町田版【11月6日(木)号】
本棚を紹介するかーこさん

広がった「おもしろがり」 貸し借り自由の本棚企画

 お気に入りの本などを並べた本棚を自分が運営する店舗などに設置し、誰もが自由に借りられるようにする取り組みが町田市内で始まってもうすぐ7年。その本棚の設置箇所が先ごろ、300カ所を超えた。コーヒー店から始まり、飲食店や保育園、寺院などの街なかに置かれるようになった企画は全国に広がっている。

町田発 300カ所

 この取り組みは「きんじょの本棚」と呼ばれ、貸出に登録などは不要。借りた本は別の「きんじょの本棚」で返すこともできるといい、「誰でも、どこで借りても、どこで返しても構わない」がルール。現在、鶴川にある図書コミュニティ施設「つるぼん」の館長を務める金城美由紀さんが始めたもので、「仲間を集めるためでも広げるためでもなく、自分の趣味と自己満足で始めたこと」と振り返る。

 きんじょの本棚は金城さんが当初抱いた思いに反し、存在が知られるようになると本棚を設置する人と利用者らのつながりを生むものに。そして、町田市外にも輪が広がることとなり、「思いもよらない素敵な出会いが広がった。ずいぶん遠くまで来たという感じ」 と金城さん。そして企画の広がりに「やらされ感がなく、おもしろがる気持ちから始まったからでは。損得勘定がないつながりだから浸透したのかも」と感慨深く語る。

 今年、きんじょの本棚に加わった鹿児島県でカフェ運営や宿泊業にあたる「奄美 やどんカフェ店」の吉田清美さんは「町田からのお客さんに教えてもらい、『おもしろそう』と参加した。話を進めるなか、東京に行った際には金城さんに町田市内のきんじょの本棚を紹介していただき、こちらにも泊まりにきてもらった。魅力的な企画と思う」と話す。

「加われて光栄」

 先ごろ記念すべき300カ所目となったのは原町田の「おかずスナックさるびあ亭」。紙芝居師でもあるかーこさんが経営する店で、金城さんの人柄と「本でつながる」という思いに惹かれ参加したという。「この文化の中に加わることができて光栄」と喜び、「スナックに本がある風景に憧れていた」というかーこさん。生活実用書やエッセイ、本業の紙芝居関連の本を並べ、「知人から、きんじょの本棚に参加すると、『何かが起こるよ』と聞いている。今後の出会いに期待している」と笑顔をみせる。

 金城さんは「目標もゴールも決めなかったことが予想外を呼び、『行き当たりばっちり』なおもしろさにつながった。これからもおもしろがりながら旅を続けたい」とコメント。現在はきんじょの本棚「メルマガ部」が発足し店主紹介などを配信しているといい、「いろんな部活が出来たら楽しい」と話している。「きんじょの本棚を設置したい」などの問い合わせはHPから。
共に走り続けてきた石田さん(右)ともえかさん

町田拠点アイドルグループ 「素人」から街盛上げ、10年 苦境乗り越え、節目

 町田市を拠点にする女性アイドルグループ「まちだガールズ・クワイア」が今年、結成10周年を迎えた。「町ガ」の愛称で人気を集め、市内で行われる地域イベントに出演するなど、街を盛り上げてきた。

 町ガの結成は2015年。町田のご当地アイドルとして活動していた2つのグループが1つになる形で誕生した。それぞれの所属事務所が経営難となり、町田を拠点にミュージシャンとして活動する石田ショーキチさんがプロデュースを任され、当時のメンバー8人をアイドルとして育てていくことに。ただ、既にステージに立っていた町田出身のメンバー、もえかさん以外、ほぼ素人。「まず歌うところから」と合唱の練習から始めたという。現在同様、市内の公共施設を借りて練習を積み、結成して数カ月で石田さんのコンサートで初ステージを経験。ぎこちなさを残しつつ、アイドルとしてのスタートを切った。石田さんは「私自身、アイドルについてよく知らず、手探りでプロデュースを始めた。メンバーみんな前向きで応援したいという一心でした」と振り返る。

 町ガの拠点となってきたのが、町田駅前の商業施設内にあるエンターテイメントレストラン「まほろ座MACHIDA」。ここで定期ライブを重ね、生歌とパフォーマンスを売りにファンを増やしていき、知名度が高まってくると市内のイベントに呼ばれるように。地域の盛り上げ役を務めることが増え、「生まれ育った町田を盛り上げたいという思いでアイドル活動を始めた。街に活気を与えられるようになったのはうれしいこと」ともえかさん。そして、徐々に全国区の仕事も受けるようになり、町ガ人気は市外へも拡大していった。

危機も

 一方で、10年におよぶ活動では存続の危機を迎えることも。コロナの感染拡大だ。ステージに立つことができなくなり、「どうしようもなかった。19年まで順調に来ていたのですが」と石田さん。それでも、メンバーはオンラインミーティングを重ねるなど、コミュニケーションを欠かさずに「またステージに立ちたい」という思いで気持ちを切らさないようにしてきたという。

今月から記念ツアー

 それから再スタートを切ることになった現在はもえかさんのほか、2代目リーダーのえりかさん、あいねさん、ほのかさん、ひよりさん、のぞみさんの6人でメンバーを構成。今月からは10周年を記念したコンサートツアーを予定し、全国に広がるファンに向け、名古屋や大阪でライブを開催。12月13日(土)には町田市民ホールを会場に開かれるという。石田さんは「あいねさんは12月に町ガでの活動を終える。6人での最後のライブに足を運んでもらいたい」と話している。

山岳宗教史研究者として、通説をくつがえす発表を重ねてきた 城川 隆生さん 南成瀬在住 67歳

「一次情報」にこだわり

 ○…山々に宿る神などに対して敬意を払い、信仰を寄せる山岳宗教。40代に入った頃から研究を始め、学会に論文を出し続けてきた。主にふるさとの神奈川県秦野市に近い丹沢の山々を主戦場にしそれまでの通説が誤りだったことを示す研究成果の発表を重ねている。「実際に足を運び得た一次情報にこだわってきた。山に入るたびに新しい発見があるのが魅力」。大学教授などが名を連ねる学会で一目置かれる存在となっている。

 ○…高校の元教員。その時の同僚から山岳宗教史のことを教えてもらい興味をもった。この道を歩んでいくことを決心すると山にこもり修行する山伏の経験も積み、生活のために音楽教室を兼ねたライブとお酒を楽しめる店を森野にオープン。ギタリストとして自身もライブに出演し続け、「店は19周年を迎えた。音楽は学生時代から。好きなことをやってきた毎日だったね」と振り返る。

 ○…実益を兼ねて取り組んでいるのが山岳ガイドだ。丹沢を始め、神奈川の山や海岸などを中心にツアーを組み、専門家による解説があるものとして人気を集める。常に定員いっぱいの状況のなか、自分の解説に驚きをもって耳を傾けてくれる参加者を率いて、みどり豊かな自然に触れながら歩きまわるガイド業は何より楽しい時間になっている。

 ○…山岳宗教史研究者として集大成となる一冊をまとめる時期にきていると感じている。裏付けのあるものを残し、いずれ人の役に立つ一冊になればという考えだ。一方、来月には仲間とライブを開催する予定で「ミュージシャンとしても自分の音を残したい。こちらは私が生きてきた証として」と笑顔。「二足の草鞋」を楽しむ日々はまだまだ続きそうだ。
会について話す伊藤専務理事

地域発展目指し20年 市内企業ら集結法人 専務理事に聞く

 町田、相模原両市を拠点にする企業らで構成される一般社団法人「町田・相模原経済同友会」が創立20周年を迎える。団体を見守ってきた伊藤永利専務理事に聞く。

 ――どんな会か

 「隣接する町田、相模原の企業が地域の経済発展を目指し集まり、勉強会を開くなど、共に学ぶ場となっている。行政などに対して地域の課題を投げかける役割も担い、最初は少数でのスタートだったが、現在は50を超える企業が名を連ねている」

「数は力」

 ――会員企業は増やしていく

 「数は力と考え、勧誘を進めている。会員企業100社を目指していきたい。創立20年と節目を迎え、会の高齢化が進んでいるなか、40、50代の若手経営者に加わってもらい、若返りを図っていきたい考えだ。さまざまな業態のメンバーが増えればと思う。今後は商圏を同じにする大和市の企業とも手を取り合っていければという話もある」

 ――先日は20周年を記念する特別講演会が開かれた

 「元外交官として長きにわたり国際情勢の最前線で活躍されてきた方に、現在の複雑な世界情勢や日本の平和を持続させるための視点などを伝授いただいた。これからも会として共に学び、みなでレベルアップしていければと思う」
父・謹也さんの思い出の品を手にする齋藤理事長

「子どもたちの真ん中にいた」 自然幼稚園・前園長死去 息子に聞く

 忠生・正和学園町田自然幼稚園の前園長・齋藤謹也さんが8月に79歳で亡くなった。息子で同園を運営する正和学園の齋藤祐善理事長に聞いた。

 齋藤理事長によると、謹也さんは3代目園長として、「子どもが『今この瞬間』にいきいきすること」を何よりも大切にしていたといい、「『きょうは雨だね、じゃあこれをやろう』とその時々の状況に合わせて、子どもたちが興味を抱くことを大切にしていたcと振り返る。

 亡くなる直前も自身が「紙芝居屋さん」となり子どもたちの輪に入るなど、常に現場の真ん中にいたといい、園内には「本物と言える」浮世絵や花を飾ることを徹底。「それは本物に接し、少しでも変化に気づく子がいれば」という願いからだったのでは、と齋藤理事長は考えているという。

 そして、父親の志を次代へつなぐため、障害児支援や送迎事業などに力を入れていく思いといい、「街からうちの法人がなくなるとみんなが困る、そんな存在になりたいと考えています」と話している。

森野のバーで記念ライブ 12月13日に開催

 ライブバーとして定期的に音楽イベントを開催している森野の「町田万象房」で12月13日(土)、オープン19周年を記念したライブが行われる。店主の城川隆生さん=人物風土記で紹介=がリーダーを務めるバンド「Nothing On My Mind-1」=写真=が出演するもので、午後6時から(開場は5時30分)。チャージは「ご祝儀」で別途要オーダー。「その他、19周年ライブを実施中。詳細はホームページで」と城川さんは話している。詳細・問い合わせは万象房【電話】042・851・8875まで。

忠生三小生が茶道挑戦 先ごろ伝統文化学ぶ

 町田市立忠生第三小学校で先ごろ、同校の6年生を対象にした茶道体験学習が実施された=写真。これは日本の伝統文化に触れる機会として、毎年行われているもの。当日は、町田茶道会の会員らが講師として児童を指導。児童はまず、畳の上で礼の仕方について学び、講師によるデモンストレーションを見学した。その後、客人としての作法や、お茶の点て方・頂き方などを順に学んだ。

 参加した児童は「すごい勉強になって楽しかった」「お礼は、ちゃんと感謝を伝えるのに適していると思った」などと感想を話した。

 指導にあたった町田茶道会の高野宗佳会長は「皆が真剣に取り組んでくれて感心した」と語った。
学祭用に彩られた階段を背景に、来場を呼びかける馬場さん(中央)ら実行委員メンバー

遊園地テーマに 玉川大学コスモス祭

8・9日開催

 玉川大学の学園祭「コスモス祭」が11月8日(土)・9日(日)、開催される。今年のテーマは遊園地(コスモスランド)といい、「来場者、迎え入れる学生みんながわくわくするものにという思いを込めました」と本部実行委員長の馬場愛梨さん。大学の8学部や部活動、研究所などが日頃の成果を披露するほか、トークイベントやステージ企画、お笑いライブなどが予定され、各種模擬店も登場。さまざまな催しが広大なキャンパス内いっぱいに展開されるという。

 数多くの企画のなか、毎年人気を集めるのが、各種研究施設の見学。今回はLEDライトで植物の機能性をアップさせる研究についてや、脳科学に関して担当者に質問できる機会などが設けられる。そして、実行委員のメンバーが一押し企画として挙げるのが農学部主催のイベント。キャンパス内の農場で育てられた野菜を手に入れることができる収穫祭や神輿展示、太鼓演奏などが予定されているといい、メンバーの一人は「その他、バラエティに富んだ飲食ブースも楽しみにしていただければ。教育学部の企画には子どもが楽しむことができるものもある。家族でお立ち寄りを」と笑顔。馬場さんは「みんな熱心に準備を進めている。日頃の研究を地域の皆さんに知ってもらう機会になれば。全ての会場に足を運んでもらいたい」と話している。

「楽しいひとときを」

 コスモス祭は両日共、午前10時から午後4時。催しの詳細は大学HPなどで。小原一仁学長は「皆さまの来園が学生たちの励みになる。楽しいひとときを我々と共に過ごしていただければ」としている。

「ハロウィン」盛上り 桜美林大の「桜李祭」

 桜美林大学町田キャンパス(常盤町)で先ごろ、2日間にわたって学祭「桜李祭」が開かれた。今回はハロウィンをテーマに縁日企画やおばけ屋敷、子ども向けの催しなどが行われ、仮装した学生や地域住民らでにぎわった。

 初日は雨天とあいにくの天候となったものの、軽音楽部やダンスグループなどが登場した野外ステージ、さまざまな種類の模擬店には老若男女が集結。多くの笑顔がみられた。

 2日目も人気声優の梶裕貴さんによるトークショーやお笑いライブなどに多くの人が集まる一方で学生たちがいきいきと動きまわり、会場を盛り上げようとする姿がみられた。子どもと来場した地域住民の一人は「子ども向けの企画もあり、楽しかった。来年も来たい」と話していた。
以前行われた「アクティブ福祉」

介護や福祉など知る 11月13日 市役所で催し

 町田市の医療や介護、福祉などについて知ることができる催し「アクティブ福祉in町田」が11月13日(木)、町田市役所1・3階で開催される。介護・福祉用具の使い方を学べる講座や体験企画が開かれるほか、介護の仕事相談会や研究発表会などを予定。その他、市長と学生の対談や、町田市介護職員等永年勤続表彰、介護川柳の掲示などがあるという。

 担当者は「どなたでも参加できる催し。多くの市民に来場していただきたい」としている。

申込不要・入場無料

 時間は午前10時30分から午後5時まで。申し込み不要で入場無料。問い合わせは町田市介護人材開発センター【電話】042・860・6071まで。
榛葉さん

榛葉樹人、日本の心歌う 四季シリーズ待望の「秋」

 BS日テレ「こころの歌」にフォレスタのメンバーとして毎週出演中の、人気テノール・榛葉樹人さんが日本の四季を歌うシリーズ第3弾「秋」を11月18日(火)、町田市民フォーラムで開催する。

 春、夏バージョンも大好評だった人気企画。榛葉さんがライフワークとして大切に取り組んでいる日本の歌に焦点を当て、今回の曲目は「落葉松」「しぐれに寄する抒情歌」「影を慕いて」「秋桜」他十数曲を予定している。「しっとりと心に寄り添う榛葉さんの歌唱を、ピアニスト吉田幸央さんのキラキラの音色と共にご堪能下さい。心温まるひと時を」と主催者。午後2時開演(1時30分開場)。チケット3千円。会場は町田市民フォーラム3階ホール。予約・問合せは主催者・柴田さん【携帯電話】090・1734・8116へ。
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公開講演会の告知

町田法人会 12日に公開講演会 経済ジャーナリスト招く

 町田市内企業らが加盟する公益社団法人町田法人会は11月12日(水)、原町田のレンブラントホテル東京町田で経済ジャーナリストの須田慎一郎氏を招いた公開講演会を開く。「どうなる今後の中小企業 町田でここまで言っていいんかい」と題したもので、午後6時から(開場は5時30分)。先着400人(全席自由席)で入場料500円。観覧希望者は電子または紙チケットを購入のうえ。詳細は町田法人会のHPなどから。「入場料は全額、町田市へ寄付する予定」と担当者。須田氏は経済紙の記者を経て、フリージャーナリストに。数々のスクープをつかんでいる。問い合わせは同事務局【電話】042・726・2453まで。

「新日」が町田で大会 11月24日、読者20人を招待

 「新日本プロレス 町田市スポーツ振興社会福祉チャリティー大会」が、11月24日(月)の午後6時から町田市立総合体育館で開かれる。主催は(株)創。

 来年1月に引退する棚橋弘至選手の町田ラストマッチとなる同大会。読者20人に招待券をプレゼント。チケットは1人1枚限定。希望者はハガキに町田大会観覧希望・住所・名前・年齢・職業を明記し、〒250-0034神奈川県小田原市板橋881の26(株)創 TN町田大会読者プレゼント係へ。締切は11月12日(水)(当日消印有効)。問い合わせは同社【電話】0465・23・0905。
会場となる町田キャンパス

「男子の力、パワフルに」 東京家政学院大学KVA祭

 東京家政学院大学町田キャンパス(相原町)の学園祭「KVA祭」が11月8日(土)、9日(日)に行われる。

 今年度、女子大から共学化された同学。男子はまだ1年生の1割ほどだが、実行委員長の小栗茉奈さん(現代生活学部3年)によると「男子が入ったことで色々なアイデアが交わされ、活気が出てきた」という。

注目「お料理サークル」

 その代表が男子が中心となって立ち上げた「お料理サークル」だ。KVA祭では「季節の町田産野菜」を使うことなどが条件の「まちだすいとん」を販売。市内で栽培されたナス、長ネギ、大根を用いて仕上げるという。サークル立ち上げに関わった岩崎大空さん(生活共創学部1年)と長内俊佑さん(同)は「寒い季節に温まる一品です」「愛情たっぷり、具もたっぷりで提供します」と話している。

お笑いライブも

 時間は午前10時から午後4時。出店などのほか人気芸人によるお笑いライブやプレゼント抽選会などが予定されている。また、オープンキャンパスも兼ねており小栗さんは「学園祭で、緑の中にキャンパスがあるという学校の良さを知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 詳細は「東京家政学院大学KVA祭」で検索。