金沢区・磯子区版【11月6日(木)号】
ロールプレイをする参加者

金沢八っさく 「怒鳴らない」子育てを 8つのスキルを伝授

 金沢区は子育て支援策の一つとして、怒らない子育て方法「金沢八っさく(子育て練習室)」を導入し、区内各地で講座を展開している。講座では、子育てで起こりうる場面を想定し、「ほめ方」「しかり方」などをロールプレイ形式で練習。今年度は区内6カ所で2回連続講座を開き、「〜しないで」などの否定的な声掛けや怒鳴ってしまう頻度が軽減されることで心にゆとりを持った子育てが広がることを目指す。

 区が2023年度に実施した区民意識調査で「子どもを育てる上で大切だと思うこと」を質問した結果、「親の心のゆとり」と回答した人が67・1%で1位だった。その結果をふまえ、養育者が子どもへの関わり方や怒鳴らない子育て方法を学ぶ機会を提供するために、昨年度から本格的に講座を始めた。

 「金沢八っさく」は、児童虐待予防などの観点から子どもへの基本的な対応技術を8つにまとめたプログラム「ちはっさく」を基にしている。ちはっさくは言葉によるコミュニケーションスキルのため、対象年齢は3歳以上を想定しているが、金沢区の参加者は1〜2歳児の養育者が多いため、年齢に合わせたロールプレイングになるように工夫が凝らされている。また、昨年度は3回連続講座だったが、すべての講座に参加できない受講者が一定数いたため、今年度はカリキュラムを再検討し、参加しやすいように2回講座にした。

心にゆとりを

 10月28日、柳町地域ケアプラザで開かれた講座には2人が参加。「〜してね」「ほめる」「一緒にやってみよう」「わかるよ」「深呼吸」などの前向きな養育行動が書かれたホワイトボードを見ながら、親役と子ども役を交代でロールプレイを実施。講師の声掛けで、回転寿司屋に行ったのに「ステーキが食べたい」と駄々をこねたり、歯磨きを嫌がる、公園から帰りたくない、といった子どもの言動にどう対応するかを繰り返し練習した。

 イライラして子どもを泣かしてしまったことがあったという1歳男児の母は「講座に参加して、言葉遣いが柔らかくなり泣く回数が減った」と効果を実感。2歳と0歳の男児の母は「子どもの役をやることで、共感してもらうことで気持ちが落ち着くのは大人も子どもも同じなんだなと思った」と話していた。

 区と協働で講座を行う金沢区地域子育て支援拠点「とことこ」の安田みゆき施設長は「様々なシチュエーションで何度も練習することで、親子関係が少しずつうまくいくようになるのが目標。子育て世代の支援につながれば」と話していた。

 11月に開催される予定の同講座が満席のため、1月17日(土)と31日(土)に「とことこ」で追加で開催される。問い合わせは同所【電話】045・780・3205。
根岸住宅地区跡地の土地利用の方向性=意見募集リーフレットより

根岸住宅地区跡地 「方向性」に意見募集 利用計画検討の参考に

 横浜市はこのほど、磯子区・中区・南区にまたがる米軍根岸住宅地区跡地の「土地利用の方向性」をとりまとめた。11月19日(水)まで市民の意見を募集している。

 根岸住宅地区は、2004年に日米間で返還方針が合意された約43haの旧米軍施設だ。

 現地では施設の撤去がほぼ完了し、返還に向けた準備が進んでいる。市は21年に跡地利用基本計画を策定。だが、同地区を移転の最有力候補地としていた横浜市立大学附属病院は、南区浦舟町に整備する方針に見直した。市はこうした状況の変化もとらえつつ、検討を進めてきた。

中央に商業、公共公益施設を

 今春、同地区の土地利用や企画に関心がある法人を対象に「サウンディング型市場調査(対話)」を実施。また、地域や地権者らへの説明を踏まえ、今回の土地利用の方向性がまとめられた。

 方向性で新たに示されたのは、地区中央に位置するセンターゾーンに、新たに商業、子育て施設などの生活利便施設や公園などの公共公益施設を配置すること。これまでの計画にもあった横浜市立大学医学部やこれと連携した研究施設などと合わせ、様々な人の交流や賑わいづくりを進めるとしている。また、駅や各方面からのアクセスを想定し、骨格となる道路と緑のネットワークを形成し、その周りに良好な住環境の形成を目指す住宅地等ゾーン、根岸森林公園を拡張する森林公園ゾーンを配置する。

 市民からの意見は、横浜市電子申請・届出システム、電子メール、ファクス、郵送のいずれかで19日まで受け付けている。集まった意見の概要は市の考え方とあわせ市ホームページで公表。集まった意見を検討の参考とし、年内をめどに土地利用計画(案)にまとめる予定だ。

 意見募集のリーフレットは、磯子区役所や磯子センター、滝頭コミュニティハウス、根岸中学校コミュニティハウス、JR根岸駅などで配架されているほか、市都市整備局基地対策課のホームページでも公開されている。問い合わせは同課【電話】045・671・2472。

「古泉えんにちの会」を地元の有志と企画する 吉見 洋さん 磯子区岡村在住 78歳

縁日通じたまちのつなぎ役

 ○…「地域の皆に喜んでほしい」という思いから、子どもから高齢者まで集える縁日スタイルのイベントを初めて企画。その思いに約80人の仲間が賛同し、一緒に準備や運営にあたる。「周りの協力があるから企画できた。たくさんの人に集まってもらい、ずっと続いていくイベントになってほしい」。仲間とともに作り上げる2日間を心待ちにしている。

 ○…岡村で生まれ育ち、現在は新築・リフォーム・設計・施工などを手掛ける吉見工務店=岡村=の代表を務める。以前から周囲の住民のイベントを希望する声を聞く中、仕事や地域団体での役が落ち着いた今春から準備をスタート。「子どもから高齢者まで、普段は話す機会がない人たちが集まり、会話をする機会になれば」と縁日スタイルのイベントを考案した。仕事では建築・電気工事などを得意とし、近隣の祭りやイベントの設営を手伝うことも多い。そうした経験を生かし、中心となって準備を進めてきた。

 ○…昨年、50年以上連れ添った妻が病で亡くなった。仕事も二人三脚で取り組み、苦楽を共にしてきたため、当初は「心が荒んでしまった」という。それでも一緒に過ごした日々や全国各地を車で旅した思い出を振り返っていくと、次第に前を向けるように。「世の中の役に立てることをしよう」という思いが募り、縁日の企画につながった。準備は生きがいの一つになっている。

 ○…過去には岡村神輿保存会の会長や岡村天満宮の氏子を務め、岡村囃子一友會の一員として地域の祭礼で自ら獅子舞を披露することもある。「下町っぽく、いつでも誰でもあいさつできるまちであってほしいね」。まずは初企画を完遂させて、世代を超えて住民をつないでいく。
再々版された「横浜金沢の戦跡」

「横浜金沢の戦跡」を再々版 富岡西・高致堂書店で

 戦後80年を機に8月に100冊限定で再版された小冊子「横浜金沢の戦跡」がこのほど再々版された。再々版したのは、本を作成した「横浜金沢の戦跡を調査する会」の一人で、金沢区富岡西在住の郷土史研究家の酒井宣子さん。再版が好評ですぐになくなってしまったため、再々版を決めた。小冊子では金沢区内に残る戦跡の紹介や戦時下の様子が網羅されている。A4版全58ページ。富岡西の高致堂書店で一部1000円で配布されている。

 問い合わせは酒井さん【電話】045・773・2044。
有志らと準備を進める吉見さん

磯子区岡村 「古泉えんにち」を初企画 8日・9日、有志が龍珠院で

 磯子区の龍珠院=岡村2の16の19=で11月8日(土)と9日(日)、地域の有志が企画する「古泉(こいずみ)えんにちの会」が初開催される。両日とも午後5時から8時まで。

 地元でのイベント企画が少なかったエリアで、「住民同士が触れ合い、交流する機会を作りたい」と有志らが考案。龍珠院が会場として協力することで実現した。イベント名には、昔の地名とされる古泉を入れた。

 会場では近隣の飲食店などが焼きそばや焼き鳥、ラーメン、もつ煮などの模擬店のほか、駄菓子屋や子ども向けのゲームコーナーも設置される。また、動物保護団体「おーあみ避難所」も協力し、保護犬と触れ合うスペースも用意される予定で、犬を連れての参加も可能となる。企画の中心を担う吉見洋さん=人物風土記で紹介=は「この辺りは一人暮らしのお年寄りも多い地域。食べたり、遊んだりしながら、交流する機会にしたい」と話す。

 両日とも雨天決行。当日直接会場へ。駐車場や駐輪場はなし。問い合わせは吉見さん【電話】045・753・6313(留守電へメッセージを)。

金沢公会堂で仏教講演会 19日、講師は村上信夫さん

 「第70回金沢仏教文化講演会」が11月19日(水)、金沢公会堂=金沢区泥亀=で開催される。午後0時30分開場、1時開会。入場無料。

 金沢区佛教会と金沢区釋尊奉讃会が主催するイベント。当日は2部制で、第1部はチャリティー寄席を実施。ウクレレ漫談のぴろきさんが登壇する。続く第2部では、元NHKエグゼクティブアナウンサーの村上信夫さんの講演を実施。「嬉しいことばが自分を変える」をテーマに話す。

 問い合わせは東光禅寺【電話】045・781・0271。
モルモットを抱っこする児童

磯子区獣医師会 命の大切さ学んで 山王台小で「動物ふれあい授業」

 磯子区獣医師会と磯子区役所生活衛生課が10月23日、山王台小学校=磯子区磯子=で「動物ふれあい授業」を行った。同校の1年と2年生の約100人が参加した。

 この授業は、動物を飼育する学校が減り、子どもたちが生きものに接する機会が少なくなる中、動物との触れ合いを通し小さい頃から命の大切さを学んでもらえればと同会と同区が長年行っている。

 当日は、移動動物園としてヒヨコやモルモット、ウサギ、チャボ、アヒル、ヒツジ、ヤギが校庭に集合。児童は4つのグループに分かれ15分ずつ、それぞれの動物と触れ合った。児童を目の前にヤギが「メー」と鳴くと子どもたちからは「キャー」と歓声が。モルモットなどは一人ずつ、抱っこしたりエサをあげたりしながら「かわいい」と口々に話していた。

 同校の石原加代子校長は「動物に触れたり観察したりする体験は、命のぬくもりを五感で感じる貴重な機会になった」。獣医師会の担当者は「今の子どもたちはスマホの利用時間が増え、動物や人と関わる機会が減っているように感じる。動物と子どもたちの接点をつなぐことで、動物や人を思いやる経験になれば」と話していた。

県内小中体育館空調設置率 全国平均を下回る 本紙調査 今年度末でも2割超

 近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館等の空調設置。本紙は設置状況について県内の各自治体にアンケート調査を実施した。今年度末までに設置率が21・9%になる見込みである一方で、依然として全国平均を下回ることが分かった。

 文科省では学校体育館の空調設置に国の支援制度を周知するなど導入を推進している。

 県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対して、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日現在)によると、体育館等の設置率は14・6%で全国平均の22・7%を下回っている。県内の自治体別に見ると、設置率100%は神奈川県を含む34自治体のうち綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。一方で0%が17自治体、27の自治体で50%を下回っている。

23自治体で検討

 アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。すでに設置完了の4自治体を除き、23の自治体で検討が進んでいる。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、具体的な予定はないが、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。また、設置予定がないと答えた自治体の中には、「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。

横浜市29年度に完了

 横浜市は今年1月、整備計画を5年前倒しし、29年度までに完了する方針を打ち出した(建て替えや大規模改修が予定されている学校は除く)。今年度の予算は今年2月の補正予算で計上された7億9千万円とあわせ、約20億円。29校の整備を予定する。

 設置する学校の優先度は、「地域防災拠点や指定避難所の指定状況」「建物構造上特に風通しの悪い体育館」「児童生徒数」「投票所など学校活用事業の有無」などを参考に決める。整備が遅れる学校については、大型冷風扇の配置などの暑さ対策を実施。

 ※アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の市町村に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。
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自治会町内会活動に役立つ補助金活用例などを紹介した「横浜デジタル版」11月号
タウンニュース社からお知らせ
自治会町内会活動に役立つ補助金活用例などを紹介した「横浜デジタル版」11月号
今回は、外国人住民が市内で3番目に多い南区で行われた外国人向け生活ガイダンスについて取り上げています。ほかにも、自治会の要望によって泉区で始まった移動販売や神奈... (続きを読む)
上野理事長(左)と沼尻音楽監督

神奈川フィル 「地元神奈川で音楽を通じて地域に貢献したい」 来シーズンのプログラムを発表

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団はこのほど、来シーズンのプログラムを発表する記者会見を横浜みなとみらいホールで開いた。会見には同楽団理事長の上野孝氏、音楽監督の沼尻竜典氏らが出席した。

 会見で上野氏は、定期公演を行っていた神奈川県民ホール休館にあたり、今年度立ち上げた「ミューザ川崎」での定期公演に触れ「大変好評で、次年度は公演を増やす予定」と明言。沼尻氏は、「ミューザ川崎では次年度も2027年に没後200年を迎えるベートーヴェンを取り上げ、12月の『第九』のほか、交響曲『2番』『8番』『英雄』などをお届けしたい」とした。

 なおオペラに造詣が深い沼尻氏による「日本人による制作オペラ」は次年度はプッチーニの歌劇「トスカ」が予定されている。上野氏は「神奈川県全域での巡回公演もあり、これからも地域の方々へ音楽を通じて社会貢献していきたい」と意気込んだ。
発表会に登場した芦田さんと筒井会長、マスコットのトゥンクトゥンク

グリーンエクスポ 出展概要を初公表 500日前発表会で

 旧上瀬谷通信施設=旭区、瀬谷区=で2027年3月19日に開幕する「GREEN×EXPO 2027」。開催500日前(11月4日)に合わせた発表会が10月29日に東京国際フォーラムで開かれ、「Village(ヴィレッジ)出展」や「花・緑出展」の概要が初公表された。

 企業や市民などが屋外空間や展示施設で、独自の体験・コンテンツを提供するヴィレッジ出展。この日は、大阪・関西万博の大屋根リングの木材を利用する(仮称)KAJIMA TREE(鹿島建設(株))、未来の都市化と自然との共生を考える三菱みんなの未来館(三菱グループ)など8者の概要が発表された。

 「花・緑出展」は会場でしか見られない庭園や花壇、新品種・希少種などを楽しめるもの。5者の発表があり、東北6県の形の庭園(日本造園建設業協会東北総支部)、花屋日本一を決めるジャパンカップの開催(JFTD花キューピット)などが計画されていることが明らかになった。

 発表会には公式アンバサダーの芦田愛菜さん、GREEN×EXPO協会の筒井義信会長、公式マスコットのトゥンクトゥンクなども登壇。芦田さんは「グリーンエクスポのシルエットがどんどん浮かんできて、すごく楽しみになってきました。早く全貌が見たいです」と期待を寄せた。

ボランティア募集も

 会場内の花壇などの見どころを紹介する「花・緑ガイドボランティア」を、200人ほど募ることも発表された。募集期間は11月17日(月)〜12月22日(月)午後5時。対象など詳細はホームページ(EXPOボランティアで検索)、または【電話】0120・878・950。
■インフルエンザの10月20日から26日までの区別の定点あたり患者報告数

市内にインフル注意報 感染拡大、15歳未満が8割

 横浜市は10月29日、インフルエンザ流行注意報を発令した。

 市の感染症発生動向調査によると、10月20日から26日までの1週間で、市内の定点医療機関あたりの患者報告数が11・07人となり、注意報発令の目安となる10・00人を超えた。13日から19日の週は5・44人で1週間で倍以上に増えた。昨シーズンの市内の注意報発令は12月19日だった。

 年齢別では10歳未満が全体の51・5%、15歳未満が79・1%を占めており、子どもを中心に感染が拡大している。学級閉鎖は小学校を中心に47施設、患者数は625人に達している。区別では、栄区が37・00人で最多。瀬谷区の25・33人、鶴見区の20・14人と続く。磯子区は11・50人、金沢区は4・80人で、最少は中区の2・50人。

 市は咳エチケットや手洗い、十分な休養とバランスの良い食事などを呼びかけている。重症化予防のためのワクチン接種も推奨し、高齢者向けの予防接種は10月から始まっている。
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イベントポスター

横浜市から称号を授与された 「匠」の技能を目の前で 11月9日 市技能文化会館

 横浜市から「横浜マイスター」の称号を授与された匠たちの技能が見られる「横浜マイスターまつり」が11月9日(日)、市技能文化会館(中区)で開催される。横浜マイスター会主催。入場無料。

 当日は食や暮らし、美容など各分野で活躍する15人の技能職者が集結。花束アレンジの実演・販売やDIY・住宅相談などさまざまな形で触れ合える。

 また、会場内ではジャーマンホットドッグやフカヒレカレーなどさまざまな食事を販売。「タウンニュースを見た」と伝えると700円のフカヒレ丼が100円引きとなるキャンペーンも実施する。午前10時から午後4時まで。詳細・問合せは事務局【電話】045・232・4922まで。

日産スタジアム命名権問題 市と日産の協議開始 山中市長「新たな提案があった」

 港北区の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の命名権(ネーミングライツ)契約に関し、横浜市の山中竹春市長は11月5日の定例会見で、「日産から新たな提案があり、昨日から協議を開始した」と述べた。

 命名権契約を巡っては、日産が契約が切れる来年3月以降、年間5千万円の1年契約を市に求め、一度は市が応じる方針を示した。しかし、山中市長が担当局に再検討を指示。市は日産に10月末までの回答を求めていた。

 山中市長は会見で、10月31日付で日産から回答があったとしたが、協議中であることを理由に提案の詳細は「差し控える」とした。
企業の事例発表を聞く参加者

多様な働き方、企業の先進的な取り組みを共有 横浜市が意見交換会

 横浜市内の企業による多様な働き方の事例発表会と意見交換会が11月4日、市役所で行われた。

 企業の女性活躍や育児・介護の両立支援など、誰もが働きやすい職場環境づくりのヒントを共有しようと市が企画。経済団体で組織される横浜市女性活躍推進協議会の構成企業8社の実務担当者や人事担当者らが参加した。

外国人社員に通訳を通じて制度説明

 自動車整備業の雨宮自動車工業=金沢区=は、月曜日から土曜日の週6日稼働を、7月から月曜日休業の週5日稼働に移行した。ワークライフバランスを重視した取り組みについて、同社の小宮里子社長は「売上、利益ともに伸びている」とし、経営への影響はないと語った。さらに、ベトナム人社員に対して、会社の新制度を通訳を介して丁寧に説明し、男性社員の育児休暇取得などにつながった事例を紹介した。

 情報・電気通信業の日興テクノス=磯子区=は、社員の高齢化や私傷病に対応しようと、仕事と治療の両立を支援するための規定を整備。消滅する有給休暇を「傷病休暇」として積み立て可能とした。ほかにも、育児休暇取得者の業務をカバーする社員に手当を支給するなどの取り組みも報告された。

 「横浜市女性と経済アドバイザー」のアキレス美知子さんは「参加企業は、従業員の声に耳を傾けており、多角的なコミュニケーションが成立している」と感想を述べた。市は今後も各企業の好事例を広めていく方針だ。

首都圏9都県市、国に生成AIガバナンス強化求める

 首都圏の9都県市で構成される九都県市首脳会議(座長=山中竹春横浜市長)が10月31日、横浜市で行われ、生成AIなどの人工知能技術の健全な活用に向け、国によるガバナンス構築の強化を求める要望が取りまとめられた。

 生成AIは各自治体でも住民からの問い合わせ対応などのために導入が進んでいる。一方、誤った情報の生成や偽情報の拡散などのリスクも指摘されている。

 9都県市は国に対し、人工知能戦略本部が司令塔として機能を発揮し、国際的なAIガバナンス形成を主導することを要請。AI事業者へのリスク評価やリテラシー教育の推進、地方自治体の意見を踏まえたガイドライン策定などを求めた。
賞状を受け取る阿部さん(中央左)と奥村さん(同右)

横浜高校野球部に神奈川スポーツ賞

 今春の「第97回選抜高校野球大会」で優勝した横浜高校野球部=金沢区能見台通=が「神奈川スポーツ賞」を受賞し、贈呈式が11月3日、県立音楽堂=西区=で行われた。

 同賞はスポーツ分野で功績が顕著な個人や団体に対して贈られるもの。「神奈川文化賞」とともに県と神奈川新聞社が共同で主催している。同校野球部の受賞は1973年、80年、98年、2006年に続いて5回目。

阿部葉太さん「4年後はプロの舞台で」

 贈呈式には選抜大会時に主将を務めていた阿部葉太さん(3年)と副主将だった奥村凌大さん(同)が出席。受賞者へのインタビューの中で阿部さんは選抜大会を振り返り、「甲子園球場へ行く際、バスを降りてから球場の入口まで、ファンの方が道を作ってくれて、熱い言葉をかけていただき、『今日も頑張ろう』と思えた」と語った。奥村さんは「選抜で優勝して追われる立場になったが、村田(浩明)監督が掲げる『全員野球』で戦うことができた」と監督の言葉が夏の甲子園でもベスト8まで進めた原動力だとした。同校からは奥村頼人さんが10月のドラフト会議でロッテから3位指名を受けた。阿部さんは「4年後、自分も同じ舞台で戦いたい」と大学に進学し、その後にプロの世界を目指す決意を述べた。

文化賞に声優・野沢雅子さんら

 スポーツ賞はほかに、車いすバスケットボールチーム「神奈川VANGUARDS」=藤沢市=、国民スポーツ大会スポーツクライミング競技少年男子神奈川県チーム、湘南工科大学附属高校テニス部男子団体チーム=藤沢市=、桐蔭学園高校ラグビー部=青葉区=が選ばれた。

 神奈川文化賞は、社会学者の江原由美子さん(73)=横浜市=、美術評論家の酒井忠康さん(84)=逗子市=、コーエーテクモホールディングス代表取締役会長の襟川陽一さん(75)、声優の野沢雅子さん(89)=横浜市=の4人が受賞した。今後の活躍が期待される若い世代に贈られる「神奈川文化賞未来賞」には、小説家の辻堂ゆめさん(32)と脚本家・小説家の吉田恵里香さん(37)の2人が選ばれた。
ラッピングトレインの外装(横浜市提供)

「トゥンクトゥンク」が地下鉄走る 国際園芸博覧会開幕まで500日、ラッピング車両

 2027年に行われる「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)へ向けた機運を盛り上げようと、市営地下鉄ブルーラインで10月28日から園芸博のラッピングトレインの運行が始まった。

 ラッピングトレインの車両の外と中に公式マスコットキャラクターの「トゥンクトゥンク」などが描かれている。10月27日にあざみ野駅=青葉区=で出発式があり、横浜市や国際園芸博覧会協会の関係者が見守る中、門出を祝った。グリーンラインでのラッピングトレインは11月7日から運行される(外装のみ)。

 園芸博は11月4日で開幕まで500日となる。
選挙や政治関係の書籍などが展示されている4階

横浜中央図書館 節目の年で選挙・政治関連書籍を展示

 横浜中央図書館=西区=4階で選挙や政治に関する書籍の展示が行われている。2025年が普通選挙が実施されてから100年、女性の参政権が認められてから80年、選挙権が18歳に引き下げられてから10年となるために企画されたもの。

 選挙制度の変遷やそれに関わった人々の思い、社会の動きを関連資料とともに振り返っている。展示は11月24日まで。市選挙管理委員会は「一票の重みや投票の大切さ、未来へのつながりを図書館で見つけてみませんか」と呼びかけている。

はまぎん こども宇宙科学館で廃食用油から飛行機の燃料をつくる「Fry To Fly Project」について学ぶ 11月16日、小学4年から中学2年対象

 はまぎん こども宇宙科学館=磯子区洋光台=は11月16日(日)、家庭の廃食用油から飛行機の燃料をつくる取り組み「Fry To Fly Project」について学ぶイベントを開催する。午前10時30分から正午まで。

 対象は小学4年から中学2年。参加者1人につき、保護者1人の見学が可能。定員は16人で、応募多数の場合は抽選となる。参加無料だが、別途入館料が必要。申し込みは7日まで、同館洋光台サイエンスクラブHPで受付。(問)同館【電話】045・832・1166

楽しく防災を学ぶ「防火防災フェア」 11月9日、磯子区と金沢区で同日開催

 磯子区と金沢区で11月9日(日)、楽しみながら防災について学べる「防火防災フェア」が開催される。いずれも参加無料。

 磯子区は、午前9時から午後0時30分までの開催。第1部は磯子スポーツセンター第2体育室で、講座「まちを元気にする楽しい防災訓練企画のコツ」を実施。約1時間で自治会町内会の防災担当者向けに、訓練のマンネリ化といった悩みの解消法を伝える。続く2部は新杉田公園芝生広場で、スリッパ・ホイッスル作りワークショップやバケツリレー(正午から)などを行う。

 金沢区では、三井アウトレットパーク 横浜ベイサイドで午前10時から午後3時まで。同所Aブロック1階セントラルコートで消火器や煙体験、救助隊の訓練や資器材展示、Bブロック1階ハーバーゲート前広場で車両展示や防火衣着装体験、Cブロック1階くじらの大屋根広場で救急医療体験など、さまざまな体験や展示を行う。先着200人で、スタンプラリーもある。

 問い合わせは磯子区役所総務課【電話】045・750・2312、金沢消防署【電話】045・781・0119。

金沢区のいきいきセンターでまつり 11月8日、バザーや模擬店、健康チェックコーナーなど

 「第25回いきいきセンターまつり」が11月8日(土)、いきいきセンター金沢=金沢区泥亀=で開催される。時間は午前10時から午後2時。荒天の場合は中止。主催は金沢区社会福祉協議会、老人福祉センター晴嵐かなざわ、泥亀地域ケアプラザ、泥亀福祉機器支援センター、金沢区三師会立訪問看護ステーション。

 バザーや模擬店、体験コーナー、演芸大会、ミニゲーム、ウォークラリー、ミニ福祉機器展のほか、血圧・握力測定などの健康広場(1時30分まで)も。問い合わせは泥亀地域ケアプラザ【電話】045・782・2940。

横浜市立大学「浜大祭」で新感覚たい焼き限定販売 三崎恵水産FISHSTAND、岩井の胡麻油とコラボ

 横浜市立大学で11月1日(土)と2日(日)に開催される「第75回浜大祭」で、同大学吉永ゼミ食プロジェクトが地元企業とコラボしたたい焼きが限定販売される。

 若者の和菓子離れに着目した同プロジェクトでは、地元・神奈川の食材を使用して新感覚のたい焼き2種を開発した。一つは、三崎恵水産FISHSTANDのプレミアムなツナと岩井の胡麻油(株)の胡麻油を使い、香ばしさとしょっぱさが特徴の「コンフィチーズ味」。もう一つは、地元和菓子店香炉庵の「船もなか」にインスピレーションを受け、定番のたい焼きの美味しさに白玉のもちもちとした食感を加えた「白玉あんこ味」。各種400円で、1日200個(コンフィチーズ80個、白玉あんこ120個)の限定販売となる。

 同祭の会場は横浜市立大学金沢八景キャンパスで、時間は1日が午前10時から午後6時、2日は午前10時から午後7時30分まで。問い合わせは同プロジェクト【メール】c231235e@yokohama-cu.ac.jp。
講演した医師の浅井さん

帯状疱疹「ワクチン接種で予防を」横浜市医師会が講演

 横浜市医師会(戸塚武和会長)が横浜市役所1階のアトリウムで10月16日、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)予防接種」の講演会を開催した。

 帯状疱疹とは、過去に水ぼうそうにかかった際に体内に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経に沿って痛みを伴う赤い発疹が出現する病気。加齢などによる免疫機能低下や疲労、ストレスなどが発症原因で、50歳以上で罹患率が高くなり、70代で最も多く発症。80歳までに約3人に1人がかかるといわれている。後遺症として神経痛が残る場合もある。

 同講演会は、今年度から定期接種の対象になった帯状疱疹ワクチンの予防接種について、神奈川県民に理解を深めてもらうことを目的に実施。神奈川県皮膚科医会副会長の浅井俊弥さんが講師を務め、さまざまな症例写真を紹介しながら、帯状疱疹の特性や合併症などの注意点を解説。ワクチンは、皮下に1回接種する「生ワクチン」と筋肉内に2回接種する「不活化ワクチン」の2種類があるとし、それぞれの特徴や予防における有効性について説いた。最後の質問タイムでは、「どちらのワクチンを選んだらよいか」「持病による副作用は」「若い人にも増えていると聞くが、自費でもワクチンを打った方がよいか」といった具体的な質問が参加者から次々と飛び出した。

 浅井さんは「若い人は生ワクチンでもよいが、高齢者は不活化ワクチンがよいと思う。最終的には患者さんと話し合って決める」と話した。参加者の中には熱心にメモを取りながら聞き入る人も多く、関心の高さがうかがえた。

65歳に接種費用を一部助成

 横浜市では7月から、帯状疱疹ワクチンの定期予防接種の費用を一部助成している。対象者は今年度65歳になる人と、5年間は経過措置として70歳から5歳刻みに100歳までの人(今年度のみ100歳以上も対象)。市内の対象者は約21万人で、今年の6月下旬以降予診票を同封した封筒が個別に送付されている。今年度の実施期間は、2026年3月31日まで。「不活化ワクチンの場合は2カ月以上の間隔を置いて2回接種しなければいけないため、助成を使うには1月中に一度の接種が必要となる」と横浜市医師会。横浜市では「65歳以上で公費負担で受けられる機会は生涯に一度だけ。今回封筒が届いた人で希望者は早めに医療機関で相談を」と呼びかけている。

 問合せは横浜市予防接種コールセンター【電話】045・330・8561