さがみはら南区版【12月12日(木)号】
集まった関係者220人が開店を祝った

相模大野小田急電鉄 宴会場が「念願」の再開 飲食提供2025年9月から

 小田急電鉄株式会社は11月15日、コロナ禍で2021年に閉鎖した小田急センチュリーホテル相模大野の大型宴会場を来年9月に再開すると発表した。閉鎖以来、市内に大型宴会場はなく地元「待望」の再開となる。これに先駆けて同所に飲食店などが集まる「ゲートウェイさがみはら」が12月7日に開所した。

 宴会場を含む「ゲートウェイ・さがみはら」は7、8、10階に開所した。町田市を拠点に飲食店のコンサル業などを行う株式会社キープ・ウィルダイニングが運営を担う。

 宴会場の最大収容人数は900人。音響、照明、スクリーンなどの設備を備えパーティーや会議などに利用できる。今月7日に場所貸しの受け付けを開始。食事提供は立食形式が2025年9月、着座式は26年3月に開始を予定している。

 宴会場のほか、ビュッフェランチや本格イタリアンを提供する「レストランMONDO」、焼きたてパン・焼き菓子を販売する「こがさかベイク相模大野」、しゃぶしゃぶや土鍋飯の「とき綴る」などが入る。7日から来年2月にかけて段階的に開所していく。

「相模原盛り上げる」

 4日にキープ・ウィルダイニングにより行われた「ゲートウェイ・さがみはら」のお披露目には、本村賢太郎市長をはじめ関係者約220人が参加した。

 挨拶に立った小田急電鉄の星野晃司会長は「コロナ禍などによりやむなく宴会場、レストランを閉鎖してから、地元の方から大変熱烈な再開への要望、期待をいただいていた」と振り返り、「再開できたことを嬉しく思う。キープ・ウィルダイニングさんと連携し、相模原を魅力ある町にしていけるよう尽くしたい」と語った。

 キープ・ウィルダイニングは03年、保志真人社長が東林間で焼鳥店「炎家」を開店したことが始まり。保志社長は「こうした機会をもらい大変感謝している。私も相模原で育った。全力で町田、相模原を中心とした『武相』エリアを盛り上げていきたい」と語った。

経済活性化に期待

 小田急センチュリーホテル相模大野の業態変更やホテルラポール千寿閣(上鶴間本町)の閉館で相模原市内には21年から大型宴会場がなかった。経済団体関係者は「会合や集まりは町田市や海老名市のホテルへ消費が流れていた」という。

 相模原商工会議所も相模原市に対し、大型宴会場の誘致や再会の要望書を提出。同会議所の杉岡芳樹会頭は「地元待望の復活。宴会場などを今後積極的に利用していき、相模原で経済が活性化されることを期待したい」と話す。

発がん性懸念PFAS 9地点で指針値超過 追加調査でも3地点

 相模原市は11月28日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOSとPFOAの2024年度の調査結果を発表した。継続監視地点は10地点のうち9地点で暫定指針値を超過し、新たに追加した8地点のうち3地点で超過した。市は「対応の見直しを検討する」としているが、市民団体からは「発生源を追及し、具体的な対応を実施すべき」という声が上がっている。

 有機フッ素化合物(PFAS)は水や油をはじき、熱や薬品に強いといった独特な性質があるため、撥水剤や表面処理剤、消火剤、コーティング剤などに用いられる化学物質。ただ、環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積するため、現在では国内外で製造・使用が規制されている。

 全国の河川や地下水から相次いで検出され、海外でも問題となっている。日本国内では環境省が2020年に水道水や河川での水質管理上の暫定目標値をPFOSとPFOAの2つの物質の合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)と定めた。

南橋本で高濃度

 相模原市では21年度から調査結果を公表し始めた。22年度調査では中央区南橋本の地点から暫定指針値の30倍が検出された。市では指針値を超過した地点付近の地下水について飲料水としての利用を控えるように呼びかけている。

 今回の24年度調査では、継続監視をしている10地点のうち9地点で超過した。南橋本の地下水では指針値の17・4倍の870ナノグラムを検出。星が丘の地下水と上溝の河川水でも指針値の4倍超となった。

市「見直しを検討」

 今回の調査結果を受けて、相模原市は環境省策定の手引きに基づき、状況に応じて対応を見直すことを検討しながら、継続して調査を行っていくとしている。市環境保全課の担当者は「継続監視の地点は減少する傾向はなく引き続き監視していく。追加地点はある程度超過することは予想され、8地点中3地点しか超えなかったという印象。この3地点についても来年度以降、引き続き監視していく」と話す。

市民団体「深刻」

 相模川流域の環境保護やPFAS問題に取り組む市民団体「相模川さがみ地域協議会」の岡田一慶会長は「相模原市の地下水の汚染は広がっており、深刻に受け止めている。発生源と疑われているところがある。相模原市として地下水のデータをみて概要を知るだけではなく、具体的に発生源を調べる必要がある。具体的な方針が出ていない」と指摘している。

創刊10周年目を迎えた相模大野の無料情報紙「まるごとオーノ」を制作する 三坂 輝さん 南区在勤 39歳

「応援したい」が原動力

 ○…自身が制作に携わるようになったのは2017年。出版社から独立した頃で、知り合いのデザイナーから編集者として誘われた。相模大野は学生時代に「行ったことがある」程度。取材を通じイベントが多く人や街に元気があることに魅力を感じ、制作にのめりこんだ。「店主から声を掛けてもらったり顔なじみが増えたりすることも嬉しかった」と語る。コロナ禍でも「続けることが大事」だと発行。「とにかく街を『応援したい』」という気持ちだった。「続けられて良かったな」と振り返る。

 ○…東京都練馬区出身。幼い頃から読書が好きだった。心に残るのは小学校高学年のときに図書館で借りた司馬遼太郎の「関ヶ原」。石田三成が合戦で負けても信念を貫く人物像は価値観にも影響した。「本に関わる仕事がしたい」と大学卒業後は出版社へ。金融や教育の本を制作した。

 ○…休日は図書館へ。働きながら年間100冊を読むことを目標としている。最近読んで面白かったのは瀬戸内寂聴が訳した「源氏物語」。五・七・五のリズムの大切さを知ったという。また、ギターを弾くことがリフレッシュ。「40歳になったらバンドを組みたい」と笑う。「まるごとオーノ」の制作以外にも書籍やウェブサイトなどへの執筆や編集も行っている。

 ○…「まるごとオーノ」のこれからの10年について「ページ数や発行の頻度を上げながら続けていきたい」と話す。読者との商品制作やSNSでの発信も構想中。「冊子を飛び越えた活動をしていきたい」と事業拡大に意欲的だ。自身の目標は本の仕事を増やすこととより多くの人と関わること。「屋形船を貸し切って忘年会ができるくらい人とのつながりを増やしたい」

展望室で初日の出

 地上38mのグリーンタワー相模原から見る「初日の出観賞会」が1月1日(祝)、相模原麻溝公園(麻溝台2317の1)で開催される。無料。

 「展望室で太陽が昇る様子を眺める、特別な時間を過ごせます。家族や友人などと一緒にお気軽にご参加を」と同園。定員40人(応募多数は抽選)。小学生以下は保護者同伴。午前6時15分から7時30分。当日展望塔1階出入口付近で受付。

 申し込みは往復はがきに住所、参加者全員の氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、「初日の出観賞会」と明記し同所へ郵送。12月15日(日)必着。抽選結果は15日以降に返信はがきにて連絡。

慣れた様子でさんまを焼く笹本さん

「災害、明日は我が身」 大船渡のさんまで能登支援

 相武台団地商店街で11月30日にクリスマスマーケットが行われ、大船渡直送のさんま300匹が振舞われた。

 このさんまは同イベントの1、2日前に岩手県大船渡市で水揚げされたもの。同市が認定する「さんま焼き師」の資格を持つ笹本二郎さんと山口健志さん、尾野間香美さんが焼いた。

 今回の売り上げの利益は能登半島地震で被災した石川県七尾市に寄付される。地元FM放送局・エフエムさがみの「今週の大船渡」に出演している笹本さんが、同じFM局「ラジオななお」を通じて支援を続けている。

 さんりく・大船渡ふるさと大使でもある笹本さん。東日本大震災の復興支援を行う中で、さんま焼き師の資格を取った。同様の取り組みを能登半島や東京、埼玉でも行っている。支援を続けることについて笹本さんは「『明日は我が身』という思いがある。自分たちも大変なこともあるが、もっと大変なのは被災地。そのことを忘れないためにも、さんまを通じてみんなに思い出してほしい」と力を込める。

 さんまを目的に同イベントに参加したという女性4人は「身が締まっていて美味しかった」と口を揃え、「青空の下でさんまを食べられるは滅多にない」とさんまを堪能していた。また、さんまを食べることで「被災地に思いを馳せた」という声もあり、笹本さんの思いが伝わっていた。

相模大野の魅力が満載

相模大野を盛り上げ10年目 Vol・19秋号を発行

 「相模大野LOVERのためのディープな相模大野の情報紙!」をテーマに発行する「まるごとオーノ」が11月で、創刊10周年目を迎えた。

 この冊子は三坂輝さん=人物風土記で紹介=をはじめとする相模大野駅周辺商店会連合会シティーセールスチームが発行している。

 内容は街の飲食店や商業施設、イベントなどの紹介。商店会や周辺店舗の担当者ら約20人が月に1回、会議を行い内容を決めている。

 10月に発行した最新号のVol・19秋号では、女子美術大学や相模女子大学の学生による、座談会や「ジューシー」「ジューっとアツい」など「10」をテーマに飲食店そのほか、新店舗情報なども掲載し、盛りだくさんの内容となっている。

 次号Vol・20は、来年の3月に発行予定。発行は年に2回、部数は1万部。相模大野の商店会の店舗や大型商業施設で無料配布している。

「やさしい不動産の相続」

相続 動画で解説

 なかなか理解が難しい相続について、わかりやすく解説する動画がある。

 相模原市出身の高橋大樹さんが経営する不動産相続アーキテクツによるもので、動画はYouTubeチャンネル「【やさしい不動産の相続】高橋だいき」で見ることができる。「代表の想い」の回は自身の自己紹介ともなっており、高橋さんは「絵だけ見てるだけでも相続について楽しくわかるはずです」と話す。YouTube内「やさしい不動産の相続」で検索を。

12〜2月号の表紙

文化芸術情報を一冊に 県内イベントを紹介

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の12月〜2月号をこのほど発行した。

 文化芸術の魅力で人を引き付け、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。

 今号は県がすすめる共生共創事業の一環で設立された3つのシニア劇団の紹介や県営団地でシニアの合唱を指導している陶旭茹(とうしゅーる)さんのインタビューを掲載。チケットが当たるプレゼントも実施している。冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

熱心に耳を傾ける参加者

プロが点検法を指南 自動車整備相模原支部が教室

 自動車の知識を楽しく学んで快適なカーライフに役立ててもらおうと、神奈川県自動車整備相模原支部が11月10日、「マイカー点検教室」を南区内の相模自動車整備協業組合で開催した。市民らが参加し、整備のプロからポイントを学んだ。

 教室ではまず同支部に所属する整備士らが座学で点検の必要性やポイントを解説した。会場を工場に移すと、実際に参加者のマイカーなどを使ってタイヤの空気圧やエンジンオイルの量などのチェック方法を実技を交えて教えた。三菱自動車の協力で運転支援機能が備わった車両を運転する企画もあり、自動車技術の進歩を体験した。

 岸野富士雄支部長は「毎回、参加者の皆さんは安全への意識も高く、熱心に聞いてくださっている。車が進化しても点検の基本は同じ。ただ車の異変を感じたら、プロがいる整備工場をご利用ください」と話した。

講師の三上さん

冬休み親子で陶芸を

26日けんぶん

 冬休みに親子で茶碗づくりはいかが。南区麻溝台の市民健康文化センター(けんぶん)で12月26日(木)、「はじめての陶芸教室」が開催される。午前10時から。

 講師は相模大野にある陶芸教室「亜月工房」の三上洋司さん=写真。対象は3歳児から小学6年生までの子どもとその保護者で、合計2人から受け付ける。

茶碗づくり

 参加費は1人500円、材料費は1人1650円。未就学児は親子で1つ、小学生は親と子で1つずつ、茶碗づくりを楽しむ。出来上がりは来年2月を予定。

 受付はきょう12月5日(木)から。定員24人。支払いは当日、現金のみ対応。申し込み・問い合わせは同センター【電話】042・747・3776。

補助輪のついたバイクにまたがり笑顔の参加者と青木さん(左)

「バイクに障害関係ない」 相模病院で運転体験会

元Wチャンプが主催

 ロードレースの元世界チャンピオンで現役オートレーサーの青木治親さんが11月12日、障害者にオートバイを体験してもらうイベントを相模病院(南区若松)で開催した。普段は歩行器や車椅子で移動している人や知的障害者など、市障害者地域作業所連絡協議会の会員およそ30人がオートバイの運転を楽しんだ。

 青木さんが代表を務める一般社団法人SSP(中央区)のボランティアたちの補助のもと、参加者たちはバイクにまたがって25mほどのコースを往復した。エンジンがかかると「お〜」と喜びの声を上げる参加者もいた。

 参加者の工藤麻記子さん(49)は「1人で乗れるか不安だったけど意外と簡単だった。エンジンの振動と音がすごかった」と話した。

支援1700人超え

 同法人は障害者がオートバイに乗れるよう支援する活動を5年ほど前から行っている。事故で下半身不随となった元ロードレース選手の兄・青木拓磨さんを22年ぶりにオートバイに乗せた際、報道を見た障害者から「私もやりたい」という声が寄せられた。「バイクに乗りたいのは拓磨だけじゃないと気づいた」

 以来、障害者向けに無料体験走行会を開催するなどの活動を続け、延べ1700人を超えるボランティアが関わってきた。青木さんは「障害者がオートバイに乗れると思えない社会状況にある。障害があっても夢を諦めなくていい」と話した。

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相模原税務署長表彰の被表彰者らと出席者

納税の貢献者を表彰 相模原税務署など

 相模原税務署、相模原県税事務所、相模原税務署管内団体長会は11月14日、けやき会館(富士見)で令和6年度納税表彰式を行い、納税・申告の普及に尽力し納税意識の高揚に寄与したとして24の個人・団体に表彰状や感謝状を贈呈した。

 あいさつに立った加々美幸和相模原税務署長は感謝の念を示した上で「税務行政のDX化を進め、利便性の向上に取り組んでいる。引き続き税務行政への理解と協力をお願いしたい」などと呼び掛けた。

 受賞者を代表してあいさつに立った高橋英樹さんは「我々は各団体に所属して活動に取り組んできたが、その活動に意味があることを再認識した。今後、深く見識を高めて活動に取り組んでいきたい」と話した。

 受賞者は以下の通り(敬称略)。

【相模原税務署長表彰】相模原青色申告会=小笠原育子・木曽みつ子・門田和夫/相模原法人会=荒井優子・高?英樹・山際華代子/相模原間税会=尾形夏子【相模原税務署長感謝状】相模原青色申告会=岩澤久・中島和弘/相模原法人会=池田成江、鎌倉慎一郎・高橋幸一【租税教育推進校等相模原税務署長感謝状】相模原法人会【相模原県税事務所長表彰】相模原青色申告会=松島俊哉/相模原法人会=春原正明/東京地方税理士会相模原支部=小山至誠【相模原税務署管内団体長会会長感謝状】相模原青色申告会=金澤重臣・萩原一弘・古川明・矢野英次/相模原法人会=佐藤文則・麦島真澄・矢部浩司・山口晴康

公開されたデジタルアーカイブのトップページ

相模原市 デジタルアーカイブ公開 歴史的な写真など掲載

 相模原市は資料や資源をデジタル化し、インターネット上での検索・閲覧を可能にする「さがみはらデジタルアーカイブ」を市制記念日の11月20日に公開した。

 今回公開したのは、市が所有する写真など約1000点。明治時代から現在までの相模原の歴史が分かる「写真で見るさがみはら」、相模原町の誕生から市制施行など各時代の相模原の変遷をたどる「市制施行70年さがみはらの歴史」、モノクロ写真を人工知能を使ってカラー化した「AIでよみがえるあの頃の風景」と3つのコンテンツに分かれている。

 デジタルアーカイブの構築を中心となって進めた市立公文書館の山口和明館長は「さまざまな資料をデジタル化することで保存ができ、多くの方が手軽に利用することができる。そして、これらの資料が地域課題の解決、シビックプライドの醸成につながれば」と意義を話す。今後は国などのデジタルアーカイブと連携し横断検索ができるようになれば、「新たな発見につながっていく」と期待を寄せる。

 さらに、「ぜひ次世代を担う子どもたちに見て使ってもらいたい。相模原市の事を楽しみながら学べるコンテンツなので授業などで活用してもらえれば」と呼び掛ける。

 今後は順次コンテンツを追加していく予定で、2025年3月に歴史的公文書、博物館資料、広報紙など、26年3月に収蔵美術品、子ども向けコンテンツ、デジタルマップなどの公開を目指す。

 山口館長は、「今回の公開では昔の写真を中心に掲載している。ぜひ見て昔を懐かしんでもらえたら。たくさん利用してもらいたい」と話す。

 デジタルアーカイブ(https://digital-sagamihara.jp/)は二次元コードから閲覧できる。問い合わせは同館【電話】042・783・8053。

協働賞 福祉と環境を考えるボランティアグループ 青い鳥 「つなぐ〜福祉と環境を考える活動から被災地支援等の活動へ〜」

 「グループのメンバーだけでなく、衣類を提供してくれた方、買ってくれた方、イベントを告知してくれた方など、関わってくれた全ての方のおかげで受賞できた」と今回の受賞を前川好子代表は振り返る。

 使わなくなった衣類などを提供してもらい、バッグやポーチ、洋服などにアップサイクルして販売。地域で恒例となっている「布ぞうり展」は毎回好評で、多くの人が購入しに訪れる。

 東日本大震災以降は被災地支援のため毎年寄付を行っている。今年の元日に起きた能登半島地震の際は、すぐに販売会を企画し早々に寄付を行った。「やってもやっても、これでいいというのは無いけれど、被災した人たちは大丈夫かなと思うと、何かしなくちゃという気持ちになる」と思いを話す。

 能登半島地震の復興支援の寄付活動は現在も積極的に行っており、12月10日(火)、11日(水)は、午前9時から午後4時(11日は〜3時)まで、チャリティー販売会を相模原市役所のロビーで開催する。前川代表は「能登では豪雨被害もあり、復旧復興が進んでいない。ぜひ、皆さんの気持ちを届けることができれば」と来場を呼び掛ける。

取組概要 使わなくなった衣類等をバッグやポーチ、洋服などにアップサイクルの上で販売し、そこで得た収益を福祉団体や被災地支援に寄付する取り組み。年間60ほどのイベントで販売会を開催し、これまでの寄付総額は1000万円を超える。

評価のポイント 3・11の復興支援を行った経験を生かし、いち早く能登半島地震の復興支援に向けて行動を始めるなど、相模原の善意を受け皿として期待を集める取り組みであり、多くの市民・団体等を力強く巻き込んでいる点は、協働賞にふさわしい。