高津区 人物風土記
公開日:2025.10.03
高津区にある3つの小学校の寺子屋事業をコーディネートしている
藤迫 明子さん
末長在住
「子どもの笑顔」「地域」のため
○…NPO法人高津総合型スポーツクラブSELFで事務局スタッフとして多忙な日々を過ごす。3歳から90歳までの約1300人の会員が、好きなプログラムに参加できる同クラブ。その中で、とりわけやりがいを感じているのが「川崎市の委託事業である『小学校の寺子屋』ですね」と笑顔をみせる。
○…SELFのスタッフとなったのは今から12年前。同時に久本小学校の寺子屋事業に携わるようになり、コーディーネーターを担当した。当時、普及の先駆けだった近代の寺子屋は「庶民の子どもに読み書き等の教育を施す所」などと考えられており、ボランティアの私塾のようにも捉えられていた。だが利用者のニーズを探るべく行ったアンケートでは「勉強より家庭では経験できないような体験授業をしてほしい」といった声が圧倒的に多かったことが自分なりの寺子屋の運営方針を決定付けたという。
○…編み出したのは「テーマを決めた体験重視型」。シニア世代の地域人材を講師に招き、放課後の学習支援と月に1度の体験活動をメインに据えたユニークなスタイルは瞬く間に評判を集め、担当する小学校も年を追うごとに増加。今では末長小、坂戸小と3校の寺子屋コーディネートを受け持つ。「協力していただいた講師との出会いは数え切れません。本当にありがたいことです」と、しみじみ語る。
○…「寺子屋を通じて一番勉強させて頂いたのは、紛れもない自分」と言い切り「子ども達の輝く眼差しと講師の情熱に支えられてきた」と、周囲への感謝も忘れない。最近では講師を推薦してくれる協力者なども増えているのだとか。「これからも子ども達の笑顔のため、地域のために」。寺子屋と共に成長の日々が、今日も続く―。
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