高津区版【10月3日(金)号】
國學院大陸上部前主将の平林さん(前段中央左)と監督の前田さん(前段中央)、青山学院大陸上部OBの神野さんとイベントの参加者ら

國學院大陸上部を応援 サポーターズクラブ発足へ 二子新地から声援広がる

 箱根駅伝などで活躍を見せる國學院大學陸上競技部を地域から応援しようと、選手たちの合宿所がある高津区二子新地界隈の有志らが、「國學院大學陸上競技部 サポーターズクラブ」を発足することになった。9月21日には同地域の「駄菓子の木村屋」で記念行事が開かれ陸上競技部監督の前田康弘さんらが登場。サポーターの声援に、感謝の意を述べていた。

 國學院大學陸上競技部は、昨シーズンの出雲駅伝、全日本大学駅伝で優勝。箱根駅伝でも総合3位に入賞するなど、強豪の地位を確立している。

 また大山街道沿いに合宿所を設けていることから、地域との関係性を特に重視。小学生を対象にした走り方教室や、地元商店会の懇親バーベキューへの参加、さらに、自主的に毎週日曜の沿道ゴミ拾いを通して、深い絆を育んできた。

 こうした交流の積み重ねを背景に、陸上競技部と選手たちを地域全体でサポートすべく、市民参加型のプロジェクトを企画・実施する「まちの企画室」の有志が発起人となり、クラブの発足に至ったという。担当者は「勝ち続ける喜びも、苦しい時期も、町の一員である選手たちを応援していきたいという思い。今後については、運営体制を構築しつつ、10月末からの正式入会を地域に案内していく」としている。

広く入会呼び掛け

 クラブへの入会について「國學院大學陸上競技部を応援したい人が対象」と担当者。サポーターになると、初年度の入会時にレプリカの応援フラッグが進呈されるほか、國學院大學との交流イベントに優先的に招待される特典がある。年会費が必要で、初年度5千円、その後は更新費として3千円が必要となる。

 また、10月から来年1月までの駅伝シーズンに大山街道に飾られる予定の「応援フラッグ」にも、1口1万円から協賛で名前を記載するという。

 クラブに関する問合せは担当者(メール)kenjikimura0302@gmail.com。

記念行事に有名OBも

 9月21日に駄菓子の木村屋で開かれた記念イベントでは、陸上競技部監督の前田康弘さんや、昨年度主将を務めた同部OBの平林清澄さん、さらに2人と関係が深いという青山学院大学陸上競技部OBの神野大地さんが登場した。

 イベントの中で開かれたトークショーでは、合宿中の出来事や、競技中の駆け引きなど、普段聞けない貴重な話が披露される一幕も。最後に前田監督はサポーターズクラブ発足に感謝の意を述べるとともに「まずは、10月の出雲駅伝を目標に一丸となって頑張りたい。応援よろしくお願いします」と呼びかけた。
AIで生成した空き家のイメージ画像(川崎市提供)

第2期空家等対策計画 改定1年、52戸に改善指導 川崎市「制度効果みられる」

 年々増加する空き家の問題を解消するため、川崎市の「第2期空家等対策計画」の一部が昨年8月に改訂されて1年が過ぎた。行政指導の対象となる「管理不全空家」に52戸が認定されるなど新制度の効果は見られるといい、市は制度に関する啓発チラシを作成して一層の周知を図る方針を打ち出している。

 全国的に空き家は増え続けており、総務省によると2023年の時点で約900万戸という。このため国は23年12月に「空家法」の一部を改正し、市区町村が空き家の持ち主などに改善を促しやすいしくみを整えた。

 川崎市内の空き家も増加しており、23年時点で戸建て住宅約6千戸が空き家の状態だ。市は「空家法」の改正に伴い、昨年8月に「第2期空家等対策計画」を改定。保安上の危険が生じる可能性のある空き家などを「管理不全空家」と認定して指導・改善を促し、対応が見られない場合には「勧告・命令」のうえ、固定資産税の軽減措置を解除する制度となった。

周知の啓発チラシも

 市によると、昨年9月の新制度開始から今年3月までに「管理不全空家」と認定されたのは52戸。所有者に対して文書で適切な管理を求めた結果、解体を始めたり、更地に戻したりしたケースが確認された。一方で対応が確認されないため「勧告」に至ったケースは13件で、このうち市が裁判所に清算の申し立てを行ったケースも2件あった。いずれも清算人による解体などの作業が進められているという。

 市の担当者は「新制度により少しずつ空き家の解消につながっている」と語る。より広く制度を周知する必要があるとして、このほど啓発チラシを作成し、区役所などで配布する。市ではまた、地域活動などに空き家を利用したいと考える希望者と、空き家の所有者を市がつなぐ「マッチング制度」も試行実施中だ。

 空き家に関する相談窓口は所有者向けが市住宅供給公社【電話】044・244・7590、空き家の近隣住民は市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。各区の地域振興課でも受け付ける。

高津区にある3つの小学校の寺子屋事業をコーディネートしている 藤迫 明子さん 末長在住

「子どもの笑顔」「地域」のため

 ○…NPO法人高津総合型スポーツクラブSELFで事務局スタッフとして多忙な日々を過ごす。3歳から90歳までの約1300人の会員が、好きなプログラムに参加できる同クラブ。その中で、とりわけやりがいを感じているのが「川崎市の委託事業である『小学校の寺子屋』ですね」と笑顔をみせる。

 ○…SELFのスタッフとなったのは今から12年前。同時に久本小学校の寺子屋事業に携わるようになり、コーディーネーターを担当した。当時、普及の先駆けだった近代の寺子屋は「庶民の子どもに読み書き等の教育を施す所」などと考えられており、ボランティアの私塾のようにも捉えられていた。だが利用者のニーズを探るべく行ったアンケートでは「勉強より家庭では経験できないような体験授業をしてほしい」といった声が圧倒的に多かったことが自分なりの寺子屋の運営方針を決定付けたという。

 ○…編み出したのは「テーマを決めた体験重視型」。シニア世代の地域人材を講師に招き、放課後の学習支援と月に1度の体験活動をメインに据えたユニークなスタイルは瞬く間に評判を集め、担当する小学校も年を追うごとに増加。今では末長小、坂戸小と3校の寺子屋コーディネートを受け持つ。「協力していただいた講師との出会いは数え切れません。本当にありがたいことです」と、しみじみ語る。

 ○…「寺子屋を通じて一番勉強させて頂いたのは、紛れもない自分」と言い切り「子ども達の輝く眼差しと講師の情熱に支えられてきた」と、周囲への感謝も忘れない。最近では講師を推薦してくれる協力者なども増えているのだとか。「これからも子ども達の笑顔のため、地域のために」。寺子屋と共に成長の日々が、今日も続く―。

多彩なプログラムを用意

坂戸御嶽神社 皆に「例大祭の楽しさ」を 子どもイベント、11日開催

 地域の風物詩「例祭」「例大祭」が高津区内の神社でも行われている。

 神輿の担ぎ手による威勢の良い掛け声が響き渡り、各所で大きな賑わいをみせる中「坂戸御嶽神社」(高津区坂戸2の20の1/前島幸雄 責任役員)の例大祭では、10月11日(土)の宵宮の中で「こどもまつり」を開催する。

 「少しでも多くの人に例大祭を楽しんでもらおう」という趣旨の下、行われるこの催し。射的や輪投げ、お菓子釣りなどの出店が並ぶ会場では、けん玉やシャボン玉のパフォーマンスや、バルーンアートのマジックショーなどが行われる。

 また坂戸小学校の合唱団のメンバーが日頃の練習の成果を披露するステージイベントなどもプログラムを彩っており、楽しい一日を演出する。

「自転車来場、控えて」

 前島さんは「イベントスペースの都合上、自転車での来場はお控え願いつつ、ぜひ沢山の方々にお越し頂ければ」と来場を呼び掛けている。詳細問い合せは【電話】044・822・6580。

キャンペーンに参加した原千晶アナウンサー(右)

交通安全・防火運動 警察・消防両署長 安全訴え 原アナ、一日警察署長に

 溝口駅前のキラリデッキで9月19日、「秋の全国交通安全運動」と「安全・安心・防火キャンペーン」に合わせた広報活動が行われ、地域から合計9団体が参加。フリーアナウンサーの原千晶さんも一日警察署長に就任し、安全への意識向上を呼びかけた。

 高津区交通安全対策協議会が主催した取り組み。今回、警察と消防の協力体制をより強化するため、初めてキャンペーンを合同で実施した。

 当日は、今中隆洋高津警察署長と田邊浩太高津消防署長が登壇。今中署長は自転車の事故が増加傾向にあることに言及し「運転する際はヘルメットを使って、思いやりをもって道路を利用して」と参加者に話した。

 また、田邊署長は「区内の火災件数が昨年と比べて増加している。火の取り扱いには十分注意してほしい」と語った。

安全意識を啓発

 また、制服姿で登場した原アナウンサーも、駅利用者に広報物を配布して安全を呼びかけ。その後、キラリデッキで開かれたトークショーでも、交通安全と防火の重要性を訴え、安心安全な街づくりへの協力を地域に向けて発信した。

モルモットをチェックする獣医師会理事

川崎市獣医師会 小学校に動物貸し出しへ 上作延小ほか4校で試行

 小学校でのウサギやニワトリの飼育が減少しつつある中、川崎市獣医師会(木村真治会長)が命の大切さを学んでほしいと、モルモットのホスティング(貸し出し)事業に取り組む。今秋から東住吉小、上丸子小、鷺沼小、上作延小の4校をモデル校として実施する。

 学校飼育動物を巡っては、猛暑下での動物の体調管理、においや鳴き声の問題、教職員の負担軽減などが減少の理由に挙げられる。市教育委員会が2020年度に小学校飼育状況のアンケートを実施したところ、動物を飼育している小学校が114校中、64校と回答。25年度は115校中、29校にまで半減した。

 こうした中、市獣医師会は昨夏から、夏休みや冬休みの期間中、動物愛護の観点から学校飼育の一時預かりの取り組みを開始。一方で子どもたちに、命の尊さを学ぶ機会をつくる必要性を痛感し、モルモットのホスティング事業の実施を決めた。同様の事業は愛知県などで行われているが、県内では初とみられる。モルモットはウサギに比べて体が一回り小さく、室内飼育ができるメリットがあるという。

 今回取り組むホスティング事業では、モルモットと飼育ゲージ、エサ代は獣医師会が負担。「貸し出しにすることで学校側はいつでも返却でき、学校や教員側が状況に応じた対応が可能となる。獣医師会が所有することで、定期的に学校を訪問して健康チェックを行うことができる」と木村会長。専務理事の岩佐保宏さんは「モルモットの寿命が6年程度であることから子どもたちの入学から卒業まで一緒に過ごすことができるとの期待もあり、ハムスターよりもモルモットが最適と考えた」と説明する。

「笑顔につながれば」

 モデル校となる鷺沼小学校では昨夏に2匹のウサギが亡くなったことで飼育委員会の子どもたちの精神的負担もあったという。新たなウサギの購入を検討していたところ、同会からモデル校の依頼があった。小林美代校長は「アレルギー対策や飼育場所の確保などの課題はあるが、多くの児童の笑顔につながれば」と期待を寄せている。

戦中の記憶を静かに語ってくれた小林さん

戦後80年 戦禍の記憶【13】 中原区小杉御殿町在住 小林美年子さん(93) 『海ゆかば』歌い迎えた英霊 近衛兵の従兄も「負ける」

 今もなお聞きたくない歌がある。記憶の奥底にしまい込んだままの歌の名は『海ゆかば』。天皇への忠誠心と死を恐れない覚悟を表した歌詞……。太平洋戦争末期、かっぽう着姿の女性らに交じり、まだ10代前半だった少女がこの歌を歌いながら駅に到着した英霊たちを出迎えた。「母の代わりに行かされたんです。何とも言えない悲しさと、この場にいたくないという嫌な気持ちがあふれ、心の中で激しく葛藤していました」

 横浜市鶴見区で育った。戦争が激しくなると、敵機の襲来を知らせる空襲警報が響くようになり、夜は電気に風呂敷をかぶせて外に光が漏れないようにした。1945年3月10日の東京大空襲は、自宅から東の空が真っ赤に染まるのが見えた。「ここには住み続けられない」と、母や妹と親戚のいる愛甲郡愛川町田代に避難した。

 疎開先では離れにあるあばら屋から厚木の女学校に通い、自給自足の生活を送った。肥桶を担いで畑仕事に精を出し、まき割りやわら草履も自ら編んだ。田んぼで捕れるイナゴは貴重なたんぱく質とカルシウム源。夕暮れには川に行き、アユを釣った。サイズが合わなくなったセーターはほどくときに編み方をノートに書き、人に教わることなく編み返した。「こうしないと着るものがなかった」。女学校の体育の授業ではなぎなたを訓練し、バケツリレーも経験した。周囲はみんな、それが当然のこととして受け入れていた。

 その後、40歳に近い叔父にも召集令状が届いた。「叔父が『こんな歳の者が駆り出されるようでは日本は危ないな』と言ったことをはっきり覚えています」。また、近衛兵だった従兄も『この戦争は負ける』と口にしていた。「常識のある大人は知っていて、無謀な戦争とわかっていたのでしょう」

 終戦は疎開先で迎えた。玉音放送が流れた日のことは忘れない。その親戚宅では、酒やしょうゆの醸造所を営んでおり、海軍の将校らが燃料となるアルコールを求めて連日のように通ってきていた。「海軍の若い将校さんたちは涙を流していましたね」

 『海ゆかば』を聞くと、今でも当時の記憶がよみがえる。「戦争は絶対にいけない。若い人たちが国のために、大切な命を犠牲にすることはあってはならない」 

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

関口実氏

市長選 関口氏が出馬表明 ヘイト対策強化訴え

 任期満了に伴い10月26日に投開票される川崎市長選挙に、多摩区の清掃員・関口実氏(67)が無所属で立候補する考えを、9月26日に明らかにした。

 本紙の取材に対し、精神障害者グループホームで暮らす関口氏は、「国籍や性別、障害の有無にかかわらず、川崎を誰もが幸せに暮らせる街にしたい」と出馬の理由を説明。「差別のない、多様性のある社会を目指す」とし、ヘイトスピーチの対策強化を訴えた。南海トラフ地震に対する防災力の強化にも取り組む意欲を示したほか、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ問題などにも言及。「平和な世の中に向けて、川崎市としてできることをやっていきたい」と述べた。

 市長選には、これまでに会社員の國谷涼太氏、現職の福田紀彦氏、政治団体役員の野末明美氏、出版社代表の宮部龍彦氏、元川崎市議の山田瑛理氏が出馬の意向を示しており、関口氏が6人目で過去最多となった。(9月30日起稿)

旗を手に持つ吉村さん

市薬剤師会 開局示す黄色い旗 薬局で災害想定の訓練

 (一社)川崎市薬剤師会は9月1日、災害時に開局していることを示す「開局中」のイエローフラッグを掲出する訓練を市内の会員薬局475店舗で実施した。

 「災害時に薬局が営業しているか分かりづらい」という市民の声を受けて始めたもので、東日本大震災の起きた3月11日と、防災の日の9月1日に毎年行っている。

 グレイスファーマシー(中原区)の吉村美穂さんは当日を振り返り、「旗に気づいてくれる常連さんもいて、訓練であることを伝えた」と手応えを得た様子。「避難の際には、お薬手帳とマイナンバーカードを忘れずに携帯してほしい」とアドバイスを送った。

川崎市役所

不登校の児童・生徒 総務省が健康状況を調査 川崎市も独自対応を調整

 不登校の子どもたちの健康状態を把握できていない可能性があるとして、総務省は10月から全国の市町村を対象に実態調査を始めた。川崎市でも、不登校の小中学生の健康診断に関する独自の取り組みを調整中だ。

 全国的に不登校の児童・生徒数は11年連続で増加しており、2023年度は過去最多の34万6482人。市内でも3261人となり、初めて3千人を超えた。

 不登校の状態にある子どもたちの多くが学校で実施する健康診断を受診できておらず、病気などが見つかりにくい環境にある。そのため総務省では今年10月から来年6月まで、全国市区町村の教育委員会や福祉部局、小・中学校にヒアリングやアンケートで実態調査の上、「改善すべき点が見つかれば当該省庁に改善を促していく」(担当者)という。

 川崎市では、学校で受診する健康診断のほか、市立学校の児童・生徒の全保護者に「保健調査票」を配布し、子どもたちの健康状態を把握している。しかし23年度に市議会で「不登校の子どもの健康状態を把握できていないのでは」との指摘を受けたため、市の医師会と歯科医師会と調整の上、各校に一人ずつの「校医」が所属する診療所やクリニックで健康診断を受けられるよう、環境整備を進めている。

 「川崎市子ども夢パーク」(高津区)内の「フリースペースえん」には約90人の小中学生が通う。夢パーク所長の友兼大輔さんは「不登校の子どもたちにとっても健康診断は大事なこと。市としての対応が求められている」と話している。

(上)投げ初め式の篠山選手(下)記念撮影=DeNA提供

若者文化の新拠点 カワサキ文化公園が開業 Shigekixも祝福

 アーバンスポーツの新たな拠点となる「カワサキ文化公園」(幸区)が9月21日に開業し、同日午後にはオープニングイベントが開かれた。川崎市の福田紀彦市長や公園の運営事業者である(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)の元沢伸夫取締役会長らが出席したほか、ブレイキンの世界的パフォーマーであるShigekix(本名・半井重幸さん)もサプライズ登場した。

 バスケットボールやダンスなどを楽しめる場として約8万人に親しまれた「カワサキ文化会館」の閉館に伴い、幸町の国道用地に「会館」の機能を移設。スケートボードの専用施設や、アクロバティックな自転車競技「BMX」のエリアなど、設備を拡充した。

 イベントには市民ら約600人が駆けつけた。DeNAのスポーツ・スマートシティ事業本部川崎拠点開発室室長も務める元沢会長は、「バスケやダンスなどの若者文化は『川崎カルチャー』。この公園で様々なパートナーとサステナブルな取り組みを行い、川崎カルチャーとサステナビリティの二つを強力に推進していく」と語り、福田市長は「素晴らしい施設を作っていただいた。川崎市が応援するアーバンスポーツやカルチャーをここから発信していきたい」と述べた。

 続いてパリ五輪のブレイキン日本代表選手で川崎市在住のShigekixがサプライズゲストとして登場し、パフォーマンスで会場を沸かせた。川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手も「投げ初め式」で華麗なシュートを決め、閉会のあいさつで「この公園でいっぱいチャレンジして失敗して、たくましく元気に育って欲しい」と、集まった子どもたちにメッセージを送った。

 「カワサキ文化公園」の営業時間は、平日午後2時から午後8時までと、土日祝日は午前10時から午後8時までで、営業時間内はスタッフが常駐する。初回利用時に利用登録のうえ、入退場にはパスが必要になる。

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AIで生成した空き家のイメージ画像(川崎市提供)

「対策計画」改定から1年 川崎市 52戸に改善指導 予防の啓発チラシも作成

 年々増加する空き家の問題を解消するため、川崎市の「第2期空家等対策計画」の一部が昨年8月に改訂されて1年が過ぎた。行政指導の対象となる「管理不全空家」に52戸が認定されるなど新制度の効果は見られるといい、市は制度に関する啓発チラシを作成して一層の周知を図る構えだ。

 全国的に空き家は増え続けており、総務省によると2023年の時点で約900万戸という。このため国は23年12月に「空家法」の一部を改正し、市区町村が空き家の持ち主などに改善を促しやすいしくみを整えた。

 川崎市内の空き家も増加しており、23年時点で戸建て住宅約6千戸が空き家の状態だ。市は「空家法」の改正に伴い、昨年8月に「第2期空家等対策計画」を改定。保安上の危険が生じる可能性のある空き家などを「管理不全空家」と認定して指導・改善を促し、対応が見られない場合には「勧告・命令」のうえ、固定資産税の軽減措置を解除する制度となった。

 市によると、昨年9月の新制度開始から今年3月までに「管理不全空家」と認定されたのは52戸。所有者に対して文書で適切な管理を求めた結果、解体を始めたり、更地に戻したりしたケースが確認された。一方で対応が確認されないため「勧告」に至ったケースは13件で、このうち市が裁判所に清算の申し立てを行ったケースも2件あった。いずれも清算人による解体などの作業が進められているという。

 市の担当者は「新制度により少しずつ空き家の解消につながっている」と語る。より広く制度を周知する必要があるとして、このほど啓発チラシを作成し、区役所などで配布する。市ではまた、地域活動などに空き家を利用したいと考える希望者と、空き家の所有者を市がつなぐ「マッチング制度」も試行実施中だ。

 空き家に関する相談窓口は所有者向けが市住宅供給公社【電話】044・244・7590、空き家の近隣住民は市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。各区の地域振興課でも受け付ける。

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「ちびっ子薬剤師体験」のブースイメージ

GO!GO!!フロンターレ

大人も子どもも健康促進!

 富士通スタジアム川崎で10月13日(月・祝)、「富士通スタジアム川崎 健康長寿フェスタ2025 supported by ひまわり調剤薬局株式会社」が開催される。午前10時から午後3時。入場無料(一部ブース有料)。雨天中止。

 子どもからシニアまでの健康増進を目的としたさまざまなブースが出展。便秘薬をテーマにした「知って安心!お薬の説明会」をはじめ、同クラブOBの森谷賢太郎さんと薬剤師が登壇するトークショーなどで、薬の知識を深められる。「ちびっ子薬剤師体験会」では、分包・一包化という薬剤師の仕事が体験できる。

 ほかにも、家族でゆったりとした時間を楽しめる「あおぞら図書館&ぬりえコーナー」や、体の筋肉量や体脂肪量などが細かくわかる「自分の体が丸わかり!からだ測定会」など、健康意識が高まるブースが目白押し。担当者は「健康と向き合い、充実した日々を過ごしましょう」と参加を呼び掛けている。詳細は同スタジアム【電話】044・276・9133。

画像はいずれも川崎フロンターレ

不定期連載 市民健康の森だより 第201回 おかげさまで「連載200回」を迎えました

 この「市民健康の森だより」は前回(9月26日号)で連載200回となりました。令和2年9月に開始しましたから5年で200回、1年平均で40回も掲載して頂けたことになります。「健康の森だより」以外にもタウンニュースさんには私たちの活動やイベントを頻繁に記事として取り上げて頂いています。とてもありがたいことです。加えて、私たちの活動紹介となる「健康の森だより」を掲載して頂けるのは会の広報の観点から願ってもないことです。タウンニュースさんには感謝しかありません。

5年執筆して気付いた「活動の多彩さ」

 連載開始当初、健康の森だよりは不定期連載なので月に1〜2回寄稿すればよいだろうと考えていましたが、私たちの活動紹介を書き始めてみると活動は実に多彩であることに改めて気付きました。すぐに話題が尽きるかと思っていたのですがさにあらず、5年間書き続けています。

 私たちの活動は基本的には1年サイクルでの繰り返しが主ですが「緑の活動」の範囲は広くやることは多彩です。草刈り、樹木剪定、花壇整備、竹林整備などはほぼ毎週作業しますがそこから別の活動が派生するものもあります。例えば竹林整備で間伐した竹を使って炭焼きや竹細工制作が出来ます。更に炭焼きで出来た竹炭や竹酢液、竹細工品はお祭りなどのイベントで出品して会としての収入ともなります。

 収入になるのは勿論ありがたいのですが、会員の活動を観察していて思うのは、実益よりも大事なのは会での諸活動が会員の意欲向上に寄与出来ていると思えることです。私たちは筆者を含め高齢会員が多数を占めています。高齢者にとって大切なのは「仲間と一緒に楽しく何かをやる」ことでしょう。当会の基本コンセプトは「ゆっくり みんなで たのしみながら」です。この精神で活動する会員の活躍を観察し、書いて寄稿することで筆者はやりがいを感じています。

検証 福田市政㊤ 描く未来へ抜かりはないか 子育て支援・教育に注力

 10月12日告示、26日に投開票される川崎市長選挙。本紙は、3期目・4年間の福田市政を2週にわたり検証する。

   ◇ ◇ ◇

 川崎市が誕生し100年を迎えた昨年度、市内では節目を祝うさまざまなプロジェクトが行われた。その記念事業実行委員会の委員長となった福田紀彦市長の主導の下、参画した団体・企業は約400、「重ね合わせることで新たな価値や行動を」と呼び掛けて実施された事業や催しは700を超えた。行政独自では難しい取り組みを、民間の資金と人材を活用し実現させたのは、福田市長が掲げる「市民派市長」としての10年余りの実績を示した格好ともいえる。同時に開催した「全国都市緑化かわさきフェア」では秋春2期制を全国で初めて導入し、来場者は約162万人、市内への経済波及効果は88・7億円と推計。児童生徒による花苗づくりや、市民ボランティアの輪を広げ、来場者アンケートでは「花や自然への関心が高まった」という声が9割近くに上った。

 その実行委員会も当該年度を終え解散。「次の100年へのレガシー」を合言葉に、「100+1」のポスターを市内に掲出するが、重要なのは検証だ。官民連携の持続性、緑化フェアの会場となった等々力緑地の再編整備で注視される樹木伐採計画も含め、100周年が一過性で終わらぬように。十分な検証なくして前には進めない。

 また福田市長が力を入れてきた取り組みの一つが子育て支援だ。希望しても認可保育所などに入れない待機児童は5年連続でゼロを維持し、保育士や看護師ら専門職への相談も可能な支援拠点「保育・子育て総合支援センター」の設置を進め、提供を始めたかわさき子育てアプリも刷新の方針。中学3年までを対象としていた小児医療費の助成は、18歳を迎えた年度末までに拡充し、一部負担金撤廃を表明。一方、小児ぜん息患者医療費支給制度は廃止した。

 周辺自治体や時代の流れに合わせて政策を打ち出してきたが、市内の人口が年々増える一方で、子育て世代にあたる30〜40代は市外への「転出超過」が続き、転入との差は5年間で1万3千人超に。東京都の保育料無償化などから見える財政支援での自治体間競争では分が悪く、福田市長の「国が一律で整備すべき」との主張もかなわない中、支援の質やきめ細かさ、環境への配慮がどこまで届いているか。少子化対策にもつなげ、子育て世代から選ばれる都市になれるかが課題だ。

 教育面では、学習状況調査の対象拡大と、GIGA端末ソフトを連動させた支援策を導入。「誰一人取り残さない学び」を目指し、苦手科目の分析・克服など個別最適化させた指導を進め、今年4月に実施された小4・中3対象の全国学力・学習状況調査の正答率は、いずれの教科も全国平均を上回った。一方で、教員の不足は5年連続で100人を超えており、教育の質低下への懸念は続く。教員の働き方改革が進み、下校時間が早まる中、家庭環境や経済状況による学力格差の拡大も危惧される。増える不登校やヤングケアラーへの対応も、次の100年を描く上で不可欠だ。