小田原・箱根・湯河原・真鶴版【11月22日(土)号】
上写真・完成した2種の「みそぶし」、右写真・商品を持つ小野岡代表(右)と加藤社長

「削る味噌」 世界に発信 県西エリアの企業が開発

 味噌を固形チーズのように加工した調味料「みそぶし」が県西エリアの味噌店と発酵食品メーカーによって開発された。関係者は海外の嗜好にマッチさせることで、日本伝統の食材を広くPRできると期待を寄せる。

 開発は、大磯町で発酵食品を製造・販売するショウナンソイスタジオ(小野岡圭太代表)と、「いいちみそ」で知られる小田原市の加藤兵太郎商店(加藤篤取締役社長)が共同で進めた。

 海外の人にも受け入れられる商品づくりを目指し開発に取り組む小野岡代表が着目したのが味噌。海外では日本料理店での味噌汁で親しまれているが、「家庭で購入されても数回使われた後は冷蔵庫に眠ったまま」ということも多いという。

 そんな食材を、パルメザンチーズのように料理にまぶせるような固形化を発案。加藤兵太郎商店がコンセプトなどを担うかたちで3年ほど前から開発がスタートした。

 固形化する際に水分が抜けにくい課題や、食感の調整などを独自の乾燥技術で繰り返し、商品化にこぎつけた。通常の味噌と同じ原料ながら「生味噌よりも塩分が少なく、旨味成分は維持されていた」(加藤社長)という予想外の変化もみられたという。

 削って料理に旨味や香りを加える新商品について加藤社長は「欧米の有名料理店からも好感触を得ている。日本の伝統食が広く受け入れられる絶好のチャンス」と話す。みそぶしは両社での店頭販売のほか、インターネットでも購入できる。
移動スーパーの車両と(右から)木村会長、関根執行役員、加藤市長

マックスバリュ東海 小田原市で移動スーパー 市、社協と連携 川西地区で

 小田原市の川西地区で11月18日から、高齢者らの買い物の不便さ解消などを目的に移動スーパーの運行が始まった。市と市社会福祉協議会、マックスバリュ東海(株)による「ケアタウンの推進に関する連携協定」に基づく事業で、同日、市社会福祉センターで出発式が行われた。

 10月29日に締結されたこの協定は、人々が相互に見守り、助け合い、必要なときに支援を受けられるなど、支え合いのまち(ケアタウン)の実現を目指すことを目的としている。同社は、買い物支援と高齢者等の見守り活動を目的に、2022年から静岡県や愛知県などで移動販売事業を展開。今回の実施は、神奈川県内では箱根町や南足柄市などに続き、5台目。

 運行コースは市社協と連携して自治体からの意見を聞き検討。7コースを設定し、市内およそ70カ所を巡回することにした。車両には生鮮食品・総菜・日用品など約500品目をそろえ、毎週同じ曜日、場所、時刻に各所を訪問する。

 出発式で同社の関根賢一執行役員は「今までのノウハウを生かして地域の暮らしの一助となり、皆さまに愛される存在になりたい」とあいさつ。加藤憲一市長は「地域の暮らしを支える基幹的なインフラとなれば」と期待を寄せた。

 また市社協の木村秀昭会長は高齢化や移動手段の制限で買い物に不便を感じている人が多い現状を挙げ、「地域の暮らしの足として大きな役割を果たすと確信している。また地域のつながりや絆を深める場として末永く続くことを願っている」と話した。

真鶴町議会の議長に就任した 天野 雅樹さん 真鶴町在住 58歳

変わらない真鶴愛

 ○…10月の臨時会で新議長に選出され、10人の議員による議会運営を担う。「町民の声を吸い上げて町政に反映したい」と襟を正す。生まれ育った真鶴での議員人生は3期目を迎えた。町の課題は山積するなかでも、9月町議選の低投票率については、「町民に関心を持ってもらえる議会運営をしなければならない」と責任を胸に刻む。

 ○…自身の略歴を「映画みたいでしょ」と屈託なく笑う。16歳で真鶴を飛び出し、都心部で職を転々とした後、20歳でロサンゼルスへ。一からアメリカ車を日本へ輸出する商売を始めた。「英語は全く喋れなかったから現地で勉強した。若さだよね」。3年後病床の父の容態悪化により帰国。30歳で友人と東京で投資会社を興し、軌道に乗せたが15年後に解散。「景気もあるけど、正直飽きたってのもあるかな」。その潔さが小気味よい。

 ○…国内外で生活してきたが「真鶴が好きという気持ちは常に変わらなかった」。会社解散後、改めて見えてきた故郷の現状。「石材業も漁業も右肩下がり。子どものころに見た活気がなかった」。地元の若者を集め真鶴活性化のための勉強会を開いていた時期も。やがて「自分が行政の中に入ってみよう」と町議選に立候補。51歳で初当選を果たした。「真鶴は良いまち。必ずどうにかなると思ってやっている」。その信念は今も変わらない。

 ○…議長就任後は「ほぼ毎日役場通い」。多忙な日々の疲れを癒やすのは愛妻料理。ビールを片手に、「なんでもおいしいんだよね」と目を細める。愛車は30歳から乗り続けるスバル360。「てんとう虫」の愛称で知られる車は「年齢で言うと自分の1つ下。不具合もないんだよね」。小回りを利かせ、愛車とともに真鶴を走り抜ける。

手作り雑貨やさき織り展 喫茶館銀の椅子で

 ミニチュア家具や手作り雑貨、さき織りの展示販売会が、11月29日(土)・30日(日)に喫茶館銀の椅子(小田原市栄町3の2の25)で開かれる。午前10時30分から午後4時。

 日本製のミニチュア家具や木製玩具、小物入れ、さき織りのポーチなどが並ぶ。(問)主催の松井さん【電話】090・8086・6892
あしがら灯りの祭典IN最乗寺のチラシ

県西の灯りが集結 最乗寺で「灯りの祭典」 11月22日から 物販、体験企画も

 大雄山最乗寺(南足柄市)で11月22日(土)〜30日(日)、「第2回あしがら灯りの祭典IN最乗寺」が開催される。主催は同実行委員会(加藤修平実行委員長)。

 境内には金太郎ねぶた、小田原ちょうちん、ひょうたんランプ、竹灯籠など県西部エリアの灯りが一堂に集結。見ごろを迎えた紅葉のライトアップとともに、幻想的な空間を演出する。

期間中イベント

 22日午後4時15分からの点灯セレモニーで開幕。主なイベントは以下。▽「天狗ランタン」打ち上げ/22日・23日(日)・29日(土)・30日/1基3千円(事前申込制・持ち帰り可)、▽大雄山線開業100周年記念イベント/29日、30日/ミニ電車乗車体験(雨天中止)、▽わをんライブ/30日(午前・午後)/中学生以上2千円(予約制)。ほか土日祝日を中心に物販・マルシェ、ワークショップなど開催。▽最乗寺駐車場/22日〜24日(月)・29日・30日午後4時〜8時は1台500円となる。

 詳細はホームページから確認を。
趣向を凝らした催しで来場者を楽しませた

国府津小140周年記念 世代交流の催しに700人 「多彩な地域の力に感謝」

 小田原市立国府津小学校のPTAと同小が共催で11月1日、地域と世代の交流イベント「ふれあいひろば」を開催した。

 地域の恒例行事を、今年は同小の開校140周年記念行事の一環として実施。児童や保護者、地域住民など約700人が来場した。

 グラウンドでは自衛隊によるカレー炊き出しが先着400人に振舞われたほか、木工クラフトや走り方教室といった体験イベントにも多くの来場者が参加。体育館では相洋高校和太鼓部の演奏、児童のクラブ活動発表などでにぎわいを見せた。

 同小PTAは140周年記念行事として今夏、撤去されていた人気遊具のターザンロープを寄贈。ふれあいひろば会場で加藤憲一市長が感謝状を贈る一幕も。

 海野晋佑PTA会長は「世代間交流も図る催しに多方面からの協力があり、地域の力で国府津小の140年を祝うことができて感謝している。来年2月には夜空を彩るイベントも企画しているので、ぜひ楽しみにしてほしい」と話した。
話を聞いた露木部長

病院から自宅へ― 11月23日在宅医療の日 変わる医療提供の現場 取材協力/間中病院(小田原市本町)

 超高齢社会を迎え医療需要が拡大する中、国は医療の提供を病院から在宅へと転換する動きを進めている。国立長寿医療研究センターなどが定める11月23日の「在宅医療の日」を前に、間中病院訪問診療部の露木寛之部長に話を聞いた。

 厚労省によると、2023年に在宅医療を受けた外来患者は1日当たり23万9千人で過去最多を記録した。高齢化で病床が逼迫(ひっぱく)する中、在宅医療の必要性は患者や家族だけでなく医療業界においても高まりを見せる。

 同院は17年ごろに訪問診療部を設立。現在560人ほどの患者を抱えており、これだけの規模で訪問診療を行う病院は県内でも珍しいという。

 一方で「在宅医療への認知不足も感じる」と露木部長は話し、「在宅で医療を受けたいと考える患者や家族と、自宅では難しいのではないかという先入観を抱く周囲とのギャップを埋めることが、在宅医療の推進には不可欠」と指摘する。

 同院では、入院中から自宅での生活に向けた準備を患者や家族と進めている。例えば痰の吸引やおむつの交換方法などを指導し、「自宅ではこんなことが起きる」という心構えを共有。病院側も在宅による負担軽減に向け、服薬を朝1回にまとめたり注射を内服薬に変更したりと「入院中から頭を『おうちモード』に切り替えて」(露木部長)、退院後の生活を見越した対応を行う。

 高度な医療機器などは使用できないが、通院負担がなく自宅での暮らしを念頭に置いた治療ができるのも在宅医療の利点だ。露木部長は「生活パターンに合わせて薬の種類を変えたり、家族構成や介護ができる、できないに合わせて治療方針を考えたりと、外来以上にオーダーメード化された医療の提供が可能になる」と利点を話す。

 訪問診療部の設立以降、自宅での看取り件数も右肩上がりだ。24年には84人の患者を自宅で看取った。住み慣れた環境で家族に見守られながら最期を迎えたいという希望をかなえる在宅医療。露木部長は「医師会の中でも在宅医療を推進していこうという動きが広がっている。地域で在宅医療に携わるクリニック同士が課題を出し合い、議論する機会が深まれば」と期待を寄せた。
小田原衛生グループ関係者と部員

小田原衛生グループ 女子ラクロス部を活動支援

 小田原衛生グループがこのほど、横浜国立大学女子ラクロス部とスポンサー契約を締結した。

 同グループは女性活躍推進プロジェクトを展開し、女性が働きやすい環境づくりを進めている。その中で今回、社会貢献の一環として、大学部活動と企業をつなげるスポンサーマッチングサイト「BUKASUPO」を通し、同部を支援することにした。

 締結式で鈴木大介代表取締役は「多くの方にこういう会社があることを知ってもらうきっかけになれば。また、学生の皆さんがより充実した時間を送っていただくことにつながればうれしい」と話した。

 同部の小松原知賢さん(4年)は「活動環境の整備や大会出場に向けた準備などチームの成長のために活用したい」と感謝を述べた。

「つながり」作り10周年 30日にUMECO祭り

 おだわら市民交流センターUMECO(小田原市栄町)で11月30日(日)、「第10回UMECO祭り」が行われる。午前10時から午後3時まで。

 UMECOは「つながる」をコンセプトに市民や市民活動団体、事業者などが交流・連携する場として2015年にオープンした。UMECO祭りは市民活動の魅力を体感できるイベントとして、同施設登録団体から実行委員を募り、16年から開催されてきた。コロナ下ではリモートで開催し、その活動をつなげてきた。

 10回目となる今回のテーマは「10年分のありがとう、そしてこれからも」。93団体が参加し、展示や体験講座、パフォーマンスなど、日ごろの活動を生かした内容で来場者を迎える。

 また先着100人にオリジナルグッズがもらえるスタンプラリーを行うほか、10周年を記念し、自由にメッセージを書き、未来に思いをつなぐ記念フラッグ=写真=も用意している。実行委員長の奥津慎一さんは「市民同士をつなげるいろいろな企画がある。新しいことや仲間と出会うきっかけの場になれば」と来場を呼び掛けている。
イベントチラシ

国府津で「みかんまつり」 駅周辺などで11月29日

 ミカンをテーマにしたイベント「ヤッホーみかんまつり」が11月29日(土)、国府津駅前周辺で開かれる。午前10時から午後4時。古くからミカン栽培が盛んだった国府津エリアの有志らでつくる「ヤッホー国府津村役場」が主催し、今年で4回目。

 イベントスペース「ブレンドパーク」(国府津2の6の17)では、地元農家が栽培したミカンやミカンのパン、ミカングッズ、菓子などを販売するマルシェを実施。駅周辺の歴史的建造物を活用したカフェやギャラリーなどを見学しながら街なかを練り歩く恒例の「みかんパレード」(10時30分〜11時30分)もある。当日参加可能で、ミカンの仮装やミカン色の物を身につけて参加する。

 詳細は主催者ホームページ(「ヤッホー国府津村役場」で検索)で確認できる。
各地で演舞を披露(提供)

「神奈川よさこい」初開催 22・23日 5市11会場で

 小田原市・秦野市・厚木市・海老名市・相模原市の小田急線沿線5市11会場で11月22日(土)と23日(日)の2日間、「出雲大社相模分祠奉納 第1回神奈川よさこいまつり」が開催される。

 「神奈川を代表するよさこいまつりに」と同イベント実行委員会が主催。県内外から83チーム約1700人が出場し、初代王者を目指して熱い演舞が繰り広げられる。

 小田原エリアは23日にお堀端通り、銅門広場で開催。午前10時〜午後4時。観覧無料で雨天決行。詳細はHP。
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菜の花で笑い納め 12月6日に寄席

 小田原地下街・ハルネ小田原の「菜の花ムーンカフェ」で12月6日(土)、「第7回菜の花寄席」が行われる=写真。

 今回も「湘南賛人会」の喜楽家笑助さんと、えこ家でん助さんが登壇する。午後5時45分開場で6時開演。木戸銭1500円(コーヒーとおまんじゅう付)。チケットの購入、問い合わせは菜の花暮らしの道具店(ハルネ小田原内)【電話】0465・22・2923。

 またチケットを読者3人にプレゼント。希望者は住所、氏名、年齢、電話番号、紙面の感想を記入してはがきで応募。11月26日(水)必着。応募多数の場合は抽選。当選者の発表は発送に代える。〒250─0042小田原市荻窪306タウンニュース「寄席」係。

ダイコンの収穫体験 寺子屋スクールIIが参加者募集

 小田原寺子屋スクールII(小嶋琢代表理事)が、11月22日(土)に行う「はたけのがっこう」の参加者を募集している。

 社会に出る子どもたちが「生き抜く力」を掴む学び場づくりに注力する同スクール。各界で活躍する人を講師に迎えた授業のほか、今年度は食育の場として「はたけのがっこう」を行っている。

 テーマを「いつも食べるものはどうやって作られているのだろう?無農薬のおいしい野菜の作り方を学んでいこう!」とし、これまでジャガイモやタマネギの植え付けから収穫までを実施。今回はダイコンおよそ400本を収穫する。

 対象は幼児から大学生までと保護者。会場は南足柄市内の畑(集合場所は参加者に直接連絡)、午前9時30分から(午前中のみ)。11月20日(木)までに参加者全員の氏名、ふりがな、年齢(学年)、電話番号、集合場所までの移動手段、保険加入の有無(一人300円程度)を記入してメールで申し込む。【メール】odawaraterakoya.kagaikatsudo@gmail.com