多摩区・麻生区版【10月31日(金)号】
だるまに目入れをする福田氏(左)

川崎市長選挙 福田氏が4選果たす 市民「市政継続」

 任期満了に伴う川崎市長選挙が10月26日に投開票され、無所属で現職の福田紀彦氏(53)が25万票を獲得し4選を果たした。福田氏の3期12年にわたる市政評価などが争点となる中、市民は「市政継続」を選んだ格好だ。投票率は32・93%で衆院選との同時選挙となった前回よりも24・73ポイント下回った。

 午後8時、4期目の当選確実の一報が伝えられると、選挙事務所は支持者らの万雷の拍手に包まれた。あいさつに立った福田氏は「謙虚に市民のみなさんとの対話を重視し、これからも川崎の発展のために未来を作っていくこと。その具体的な政策を実行し、川崎が成長することができるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。選挙期間中、市内7区で約130回にわたる「青空集会」と呼ぶ演説集会を行った福田氏。「私の思いや政策をしっかり訴えることができた。最も充実した選挙ができた」と振り返った。公約として掲げた卓越スクール(高専)の設立については、大学関係者からも関心が寄せられるなど期待の高さに驚いたという。喫緊の物価高対策については、「今後、国の政策と連携しながら取り組んでいきたい」と気を引き締めた。政令市を県から独立させる「特別市」制度の実現については浮上する「副首都構想」を意識し、国へしっかり訴えていく考えを示した。

 市長選には福田氏のほか、川崎市議を辞職して無所属で挑戦した山田瑛理氏(42)、出版社CEOで事務事業評価で税金の使い道を正す党から出馬した宮部龍彦氏(46)、社会福祉法人理事で共産党が推薦した野末明美氏(60)、無所属で会社員の國谷涼太氏(25)、無所属で清掃員の関口実氏(67)の5氏が立候補し、街頭演説などでそれぞれの政策を訴えたが及ばなかった。

投票率 麻生区トップ

 多摩区(有権者数18万3903人)の投票率は33・01%で前回比24・79ポイント減。麻生区(同14万6867人)の投票率は35・31%で7区の中で最も高かったものの、前回からは27・89ポイント下がった。

県内小中体育館の空調設置率 全国平均を下回る 今年度末までに2割超に

 近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館などの空調設置。本紙は設置状況について神奈川県内の各自治体にアンケート調査を実施した。今年度末までに設置率が21・9%になる見込みである一方で、依然として全国平均を下回ることが分かった。

本紙が調査

 文科省では学校体育館の空調設置に国の支援制度を周知するなど導入を推進している。

 県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対して、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日時点)によると、体育館などの設置率は14・6%で全国平均の22・7%を下回っている。県内の自治体別に見ると、設置率100%は神奈川県を含む34自治体のうち綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。一方で27の自治体で50%を下回り、そのうち17自治体が0%だった。

 アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。すでに設置完了の4自治体を除き、23の自治体で検討が進んでいる。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、具体的な予定はないが、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。

 また、設置予定がないと答えた自治体の中には、「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。

川崎市では

 川崎市は今年5月1日までに11校で設置済みで設置率は5・3%。今年度、整備方針の策定を進めており、市教育委員会によると26年度9校、27年度に7校での設置を予定しているという。今後は、整備方針に基づいて早期整備をめざすとしている。

 なお、アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の市町村に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。

ブレイキンの聖地・ミゾノクチに巨大なミューラルアートを制作した Dragon76さん 米国・ニューヨーク在住 49歳

川崎の街を感じて描いた

 ○…「ブレイキンの聖地」として知られるJR武蔵溝ノ口駅の自由通路の壁面に、ブレイキンをモチーフにした巨大なミューラルアートを制作した。約80種類のスプレーを手に、「ニューヨーク生まれのブレイキンが日本に渡って独自の発展を遂げ、ダンサーの活躍で世界に広がるイメージ」の壁画を完成させた。「ミューラルアートというストリートカルチャーを公共の場で、しかも公的な形で描けたことは意味深い。感銘を受けた」と語る。

 ○…2016年からニューヨークでアーティスト活動を続ける。川崎でミューラルアートを手掛けるのは3度目で、19年と20年、市役所本庁舎の改装工事現場の仮囲いに、全長20mと56mの作品を制作した。今回は友人でダンサーの石川勝之さんの依頼を快諾。「日本のブレイキン界のプロジェクトに参加できるのは光栄なこと。絶対、来ると決めていた」

 ○…滋賀県出身。大阪の美術専門学校で学ぶ傍ら、スプレーアートやライブペインティングを中心にアーティスト活動を続けた。少年時代から「いつかはニューヨークへ」という野望を抱き、39歳の時に実現。ストリートカルチャーの本場で実力だけを武器に腕を磨き、18年と23年にはワールドトレードセンターから壁画を任された。世界で手掛けた作品は60以上になる。

 ○…外壁に描かれるミューラルアートは経年劣化が避けられない。しかし「時間と共に作品が変化するところも好きだし、描きながら街の人の反応を感じられるのが最大の魅力」という。今回の現場でも、小さな子どもから高齢者まで、たくさんの人が声をかけてくれた。「街の人が気軽に声をかけてくれて、人との距離感が近い。川崎は何度来ても面白い街」
市全町連幹部と福田市長(右から4人目)。濃沼会長は同2人目、笠原会長は同1人目

全町内会連合会 市へ要望書を提出 新規10件含む46件

 川崎市全町内会連合会(持田和夫会長)は9月30日、来年度の予算編成に対する要望書を福田紀彦市長に提出した。

 毎年9月に各区の町内会・自治会の要望をまとめて提出している。今回は新規10件を含む全46件を提出した。各区の代表者と共に市役所を訪れた持田会長は、「大変厳しい財政状況が続いていると聞いているが、当連合会の活動もご理解の上、ご配慮いただきたい」と述べ、福田市長は「生活者視点の要望はとてもありがたい。市立学校体育館への空調設備の設置についてはスピード感を持って取り組んでいく。その他の要望も関係各所と協議しながら進めていきたい」と応じた。

多摩区は7件

 多摩区町会連合会(濃沼健夫会長)は新規で▽「カワノバ」のコンクリート舗装広場の管理等についてを加えたほか、以下の継続6件を要望した。▽自転車走行に関する道路整備及び安全啓発▽多摩区内のJR南武線の踏み切り問題等の解消▽東生田小学校から生田駅までの道路の整備▽平瀬川支川護岸改修工事の促進▽子どもの見守り環境強化のための防犯カメラ設置▽五反田川の汚濁による原因究明

麻生区は5件

 麻生区町会連合会(笠原勝浩会長)は以下の継続5件を要望。▽災害時における防災計画▽新百合ヶ丘駅周辺のまちづくりと横浜市高速鉄道3号線の延伸における中間駅周辺のまちづくり▽麻生区内における公園緑地管理と花とみどりの保全・再生に向けた今後の施策▽公園等公共性の高い空間の防犯カメラの管理▽町会・自治会、自主防災組織に対する支援、補助

地域の輪 広げるフェスタ 11月9日 生田出張所で

 多摩区生田地区の交流を深める「生田っ子フェスタ〜みんなでつむぐ地域の輪〜」が11月9日(日)、生田出張所で開かれる。午前10時から午後2時。コミュニティー拠点である「生田っ子広場」(生田出張所新広場)を周知する目的で、地域団体などが主体となる。

 当日は広場の看板お披露目式を実施するほか、タイルアートやアロマクラフトなどの体験ワークショップ、キックターゲットや子ども向けゲーム、モルック体験などが楽しめる。パンや小物などの販売、消防車の乗車体験も行われる予定。

 同日、隣接する生田小学校では「生田子ども会まつり」も開催される。(問)生田出張所【電話】044・933・7111

タウンニュース 終節に向け、応援の一助に 川崎Fの特別号を配布

 タウンニュース社川崎支社では「川崎フロンターレ」特別号を発行。10月18日の清水エスパルス戦の当日、武蔵中原駅、武蔵小杉駅周辺で、会場に向かうサポーターらに配布しました。

 紙面には、ジュニーニョ選手のインタビューや、弊社が1998年から2006年まで取材してきた同チームの歴史を知ることができる懐かしい記事を掲載。また、「組織マネジメント」をテーマにしたキャプテンの脇坂泰斗選手らのインタビュー記事も載せています。

 次回は11月8日(土)のホームゲームの当日、近隣の駅などで配布予定。

 また富士通スタジアム川崎やフロンタウンさぎぬま、Anker フロンタウン生田、川崎市民プラザなどで試合日以外も入手できます。無くなり次第終了。お早めに。

禅寺丸柿保存会 「より一層の熱意を」 設立30周年 式典で誓い

 柿生禅寺丸柿保存会(長瀬敏之会長)は、設立30周年を記念した式典を10月21日に麻生区の王禅寺で開催した。

 「日本最古の甘柿」といわれ柿生の地名の由来になったとされる禅寺丸柿。その歴史的価値を守り、後世に引き継ごうと1995年に同会は発足した。式典は2012年に記念日として制定された「禅寺丸柿の日」に合わせ、境内に国の指定登録記念物の柿の原木がある同寺で行われた。

 本堂には関係者らが多く集まり、禅寺丸柿キャラクターの「かきまるくん」も登場。長瀬会長は禅寺丸柿ワインの製造販売や生産終了、指定記念物の登録など30年の歴史を振り返り、改めて感謝を述べた。さらに今後の決意として継承、伝承、維持、周知などを掲げ「今後もより一層の熱意を持って保存活動を推進していく」と思いを新たにした。式典後は原木を前に、参加者による記念撮影も行われた=写真。

川崎F応援 青玄まつり 11月9日 麻生区片平

 川崎フロンターレを応援して選手とふれあえるイベント「あさお青玄(せいげん)まつり」が11月9日(日)、同チームの麻生グラウンド(麻生区片平1517の10)などで開催される。

 地域でチームを盛り上げようと、麻生区役所や区内の企業、個人有志で結成された応援組織「川崎フロンターレ麻生アシストクラブ」が主催する恒例行事で、13回目。

 キックターゲットなどのアトラクションや地元団体らによるステージ、屋台やキッチンカーの出店、選手サイン会(先着)など企画多数。午前11時30分〜午後3時30分。入場無料。車不可。

 詳細はチームの公式ウェブサイトで確認を。

多摩区の昭和振り返る 11月11日から

 多摩区役所1階アトリウムで11月11日(火)から17日(月)まで、写真展「失われた風景/よみがえる風景-多摩区の昭和-」が開かれる。主催は川崎市市民ミュージアム。稲田郷土史会が協力する。

 土地区画整理事業により変貌した登戸地区の風景を、市民ミュージアム所蔵のデータをパネルにし、地域住民が撮影した写真と共に展示する。観覧無料。開場時間は午前8時30分から午後5時。

 16日(日)午後1時30分から多摩市民館大会議室で多摩区のニュース上映と座談会の関連企画も。無料。先着60人。(問)044・712・2800

麻生区高石在住の書家 笠原秋水さん書展 11月6日からミューザで 

 麻生区高石在住の書家・笠原秋水(88)=本名・笠原登=さんが主宰する秋水書道会による第32回秋水会書展が11月6日(木)から9日(日)まで、ミューザ川崎(JR川崎駅西口)4階で開かれる。午前10時から午後4時(初日の6日は午後1時から)。入場無料。

 教員として中原小学校や今井小学校に勤めた笠原さん。就職と時を同じくして立ち上げた秋水書道会では「自分らしさを言葉と書で表現する」を掲げ、「だれにでも読める・だれにでもわかる」書作活動を続けてきた。

 今回も「こころを言葉に ことばを書に」をテーマに笠原さんと会員、学生部あわせて約80人の作品が展示される。笠原さんは「これからも川崎市の文化がより豊かになることをめざす」と話す。

 8日(土)の午後2時からは「秋水米寿の秋」として笠原さんによるギャラリートークが行われる。問い合わせは笠原さん【電話】&【FAX】044・966・3038。
ゲームを楽しむ参加者ら

多摩区 ゲームで認知症予防 老福センでeスポーツ

 多摩老人福祉センターで10月16日、「いきいき健康フェア」が行われた。60歳以上の人が訪れ健康測定やウオーキング講座、認知症予防の笑いヨガなどに参加する中、ゲームを使って対戦などを楽しむ「eスポーツ」(エレクトロニック・スポーツ)の体験会も実施され、関心を引いた。

 eスポーツがフレイルや認知症の予防につながる可能性を探り、ゲームなどのコンテンツ開発に取り組む神奈川工科大学・鈴木浩教授の研究室が協力。数字や文字が書かれた六面体を組み合わせて数式や単語を作るオリジナルゲームを提供した。多摩区中野島に住む71歳の女性はeスポーツを体験し、「家でもゲーム機を使っている。ゲームで得点を取ると、うれしくてやる気がわく」と話していた。
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4校が県へ 市中学駅伝

 川崎市中学校総体の男女駅伝大会が10月24日、等々力陸上競技場と等々力緑地公園周回コースで行われ、男子は白鳥中(麻生区)が4位、稲田中(多摩区)が5位、女子は西生田中(麻生区)が5位、中野島中(多摩区)が8位に入った。

 4校は、あす11月1日(土)に横浜市で行われる県大会へと駒を進めた。

親子で点字学習 11月29日 体験教室

 視覚障害への理解につなげてもらおうと、川崎授産学園では親子点字体験教室を11月29日(土)に開催する。午前10時から11時30分まで、会場は同学園(麻生区細山1209)。対象は小学3〜6年の児童と保護者5組。参加無料で先着順。申込みは件名を「親子点字体験教室申込」とし、参加者氏名(ふりがな)と学年、学校名、住所、電話番号、駐車場の利用有無を記入しメール(entry@seiwa-gakuen.jp)を。(問)同学園【電話】044・954・5011
屋根や外壁塗装などについて、様々な不安や悩みを解消することができる

本紙連載コーナー筆者 「池田塗装」が無料の勉強会 11月8日(土) 多摩市民館 参加者を募集中

 本紙・高津区版などで掲載している人気連載コーナー「教えて!職人さん」の講師・池田聡氏が代表を務める「株式会社池田塗装」。同社は11月8日(土)午前10時から「多摩市民館・第4会議室」で参加費無料の講座を開催。現在、参加者を募集している(要事前予約、定員制、申込み先着順にて受付)。

プロの有資格者が講演

 「外壁・屋根『塗装勉強会』」と銘打たれたこの企画。当日は、これからマイホームの塗装工事を検討する人や、既に見積もり中の人などを対象に、池田代表をはじめ同社の一級塗装技能士が講師として登壇。有資格者のプロの視点から「外壁や屋根の塗装工事における適正な価格」や「工事を依頼する適正なタイミング」などを丁寧にレクチャーする。

「売込み」ナシ

 また地域に住む人たちの生活や、建物に関する諸問題を解消することを目的とした講座となるため、自社の売り込みや勧誘、特定の商品や業者の推奨は一切なし。それどころか「施工トラブルを引き起こす『塗装業界の間違った常識』とは?」や「信頼できる業者かどうかを見抜くための判断基準4項目」など、参加者目線からの、本当に知りたい情報が詰まった勉強会となる予定。参加者には塗装業者を選定する際に役に立つガイドブックも進呈される。池田代表は「勉強会の中で疑問が生じても、その場で自由に質問できる雰囲気の催しなので、ぜひ気軽に参加してもらえれば」と話している。

 詳細問合せや予約申込みは【フリーダイヤル】0120・711・056(受付時間午前9時〜午後6時)へ。
会場を巡る参加者=提供

王禅寺フリマにぎわう 秋時雨にも多くの人出

 地域密着、福祉参加型の「福祉応援!王禅寺フリーマーケット」が10月19日、麻生区の新百合ヶ丘駅周辺で開催された。

 あいにくの雨模様も、過去最高の122区画が出店。大勢の人が会場を訪れた。ミュージシャンや川崎純情小町☆のライブも行われた。出店料のうち運営費を除く7万7160円が地域の福祉施設へ寄付され、累計は53万6143円となった。
盛り上がる歌謡ショー

秋祭り にぎやかに 琴平神社「実りに感謝」

 麻生区の琴平神社(志村幸男宮司)は、10月13日に秋祭りを開催した。

 同神社の例大祭に合わせて行われたもので、午前中は神事が執り行われた。午後からは同神社の駐車場が会場となって飲食物の出店が並び、親子連れなど地域住民らが多く訪れた。特設ステージでは演芸大会として大道芸やプロレス、歌謡ショーのほか、地元団体による踊りや子どもたちのダンスが披露され、終始にぎやかだった。

 志村宮司は「実りの秋に感謝する祭り。滞りなくにぎやかに開催できありがたい。来場の皆さんに多くの恵みや幸せが訪れ、豊かな日々が過ごせることを祈念している」と話した。
JR武蔵小杉駅から中原区役所への経路の交差点

視覚障がい者目線で歩く  川崎は「バリアー」だらけ 協会の要望、実現に壁

 川崎市視覚障害者福祉協会では毎年、川崎市長に要望書を提出している。その内容は交通機関の安全確保や高齢者問題など多岐にわたるが、大半が実現に至っていない。だが要望の「現場」を訪ねると、川崎の街は決してバリアフリーではないことが実感される。

 JR武蔵小杉駅から中原区役所に向かうルートを歩くと、頻繁に人と車が行きかう交差点にぶつかる。協会ではこの交差点に「音響式信号」を設置するよう、数年前から要望してきた。だが協会関係者によれば、「行政から『近隣住民に許可を得る必要があり、難しい』と聞いた」という。

 音響式信号の設置の可否を決めるのは神奈川県警だ。要望の扱いを記者が尋ねたところ、「今回の要望を受け、中原警察と共有の上、現場の交通実態を把握して整備に向けた作業を進める方針」と答えた。この県警の回答に、協会副会長の舩橋光俊さんは「予算の都合などで難しいものも多いことは承知している。実現してもらえるならありがたい」と語った。

画一的な線引き

 要望の中でも協会が「通りにくい」との印象を持つのが、鉄道各社への要望だ。今回の要望では、視覚障がい者が頻繁に利用する「川崎市視覚障害者情報文化センター」の最寄り駅であるJR八丁畷駅と、同駅に向かう乗り換え地点であるJR南武線浜川崎支線尻手駅の「3番線」のホームドア設置も求めた。

 この要望は、川崎市から神奈川県の「鉄道輸送力増強促進会議」を経由して鉄道事業者に伝えられる。JR東日本横浜支社に問い合わせたところ、「ホームドア設置に関しては、乗降者数10万人以上の駅等を優先している。2031年度末までの整備目標である330駅の中に、南武線浜川崎支線は含まれていない」とのことだった。

 舩橋さんは「乗降者数など画一的なデータで線引きされては、両駅の設置は絶望的。視覚障がい者が多く乗降している特性も踏まえて欲しい」と悔しそうだ。

踏切は特に「怖い」

 要望の内容以外にも、障がい当事者が「怖い」と声を上げる場所は、市内各所にある。川崎区の京急大師線と国道409号線が斜めに交差する「大師第一踏切」がその典型だ。歩道の幅が広いこともあり、視覚障がい者がカーブに気づかず車道にはみ出たり、直進して線路に落ちたりするトラブルが後を絶たないという。舩橋さんは「踏切から出られずに電車にひかれてしまったら、一発で命を落としてしまう。点字ブロックを整備するなど、対策を講じて欲しい」と訴えている。
ペンキを塗る小学女児

川崎市子ども夢パーク 「ゆめ横丁」準備進む 子どもの権利を体感

 川崎市子ども夢パーク(高津区)の秋恒例のイベント「こどもゆめ横丁」が11月3日(月・祝)に開催される。企画立案から売上金管理までを子ども自身が担う「子どもの権利」体感イベント。参加予定の31組が当日に向け、懸命に店舗設営に取り組んでいる。

 毎年11月20日は川崎市子どもの権利条例が定める「かわさき子どもの権利の日」。この日に合わせ、子ども夢パークでは企画づくりから模擬店づくり、商品の店頭販売やお釣りや売上金の管理まで、すべてを子どもたちだけで完結する「こどもゆめ横丁」を、2006年から開催している。

 10月4日には「第一回横丁会議」があり、出店者で「子どもが買い物を楽しめる工夫」などを協議。18日からは廃材とくぎ、金づちなどを使った模擬店作りが始まった。

 参加者の保護者らには「大人は手出し、口出しをしないこと」という「ゆめ横丁」のルールを共有の上、事務局のスタッフが会場に常駐し、安全確認をしたり相談に乗ったりする。

 本番を1週間後に控えた27日、高津区内の小学校に通う女児3人は自力で建てた模擬店にペンキを塗っていた。3人は入学前から客として「ゆめ横丁」を訪れてきたといい、「いつか自分も」という希望が叶い、今回初めて「雑貨店」を出店するという。手をペンキだらけにして、「楽しみ!」と声を弾ませた。

 3日は午前11時から午後3時までで、午前11時45分までは高校生年齢以下の子どものみ入場可能。問い合わせは子ども夢パーク【電話】044・811・2001。
選手が練習するグラウンドでシュート!

GO!GO!!フロンターレ

選手と触れ合う「青玄まつり」開催!

 川崎フロンターレの練習拠点である麻生グラウンドを舞台に、恒例の地域交流イベント「第13回あさお青玄まつり」が11月9日(日)に開催される。主催は川崎フロンターレ麻生アシストクラブ。午前11時30分から午後3時30分。入場無料。小雨決行。

 麻生区の和太鼓グループ・夏蒐太鼓(なつかりだいこ)の演奏や、麻生高校チアリーディング部によるステージパフォーマンスのほか、キックターゲットなどのアトラクションや、U等々力で人気のキッチンカーが並ぶ飲食コーナーが楽しめる。憧れの選手に会えるサイン会には、大関友翔選手、神橋良汰選手などが登場(変更になる可能性あり)。写真撮影や握手を通して選手と触れ合い、フロンターレをもっと身近に感じる一日になりそうだ。

 ほかにも、こどもサッカー教室や、若手選手が生活する青玄寮とクラブハウスの見学ツアーも開催(既に募集締切)。

 当日は小田急多摩線・栗平駅から無料送迎バスが運行される。(問)同クラブ【電話】0570・000・565

画像はいずれも川崎フロンターレ