小田原・箱根・湯河原・真鶴版【10月5日(土)号】
大会新を喜ぶ神奈川チーム。右端が大垣さん(提供)

全日本マスターズM55 4×100mR 大会新で日本一に 小田原市在住 大垣徹晃さん

 全日本マスターズ陸上競技選手権大会が9月21〜23日に京都で開かれ、M55(55〜59歳)4×100mリレーに出場した神奈川チームが大会新記録で優勝した。第1走者を小田原市栄町の大垣徹晃さん(57)が務めた。

 大垣さんは38歳の時にマスターズ陸上と出会い、小田原で蕎麦店を経営する傍ら、44歳で全日本マスターズに初出場。2017年にアジア大会で200m銅メダル、22年の世界大会で200mで自己ベストを更新するなど国際大会でも活躍してきた。今回、マスターズで10年来切磋琢磨してきた仲間たちとチームを組み、大会優勝と今年8月にスウェーデンで開催された世界マスターズ陸上のM55日本代表チームが達成した日本記録の更新を目指して鍛錬を続けてきた。

 大会はけがの影響で100mと200mを棄権し、リレーに全てを賭けた。大垣さんは「痛みで満足できる走りができなかった」というが、チーム力でカバーし優勝を果たした。記録は47秒92と日本記録47秒53にはわずかに届かなかったが大会新を更新した。大垣さんは「来年必ず日本記録を更新したい。本業と二足のわらじで今後も挑み続けたい」と語った。

電力地産地消のイメージ

小田原市 電力の地域循環 構築へ 25年度中の運営目指す

 小田原市は、企業や一般家庭などの太陽光パネルから創出される電力を市内で利活用する「電力の地産地消」の仕組みづくりに取り掛かる。

 9月30日には東京電力パワーグリッド(株)、東京電力ホールディングス(株)、湘南電力(株)と「電力地産地消プラットフォームの構築及び運営に関する連携協定」を締結。自治体と送配電事業者、地域新電力による協定は全国的に例がないという。

 小田原市は2050年までにCO2排出実質ゼロの脱炭素社会を目指すと19年に表明。電力の地産地消はその一環として、再生可能電力の余剰分や市外に流出しているエネルギー代金を市域で循環させようというのが狙いだ。

 市が目指すプラットフォームは、事業所や住宅等の発電者や電力の調整・販売を行う事業者、電力購入者による市域でのエネルギーマネジメントの仕組み。既存の太陽光パネルも対象となるが、市では新規のパネル設置に事業者と戸建住宅に「創エネ・省エネ補助金」を用意し、より多くの電力をプラットフォームで取り扱う考えだ。

 協定を締結した4者は仕組みの構築に向け、電力系統の現状把握や太陽光パネルの増設周知などを実施。25年度中の運営開始を目指す。

コンテスト「Beauty Japan2024」の日本大会に出場する 笠 由里香さん 小田原市別堀在住 32歳

使命を生きる

 ○…歴史ある臨済宗の寺に生まれた2人姉妹の長女。使命を生きる、その姿が認められ、社会に貢献して美しく生きる女性を発掘するコンテスト「Beauty Japan2024」の日本大会出場が決まった。「お寺に生まれたことを恨んだこともあったがその使命を再確認して前向きに生きている姿を見せられたら」と笑みを浮かべる。

 ○…父が住職。後を継ぐには髪を剃り3年以上の厳しい修行に出なければならない。5歳の頃から言い聞かせを受け「何で私なの?」と決められた将来に対して疑問や不満を募らせていた。かといって使命に抗うこともできず、不満は心の内に溜まるばかり。小学生のときは「卒業文集も好きに夢は書けなかった」

 ○…小田原高校を卒業し、大学は都内へ。心のことを知ろうと青山学院大学・大学院で「心理学」を専攻した。葛藤の正体と向き合った学生時代。心理療法で「継ぎたくない」という気持ちを言葉にして吐き出したとき、「私を縛っていたのはお寺ではなく、私の心だった」と気付き、同時に「お寺を大切に思う気持ち」も湧いてきた。葛藤を手放し前向きになれた瞬間だった。覚悟を決めて髪を剃る勢い。それを見た交際中の彼(現夫)が仕事を辞めて、代わりに出家をした。

 ○…夫とともに、寺で始まった第2の人生。歴史や文化を継承したい思いとは裏腹に、現代は墓じまいや寺離れが進む。「それだと心の拠り所がなくなるのでは。お寺をもっと身近に、安心を届けられる場所にしたい」と映画上映会や座禅体験イベントを開催して地域の人と新しい接点を作っている。2年前に生まれた子どもは男の子だった。「お寺は楽しいと背中で見せるしかない。まさかそんな風に思うとは、不思議ですね」

清閑亭「違法と言えない」 小田原市、再調査結果を報告

 小田原市は、所有する「清閑亭」(南町)の民間提案制度による利活用における民間事業者との契約等について、市監査委員が市長に勧告していた再調査や検証の結果を9月27日に報告した。

 再調査は、外部専門員として選任した関東学院大学法学部准教授・宇都宮遼平氏と共に、市文化政策課から提出された資料の精査、現地調査、当時担当していた職員の聴取によって行われた。

 再調査の結果、提案募集実施要領の特記事項で禁止していた厨房等の増築を事業者選定後に認めたことについて、「公募において明らかにされた契約条件を恣意的に変更し、選定された本件事業者を著しく有利に取り扱い、公募という手続方式を採用した趣旨を没却する結果を招来する違法なものであるとまでは言えない」とした。

 大きな懸案とされた厨房等の増築は、国登録有形文化財である清閑亭や同敷地を含む史跡の保存活用を文化庁に「現状変更許可書の交付を受けるという適正な手続きのもとで行われた」とした。

 また、市の対応として2つの問題点を指摘した。事前に提示した契約条件の変更可否が検討されなかったことなど「民間提案制度に関する知識・理解不足」。また判断過程で事務処理が主に口頭で行われ、決裁責任者等への情報伝達が不十分だったという「事務手続き上の不備による情報伝達不足」で、これら問題点により「契約条件の変更の適否に疑義が生じ、本勧告の指摘を受けたものであると考えられる」とした。

 市は、勧告で指摘されていた他の3項目についても、措置や対応を報告した。

加藤市長「今後も官民連携を」

 再調査結果報告にあわせ加藤憲一市長は、「市の事務の進め方を起因として事業者も巻き込み市民の皆様に強い疑念や心配を抱かせ、住民監査請求を受ける事態にまでなったことについて、大変重く受け止めています」とコメントを発表。また「清閑亭利活用の事業者である株式会社JSフードシステムの皆様には、当時の市の対応により、営業に関してご迷惑をお掛けすることとなり、大変申し訳なく思っています。今後も官民連携により、歴史的建造物の利活用を通じた本市の活性化に、取り組んでいきたいと考えています」と述べた。

児童の手作りちょうちんが展示

小田原城に秋の灯 児童作のちょうちんずらり

 小田原城址公園本丸広場で10月20日(日)まで、「小田原ちょうちん光アートフェア」が開催されている。入場無料で、午前10時〜午後9時(点灯は5時から)。

 市内全小学校の児童が制作した手作りちょうちん約1600個が一堂にライトアップされ、秋の小田原城を彩る。

 富士見小学校に通う鈴木優莉さん(6年)は、干物を描いた自作のちょうちんが光を灯している様子に「きれい」と話し、一緒に訪れた母親に友人の作品も紹介していた。

 期間中の土日祝日は天守閣の開館時間を1時間延長する。(問)市観光協会【電話】0465・20・4192

英語で小田原城ガイド 小学生対象、13日開催

 英語で小田原城のガイドに挑戦する小学生対象の企画が、10月13日(日)午前9時30分から正午に小田原駅東口図書館で開催される。

 講師はNPO法人小田原ガイド協会が務める。対象は小学4年生から6年生で、定員は先着16人。会場は同図書館多目的スペースと小田原城址公園(天守閣には入城しない)。

 申し込みは同図書館総合カウンターへ直接または電話で受け付けている。問い合わせは、同図書館【電話】0465・20・5577。

「自分らしく生きる15」のポスター

障害ある50人のアート展 新九郎で10月9日から

 ギャラリーNEW新九郎(ダイナシティウエスト4F)で10月9日(水)から14日(月)まで、アール・ド・ヴィーヴル展「自分らしく生きる15」が開催される。午前10時〜午後6時(最終日は4時まで)。

 会場には障害がある約50人が制作した作品が並ぶ。12日(土)の午後2時にはキュレーターの中津川浩章さんらが今回の展示作品について解説するギャラリートークを開催する。予約不要。

観光客増で平均価格が上昇した箱根湯本駅前周辺

基準地価 1市3町 住宅地が軒並み上昇 箱根町、商業地は県平均越え

 神奈川県は9月17日、土地取引価格の目安となる基準地価(7月1日時点)を発表した。小田原市、箱根町、湯河原町、真鶴町の1市3町は住宅地が前年比で上昇か横ばい。商業地は下落幅の縮小や上昇率が拡大する地点が増えた。

 調査は県内961地点で実施。住宅地、商業地いずれも継続地点のうち約9割で価格が上昇した。

 小田原市では、住宅地18地点、商業地8地点、工業地1地点が調査対象となり、選定替と新規地点を除くほとんどの地点で上昇し、下落した地点はなかった。住宅地の1平方メートルあたりの平均価格は10万6300円で前年比プラス 5900円(0・8%増)。最高価格は城山1丁目の18万5000円。商業地の市内最高額は栄町1丁目の42万円(同5・3%増)だった。

 箱根町は商業地の平均変動率が6・5%。前年から3・6ポイントプラスとなり、県全体の平均変動率(6・2%)を超える上昇率となった。これは新型コロナ明け後、インバウンドの増加で観光客数の回復傾向が続いたことなどが要因。箱根湯本駅前の地点が45万円(同12・5%増)となるなど商業地3地点すべてで上昇した。住宅地の平均価格は3万6100円、最高価格は湯本字山崎下の6万7800円。

 湯河原の平均変動率は住宅地はプラス0・9%と上昇した。商業地はマイナス0・1%だったが前年(マイナス0・5%)から下落幅が縮小している。住宅地の平均価格は6万7100円。

 真鶴町は住宅地3地点と商業地1地点の変動率が前年、すべてマイナスとなっていたが、今年は1地点がプラスで2地点が0%(昨年同額)、マイナスは1地点のみ。住宅地の平均変動率はプラス、商業地は下落幅が縮小した。

タイムカプセル開封式

25年ぶりに母校で再会 函嶺白百合で75周年事業

 箱根町強羅の函嶺白百合学園で9月14日と15日に「白百合祭」が開催された。同学園の中学・高校生がこの日のために展示や企画を準備し、「男装カフェ」や「インスタ映え企画」、文化部の発表など年に一度のイベントを楽しんでいた。

 創立75周年目となる今年は、15日に小学校企画の記念事業として「タイムカプセル開封式」も行われた。これは同学園創立50周年の節目に小学生が埋めたタイムカプセルを25年ぶりに開封する事業で、当時小学生だった同級生のほか教諭も駆け付けた。

 当時小学生だった全児童のうち、3分の1にあたる約80人が集まり、「卒業してから来ていなかったが、久しぶりという感じがしない」、「とてもアットホーム。戻って来られる場所があるっていい」、「先生や先輩、後輩も集まって、学校全体の同窓会みたい。来てよかった」と、久しぶりの再会を喜び、アルバムを見返しながら思い出話に花を咲かせていた。

 広瀬節枝校長は「みなさんお帰りなさい。『ごきげんよう』とあいさつをするのは久しぶりだと思いますが、函嶺白百合学園の生徒はこのあいさつでつながっていると思います」とメッセージを送っていた。

生徒がデザインした土産用紙袋

鴨宮中 小田原の魅力、紙袋で 完成品を授業で発表

 小田原市立鴨宮中学校2年2組でこのほど、小田原の魅力がデザインされた土産用紙袋の完成品発表会が行われた。

 同中学校では昨年から、2年生の美術の授業で「地域の魅力を伝える」を題材に、小田原の魅力を伝えるための土産用紙袋を制作している。

 発表会では生徒たちが工夫を凝らした作品を紹介。市観光PRキャラクターの「梅丸」や小田原城、かまぼこ、湘南ゴールドなどをデザインした紙袋が並んだ。生徒たちはそれぞれの完成品を見て回り「色使いがおしゃれ」「小田原の魅力がわかりやすく伝わる」と感想を述べていた。

 同中学校では、生徒が考案した紙袋や、デザインを活用する店舗や企業を募集している。(問)同中学校【電話】0465・47・3361

落ち葉を拾う生徒

感謝の気持ちでごみ拾い 相洋中学生が校外清掃

 相洋中学校の生徒が9月25日、通学路や小田原駅周辺、城址公園内で校外清掃活動を行った。今年で8回目の実施。

 生徒たちは日頃の感謝の気持ちを込めて、竹ぼうきや熊手、トングを使って、道に落ちている枯葉やごみを拾い、ごみ袋50袋分に及ぶ合計103kgを集めた。美化委員の川村聡太郎さんは「近所や観光客の方々に応援の声をかけてもらいとても清々しい気持ちになった」と話していた。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

11月3日 気候変動はこの先どうなる 環境活動家・谷口さん招き講演

 障害がある子の「親なきあと」相談室小田原による講演会「気候変動はこの先どうなる そして、災害から大切な人を守るためには?」が11月3日(日・祝)にUMECOで開催される。午後1時30分〜4時45分(1時15分開場)。

 「地球を守ろう!」を立ち上げ、気候危機を発信する環境活動課・谷口たかひささんと小田原市防災対策課の下澤巧さんを講師に招く。

 参加費500円。二次元バーコード、又は【電話】0465・46・6800(平日10時〜16時)から申し込みを。

駅名標除幕式が開催された

大雄山線小田原駅 副駅名は「小田原とトモに。」

 株式会社奥津建材(小田原市桑原)は9月26日、伊豆箱根鉄道株式会社と小田原駅のネーミングライツ(副駅名権)契約を締結した。大雄山線において今回は3駅目、小田原市内の駅では初の締結となる。

 奥津建材は1955年設立の総合建設会社。旧小田原市民会館の解体撤去工事を請け負うなど公共事業に携わることから、「地元に貢献したい」と、同駅のスポンサーに名乗り出た。この締結により2年間、小田原駅の副駅名は「小田原とトモに。」となる。

 

記念式典で鏡開きをした共同代表の江成結己氏(中央右)と江成健一氏(同左)

「100年を目指して」 税理士法人エナリが70周年

 創業70周年を迎えた税理士法人エナリ(小田原市城山)が9月20日、関係者らを招き報徳会館で記念式典を開いた。

 同事務所は7月、江成結己氏(34)と江成健一氏(85)が共同代表に就任した。式典で出席者を前に結己氏は「私が今後やることは、感謝の言葉を伝えるだけでなく仕事でお返していくこと。100年を目指して頑張ってまいります」とあいさつ。健一氏は、事務所を創立した初代井上勇氏や事務所の歴史に触れながら「70周年を迎えられたのも、皆さまのご支援があってのこと」と感謝を述べた。

 同社では記念企画として7月「M&A」、8月「マネーフォワード」をテーマに講演会を開催。この日は、日本マイクロソフト業務執行役員・西脇資哲(もとあき)氏の特別講演「AI・人工知能が創り出す社会」が行われ、生成AIの実演をしながら活用方法や今後の展望などを説明し、参加者は興味深く耳を傾けていた。

 

 

 

 

勝俣町長(左)から奨励金を受け取った野地さん

箱根町 全国で結果残し恩返しを 役場職員、野地嵩良さん

 箱根町役場職員の野地嵩良さんが10月6日(日)から8日(火)に佐賀県で開催される第78回国民スポーツ大会相撲競技会に出場するにあたり、9月2日に同役場で奨励金交付式が行われた。勝俣浩行町長は野地さんに奨励金を送り「小さい頃から知っている子どものような存在。けがには気を付けて県代表として頑張ってきてもらいたい」と激励のメッセージを送った。

 6歳で相撲を始めた野地さん。箱根中学から相撲の名門・旭丘高校に進学して実力を付けた。大学では全国大会で個人5位、団体準優勝するなど数々の実績を残してきた。「ここまでたくさんの人に支えていただいた。恩を返したい思いから役場への入庁を決め、4月から働いている。皆さんに良い結果を報告できるように頑張りたい」と意気込みを語った。

あいさつする加藤頭取

みずほ銀行 小田原支店が80周年 式典に加藤頭取ら出席

 みずほ銀行小田原支店(市内栄町・清水正治支店長)が9月17日、同支店開設80周年を記念した式典を湯本富士屋ホテルで開催した。

 式典には勝俣浩行箱根町長や小田原箱根商工会議所の鈴木悌介会頭ら来賓など約80人が出席。将棋の杉本昌隆八段による講演「師匠が語る、藤井聡太という才能」や関係者による懇親会が行われた。

 懇親会の席では同銀行の加藤勝彦取締役頭取があいさつで登壇。9月18日に80年目となる小田原支店への感謝を述べつつ、「地域創生は日本の課題でもあり、いかに地域の一員として貢献できるかが重要。みずほ銀行はこれからの80年も時代を乗り越えるパートナーでありたい」と抱負を語った。