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公開日:2025.11.06
広がった「おもしろがり」
貸し借り自由の本棚企画
お気に入りの本などを並べた本棚を自分が運営する店舗などに設置し、誰もが自由に借りられるようにする取り組みが町田市内で始まってもうすぐ7年。その本棚の設置箇所が先ごろ、300カ所を超えた。コーヒー店から始まり、飲食店や保育園、寺院などの街なかに置かれるようになった企画は全国に広がっている。
町田発 300カ所
この取り組みは「きんじょの本棚」と呼ばれ、貸出に登録などは不要。借りた本は別の「きんじょの本棚」で返すこともできるといい、「誰でも、どこで借りても、どこで返しても構わない」がルール。現在、鶴川にある図書コミュニティ施設「つるぼん」の館長を務める金城美由紀さんが始めたもので、「仲間を集めるためでも広げるためでもなく、自分の趣味と自己満足で始めたこと」と振り返る。
きんじょの本棚は金城さんが当初抱いた思いに反し、存在が知られるようになると本棚を設置する人と利用者らのつながりを生むものに。そして、町田市外にも輪が広がることとなり、「思いもよらない素敵な出会いが広がった。ずいぶん遠くまで来たという感じ」 と金城さん。そして企画の広がりに「やらされ感がなく、おもしろがる気持ちから始まったからでは。損得勘定がないつながりだから浸透したのかも」と感慨深く語る。
今年、きんじょの本棚に加わった鹿児島県でカフェ運営や宿泊業にあたる「奄美 やどんカフェ店」の吉田清美さんは「町田からのお客さんに教えてもらい、『おもしろそう』と参加した。話を進めるなか、東京に行った際には金城さんに町田市内のきんじょの本棚を紹介していただき、こちらにも泊まりにきてもらった。魅力的な企画と思う」と話す。
「加われて光栄」
先ごろ記念すべき300カ所目となったのは原町田の「おかずスナックさるびあ亭」。紙芝居師でもあるかーこさんが経営する店で、金城さんの人柄と「本でつながる」という思いに惹かれ参加したという。「この文化の中に加わることができて光栄」と喜び、「スナックに本がある風景に憧れていた」というかーこさん。生活実用書やエッセイ、本業の紙芝居関連の本を並べ、「知人から、きんじょの本棚に参加すると、『何かが起こるよ』と聞いている。今後の出会いに期待している」と笑顔をみせる。
金城さんは「目標もゴールも決めなかったことが予想外を呼び、『行き当たりばっちり』なおもしろさにつながった。これからもおもしろがりながら旅を続けたい」とコメント。現在はきんじょの本棚「メルマガ部」が発足し店主紹介などを配信しているといい、「いろんな部活が出来たら楽しい」と話している。「きんじょの本棚を設置したい」などの問い合わせはHPから。
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