」の松本勇馬さんが登場。その中で星槎学園高等部の相模太鼓部が力強い演奏を披露した。ほかにも、災害をさまざまな角度から解説する特別番組の録音もあり、9月14日午後9時15分から10時30分まで放送される予定。

 7日午後1時からは毎週金曜日放送の「Happy Voice ! from YOKOHAMA」の公開録音に番組パーソナリティの平松可奈子さんらが登場する。

赤くライトアップされた横浜マリンタワー(9月5日撮影)

赤い光で救急車の適正利用を 横浜市消防局がライトアップ企画

 9月9日の「救急の日」に合わせ、横浜市消防局は5日から「あんしん救急ライトアップキャンペーン」を始めた。救急車の赤色警光灯をイメージした赤い光で横浜ベイエリアの著名施設をライトアップし、救急車の適正利用について市民に考えてもらうきっかけを作るのがねらい。

 ライトアップは横浜市庁舎、神奈川県庁本庁舎、横浜マリンタワー、横浜税関、横浜美術館、コスモクロック21など11カ所で行う。各施設で点灯日、時間は異なる。

 ライトアップされた施設を撮影し、9月20日に横浜市民防災センターで開催される「ぼうさい縁日」で写真を提示すると、抽選に参加できる。賞品にはバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」の観戦チケットや崎陽軒の「シウマイ弁当」誕生70周年を記念したハンカチなどが用意されている。

『うんこと死体の復権』上映会 10月4日、横浜市立大学金沢八景キャンパスで

 探検家の関野吉晴さん(横浜市立大学医学部・一橋大学法学部卒業)が初監督を務めたドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』が10月4日(土)、横浜市金沢区の横浜市立大学金沢八景キャンパスYCUスクエア404教室で開催される。上映会は午後4時30分から6時30分。関野さんのトークショーは6時30分から7時30分。

 昨年8月から順次公開されている同映画は、現代人と自然の共存を考える関野さんが、不潔なものとされがちなウンコや死体と向き合う3人の登場人物の活動を通して、命の循環をみつめるドキュメンタリー。教育上価値が高いとされる文部科学省選定作品。

 主催は横浜市立大学の同窓会「浜大会」と一橋大学の同窓会「如水会横浜支部」。後援に横浜エリアを拠点とする6大学同窓会「横浜SIX」(横浜国大、関東学院大、神奈川大、横浜市大、一橋大、東京科学大)。 

 1949年生まれの吉野さんは、一橋大学在学中に探検部を創設し、71年にアマゾン川全域を下るなど南米の旅を重ねる。93年南米最南端からアフリカの人類発祥の地まで動力を使わずに旅する「グレートジャーニー」を開始。フジテレビのシリーズ特番として放送された。99年植村直己冒険賞受賞。

 定員300人。会費一般1500円(支払いは当日)、学生無料(小学生から)。未就学児は不可。申し込みは関連リンクから。

 

 

 

懇談会に参加した横浜市の山中市長(左から3人目)、渋谷議長(同2人目)、尾崎副議長(左端)ら

県内3政令市長らが意見交換で「特別市」へ連携強化確認 山中市長「機運盛り上がっている」

 横浜市、川崎市、相模原市の神奈川県内3政令市の市長と市議会正副議長が8月26日、相模原市内で懇談会を開催し、新たな大都市制度である「特別市」の法制化に向けた連携について意見を交わした。

 懇談会の座長を務めた相模原市の本村賢太郎市長は、今年5、6月に超党派の国会議員、指定都市市長らによって14年ぶりに開催された「指定都市を応援する国会議員の会」で、「次期地方制度調査会に特別市制度の法整備を含めた大都市制度の在り方の調査審議について諮問し、議論を進めること」を求める決議があったことを報告した。

早期法制化へ

 横浜市の山中竹春市長は、この3年間で国への要望などを通じて「機運が盛り上がってきている」と述べ、川崎市の福田紀彦市長も、総務省に研究会やワーキンググループが立ち上がったことを「大きな成果」だとした。3市の市長と正副議長は意見交換の後、今後も連携を深め、特別市制度の早期法制化を目指すことを確認した。

 横浜市会の渋谷健議長と尾崎太副議長は、特別市の実現へ向けて、市会が国や国会に要望書を提出していることなどをそれぞれ説明した。

 懇談会後の共同記者会見では、神奈川県の黒岩祐治知事が特別市に懸念を示していることについての質問が出て、相模原市の本村市長は「特別市の法制度化は必要と国に訴えていく」と述べた。横浜市の山中市長は「『政令市対県』という構図に矮小化されがちだが、問題の本質はどうやって柔軟な制度を作っていくかということ。法制化を通じて住民の選択肢を広げることを理解していただく活動を続けなければいけない」と語った。