都筑区版【12月12日(木)号】
避難所でスマホから情報を入力し(右)、スマホ上で登録情報が集約され避難者情報の管理ができる

「共助」で工夫、防災対策 安全・安心に貢献

 地震などの災害時、「公助」が行き届く前、地域に求められる「共助」。地域によって課題に違いがある中、さまざまな工夫で地域の「安全、安心」を守るための取組が区内で見られている。元日の能登半島地震から間もなく1年。区内各地の防災対策を取材した。

避難者情報管理にスマホ活用試行

 折本小学校で行われた地域防災拠点運営委員会による防災訓練では、同委員会の管理情報班が中心となり、避難者情報の管理にITを活用する方法を試行した。

 同班では、これまでの防災訓練の経験を踏まえ、避難所での避難者情報の管理を、紙への記入からスマホへの入力に移行することで、災害時に限られた人員を必要な場所に充てられる、と委員会の役員らに提案。同班の宮下善行さんは「電気が復旧するまでは紙での記入は必要だが、復旧後はITでできる事はITに任せ、手・足・頭を使うことに人員を割ける」とIT活用の意義を語る。

 地域にはスマートフォンなどに不慣れな高齢者も多く、試行に対して理解を得るのに時間がかかったというが、同班では粘り強く交渉。宮下さん自身で入力用のソフトを自作するなどし、試行にこぎつけた。

 11月24日の防災訓練では、233人の参加者の内、56人がスマートフォンから自身の情報を入力した。宮下さんによると試行は「概ね好評」で「入力方法を聞きに来てくれる高齢者もいた」という。今回の試行を通じ、ITの必要性には一定の理解が得られたと手応えを感じた一方、「タブレット端末があると便利なので、端末の貸与や横浜市の『避難ナビ』に追加してほしい機能など、地域だけでは解決できない課題も見つかった。できる範囲で行政や教育委員会などとも意見交換できれば」と思いを語った。

OCで情報共有防犯対策にも活用

 東山田四丁目町内会では、役員間の連絡ツールで利用していたオープンチャット(OC)を、11月の防災訓練にあわせ「防災情報」の共有に活用する取り組みを始めた。

 同町内会の課題の一つが「要援護者」の安否確認。出川由夫副会長によると、災害時には名前や住所が記された「要援護者支援リスト」を頼りに一軒一軒安否確認する予定だが、人手も時間も要するため、「助かる命も助けられなくなる」と感じていたという。また「役員の半数以上は仕事を持っており、災害時すぐに自宅や町内に戻ることは困難。住民の中には『避難所で自分が対応できるか不安』という意見もあり、情報を共有するツールになれば」とOCを防災用にも開設することにした。

 約380世帯の同自治会で、11月14日の時点で41人が参加。24日の防災訓練当日には参加者は59人にまで増加した。

 同自治会では、青葉区で起きた強殺事件を受け、OCを防犯情報の共有にも活用。「地域の目」による犯罪抑止を狙ったポスター=写真=の作成や掲示など、新しい動きにもつなげている。出川副会長は「このような活動を機に町内会に興味を持ってもらい、加入者を増やし、担い手不足解消につなげたい」と期待を寄せた。

公民館に発電設備町内会の電源確保

 東山田一丁目町内会では、災害時の拠点となる公民館の屋根に、市の補助金を活用し太陽光発電システムと蓄電池を設置した。

 太陽光発電システムは、横浜市が推進する自治会町内会館の脱炭素化推進事業の補助金で設置。同町内会では、脱炭素化はもちろん、災害時の多様な電源確保につなげたいとの思いで、役員会に設置を提案。総会で了承を得た。8月に補助金の交付が決定し、10月15日に設置が完了した。同補助金を利用し、太陽光発電や蓄電池を設置した自治会は、都筑区では同町内会だけだった。東山田連合町内会の中で最多の480世帯を抱える同町内会。役員の笠謙新さんは「一丁目町内会は、災害時でも24時間365日電気のない環境を作らない」と力を込めた。

 設置した太陽光パネルの発電量は7・9kW、蓄電容量は12・7kW。3、4人家族の5日分の電力に相当する。設備総額286万円のうち、市からの補助金は3分の2の約190万円。自治会負担は約100万円だったが、積立金を取り崩したため、町内会の追加負担はなかったという。

 11月24日には住民らを招き完成披露会を開催。市の担当課長らが出席し、設置の意義などを説明した。

小柄ながらパンチ力もある平さん

早渕RF(レッドファイヤーズ)平さん ジャイアンツJr.に選抜 26日からトーナメント

 早渕在住で、少年野球チーム・早渕レッドファイヤーズ(RF)に所属する平輝真さん(新吉田第二小6年)が12月26日(木)から29日(日)まで開催される「NPB12球団ジュニアトーナメント」の読売ジャイアンツジュニアのメンバーに選抜された。平さんは「足と守りでチームに貢献したい」と抱負を語った。

 大会は(一社)日本野球機構(NPB)と機構に属するプロ野球12球団が主催する少年野球大会。今年は20回目の記念大会で、試合は明治神宮野球場(東京都)とベルーナドーム(埼玉県)で行われる。

 平さんは5年生から通うジャイアンツアカデミーの推薦を受け、7月の選考会に参加。選考会では、身長145cm、体重37kgと小柄な体ながら、瞬発力で補った力感あるバッティングと俊足を生かした守備範囲の広さでアピール。横浜市内からは唯一人、最終の18人に選ばれた。平さんは「選ばれると思っていなかったので嬉しかった」と笑顔で喜びを語った。

 小学校入学前から兄の影響で野球を始めた平さん。練習は基本毎日。登校前には早渕RFのチームメイトとランニングや縄跳びなどの自主練習を行う。下校後、毎週月曜日は東京都文京区のジャイアンツアカデミーまで通い、その他の日は早渕RFの練習場で父の真博さんやチームメイトと一緒に練習を続けている。

 学年一の俊足で、早渕RFでは投手と外野手、ジャイアンツジュニアでは主にセンターを守る。中学ではシニアクラブに入団の予定で、「俊足で外野手として活躍したい」と決意を語った。

ミズユニティワールド世界大会2024でクイーンに輝いた 沢井 利江さん 都筑区在勤 42歳

歌声で照らすサーチライト

 ○…シンガーソングライター、ボイストレーナー、介護職の「三刀流」で充実した日々を送っていたが、コロナ禍でアーティスト活動の制限を余儀なくされた。「応援してくれている人たちに、挑戦する姿を届けられれば」との思いで気軽に参加したコンテストで「世界一」に。各国の多様なアイデンンティティに触れた世界大会で「刺激をもらえた。自分らしさ、日本人らしさを伝えることもできた」と自らの成長を喜び、笑顔で振り返った。

 ○…北海道の生まれ。小さい頃から音楽好きで5歳でピアノを習い、9歳でトロンボーンを始めた。元石川高校時代には個人で全国7位に入賞。しかし「自分より上手な人が6人もいる」方のショックが大きく、楽器を諦めてしまう。大学に進学するも身が入らず休みがちに。そんな時、一人のアーティストの姿に衝撃を受けた。「身体が楽器みたい」。広瀬香美さんだった。急いで購入したCDには広瀬さんが指導する音楽学校の告知があった。すぐに入学を決意。再び音楽の世界を目指す運命の出会いとなった。

 ○…大好きな祖母が認知症を患い、音楽活動と並行し、母と介護する日々がしばらく続いた。施設で看取った祖母のために「もっとできる事があったのでは」との後悔の念が、施設での慰問ライブや介護施設で働くきっかけになった。今では介護福祉士の資格を取るなど、音楽だけでなく全身で利用者に寄り添い、元気を届けている。

 ○…今週末からは全国8都市を巡るツアーが始まる。今年は『世界女王』の冠を引っ提げての凱旋ツアー。大会を全国に発信するアンバサダーとしての役割にも意気込む。「音楽に対する私なりの恩返しになれば」と秘めた思いを込めた。

式典の前に全員で記念撮影

未来へつなぐ、伝統と奉仕の心 横浜都筑RCが創立30周年

 横浜都筑ロータリークラブ(RC)が創立30周年を迎えた。11月20日には、新横浜グレイスホテルで記念式典を開催した。

 式典には、国際ロータリー第2590地区の長戸はるみガバナーや都筑区の佐々田賢一区長の他、スポンサークラブの横浜港北RCや姉妹クラブの台北永安RCの会長や会員など120人以上が列席した。

 星川晃一郎会長は、これまでクラブを支えてくれた人たちに謝辞を述べ「諸先輩から受け継いだ伝統をさらに未来へつなげていけるよう地域社会に貢献していきたい」と抱負を語った。

 式典では台北永安RCとの姉妹クラブ締結の延長や30周年記念事業として、ロータリー財団、米山記念奨学会、都筑区社会福祉協議会、昭和大学横浜市北部病院にそれぞれ寄付を行ったことが紹介された。

 祝宴では、八城邦義カルテットによるジャズ演奏と30年を振り返るスライドショー上映が行われた。最後は参加者全員で大きな輪を作ってロータリーの唄「手に手つないで」を合唱し、締めくくった。

都筑区誕生と同時

 都筑RCは横浜市行政区の再編成で都筑区が誕生したのを受け、1994年11月16日、横浜港北RCをスポンサークラブに会員26人で誕生した。主な活動として都筑区民まつりへの出展や東京横浜独逸学園の生徒との餅つき大会などがある。現在の会員数は32人まで拡大。設立時の会員も5人在籍している。

講演するグーンの藤枝代表(右)

資源循環で連携強化 市内7社が基盤組織発足

 横浜市内の廃棄物処理業者7社が中心となり「横浜市資源循環推進プラットフォーム」を新たに発足させた。11月27日にはこの取り組みを広く発信しようとキックオフイベントを開催。約160人が参加し、講演やパネルディスカッションが行われた。

 プラットフォームは、製品の製造などを行う「動脈産業」と製品が廃棄物等になった後にリサイクルを行う「静脈産業」が連携した取り組みを促進し、資源循環産業を活性化させることを目指す。両産業のマッチングにより、脱炭素化や資源循環を促す実証実験、技術開発、新たなビジネスモデルの構築を狙う。また、横浜市もプラットフォームを立ち上げた幹事企業7社((株)グーン/金沢区、(株)春秋商事/都筑区、J&T環境(株)/鶴見区、横浜環境保全(株)/中区、武松商事(株)/中区、(株)ケイ環境企画/南区、ecomate(有)/金沢区)と連携協定を締結し、運営などを支援していくという。

 当日は、幹事企業の1つ(株)グーンの藤枝慎治代表取締役が「プラットフォームが目指す姿」をテーマに講演。「具体的なプロジェクトを募集・提案し、成果をあげる」「資源循環を通じて、市民・事業者すべてのサーキュラーエコノミーの一翼を担う」などの目的を説明した。

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コツを教わりながら蹴りの練習

少林寺拳法に触れる はまっ子ランドで体験会

 荏田南小学校放課後キッズクラブを運営するNPO法人荏田南はまっ子ランド(横手美枝子代表)は11月30日、少林寺拳法の体験会を行った。

 体験会は今回が3回目。荏田南連合自治会の事務局次長を務める志村陽一さんが「少林寺拳法は人を傷つけるためではなく、自分を守るために身につけるもので、身につけることで人に優しくなれる」と提案し、開催されている。

 この日は1年生から3年生までの16人が参加。指導には、志村さんが通う横浜都筑道院から指導者らが来訪。突きや蹴りなどの基本動作や攻撃をよける動作、受けてから反撃に移る動作などを学んだ。児童と一緒に参加する保護者もいた。

 体験会をきっかけに兄が同道場に入会し、兄と一緒に少林寺拳法を始めたという原田泰希さん(荏田南小4年)は指導する立場で参加。「技を知ると楽しい」と少林寺拳法の魅力を語った。
2連覇を果たした池田さん=提供写真

(株)ソディック 池田さんが「アマ横綱」 大の里以来の2覇覇

 大手工作機械メーカー・株式会社ソディック(本社・仲町台)の相撲部に所属する池田俊さん(23)が、12月1日に両国国技館で行われた「第73回全日本相撲選手権大会(天皇杯)」で優勝、アマチュア横綱の称号を獲得した。

 石川県出身の池田さんは、「地震や豪雨で大きな被害を受けた故郷の皆さんに、自分の活躍で元気や勇気を届けたいと思い、稽古に取り組んできた。1年の集大成の天皇杯で優勝でき、周囲の皆さんにお礼を伝えたい」とコメントした。

記録づくめ

 大会は社会人、大学、高校の強豪選手がトーナメントで日本一を争うアマチュア最高峰の大会。

 池田さんは大学4年で挑んだ昨年も優勝しており2連覇を達成。連覇は2021・22年に現大関の大の里が記録して以来、史上10人目。社会人選手の優勝は6年ぶりとなる。また決勝戦はモンゴル出身で、今年の学生横綱のトワードルジ・プフチョローンさんと2年連続の対戦となったが、同じ相手同士の決勝戦は大会史上初めてだった。

挨拶をする深澤会長

つながり密に地域貢献 都筑区医師会が30周年

 一般社団法人横浜市都筑区医師会(深澤立会長)は11月30日、「つづき秋の会」と銘打ち、創立30周年を記念する会を横浜ロイヤルパークホテルで開催した。

 会は式典と祝宴の2部構成で、山中竹春市長をはじめ、佐々田賢一区長、横浜医師会の戸塚武和会長、神奈川県医師会の恵比須亨副会長ら200人以上が列席した。

 同会は、1994年に分区で都筑区が誕生したことを受け、翌95年に発足。式典の冒頭、深澤会長はこれまでの歴史を振り返り、関係者に謝辞を述べ「コロナ禍を経て、改めて顔の見える関係のとつながりの重要さを痛感した。このつながりを大切にし、都筑区の発展に貢献できる会になっていきたい」とあいさつした。

 その後、新入会員や各種表彰者の紹介、永年勤続職員の表彰などが行われた。また祝宴ではスライドショーの上映のほか、会員らによるダンスが披露された。

モノマネを披露する坂本冬休みさん

金子保商事 モノマネに拍手喝采 5年ぶりに忘年会

 茅ケ崎中央で不動産管理を行う金子保商事(金子進代表取締役)が12月5日、交流スペース「SENCE」で5年ぶりとなる忘年会を開催した。

 当日は、センター南地区の店舗や企業の関係者らが参加し、得意のダンスや歌を披露。ゲストには、モノマネタレントの坂本冬休みさんが登場し、モノマネメドレーや巧みなトークで会場を盛り上げた。最後は港北ニュータウン音頭で締めくくり、参加者らは来年の発展を祈り合った。

約70人が参加した

芋煮を肴に旧交温める 東方町内会

 東方町内会(村田輝雄会長)が主催する毎年恒例の芋煮会が11月29日、東方町内会館で行われた。会には佐々田賢一区長をはじめ新旧の区職員や区内の団体、企業の代表ら約70人が参加。近況を報告するなど旧交を温めた。

 山形の郷土料理として有名な芋煮だが、この日は東北出身の参加者も多く、ふるさとの「芋煮自慢」にも花が咲いた。

 また参加者には地元で採れた人参や小松菜など都筑野菜が手土産に配られた。

申込み二次元コード

傾聴と対話で作る関係性 北欧の手法を実践

 横浜市青少年育成センターは12月14日(土)、傾聴と対話でこどもや青少年との関係性構築を実践する「傾聴とダイアローグ研修」を開催する。午前9時30分から11時30分。会場は同センター(中区住吉町4の42の1・関内ホール地下2階)。

 講師はNPO法人アーモンドコミュニティネットワーク理事長の水谷裕子さん。水谷さんは「対話・ダイアローグ」の方法をフィンランドの開発者から学び、実践を通した「人と人がつながるための傾聴&対話研修」を各地で開催している。当日は参加者同士のワークショップを交え、傾聴や対話について学ぶ。対象はこども青少年に関わる活動をしている人で定員は先着20人。参加費は1500円(35歳以下は1200円)。申込みは上記二次元コードから。問合せは同センター【電話】045・664・6251。
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ミズユニティワールドに輝いた沢井さん(撮影・野崎祐子)

ユニティワールドで「世界一」 高齢者施設勤務・沢井利江さん

 勝田町の高齢者グループホーム「横浜ゆうゆう」に勤務する沢井利江さん(42)が「美しさを社会の活力に」を理念にインドで開催された「ユニティワールド世界大会2024」のミズ部門で世界一に輝いた。沢井さんは「支えてくれたすべての人に感謝したい」と喜びを語った。

 大会は、外見だけでなく「知性」「人間性」「タレント性」など個性を「美しさ」と捉え、美しさを社会の資産として活かし、世界平和や文化交流の促進など、社会にポジティブな影響をもたらすことが出来る女性を選出している。

 沢井さんは、2月に合同会社セイントビューティーインターナショナルが主催する日本大会でグランプリとなり世界大会に出場。世界各国から選ばれた29人の中から世界一に選ばれた。

きっかけはコロナ禍

 介護施設で働くほかシンガーソングライター、ボイストレーナーとしても活躍している沢井さん。ビューティコンテスト出場は2022年。コロナ禍で音楽活動が制限された中で、「自身の活動や挑戦する姿をファンに届ける方法」として、思いついたアイデアだった。「ミスジャパンの年齢制限がなくなったのを知り、気軽な気持ちで」応募。北海道出身の沢井さんは「ミス北海道」に選ばれた。23年には「グローバルユニティ」の日本大会でも好成績を収め、今回の「ユニティワールド」では日本代表を目指し、ウォーキングなどのレッスンを継続してきた。

 世界大会では、持ち前の歌唱力などを生かし、クイーンのほか、「ベストタレント」「ベストナショナルコスチューム」など4部門の特別賞を受賞。5冠に輝いた。

家族介護の難しさ

 20代前半からアーティストとして活躍していた沢井さんが、介護の現場で働き始めたのは約10年ほど前。認知症を患った祖母を母と2人で在宅介護した経験がきっかけだった。

 在宅介護時、身体は元気な祖母は、夜間徘徊や暴力なども激しく、母娘共に疲弊していたという。体力の衰えや症状の進行もあり、祖母が施設に入所すると、沢井さんは慰問ライブを買って出た。アーティストの広瀬香美さんや原正行さんから指導を受けていた沢井さんは、施設利用者の心肺機能や嚥下機能の低下抑制に役立てば、と一緒に発声したり、歌ったりもした。残念ながら祖母は亡くなったが、介護の経験や慰問ライブをきっかけに介護の現場への興味が湧き、介護現場へ。

 沢井さんは自身の経験も踏まえ「要介護者を抱える家族は施設入所に負い目を感じている人が多い」と話す。「気持ちは理解できるが、施設に入所することで穏やかになる人もいるし、家族の絆も深まると思う。親族間の介護の難しさを知っているので、そんな家族の負担を減らしたい」と思いを語る。沢井さんは22年に介護福祉士の資格も取得している。

 沢井さんは今後、世界大会のクイーンとして、チャリティ活動や国際交流など、精力的に活動していく予定。「介護福祉士として、音楽家として、そして世界大会のグランプリとして、社会に貢献できるよう、さまざまなことに挑戦していきたい」と力強く語った。

横浜市会 きょうから常任委

 現在開会中の横浜市会第4回市会は、12月12日から常任委員会での議案等審査が始まる。日程と委員会は以下の通り。

【12日(木)】午前10時〜国際・経済・港湾、こども青少年・教育、下水道河川・水道・交通、午後1時30分〜政策経営・総務・財政

【13日(金)】午前10時〜こども青少年・教育

【16日(月)】午前10時〜市民・にぎわいスポーツ文化・消防、健康福祉・医療、脱炭素・GREEN×EXPO推進・みどり環境・資源循環

【17日(火)】午前10時〜政策経営・総務・財政

 なお市会は19日(木)の本会議(午後2時)で閉会。

税理士と司法書士がペアで相談に応じた

ペアで相談、「争族」防止 司法書士会と税理士会

 東京地方税理士会神奈川支部と神奈川県司法書士会横浜北支部が11月30日、新横浜グレイスホテルで合同セミナー&個別相談会を行った。

 両会が合同で相談会を行うのは初めて。当日は司法書士による遺言セミナー、税理士による相続税対策セミナーの後、個別相談会が行われた。

 相談会では相談者に司法書士と税理士がペアで対応した。

 税理士会の狩野淳支部長は「相談者にとって充実した形でできるよう両会で一緒に進めていければ」と語り、司法書士会の板垣徹宏支部長も「法律と税務のどちらとも相談できる場を今後も増やしていければ」と期待を込めた。

今年のメインビジュアル「城熱の日。」

プレゼント 横浜で「城」の祭典 12月21日・22日開催

 「城」をテーマにした日本最大級のイベント「お城EXPO2024」が、12月21日(土)と22日(日)、パシフィコ横浜ノース他で開催される。

 今年も国宝五城(姫路城・松本城・彦根城・犬山城・松江城)をはじめ、日本全国の城が集結。城めぐりに役立つ観光情報ゾーンや城グッズの販売など、過去最大の114団体が出展。そのほか城にまつわる模型や展示、ご当地キャラクターや武将隊のステージ、忍者体験など「お城ファン」必見の内容だ。

 入城料は高校生以上2200円、小中学生1千円。前売有。厳選プログラムは1講演につき別途1300円。イベント詳細はHPで確認を。

 招待券を5組10人に。件名に「入城券希望」、本文に〒住所、氏名、年齢、電話番号、好きな城と理由を記入の上【メール】yoko-d@townnews.co.jpへ。12月15日必着。
「リンゴ病」の11月25日から12月1日の区別の定点当たり患者報告数

横浜市内に「リンゴ病」警報発令 2018年以来の流行

 横浜市内でウイルス性感染症の伝染性紅斑(通称「リンゴ病」)が流行している。横浜市衛生研究所は12月5日、「感染症臨時情報」を出し、警報発令基準を超えたことを発表した。

 市内94カ所の定点医療機関から報告された2024年第48週(11月25日〜12月1日)の定点あたりの患者報告数は、市全体で2.45となり、警報発令基準の2.00を上回った。

 定点あたりの患者報告数は、5月中旬から増加傾向で、特に8月下旬以降は例年より多い状態が続いていた。同研究所は「2018年から19年にかけての流行以来の規模。特にここ数週間で急激に患者報告数が増えている」と話す。

4〜5歳が33.5% 妊娠初期の感染には注意を

 患者の年齢は4〜5歳が中心で、全体の33.5%を占めるが、小学校低学年の報告も増えている。赤い発疹が出ている時期には感染力がなく、発疹のみで他の症状がない場合は登園・登校が可能とされている。

 妊娠初期に感染すると、流産や胎児に異常を起こすことがあるため、同研究所は「妊娠中の人、その可能性がある人は、風邪のような症状がある子どもに近寄らない、接触しないなどを心掛けてほしい」としている。

両頬に出る紅斑から「リンゴ病」とも

 伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」とも呼ばれる。発熱(微熱)、倦怠感、頭痛、筋肉痛、咳、鼻水などの風邪のような症状が出てから7〜10日後、頬に紅斑が出て、手足に網目状(レース状)の紅斑が現れる。風邪様症状が出ている期間の感染力が強く、頬に紅斑が出る頃にはほとんど感染力はない。感染していても症状が出ない人が約25%いるため、自覚なく感染を広げてしまうリスクがあるとされる。

手洗いや人混みでのマスク着用を推奨

 感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染、感染者の飛沫などに触れた手で口や目などを触ることによる接触感染。症状がない時期に自覚なくウイルスを拡散してしまうことがあるため、同研究所は「日頃からこまめな手洗いをしたり、人が多い場所ではマスクを着用するなどの対策をしてほしい」と話す。伝染性紅斑のウイルスにはアルコール消毒が効きづらく、罹患者が触れたものを消毒する際は、次亜塩素酸ナトリウムを使うことも推奨している。同研究所は「インフルエンザの報告数も急激に増えている」とし、改めて感染対策を呼び掛けている。

黒岩知事(右)に要望書を手渡す山中市長

学費補助金の対象拡大などを県に要望 山中市長が黒岩知事に

 横浜市の山中竹春市長が12月10日に県庁を訪れ、黒岩祐治知事に2025年度の県予算に対する要望書を提出した。

 要望書の提出は予算査定が始まる時期に合わせて毎年行っているもの。

 重点要望として、国による「こども未来戦略」に基づく子育て支援策の実施に向けた県と市の連携・協力の強化や県の制度である学費補助金について、対象を県外の私立高校に通う生徒にも拡大することなどを挙げた。

 提出後、山中市長は「(黒岩知事に)真摯に受け止めていただいたという印象を持っている」と語り、要望が予算に反映されることを期待した。

 また、県が2025年3月で休館する県民ホール=中区山下町=を建て替える方針を示したことに関しては「山下公園を含め、広い視点でまちづくりを行えると良いと思う」と述べた。

横浜市職員に冬のボーナス支給 平均101万6900円 山中市長には450万円

 横浜市の職員に12月10日、冬の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給された。

 対象は4万2902人、平均年齢は41・7歳。支給総額は約439億3千万円。平均支給額は101万6900円。支給月数は2・35月。

 市長や市会議員などの特別職にも支給された。支給額は次の通り。▽市長450万9180円▽副市長362万3700円▽教育長265万800円▽市会議長332万4780円▽副議長299万2020円▽議員268万7460円

山中市長と発表会の登壇者

横浜市、グリーン社会実現へ新プロジェクト 「地球1個分で暮らそう STYLE100」、環境の取り組み発信

 横浜市は環境や地球にやさしい取り組みを進めていく新たなグリーン社会に向けたプロジェクト「地球1個分で暮らそう STYLE100」を12月5日に立ち上げた。

 プロジェクトは、地球にやさしい暮らしをつくる横浜の人や活動を可視化して賛同者を増やし、未来に向けた活動を創出することが目的。

 5日に市役所で発表会があり、横浜スタジアム、アルファロッカーシステム、青葉区の鴨志田第一小学校5年生、JICA(国際協力機構)の4団体が参加。食品ロス削減や生き物調査などの取り組みを報告した。発表会に出席した山中竹春市長は「皆さまとともにサステナブルな未来を作っていくプロジェクトにしたい」と述べた。

 市は専用サイトやインスタグラムを開設し、市民や企業の持続可能な取り組みや環境への挑戦を発信していく。

今年度、市指定文化財となった東漸寺の「木造釈迦如来坐像[中尊]」(左)と「木造迦葉立像[右脇侍]」

横浜市指定文化財展と仏像入門展 市歴史博物館で同時開催 2025年2月8日〜3月16日

 今年度、新たに指定された文化財などが展示される「令和6年度 横浜市指定・登録文化財展」と仏像について分かりやすく解説・展示される「仏像入門展」が横浜市歴史博物館=都筑区=で2025年2月8日(土)から3月16日(日)まで行われる。

 文化財展では、新たに指定された文化財や今年度、文化庁に認定された「横浜市文化財保存活用地域計画」の取り組み、文化財保護のための修理実例が紹介される。また、磯子区の東漸寺に安置されている木造釈迦如来坐像など、日頃見られない仏像が拝観できる。

 仏像入門展では、横浜市に伝わる仏像の作例を通し、どんな種類の仏が仏像になっているか、仏像の種類、特徴、材質、造り方などが解説・展示される。

 担当学芸員による展示解説(2月22日(土)、3月2日(日))や文化財に関する講演会(3月1日(土)、8日(土)。要事前申込)、ワークショップ(2月16日(日)、24日(月)、3月9日(日)。要事前申込)など、関連イベントも開催。

 開館は午前9時から午後5時まで(券売は午後4時30分まで)。月曜日休館(2月24日(月)は開館、2月25日(火)が休館)。観覧料一般500円。問い合わせは同館【電話】045-912-7777。

ドリカム35周年記念イメージビジュアル

DREAMS COME TRUEの楽曲がみなとみらい駅のBGMに 12月13日から22日、期間限定企画

 みなとみらい駅の構内で12月13日(金)から22日(日)まで、「DREAMS COME TRUE」の楽曲などが流れるコラボレーション企画が行われる。

 みなとみらい線が2024年2月に開業20周年、DREAMS COME TRUEは2024年3月にデビュー35周年を迎えたことを記念したメモリアルコラボレーションとなる。

 DREAMS COME TRUEは、1989年3月21日にデビュー。中村正人さん、吉田美和さんの2人で活動しており、「ドリカム」の愛称で親しまれている。

 今回のコラボ企画では、みなとみらい駅構内コンコース(地下3階・改札内)にドリカムからのメッセージボードを設置。駅構内で楽曲と中村正人さんから寄せられた音声メッセージを放送する。BGMに使用される楽曲は、「WINTER SONG」、「LAT.43°N」、「雪のクリスマス 」など6曲で、冬の代表的な楽曲が選ばれている。

 楽曲と音声メッセージは、期間中の午前9時から午後9時まで。初日の13日のみ午後1時開始。

山中市長(中央)と実行委員会委員長の野本さん(左)、佐藤さん

横浜市の成人式 テーマは「はじまり」 公募の20歳市民実行委が考案

 2025年1月13日(祝)に横浜アリーナで開催される横浜市の成人式「二十歳の市⺠を祝うつどい」の式典テーマが「はじまり」に決定したことが12月4日、横浜市から発表された。

 「つどい」の開催へ向け、公募によって集まった10人の20歳の市民による実行委員会が5月から活動を開始。テーマの検討のほか、会場で配布する記念冊子や放映する動画の作成も進めている。

コロナ禍の困難乗り越え

 テーマが発表された4日の市長定例会見に同委員会の野本優菜さんと佐藤快飛さんが参加。委員長を務める野本さんは「高校入学後の学生生活がほぼコロナ禍になってしまったが、その中でも試行錯誤し、さまざまな困難を乗り越えてきた」とこの数年を振り返り、「20歳という節目の年に新しい『はじまり』に向かって歩みを進めていきたい」とテーマに込めた思いを語った。

 山中竹春市長は「この式典が3万5千人にとって新たな『はじまり』の機会となるように願う」と話し、昨今の少子化問題も踏まえ、「若い人たちが横浜市で新たな挑戦をしたいと思えるような、可能性を感じられるまちづくりを進めたい」とした。

 今回、式典の対象は市内在住の約3万5千人。コロナ禍以降は3回以上に分散して開催してきたが、今回は2020年以来5年ぶりに2回に分けての開催となる。

イベントのイメージビジュアル

横浜港の夜空にきらめく「ドローンサンタ」出現 12月7日、1千機以上によるショー

 1千機以上のドローンが横浜の夜を彩る「コカ・コーラ クリスマスドローンショー2024」が12月7日(土)、横浜港で開催される。国内でコカ・コーラ製品を製造・販売するコカ・コーラシステムの主催。

 国内トップクラスの規模となる1,225機のドローンが横浜港の夜空を舞う。サンタクロースやクリスマスツリーなどが夜空に浮かび上がるほか、夜空に現れるサンタクロースとコカ・コーラで乾杯できる仕掛けも用意されている。

 開催は午後7時15分からの予定(荒天時は12月9日(月)に開催)。観覧場所は横浜港新港ふ頭付近。

 コカ・コーラ公式Instagram、コカ・コーラ公式YouTubeで、ドローンショーのライブ配信も行われる。

特別カラーライトアップや花火も

 横浜市の人気イルミネーションイベント「夜にあらわれる光の横浜〈ヨルノヨ2024〉」とのコラボレーションも企画されている。街全体が光と音で躍動する5分間のスペクタクルショー「ハイライト・オブ・ヨコハマ」の特別カラーライトアップとして、街がコカ・コーラのイメージカラーである赤一色に染まる。カラーライトアップの演出は、7日と9日の午後5時15分から午後8時45分までの30分ごとで全8回。

 7日午後7時から、横浜港を彩る恒例の花火、「横浜スパークリングトワイライト2024」の打ち上げが5分間、行われる。打ち上げ場所は新港ふ頭。

 詳しくはコカ・コーラお客様相談室【電話】0120-308509。

小島宏一会長

地域のチカラ15 柚木荏田南連合自治会 (小島宏一会長 977世帯)

一定の区域内の単位自治会町内会で構成される地区連合会は、各地域で安心して住み続けられる街づくりに取り組んでいます。このコーナーでは連載で、各地区を紹介します。

 3つの自治会で構成される柚木荏田南連合自治会は、区制施行から15年後の2009年に都筑区で最も新しい連合自治会として設立された。

 青葉区と接する都筑区の北西に位置する同地区は、緑区からの分区前、「柚木」「小黒」「宿」「渋沢」などの自治会があったが、分区後、都筑区内で残った自治会名は「渋沢」のみ。他はすべて青葉区の自治会名となっており、都筑区内に「柚木」の名を残すのは同連合名のみとなっている。

 役員のなり手不足など、課題は他の連合と共通。初代会長を務めた小島宏一会長は3年前から「再登板」となった。地区社会福祉協議会は2年前から休止状態で、「非常によくやってくれていたので」と残念がる。

 それでも荏田南五丁目自治会にある元気な「えだきん商店街」と一緒に夏祭りを行うなど、連合としてのスケールメリットを生かす。若い役員が業務改善のため、デジタル化の進展を検討するなど、将来に向けた動きも出てきており、小島会長は「これからが楽しみ」と目を細めた。