中原区版【11月7日(金)号】
協力を呼び掛ける生徒ら

新城高校 体操器具購入へ寄附募る 「地域との交流促進」目指し

 新城高等学校(下新城/八柳誠一郎校長)が、老朽化した体操用の練習器具を購入するための寄附の募集を開始した。期間は来年1月31日(土)までで、募集金額は450万円。寄附を活用して器具を新しくすることで、生徒の挑戦と成長を支援する練習環境の構築、地域との交流を促進するなど、3つの目標の達成を目指す。

 子どもたちに快適な学びの場を提供するために活用される「神奈川県まなびや基金」。新城高校は、この基金のうち2021年度から始めた県立学校等が自らその特色や地域性などを生かし、整備内容、募集金額、成果目標を明示した事業プランを策定する「事業提案型」に採択され、地域と連携した教育環境づくりの一環として実施する。同校がまなびや基金を利用するのは初めてで、趣旨に賛同を得た県内外の個人、企業、同窓会員らへ協力を呼び掛ける。

 基金を活用して購入を考えているのは、体操用の練習器具である床のタンブリング台セットと平行棒。タンブリング台は、マットの下に置くスプリングで支えられた特殊な台で跳躍等の競技に使われるものだ。いずれも数十年使用しており、相当な老朽化が進んでいる。体操部の顧問で保健体育科主任の関有城教諭は「タンブリング台は接続部が劣化し、勢いよく踏み込めず、跳躍や回転技に必要な長さも足りない状態で使用している。平行棒は高さ調整に難があるばかりか、試合と同等の条件で練習もできない」という。体操部だけでなく、体育の授業等で一般の生徒が使用することも想定しているが、「現状では使うのをためらわれる」と下を向く。

地域との交流促進

 同校が器具を新しくすることで目指す3つの目標は、生徒の挑戦と成長を支援する環境構築、地域交流の促進、安全性と機能性の確保。体操部・部長の高橋楽太郎さん(2年)は「器具が新しくなったら地域の小学生や中学生と体操を通した交流を行い、互いの技術を高め合いたい」と期待する。二羽朋代教頭は「安全性や機能性が確保できることで競技力の向上だけでなく、小中学生や社会人チームと合同で練習する機会を設けるなど、地域との交流に力を入れることができるようになる」と話す。

 寄附は納付書のほか、個人の場合はクレジットカード、法人の場合は企業版ふるさと納税としても寄附することができる。寄附の方法など詳細は、まなびや基金のウェブサイト。

県内小中体育館の空調設置率 全国平均を下回る 本紙調査 今年度末までに2割超に

 近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館等の空調設置。本紙は設置状況について県内の各自治体にアンケート調査を実施した。今年度末までに設置率が21・9%になる見込みである一方で、依然として全国平均を下回ることが分かった。

 文科省では学校体育館の空調設置に国の支援制度を周知するなど導入を推進している。

 県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対して、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日時点)によると、体育館等の設置率は14・6%で全国平均の22・7%を下回っている。県内の自治体別に見ると、設置率100%は神奈川県を含む34自治体のうち綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。一方で0%が17自治体あり、27の自治体で50%を下回っている。

 アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。すでに設置完了の4自治体を除き、23の自治体で検討が進んでいる。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、具体的な予定はないが、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。

 また、設置予定がないと答えた自治体の中には、「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。

川崎市では

 川崎市は今年5月1日までに11校で設置済みで設置率は5・3%。今年度、整備方針の策定を進めており、市教育委員会によると26年度9校、27年度に7校での設置を予定しているという。今後は、整備方針に基づいて早期整備をめざすとしている。

 なお、アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の市町村に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。

ブレイキンの聖地・ミゾノクチに巨大なミューラルアートを制作した Dragon76さん 米国・ニューヨーク在住 49歳

川崎の街を感じて描いた

 ○…「ブレイキンの聖地」として知られるJR武蔵溝ノ口駅の自由通路の壁面に、ブレイキンをモチーフにした巨大なミューラルアートを制作した。約80種類のスプレーを手に、「ニューヨーク生まれのブレイキンが日本に渡って独自の発展を遂げ、ダンサーの活躍で世界に広がるイメージ」の壁画を完成させた。「ミューラルアートというストリートカルチャーを公共の場で、しかも公的な形で描けたことは意味深い。感銘を受けた」と語る。

 ○…2016年からニューヨークでアーティスト活動を続ける。川崎でミューラルアートを手掛けるのは3度目で、19年と20年、市役所本庁舎の改装工事現場の仮囲いに、全長20mと56mの作品を制作した。今回は友人でダンサーの石川勝之さんの依頼を快諾。「日本のブレイキン界のプロジェクトに参加できるのは光栄なこと。絶対、来ると決めていた」。

 ○…滋賀県出身。大阪の美術専門学校で学ぶ傍ら、スプレーアートやライブペインティングを中心にアーティスト活動を続けた。少年時代から「いつかはニューヨークへ」という野望を抱き、39歳の時に実現。ストリートカルチャーの本場で実力だけを武器に腕を磨き、18年と23年にはワールドトレードセンターから壁画を任された。世界で手掛けた作品は60以上になる。

 ○…外壁に描かれるミューラルアートは経年劣化が避けられない。しかし「時間と共に作品が変化するところも好きだし、描きながら街の人の反応を感じられるのが最大の魅力」という。今回の現場でも、小さな子どもから高齢者まで、たくさんの人が声をかけてくれた。「街の人が気軽に声をかけてくれて、人との距離感が近い。川崎は何度来ても面白い街」
ポスターを手にする橋本会長

新丸子東栄会 7年ぶり「びっくり市」復活 11月8・9日 会長「楽しんで」

 新丸子駅東口の商店街・新丸子東栄会が主催するイベント「びっくり市」が11月8日(土)と9日(日)の2日間、同商店街で開催される。

 50年程前から年に2回開催されていた同イベント。参加店舗が"びっくり"するようなセールやサービスを行っていたが、コロナ禍で中止が続いていた。橋本千穂子会長は、昨年の就任時「必ずやろう」と決めていたという。上丸子小学校の児童が昨年商店街でイベントを企画し、実施したことも復活への追い風となった。「イベントをやると人が集まり、雰囲気が良くなった。『びっくり市』を知っている子が『やりたい』『参加したい』と言ってくれた」と橋本会長。商店街を回り、各店に説明して回るなど開催に向け奔走。今回7年ぶり、97回目の開催にこぎつけた。

 復活した今回の「びっくり市」は、その同校6年生とコラボ。児童たちが輪投げやストラックアウト、射的などのゲームコーナーを企画。ゲームに挑戦するともらえる仮装通貨で、アクセサリー作りのワークショップに参加できるなどの工夫を凝らし、ステージ発表や同市に参加店のPR活動も行う予定だ。

 商店街でもビンゴを企画するほか、新丸子東町会少年野球部なども協力する。参加店やセール等は同商店街のインスタグラムで紹介中だ。橋本会長は「この機会に一度足を運んでもらって、この街の魅力や働く人のことを知ってほしい。一緒に楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。
区内各所に掲出されているポスター

中原消防署 モトスミで防火パレード 伊集院あさひさんも参加

 11月9日(日)から15日(土)までの秋の火災予防運動期間に合わせて、中原消防署(小川晶署長)は11月12日(水)、モトスミ・ブレーメン通りと元住吉駅で防火パレードを実施する。午後2時から3時。

 同署や関係機関は、今回の火災予防運動のポスターに、テレビや舞台で活躍する俳優の伊集院あさひさんを起用している。その伊集院さんや消防音楽隊らが、モトスミ・ブレーメン通り商店街の鈴木水産ビルから元住吉駅までの約500mの間でパレードを行う。終了後は、同駅西口広場で消防音楽隊によるミニコンサートも開催する。

 (問)同署【電話】044・411・0119
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「商店街の魅力発信」今年も
溝の口駅前「ポレポレ通り」
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11月9日(日)は「クラフトマーケット」 賑わい創出図る
「溝ノ口駅前商店街振興組合」(持田知介理事長)が主催する「ポレポレウィンターフェスタ2025」が開幕した。商店街に愛着を持ってもらい、まちの魅力を地域住民に広く... (続きを読む)
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川崎市はCO2排出実質ゼロに向けた取り組みの一環として個人向け市債『かわさきグリーンボンド(個人向け)』を販売する。11月14日(金)から12月5日(金)まで申... (続きを読む)

市民団体モモの会 こころの健康講演会 11月22日 エポックで

 電話で傾聴を行う市民団体・モモの会主催のこころの健康スペシャル講演会2025「人生の終わりをしなやかに〜在宅医療をご存じですか〜」が11月22日(土)にエポックなかはらで開催される。午後2時から4時。

 「子どもには迷惑かけたくない」「このまま今の家で暮らしたい」などと考えている人に、これからの人生を心豊かでしなやかに過ごせることをテーマにした講演。長年、在宅医療を実践してきためぐみ在宅クリニックの小澤竹俊院長を講師に迎え、医療・介護・地域の支えをまとめた地域包括ケアシステムの仕組みについて話を聞く。

 定員60人。参加費500円。申し込みは同会事務局まで【メール】momodenwa279@gmail.comまたは【電話】080・5986・7663。
今年のポスター

11月8日 法田寺 恒例の御会式ステージも

 法田寺(上平間244)では明日11月8日(土)、毎年恒例の御会式を開催する。

 御会式は日蓮大聖人とのご縁に感謝を捧げる行事で、毎年多くの人でにぎわう。午後4時ごろから境内に屋台が出店し、本堂前特設ステージでは地元ダンス教室の発表のほか、地元アイドルグループMARUKADOもゲスト出演。5時からは幼児〜小中学生を主対象とした「こども法要」(参加賞あり)が、8時頃には万灯の奉納も予定している。岸顕崇住職は「毎年多くの方にお越しいただいている。今年もぜひ楽しんでほしい」と話している。

 詳細は、公式フェイスブックやインスタグラム、メールまたは【電話】044・522・1616。
植物委員会のメンバーで植樹

記念にクヌギ植樹 地域団体と一緒に作業

 創立70周年の記念植樹が10月9日、同校の中庭で行われた。

 記念植樹は、70周年記念事業実行委員会が企画し、地域団体「多摩川クラブ中原」の内藤隆代表と安藤直明さんが協力。同校の1年生が毎年授業でドングリについて学んでいることから、クヌギの苗木1本を植物委員会メンバーと一緒に植え、その様子が各クラスに動画で中継された。

 児童代表はクヌギの木の花言葉が「穏やかさ」であることに触れ、「クヌギの木と一緒に成長していきたい」と感謝の言葉を述べた。冬には、同クラブがサクラの苗木を寄贈する予定だという。
70周年を記念して撮影した航空写真 航空写真提供:(株)ひまわり空撮

日頃の感謝、そして未来へ 11月8日に記念式典

 川崎市立西丸子小学校(吉村あかね校長)が今年創立70周年を迎え、11月8日(土)には同実行委員会(川島高之実行委員長)が主催する記念式典・祝賀会が開催される。

 1948年(昭和23年)に、中原小学校と分かれて上丸子小が開校し、その上丸子小と分かれて55年(昭和30年)に西丸子小が開校した。記念すべき70周年に向け、同校では「未来へつなごう7色のバトン〜輝け個性、進化し続ける西丸子」とスローガンを決定。子どもたちに人気の同校のマスコットキャラクター「にしつきちゃん」に加え、70周年のキャラクター「にしやまくん」も制作した。

 同実行委員会は、記念事業として「電波時計設置プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディングを実施。53台の電波時計を寄贈した。クヌギの苗木の記念植樹も同校の中庭で行うなど、地域、学校をあげて70周年を盛り上げてきた。

 11月8日に開催される記念式典は、午前中、児童たちが日頃の感謝を込め、学習してきたことを歌や合奏、ダンスなどで発表し、6年生は総合の授業で制作したオリジナルソング『70th Anniversary〜ぼくらのプロローグ〜』を披露する。午後は関係者を招いた祝賀会を開催する。

各学年で地域学習

 同校では、各学年の学びの中で、地域学習にも注力。2年生は地元のスポットやものを見て回る「町たんけん」で、地域で働く人たちの話を聞き、地域を愛する心を育み自分を見つめる取り組みを行っている。3年生は社会科で自分たちの町である中原区、そして川崎市について学び、4年生は多摩川でのガサガサ体験を、5年生は地域の協力を得ながら、田起こしや田植え、収穫までの稲作を通して働くことを学んできた。6年生は、キャリア教育の一環として地域の人たちから話を聞く取り組みを行っている。吉村校長は「地域の皆様あっての活動。地域の方々に感謝し、今後もご協力をお願いします」と話している。
活動したメンバーら

献血呼び掛けに45人 川崎中原ライオンズクラブ

 地域社会で活動する川崎中原ライオンズクラブ(小島克巳会長)は10月25日、東急武蔵小杉駅東口でメンバーらが参加して献血活動を行った。

 朝から冷たい雨が降りしきる中、駅利用者や買い物客らへの献血協力の呼び掛けに対し45人が受付。そのうち、基準を満たした43人が採血した。最終的な採血量は1万6800ミリリットル(200ミリリットル2人、400ミリリットル41人)。

 小島会長は「献血推進への貢献はクラブにとって大事な社会奉仕活動の一つ。献血への協力はもちろん、多くの人たちに輸血用血液が足りないことをもっと知ってもらいたい」と話した。
上・自らも「オストメイト」のコントラバス奏者の大西雄二さんと左手一本で活動するピアニスト大西ますみさんの演奏右・理解を深めてほしいと訴える坂本会長

楽しい時間で理解を求める オストミー協会 コンサートに300人

 人工肛門や人工膀胱(ぼうこう)で生活する人「オストメイト」について理解を深めてもらおうと日本オストミー協会川崎支部は先月24日、エポックなかはらでチャリティーコンサートを開催した。関係者や市民らおよそ300人が楽しんだ。

 あいさつに立った同協会会長で川崎支部長も務める坂本純さんはオストメイト対応トイレの普及など課題感を示しながら「公平な社会のため理解を求めていきたい」と決意を語った。

 コンサートでは、オストメイトのコントラバス奏者・大西雄二さんと、脳出血後、左手のピアニストとして活躍する大西ますみさん夫妻が登場し、クラシックから歌謡曲まで息の合った演奏を披露。訪れていたオストミーの音楽家は左手5音プラスコントラバス、計6つの音から生まれる演奏に賛辞を贈っていた。イベント後、坂本さんは「楽しい時間を通してオストミーへの理解が深まったのでは」と期待感を示した。
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時計を受け取る児童代表

実行委員会 CF(クラウドファンディング)で電波時計を寄贈 記念事業として

 西丸子小学校の創立70周年記念事業実行委員会は、記念事業として「電波時計設置プロジェクト」と題し、クラウドファンディングを実施した。集まった支援金で電波時計53台を同校に寄贈した。

 同校では、「5分前行動」を推奨し、時間を意識した生活習慣を身につけることを目標に掲げている。一方で、校内の時計はすべて自走式で経年により時間のズレが生じ、教員が手動で調整を行っているという。そこで、子どもたちがどこでも正確な時間がわかるようにと、趣旨に賛同した人たちから支援を募るクラウドファンディングを実施。目標額45万円に対し、68万2000円の支援が集まった。

 実行委員会では、集まった支援金で電波時計を購入し、同校に寄贈した。川島高之実行委員長は「若い方に70周年への関心を持っていただきたかった。予想していた以上に関心が高く、支援をいただき、感謝している」と話している。
舞台の部(上)や展示の部を披露

中原区文化祭 伝統文化、一堂に  「未来に伝え、残したい」

 「第57回中原区文化祭」の舞台・展示・茶会の部が10月25日、26日に中原市民館で開催された。主催は中原区文化協会(原修一会長)。

 式典や茶会席をはじめ、区内で文化活動をする団体や個人会員が、日ごろの成果を披露した。芸能の部は合唱や日本舞踊、詩吟、大正琴、民謡などさまざまなプログラムをホールで実施。ギャラリーや会議室を使った展示の部は生け花やフラワーデザイン、書道、絵画などのほか、機関紙「文化なかはら」を創刊号からそろえ、文化協会の活動を紹介した。

 原会長は「協会では子どもたちの文化活動を応援している。日本の伝統を伝え、未来に残したい」と思いを込めた。

読書活動の作品展示 中原図書館で17日まで

 中原図書館は「読書のまち・かわさき」と題し、児童・生徒の読書活動作品を11月10日(月)から25日(火)まで展示する。時間は平日午前9時30分から午後9時など。川崎市教育委員会主催。

 学校と図書館、家庭、地域が連携することで子どもたちが読書に親しみ、感性や表現力を高めてもらうことを目的に開催。11月2日の「読書の日」に合わせて実施した読書標語やポスター、本の紹介文の優秀賞、入賞作品と優秀団体の活動を紹介する。(問)指導課【電話】044・200・1140

県の不登校等の調査 いじめ、初の6千件台 不登校も増加傾向続く

 川崎市内の市立小学校と中学校で2024年度に確認されたいじめの件数が初めて6千件を超えたことが分かった。神奈川県が実施した24年度の「児童・生徒の問題行動・不登校等調査」から、市教育委員会が市内の状況をまとめた。不登校の状態にあった児童・生徒数も前年度より多い3451人だった。

 調査によれば、小学校でのいじめの認知件数は6335件で、前年度より1143件増加し、中学校での件数は321件で41件増加した。ただし今年7月時点の追跡調査の結果、24年度内にいじめが「解消された」と確認できた件数は、小学校で98・3%、中学校で94・7%だった。

 小学校のいじめの内容(複数回答)は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が3539件で圧倒的に多い。「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が1484件で続いた。「パソコンや携帯電話などで誹謗中傷や嫌なことをされる」も638件あった。「暴力行為」は小学校で356件、中学校で210件だった。

 不登校の状態にある小学生は1579人で前年度より144人増加し、中学生では1872人で46人増加していた。1000人当たりの不登校児・生徒数は、小学生で21・7人、中学生で62・4人となっている。

 不登校の状態を把握した理由としては、「不安・抑うつの相談があった」がいずれも最多で、「学校生活に対してやる気がない等の相談があった」「生活リズムの不調に関する相談があった」などが続いた。

 市教委ではまずいじめに関して「迅速かつ適切な対応が組織的にできる各学校の体制づくりへの支援に努める」とし、不登校に関しても「昨年策定の『不登校対策の充実に向けた指針』に基づき、関係部局と連携を図りながら総合的な対策を進めている」とした。
今年9月の井田病院でのコンサート(市消防音楽隊提供)

川崎市消防音楽隊 応援サポーターを募集 楽器の老朽化など課題

 川崎市消防音楽隊が協賛金で活動を支える「応援サポーター制度」を2025年度から創設し、10月29日から26年度の募集を開始した。金額に応じた特典があり、集めた協賛金は楽器や衣装の更新などに充てる予定だ。

 市消防音楽隊は、消防活動の広報を目的に1962年に創設された。消防職と兼務の音楽隊員17人と、演奏に合わせたダンスなどの表現パートを担う「カラーガード隊」など計33人で編成されている。

 公式イベントでの演奏に始まり、区民祭りや小学校、幼稚園での演奏など活動の幅は広く、出演回数は年間約170回にのぼる。今年9月には市立井田病院(中原区)で、音楽隊として初の院内コンサートを開催。ベッドや車いすの入院患者も生演奏を楽しんだ。

 一方で予算配分上、消防音楽隊の楽器や衣装などの更新費用が不足しがちな状況が続く。吹奏楽の楽器は20年に一度程度の更新が推奨されているが、市の消防音楽隊の楽器は30年以上経過したものも多く、市消防局では打開策を模索。「クラウドファンディング型ふるさと納税」を利用して費用を調達する横浜市の事例を参照し、今回の「応援サポーター制度」を創設した。

 協賛ランクは5万円〜100万円の6段階。毎年1月の定期演奏会の観覧席や、協賛企業の主催イベントでの特別コンサートなど、協賛金に応じた特典がある。

 サポーターの募集期間は2026年2月20日(金)まで。申込や問い合わせは市消防音楽隊【電話】044・975・0119。

中原小などの元教員 笠原秋水さん書展 ミューザで11月6日から 

 中原小学校や今井小学校などで長年教員を務めた書家・笠原秋水(88)=本名・笠原登=さんが主宰する秋水書道会による「第32回秋水会書展」が11月6日(木)から9日(日)まで、ミューザ川崎(JR川崎駅西口)4階で開かれる。午前10時から午後4。入場無料。

 現在は、麻生区在住で麻生区文化協会の専門委員も務めている笠原さん。就職と時を同じくして立ち上げた秋水書道会では「自分らしさを言葉と書で表現する」を掲げ、「だれにでも読める・だれにでもわかる」書作活動を続けてきた。

 今回も「こころを言葉に ことばを書に」をテーマに笠原さんと会員、学生部あわせて約80人の作品が展示される。笠原さんは「これからも川崎市の文化がより豊かになることを目指す」と話している。

 8日(土)の午後2時からは「秋水米寿の秋」として笠原さんによるギャラリートークが行われる。

 問い合わせは笠原さん【電話】&【FAX】044・966・3038。

みんなでハッピーハロウィーン♪

 平間駅から向河原駅に延びる北谷町通り商店会(木津武志会長)が地域団体と連携した「商店街ハロウィンパーティー」を開催し、多くの人出でにぎわいを見せた。

 今年は、チーム歌留多の中野亜美さんが集まった子どもたちと一緒に音楽に合わせて踊りながらパレードを行ったほか、地域団体や店舗が出店するなど、仮装した子どもから大人まで、イベントを楽しんだ。山本守弘実行委員長は「みんなの笑顔が見れて良かった。商店街は地域の皆さんと一緒にあるもの。今後も地域を盛り上げていきたい」と笑顔で話した。

「SDGsに触れよう」 11月9日 団体などが出展

 「かわさきSDGsパートナーまつり2025」が11月9日(日)、NEC玉川事業場公開空地(下沼部1753)などで開催される。午前10時から午後4時。主催はNECプロボノ倶楽部。

 防災、環境、芸術をテーマに、かわさきSDGsパートナー企業、団体、教育機関が出展する。子どもから大人まで楽しめる参加型ブース、屋内外のステージで音楽演奏などが行われる。1階屋内ホールではART FOR ALLコラボ企画(シルク・ドゥ・フィル協力)も。入場無料。少雨決行。詳細は同まつり公式ウェブサイト。

GO!GO!!フロンターレ

誰もが観戦を楽しめるように

 川崎フロンターレは、10月18日の清水エスパルス戦(J1)で「2025 えがお共創プロジェクト」を実施した。この取り組みは、発達障がいなどの特性のある子どもや家族が安心してサッカー観戦を楽しめるよう、音や光、においなどに配慮した環境を整え、誰もが笑顔で過ごせるスタジアムを目指すもの。

 スタジアム6階の会場に、外のにぎやかな音を和らげて落ち着いて観戦できる「センサリールーム」を設置。参加者からは「子どもが自分から『外でサッカーを観てみたい』と言ってくれた」といった喜びの声が聞かれた。ハーフタイムには、選手たちと直接交流したり、この日限定でハロウィーンの仮装をしたふろん太やカブレラと触れ合う時間もあり、会場全体が笑顔であふれる一日となった。

 担当者は「サッカー観戦が特別なイベントではなく"日常の楽しみ"として広がっていく、そのきっかけを生み出せたことが何よりの喜びです」と手応えを語った。