八王子版【9月5日(木)号】
八王子キャンディーを製造する榮太樓總本鋪の八王子工場

榮太樓(えいたろう)總本鋪 八王子キャンディー継承 七国の菓子工場で製造

 七国に工場をもつ株式会社榮太樓總本鋪(本社=中央区)が、7月から八王子産のパッションフルーツ果汁などを使用する「八王子キャンディー」を”復活”させた。東浅川町にあった佐久間製菓の八王子工場でつくられていた同キャンディーを、同社の廃業を受け、レシピを受け継ぎバトンタッチした形だ。

 「八王子キャンディー」はもともと「サクマ式ドロップス」で有名な佐久間製菓(豊島区)が製造していたもの。八王子の名産のひとつで、学校給食にも登場するパッションフルーツの果汁などを使っており、独特のトロピカルな香りや甘酸っぱい味わいが特徴だ。東浅川町にある同社の工場で製造されていたが、昨年115年の歴史に幕を下ろし、同キャンディーも販売終了になった。

 地元でも惜しむ声が聞かれたが、市内に工場を持つ菓子製造会社という共通点から、榮太樓總本鋪がこのキャンディーを復活させることに。榮太樓總本鋪は佐久間製菓からレシピを受け継ぎ、同社監修のもと、新生八王子キャンディーをつくった。まったくのコピーというわけではなく、「長年培った榮太樓の技術をもって飴を再現した」と同社広報は話している。

 一方で、果汁を提供するJA八王子パッションフルーツ生産組合長の町田紘一さんは「人気の商品だったので、(継続販売すると聞いた時は)良かったと思った」と胸をなでおろす。

 同キャンディーは以前から、八王子の文字を前面に出したパッケージで、市内のみならず旅行客が買う「名入りお土産」としても重宝されている。スーパーマーケットなどで販売しており、スーパーアルプスの一部店舗では、特設コーナーを設け地元産キャンディーの再販を応援する。

任命書を手にする田中さん(左)と初宿市長

五輪メダリスト田中雅美さん 保護者目線で情報発信 市子育て応援サポーターに

 八王子市は8月27日、新たに創設した「市子育て応援サポーター」に、シドニー五輪競泳銅メダリストの田中雅美さん(45)を任命した。自身も6歳と4歳の2児を育児中の田中さんは、子育てを楽しむまちづくりの実現に向けた機運醸成や市の子育て情報の発信に、子育て中の保護者と同じ目線で取り組む。就任期間は2年間。

 競泳日本代表としてアトランタ、シドニー、アテネ五輪に出場し、現在はスポーツコメンテーター、タレントとして活躍している田中さん。出身は北海道だが、上京して八王子学園八王子高校、中央大学に通うなど学生時代を八王子で過ごした思い出がある。そうした縁もあり、2017年の市制100周年では「八王子100年応援団」の団員に就任して市のPRに一役買った。また、今年7月には市職員の研修の講師も務めた。

経験からエール

 市役所で催された任命式で田中さんは「学生時代は練習などでつらいこともあったが、それ以上に仲間と過ごした楽しい時間のほうが思い出に残っている。そのおかげでオリンピックにも出場できたと思っている。現役を引退して20年になるが、このような形で八王子に関わることができてうれしい」と語った。初宿和夫市長との歓談では、子どもと共に自身も成長させてもらっていると感じていることや、SNSなどを通じてママ友などに共感してもらったことで子育ての大変さを乗り越えられたという実体験を紹介。「子育てをしている皆さんに『一人じゃないよ、一緒に頑張ろう』という思いと、子どもが与えてくれる幸せを伝えたい。子育てで誇れる八王子のまちづくりに微力ながら協力できれば」と抱負を語った。

 初宿市長は「田中さんには子育て世代に寄り添う共感力、発信力がある。子育てナンバーワンを目指す八王子市の魅力発信にお力添えをいただければ」と期待する。

 田中さんは市の子育て環境や施策をメディアや自身のSNSなどで発信するほか、子育てに関する講演会などが予定されている。

八王子ピックルボール協会の会長を務める 鎌田 勲さん 本町在住 61歳

真っすぐ、進み続ける

 ○…会長に就任して4年。ピックルボール国内発祥の地と言われる八王子で「開けた団体にしたい」と立候補。「競技を体験し、皆に楽しさを知ってほしい」という強い想いがあった。3年前から始めた八王子3大大会も定着し、8月には初の日韓交流大会も開催。「今年はピックルボールビッグバンと呼びたいほど競技人口が増えている。うれしい」

 ○…本町出身。母が営む鎌田美容院の次男として幼少期を過ごした。少年時代は野球に夢中で「本町グローリーズ」の発足メンバーに。子どもたちの世話をしてくれた監督の献身が、会長像の原点だ。「空手の指導者で礼節に厳しく、周りを楽しませるのが上手い人だった」。小学生の時に半年ほど不登校になってしまったのを救ってくれたのも監督だった。会長として私利私欲なく動き回る姿が重なる。

 ○…ピックルボールと出会ったのは54歳の頃。腰と首を痛めてしまい、それまで30年間打ち込んだテニスから離れた時だった。体への負担が少ないラケットスポーツを知り、「また体を動かせる」と喜んだ。テニスで培った技術が功を奏し、小規模ながらも日本選手権などにダブルスで出場すると2年連続で優勝。米国から認定団体を招きコーチの資格も取得するほどのめりこんだ。

 ○…日頃は学校事務員を勤める。公務員になったのは兄の影響だが、持ち前の正義感や几帳面さとの相性はいい。職場以外の人間関係構築にも意欲的で若いころから活動的。「止まっていられない、マグロみたいな感じ」と自己分析。新たに町田や日野など都内でも競技が盛んな地域の代表者らと東京都の協会も立ち上げた。「いろんな人と出会いたいし、学びたい」。向上心の赴くまま、走り続ける。

自費出版の一例

先着5人限定 自費出版無料相談会を開催 ベテランスタッフが応えます

 タウンニュース営業推進部は9月28日(土)午前10時より「自費出版・無料相談会」を相模原市南区相模大野7の6の4(相模大野駅東口より徒歩2分/相模大野駅前郵便局隣り)で行う。完全予約制の個別相談。

 「自分史の原稿を書き溜めているんだけど、どのように本にするのかわからない」「費用はどれぐらいかかるの」「依頼してから完成までにどれぐらい時間がかかる」「ISBNって何?」「流通についても教えて」など、自費出版に関わる悩みに、タウンニュースのベテランスタッフが応える。時間は一人30分程度。

 相談会では、自分史や家族史、写真集、句集など、多くの事例をもとに出版の制作過程を説明。【1】原稿本文の作成【2】本の仕様(ハードまたはソフトカバー、サイズなど)を決める【3】表紙のデザインを決める【4】スケジュールの確認【5】入稿【6】校正【7】校了〜印刷【8】納品、と出版まで8から10ほどの工程や3カ月目安のスケジュール、注意すべき点なども紹介する。

 希望者は9月25日(水)までに、タウンニュース営業推進部【電話】045・913・4141へ申し込み。先着5人。受付は月曜〜金曜、午前9時から午後6時。

チラシ内の参加登録二次元コード

「八王子クエスト」学生勇者を募集

 市内の大学・短大・専門学校に通う学生を対象にしたリアル謎解きゲーム「八王子クエスト〜魔王からの挑戦状」が9月8日(日)、西放射線ユーロードで行われる。主催は八王子青年会議所。参加無料。事前登録制(50チーム限定)。午前10時開始。優勝したパーティー(チーム)には賞金8万円が贈呈されるほか、2位以下にも豪華賞品が用意されている。

 ゲーム内容は、市内にある大学や専門学校を「勇者養成学校」に見立て、突如復活した魔王から桑都・八王子を救う、という物語。学生は最大4人1組で参加し、中町公園からスタート。魔王を倒すためにユーロード内を回遊してクイズやインタビュー、IQテストに挑戦。経験値やアイテムを集めて、魔王を倒す。最終的には各チームごとに換算された獲得ポイント数を競う。

 この催しは同会議所が「卒業しても八王子で社会人生活を送るきっかけとなるよう、市内の魅力を知ってほしい」という意図で初めて企画。八王子の文化や歴史、名産に関するクイズや商店主へのインタビューがヒントになるコーナーなど、参加者と交流が生まれる仕組みを工夫した。

 参加希望者は記事内の二次元コードから登録を。問い合わせは同事務局【電話】042・623・6311。

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9月7(土)・8日(日)、完成見学会
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青く照らし出された仏舎利塔の前で護摩が焚かれた

炎と光に平和を祈願 薬王院でライトアップと柴燈護摩

 大本山高尾山薬王院で8月24日、山の中腹にある仏舎利塔を青く照らし出す「灯りの巡礼・夕涼みライトアップ」と、護摩を焚いて世界平和や健康を祈願する「柴燈護摩」が行われ、多くの参拝者が訪れた。ライトアップはコロナ禍の2020年に医療従事者への感謝を表すために始めたことをきっかけに毎年続けられている。

 夕暮れ時から参道の春日灯籠に灯りが点され、信徒から奉納された紙灯籠も献灯。仏舎利塔の前で同山の佐藤秀仁貫首らによる柴燈護摩が執り行われ、燃え上がる炎の中、被災地の復興や平和への祈りを込めた読経が山中にこだました。

「桑」目白押しフェス 9月8日 旭町で

 9月8日の「桑の日」にちなみ、同日に創価大学と創輝株式会社(新町)が関連イベントを開催する。

 「第3回桑の日ウェルフェス」と銘打ち、桑を使ったフード、かき氷、揚げパンの販売など「桑」商品が目白押し。桑の青汁の試飲や八王子市による100年フード「桑都ソース」の試食もある。

 創価大学日伝研茶道部の「桑茶のおもてなし」や筝曲部の演奏、児童文化研究部による子ども向けゲームなども。

 場所は、旭町のえきまえテラス(旧八王子市保健所)。午前10時から午後4時。荒天中止。

 問い合せは同大学文学部の西川ハンナ研究室【メール】hanna@soka.ac.jp。

勇ましい演舞を見せる獅子舞たち=今熊神社獅子舞保存会提供

5年ぶりの舞い 今熊神社で獅子舞奉納

 上川町西部町会による今熊神社への獅子舞奉納が8月25日、コロナ禍を経て5年ぶりに行われた。

 その地域の五穀豊穣、雨乞い、悪魔退散などを祈願する神事「獅子舞」。八王子市指定無形民俗文化財でもあり、同神社の他に小津、氷川神社、狭間、田守神社など9カ所の獅子舞が指定されている。

 今熊神社の獅子舞は、貞治3(1364)年に正福寺の別当重円法師が、娯楽のために村人に舞を教えたのが始まりだと言われている。毎年8月の最終日曜日に奉納を行い、花笠を被った女性に囲まれながら笛や唄に合わせ演舞するのが特徴だ。

 25日は猛暑の中、舞手9人が躍動的な演舞を披露。うち3人は初めての演舞だったが、練習を重ね複雑な舞い順を覚え切った。町内のみならず、町外から見に来た人もいたという。

 今熊神社獅子舞保存会の馬場博会長は、「人手不足が心配されたが、他市からも応援に駆けつけてくれ感謝している。これからもこの文化を継いでいきたい」と意欲を見せた。

 同会では昨年から、譜面などに記録されていない笛や唄の演奏の様子を動画で収録。練習用のDVDにするなど「文化の記録作業」も行い、次の世代への継承を試みる。

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今回の展覧会に出展する作品と高田さん=本人提供

30年の節目に展覧会 下柚木「牛」写真家・高田さん

 下柚木在住の写真家・高田千鶴さんが、9月6日(金)から写真展を開催する。

 高田さんは珍しい「牛」専門の写真家。農業高校時代に牛に出会い、ファインダー越しに牛を見つめ続けて今年30年を迎えることから、節目として行う。

 20周年記念時も展覧会を行った高田さん。今回はその後の10年間で撮り集めた70作品以上を展示する。展覧会のテーマは「牛のこえ」。「カメラを構え、牛と向き合うとき、牛たちはいつも表情豊かに話しかけてくれているような気がする。そんな牛たちの『こえ』や『ことば』が、写真から伝われば」と高田さん。

 会場は八王子市南大沢文化会館の地下一階 展示多目的室。入場無料。会期は8日(日)まで。午前10時から午後6時(初日は1時開場)。高田さんは3日間とも在廊予定。

 高田さんはこれまでに、ウェブ上で「全国牧場ガイド」を掲載したり、牛の写真集や小比企町の磯沼牧場のことを紹介したフォトエッセイを出版するなど、牛の魅力を発信し続けている。

 詳細は高田さんの公式ホームページを検索。

ビートレインズ ホーム戦に行こう 新プロジェクト、始動

 東京八王子ビートレインズが今季の目玉として「39000プロジェクト」を発表した。9月27日(金)から始まる今季のホームゲーム全試合で2階自由席を先着1000人に無料で開放する。

 これは、クラブが今季必達としている「総来場者数3万9000人」のための事業。2026年に革新される新Bリーグでは、現在の単年の競技成績による昇降格制度を廃止し、エクスパンション型への移行が発表されている。戦績ではなく、クラブとしての売上げや来場者数、アリーナの規模を重視する基準が設けられるという。

 これを受けビートレインズでは、新B2リーグとなる「B.LEAGUE ONE」への参入を目指し、総来場者数3万9000人(平均来場者数1500人)と債務超過の解消の実現を掲げた。期限は2025年4月の初回審査時まで。

 ビートレインズは「今回のプロジェクトはスポンサー様の協力で実現することができました。ぜひお誘いあわせの上、ホームゲーム会場にお越しください」と呼びかけている。

 申込みは試合前日までに記事内の二次元コードから。

生成AIサービスの画面を写し説明する石原さん

使っていますか 生成AI 一社がセミナー 経営者ら参加

インストールから

 「八王子を日本一のデジタル先進都市に」をスローガンに掲げ、将来のデジタル人材を育成する一般社団法人八王子デジタル教育支援協議会は8月23日、昨今利用が拡大するChatGPTなどの「生成AI」についてのセミナーを開催した。

 会場となった明神町の東京たま未来メッセの会議室には、経営者や一般市民らおよそ20人が集まった。講師を務めたのは、同協議会の会員であり、AIコンサルティング事業を展開する石原堅さん(KINI合同会社代表)。石原さんは日頃から5つの生成AIサービスを利用しており、今回はその違いを比較検討した上で、主に初心者向けの基礎知識や使い方を説明した。

 参加者はまずアプリをインストールし、「命令を出す。その後に条件を付け加えていく」という基本的な手順を実践。AIに対して「会長の挨拶文を教えてください。3分くらいで収まる内容で、ユーモアを交えて」といった指示を出し、数秒で生成された結果に驚きを示した。

「スマホに秘書」

 すでに利用をしている経営者から「自分の秘書がスマホの中にいる感じ」「上司のアドバイスがいらなくなる。いずれ年功序列が崩れる」「(AIは)文句を言わないし、面倒がらない」とその利便性や可能性を強調する意見が聞かれた。一方で、AIに頼りすぎることについて「車のナビばかり見ていると道を覚えない。地図を使うと覚える。それと同じで、自分で考えるべきところはしっかり考えないといけない」という慎重な考えの参加者も見られた。

 同協議会は、定期的にこのようなセミナーを開催し、デジタルやAIを身近に感じてもらえる環境を整備していくことで、会員の拡大を図りたいと考えている。会員を増やすことで、八王子の「デジタル好きな子どもたち」への支援を強化し、将来的には「デジタル先進都市」を目指す展望を持つ。

次回は26日に

 次回のセミナーは9月26日(木)午後6時30分より、同会場で開催される。参加は無料で、申し込みは同協議会のホームページから行うことができる。石原さんは「今さらChatGPTのことを聞けないという方から、普段使っている方まで、幅広い方々に役立つ楽しいワークショップにするため、準備を進めています」と、参加を呼びかけた。

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取り組みを説明する初宿市長

八王子市 「健康経営」を導入 都内初の認定自治体めざす

 「職員の健康が八王子市の未来を創る」として八王子市の初宿和夫市長は8月27日、職員の健康管理に力を入れる「健康経営」を導入すると発表した。庁内検討会を設置して年内に基本方針を策定し、2025年に健康経営優良法人認定を申請。都内第1号の認定自治体をめざす。

 健康経営は、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、従業員への健康投資を戦略的に実践することが生産性の向上や組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上やイメージアップなど企業価値の向上につながるというもの。経済産業省が推進しており、とくに優良な取り組みを続けている企業や団体を顕彰する認定制度が2016年に創設された。認定は毎年行われ、自治体では神奈川県小田原市や北海道苫小牧市などが認定されているが、都内に認定自治体は無い状況だ。

選ばれる市に

 八王子市は、職員の健康を守り組織の活力を高めることで、市の最上位計画「八王子未来デザイン2040」に掲げる「市民の信頼に応え続ける市役所」をめざすことを目的に導入を決めた。庁内検討会では、職員のメンタルヘルス対策や時間外勤務の削減、週休3日制なども含んだ多様な働き方について検討するという。

 また専門技術を持った職員の雇用に苦慮していることから、優良人材確保の狙いもある。初宿市長は「転職市場が成熟している今、自治体も求職者に選ばれなければ存続できない時代になっている。働きやすい環境を整え、職員が心身ともに健康であれば能力を最大限に発揮して質の高い行政サービスを提供できる」とし、「市が率先して健康経営に取り組むことで『八王子は働きやすいまち』と広まれば市内企業の雇用状況も向上する。そのためには埋もれてしまう2、3番手ではなく都内の他自治体に先んじて優良法人認定を受け、多摩地域、東京のリーディングシティを目指したい」と力を込めた。

講師の高橋さん

大善寺 認知症になったら 税理士に聞く無料講座

 大善寺(大谷町1019の1)が開く文化講座「お寺の学校」が、9月22日(日)に開かれる。今回の演題は「認知症になったら」。税理士の高橋望美さんが「他人事が自分事になる前に」と題して、「認知症とは」「認知症になったら」「認知症と税金」について解説する。参加無料。

 午後1時から1時50分まで。事前申込制で定員50人。申込み・問い合わせは同寺【電話】042・642・0716。

踊り手が商店街を練り歩く(昨年)

商店街を流し踊り 7日・8日 西八夏まつり

 熱気あふれる踊りのパフォーマンスで晩夏の西八王子を盛り上げる「第23回 踊れ西八夏まつり」が9月7日(土)と8日(日)、JR西八王子駅北口周辺を会場に催される。午後4時から8時30分まで。

 阿波踊りとよさこいソーランを中心にしたイベントで「八王子4大祭り」の一つにも数えられている同祭。地域の親睦や活性化を目的に、地元の西八商栄会(磯間光夫会長)が中心となって2002年から開催している。昨年は2日間で約7万人(主催者発表)の来場者があった。

エイサーも登場

 今年は阿波踊り8連とよさこいソーラン19連に加えて、新たに沖縄の伝統芸能「エイサー」の5連が初参加。踊りの祭典として、さらに見ごたえが増した。7日に阿波踊りとエイサー、8日によさこいソーランが行われ、流し踊りで商店街を練り歩く。オープニングでは和太鼓やチア・ダンスなども。模擬店やキッチンカーの出店もある。

 磯間会長は「新たにエイサーが加わり、よさこいソーランも昨年より6連増えた。この日のために準備を進めているので、ぜひ多くの皆さんに楽しんでいただければ」と来場を呼びかけている。イベントの詳細は、西八商栄会のウェブサイト(記事内の二次元コード)で確認を。

JR八王子駅の自由通路に掲示されたポスター

八王子消防署 救急車「適正利用を」 ポスターで呼びかけ

 救急車の適時・適正な利用を促そうと、八王子消防署(戸谷彰宏署長)がJR八王子駅の自由通路にオリジナルポスターを掲示して、駅利用者に協力を呼びかけている。

 同署では管内の高齢化や猛暑などの影響で救急出場がひっ迫していることから、1日平均乗降者数が約7万5000人という都内でも屈指のターミナル駅である同駅に8月1日から9月30日まで啓発ポスターを掲示することを決めた。8月2日から4日にかけて行われた八王子まつりに約80万人が来場したことから、同署では「PR効果を高めることができた。今後も管内の特性を生かした効果的な広報活動実施して、市民に救急車の適正利用を呼びかけていきたい」と話している。

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―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第12回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 隆は、ソファに横になっている、キミの体を起こそうと、背中に手を回した。すると、キミがぱちっと目を開け、隆の顔をじっと見た。

 「由江ちゃんは、まだ戻って来ないかい? 買物に行ってくると言って出て行ったんだけどね。

 由江ちゃんと一緒にいると、本当に楽しいわ。今日は、良いお天気だから、お散歩しましょう。そして、キミちゃんのお家に行って、お食事しようって!

 どうしたのかね、由江ちゃんは? 遅いね」

 ―えっ、この家まで母を連れて来たのは、由江なのか?

 若い女の人が母に付き添っていたと、大場さんは言っていた。隆はきっと通り掛かりの若い女性が、心配して親切に母をこの家まで連れて来たのだと考えた。母はその女性のことを由江だと思い込んでいる。母のせん妄がまた進んだのかと隆は思った。

 「隆、眠い、本当に眠いわ!

 布団の中で、眠りたい。眠い!」

 キミは目を閉じると、すぐに寝息を立て、眠りの世界に入っていった。隆は背中に回した手に力を入れ、キミを抱きかかえ、キミの部屋へ入り、ベッドに横たえ、布団を掛けた。部屋の中は、ベッドもポータブルトイレも、キミが施設へ移る前と同じにしてあった。キミは身動き一つしなかった。深い眠りに入ったようであった。

 隆は応接間に戻り、施設長の太田に携帯をかけ、明日の朝、自分が連れて帰る旨を伝えた。そして、妻にも今日は家に帰らず、母の家に泊まると連絡した。

5.学童疎開

 八王子と周辺の町や村には、品川区の国民学校初等科の三年生から六年生までの学童六千五百名が移動し、集団疎開を実施していた。

 当初は、地方に親戚等がある家の子どもを疎開させる縁故疎開が中心であった。だが、戦局の悪化により、本土空襲必至の状況となった。

〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。