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町田 人物風土記

公開日:2025.11.06

山岳宗教史研究者として、通説をくつがえす発表を重ねてきた
城川 隆生さん
南成瀬在住 67歳

「一次情報」にこだわり

 ○…山々に宿る神などに対して敬意を払い、信仰を寄せる山岳宗教。40代に入った頃から研究を始め、学会に論文を出し続けてきた。主にふるさとの神奈川県秦野市に近い丹沢の山々を主戦場にしそれまでの通説が誤りだったことを示す研究成果の発表を重ねている。「実際に足を運び得た一次情報にこだわってきた。山に入るたびに新しい発見があるのが魅力」。大学教授などが名を連ねる学会で一目置かれる存在となっている。

 ○…高校の元教員。その時の同僚から山岳宗教史のことを教えてもらい興味をもった。この道を歩んでいくことを決心すると山にこもり修行する山伏の経験も積み、生活のために音楽教室を兼ねたライブとお酒を楽しめる店を森野にオープン。ギタリストとして自身もライブに出演し続け、「店は19周年を迎えた。音楽は学生時代から。好きなことをやってきた毎日だったね」と振り返る。

 ○…実益を兼ねて取り組んでいるのが山岳ガイドだ。丹沢を始め、神奈川の山や海岸などを中心にツアーを組み、専門家による解説があるものとして人気を集める。常に定員いっぱいの状況のなか、自分の解説に驚きをもって耳を傾けてくれる参加者を率いて、みどり豊かな自然に触れながら歩きまわるガイド業は何より楽しい時間になっている。

 ○…山岳宗教史研究者として集大成となる一冊をまとめる時期にきていると感じている。裏付けのあるものを残し、いずれ人の役に立つ一冊になればという考えだ。一方、来月には仲間とライブを開催する予定で「ミュージシャンとしても自分の音を残したい。こちらは私が生きてきた証として」と笑顔。「二足の草鞋」を楽しむ日々はまだまだ続きそうだ。

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