中原区版【9月26日(金)号】
モルモットをチェックする獣医師会理事

川崎市獣医師会 小学校に動物貸し出しへ 市内4校で今秋試行

 小学校でのウサギやニワトリの飼育が減少しつつある中、川崎市獣医師会(木村真治会長)が命の大切さを学んでほしいと、モルモットのホスティング(貸し出し)事業に取り組む。今秋から東住吉小、上丸子小、鷺沼小、上作延小の4校をモデル校として実施する。

 学校飼育動物を巡っては、猛暑下での動物の体調管理、においや鳴き声の問題、教職員の負担軽減などが減少の理由に挙げられる。市教育委員会が2020年度に小学校飼育状況のアンケートを実施したところ、動物を飼育している小学校が114校中、64校と回答。25年度は115校中、29校にまで半減した。

 こうした中、市獣医師会は昨夏から、夏休みや冬休みの期間中、動物愛護の観点から学校飼育の一時預かりの取り組みを開始。一方で、子どもたちに命の尊さを学ぶ機会をつくる必要性を痛感し、モルモットのホスティング事業の実施を決めた。同様の事業は愛知県などで行われているが、県内では初とみられる。モルモットはウサギに比べて体が一回り小さく、室内飼育ができるメリットがあるという。

 今回取り組むホスティング事業では、モルモットと飼育ゲージ、エサ代は獣医師会が負担。「貸し出しにすることで学校側はいつでも返却でき、学校や教員側が状況に応じた対応が可能となる。獣医師会が所有することで、定期的に学校を訪問して健康チェックを行うことができる」と木村会長。専務理事の岩佐保宏さんは「モルモットの寿命が6年程度であることから子どもたちの入学から卒業まで一緒に過ごすことができるとの期待もあり、ハムスターよりもモルモットが最適と考えた」と説明する。

 モデル校となる鷺沼小学校では昨夏に2匹のウサギが亡くなったことで飼育委員会の子どもたちの精神的負担もあったという。新たなウサギの購入を検討していたところ、同会からモデル校の依頼があった。小林美代校長は「アレルギー対策や飼育場所の確保などの課題はあるが、多くの児童の笑顔につながれば」と期待を寄せる。

「皆さんの期待に応えたい」と話す中野さん

三社宮奉賛会 花魁道中、あでやかに 10月4日 向河原駅前通り

 あでやかな着物姿の女性たちが駅前通りを練り歩く――。地域活性化を目指すイベントとして行われる「花魁道中」が、10月4日(土)に向河原駅前通りで初開催される。主催は三社宮奉賛会。出演するチーム歌留多の座長を務める中野亜美さん=人物風土記で紹介=は「華やかで美しい晴れ姿を見に来てほしい」と呼び掛ける。

 「花魁道中」とは、江戸時代の遊郭があった吉原などで、最高位の遊女である花魁が華やかな衣装を身にまとって厚底の高げたを履いて練り歩く儀式。花魁の周りには見習いの遊女や女中役、先導役などが随行する。

 今回は向河原駅前通りを通行止めにし、居酒屋楽園から下沼部交差点を通り、普通に歩けば5分ほどの短い道のりを約1時間かけてゆっくりと優雅に、三社宮まで練り歩く。鈴を鳴らしながら進む先導役に続き、座長の中野さん、チーム歌留多のメンバーのほか、地域から募った9歳から80歳までの女性たち総勢15人が参列する。中野さんは「日本の伝統文化に触れる機会にしたい。着物を初めて着るという人もいて、皆さん今から楽しみにしている」と話す。

100人以上が協力

 地域活性化を目的に、企画の話が持ち上がったのが3年前。しかし道路使用許可の問題や、地元の了承を得るのに時間がかかったため、なかなか話が進まなかった。今年に入り、実行委員を務める5人の主要メンバーが動き出すと、協力者が続々と集まりだした。

 下沼部町内会、向河原商栄会、向河原子ども会育成会、下沼部和楽会、中原消防団玉川分団、下沼部青年会など地域の団体が協力し、看板作りや裏方作業に100人を超えるボランティアが集合。着付けや衣装も川崎市の団体が賛同する。

 三社宮では例大祭宵宮が行われ、境内の舞台ではキッズダンスなどのステージも。焼き鳥や焼きそば、生ビールの出店、射的等の模擬店も並ぶ。

 中野さんは「なかなか見ることのできない花魁の華やかな姿を楽しんでもらえたら。無事に成功させ、地域を盛り上げるイベントとして続けていきたい」と期待に胸を膨らませる。午後4時30分開始。雨天中止。問い合わせは【メール】team.karuta@gmail.com。

10月4日に向河原駅前通りで花魁道中を行う「チーム歌留多」の座長を務める 中野 亜美さん 下沼部在住 30歳

文化で人を楽しませたい

 ○…アニメや海外ドラマの声優、ダンスの振付師、役者などさまざまな肩書を持つ。ほがらかな笑顔が、華やかな着物と化粧で一変する。りりしい立ち姿に、美しい着物が周囲を魅了。「気持ちも引き締まり、最高位の遊女である花魁になるんです」。一座の舞台で磨いてきたその姿を、日中の商店街で初めて人前に見せる。かつらだけで3kgもある重い衣装をまとい、向河原駅前通りを1時間かけて練り歩く。

 ○…出身は長崎県。幼いころから歌と踊りが大好きな子だった。18歳で上京し、音楽や映像制作会社でダンスの指導者の道を目指した。コロナ禍は2カ月間、まったく仕事がなく、そんなときに先輩に連れられて見に行った歌舞伎が人生を変えた。「日本の文化を知らないことに気が付いて」。着物文化や着付けを学び、太鼓、三味線を習い始めた。そして、仲間4人で和装エンターテインメント一座「チーム歌留多」を立ち上げた。

 ○…いつも誰かが遊びに来ているにぎやかな家庭に育った。両親は誰からも好かれ、人を招いては手料理を振舞った。「人を楽しませることが好きなのも、二人の影響が大きいのかも」。そんな両親を早くに亡くす。「人生で一番悲しい出来事を乗り越えた。これからは両親への感謝を胸に楽しく生きていくだけ」

 ○…お酒と食べることに目がなく、性格は「がさつで、大ざっぱ」と笑う。細かいことは気にしないが、きれいな字と裁縫の腕前は褒められる。人一倍涙もろい点は、親しい仲間には周知の事実だ。ダンスの教え子のステージ後は、いつも感極まって涙ぐむ。多くの人が関わり、一緒に作り上げてきた今回の花魁道中の舞台。「終わったら泣いてしまいそう」。そうつぶやいた大きな瞳の奥が、きらりと光った。

川崎ブレイブサンダース キャリア教育の教材贈呈 市内119校の全児童に

 男子プロバスケットボールリーグ1部の「川崎ブレイブサンダース」(川崎BT)が、川崎市内の子どもたちのキャリア教育向けのノート型副教材を開発し、市立小学校と特別支援学校の全119校の5年生と6年生に贈呈した。9月18日には下小田中小学校(下小田中)で贈呈式が開かれ、福田紀彦市長は「子どもたちの挑戦を応援する教材。ありがたい」と感謝を述べた。

 川崎市では2016年度から、持続可能な社会の担い手の育成などを目指す独自のキャリア教育を推進している。一方、川崎BTは「バスケの力で街をつくる」をクラブの使命として掲げ、市内の学校や公園でのバスケットゴール設置やボールの寄贈などに取り組んできた。副教材開発もその一環。クラブから市教委に提案し、細部に関して市教委と検討を重ねながら開発したという。

 教材名は「KAWASAKI GLOBAL CHALLENGE NOTE」で、略称「グロチャレノート」。ノートは「なりたい自分になるために」や「未来の自分をつくる」など10種類のカテゴリーに分かれており、各カテゴリーとも川崎BTの選手やスタッフのインタビュー動画を見たうえで、設問に答えたり自分の夢を考えたりする形式だ。

 18日の贈呈式には福田市長のほか、川崎BTの川崎渉社長、ロスコ・アレン選手や飯田遼選手も参加した。両選手がノートを児童に手渡し、児童代表として同校5年生の清澤志保さんが「自分の未来を考えることができるノートをいただき、とてもうれしい。ありがとうございます」とお礼を述べた。式に臨んだ5年生と6年生に向け、ロスコ選手は「ここまでの道のりを(動画で)話している。みんなの夢につながるとうれしい」と語り、飯田選手は「みんなが好きなものに一生懸命になれるよう、手助けになれば」と話していた。

 ノートは22日から全校で配布され、川崎BTはリーグの公式戦休止期間などに「出張授業」を実施するという。

(左から)山田選手、中谷監督、中村GM、福田市長

NECレッドロケッツ川崎 「優勝が絶対目標」 開幕前に市役所で抱負

 女子バレーボール・SVリーグのNECレッドロケッツ川崎の関係者が9月22日に、10月10日(金)から開幕する新シーズンを前に市役所を訪れ、福田紀彦市長に意気込みを語った。

 昨年、リーグ戦3連覇を目指すも、チャンピオンシップファイナルで惜しくも敗れ、2位でシーズンを終えた同チーム。昨シーズンまでAstemoリヴァーレ茨城の指揮を執っていた中谷宏大監督を迎え、日本代表の山田二千華選手が新たにキャプテンに就任。その中谷新監督、山田選手、中村貴司GMが市役所を訪問した。

 中村GMは「昨シーズンのリベンジに燃えている。市民と共にチームも成長していきたい」と抱負を語った。中谷監督は「優勝が絶対目標。バレーを盛り上げて、地域が応援したくなるチームにしていきたい。等々力で大勢の皆さんに応援してもらいたい」と呼び掛け、山田選手は「夏場にチームとしてフィジカルを強化してきた。私たちが日本代表で経験してきたことを組み合わせて、リーグで成長しながら戦っていけるようにしていきたい」と抱負を語った。

 福田市長は「地域にクラブを愛してもらって、クラブも市民を愛してもらう。そういう関係が作れれば。今シーズンも期待している」とエールを送った。

 なお、チームの開幕戦は10月11日(土)。ホームの東急ドレッセとどろきアリーナでSAGA久光スプリングスと対戦する。

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子どものヘアカット学ぶ 11月17日 新丸子で講座

 中原区商店街連合会と中原区役所は、11月17日(月)に開催する「おうちでできる!こどものヘアカット教室」の参加者を募集している。

 商店街が地域の情報交換や交流の場になるよう両者が連携して商店街の店舗を活用した教室を実施している。

 今回は、新丸子の美容室3店が協力し、自宅で子どもの髪を切る際に注意したい点や、ヘアアレンジの方法を子どもの髪を切りながら学ぶ。子育て相談ができる親子交流会も企画されている。

 会場は、新丸子駅近くのGIFT hair&eyelashか、studio nob.武蔵小杉。時間は午前10時から正午。0〜2歳児の保護者で親子で参加できる人が対象。参加無料。定員15組(応募多数の場合抽選)。申込み、問い合わせは中原区地域振興課【電話】044・744・3161、もしくは区ウェブサイト。

笑顔でグッズを手渡す潮さん(上)、MEZASHIのメンバー

元日向坂46メンバー 潮さんが一日警察署長 秋の交通安全呼び掛け

 中原区交通安全対策協議会は9月19日に、21日から30日までの「秋の全国交通安全運動」の一環で、元日向坂46のメンバーで現在はタレントとして活躍する潮紗理菜さんを一日警察署長に迎え、グランツリー武蔵小杉で交通安全の啓発キャンペーンを行った。

 菅健司中原警察署長から委嘱状を渡された潮さんは、「一日警察署長として精一杯頑張ります。中原区は自転車の交通事故が多いと聞きました。私たち自身もしっかりと交通ルールを守り、事故に遭わないように気を付けましょう」と来場者らに呼び掛けた。当日は菅署長のほか、沖本理恵中原区長、小川晶中原消防署長も出席し、三者による中原区の安全安心を目指すユニット「MEZASHI(メザシ)」として潮さんと意見交換。自転車交通安全デジタルかるた大会などを楽しんだ後、交通安全用品や事故防止チラシなどが入った啓発グッズ約200セットを希望者に配布した。

人形を操る女性演技者

現代人形劇センター 寺で楽しむ乙女文楽 10月に市内で3公演

 伝統芸能の人形浄瑠璃から生まれた川崎市地域文化財「乙女文楽」の公演が市内の3つの寺で開催される。地域への愛着と交流を生み出すことを目的にしたプロジェクトとして企画され、主催は現代人形劇センター。

 10月13日(月・祝日)は高願寺(宮内)、25日(土)は泉福寺(宮前区)、26日(日)が等覚院(宮前区)で各午後2時開演(1時45分開場)。演目は「二人三番叟」で、ひとみ座乙女文楽が出演する。仕組みと遣い方などの人形解説をはじめ、基本姿勢や所作、伝統の音(ツケ打ち)のミニ体験ができ、小学生から大人まで楽しめる内容だ。

 乙女文楽は、市内で58年間伝承される伝統的な人形芝居。一体の人形を3人で操る文楽を女性一人でも扱えるように考案され、2018年に市の地域文化財に顕彰された。主催者は「地元のお寺を利用して、劇場とはひと味違った雰囲気の中、乙女文楽の特徴である、ひとり遣いならではの多様な表現をお楽しみいただけます」と話す。

 市内在住、在勤、在学者が対象。入場無料。各回定員40人(事前申込制で定員になり次第締め切り)。申し込み、問い合わせは現代人形劇センター【電話】044・777・2228(平日午前10時から午後6時)。

玄関口に張り出された「無事ですシール」

シール掲出で安否確認 木月一丁目町会で訓練実施

 木月一丁目町会(内田治彦会長)は9月13日、防災訓練の一環で「無事ですシール」を活用した安否確認訓練を行った。

 同町会は昨年、災害時に安否を知らせるため、自宅の玄関や門扉に貼れる「無事ですシール」を作成し、町内会約2300世帯に配布した。

 今回、そのシールを活用して訓練を実施。事前に各世帯に訓練のチラシを配布し、午前10時までにシールを張り出すよう呼び掛け、町内を16区に分けて理事や担当役員が各区を巡回し、確認して回った。昨年の同訓練で掲出のなかった世帯にはポスティングを行ったほか、町内の掲示板で訓練の実施を呼び掛けるなど工夫を凝らしたという。加えて、集合住宅では管理者の協力によって掲出の呼び掛けも行った。内田会長は「会員ではない世帯から配布方法を聞かれることもあり、意識の高さが伺えた。住民に安否の意識を持ってもらえると、災害などがあった際にも速やかに無事が確認できる」と訓練を振り返った。

 また今回の防災訓練では、同町会在住の中学生が参加する「KEIO WIZARD」の研究の一環で、災害放送のヒアリング調査も行った。高齢者への災害時の避難を呼び掛ける放送として、どのような「音域(高音、低音)」「速さ」「呼び掛け」が分かりやすいか否かのアンケート調査にも取り組んだ。

 内田会長は「集合住宅や単身世帯などの掲出が課題。年に一度、防災の日に合わせて住民の皆さんと一緒に安否確認の訓練を行っていきたい」と今後の抱負を語った。

寄付金を手渡す中村支部長(左)

宅建川崎中支部 寄席の収益金寄付 福祉への基金に5万円

 (公社)宅建協会川崎中支部(今井南町/中村公則支部長)が9月18日に「不動産フェア2025 宅建チャリティ寄席」をエポックなからはで開催。今年、旭日小綬章を受賞した五街道雲助さんや漫才コンビ『ナイツ』らを招いた高座前に、イベント収益金から5万円を市に寄付した。

 市の長寿社会福祉振興基金へ積み立てることを目的に、1995年から継続的に実施し、今回が26回目。公演前には、寄付金を受け取った加藤順一川崎副市長から同協会へ感謝状が贈呈された。

 中村支部長は「ご来場いただいた皆さまのおかげで、寄付ができる。本日はゆっくり笑って楽しんでほしい」と話した。全国各地で詐欺被害や自然災害が増える中、「怪しい電話は必ず知人に相談を。また自分の身を守るため、日頃から防災意識を高めてほしい」と来場者へ呼び掛けた。

作品を鑑賞する参加者

「平和」について意見交換 上映会で参加者活発に

 多摩区を拠点に活動するNPO法人国際協働企画室グッピーズ(金滋英理事長)主催の市内初のイベント「平和の絆 映像プロジェクト」が9月19日、かわさき市民活動センターで開かれ、ドキュメンタリー作品の上映会などが行われた。

 同団体が今年8月に、「戦争の記憶を語り継ぐ」をテーマにニュージーランドで実施した原爆被害者の証言映像などを紹介した展示会の結果を報告。メトロポリタン州立大学の学生が制作した核兵器の歴史や強制収容所に送られた在米日系人の歴史に焦点を当てたドキュメンタリー作品なども上映した。上映後、参加者らが意見交換を行い「アメリカでも歴史を掘り起こし、アナザーストーリーを次の世代へ伝えるのはいい企画」「家族の死は悲しい。国単位で見ても悲しみは同じはず」など、平和に対して感想を語り合った。

 金理事長は「人数が少なくてもさまざまな意見交換ができた。まだ小さい試みだが、今後も考えるきっかけを互いに得られるような場を作っていきたい」と話した。

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政治の村Students 高校生の政治との関わり調査
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あいさつする伊藤理事長(上)と平本氏への感謝状贈呈

ブレーメン通り商店街 組合創立50周年祝う 伊藤理事長の叙勲記念も

 モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合の組合創立50周年記念式典と伊藤博理事長の「旭日小綬章」受章祝賀会が9月21日、ホテル精養軒で開催された。当日は来賓や関係者ら132人が出席。商店街の節目と伊藤理事長の栄誉を祝った。

 伊藤理事長は、同商店街振興組合の理事長を20年以上にわたり務め、商連かながわ(神奈川県商店街連合会)の副会長、神奈川県商店街振興組合連合会の理事長といった要職を兼務。春の叙勲で旭日小綬章を受章した。伊藤理事長は「ドイツとの国際交流、自前のバンドがあること、独自のポイントカードを運用しているという3点が全国に自慢できる商店街の誇り。青年部も元気があり、若い人たちがいろいろな形で関わることで、様々な事業を行うことができている」とあいさつした。続いて、ポイントカード事業などに貢献した前事務局長の平本保氏をサプライズで表彰。伊藤理事長から感謝状が贈られた。

クラシックコンサート 「水」の演奏で潤いを 10月15日 ミューザ川崎で

 水源地の足柄と川崎をつなぐ「水」をテーマにしたクラシックコンサートが、10月15日(水)に、ミューザ川崎シンフォニーホール・音楽工房市民交流室で開催される。

 コンサートは「あしがらと川崎を結ぶ懸け橋」と題し、洗足学園音楽大学の卒業生らが中心となり、音楽を通した地域活性を目的に企画。表現力豊かなソプラノ歌手・橋本京子さん、ショパン国立音楽大学研究科修了のピアニスト・小澤由美さん、洗足学園音楽大学大学院修了のピアニスト・西垣亜由子さんら実力派が出演。弦楽四重奏「Quartet Lilas」や、県コンクールのピアノ部門で特選を受賞した小3の野津山日奈子さんら、若き才能も彩りを添える。主催する金太郎ムジカファミリーは「水の情景が目に浮かぶような演奏プログラムを、ぜひ楽しんで」と呼びかけている。

 開演は午後5時(4時30分開場)。チケットは全席自由、一般前売り3000円、学生1500円、当日券3500円。

 (問)金太郎ムジカファミリー事務局【メール】kintaro.mf@gmail.com

戦中の記憶を語ってくれた鈴木さん

戦後80年 戦禍の記憶【13】 高津区溝口在住 鈴木穆さん(88) 祖母の胸で、震え止まらず 「弾丸は小川に突き刺さった」

 未だに時折、悪夢を見るほど、太平洋戦争の記憶は深く脳裏に刻まれている。

 1943年に高津国民学校(現・川崎市立高津小学校)に入学。戦局が厳しくなり、1944年8月に3年生以上の集団強制疎開が始まった。地方の親戚や知り合いの家に疎開できる子どもを除き、神奈川県中郡高部屋村日向の浄発願寺(3、4年生)と、石雲寺(5、6年生)に集団疎開した。当日、校舎の廊下で集団疎開に出発する同級生を見送った後、上の兄が疎開していた母の実家である港北区網島に縁故疎開した。だが疎開したその日の夜、近くの軍事工場安立電気を狙った爆弾が落ちた。「物凄い爆風と火が裏山を覆い、襲い掛かってきた。真っ赤になった爆風が障子をなぎ倒して私をめがけて飛んできて、まるで地獄絵図を見るようだった」。

 どうにか防空壕に飛び込んだものの震えが収まらず、祖母の胸に抱きかかえられながら、その祖母が懸命に唱える御題目をただ、聞いていた。

 後に発行された『港北区史』に「戦争と新田地区」の項で「太平洋戦争で戦災を蒙った農家が新田地区でもかなりある。新吉田は、六間坂に爆弾が落ち死者が出た。板倉清次、八城三郎、藤沢泰晴家等で焼夷弾で焼かれた家である」とあり、その日がまさに縁故疎開初日の夜でもあった。

 翌朝、兄と一緒に新田小学校に行ったが、校門をくぐった所で空襲警報が鳴り響き、帰宅を余儀なくされた。

 新田小からの帰路、兄と2人で鶴見川の土手を歩いている時、北上してきたグラマン戦闘機が「ダダダダッ」という大きな銃声と共に機銃掃射を行ってきた。とっさに近くの小川に飛び降りて避けたが「弾丸はビュンビュンと小川に突き刺さった」、そんな感覚があった。

 起き上がって前を見ると、グラマン戦闘機のパイロット米兵がこちらを振り返った顔があった。「もし、あの弾が当たっていたら、2人とも命がなかっただろう」と直感した。

 それから80年。生きながらえた今こそ声を大にして叫びたいことがある。「二度と戦争はすべきでない。如何なる理由があろうとも、戦争は反対である」と。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

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書や陶芸など柯の会展 10月7〜12日

 第20回記念の「柯(えだ)の会展」が10月7日(火)から12日(日)に元住吉アートフラッツ(木月3の35の1)で開催される。午前10時30分から午後6時(最終日は5時まで)。主催する同会の会員らの書、陶芸、水墨画、絵画作品が展示されるほか、吉田東霞書陶展も併催。バイタリティーあふれる行動と、常に新しい作品制作に情熱を傾ける作家たちの力作がそろう。問い合わせは【電話】044・422・0515。

第52回川崎みなと祭り 斎藤氏の思い継承 「みなと川崎ここにあり」

 秋の祭典「川崎みなと祭り」が10月11日(土)、12日(日)に「川崎マリエン」(港湾振興会館、川崎区)を主会場に開催される。昨年まで20年間、祭りの実行委員長を務めた元参議院議員の故・斎藤文夫氏の思いを継承し、氏の言葉「みなと川崎ここにあり」を体感できる催しを目指すという。

 戦後ほどない1950年に港湾法が制定され、翌年には川崎港の管理責任者が国から川崎市へと切り替わった。住民と港の結びつきを求める法に基づき、市は川崎市制50周年の74年に第1回「みなと祭り」を開催。当初は川崎駅前でのパネル展示などだったが、埋め立て事業が完成した東扇島地区に92年に川崎マリエンが開館すると、恒例の祭りとして定着した。

 市制100周年事業として開催された昨年の来場者は約17万人。52回目となる今年も、市民参加型のダンスや歌のステージ、ビーチバレー大会、川崎ゆかりの食を楽しめるマルシェ、市内で唯一の砂浜「かわさきの浜」での運動会などのイベントが目白押しだ。今年から実行委員長に就任した高橋哲也・川崎港振興協会会長は「ぜひ多くの方に楽しんでいただきたい」と呼びかける。

「港があるのか」

 祭りの発展を支えた最大の功労者が、2004年から実行委員長を務めた故・斎藤氏だ。市の港湾局長も務めた高橋会長は「先生は市民から『川崎に港があるのか』と聞かれたことに衝撃を受け、市民が港に親しみを持てるよう、尽力されていた」と振り返る。現在、市内の小学生が総合学習などで川崎港を訪れているのはその一例だ。

 みなと祭りに関しても、「家族連れが楽しめるように」と、子どものよさこい踊りコンテストや港のクルーズ船体験などの仕掛けを考案。港湾業界の幅広い協力も得て、04年には6万人だった来場者は約10年で22万人超。市内で最大級のイベントに成長した。

 斎藤氏は折に触れて「みなと川崎ここにあり」と語ったという。高橋会長は「市民と世界に開かれた川崎港のために尽力された先生の思いと功績を未来につなげられるよう、川崎港の関係者と共に継承していく」と話していた。

川崎市役所

9月の「老人週間」 市内最高齢は109歳女性 80代女性の3割が独居

 9月15日の「老人の日」から21日までは「老人週間」で、9月は「認知症月間」。川崎市は人口構成で「若い都市」だが、今後は高齢化率の上昇が見込まれる。各種データから、市内の高齢者事情を読み解いた。

 市によると、9月1日時点の市内の最高齢者は川崎区在住の109歳の女性。男女別のご長寿番付では、女性が【2】宮前区在住の108歳、【3】川崎区在住の108歳と続き、男性が【1】中原区在住の108歳、【2】多摩区在住の108歳、【3】高津区在住の105歳だった。

 1日時点の100歳以上の高齢者は776人で、男女別では男性が107人、女性が669人と女性が圧倒的に多い。さらに今年度内に100歳を迎える人364人の内訳でも男性63人、女性301人と、女性が男性の5倍近い。

2割が一人暮らし

 市が今年4月にまとめた「市高齢者施策状況」では、2024年10月1日時点の高齢者人口は32万117人で、総人口に占める高齢化率は全国平均(29・2%)より大幅に低い20・63%。高齢化率が高い地区は麻生区で25・20%、低い地区は中原区で15・74%だった。

 また22年度の「市高齢者実態調査」によれば、「一般高齢者」の約2割が一人暮らし世帯で、80歳以上の女性に限ると約3割だった。日常生活に関して「自分一人でできること・できないこと」を尋ねた設問では、「バスや電車を使った外出」や「日用品の買い物」で約9割が「できる」と答えたが、自転車の運転は「できる」が45・2%、「車・バイクの運転」では35・2%と、公共交通機関の重要性を物語る。

 一方で「若い人に自分から話しかけること」や「友人との交際」に関して6〜7割が「できる」と答え、積極的な市民性をうかがわせた。

 市は高齢者福祉の総合計画「第9期かわさきいきいき長寿プラン」に従い、包括的な支援体制づくりに取り組んでいる。

きももの文化歴史 着付けや体験発表 中高生のコンクールも

 日本きものと文化歴史研究会(原修一理事長)と川崎市文化協会が主催した「きものと文化歴史展」が、9月21日に中原市民館で開催された。

 着物文化の普及と振興を目的に、数々の企画を実施。昨年に続き中高生浴衣着付け&マナーコンクールや、種まきから行った紅花染め体験発表、「帯の生い立ち」と題した研究発表などを行った。かわさきマイスター・小林伸光氏による和服洗い張り講演にも多くの来場者が耳を傾けた。原理事長は「日本人らしく正しい着付けができるよう活動している。成人式や結婚式などの特別な日だけでなく、着付けを通じて着物に親しみ、美しさに触れる機会をつくってもらいたい」と思いを込めた。

世界を知る巡回写真展 海外協力隊が撮影

 JICA海外協力隊の巡回写真展「世界は広くて面白い!知らない世界をのぞいてみよう」が9月26日(金)から10月8日(水)まで、会館とどろき(中原区宮内4の1の2)で開催される。主催はJICAのシニア海外ボランティア経験者らからなるNPO法人シニアボランティア経験を活かす会。

 カンボジアの学校のおやつタイムやメキシコの結婚式など、世界中のさまざまな写真を展示。

 午前10時から午後4時。問い合わせは同会の森さん【携帯電話】080・4117・5149。

GO!GO!!フロンターレ

不要衣類をユニフォームに!

 川崎フロンターレは9月28日(日)からのホームゲーム3試合で、不要な衣類を回収し、来場者に配布するユニフォームの原料にするプロジェクトを実施する。

 川崎臨海部で進むサーキュラーエコノミー(資源循環)をスタジアムで体感してもらうのが目的。二酸化炭素排出量抑制等の環境問題への貢献を目指す。

 実施日は、9月28日(日)の柏レイソル戦(J1リーグ)、10月8日(水)の柏レイソル戦(ルヴァンカップ)、10月18日(土)の清水エスパルス戦(J1リーグ)の3試合。会場はU等々力の場外フロンパーク野球場前広場で、時間は各試合のキックオフ3時間半前から30分前まで受け付ける。

 回収対象はTシャツやズボンのほか、下着や靴下、タオル類など繊維製品全般。再生した原料は、11月8日(土)のファジアーノ岡山戦(J1リーグ)で来場者に配るベースボールユニフォームの一部に活用される予定。詳細は同クラブ公式ウェブサイト。