中区・西区・南区版【10月30日(木)号】
復元された白い四神旗=右=と古くから伝わる旧四神旗=左=について説明する阿久津宮司

伊勢山皇大神宮 「四神旗」を復元 皮着せ技法の再現で

伊勢山皇大神宮=西区宮崎町=に古くから伝わる「四神旗」が、このたび復元された。明治期の独特な技法が使われていたことなどから、これまで復元は困難とされていた。来年5月15日の例祭で一般に初披露される。

四神旗とは青龍、朱雀、白虎、玄武という四方の神(四神)を描いた4本の旗で、神前儀飾などに用いられる。同神社に伝わる四神旗は横約55cm×縦約1m43cm。白を基調に金糸や銀糸を使った刺繡で、4頭の聖獣が縫われている。色を使ったものが多い中で、白を基調にしたものは珍しいという。詳しい年代は不明だが、明治以降の作品だと推察される。

四神旗は、経年劣化で布のほつれや汚れが目立つようになっていた。だが、明治以降に用いられた特殊な「皮着せ」(芯糸に上質の絹糸を巻き付ける撚糸(よりいと)方法)という技法が使われていること、金糸・銀糸と呼ばれる普通の四神旗には使われない糸が用いられていることから長年、補修は困難と考えられてきた。

「補修困難」覆す

補修や復元の可能性を探る中、京都で祇園祭の山車を飾る刺繍などを手掛ける樹田紅陽さんにたどり着いた。樹田さんに改めて四神旗の調査を依頼したところ、皮着せが京都の刺繍技術者に伝承されていることが分かり、復元可能と回答を得た。昨年1月から取りかかり、約1年半かけて復元。10月14日に「四神旗復元奉告祭」が執り行われ、同神宮に奉納された。

皮着せという糸づくりから取り組み、「最初は撚りが不安定で失敗することもあった」と振り返る樹田さん。「威勢のよい図案で、細やかな配慮が見られる」と評する元の作風をくずさぬよう、工房の弟子と計4人で慎重に縫い進めていった。

復元された四神旗を前に阿久津裕司宮司は、「昔の四神旗の姿が偲ばれ、『うちのは特別』だとより一層感じた。神社の役割でもある、"文化継承"ができたことも、ありがたい」と感慨深げに話す。今後、同神宮の例祭、新嘗祭、祈念祭という重要な神事に用いられる。

根岸住宅地区跡地 「方向性」に意見募集 利用計画検討の参考に

横浜市はこのほど、中区・南区・磯子区にまたがる米軍根岸住宅地区跡地の「土地利用の方向性」をとりまとめた。11月19日(水)まで市民の意見を募集している。

根岸住宅地区は、2004年に日米間で返還方針が合意された約43haの旧米軍施設だ。

現地では施設の撤去がほぼ完了し、返還に向けた準備が進んでいる。市は21年に跡地利用基本計画を策定。だが、同地区を移転の最有力候補地としていた横浜市立大学附属病院は、南区浦舟町に整備する方針に見直した。市はこうした状況の変化もとらえつつ、検討を進めてきた。

今春、同地区の土地利用や企画に関心がある法人を対象に「サウンディング型市場調査(対話)」を実施。また、地域や地権者らへの説明を踏まえ、今回の土地利用の方向性がまとめられた。

方向性で新たに示されたのは、地区中央に位置するセンターゾーンに、新たに商業、子育て施設などの生活利便施設や公園などの公共公益施設を配置すること。これまでの計画にもあった横浜市立大学医学部やこれと連携した研究施設などと合わせ、様々な人の交流や賑わいづくりを進めるとしている。また、駅や各方面からのアクセスを想定し、骨格となる道路と緑のネットワークを形成し、その周りに良好な住環境の形成を目指す住宅地等ゾーン、根岸森林公園を拡張する森林公園ゾーンを配置する。

市民からの意見は、横浜市電子申請・届出システム、電子メール、ファクス、郵送のいずれかで受け付ける。集まった意見の概要は市の考え方とあわせ市ホームページで公表。集まった意見を検討の参考とし、年内をめどに土地利用計画(案)にまとめる予定だ。

意見募集のリーフレットは、中・南・磯子区の各区役所やJR山手駅、JR根岸駅、地下鉄吉野町駅などで配架されているほか、市都市整備局基地対策課のホームページでも公開されている。問い合わせは同課045・671・2472。

10年目を迎えた横浜総合高校の校内カフェ運営の事務局を務める 山中 梓さん 中区太田町在勤 32歳

視線の先に若者の成長

 ○…青少年の育成支援を行う(公財)よこはまユースの職員として、横浜総合高校の校内で開催される「ようこそカフェ」の運営を担当。学生の学びにつながるボランティアや民間事業者をカフェにつなげるコーディネートなどが役割だ。同カフェは、10月で10年目を迎えた。「社会に出て様々な活動を行う方たちと生徒をつなぐことで、これからも生徒たちの未来を広げたい」と笑顔で話す。

 ○…都筑区で生まれ育った。自宅周辺には、図書館や公園、緑があり「放課後、遊ぶところが多く楽しかった」と振り返る。中学3年のとき、父の転勤で愛知県へ。そのまま大学を卒業し自動車メーカーに就職した。コロナ禍に入り、リモートでの仕事が多くなる中で「人に関わる仕事がしたい」と思うようになった。そこで目にした、よこはまユースの求人案内に手を伸ばした。

 ○…「中3で横浜から離れて、高校生のときに寂しい思いをした。進路や悩みなど近くに相談できる人が欲しかった」と振り返る。その経験があり、今の若者を支える仕事に迷いはなかった。また、横浜に再び住めることが嬉しかったという。現在は夫と港北区に住む。休みの日は、東急東横線の線路沿いを夫婦で散歩するのが息抜きだ。

 ○…同カフェの運営を担当し4年が経った。約1000人の生徒が在籍している中で、カフェには約350人が参加する。多くの団体と打ち合わせを行う日々。その中でも常に視線の先にあるのは「生徒の成長につなげたい」という思いだ。「生徒の悩みや期待に応えられたときの生徒の笑顔や、喜びと感謝の声が何よりも嬉しい」とやりがいを語る。これからもカフェが生徒たちの「インフラ」になるよう、運営を進めていく。

横浜市 インフルエンザの流行注意報発令 15歳未満が約8割

 横浜市は10月29日、インフルエンザ流行注意報を発令した。

 市の感染症発生動向調査によると、10月20日から26日までの1週間で、市内の定点医療機関あたりの患者報告数が11・07人となり、注意報発令の目安となる10・00人を超えた。13日から19日の週は5・44人で1週間で倍以上に増えた。昨シーズンの市内の注意報発令は12月19日だった。

 年齢別では10歳未満が全体の51・5%、15歳未満が79・1%を占めており、子どもを中心に感染が拡大している。学級閉鎖は小学校を中心に47施設、患者数は625人に達している。

 区別では、栄区が37・00人で最多。瀬谷区の25・33人、鶴見区の20・14人と続く。最少は中区の2・50人。

 市は、咳エチケットやこまめな手洗い、十分な休養とバランスの良い食事、室内の適切な湿度(50〜60%)管理と換気を呼びかけている。重症化予防のためのワクチン接種も推奨し、高齢者向けの予防接種は10月から始まっている。
会場が一体となった盛り上がりをみせた(平沼高生のバンド「HEXAGLAM」)

世代や学校超え「音楽でつながる絆」平沼高が翠嵐高と合同ライブ

 横浜平沼高校=西区=と横浜翠嵐高校=神奈川区=の軽音楽部による合同ライブイベントが10月19日、平沼高校の小ホールで開催された。

 同イベントは、平沼高校125周年記念プレイベントの一環。両校伝統の体育対抗戦「平翠戦(翠平戦)」が昨年復活したことから、得点を競わない「文化系の平翠戦」として実施された。「GHOST×NOTES」をタイトルに掲げ、企画や設営、楽曲にあわせた照明から音響まで、生徒たち自らが手掛けた。

 当日は現役生バンドが各校4組ずつと両校の合同バンド、平沼卒業生2組を含めた全11組が参加。保護者や学校関係者ら約200人の観客を前にステージを繰り広げた。

 普段は2バンドで活動しているという卒業生の宮田佳明さん(79期)は、今回ピアノソロで出演。ショパンの「革命」や「英雄」といったクラシックの名曲から、「渚のシンドバット」「銀河鉄道999」まで、さまざまなジャンルの楽曲を一気に弾ききる圧巻のパフォーマンスで観客を魅了した。

 続いて登場したのは、卒業生の田中一寿さん(82期)が率いるバンド「The Edge」。平日は社会人として働きながら、休日はライブハウスで活動しているという彼らのステージは、現役生に引けを取らない若さとパワフルさに満ち溢れていた。

熱気に包まれたステージ

 現役生たちの演奏では、観客が拳をあげたり、ジャンプしたりと会場が一体になった盛り上がりをみせた。

 両校の軽音部は、10月に横浜駅西口エリアで行われた高校生主体のイベント「TEENS PARTY 2025」でも共演を果たしている。今回は卒業生も加わり、まさに「世代を超えた平翠の絆」が音で結ばれた1日となった。
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県西の灯りが集う「あしがら灯りの祭典IN最乗寺」11月22日~30日
南足柄・大雄山最乗寺紅葉ライトアップ
県西の灯りが集う「あしがら灯りの祭典IN最乗寺」11月22日~30日
「鉄道ファン親子特別ツアー」「座禅&足柄茶プレミアム体験」で満喫
秋の気配が深まる神奈川県西部、600年の歴史を持つ大雄山最乗寺(南足柄市大雄町)で赤や黄色に色づく紅葉のライトアップが11月22日(土)から始まる。11月30日... (続きを読む)
宅建市民セミナーのチラシ

参加無料 大ヒットドラマ『地面師たち』の監修者に聞く「不動産取引詐欺の実態と対策」講演会 横浜で11月13日(木)に開催

 宅建協会の市民セミナー「ドラマ『地面師たち』の世界から学ぶ〜不動産取引詐欺の実態と対策〜」が11月13日(木)、関東学院大学関内キャンパス「テンネー記念ホール」 (JR「関内駅」南口正面)で行われる。公益社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会横浜4支部(横浜中央支部、横浜南部支部、横浜西部支部、横浜北支部)の共催。

 2024年7月のリリース以降、Netflixで大ヒットしたドラマ「地面師たち」。売主になりすました地面師グループが、大企業から約100億円を騙し取ろうとする不動産取引の現場がドラマチックに描かれたストーリーだ。今回のセミナーでは、このドラマの監修者である司法書士の長田修和さんが講演 。そのドラマ製作の舞台裏や、不動産取引詐欺の実態と対策について学ぶことができる。

申込は11月5日(水)まで

 時間は午後6時から7時40分(開場5時30分)。参加無料。定員は650人(先着順)で事前申し込み制。参加希望者は、11月5日(水)までにメール(info@takken-yokohama.jp)またはFAX(045・662・3004)、LINE、ハガキ(〒231-0028横浜市中区翁町1の6の11神奈川県宅地建物取引業協会横浜中央支部)で、【1】氏名【2】郵便番号【3】住所【4】電話番号【5】人数(最大2人)【6】メールアドレス(メール申込みの場合のみ)を記載して申込を。当選者には入場券(はがき)が送付される。問い合わせは【電話】045・662・3003まで「タウンニュース見た」と電話を。
区長らに塗り絵を紹介する児童

本町小3年1組 花博テーマに塗り絵作成 中区民まつりで披露

 本町小学校=中区花咲町=の3年1組の児童31人は、総合的な学習の時間で「3-1 にこにこぬーりえ」作りに挑戦している。11月9日(日)に行われる中区民祭りで、描いた塗り絵の線画を設置したブースを出し、来場者に色鉛筆で色塗りをしてもらう予定だ。

 10月22日に中区役所を訪れ、永井由香区長にこれまでの活動や塗り絵の線画を発表した。

 児童は今年5月、大きな塗り絵に誰でも自由に色が塗れるイベントに参加。「子どもも大人も、外国の方も、みんなに楽しんでもらえる塗り絵を作りたい」と考えた。

 最近、街でよく見かけるようになったポスターに掲げられた「GREEN×EXPO 2027(花博)」をテーマに決め、中区役所の職員に花博について尋ねた。その際、同じ年に中区が100周年を迎えると教えてもらい、花博と中区制100周年の塗り絵を作ることにした。

 塗り絵の線画は、県内を中心に活動するイラストレーターのほしさんから指導を受けて描いた。適した線の太さや特徴を捉えて書くこと、著作権についてなどを学んだ。

 花博のテーマ「幸せを創る明日の風景」をイメージし、児童が思いを込めて作成した線画には、市や各区の花、本町の街並み、区のマスコットキャラクターなどが描かれている。

 岡田実和さんは「塗る人のことを考えて丁寧に描いた。区民まつりではいろいろな人に塗ってほしい」と話した。

南区文化祭が50回目 11月1日から公会堂などで

 南区文化祭が11月1日(土)〜3日(月)、南区役所と区役所内のみなみん(南公会堂)で開催される。

 南区内で文化活動をしている団体の発表の場と地域交流が目的。今年で50回目を迎える。

 みなみんでは、合唱祭(1日)や舞踊・ダンスなどの区民ステージ(2日)、フランダンスなどのフラフェスタ(3日)を開催する。詳細は、南区役所ホームページで確認を。
防犯パトロールを行う風見さん、桜井さん、仲村さん

加賀町署 犯罪撲滅を呼びかけ 「えびちゅう」が1日署長に

 加賀町警察署(木村一署長)は10月17日、安全・安心まちづくり旬間の一環として防犯キャンペーンを実施した。

 この日は女性アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバー風見和香さん、桜井えまさん、仲村悠菜さんが1日警察署長に就任。3人は特殊詐欺被害などに注意喚起を呼びかける「特殊詐欺撲滅宣言」を読み上げた後、中華街大通りで防犯パトロールを行った。

 神奈川県出身という桜井さんは「特殊詐欺の被害が増えているというニュースを見ることも多い。あらかじめ合言葉を決めておいたり、普段から家族で連絡を取り合っていることも大切だと思う。1人でも多くの人が、笑顔で安心して過ごせるまちになってほしい」と話していた。

 当日は、加賀町防犯協会など地域ボランティア団体も駆けつけ、約80人が参加した。

横浜市 火葬需要増で斎場ひっ迫 新施設整備で改善図る

 昨年度の横浜市内の死亡者数は4万人を超え、それに伴い火葬需要も増加している。市内5カ所の斎場では受入可能数も限界が近く、火葬待ち日数も年々長期化の傾向にある。市は鶴見区に新しい斎場の整備を行っており、2027年の3月から供用を始め、火葬待ち日数の短縮につなげる意向だ。

   ◇  ◇

 昨年度の横浜市内の死亡者数は、4万575人と近年で最多だった。死亡者数は5年前に比べて約1・2倍で今後も増加の見込み。市の推計では59年に死亡者数が5万人を超えるとされている。

 死亡者数増に伴い、市内斎場の火葬件数、需要共に増加している。市内には西区、戸塚区、金沢区、緑区の4カ所に市営斎場があり、神奈川区にある民営1カ所と合わせて5つの斎場がある。

 昨年度は5斎場54炉での火葬は3万9781件だった。また、市営4斎場では受入可能な1月の火葬件数を3456件としており、限界に近い。市営4斎場の火葬待ち日数は平均で5日を超え、長期化の傾向にある。

 市健康福祉局は「正午前後の火葬希望が多く枠が取れないために待ち日数が長くなってしまうこともある」と説明する。市は待ち日数を短縮しようと、それまで閉場していた「友引」の日にも輪番で1カ所を開くなどの対応を行ってきた。

 また、既存斎場の火葬炉増設を検討したが、増築が必要なことや工期が長期間に及ぶことなどから見送られ、鶴見区に「東部方面斎場(仮称)」の新設を決定した。

1万2千体の火葬可能に

 同斎場の供用が開始されると、年間1万2000体の火葬が可能となり、現在の火葬待ち日数が短くなることが見込まれる。現在、鶴見区では市営斎場と離れているため、区民の火葬の約1割は川崎市などの市外斎場を利用している。このため、新斎場は鶴見区や港北区、神奈川区などからの利用が予測される。

 市の担当者は「新斎場ができれば今後30年間の火葬需要に対応できる。火葬待ちの長期化解消はもちろん、将来にわたって安定的な需要に応えたい」と話している。
朝倉さん(左)の解説を聞きながら作品を鑑賞する来場者

現代日本画家・朝倉さんら 大通り公園 迫力ある絵画並ぶ

 大通り公園の活用により地域活性化を目指す市民団体・横浜東部活性会が主催する芸術展「そして生きる。」が10月10日〜14日まで大通り公園の7区、8区=南区=で開催された。

 芸術展では、現代日本画家で国内外で公募展などを開き、活躍する南区出身の朝倉隆文さんと脳性麻痺による運動障害がありながら、多くの日本画や油画を描く磯子区出身の塚田麻美さんの作品が展示された。またキッチンカーも登場した。

 13日には、朝倉さんも参加し、来場者に作品について解説したり、写真撮影に応じたりした。同会の代表の吉井肇さんは「イベントを続けながら、賑わいを生みだしていきたい」と話した。
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県内小中体育館空調設置率 全国平均を下回る 本紙調査 今年度末でも2割超

 近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館等の空調設置。本紙は設置状況について県内の各自治体にアンケート調査を実施した。今年度末までに設置率が21・9%になる見込みである一方で、依然として全国平均を下回ることが分かった。

 文科省では学校体育館の空調設置に国の支援制度を周知するなど導入を推進している。

 県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対して、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日現在)によると、体育館等の設置率は14・6%で全国平均の22・7%を下回っている。県内の自治体別に見ると、設置率100%は神奈川県を含む34自治体のうち綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。一方で0%が17自治体、27の自治体で50%を下回っている。

 アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。すでに設置完了の4自治体を除き、23の自治体で検討が進んでいる。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、具体的な予定はないが、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。

 また、設置予定がないと答えた自治体の中には、「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。

横浜市29年度に完了

 横浜市は今年1月、整備計画を5年前倒しし、29年度までに完了する方針を打ち出した(建て替えや大規模改修が予定されている学校は除く)。今年度の予算は今年2月の補正予算で計上された7億9千万円とあわせ、約20億円。29校の整備を予定する。

 設置する学校の優先度は、「地域防災拠点や指定避難所の指定状況」「建物構造上特に風通しの悪い体育館」「児童生徒数」「投票所など学校活用事業の有無」などを参考に決める。整備が遅れる学校については、大型冷風扇の配置などの暑さ対策を実施。

 ※アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の市町村に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。
みなとみらい周辺のごみを拾う参加者

「横浜を世界一美しい町に」 約40社が一斉清掃

 中区西区内で10月11日、NPO法人美しい港町横濱をつくる会(加藤和之会長)による一斉清掃が行われた。

 同会は「横浜を世界一美しい町にしよう」を合言葉に、地元企業の有志らで2010年8月に設立。現在約100社が加盟する。市内の最大規模の清掃ボランティア団体だ。年2回の一斉清掃は、コロナ禍でも各事業所が周辺のごみ拾いを行うかたちで続けてきた。

 今回は15年目30回の節目。小雨が降る中での開催となったが、約40社400人以上が参加。集合場所の帆船日本丸前を出発し、グループごとにみなとみらいや横浜駅、関内周辺エリアをごみを拾いながら歩いた。加藤会長は「昔に比べて各地の清掃活動の輪が広がり、街全体がキレイになったと感じる。今後は学生や海外の方たちとも一緒に活動ができたら」と思いを話した。
ステージのオープニングを飾る杉豊太鼓同友会=提供

11月2日は西区民まつり ダンスで開催50回祝う

 「西区民まつり」が11月2日(日)の午前10時から午後3時まで、戸部公園、西前小学校などで行われる。小雨決行。

 今年は、開催50年を記念した特別企画のダンスステージを開催。横浜初のプロダンスチーム・List::X(リストエクス)や横浜平沼高校ダンス部がパフォーマンスを披露する。

 誰もが楽しめるインクルーシブスポーツ体験会では、風船バレーや車いすバスケットボールチームの選手と一緒に競技が体験できる。

 その他、100を超える地域の団体や企業が活動を紹介するブースや飲食ブース、約20団体が演奏やダンスを披露するステージなど。

 当日は、会場と区内各地を結ぶ無料シャトルバスが運行する。(問)同まつり実行委員会事務局【電話】045・320・8386
法務大臣から感謝状を受けた宮林住職

大光院宮林雄彦住職 法務大臣から感謝状 刑務所で更生活動に尽力

回数は400回以上

 南区三春台にある大光院の宮林雄彦住職にこのほど、法務大臣から感謝状が贈られた。宮林住職は教誨師として長年、横浜刑務所=港南区=で受刑者に更生活動を行っており、その回数は400回を超える。宮林住職は「継続してきた活動に光が当たり嬉しいです」と笑顔で話す。

 教誨とは、刑務所などの矯正施設で受刑者の育成や精神的救済を目的に行われる法話・法要などの活動で、教誨を行う人を教誨師と呼ぶ。受刑者の希望に沿って各宗教各宗派がそれぞれ担当する。横浜刑務所では現在、約20人が教誨師として活動している。

読経や写経を

 宮林住職は父から継ぎ、23年前から同刑務所で年に20回程度活動する。1回に4〜8人の受刑者グループを対象に、1時間かけて季節の法話や読経、写経などを行う。また、希望すれば受刑者個人も担当し、先祖などへの供養も実施する。「どんな罪を犯して、刑務所に入ることになったのかはわからないが、教誨を望む方は皆、真面目に取り組んでいます」と様子を語る。

 3年前にも教誨活動で法務大臣から表彰状を受けた宮林住職。長年受刑者の精神の拠り所となる中で、当初は落ち着きがなかった受刑者が丁寧に写経できるようになるなど、改心していく姿を見てきた。今後の活動に向け宮林住職は「教誨活動が少しでも受刑者の心を整え、改心することにつながればと思います。再犯を絶つためにも、今後も続けていければと思います」と話す。

イセザキで11月1日プレミアム商品券

 伊勢佐木町4丁目特設会場で11月1日(土)10時〜16時、商店街内対象店で使える500円券12枚綴りの商品券(6000円相当・利用期限は来年1月31日まで)を5000円で販売。1人6冊まで。先着順。完売までは伊勢佐木町商店街事務局で販売。(問)【電話】045・261・2835

南区 こんにちは区長です。

文化の秋、南区で50回目の祭典

 南区文化祭は、今年で記念すべき第50回を迎えます。区内で文化活動を行う団体の発表の場であるとともに、地域の皆さんが交流を深めることを目的とした文化の祭典です。南区文化祭実行委員会の大竹委員長は、「節目の年ということもあり、これまで以上に皆様に楽しんでいただける企画を多数用意しています。ぜひご期待ください」と力強く話します。

 開催期間は、11月1日(土)〜3日(月・祝)の3連休。南区役所および南公会堂を会場に、音楽・伝統芸能・芸術作品などの鑑賞のほか、子どもから大人まで楽しめる参加型ワークショップや国際色豊かな多文化交流コーナーなどを多数開催予定です。

 文化の秋、南区の魅力を再発見できる3日間です。皆さんお誘いあわせの上、ぜひ、ご来場ください。

八景島で遊んで学ぼう 小学生親子25組を招待

 小学生を対象にした「ディスカバリーチャンネル・アニマルプラネットPresents 横浜・八景島シーパラダイス 1日限りのスペシャル体験」が11月29日(土)に開催される。ディスカバリー・ジャパン(株)主催、湘南ケーブルネットワーク(株)と横浜・八景島シーパラダイスの協力のもと、小学生と保護者25組50人を招待する。

 当日は八景島を周遊する「Paradise CruiseII」乗船(午後2時〜2時30分)、海の環境を体感する「東京湾ワンダーウォッチャーズ」(2時50分〜3時30分)を予定。ワンデーパス付きで自由時間は島内で過ごす。

 参加対象は小学1〜6年生とその保護者(1組2人)。希望者は湘南ケーブルネットワーク(株)のホームページ内の専用バナーからイベント特設サイトにアクセスし応募する。11月9日(日)締切。当選者には11月中旬までに当選メールが届く。

(問)横浜・八景島シーパラダイス「ディスカバリーキッズデー」事務局【電話】090・3044・2575(10時〜18時受付)
講演した医師の浅井さん

帯状疱疹「ワクチン接種で予防を」横浜市医師会が講演

 横浜市医師会(戸塚武和会長)が横浜市役所1階のアトリウムで10月16日、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)予防接種」の講演会を開催した。

 帯状疱疹とは、過去に水ぼうそうにかかった際に体内に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経に沿って痛みを伴う赤い発疹が出現する病気。加齢などによる免疫機能低下や疲労、ストレスなどが発症原因で、50歳以上で罹患率が高くなり、70代で最も多く発症。80歳までに約3人に1人がかかるといわれている。後遺症として神経痛が残る場合もある。

 同講演会は、今年度から定期接種の対象になった帯状疱疹ワクチンの予防接種について、神奈川県民に理解を深めてもらうことを目的に実施。神奈川県皮膚科医会副会長の浅井俊弥さんが講師を務め、さまざまな症例写真を紹介しながら、帯状疱疹の特性や合併症などの注意点を解説。ワクチンは、皮下に1回接種する「生ワクチン」と筋肉内に2回接種する「不活化ワクチン」の2種類があるとし、それぞれの特徴や予防における有効性について説いた。最後の質問タイムでは、「どちらのワクチンを選んだらよいか」「持病による副作用は」「若い人にも増えていると聞くが、自費でもワクチンを打った方がよいか」といった具体的な質問が参加者から次々と飛び出した。

 浅井さんは「若い人は生ワクチンでもよいが、高齢者は不活化ワクチンがよいと思う。最終的には患者さんと話し合って決める」と話した。参加者の中には熱心にメモを取りながら聞き入る人も多く、関心の高さがうかがえた。

65歳に接種費用を一部助成

 横浜市では7月から、帯状疱疹ワクチンの定期予防接種の費用を一部助成している。対象者は今年度65歳になる人と、5年間は経過措置として70歳から5歳刻みに100歳までの人(今年度のみ100歳以上も対象)。市内の対象者は約21万人で、今年の6月下旬以降予診票を同封した封筒が個別に送付されている。今年度の実施期間は、2026年3月31日まで。「不活化ワクチンの場合は2カ月以上の間隔を置いて2回接種しなければいけないため、助成を使うには1月中に一度の接種が必要となる」と横浜市医師会。横浜市では「65歳以上で公費負担で受けられる機会は生涯に一度だけ。今回封筒が届いた人で希望者は早めに医療機関で相談を」と呼びかけている。

 問合せは横浜市予防接種コールセンター【電話】045・330・8561
1グループ貸切でゆったり過ごせる

快適な空間で競馬を楽しもう ウインズ横浜 プライベートエリアに招待 11月〜12月の応募受付中

 ウインズ横浜内に12月までの期間限定で「プライベートエリア」がオープン。「UMACA会員」限定で1日1組を招待する。UMACA会員(当日入会OK※入会金・年会費永年無料)が対象。現在11月15・16・22・23・24日(GI開催週)全5日間の応募を11月2日まで受け付けている。

 広々としたプライベート空間で、レース実況とオッズ用モニター、馬券購入機を完備。アルコールなど飲食の持ち込みも自由で、グループみんなでわいわい楽しめる。冷蔵庫や電子レンジ、ポットも完備。競馬専門紙、スポーツ紙も数部用意されており、至れり尽くせりの内容だ。

 4〜6人のグループ(参加者全員20歳以上)で参加。応募は専用サイトで。希望者多数の場合、月ごとに抽選。
横浜BUNTAIの前で大会ポスターを掲げる三宅選手

プロレス「GLEAT」が11月3日に横浜BUNTAI大会 戸塚区出身・三宅豪選手が意気込み

プロレス団体「GLEAT」の横浜BUNTAI大会が11月3日(月・祝)に行われる。同団体の年間最大のビッグマッチ「GLEAT VER.MEGA in YOKOHAMA」を前に戸塚区出身で同団体期待の若手である三宅豪選手(24)に意気込みを聞いた。

見るよりもやる方が面白い

三宅選手は小学生の時からレスリングを始め、プロレスや格闘技が好きな父親の影響でプロレスに興味を持つようになった。高校生の時に獣神サンダー・ライガーさんの「プロレスは見るよりもやる方が面白い」という言葉を知り、「やる方が面白いなら、自分も絶対やりたい」とプロレスラーを目指した。

国内にプロレス団体が乱立する中、2020年に立ち上がったばかりの「GLEAT」を選んだ。「発展途上のベンチャー団体で、自分も団体と一緒に成長できると思った」という。23年4月にプロテストを経て入団。団体の生え抜き第1号選手として24年4月にデビュー。夢見た舞台に立ち、「今までやったことがないことばかりで、楽しめた」と振り返る。

けがで強まったリングへの思い

しかし、直後に膝の靭帯を損傷し、手術・長期休養を余儀なくされた。「けがをしたことによって、改めてプロレスが好きだなと思った」とリングへの思いが強まった。

今年10月9日に復帰し、横浜大会では開場直後に行われる「第0試合」のバトルロイヤルに登場する。BUNTAIの前身である横浜文化体育館について、「子どもの頃に大会で訪れた場所であり、戻って来られるのがうれしい。最初の試合で盛り上げたい」と話す。

団体引っ張る存在に

横浜大会では三宅選手がテスト時から指導を受けてきたエル・リンダマン選手にCIMA選手が挑むG-REX選手権がメイン。ほかに、中嶋勝彦選手と諏訪魔選手のシングルマッチなど、注目のカードが並ぶ。三宅選手は「GLEATはまだ固まり切っていない団体なので、観客の皆さんと一緒に興行を作っていく雰囲気がある」と語り、「自分が団体を引っ張れる存在になりたい」と横浜大会から飛躍を誓った。

大会は午後4時開場。前売り3500円から販売中。
丸太を切る早川会長

横浜ロータリークラブ 道志村で水源林守る活動

 社会奉仕団体である横浜ロータリークラブ(早川正雄会長)は10月25日、横浜の水源の一つである山梨県道志村で奉仕活動を行った。

 同クラブは1988年、道志村にある水源林のうち、約3ヘクタールを「横浜ロータリーの森」と名付け、整備活動の支援を開始。水源かん養林の間伐に携わることで森を守る大切さを学ぼうと、毎年、活動を行っている。今回は横浜ローターアクトクラブ、聖光学院インターアクトクラブの会員らを合わせて約80人が参加した。

 参加者は市水道局から水源林についての説明を受けた後、のこぎりで丸太を切り、杭を作る作業を行った。また、「横浜ロータリーの森」を示す新しい看板の除幕式もあり、大きな看板が森に設置された。
会見で共同メッセージを発表する黒岩知事(中央)と右から山口会長、吉田会長、(1人おいて)鈴木会長(10月27日、県庁)

病院経営危機で神奈川県と医療関係団体が共同メッセージ 「このままでは立ちゆかない」

神奈川県と県内の医療関係3団体は10月27日、県内の病院が深刻な経営危機に直面していることを訴える共同メッセージを発表した。

メッセージは「『いのち』を守る病院を、地域のみんなで支えるために〜『Save Our Hospital!』」と題したもので、県と県病院協会、県医師会、県精神科病院協会の4者が連名で出した。

同日、県庁で記者会見があり、黒岩祐治知事は「病院の約7割が赤字経営で病院の経営は苦しい状況」と現状を説明。県病院協会の吉田勝明会長は「病院は内部留保が少なく、銀行からの融資で経営がつながっている状態。最新の医療機器を買えず、県民に迷惑がかかってしまう」と苦しい状況を訴えた。県医師会の鈴木紳一郎会長は「診療報酬が上がらず、このままでは地域の病院も診療所も立ちゆかなくなる」、県精神科病院協会の山口哲顕会長は「物価高で経営危機が加速している」とそれぞれ危機感を示した。

高市首相は24日の所信表明演説で診療報酬の改定に賃上げや物価高を反映させるのと同時に、改定を待たずに医療機関へ補助金を出す方針を明らかにしている。

黒岩知事は「診療報酬改定の議論が大詰めということもあり、メッセージを出した」と意義を説明。県民に▽病院は経営危機に直面し、医療資源には限りがあることへの理解▽救急医療の適正利用とかながわ救急相談センター(♯7119)の活用▽医療事務職や看護補助者としての勤務――への協力を求めた。
「ケルヒャー」の高圧洗浄機

横浜市のふるさと納税返礼品に「ケルヒャー」追加

 横浜市は、ふるさと納税の返礼品として、市内に本社や開発拠点を持つ企業の家電製品を新たに追加した。

 日本法人の本社が港北区にある「ケルヒャー」の収納一体型の高圧洗浄機「K Mini」(寄付金額9万円)や家庭用ハンディクリーナー「CVH 3 Plus」(同4万7千円)、神奈川区に本社を構えるJVCケンウッドが展開する「Victor」ブランドのワイヤレスイヤホン「HA-NP1T」(同5万円)などが追加された。

 市は「最先端の技術と洗練されたデザインが融合した高品質な製品をふるさと納税で手にしませんか」と呼びかけている。

退任する大久保副市長

横浜市 元西区長の大久保副市長が退任へ 後任に鈴木都市整備局長

 横浜市の大久保智子副市長が10月31日付で退任し、後任に都市整備局長の鈴木和宏氏が11月1日付で就任することになった。10月23日の市会本会議でいずれの人事案も同意された。

 大久保氏は西区地域振興課長などの後、2012年4月から4年間、西区長を務めた。その後、総務局長、水道局長を経て22年4月に副市長に就任。任期は来年3月末までだったが、本人からの申し出によって退任となる。

 11月以降の副市長は、平原敏英氏、伊地知英弘氏、佐藤広毅氏に鈴木氏を加えた体制となる。

4人全員男性に

 4人の副市長が全員男性となることに関し、23日の本会議で共産党の白井正子議員=港北区=から「なぜ女性副市長にしなかったのか」との質問が出た。山中竹春市長は「適材適所となるよう、ふさわしい人材を選出した」と答弁。続けて白井氏は、山中市長就任時の22年に10人いた女性区長・局長が現在は9人である点に触れ、市が中期計画で掲げている女性管理職登用の加速をどう実現させるかを聞いた。山中市長は、区長・局長の候補となる部長級の女性職員が就任時の39人から80人に倍増しているとし、「経営責任職への女性の登用は大きく進んでいる」との認識を示した。

不登校の相談会 11月8日、南区役所で

 横浜市内の小中学校の不登校児童生徒は2023年度で9775人に。千人あたりの人数でも全国平均を上回っている。

 こうした状況を受け、横浜こども支援協議会は3年ほど前から、不登校に悩む児童生徒と保護者を対象にした相談会を実施している。今年は11月8日(土)、南区役所=南区浦舟町=1階多目的ホールで開催される。午後1時から4時まで。今回はフリースクールなど学校以外の居場所を提供する横浜市内の14団体が参加し、相談を受け付ける。

 不登校体験スピーチでは、保護者や学生が自身の体験談を話す。同支援協議会の岩間文孝さんは「子どもの気持ちを知りたいという、保護者の声をよく聞きます。体験談を聞くことが何らかのヒントになれば」と話す。その後は参加14団体の各ブースに分かれ、個別相談を行う。

 同支援協議会は2005年に発足。不登校や引きこもり、外国に繋がる子どもたちが安心できる居場所を見つけ、いつでもどこでも学ぶことができる環境づくりを目指している。

 参加希望者は申込フォームか同支援協議会事務局【電話】045・243・6840に申し込みを。

高橋さん(左)と生活安全総務課長の大窪太郎警視

横浜市南区在住 漫画作者・高橋さん 県警と動画で詐欺啓発

 南区在住で、アニメ『秘密結社鷹の爪』のスピンオフ作品のウェブコミック『ガールズ&クエスト〜少女と鷹は爪を隠す(通称・ガル鷹)』作者の高橋浩治さん(57)は、神奈川県警察と連携した防犯啓発動画とポスターを制作した。

自身の被害きっかけ

 今年3月、高橋さんは偽の通販サイトと気づかず、約2万円の商品をキャッシュレス決済サービスで購入。その後、商品が欠品しているため銀行口座に返金したいという連絡があった。無料通話アプリのやり取りで銀行のサイトに誘導され、約1000万円をだまし取られた。

 電話口で「詐欺ではないか」と相手に確認したが、言葉巧みな返答や次々と送られる指示に冷静になる隙はなかった。

 南警察署に被害を届け出た際、「私のような被害者を出さないため、注意喚起したい」と協力を申し出た。そこで、作品のキャラクターを登場させた、詐欺の手口や対策を呼びかける動画の作成に至った。

 高橋さんは、「詐欺の被害は巧妙化している。知識がないままだと危険」と注意を促した。

 動画は県警のYouTubeで公開される。また、被害が増加傾向にある万引き防止や自転車の盗難防止、県警の公式アプリを啓発するポスターもあわせて制作した。ポスターは、警察署や施設などで貼り出されるほか、イベントなどで配布される。

会見に臨む山中市長

山中市長、高市内閣誕生で大都市制度の議論推進に期待

 横浜市の山中竹春市長は10月23日の定例会見で、高市内閣の誕生によって「副首都構想」が今後の国会で議論される見通しであることに関し、「硬直的な地方自治を今後も続けるのかを議論してほしい」と述べ、横浜市などの政令市が導入を訴える「特別市」を含む大都市制度に関する議論を進める契機との認識を示した。

 副首都構想は、自民党と連立を組んだ日本維新の会が主張している。山中市長は新内閣が発足した21日に「副首都構想を含む大都市制度に関する国民的議論の推進を期待する」とのコメントを発表していた。

 会見で山中市長は、「東京一極集中の是正に向け、多極分散社会と力強い地方都市を実現することが必要」と従来の考えを述べた。続けて「そのための方法として、副首都構想や特別市、その他の方法がある」とし、「硬直的な地方自治を今後も続けるのか。それが日本の成長を妨げることにならないか。国会などを通じて国民の中で議論してほしい」と語った。

日産スタジアム命名権問題 日産が10月中に回答へ

 港北区の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の命名権(ネーミングライツ)契約に関し、横浜市の山中竹春市長は10月23日の定例会見で、交渉を続ける日産自動車から10月中に回答があるとの見通しを示した。

 命名権契約を巡っては、日産が契約が切れる来年3月以降、年間5千万円の1年契約を市に求め、一度は市が応じる方針を示した。しかし、9月26日の会見で山中市長が「手続きに問題があった。見通しが甘かった」と担当局に再検討を命じたことを明らかにしていた。

 市と日産の協議は続いており、23日の会見で山中市長は「今月中に日産から正式回答をいただけることになっている。まずはその回答を待ちたい」と述べた。

蝶野さんを起用したポスター

詐欺被害防げ 蝶野正洋さんがポスターで啓発 横浜市、市内に8千枚掲出

 横浜市は悪質商法や特殊詐欺の被害を防ぐため、プロレスラーの蝶野正洋さんを起用した啓発ポスターを制作し、市内に約8千枚掲出する。

 この取り組みは神奈川県警と連携したもの。ポスターは高齢者向け、若年層向け、全年齢向けの3種類を用意。世代別に多い被害事例を紹介している。いずれも、蝶野さんの写真が大きく使われ、「恥ずかしがらずにすぐに相談を」などと注意を呼びかけている。

 ポスターは商店街や薬局、学校、福祉施設、公共施設など、約2200カ所に約8千枚が掲出される予定。市のサイトからダウンロードも可能。

 蝶野さんはこれまでも、認知症啓発や防犯、防災に関する市や県警のイベントに数多く参加している。ポスターを作った市経済局は「親しみやすい蝶野さんのポスターで消費者トラブルを防げれば」としている。