多摩区・麻生区版【9月12日(金)号】
母校の生田小学校で初めて講演を行う成田さん=2023年9月20日

パラ水泳金メダリスト 成田さん、安らかに 多摩区出身 文化大使10期

 パラリンピック競泳の金メダリストで、多摩区出身の成田真由美さんが、9月5日午前1時48分、同区内で亡くなった。享年55。市民文化大使を10期20年にわたり務めたほか、共生社会の推進などにも尽力した。日本パラ水泳連盟によると、病気で療養していた。

 成田さんは1970年に多摩区に生まれ、生田小学校を82年度に卒業した。南生田中学校へ在学しているときに脊髄炎を発症して下半身まひになり、車いす生活となった。23歳のころに始めた水泳で頭角をあらわし、96年のアトランタを皮切りに、シドニー、アテネ、北京、リオデジャネイロ、東京と、パラリンピック6大会に出場。自由形、背泳ぎ、バタフライなど幅広い種目で世界の頂点に立ち、日本代表として、金15個を含む20個のメダルを獲得した。

 95年に川崎市スポーツ賞、翌96年に第1号の市民栄誉賞を受賞。2005年からは市民文化大使を10期20年にわたって務めていた。15年から22年まで7年間、誰もが自分らしく暮らせる社会をつくる川崎市の運動「かわさきパラムーブメント推進フォーラム」の共同委員長を福田紀彦市長と共に務めた。福田市長は5日、「成田さんが語った『水泳が大嫌いだった』という過去から、『あきらめなければ前に進める。人間ってすごい』という在りし日の姿までの歩みは、まさに挑戦と成長の象徴であり、私を含め多くの市民に勇気と希望を与えてくれた」とコメントを発表した。

母校で講演も 

 生まれ育った多摩区を「生活しやすくて心地いいまち。車いすになっても地元のお店や近所の皆さんが温かく迎え入れてくれる」と愛した。西生田にある洋菓子店「モンタナ」には子どものころから慣れ親しんだ。

 2021年、東京2020パラリンピックを最後に競技を引退したあとは、講演や解説活動にも精力的に取り組み、次世代育成などに尽力した。

 23年9月には、母校である生田小学校の創立150周年を記念して高学年の児童らに向け講演。「失敗を恐れず夢や目標に向かって突き進んで。悲しいことがあっても一人で悩まずたくさんの人に相談して」とエールを送った。また、「人生には悲しいことよりうれしいことのほうがたくさんある」とし、「命は一つしかない大切なもの。このことを決して忘れないで」と呼びかけていた。

 生田小の江良真一校長は「子どもたちに教えていただいた、目標に向かって進むことの大切さをこれからもつないでいきたい」と話した。
ワークショップで意見を出し合う児童=9月8日

虹ヶ丘小 児童参画の寺子屋開講へ 市内初 企画、運営も担当

 子どもの学習支援や体験活動を地域と連携して行おうと川崎市教育委員会が進める「地域の寺子屋事業」。麻生区の虹ヶ丘小学校(井上恵子校長)では市内で初めて児童が立ち上げから携わり、企画、運営に参画する「寺子屋にじがおか」の開講準備が進んでいる。

 「何かを立ち上げる機会はなかなかない。子どもたちも携わらせてあげたい」と井上校長が児童の参画を提案し、実現したという。寺子屋にじがおか運営委員会では6月、児童に習い事やこども文化センターの利用頻度、放課後に「あったらいいな」と思うものなどについてアンケートを実施。この結果をふまえ、7月に開かれた座談会では前PTCA会長で運営委員会の委員長を務める前村嘉昭さんが同校を訪れ、児童らと放課後の過ごし方についてアイデアを出し合った。

話し合い深め

 9月8日に行われたワークショップには、4年生から6年生の児童60人ほどが参加。実際に寺子屋で行う体験学習として、前村さんが座談会で出たアイデアからテーマを3つに絞って提示。どの案がよいか、6年生をまとめ役としてグループごとに話し合った。

 テーマは商品企画やお金を稼ぐ体験として「にじっこ社長」、年齢や体格に関わらず楽しめるオリジナルスポーツを考える「新しいスポーツ開発」、描いた絵が動き出すデジタル体験「リトルプラネット」の3案。児童は活発に意見を出し、話し合いを進めた。「すぐに実現できそうだから新しいスポーツ開発がいい」「決まり切らなかったけど、いろんな理由が聞けてよかった」と感想を語っていた。

 6年生の茂木柾希さんは「前は司会も書記も自分でやっていたけど、今回は5年生が協力してくれて助かった」、一ノ瀬凌さんは「4年生も手伝ってくれて、スムーズに進められた」と話し合いを振り返る。坂下こと美さんは「たくさんの人に参加してほしい。他の学年の話したことのない子とも仲良くなれるかもしれない」と寺子屋への期待を寄せた。

「活躍できる場を」

 虹ヶ丘小学校は児童数127人、全学年1クラスずつと市内で最も人数が少ない小規模校。少人数ならではの縦割り活動などを充実させており、「子どもたちの世界を広げてあげたい」と井上校長は話す。昨年度卒業した6年生は「放課後に校庭を使いたい」と要望し、委員会を立ち上げて利用のルールなどを決め、校庭開放を実現した。「今の6年生はその姿を見ているので、自分たちも何かやりたいという気持ちが強い。子どもたちが関わって学校のルールや仕組みを考えていく体験をさせてあげられたら」と思いを話す。前村さんは「児童の意見を参考にして大人が考えていくが、形にするところは一緒にやっていく。学校運営協議会を中心に、地域教育会議などとも連携を取り、この地区の特性を生かした活動や子どもが活躍できる場になれば」と話している。

 今後は、活動の企画や運営に取り組む「こども運営委員」を児童から募り、9月24日(水)に児童も交えた打ち合わせを実施。週1回、放課後の学習支援と月1回程度の体験活動の開催を見据え、10月下旬頃をめどに開講する予定だ。

桐光学園野球部の新監督に今夏就任し、チームの指揮をとっている 天野 喜英さん 相模原市在住 41歳

薫陶を胸に 進化を誓う

 ○…春1回夏4回甲子園に出場、全国的に注目を浴びる神奈川県で「四天王」とも称される高校野球の強豪・桐光学園。約40年にわたりチームを率いて今夏に勇退した野呂雅之前監督の後を継ぎ、名門の指揮を任された。出身校でもあり、コーチとしても14年目。「体に染みつきすぎている」というほど近くで学んできた恩師の教えを継承する決意を固め、「一つ一つのプレーを丁寧に、自分たちから崩れない、最少失点で守り勝つ野球をより進化させていきたい」と抱負を語る。

 ○…相模原市出身。小1から野球を始め、中学で硬式へ。チームの柱として全国大会に出場するなどの活躍が野呂監督の目にとまり声をかけられた。第一印象は「シュッとしていて格好良い監督だな」。運命の出会いを経て桐光学園に入り、卒業後は指導者の道も見すえて東海大学に進学。セガサミーに6年勤め、2012年に体育教員として母校に着任した。

 ○…毎朝40分ほどグラウンドを走るのが日課。オフは近所のスーパーへ買い出しに行くなど家での時間を過ごすが「家族サービスとまで言えるかなあ」と少し気恥ずかしそう。父の背中を追って2人の息子も野球に打ち込んでおり、キャッチボールで心を通わせる。

 ○…2001年春の選抜で、桐光学園として初めて甲子園の土を踏んだときの主将で捕手。初出場が決まった当時、新百合ヶ丘駅に掲げられた懸垂幕を見て「皆さんに応援されて野球ができている。桐光の一員として、一人の人間として、しっかり行動しなければ」と襟を正したことを覚えている。「野呂監督には『いろいろなことに気づきなさい』と言われてきた。社会で必要とされる人間になろうと」。野球を通じて学んだ「人間教育」を受け継いでいく。

川崎市役所

川崎市 小児医療費助成 対象年齢18歳まで拡充へ

 川崎市は小児医療費助成制度の対象を18歳まで拡充する制度案をまとめ、8月28日からパブリックコメント(市民意見募集)を開始した。福田紀彦市長はこれまで「国の責任で行うべきもの」として制度拡充を保留してきたが、「他都市と均衡をはかる」と転換を図った形だ。

 市がまとめた「小児医療費助成制度の拡充(案)」では、現行制度で0歳から中学3年生までを対象としている助成対象年齢を、18歳まで引き上げる。さらに小学4年生以上の通院費用に関し、1回あたり最大500円を利用者の「一部負担金」としてきたが、これも全額公費で負担する。いずれも来年9月1日から開始する予定だ。

 現行制度の対象者数は今年3月末の時点で17万9409人だが、拡充後は高校生世代3万3874人が加わり、計21万3283人となる。一時負担金の廃止分も含めた事業費の増加分は概算で約13億円となる見通しだ。

 福田市長は「国の責任で全国一律の制度を整備すべき」と国に訴えてきたが、市内の年少人口が2021年から減少傾向が続いていることに加え、「中学3年まで」としていた横浜市でも山中竹春市長が市長選の公約で「対象拡充」を掲げて再選した。福田市長は8月25日の会見で制度の拡充に踏み切る理由を「都市経営上の判断。他都市と均衡を図る」と述べた。国への働きかけは今後も続けていくという。

 拡充案は市の公式ウェブサイト(https://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/450/0000179027.html)のほか、各区の区役所や図書館などで閲覧可能。パブリックコメントは9月26日(金)まで、インターネット経由か、郵送、ファクスのほか、市こども未来局児童家庭支援・虐待対策室(本庁舎15階)でも受け付ける。

 問い合わせは同対策室【電話】044・200・2671。

東京で受けた空襲の記憶を辿る曽武川さん

戦後80年 戦禍の記憶【11】 麻生区王禅寺西在住 曽武川(そぶかわ) 重春さん(94) 積まれては運ばれる遺体 まひした恐怖心

 東京都文京区、東京大学赤門の並びの長屋で、5人きょうだいの末っ子として生まれた。10歳のときに真珠湾攻撃が起き、開戦。「いつも日本が勝っていると聞いていたから、戦争がそんなに恐ろしいものと最初は思わなかった」

 だが戦局が悪化すると状況は一変。東京大空襲の半月ほど前、板金工を営む父の工場がある下谷地区(現在の台東区)が空襲を受けた。数日後、父と共に現地へ行くと橋から見下ろした隅田川は遺体で埋め尽くされていた。「あの広い隅田川が人の死体でいっぱいだった。水なんか見えやしない」

 そして3月10日未明、米軍爆撃機B29の空襲で東京・下町は死者約10万人、負傷者4万人という大被害を受けた。焼夷弾による火の海の中、夜中にもかかわらず戦闘機を操縦する米兵の顔は「はっきりと見えた」。近くの東大に逃げ込むと、幸いにも焼夷弾は落ちてこなかった。「もし別の方向に逃げていたら、今、生きていない」

 東京が焼け野原になり茨城県へ一時避難。ひと月ほどして東京・青山へ転居した。青山でも空襲を受け青山霊園へ逃げた。空襲後、辺りに火がくすぶる中、表参道へ行くと石灯籠付近にどこからともなく遺体が運ばれてきた。トラックで運び出されるとまた次の遺体が山となる。その様子を繰り返し見た。「真っ黒に焦げていた。人の形のまま」。感覚がまひして恐怖心がない。ただ赤ん坊を抱えたまま真っ黒になった母親の遺体を見て「可哀そう」と思った。

 赤坂御所の脇道を歩いていたとき。止まっている黒焦げの車の横を通り過ぎようとして何かを踏みそうになった。下敷きになった人の頭だった。「危うく踏んでしまうところだった。ぞっとした」

 玉音放送は家で母と聞いた。「負けたというのはよくわからない。でも、戦争が終わったんだと思った」。戦後も食料難は続いた。あるとき米軍支給のコンビーフを口にし、「米兵はこんなうまいもの食べていたのか、これじゃ勝てるわけがねえやと思った」。

 こうして思い出すと今の日本は平和だとつくづく思う。「戦争をする国のリーダーは、自分の家族が犠牲者になったらどんな気持ちになるか、考えないのだろうか」と語気を強める。「もう二度とあの苦しみは味わいたくないよ」

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

名曲で午後のひと時を リリオスでコンサート

 世界の名曲や知られざる日本の曲を楽しめるコンサート「歌のしらべ―世界のうた、日本のうた」が、9月27日(土)にしんゆり交流空間リリオスで開催される。

 麻生区在住の本田享子さん(ソプラノ)、南百合丘小学校出身の向阪由美子さん(ピアノ)が『サンタルチア』『家族の風景』『群青』などを披露する。会場はリリオス(麻生区万福寺2の1の22)で午後3時30分開演(開場3時)。定員35人、全席自由で予約制。参加費1300円、小学生まで入場無料。申込み・問合せは【電話】044・281・5036。

昨年のステージのようす

中野島北口通り商店会 多摩区 感謝込め「横丁フェア」 9月27日 正午から

 中野島北口通り商店会(田村弘志会長)は9月27日(土)、第9回「中野島北口横丁感謝フェア」を開催する。会場はジェーソン駐輪場ほか。正午から午後6時まで(店舗により開始と終了の時間は差異あり)。小雨決行。

 ステージで地元団体のパフォーマンスや落語、大道芸などが披露される(1時から)ほか、商店会加盟店舗が、店頭で飲食物販や親子で楽しめるゲームコーナーなどを出店する。田村会長は「暑さも残る中、メイン会場ではフラダンスも披露される。地域密着で商売をしている店舗が日ごろの感謝を込めてお待ちしているので、ぜひご家族でご来場を」と話す。

 問い合わせは島峯さん【電話】044・934・8844。

多摩区・長尾子供太鼓 30周年記念発表会

 多摩区で活動している「長尾子供太鼓」の結成30年を記念した発表会が9月21日(日)、多摩市民館大ホールで開かれる。

 長尾子供太鼓は、現在顧問を務める鈴木実弥一さんが、当時の長尾町会長から「町会の盆踊りのやぐら太鼓を子どもたちに教えてほしい」と依頼を受け、樽を使って指導を行ったのが始まりという。それから1年半ほど経ち、町会有志からの寄付を受けて6台の太鼓が揃ったことから、1994年に子ども会活動の一つとして結成された。メンバーは現在、小学1年から6年まで12人。地域の祭りなどにも参加して演奏を披露している。

 発表会では、民謡から歌謡曲まで13曲を演奏する予定。加えて、子どもたちの踊りも披露される。「この2カ月間、暑い中で頑張って練習に励んだ子どもたちの演奏をぜひ聴きにきていただけたら」と鈴木さん。当日は、友情出演として万福寺太鼓が駆けつける。

 午後0時30分開場、1時開演。入場無料。未就学児の入場も可。

 詳細・問い合わせは鈴木さん【携帯電話】090・7221・7325。

実証実験で使用する大型バス「ERGA」=提供

川崎市 自動運転バスの試乗受付 羽田連絡線で2種使用

 川崎市は、9月22日(月)から大師橋駅(川崎区)と天空橋駅(東京都大田区)を結ぶ「羽田連絡線」ルートでの自動運転バスの実証実験を行うにあたり、試乗の予約受付を開始した。

 今回の実証実験で使用するバスは、昨年度導入した中型バス「Minibus2・0」と、将来的に導入を目指す大型バス「ERGA」の2台。

 中型バスは、9月22日から11月14日(金)と、11月24日(月)から26日(水)まで運行。運賃は大人440円(小人320円)で、着席保証料金200円込み。予約制で1便あたりの定員は13人。乗車特典として指定レストランの割引や無料トッピング、全8種類のトレーディングカードが配布される。スタンプカードも配布され、3回乗車で特典への応募が可能となる。

 大型バスは、10月3日(金)、6日(月)、7日(火)、8日(水)に無料で体験運行を行う。予約受付は9月16日(火)から。1便あたり定員は21人で、乗降は大師橋駅のみ。スタンプカードの対象外だが、記念ノベルティは配布される。

 今回の実証実験は、車両走行中にハンドル操作や加減速操作を乗車する運転手が操作する「レベル2」で行う。

 予約、実験の詳細は市のウェブサイト。

自宅のスタジオで練習する大西夫妻

演奏家の大西夫妻 障害受け入れ、情熱届け 10月24日 チャリティコンサート

 障害を抱えながら、演奏活動を続けている夫妻がいる。コントラバス奏者の夫・大西雄二さんと、ピアニストの妻・大西ますみさんだ。

 地元のエポックなかはら(JR武蔵中原駅直結)で10月24日(金)に開催されるチャリティコンサート(主催・日本オストミー協会川崎市支部/坂本純支部長)への出演が決まり、自宅のスタジオで練習を重ねている。

夫の言葉が光照らす

 チェンバロ奏者として活躍していたますみさんは、2015年に脳出血を発症。右上下肢機能障害と診断され、右手・右足が不自由の身となった。「ピアノが弾けなくなるかと思い、失意のどん底だった」と絶望の淵に立たされる中、雄二さんから左手のピアニスト専用の楽譜があることを聞いた。「第二次世界大戦の頃、左手の音楽の父と呼ばれた著名なピアニストがいて、世の中に左手専用の楽譜が幾つもあるよ」。ますみさんに再び笑顔と意欲が戻った。

日常生活、前向きに

 それから2年後、今度は雄二さんを病魔が襲う。排尿時の違和感が続き、医師に診断されたのは「膀胱がん」。摘出すれば人工膀胱(オストメイト)になることは分かったが、とまどいはなかったという。「医師を信用するだけ」。現在は腹部にストーマ(人工膀胱の排せつ口)を装着した日常生活を送っている。それでも、「もっと大きな障害と向き合っている人もいる」と捉え、気持ちは常に前向きだ。

 生活に不便な面はあるが、得る学びも多いという。その一つが、人とのつながりの輪。障害者が集う場でも、ますみさんは遠慮なく積極的にコミュニケーションをとる。「障害の子をもつ母親に話しかけると喜んで受け応えしてくれて、それがうれしくて。みな強くて逆に私がパワーをもらうことも多いんです」

 障害者となっても演奏家としての情熱が変わることはない。いまも全国各地に出向いては、会場を訪れた人に、感動と幸せを与え続けている。NHKの朝ドラでも話題となった『見上げてごらん夜の星を』をはじめ、幾つかのアンサンブルを今回も届ける予定だ。

昼夜2回、ミニ講座も

 坂本支部長は「オストメイトに関するミニ講座も開催します。ぜひ楽しみながら知識を深めて」と呼び掛けている。

 開演は、昼の部3時、夜の部7時(開場は各30分前)。入場無料。(問)同協会事務局【電話】080・8048・1932

平和のつどい 麻生区で

 多摩区登戸在住の萩坂心一さんが共同代表を務める市民団体「平和を願う会」は、9月23日(祝)と28日(日)に麻生市民交流館やまゆり(麻生区上麻生)で、平和を願い実現するための集い「平和へのバトン」を開く。

 23日は午後3時から。紙芝居師の望月晶子さん(紙しばいやもっちぃ)による「国策紙芝居」と、寝床家小道楽さんの「生き字引」、寝床家道楽さんによる「ああ 東京大空襲」の落語2演目。

 28日は午前11時から。朗読劇「空の村号」、市内在住の原爆被爆者団体「川崎市折鶴の会」会長の森政忠雄さん、会員の中釜眞姝子さんの講演。

 両日共、意見交流会あり。入場無料、定員各30人、事前予約制。予約などは萩坂さん【携帯電話】090・6707・2488。

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劇団民藝が公演 読者5組10人を招待

 麻生区黒川を拠点にする劇団民藝の公演「聴衆0の講演会」が9月27日(土)から行われる。紀伊国屋サザンシアタータカシマヤ(渋谷区)で10月6日(月)まで。午後1時30分開演。チケットは全席指定で一般7千円、夜チケット5千円(1日と3日のみ/6時30分開演)など。申込みは【電話】044・987・7711。

 本紙読者5組10人を6日の公演に招待。住所、氏名、年齢、電話番号、紙面の感想を明記しメール(kawasaki@townnews.jp)で応募を。9月25日(木)必着。

川崎市とKTPが示した新しい計画の見直し案=KTP提供

等々力緑地 再編整備計画を見直し 立体駐車場中止など発表

 川崎市と川崎とどろきパーク(株)(KTP)は8月29日、等々力緑地再編整備事業の計画見直し案を発表した。29日、30日にU等々力で説明会を開き、工事費等の高騰、市民要望を踏まえ、これまで計画していた立体駐車場2カ所を平面駐車場に変更するなどの計画見直し方針について市民に説明。今後、設計や環境評価などを踏まえ、詳細が決まる見込みだ。

 等々力緑地は、競技場をはじめとした大型スポーツ施設、豊かな緑と水を融合する、中原区等々力にある川崎市を代表する総合公園。一方で、施設の老朽化や防災対策、社会環境の変化への対応等が課題となっていた。

 これまでに示された再編整備計画では、現在の陸上競技場を球技専用スタジアムにし、新たに陸上競技場を整備。テニスコートを移設し12面に増設。市民ミュージアム跡地に、新とどろきアリーナを新設し、スポーツセンターやプールを併設。雨水や公園外からの溢水を集水する機能と水と親しめる「レインガーデン」や多摩川との連絡橋を新設。既存駐車場に加えて立体駐車場を設け、カフェなどが入る18棟の自由提案施設も設けるなどが挙げられた。総事業費は、当初の約633億円から資材や工事費等の高騰により、1232億円の増額になる見込みだった。

 今回の計画見直しでは、立体駐車場2カ所を平面駐車場に変更し、自由提案施設を18棟から10棟に変更。北側の多摩川連絡橋の整備中止、レインガーデンの設置を取りやめ、当初から計画していた「みんなのはらっぱ」を拡充し、現在のアリーナの場所に「こもれびの森」を新設するなど、広場やみどりの環境を見直し、釣池の管理棟の移動などが示された。これらの変更について、市の担当者は「工事費等の高騰、市民意見を反映した結果」だと話し、「まだ設計、環境アセスの前だが、約40億円削減できる方向」と工事費についても言及した。

 2日間行われた住民説明会には、延べ300人が参加。市やKTPの担当者の計画についての説明に耳を傾けた。

 幸区から訪れた男性は「市民のことを考えたよりよい施設になりそう。工事費があがってしまうのは致し方ないが、税金なのでしっかり計画してほしい」と話した。

 また市民団体によるアスベスト(石綿)や土壌汚染を環境評価書に盛り込むことへの要望については、市の担当者は「法令に基づいて対処していく」と話した。

 今年10月に市民ミュージアムの解体工事着手から順次着工し、29年度末に再編整備の完成を予定している。

観測史上最も暑い夏 市内気温も約40年で上昇 熱中症救急搬送は減少

 気象庁は9月1日、今年6月から8月の全国の平均気温は平年より2・36度高く、統計を取り始めた1898年以降で最高だったと発表した。神奈川県内の観測地点5カ所でも軒並み最高気温を更新したが、川崎市内で8月末までに救急搬送された熱中症患者の数は昨年より少ないという。

 横浜気象台によると、横浜市や海老名市など神奈川県内5カ所の観測地点すべてで8月に最高気温が更新された。気象庁の観測地点ではないものの、川崎市でも市環境総合研究所が市内3地点(大師、中原、麻生)で大気情報を観測している。同研究所が今年3月に発表した「気候変動レポート」によれば、1985年から2023年までの39年間で、3地点とも年平均気温が上昇しており、全地点で真夏日、猛暑日、熱帯夜とも増加傾向にあることが分かった。同研究所では今夏のデータも分析中だ。

9月も熱中症搬送

 また同研究所が13年から22年の市内熱中症救急搬送データを分析した結果、最高気温が30度を超えると熱中症リスクがぐんと上がり、気温が上がるごとに急増することが実証済みだ。しかし市消防局の速報値によれば、今年5月1日から8月31日までの熱中症患者の救急搬送件数は597件で、昨年同時期より94件少なかったという。

 現時点では速報値のため要因は不明だが、消防局の担当者は「毎年、梅雨が明けてから気温が上がり、熱中症患者の救急搬送が増えるが、今年は梅雨時も暑かった。6月から搬送件数が増えて『昨年を超えるだろう』というペースだったが、徐々に落ち着いてきた」と語る。

 とはいえ9月に入っても暑さは続き、熱中症患者の救急搬送は続いている。担当者は「例年だと8月末で熱中症に関する注意喚起を終えるが、今年はしばらく続くだろう」と話す。全体の救急要請の件数は最高だった昨年を超えるペースで増えているといい、市消防局では「救急車を呼ぶべきか迷ったら『かながわ救急相談センター(♯7119)』に相談するなどして、適時適切な利用をお願いしたい」と呼びかけている。

昨年のエキサイトマッチ

GO!GO!!フロンターレ

FRO CAFEで旬の夏野菜等を味わう

 川崎フロンターレの公式カフェ「FRO CAFE」で、地元の新鮮な農産物を供給するJAセレサ川崎と連携したコラボメニューの販売がスタートした。9月30日(火)までの期間限定。

 メニューは、火を入れてトロっとしたナスを使った「揚げナスと金山寺味噌のコク旨ボロネーゼ」や、「きゅうりの豚バラシソ巻き定食」、川崎特産の梨を使ったデザート「多摩川梨とそば粉のガレット」の3品。夏野菜等を使用し、旬の味覚を届ける。

 期間中は豪華景品が当たるキャンペーンも実施。コラボメニューを1品注文するごとに応募用紙が1枚もらえ、抽選で11人に、9月20日(土)のJ1リーグ FC東京戦(JAセレサ川崎エキサイトマッチ)で、選手が着用したサイン入り入場Tシャツが当たる。30日(火)午後9時締切、用紙は店内ボックスに投函する。

 担当者は「地元の新鮮な食材をふんだんに使った自信作です。ぜひこの機会に味わってみてください」と来店を呼びかけている。問い合わせはFRO CAFE【電話】044・767・6111。

画像はいずれも川崎フロンターレ