中区・西区・南区版【1月16日(木)号】
東横浜駅付近での荷役作業(1960年)=同館所蔵

横浜都市発展記念館 横浜の運河をひもとく 変遷と人々の歴史

 港のイメージが強い横浜だが、市街地を流れる川も開港後の経済成長を支え、重要なインフラの役割を担ってきた。横浜都市発展記念館=中区日本大通=は、こうした河川運河にスポットを当てた初の展覧会を1月18日から開催する。現存の資料から、景観の変化とそこで生きた人々の歴史をひもとく。

 開港後、横浜港に注ぐ河川運河は、東京湾を通じて東京や三浦半島、房総半島とつながる一大輸送網を形成した。艀(はしけ)や汽船が行き交い、周辺には問屋や造船業、製材業などが進出した。横浜公園付近にも川が流れ、汽船の発着所や大きな市場が存在していたことが地図に残されている。工業化とも密接に関わり、現在の横浜駅西口の運河沿いにも造船所や鉄工所が立ち並んでいた。

 高度成長期に入ると、鉄道や道路の建設、水質汚染問題などから河川運河は都市計画の開発対象となり埋め立てが進む。吉田川、新吉田川の埋め立てで1978年に誕生したのが大通り公園だ。伊勢佐木長者町駅の構内には今はなき橋の橋名板を残したレリーフ「橋の詩」が設置されている。

 衰退していくと思われた河川運河は、開発を巡る議論の中で市民が水に親しむ空間として変わっていった。

 同展では、このような変遷を辿った河川運河の姿を絵図や地図、絵はがき、文字資料などで紹介。また、人々の様子を活写した戦後写真、東京や千葉など他の地域に残る写真や船舶図面資料の公開も見どころだ。

 展示を担当した松本和樹さん=人物風土記で紹介=は「市民が所蔵していた実際に使われていた艀の部品や船舶模型などの実物の展示もあり、川とともに生きていた人々の生活がより見えてくるのでは」と話す。

区民無料招待も

 企画展「運河で生きる 〜都市を支えた横浜の”河川運河”〜」の会期は1月18日(土)から4月13日(日)まで。また、ゆかりのある4区で区民デーを設ける。在住場所の分かる証明証書の提示で誰でも無料で観覧できる。西区2月26日、磯子区3月5日、中区19日、南区26日(いずれも水曜日)。

 「普段道を歩くときにも川に注目すると面白い。関東大震災後に整備された護岸の様子を現在も見ることができたり、近代の横浜を考える上で重要なものと分かる。展示資料を懐かしいと感じる人も多いのでは」と松本さん。(問)同館【電話】045・663・2424

市内に大型図書館新設へ 市が方向性、約10年で整備

 横浜市が大型の市立図書館を新設する方向性を明らかにした。現在、中央図書館=西区=が担う蔵書や物流機能がひっ迫しており、新たな拠点が必要と判断した。今後、10年程度の間に整備する方針で、場所や規模、時期などは来年度に検討する。加えて、各区の図書館のうち、一部を中規模化することも明らかにし、図書館の枠組みが大きく変わる。

「1区1館」は変えず

 図書館整備の方向性は12月の市会定例会の常任委員会で示された。これまでの「1区1館」の基本方針は変わらない。

 市教育委員会によると、中央図書館を除く「地域館」と呼ぶ17図書館の平均施設面積は1981平方メートルで、近年整備された他自治体施設の平均である3840平方メートルに比べて狭く、閲覧席も平均51席と少ない。そこで、再整備や機能拡張を図り、提供するサービスの充実とアクセス性向上を目指すことを決めた。

 整備する大型図書館は1〜2万平方メートルを予定。約2万平方メートルの中央図書館と同規模になる可能性がある。「知の拠点」と位置付け、図書のほか、写真や音声、動画などの多様なメディアを収集、利用、貸し出しに対応する。

 同時に中央図書館が担う物流拠点としての役割も持たせる。図書館などの2022年度の物流量は約559万冊で、13年度比で2割以上増加。中央図書館に設けられている本の仕分け場所がひっ迫しているという。

 また、図書館以外の商業施設や地区センターなどで図書の受け取りや返却ができる「図書取次拠点」を増やすことも検討し、大型図書館が中心的な役割を果たす。

 注目される整備場所は市内全体からの交通アクセスやまちづくりの観点を踏まえるとしており、来年度に検討を行う。建設費用は2〜300億円を想定している。

一部を中規模化

 各区の地域館のうち、一部の規模を約5千平方メートルに中規模化し、機能強化を図る。対象施設は、まちづくりの動向を見つつ判断する。これらの再整備とは別に、各図書館の内装を改装し、居心地の向上を目指す。

横浜都市発展記念館の調査研究員で運河がテーマの初の展覧会を担当する 松本 和樹さん 中区在勤 37歳

人からたどる横浜の歴史

 ○…横浜市ふるさと歴史財団に勤務し3年。初めて展覧会を手掛ける。横浜の戦後写真を整理する中で、運河を映したものが多く残ることに気付いた。「海が注目されることが多いが、川も街の歴史をひもとく上で欠かせない存在」と研究を開始した。初の担当展覧会に、「大変だけどワクワクしている」。「大学時代の研究でつながった人にも協力してもらった」とこれまでの集大成を披露する。

 ○…鶴見区で育つ。子どもの時から国語と社会が得意で、大河ドラマをよく見ていた。「当時は歴史の研究者になるとは思っていなかったけど」と苦笑。早稲田大学で歴史学者の藤野裕子教授の研究室に入り、人々の生活や行動から歴史を解明する面白さに取りつかれた。港は子どもの時から身近な存在。「昔は港湾労働者が多くいたんだ」という気付きから、神奈川大学大学院へ進学後も横浜港湾で荷役に従事した人々の独特な生活や文化の研究を続けてきた。

 ○…資料や文書に向き合うことが多い分、休日は街を歩き回るのが息抜き。「ふらっと入った食堂が思わぬ穴場だったりするとラッキーって思う。そこにいる知らない人と話をすることも」と一期一会の出会いを楽しんでいる。読書や映画も趣味の一つで、街の中にいる普通の人の生活に注目していることが多いという。「都市とか人が好きなんだろうな」

 ○…今回の展示で、川と製材などの業者は切り離せない関係だという新たな発見も。「製材業はなくなりつつある。その歴史も残していかないと」と使命感を口にし、今後は調査から見えてきたことを追究していく。「その時代の人が何を考えて生きていたかに興味がある。そこから都市や社会が見えてくるのが歴史の醍醐味ですね」

協力を呼びかける担当者

スカイビル 本回収で地域社会に貢献 横浜キヤノンと共同

 横浜駅東口の横浜スカイビルは、「ブックリサイクルプロジェクト」を5月末まで行っている。オフィシャルパートナー契約を結ぶ、ラグビーリーグワン所属「横浜キヤノンイーグルス」との共同実施。

 同ビル1階の横浜シティ・エア・ターミナル第1ロビー前に箱を設置し、不要になった本を回収している(開館時間内の24時間受付可能)。本は、市内の障害者就労継続支援施設で仕分けや検品などを行った後、中古本市場に再流通する。障害者の雇用創出と自立支援につながる取り組みだ。

 同ビルは駅東口の清掃活動やフリーマーケットの開催など、サステナビリティ活動に力を入れる。担当者は「多くの方が集まるビルで行い、取り組みの意義を知ってもらうことで、地域や社会に貢献できたら」と話す。

 回収は横浜キヤノンの試合日にスタジアムでも行う。今後の回収は、1月18日(土)と2月8日(土)。(いずれもニッパツ三ツ沢球技場)。回収場所は同チームホームページの試合情報で確認を。スタジアムの寄付者先着1千人には特典ステッカーがプレゼントされる。

 12月22日から開始し、これまでに回収した本はビル内と試合会場を合わせて609冊(1月14日時点)。

蛇が多く生息した坂道 南区の「蛇坂」(八幡町〜平楽)

 今年の干支「巳」(蛇)の名がつく坂道が南区にある。下町情緒漂う八幡町から約150段ある階段をのぼり、平楽公園へと続く約230mの「蛇坂」だ。階段に設置されたジグザクの手すりが蛇を連想させる。坂の上には、1978年に建てられた「へびざか」と書かれた標識がある。

 少なくとも元禄時代から代々、この地に住んでいるという田辺さん(68)は、「子どもの頃から、アオダイショウがたくさんいるのを何度も見た。物心ついた時には、当たり前のように蛇坂と呼んでいた」と話す。当時は山に囲まれ、自然豊かな地区だったという。「自宅の建てかえを行った2年前まで蛇はよく見たし、今もいると思う」という。

 近隣には坂が多く、山羊坂や狸坂など、動物を冠した名前の坂も少なくない。「山羊坂は、山羊のお乳を売っている方が住んでいたことからついたと聞いています」と話した。

10月に行われた授業

東久保町地区 楽しく学ぶ防災イベント 富士見台小児童も協力

 防災イベント「イザ!カエルキャラバン!」が1月19日(日)の午後1時30分から4時まで、富士見台小学校=保土ケ谷区岩井町=で行われる。

 主催する西区の東久保町夢まちづくり協議会は、地区内の狭あい道路の拡幅や小広場の整備など災害に強く、安心して住み続けることができる住環境づくりを進めている。今回のイベントは、子どもや若い世代に参加を呼びかけ、遊びから防災の知識を身につけ、意識を高めてもらうことを目指す。「水消火器で的あてゲーム」や「対決!バケツリレー」などの体験に参加するとポイントが貯まり、持ち寄ったおもちゃと交換できる。

 当日は富士見台小5年3組の児童もスタッフとして参加する。児童は今年度の総合の時間で「地域防災拠点としての富士見台小学校の校舎をユニバーサルデザイン化する」をテーマに活動。外国人や障害がある人など、誰もが安心して避難できるマニュアルや案内板作成を進めている。今回、防災について学んでいることを知った同協議会から声がかかった。

 10月7日には、同協議会、横浜市都市整備局防災まちづくり推進課の担当者が同校を訪れ、同防災イベントを監修するNPO法人プラス・アーツのメンバーとオンラインでつなぎ、開催の趣旨を児童に説明した。「周囲に困っている人がいると広く知らせておくことが大切」と気づいた児童。当日はこれまでの取組をまとめたリーフレットとオリジナルの防災用ホイッスルを配布する。

 藤田栞さん(11)と斉藤奏さん(同)は「心に残るイベントにして、参加者の防災への意識を高められたら」と話した。

 来場の際は上履き持参。(問)市都市整備局【電話】045・671・3664

齊數さん(右)と実行委員として関わる阿部浩之さん

障がい者の「きらり」披露 24日 西区役所で

 西区技能披露フェスティバル「ぎのふぇす」が、1月24日(金)の午後1時30分から3時まで、西区役所3階で行われる。申込不要。

 障がいがある人の日常の「きらり」と輝く姿を披露するイベント。事業所の紹介や歌、ダンス、落語、朗読などを会場、動画、オンライン中継で発表する。ビーズ細工や手作り絵本などのブース展示も行う。

 西区の事業所を利用する当事者の益田さん(55)の「お互いの励みになる機会を作りたい」との思いで始まり、今年で3回目。「障がいがあっても頑張っていたり、明るく楽しく生活している姿を見てもらいたい」と、今回から地域の人などにも広く来場を呼びかけている。

 技能を披露する個人・団体は1回目は8だったが今回は15になり、交流の輪が広がる。歌を披露する齊數(さいす)卓也さん(50)は、イベントで人脈を広げ、区内の福祉施設で歌う機会が増えた。「障がいがある人もない人もつながり合えば世の中が明るくなるのでは」と話す。会場では事業所で作られた焼き菓子やパンの販売も。(問)同ふぇす実行委員会 益田さん【電話】045・324・4866

長嶺監督(クラブ提供)

YSCC 新監督に長嶺氏 チームは今季からJFL

 中区本牧を拠点に活動し、今季からアマチュアの日本フットボールリーグ(JFL)に参加するYSCC横浜の新監督に、Jリーグやタイ1部などでコーチ経験のある長嶺寛明氏が就任した。

 長嶺氏は宮崎県出身の44歳。これまで浦和レッズや北海道コンサドーレ札幌、タイ1部のブリーラムユナイテッドや韓国2部リーグのソウルイーランドFCでコーチを務めた。

 長嶺氏はクラブを通じ「ゴールを奪い、ボールを奪い、観ている人の心を奪う、試合を体現できるよう、選手とともに日々サッカーに対して真摯に向き合い、積み重ねていきますので、ファン・サポーターの皆様の応援よろしくお願い致します」とコメントした。倉貫一毅前監督は契約満了で退団した。

開幕カード決定

 JFLは1月10日、2025シーズンの開幕対戦カードを発表。YSCCの今季初戦は3月9日(日)午後1時、HondaFCとの対戦が決まった。YSCCのホーム扱いで、会場は後日発表。

 YSCCは昨季、J3リーグ年間19位でJFLとの入れ替え戦に敗北。2013年以来のJFLに今季から参加する。全16チームのリーグ戦で、Jリーグ復帰には成績のほか、ホームゲーム1試合平均入場者数2千人以上や年間入場料収入1千万円以上などの要件を満たす必要がある。

飛躍願い集う 各団体の新年会 vol.1

YHR協会

 横浜船主会、横浜港運協会、(一社)横浜港ハーバーリゾート(YHR)協会の共催で、港湾関係者をはじめ、国・県・市の議員や地元財界人ら約620人が出席。YHR協会の藤木幸夫会長は「新しいまな板、包丁、職人。今後もそれを求めて作らないと」と述べた。(1月4日、ロイヤルホールヨコハマ)

中区

 自治会町内会や企業・団体関係者らが出席。松澤秀夫実行委員長は「園芸博」開催と同じ2027年に迎える中区制100周年に向け、今年から実行委員会を立ち上げて準備を進めていくと説明。「区の未来に向け記念すべき年にしっかり事業を行うことが大切」と語った。(1月7日、ロイヤルホールヨコハマ)

西区

 自治会町内会や企業関係者など約320人が参加。平野周二実行委員長は昨年の区制80周年に触れ、「皆様の協力で素晴らしい記念になった」と感謝を述べた。誰もがにこやか、しあわせに暮らせる街へ、「地域でつながり、支え合う街づくりを互いに協力して進めましょう」と話した。(1月7日、新都市ホール)

南区

 南区振興協議会主催(吉井肇会長=南区連合町内会長連絡協議会会長)。自治会町内会や地元の企業・団体関係者ら約450人が参加。吉井会長は「南区らしい明るさや活力に満ちたまちをつくるため、力を尽くしていきたい」と述べ、関係機関への協力を呼びかけた。(1月7日、横浜市南スポーツセンター)

横浜商工会議所

 会員のほか、県知事、市長など1250人が参加。上野孝会頭は「中小・小規模事業者は依然として厳しい状況にある」との認識を示し、「今が変革への正念場。最適な支援策を行い、新たな変革へ挑戦していきたい」と横浜経済を発展させていくことを誓った。(1月7日、横浜ベイホテル東急)

横浜市商連

 同会には市内の約1万店が加盟。創立60周年記念式典と合わせて開催した。石川清貴会長は「住みやすい地域社会づくりへ向けて大型店と連携するなどし、課題を解決していきたい」と意欲を示し、「工夫してイベントを実施したい」と抱負を述べた。(1月9日、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ)

打ち込みに挑戦する児童

山手署 インターの児童と交流 日本の武道を伝える

 山手警察署(寺内秀幸署長)は1月9日、横浜インターナショナルスクール=中区小港町=の小学2年生の児童約45人を招き、柔道と剣道の稽古を披露した。

 児童は、署員約15人のすばやい身のこなしを、時折歓声をあげながら真剣に見つめていた。また、剣道の竹刀の持ち方や振り方を教わったり、柔道の打ち込みに果敢に挑戦していた。

 同スクールは、身体と心の健康につながる日本の武道を子どもたちに知ってもらいたいとの思いで今回の体験を依頼したという。児童は「初めて見たが、勢いがありすごかった」「技をかけるのが楽しかった」など、署員との文化交流を楽しんでいた。

緊急電話の模擬対応を体験する大橋会長

ボクシング大橋ジム会長 県警の一日通信司令官に 110番の適正利用呼びかけ

 神奈川区が拠点の大橋ボクシングジム=鶴屋町=の大橋秀行会長が1月9日、翌日の「110番の日」に合わせて神奈川県警の一日通信司令官に任命された。

 井上尚弥選手をはじめ、世界チャンピオン5人を輩出してきた大橋会長。この日は警察の制服に身を包み、県警本部の通信指令室で通報の模擬対応などを体験したほか、新都市プラザで市民に110番の適正利用を呼び掛けた。

 大橋会長は「県全体の通報を少ない人数で受けていることに驚いた。間違い電話が多いと事件の時につながらないことを実感した」と感想を述べた。

 井上選手については「今年は大きな司令が出る」とビッグマッチの可能性を示唆。地元横浜への思いを聞かれると「横浜アリーナもあるし、横浜文化体育館(現・横浜BUNTAI)も新しくなった。神奈川県内で大きな試合をするのも目標」と話した。

約30秒に1件

 県警によると、昨年県内であった110番通報は約106万6千件。およそ30秒に1件のペースだが、警察官の派遣が必要な事件・事故等に関するものが約7割。残りは警察への要望・相談等の問合せやいたずら電話など。中には「牛丼を買ってきて」など悪質な内容も実際にあったという。

 警察では緊急時以外の相談・要望・問合せは総合相談電話【電話】045・664・9110または短縮ダイヤル♯9110の利用を呼び掛けている。

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区役所1階の階段に飾られた啓翁桜(1月7日)

ひと足早く春の訪れ 中区役所に米沢の桜

 山形県米沢市で生産された「啓翁桜(けいおうざくら)」が中区役所に飾られ、年明けに来庁者の目を楽しませた。

 米沢市の「おしょうしな観光大使」を務める近野照彦さん(横浜ライテック=南区=社長)から贈られたもの。2012年に複数のライオンズクラブによって大通り公園に啓翁桜が植樹されたことを機に、米沢市と横浜市、中区の交流が続いている。啓翁桜は山形県が日本一の生産量を誇り、促成栽培で冬に花を付け、観賞用の切り枝として年末から出荷。正月や卒業式など祝いの日を彩る花として人気があるという。近野さんは「年末に届いたので葉桜になってしまったが、大通り公園の桜も3月頃に咲くので楽しみにしてほしい」と話した。

行政書士による無料相談会 1月23日、24日

 県行政書士会横浜中央支部(海原比呂志支部長)では相続・遺言や離婚、空き家対策などに支部に所属する行政書士が応じる無料相談会を毎月開催している。1月23日(木)は西区役所で(午後1時〜4時)海原比呂志氏・中山茂氏が、24日(金)は中区役所で(午後1時〜4時)友本晃二氏・鈴木禄伎氏が相談に応じる。問い合わせは同支部【電話】050・3803・8480へ(予約不可)。

元木教授の説明を聞く児童たち

児童が視覚障害を体験 六つ川台小で図書館講座

 南区の六つ川台小学校はこのほど、図書館講座「視覚障がい者とバリアフリー図書」を行った。

 講師を務めたのは、障害者サービスを専門とする鶴見大学文学部の元木章博教授。小学4、5年生の児童が参加し、視覚障害の種類を学んだり、専用眼鏡で弱視の状態を体験した。

 使用した弱視体験眼鏡は、ぼんやりと見える白内障など3種類。メガネをつけて迷路などを体験した児童からは「目が見えることが当たり前だと思っていたが、見えない、見えづらい人がこんな思いをしていると知り、視覚障害者の人がいたら、優しく接したいと思った」などの感想が聞かれた。その他にも、バリアフリー図書では、点字つき図書などの体験も行われた。

 元木教授は「視覚障害者にとって『触れる』ことの大切さを実感してもらえたようでよかった」と話した。

横浜スカーフ親善大使

横浜スカーフ大使募集 魅力を県内外にPR

 横浜繊維振興会が横浜スカーフの魅力をPRする13代目「横浜スカーフ親善大使」を募集。期間は4月1日からの1年間。資格は満18歳以上で、横浜市近郊に在住、スカーフ好きな方。

 応募は市販の履歴書に基本情報や応募動機、自己PR等を記入し、過去3カ月以内に撮影したカラー写真(全身・上半身で各1枚ずつ)を同封して〒237-0076横須賀市船越町4の24の5橋本方 横浜繊維振興会事務局に郵送。締切は2月3日(月)消印有効。書類選考の上、3月1日(土)午後1時半〜面接審査あり。入賞者に横浜スカーフを贈呈。(問)事務局【携帯電話】080・1273・7804

村上大臣(中央左)に要望書を手渡す川口氏(同右)。左から田中氏、古川直季総務大臣政務官、2人おいて鈴木議長、竹野内氏(横浜市提供)

「特別市」法制化へ横浜市会が国に要望書

 横浜市が実現を目指す「特別市」に関し、横浜市会の鈴木太郎議長ら市議4人が1月14日、法制化を求める要望書を国に提出した。

 特別市は原則として市が市域の地方事務の全てを担い、権限や財源を市に一本化する制度。実現には法制化が必要で、市は他の政令市と連携し、実現を目指している。

 同日、鈴木議長と市会大都市行財政制度特別委員会委員長の川口広氏、副委員長の竹野内猛氏、田中優希氏が村上誠一郎総務大臣に鈴木議長名の要望書を手渡した。

 市は特別市の実現で、市民サービスの向上や経済活性化が進むとしており、要望書には「日本全体の成長力を高め、経済を活性化していくために、地方創生を推進するとともに、大都市が持つ力を最大限発揮できる特別市の早期法制化の実現に取り組むべき」と記した。

 市会はこれまでも特別市の早期実現を求める意見書を議決するなどし、国への要望を続けている。 

協定書を手にする市こども青少年局の福嶋誠也局長(左)と境社長

ひとり親支援で横浜市が離婚後子育てアプリ運営会社と協定

 横浜市はひとり親家庭の支援のため、離婚後の子育てアプリ「raeru(ラエル)」を運営するGUGEN Software株式会社=西区=と2024年12月に連携協定を結んだ。

養育費支払い・面会交流の連絡調整

 協定は同社が市に提案を行ったことで実現した。アプリは、離婚後の父母が養育費や子どもとの交流のための連絡を調整するもの。メールやSNSを使わずにやり取りができる。基本的なサービスが使えるプランは無料で利用できる。

 協定により、横浜市内在住と登録した場合、使える機能が増えるプレミアムプラン(月額500円)を初月から3カ月間、無料で試せる。市はアプリを通してひとり親支援に関する情報を発信していく。

 同社の境領太社長は「離婚後の父母が相手に直接関わりたくないという声が多い。官民連携できめ細やかなひとり親支援を行い、困っている人を助けたい」と述べた。

はしごの上で技を見せるとび職人

横浜消防出初式 職人妙技や一斉放水 赤レンガ倉庫に9万人

 新年恒例の「横浜消防出初式」が1月12日、横浜赤レンガ倉庫などで行われ、約9万人(主催者発表)が集まった。市消防局とラジオ日本による運営事業体の主催。

 横浜市鳶工業連合会、横浜古式消防保存会によるはしご乗りとまといの振り込みでは、とび職人がはしごの上でバランスを取りながら妙技を見せた。車両展示コーナーには、消防局のはしご車のほか、ごみ収集を行うパッカー車やレッカー車などが並び、子どもに人気だった。一斉放水もあり、横浜の災害対応力を来場者に示した。

 また、市消防局が撮影に協力している消防司令センターを舞台としたフジテレビのドラマ「119エマージェンシーコール」(1月13日放送開始、月曜日午後9時から)に出演する主演の清野菜名さんや佐藤浩市さんらがサプライズで登場し、見どころなどを語った。

「インフルエンザ」の12月23日から29日の区別の定点当たり患者報告数

横浜市内でインフルエンザ流行警報が発令中 患者報告数、前々週の3倍以上に

 横浜市衛生研究所は1月8日、インフルエンザの流行情報を発表し、流行警報が2週継続しているとして注意を呼び掛けている。市内153カ所の医療機関から報告された患者数の平均値(定点あたりの患者報告数)は、12月23日から29日の1週間で60.35人となり、2週間前の3倍以上を記録している。

 市全体の定点あたりの患者報告数は8月下旬以降、緩やかな増加傾向が続き、10月下旬に流行開始期に突入。12月中旬に流行注意報が発令された。12月16日から22日に定点あたりの患者報告数が43.33人となり、流行警報の発令基準となる30.00人を上回っていた。

15歳未満が55.5%でA型が99.6%

 年齢別では、15歳未満の報告が全体の55.5%。学級閉鎖などは小学校を中心に81施設、患者数は1,415人に上る。市内迅速診断キットの結果は、A型が99.6%、B型が0.4%で、A型が多い。同研究所では突然の高熱が出やすいA型と、嘔吐下痢など胃腸症状が出やすいB型の流行パターンとして、「通常は1月中旬までA型が多く、1月下旬からB型が増えていく傾向」としながら、「コロナとB型に同時罹患している患者の報告もある」と話し、A型でもコロナとの同時罹患もありうるため、医療機関できちんと診断を受けるよう、注意を促している。

インフルエンザ入院患者の半数以上が高齢者

 市内に4カ所ある基幹定点医療機関におけるインフルエンザ入院患者は、12月23日から29日に106人で、累計は231人となった。そのうち、70歳代が46人、80歳以上が78人で、70歳代以上が全体の53.68%と半数以上。次いで10歳未満が36人となっていて、「免疫力の低い低年齢児、もともと基礎疾患がある人の多い高齢者が重症化しやすい」と同研究所は分析している。

 同研究所は、咳エチケットや正しい手洗い、不要不急の外出を控えること、人混みでのマスク着用や換気などの予防策を改めて呼び掛けている。

パマトコ「妊産婦・こどもの健康相談」画面(市提供)

横浜市子育て応援アプリ「パマトコ」に新コンテンツが登場 妊娠・子育ての相談を簡単に

 横浜市は1月9日、公式子育て応援アプリ「パマトコ」に妊産婦や保護者が24時間、医師や助産師に相談できる新たなコンテンツを追加した。

 パマトコは、子育てに関する手続きや情報を集約したアプリで、2024年7月にWEB版、10月にアプリ版をリリース。12月末には登録者数が6万人を突破した。

24時間、医師や助産師に相談可能

 追加されたコンテンツは、「妊産婦・こどもの健康相談」。市内在住の妊婦と未就学児の保護者が無料で利用できる。

 「いつでも相談」と「みんなの相談検索」の2つの機能があり、「いつでも相談」では、オンラインフォームから妊娠や子育てに関する不安を相談でき、医師や助産師から原則24時間以内に回答が届く。「みんなの相談検索」では、「離乳食を食べてくれない」といった相談に対し、医師や助産師が過去に対応した1万件以上の回答を検索できる。

子育て情報を発信するオンラインマガジンも

 横浜で子育てをする魅力を発信するオンラインマガジン「横浜子育て応援マガジン」も同日、パマトコに追加された。座談会やインタビューなどの特集記事、横浜市の事業や魅力を紹介するミニコラムなどが掲載されている。

 市は、今後もパマトコに新たなオンライン手続きを追加するなど、機能を拡充していく予定だ。

 パマトコ全般および子育て応援マガジンについての問い合わせは、こども青少年局企画調整課【電話】045-671-4281。妊産婦・こどもの健康相談についての問い合わせは、こども青少年局地域子育て支援課【電話】045-671-2455。

リラのいえ 利用者がそば打ち 30食、振舞う

 神奈川県立こども医療センター近くの患者・家族のための滞在施設「リラのいえ」=南区六ツ川=で12月27日、利用者が手打ちそばを振舞った。そばを作ったのは、孫が通院しているという岐阜県在住の加藤淳一さん(71)。2018年までそば店を営んでいたことを聞いた同所のスタッフが、ミールサポートを依頼したところ、快諾を得た。加藤さんは当日、包丁や打ち台など一式を持参し、そば30食や蕎麦がきを調理。ボランティアがかき揚げを作り、皆で味わった。

 同施設を運営する認定NPO法人「スマイルオブキッズ」は、利用者に無償で夕食や弁当を提供する「ミールサポート」を定期的に、実施している。スタッフによると、「利用者の方に頼んだのは初めて」。加藤さんは、そばを打ったのは6年ぶりぐらいと言い、「ギャラリーが多くて緊張したが、少しでも力になれてよかった」と話した。

 そばを味わった利用者は「寒い冬の夜に美味しいおそばを食べられて、とても幸せな気分になりました。長男の手術も乗り越えられそうです」と感謝を寄せた。



公演のポスター

「7本指のピアニスト」 西川悟平さんのコンサート 1月18日、西区の教育会館

 「奇跡の7本指のピアニスト」と呼ばれる西川悟平さんによるトーク&ピアノコンサートが1月18日(土)午前10時から横浜市教育会館=西区紅葉ケ丘=で開催される。主催は横浜市教職員組合、主管は障がい児教育連絡協議会。

 西川さんはニューヨークを拠点に活動し、カーネギーホールなどで聴衆を魅了してきたピアニスト。2001年に難病である「ジストニア」に冒され、両手の演奏機能を完全に失うも、懸命なリハビリを続け、動かせるようになった右手の5本と左手の2本の指での演奏を確立。公演で世界を飛び回り、21年の東京パラリンピックの開会式でも演奏した。

 入場無料。希望者はサイト(https://teket.jp/12358/43145)から申し込む。問い合わせは同組合【電話】045・231・6231。

申し込みはこちら

スマホの教え方の講座 1月20日まで受講生募集

 西区のボランティア団体「スマホサポーターWEST」と西区社会福祉協議会が主催する「スマホサポーター養成講座」の受講生を募集している。スマホが苦手なシニアに使い方を教えるための講座で、西区や周辺に在住・在勤・在学者が対象、受講後に地域で活動する意欲のある人歓迎。

 会場は横浜駅東口から徒歩4分の西区福祉保健活動拠点「フクシア」。日程は、2月7日(金)の午前10時〜正午、21日(金)の10時〜11時30分、3月21日(金)の10時〜11時30分の3回の講座と1回の実習(各々の都合で日程調整)。参加無料。

 今年度、講師を務めるのは「スマホサポーターWEST」のメンバー。2022年度、京セラ(株)の講師を招き行われた講座の受講生が団体を立ち上げ活動している。申込締切は1月20日(月)。定員10人。(問)同区社協ボランティアセンター【電話】045・450・5005

鏡開きを行う石川会長(中央)や山中市長(左から2人目)ら

横浜市商店街総連合会 設立60周年で記念式典

 横浜市内の約1万店が加盟する一般社団法人横浜市商店街総連合会の設立60周年記念式典と新年賀詞交換会が1月9日、西区のホテルで行われ、約100人が参加した。

 同会は1964年6月に設立。これまでに加盟店で使える共通商品券の発行や消費者との交流を図るための「ハートフルコンサート」などを実施。最近では、名物商品の人気投票企画「ガチ!シリーズ」や「商店街プロレス」を行うなどしている。昨年10月には、「PayPay」を使ったプレミアム商品券を販売し、人気を集めた。

 式典で石川清貴会長(神奈川区商店街連合会会長)は「住みやすい地域社会づくりへ向けて大型店と連携するなどし、課題を解決していきたい」と意欲を示した。今後、商店街を巡るデジタルスタンプラリーを行うことを予定しており、「工夫してイベントを実施したい」と抱負を述べた。

 式典には山中竹春市長も出席し、60周年を迎えたことに対する感謝状を石川会長に手渡した。

あいさつする林会長

連合神奈川 「賃上げが当たり前の社会を」 新春のつどいで林会長

 県内最大の労働組織「連合神奈川」の「新春のつどい」が1月8日、ワークピア横浜=中区=で行われた。

 連合が支援する立憲民主党や国民民主党の国会議員や地方議員のほか、黒岩祐治知事や山中竹春市長など、県内自治体の首長らも参加した。

 林克己会長はあいさつの中で、昨年の春闘で33年ぶりに賃上げが5%を超えたことに触れた上で、「デフレ脱却へ1回目の歯車が回ったに過ぎない。経済の好循環のために歯車を回さなければならない」と述べた。さらに「賃上げが当たり前の社会を」と決意を語った。

 夏の参院選については「政権交代の足がかりとなる結果を出すことが重要」と述べた。連合神奈川は昨年11月に神奈川選挙区で国民民主党から立候補予定の籠島彰宏氏の推薦を決めている。

洲干弁天社 五雲亭貞秀=石黒コレクション

本牧 気まぐれ歴史散歩【番外編】 今年は乙巳(きのと・み)の年

 本年1年が皆様にとってより良く元気で安心して過ごせる1年になって欲しいと願っています。

 今年は乙巳の年です。乙は十干で「木が軋む」「しなやかに曲がる」、巳は「植物が最大に成長する」との意味があるとされ、乙巳の年は「柔軟に対処しながら成長していく年」とも解釈されています。また、巳は動物では「ヘビ」が割り当てられていますが、蛇は水神である弁財天の遣いと言われています。蛇は脱皮を繰り返しながら成長し続けることから、縁起の良い動物とされ、芸能・勝負・財運などにご利益があるとも言われています。

 みなとみらい線が走る本町通りは、洲干嶋という砂州だった場所で、現在の市役所近くとなる砂州の先端に洲干弁天社が鎮座していました。洲干弁天社にはたくさんの白蛇が住んでいましたが、人々は驚くことなく仲良く暮らしていて、隣村と喧嘩になったときでも、白蛇たちが相手を追い払って村人たちを守ってくれたとの伝承も残されています。洲干弁天社は、横浜の開港場の開発に伴い、明治2年(1869年)に移転しました。現在は、羽衣町と元町の厳島神社となり、地域の方々に大切に護られています。

 蛇が苦手の方もいらっしゃるかも知れませんが、今年は乙巳の年にあやかり、みなさんにとって成長と発展の年になりますように!

(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)