高津区版【9月26日(金)号】
高津区千年交差点付近に設置されている土のうステーション

土のうステーション 11日豪雨で利用集中 高津区では300袋

 9月11日、川崎市を襲った記録的な豪雨は、各所に大きな被害をもたらした。この事態を受け、無料で土のうを配布している「土のうステーション」の利用状況について、各区の道路公園センター担当者に話を聞いた。

 「土のうステーション」とは、大雨や台風による浸水被害が想定される地域に設置され、災害時に土のうを持ち出すことができる施設。緊急時に個人で用意する手間を省き、迅速な浸水対策を可能としている。

 川崎市では、浸水被害の恐れが高い地域を中心に設置されており、各区の道路公園センターへの聞き取りでは、市内に35カ所設置されていることが分かった。

4区で活用

 川崎区では豪雨発生後、土のうの引き取りが殺到。港町公園に設置されたステーションでは、10日時点で満杯だった約70袋が、18日時点で全てなくなっていた。

 宮前区でも、18日時点で区内11カ所のステーションから約100袋が利用された。

 浸水被害の大きかった中原区では、4カ所あるステーションのうち、1カ所で土のうがすべて持ち出され、別の1カ所が半分になっていたという。

 高津区では区内15カ所にある土のうステーションのうち、1カ所あたり10袋から50袋、全体では300袋以上が使わていた。高津区道路公園センターの担当者は8月28日から9月16日までの利用件数としつつも「特に雨が多かった11日に利用が集中したと思われる」と分析している。

 一方、多摩区では土のうに関する市民からの問い合わせはなく、4カ所あるステーションでも大きな利用はなかったという。同区の担当者は「強い雨が降らなかったからではないか」と話している。

 また、幸区と麻生区にはステーションが設置されておらず、必要に応じて道路公園センターで土のうを配布する形式をとっているが、今回の豪雨では配布を希望する市民はいなかったとしている。
川崎市役所

9月の「老人週間」 市内最高齢は109歳女性 80代女性の3割が独居

 9月15日の「老人の日」から21日までは「老人週間」で、9月は「認知症月間」。川崎市は人口構成で「若い都市」だが、今後は高齢化率の上昇が見込まれる。各種データから、市内の高齢者事情を読み解いた。

 市によると9月1日時点の市内の最高齢者は川崎区在住の109歳の女性。男女別のご長寿番付では、女性が【2】宮前区在住の108歳、【3】川崎区在住の108歳と続き、男性が【1】中原区在住の108歳、【2】多摩区在住の108歳、【3】高津区在住の105歳となった。

 1日時点の100歳以上の高齢者は776人で、男女別では男性が107人、女性が669人と女性が圧倒的に多い。さらに今年度内に100歳を迎える人364人の内訳でも男性63人、女性301人と、女性が男性の5倍近い。

2割が一人暮らし

 市が今年4月にまとめた「市高齢者施策状況」では、2024年10月1日時点の高齢者人口は32万117人で、総人口に占める高齢化率は全国平均(29・2%)より大幅に低い20・63%。高齢化率が高い地区は麻生区で25・20%、低い地区は中原区で15・74%だった。

 また22年度の「市高齢者実態調査」によれば、「一般高齢者」の約2割が一人暮らし世帯で、80歳以上の女性に限ると約3割だった。日常生活に関して「自分一人でできること・できないこと」を尋ねた設問では、「バスや電車を使った外出」や「日用品の買い物」で約9割が「できる」と答えたが、自転車の運転は「できる」が45・2%、「車・バイクの運転」では35・2%と、公共交通機関の重要性を物語る。

 一方で「若い人に自分から話しかけること」や「友人との交際」に関して6〜7割が「できる」と答え、積極的な市民性をうかがわせた。

 市は高齢者福祉の総合計画「第9期かわさきいきいき長寿プラン」に従い、包括的な支援体制づくりに取り組んでいる。

川崎アゼリア株式会社の代表取締役社長として経営の舵を取る 浅岡 浩さん 川崎区在勤 61歳

現場主義の通奏低音

 ○…連日多くの人でにぎわう川崎駅東口の地下街・川崎アゼリア。その運営会社の社長に就任して3カ月が経ち、会社への理解も進んだ。「まずやるべきは、業務の整理。なんとなくやっている仕事を減らして効率を上げ、アゼリアの価値を高めたい」。約40人の社員をまとめ上げる新社長はそう意気込みつつ、柔和な笑みをたたえる。

 ○…来年で40周年を迎えるアゼリアは、多数のショップやレストランを抱えると同時に、川崎市都市計画通路に指定されており、公的な役割も担う。地下街は構造上地震に強く、暖を取るにも適しているため、東日本大震災の際には約2600人の帰宅困難者が避難。一時滞在施設として場所を提供した。だが一方でそうした都合上、テナントは全体面積の2割程度しか入れることができないでいる。「株式会社としての利益追求と公的な役割。どちらも追い求める必要がある」と、仕事の難しさと同時におもしろさを語る。

 ○…前職の川崎信用金庫には37年勤め、営業マンから支店長、本部での経営企画まで、多岐にわたる業務を経験。「川崎という、自分の育ったまちの人の手助けができるのが魅力だった」と振り返る。培った現場主義は社長となった今も健在で、かえって社員にお節介を言ってしまうことも。「社長らしくない」と謙遜しつつも、そこには現場を知った上で全体の舵を取りたいという考えが透徹している。

 ○…キャンピングカーでの家族旅行が趣味で、車は年に1万キロを優に走る。沖縄以外の都道府県はすべて走破し、「北海道は10周くらいしている」と豪語。「その時の気分で、自由気ままに好きな場所に行けるのが魅力」と語り、温泉と地物の食事を目当てに、車を走らせる。

左から松田選手、村上選手、牧山選手

地元スイミングクラブ所属選手 タイの国際大会で活躍 3人で17メダルを獲得

 NECグリーンスイミングクラブ溝の口に在籍する松田天空選手、村上舜也選手、牧山和樹選手が、8月にタイで開かれた「Virtus水泳世界選手権」(国際知的障害者スポーツ連盟主催)に出場し、3人でメダル17個を獲得する活躍を見せた。

 知的障害者を対象にした同大会。ベテランの松田選手と村上選手は過去の出場経験を活かし、リラックスして臨んだという。

 松田選手は「400m自由形」で、知的障害者選手のアジア新記録を樹立。さらに「男子4×100mメドレーリレー」でも、仲間たちと協力し知的障害者の世界新記録を打ち立て、表彰台の頂点に立った。

 最終的に金メダル1個、銅メダル3個を手に入れた松田選手は「大きな記録を打ち立てることができて嬉しい」と笑みを浮かべた。

 村上選手も金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル2個を獲得。中でも「200m個人メドレー」では、自己ベストを更新した上で、銅メダルを獲得できたとして、記憶に残る一戦だったと振り返り「自分のイメージ通りの泳ぎができ、メダルを沢山獲得できた」と喜びを語った。

若き力が飛躍

 一方、今大会が初の国際大会出場となった最年少17歳の牧山選手は「当初は緊張して普段の泳ぎができるか不安でした」と振り返る。しかし、仲間の支えや、日本語が堪能な現地選手との交流を通じて、徐々に調子を戻していったという。

 「100m背泳ぎ」では、大人も出場する中で力強い泳ぎを披露し、銀メダルを獲得。最終的には初出場にして金メダル2個、銀メダル4個、銅メダル2個と、計8メダルを手にした。

 大会を経て牧山選手は「世界を相手にこれほど戦えるとは、と自分でも驚いている。これからも頑張っていきたい」と意気込みを語った。

世界を知る巡回写真展 海外協力隊が撮影

 JICA海外協力隊の巡回写真展「世界は広くて面白い!知らない世界をのぞいてみよう」が9月26日(金)から10月8日(水)まで、会館とどろき(中原区宮内4の1の2)で開催される。主催はJICAのシニア海外ボランティア経験者らからなるNPO法人シニアボランティア経験を活かす会。

 カンボジアの学校のおやつタイムやメキシコの結婚式など、世界中のさまざまな写真を展示。

 午前10時から午後4時。問い合わせは同会の森さん【携帯電話】080・4117・5149。

戦中の記憶を語ってくれた鈴木さん

戦後80年 戦禍の記憶【12】 高津区溝口在住 鈴木穆さん(88) 祖母の胸で、震え止まらず 「弾丸は小川に突き刺さった」

 未だに時折、悪夢を見るほど、太平洋戦争の記憶は深く脳裏に刻まれている。

 1943年に高津国民学校(現・川崎市立高津小学校)に入学。戦局が厳しくなり、1944年8月に3年生以上の集団強制疎開が始まった。地方の親戚や知り合いの家に疎開できる子どもを除き、神奈川県中郡高部屋村日向の浄発願寺(3、4年生)と、石雲寺(5、6年生)に集団疎開した。当日、校舎の廊下で集団疎開に出発する同級生を見送った後、上の兄が疎開していた母の実家である港北区網島に縁故疎開した。だが疎開したその日の夜、近くの軍事工場安立電気を狙った爆弾が落ちた。「物凄い爆風と火が裏山を覆い、襲い掛かってきた。真っ赤になった爆風が障子をなぎ倒して私をめがけて飛んできて、まるで地獄絵図を見るようだった」。

 どうにか防空壕に飛び込んだものの震えが収まらず、祖母の胸に抱きかかえられながら、その祖母が懸命に唱える御題目をただ、聞いていた。

 後に発行された『港北区史』に「戦争と新田地区」の項で「太平洋戦争で戦災を蒙った農家が新田地区でもかなりある。新吉田は、六間坂に爆弾が落ち死者が出た。板倉清次、八城三郎、藤沢泰晴家等で焼夷弾で焼かれた家である」とあり、その日がまさに縁故疎開初日の夜でもあった。

 翌朝、兄と一緒に新田小学校に行ったが、校門をくぐった所で空襲警報が鳴り響き、帰宅を余儀なくされた。

 新田小からの帰路、兄と2人で鶴見川の土手を歩いている時、北上してきたグラマン戦闘機が「ダダダダッ」という大きな銃声と共に機銃掃射を行ってきた。とっさに近くの小川に飛び降りて避けたが「弾丸はビュンビュンと小川に突き刺さった」、そんな感覚があった。

 起き上がって前を見ると、グラマン戦闘機のパイロット米兵がこちらを振り返った顔があった。「もし、あの弾が当たっていたら、2人とも命がなかっただろう」と直感した。

 それから80年。生きながらえた今こそ声を大にして叫びたいことがある。「二度と戦争はすべきでない。如何なる理由があろうとも、戦争は反対である」と。

- - - - - - - 

今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

クラシックコンサート 「水」の演奏で潤いを 10月15日、ミューザ川崎で

 水源地の足柄と川崎をつなぐ「水」をテーマにしたクラシックコンサートが、10月15日(水)に、ミューザ川崎シンフォニーホール・音楽工房市民交流室で開催される。

 コンサートは「あしがらと川崎を結ぶ懸け橋」と題し、洗足学園音楽大学の卒業生らが中心となり、音楽を通した地域活性を目的に企画。表現力豊かなソプラノ歌手・橋本京子さん、ショパン国立音楽大学研究科修了のピアニスト・小澤由美さん、洗足学園音楽大学大学院修了のピアニスト・西垣亜由子さんら実力派が出演。弦楽四重奏「Quartet Lilas」や、県コンクールのピアノ部門で特選を受賞した小3の野津山日奈子さんら、若き才能も彩りを添える。主催する金太郎ムジカファミリーは「水の情景が目に浮かぶような演奏プログラムを、ぜひ楽しんで」と呼びかけている。

 開演は午後5時(4時30分開場)。チケットは全席自由、一般前売り3000円、学生1500円、当日券3500円。

 (問)金太郎ムジカファミリー事務局【メール】kintaro.mf@gmail.com

奉仕活動、愛と和をもって

 昨年、結成60周年を迎えた同クラブ。2019年入会の新会長は「経験が少ないためメンバーの皆様のご指導、協力が不可欠」とした上で「愛(絆・思いやり・奉仕愛)と和(ワンチーム)をもって、地域に根差した奉仕活動を行っていければ」と抱負を語る。

 主な継続事業として、高津区内の各小学校に対し年数回行っている「薬物乱用防止講演」や「献血推進活動」「地域活性化活動」などを挙げ、さらにSDGs(持続可能な開発目標)についても言及。いわゆる「17の目標」のうち、気候変動を取り上げ、関連施設での研修などを企画する。また「川崎市中央支援学校への奉仕活動」については「何を希望されているか?」を打診しつつ、ライオンズクラブができる持続可能性を模索する方針を打ち出している。

魅力いっぱいのステージが期待される古渡さん

高津区在住ソプラノ歌手 古渡さん、地元に「凱旋」 10月18日 市民館でコンサート

 トップクラスのソプラノ歌手として、また声楽家としてクラシックに演歌、カンツォーネに童謡など、あらゆるジャンルを歌い上げる「七色の歌声」で、聴衆を魅了し続けている高津区内在住のソプラノ歌手、古渡智江さん。地元を中心に多くのファンを持つ古渡さんによるチャリティイベント「虹色コンサート」が10月18日(土)「ノクティーホール」(高津市民館大ホール)で行われる。

 当日はジャンルを問わず親しみやすい選曲と軽快なトーク、さらに圧巻ともいえる自慢の歌声で来場者を魅了する。演奏予定曲は「浜辺の歌」「津軽のふるさと」「枯葉」「ロミオとジュリエット」など。13時開場、13時半開演でチケットは前売り3000円(売り上げの一部を障害者支援などのチャリティ募金に充当)。詳細問合せは古渡さん【電話】044・811・7863。

初日には説明会も開かれた

溝口にアートスペース誕生 創造力が「waku」場所へ

 高津区溝口のBOILビルに9月14日、アートスペース「waku」が誕生した。

 この場所は、市民参加型のプロジェクトを企画・実施する「まちの企画室」と建築会社の(株)NENGO(溝口)が協力して立ち上げたもの。「『心に静かに湧き出る感性』と『熱を帯びて沸き立つ創造』という、2つの言葉の意味を重ね合わせて命名しました」と担当者は話す。

 今後は、絵画や立体作品など幅広い表現に対応できる「ギャラリー」や、ダンスや演劇、音楽ライブなど、多様なパフォーマンスを披露する「イベントスペース」。そして、ポートレート撮影や商品撮影に利用できる「レンタルフォトスタジオ」としての活用を目指していくとしている。

 施設の担当者は「共に関わっていく仲間との出会いを目的に、プロジェクトを展開していきたい」と語った。

 アートスペースに関する問合せは施設担当者waku.artandspace@gmail.com。

久地東町会のメンバーら

高津区ソフトボール大会 久地東町会が連覇 攻守揃ったプレイで勝利

 区内宇奈根多目的広場で9月7日に「第40回高津区ソフトボール大会(高津区全町内会連合会・高津区スポーツ推進委員会 主催)」が開かれ、久地東町会が優勝した。昨年は台風で中止となったため、一昨年からの連覇となる。

 スポーツを通じて健康づくりへの関心を高めると同時に、参加者の親睦や地域間の交流を図ることを目的に開かれた同大会。区内から8チームが参加し、優勝を目指して競い合った。

 決勝戦では、久地東町会が堅い守備で相手の攻撃を封じ込めると、打線が爆発し2桁得点を獲得。勝利を掴み取った。

 大会結果については以下の通り。

 ▽優勝/久地東町会▽準優勝/新作第一町内会▽3位/新作第二自治会、末長南自治会

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
<PR>
政治の村Students 高校生の政治との関わり調査
政治の村Students 高校生の政治との関わり調査
大学生を中心とする若者が政治や地域を取材する「政治の村Students編集室」(運営:タウンニュース社)が9月3日、最新記事「高校生の生の声から政治への関心を考... (続きを読む)
(左)ノートを手渡す両選手(右)グロチャレノート

川崎ブレイブサンダース キャリア教育の教材贈呈 市内119校の全児童に

 男子プロバスケットボールリーグ1部の「川崎ブレイブサンダース」(川崎BT)が、川崎市内の子どもたちのキャリア教育向けのノート型副教材を開発し、市立小学校と特別支援学校の全119校の5年生と6年生に贈呈した。9月18日には下小田中小学校(中原区)で贈呈式が開かれ、福田紀彦市長は「子どもたちの挑戦を応援する教材。ありがたい」と感謝を述べた。

 川崎市では2016年度から、持続可能な社会の担い手の育成などを目指す独自のキャリア教育を推進している。一方、川崎BTは「バスケの力で街をつくる」をクラブの使命として掲げ、市内の学校や公園でのバスケットゴール設置やボールの寄贈などに取り組んできた。副教材開発もその一環。クラブから市教委に提案し、細部に関して市教委と検討を重ねながら開発したという。

 教材名は「KAWASAKI GLOBAL CHALLENGE NOTE」で、略称「グロチャレノート」。ノートは「なりたい自分になるために」や「未来の自分をつくる」など10種類のカテゴリーに分かれており、各カテゴリーとも川崎BTの選手やスタッフのインタビュー動画を見たうえで、設問に答えたり自分の夢を考えたりする形式だ。

 18日の贈呈式には福田市長のほか、川崎BTの川崎渉社長、ロスコ・アレン選手や飯田遼選手も参加した。両選手がノートを児童に手渡し、児童代表として同校5年生の清澤志保さんが「自分の未来を考えることができるノートをいただき、とてもうれしい。ありがとうございます」とお礼を述べた。式に臨んだ5年生と6年生に向け、ロスコ選手は「ここまでの道のりを(動画で)話している。みんなの夢につながるとうれしい」と語り、飯田選手は「みんなが好きなものに一生懸命になれるよう、手助けになれば」と話していた。

 ノートは22日から全校で配布され、川崎BTはリーグの公式戦休止期間などに「出張授業」を実施するという。

第52回川崎みなと祭り 斎藤氏の思い継承 「みなと川崎ここにあり」

 秋の祭典「川崎みなと祭り」が10月11日(土)、12日(日)に「川崎マリエン」(港湾振興会館、川崎区)を主会場に開催される。昨年まで20年間、祭りの実行委員長を務めた元参議院議員の故・斎藤文夫氏の思いを継承し、氏の言葉「みなと川崎ここにあり」を体感できる催しを目指すという。

 戦後ほどない1950年に港湾法が制定され、翌年には川崎港の管理責任者が国から川崎市へと切り替わった。住民と港の結びつきを求める法に基づき、市は川崎市制50周年の74年に第1回「みなと祭り」を開催。当初は川崎駅前でのパネル展示などだったが、埋め立て事業が完成した東扇島地区に92年に川崎マリエンが開館すると、恒例の祭りとして定着した。

 市制100周年事業として開催された昨年の来場者は約17万人。52回目となる今年も、市民参加型のダンスや歌のステージ、ビーチバレー大会、川崎ゆかりの食を楽しめるマルシェ、市内で唯一の砂浜「かわさきの浜」での運動会などのイベントが目白押しだ。今年から実行委員長に就任した高橋哲也・川崎港振興協会会長は「ぜひ多くの方に楽しんでいただきたい」と呼びかける。

「港があるのか」

 祭りの発展を支えた最大の功労者が、2004年から実行委員長を務めた故・斎藤氏だ。市の港湾局長も務めた高橋会長は「先生は市民から『川崎に港があるのか』と聞かれたことに衝撃を受け、市民が港に親しみを持てるよう、尽力されていた」と振り返る。現在、市内の小学生が総合学習などで川崎港を訪れているのはその一例だ。

 みなと祭りに関しても、「家族連れが楽しめるように」と、子どものよさこい踊りコンテストや港のクルーズ船体験などの仕掛けを考案。港湾業界の幅広い協力も得て、04年には6万人だった来場者は約10年で22万人超。市内で最大級のイベントに成長した。

 斎藤氏は折に触れて「みなと川崎ここにあり」と語ったという。高橋会長は「市民と世界に開かれた川崎港のために尽力された先生の思いと功績を未来につなげられるよう、川崎港の関係者と共に継承していく」と話していた。

川崎市役所

9月の「老人週間」 市内最高齢は109歳女性 80代女性の3割が独居

 9月15日の「老人の日」から21日までは「老人週間」で、9月は「認知症月間」。川崎市は人口構成で「若い都市」だが、今後は高齢化率の上昇が見込まれる。各種データから、市内の高齢者事情を読み解いた。

 市によると、9月1日時点の市内の最高齢者は川崎区在住の109歳の女性。男女別のご長寿番付では、女性が【2】宮前区在住の108歳、【3】川崎区在住の108歳と続き、男性が【1】中原区在住の108歳、【2】多摩区在住の108歳、【3】高津区在住の105歳だった。

 1日時点の100歳以上の高齢者は776人で、男女別では男性が107人、女性が669人と女性が圧倒的に多い。さらに今年度内に100歳を迎える人364人の内訳でも男性63人、女性301人と、女性が男性の5倍近い。

2割が一人暮らし

 市が今年4月にまとめた「市高齢者施策状況」では、2024年10月1日時点の高齢者人口は32万117人で、総人口に占める高齢化率は全国平均(29・2%)より大幅に低い20・63%。高齢化率が高い地区は麻生区で25・20%、低い地区は中原区で15・74%だった。

 また22年度の「市高齢者実態調査」によれば、「一般高齢者」の約2割が一人暮らし世帯で、80歳以上の女性に限ると約3割だった。日常生活に関して「自分一人でできること・できないこと」を尋ねた設問では、「バスや電車を使った外出」や「日用品の買い物」で約9割が「できる」と答えたが、自転車の運転は「できる」が45・2%、「車・バイクの運転」では35・2%と、公共交通機関の重要性を物語る。

 一方で「若い人に自分から話しかけること」や「友人との交際」に関して6〜7割が「できる」と答え、積極的な市民性をうかがわせた。

 市は高齢者福祉の総合計画「第9期かわさきいきいき長寿プラン」に従い、包括的な支援体制づくりに取り組んでいる。

<PR>
神奈川の企業Web集客に タウンニュースのネット版「タイアップ広告」でPR強化
神奈川の企業Web集客に タウンニュースのネット版「タイアップ広告」でPR強化
1人1台のスマホ時代。企業広告・商品サービスPRにおいて「デジタル化」は避けては通れないテーマといわれている。「日本の広告費」(電通調べ)によると、2024年の... (続きを読む)

TOPIX No.44 溝ノ口劇場 高津石油の関口さんがあす(9月27日)ステージで熱唱します!

 音楽コンサートや演劇など、各種エンターテイメントの情報発信基地として多くのご利用を頂いている当劇場。あす9月27日(土)は、地元のインフラを支える「株式会社・高津石油」の代表・関口淳也さんの美声を存分に堪能できるイベントが行われます。

 この企画「オータムフェスティバル・溝の口で逢いましょう」は、高津区内外にゆかりのバンド4組が一堂に集結し、聴衆に楽しいひと時を提供しようというもの。この中で関口代表はプログラム2組目でデュオ「Suneo&Gian(スネ夫&ジャイアン)」のメンバーとして登場=写真左=。「自分達は青春のエヴァーグリーン、サイモンとガーファンクルが残してくれた素晴らしい音楽が時代の流れに埋もれてしまわないように日々、歌い続けております」と話す通り、社業の傍らで長年、磨き上げた歌声を披露する予定。また、4組目の5人組バンドでもボーカルを務め、この催しの中心的な役割を担う予定となっています。

 開場17時、開演17時半〜で料金は2500円+ドリンクオーダー。興味のある方はイベント出演者に直接、お問合せください。

不定期連載 市民健康の森だより 第200回 「猛暑下の菜園体験教室」について

 9月下旬となりやっと少し涼しくなりましたが、今年の夏は本当に暑い日が続きました。それでも私たちの会員は暑さに負けず活動を続けてくれました。特に区民を募集した教室では責任もありますから休めません。菜園体験教室では8月度は熱中症警戒アラートが発令された日、9月度は最後の猛暑日となった日と両日ともに猛暑下の教室でしたが、講師役の会員と助手として教室をサポートする会員5、6名が活躍してくれました。また、教室への参加者も大変熱心で、8月9月ともに希望された6名全員が顔を揃えてくれました。

参加率の高さは、熱心な講師の賜物

 参加率の高さは講師を務める会員の丁寧な説明と実技指導の賜物でもあると感じています。8月の教室では「秋ジャガイモの植付け」がテーマだったのですが、講師が最初に行ったのは畑に作る畝の意味を解説しどの程度の高さと幅で作ればよいかを説明する事でした。実技に入る前に何故その作業が必要なのか、どうやればよいかが理解でき身に付きやすかったと思います。

9月教室のテーマは「青首大根種蒔き」でしたがここでも最初に資料による説明の後、講師と支援の会員がお手本を見せてからの実技ですからわかり易かったでしょう。

 今回だけでなく、今までの教室でもその日の作業予定に合わせて準備した資料を示しながら丁寧な説明がされるので、生徒さん達もわかり易く、熱心な参加に繋がっていると感じています。これらの資料は講師の手作りです。様々な自作の挿絵を入れていますので資料には温かみが加わり馴染みやすくなっているでしょう。

 今回紹介した菜園体験教室で植付けしたジャガイモと種蒔きした大根は11月末に実施予定の「親子大根抜き体験」で区役所地域振興課に募集してもらう区民親子に野菜収穫を楽しんでもらう時に使います。菜園教室で栽培する野菜を区民親子向けの収穫体験で提供するという流れが定着してきました。

不定期連載コーナー SELFフレンドシップ(船)へようこそ! Vol.38 「まちかつフェス高津」について

 「まちかつフェス高津」は、毎年、高津市民館の大ホールや会議室、ギャラリーを貸し切り、地域と人・つながる、つなげるをテーマに掲げ、高津区内で活動する様々な市民団体が集まり、活動を紹介する「高津区市民活動見本市」を行っています!今年も先日(9月14日)に開催され、多くの人にご来場していただきました。

 高津の歴史や文化を知ってもらおうと各種展示コーナー、親子で楽しめるワークショップ、ステージパフォーマンスなど盛りだくさんでした。

 2007年から始まったこのイベントも回を重ね、各団体参加者から、仲間も増えたと聞いています。まちがちょっとおもしろく、好きになる!そんな気持ちになれるよう、これからも高津区を盛り上げてください。

 このイベントにSELFは、コアメンバーとして参加し、実行委員会皆様のサポートをさせてもらいながら仲間に入れてもらっています。実行委員会の皆様、イベント大盛況でしたね!お疲れ様でした。これからも皆様と一緒に高津区を盛り上げていきます!

プロジェクトのイメージ画像

GO!GO!!フロンターレ

不要衣類をユニフォームに!

 川崎フロンターレは9月28日(日)からのホームゲーム3試合で、不要な衣類を回収し、来場者に配布するユニフォームの原料にするプロジェクトを実施する。

 川崎臨海部で進むサーキュラーエコノミー(資源循環)をスタジアムで体感してもらうのが目的。回収した衣類は「ケミカルリサイクル」という方法で原料を循環させ、二酸化炭素の排出量抑制といった環境問題への貢献を目指す。

 実施日は、9月28日(日)の柏レイソル戦(J1リーグ)、10月8日(水)の柏レイソル戦(ルヴァンカップ)、10月18日(土)の清水エスパルス戦(J1リーグ)の3試合。会場はU等々力の場外フロンパーク野球場前広場で、時間は各試合のキックオフ3時間半前から30分前まで受け付ける。

 回収対象はTシャツやズボンのほか、下着や靴下、タオル類など繊維製品全般。再生した原料は、11月8日(土)のファジアーノ岡山戦(J1リーグ)で来場者に配るベースボールユニフォームの一部に活用される予定。詳細は同クラブ公式ウェブサイト。

画像は川崎フロンターレ