川崎区・幸区版【2月7日(金)号】
【1】展示される絵画【2】館内サイン【3】反物制作の様子(同社、同法人提供)

studioFLAT 三井物件にパラアート 廃材利用した作品を設置

 知的障害のある人たちのアート活動の支援を行うNPO法人「studio FLAT(スタジオ フラット)」(幸区北加瀬/大平暁理事長)の作品が、三井不動産レジデンシャル(本社/東京都中央区)が分譲・賃貸するマンション共用部に設置される。第一弾は首都圏12物件を中心とした全17物件の共用部に約30点設置する。

 フラットと同社は2021年から武蔵小杉のマンション「コスギサードアヴェニュー ザ・レジデンス」のパラアートサブスクリプションサービスで協業する。以来、本社応接室に作品を展示するなどしてきた。

 今回の取り組みは同社が掲げるSDGsの一環として行われ、今後、新築分譲・賃貸する原則全てのマンションにパラアートを設置するというもの。フラットの大平理事長は「マンションの標準設計ということに驚いた。今後のモデルとしてもなり得るので、とても価値のあること」と口にする。在庫の作品が多数売れていくことで、メンバーの意欲も上がっているという。

4者が連携

 両者のほか、スポーツチームのウェアやのぼりなどの印刷や会場装飾を手掛けるサプティー、反物加工などを担う三井デザインテックの4者が連携して行う。

 サプティーが廃棄予定となったウェアやのぼりを回収し、フラットがさをり織りにより反物に生まれ変わらせ、三井デザインテックが加工する流れ。完成品は館内のごみの分別などを知らせるサインやアートとして、三井不動産レジデンシャルの新築分譲・賃貸マンションに展示される。絵画には廃棄予定の化粧品が絵具として使用されている。三井不動産レジデンシャルの担当者は「才能豊かなアーティストが多数在籍されていて、多数の企業や団体と連携し新しい作品や取り組みを積極的に生み出している」と評する。

 大平理事長は「機能を伴うサインとして使われるので、生活の一部としてアートを楽しんでもらえれば。日々、『パラアート』という垣根を越えた素晴らしい作品ができあがっているので、多くの人に知ってもらいたい」と話した。
ジュニア部門グランプリ「川崎野菜たっぷり炊き込みご飯」(右)と藤田さん

C級グルメコンテスト 市立川崎高が2部門制す 地場産レシピの頂点に

 地場産野菜や果物を使ったレシピを競う「かわさきC級グルメコンテスト」の表彰式が1月26日、セレサモス宮前店で行われた。ジュニア部門で大滝未来さん・藤田迪華子さん(市立川崎高3年)、おとな部門で同校の有田沙織教諭(36)がグランプリを受賞した。

 同コンテストは、野菜の生産者や販売者、栄養士、料理人などで組織される市民団体「かわさき・食と農のコミュニティ」(清水まゆみ代表)が主催。7回目となる今回は、応募総数74作品の中から、おとな部門3作品と高校生以下のジュニア部門6作品が書類審査を通過。当日は調理・実食審査でグランプリを競い合った。

 ジュニア部門でグランプリに輝いた作品は「川崎野菜たっぷり炊き込みご飯」。ブロッコリーや金時ニンジン、里芋、防空壕きくらげ、ネギのうまみと出汁が合わさった旨味たっぷりの炊き込みご飯が高い評価を得た。大滝さんが不在の中で審査に臨んだ藤田さんは「初めての経験で緊張したが、アクシデントにも対応できた。調理人を目指しているのでこの経験を生かしたい」と抱負を述べた。

 おとな部門は有田さんの「里芋の茶巾しぼり〜春霞」がグランプリ。生徒の一生懸命な姿を見て、自分もコンテストを盛り上げたい気持ちで応募したという。審査員からは、里芋をスイーツとして使うアイデアが好評だった。「食と農をつなぐことで市に貢献していきたい」と語った。

 清水代表は「市内産野菜をどう生かすかを考えたレシピが多く、おいしく食べることで地元をより理解する意識の高まりを感じた」と総括した。

川崎市市民オンブズマンに1月に着任した 足立 哲(あきら)さん 麻生区在住 65歳

公平な目で 市政を視る

 ○…市政に関する市民の苦情を聴き、調査し、改善すべき点を勧告する「川崎市市民オンブズマン」。第三者的機関として市が1990年、全国に先駆けてこの制度を導入し、これまで多くの市民サービスの改善に寄与してきた。このほど、前任者からのバトンを受け継ぎ1月1日から3年の任期で「市民の目」として行政の監視役に。「この制度は市民が市政に参加する重要な機会。目の前の1件1件に真摯に取り組み、より良い市民サービスにつなげていきたい」と抱負を語る。

 ○…中学生の頃、「弁護士を目指しては」と担任に勧められた。その言葉が頭に残り、慶應義塾大学法学部に進学。法律を学ぶうち「当事者双方の主張を聴き判断する裁判官の仕事が自分に向いている」と方向を改め、86年に任官。「公平であること」「当事者が公平だと思えること」を信条に、昨年2月に横浜地方裁判所の所長を定年退官するまで公正・中立な裁定に心魂を傾けてきた。

 ○…麻生区に居を構えたのは20年ほど前。新百合ヶ丘駅などに買い物や食事へ出かける機会も多い。現在は慶應義塾大学法務研究科教授として後進の育成にも尽力する。息抜きは読書。近頃はテレビから流れる昭和歌謡も楽しみの一つ。散歩は愛犬のポメラニアンと。「学生に言ったら驚かれちゃった。大きい犬を飼っていると思われていたのかな」とはにかんだ笑顔を見せる。

 ○…苦情申し立ては月1回の各区への巡回や市のウェブサイト、書面のほか、オンラインでも受け付けている。「申し立てる人の立場になって、苦情の趣旨をしっかり理解し、汲み上げることが大事」。その目と耳は常に平等に目の前の相手に向けられる。幾多の事案を解決した傾聴力と洞察力で市民の権利を守る。

市内を見渡すスカイデッキで開催されている写真展

ごみ回収団体が写真展 4年9カ月の軌跡紹介

 川崎市役所本庁舎25階のスカイデッキでNPO法人海の森・山の森事務局(横浜市港北区・豊田直之理事長)が行った「プラごみバスターズ」の活動を振り返る写真展が開催されている。2月13日(木)まで。

 同活動は県内の海岸線をすべて歩いてごみを拾うもので、2020年4月に西端の湯河原を出発してから毎月1回のペースで活動を続けてきた。湘南や三浦海岸を回り、昨年12月1日に浮島の川崎市民の森公園に到着。4年9カ月の時間をかけ、約410Kmを踏破。累計約3052kgのごみを回収した。

 回収と同時にエリア別のごみのデータも収集。今後の活動に活かしていく方針だ。

 川崎市の港湾エリアには、し尿入りのペットボトルやタイヤなど、不法投棄のごみが多いことがわかった。

 同活動には川崎区中島で会社を経営する垣浪(かきなみ)利之さんも参加。元々6〜7年前から個人的に市内でごみ回収をしていたところ、SNSで豊田理事長とつながり、活動に参加することになったという。

 会場には同事務局が県内の小学校で出前授業として行っているマイクロプラスチックを活用した万華鏡作りの様子と、子どもたちが作成した万華鏡の中の写真も同時に展示されている。

モーターの付いたモペット=幸警察署提供

「時速70Km」モペット摘発 幸署が警戒呼びかけ

 幸警察署は1月24日、「モペット」と呼ばれるペダル付き電動バイクの被疑者を書類送検(追送致)した。同様の摘発は県内で3例目で、川崎市内では2例目。

 同署は区民からの通報と、昨年11月の法改正を受け、警戒を強めていたところ、ファストフード店で被疑者を発見。職務質問をしたところ、既定の日数より多く滞在するオーバーステイであることが発覚し、出入国管理及び難民認定法違反で現行犯逮捕となった。

 被疑者が乗っていたモペットは最大1000Wの出力で、関係者は時速70Km程度の速度が出ると話す。普通自動二輪車に該当するので、本来は免許の取得やナンバープレートの設置が必要。被疑者は昨年の夏頃、配達業の仲間から3万円で購入したという。

 福田博之署長は「ペダル付き電動バイクの取締りを引き続き実施していきたい。区民には違法な同バイクに乗ることがないよう、また、同バイクに関連する事故にあわないよう気をつけてもらいたい」と話す。

小林副支店長、加藤署長、松本支店長(左から、同署提供)

川崎警察署 川信渡田支店へ感謝状 特殊詐欺被害防ぐ

 川崎警察署(加藤和男署長)は特殊詐欺被害を防いだとして1月27日、川崎信用金庫渡田支店の松本崇支店長(42)と小林和彦副支店長(42)に感謝状を贈呈した。

 昨年12月6日、小林副支店長はATMのエラー解除について相談してきた女性に対し、具体的に確認を行い、「あなた名義の口座が犯罪に利用されているかもしれない」と警察官をかたった特殊詐欺被害と判明した。

 同12月23日には、小林副支店長が預金引き出しについて連絡をしてきた女性の電話を受けたところ、言動から詐欺被害を疑って松本支店長に報告。松本支店長が警察に連絡するなどして連携し、息子をかたった特殊詐欺被害を防いだ。

 受賞した2人は「日ごろから何とか詐欺の被害を防ぎたいと考えている。被害を防止できてよかった。今後も意識して対応していきたい」と話した。

「子ども会議は子どもの声を聴く大人のアンテナ」と語る宮越議長

笑顔のまちへ思い新たに 地域教育会議で宮越さん

 川崎区地域教育会議は2月1日、これまでの30年の活動を振り返る講演会「教育を語るつどい」を教育文化会館(川崎区富士見)で開いた。

 同会議は教育における住民自治を目的に、1994年に設立。以来、当時問題となっていた高校生のアルバイト調査(2001年〜03年)や、いじめをテーマにした映画「ハードル」の上映会(07年)など、多岐にわたる活動を行ってきた。

 講演会では同会議の宮越隆夫議長がプレゼンテーションを実施。これまでの活動を写真や動画、市議会への請願書などの資料を用いて振り返った。

 中でも、子どもたちに様々な体験を提供することを目的に始まった子ども会議において、01年から例年実施しているサマーキャンプに言及。毎回30〜40人ほどの小中学生と八ケ岳少年自然の家に2泊3日〜3泊4日で出かけ、星の観察や野外炊飯、スイカ割りや肝試しを楽しんできたという。「中には母子家庭の親から『夏にどこにも連れていってあげられないから、ぜひお願いしたい』と言われたこともある」と振り返った。

 宮越さんは「これからも子どもたちのたくさんの笑顔に出合いたい」とし、「そのためにまずは大人が幸せでいてほしい。大人も子どもも楽しく学べるまちにしていきたい」と思いを語った。

夢こんさぁと 気軽に聴くクラシック 幸市民館で

 幸市民館(幸区戸手本町)では2月20日(木)、森岡姿帆さんと川崎春奈さんのピアノ・バイオリンデュオによる「夢こんさぁと 気高く優雅なメロディーに包まれて」が行われる。

 気軽に良質な音楽を楽しんでほしいという思いから始まった同企画。演目は「愛の挨拶/E.エルガー」や「タイスの瞑想曲/J.マスネ」等。午後0時5分開演。申込不要。先着150人。定員を超えた場合、立見や入場制限の可能性あり。

万国旗がはためく同イベント=写真提供

多文化フェスタさいわい 世界の文化を体験 8日 幸市民館で

 国際交流の楽しさを体験できる「多文化フェスタさいわい」が2月8日(土)午前10時〜午後4時まで、幸市民館(幸区戸手本町)で開催される。

 さまざまな国の人々が自国の文化を紹介する同イベント。ステージでは、ラテンアメリカの民族音楽であるフォルクローレ音楽家の木下尊惇(たかあつ)さんによるギターとチャランゴ(ボリビアで使われる弦楽器)の演奏や、フラダンス、フラメンコなど、国際色豊かなパフォーマンスが繰り広げられる。

 一輪花束づくりやバルーンアート、ボードゲーム、着物着付け体験など、子どもから大人まで楽しめる多彩なブースも用意。中国やボリビアなど各国料理の販売もあり、グルメも満喫できるほか、民芸品も販売。

 参加無料。詳細は幸市民館【電話】044・541・3910まで。

迫力ある技が繰り出された=川崎臨港署提供

強い警察へ心新た 川崎臨港署で武道始式

 川崎臨港警察署(石崎弘志郎署長)の武道始式が1月28日、川崎区池上新町の同署で開かれた。

 地域関係団体の代表ら100人が見守る中、柔道、剣道それぞれが3人4チームに分かれ団体試合が行われ、署員たちは白熱試合を展開した。「5人掛け」では、剣道特別訓練員の杉山隼都五段と柔道特別訓練員の尾方寿應五段にそれぞれ署員が挑み、特別訓練員が繰り出す大技と早技に会場内は大きな拍手に包まれた。

 実践逮捕術では強盗等を目的とした不審訪問者への注意喚起を交えながら、刃物で警察官に抵抗する犯人を逮捕術で制圧する演武が披露された。

 来賓として出席した中山健一川崎区長は「頼もしい署員が管内の安心安全を守ってくれると感じた。引き続き管内治安のために頑張っていただきたい」とあいさつした。

 石崎署長は「警察が求められているのは、悪と対峙してもいささかもひるむことのない強さ。引き続き武道訓練をはじめ、各種訓練に励み、地域住民の皆様を守るための執行力の強化に努めたい」と語った。

腹話術で知る「非認知能力」 2月15日 幸市民館で

 幸区地域教育会議は2月15日(土)、幸市民館大会議室で教育を語るつどいを開催。「子どもの『こころ力を鍛える』〜笑いで育てた非認知能力〜」をテーマに、日本腹話術普及協会理事長のしろたにまもる氏が講演する。

 「非認知能力」は「学校のテストで数値化されない、子どもの将来や人生を豊かにする力」として近年注目されている。しろたに氏はその根底にある心や感性を育てるとされる芸術の中から腹話術を通して、感じとった子どもたちの心の声を紹介。「しろたに氏と相方のゴローちゃんとのかけあいは必見」と主催者は呼びかける。

 開催時間は午後1時30分から4時。参加費は無料。定員は50人。申し込み、問い合わせは幸市民館【電話】044・541・3910。

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年男年女の小学5年生の子どもたち

「福は内」で幸せ願う 各地で節分祭開催

 川崎区・幸区内の各地の神社仏閣で節分の豆まきが行われた。

 小倉神社(幸区小倉/岩澤具治宮司)は節分翌日の2月3日に開催。大人たちに交じり、年男年女の小学5年生の子どもたちが豆をまいた。小倉商栄会は当たりくじ付きの袋入りの豆を参拝客に配布。当たった人々は景品として、お米やみかん、ラーメン、ジュースなどを持ち帰った。

 若宮八幡宮(川崎区大師駅前/中村博行宮司)は2月2日、縁起が良いとされる方角を向き、今年1年の願いを込めながら無言で恵方巻きを食べる恒例の「恵方巻き行事」を開催。ご当地アイドルグループ「川崎純情小町☆」は「3月にリリースされる川崎市市制100周年の願いを込めて食べました」と語った。

 稲毛神社(川崎区宮本町/市川和裕宮司)は2月2日、節分祭と能登半島地震早期復興祈願祭を開催した。川崎区出身の力士・友風関や福岡資麿(たかまろ)厚労大臣、俳優の風間杜夫さん、六平直政さん、歌手の森口博子さんらが特設ステージから豆をまいた。

山口翔平氏

次期衆院選 国民、山口氏を擁立 神奈川10区

 国民民主党は1月24日、次期衆議院議員選挙の神奈川10区選挙区(川崎区・幸区)に元外務官僚で会社経営者の新人・山口翔平氏(34)を擁立すると発表した。

 山口氏は慶応大学を卒業後、外務省入省。在米国日本大使館、ASEAN日本政府代表部(インドネシア)、内閣総理大臣官邸を経て三菱商事勤務。現在は、コンサルティング会社の代表を務める。

 本紙の取材に「挑戦を失敗やリスクでなく、価値と思われる社会を実現するための基盤・意欲・環境をつくっていきたい」と訴える。

市制100周年記念式典の記念演奏で指揮を執る秋山さん(川崎市提供)

川崎市名誉文化大使 秋山和慶さんが死去 記念式典でも指揮

 東京交響楽団桂冠指揮者で、川崎市名誉文化大使の秋山和慶さんが1月26日、肺炎のため死去した。享年84。

 2月1日から3日にはミューザ川崎(幸区)に一般向けの記帳台が設けられ、全国各地のオーケストラ関係者や教え子など約800人が足を運び、故人を偲んだ。

 秋山さんは川崎市市民文化大使を務め、2007年に市文化賞を受賞。昨年7月の川崎市市制100周年記念式典では、総勢520人の市民合唱団・オーケストラによる記念演奏を指揮した。

 国内外で活躍する一方、ミューザ川崎シンフォニーホールでは04年の開館以来、チーフ・ホールアドバイザーとして、市の文化芸術振興に貢献。昨年12月31日に同ホールで開かれたジルベスターコンサートが最後の公演となった。

 市制100周年記念演奏でステージを共にした川崎市合唱連盟の事務局長・中山寛隆さんは「『この棒についてくれば大丈夫』といった雰囲気で、指針をタクトで示してくれた。大きな存在だった」と振り返った。

 洗足学園音楽大学(高津区)では芸術監督と特別教授を務め、昨年10月の同大創立100周年記念音楽祭・記念式典では両日ともに指揮を執った。同大は「音楽の多様性に満ち溢れた集団が、秋山先生のタクトで見事に歩調を合わせて融合し、素晴らしい芸術空間となった。本学における多大な功績は数えきれない」と感謝した。

 最後の公演を鑑賞した福田紀彦市長は「終演後、いつもの優しい笑顔で声をかけてもらったことは忘れられない」とコメントした。

講師を務めた元プロ野球選手の大場達也さん

高津高校「プロに聞く」授業 元プロ野球選手など講師

 市立高津高校(高津区)で伝統の「その道のプロに聞く」授業が1月23日に同校であり、警察官や料理人、元プロ野球選手など、様々な職業人たちが講師を務めた。

 同校では、1年生が次年度の選択科目を考える際、進路の方向性や将来的な職業のイメージをつかめずに悩む生徒が多いことから、かねて「総合的な探究の時間」を使い、様々な業種で活躍する社会人を講師として招く特別授業を実施してきた。今年は14人が講師として授業に参加した。

 川崎出身の元プロ野球選手で、現在は鶴見大学(横浜市)で野球部のコーチを務める大場達也さん(35)は、4つの「伝えたいこと」に沿って話を進めた。母子家庭で育ち、アルバイトで家計を支えながら川崎市立川崎高校で野球を続け、プロ野球選手を目指した経緯を説明し、「夢はみるものではなく叶えるもの。叶えるには何をすべきかを考えながら過ごしてほしい」。また、「プロを目指して」という祖母の願いを胸に、プロ野球に挑戦したことにも触れ、夢が自分のものから「みんなの夢」へと広がったことが、挑戦の原動力になったと語った。最後に「壁にぶつかった時に今日の話を思い出し、乗り越えるヒントにしてくれたらうれしい」と話し、満面の笑みで授業を終えた。

 写真家で映像クリエーターの高野洋さんは、自身が手掛けた写真や映像を紹介しながら、映像コンテンツの力について説明。バックパッカー時代の経験も披露し、「目指す世界へのアプローチ方法はたくさんある。漫画でも動画でも、吸収できるものに無駄は一つもない」と力強く語った。

川崎総合科学高校デザイン科の宮坂奈緒さんが手がけたチラシ

御幸公園で観梅会 野点茶会や音楽演奏

 恒例の「観梅会」が今年も御幸公園(幸区東古市場)で2月15日(土)に開催される。御幸公園梅香事業推進会議、幸区役所主催。

 同公園には梅が29種236本あり、さまざまな梅を楽しむことができる。当日は野点茶会や音楽演奏、クイズラリーのほか、初企画として幸高校の生徒が考案した川崎ブレイブサンダースと連携したフリースローチャレンジや、ふわふわ遊具が楽しめる。地元店舗が出店するブースでは、「梅」にちなんだ商品も並ぶ。

 隣接する野球場では球場プレイパークとして親子で楽しめる屋外遊びを実施。

 時間は午前10時から午後2時(荒天中止)。また、同日から24日(月)までは梅林内が開放され、梅を間近で観賞することができる。

 各種イベントの時間などの詳細は、幸区役所まちづくり推進部企画課【電話】044・556・6612へ。

地域の安全安心、考える

 川崎区安全・安心まちづくり講座「見守りが育む!地域と子どもたちの安全!」が3月14日(金)、川崎区役所12階会議室(東田町)で開かれる。

 川崎警察署による地域の犯罪傾向や防犯についての防犯講話のほか、市・区による防犯の取り組み紹介など。市民防犯インストラクターの武田信彦さんは、簡単な実技や参加者同士の交流などを交えた講演を行う。

 午後2時から4時30分(1時30分開場)。参加費無料。事前申込制で先着100人。

 参加希望者は氏名・フリガナ・電話番号・ほかの参加者の氏名(複数参加の場合)を明記の上、【メール】61kikika@city.kawasaki.jpまたは区役所危機管理担当【電話】044・201・3134へ。

2月22日川崎区桜本で 田中宏氏招き講演会 多文化共生テーマに

 市民有志でつくる「多文化共生をめざす川崎歴史ミュージアム設立委員会」は2月22日(土)、ステップアップ集会を開催する。みんなの家(在日大韓基督教会川崎教会/川崎区桜本)で開催する。『在日外国人』(岩波新書)などの著書があり、多文化共生施策に詳しい田中宏一橋大学名誉教授が「全国の多文化共生・人権運動における川崎の位置」と題して講演。ミュージアム設立に向けての現在の活動状況の報告も行われる。

 時間は午後2時から4時30分まで。

あいさつする杉山県議

師の教え胸に、政治活動 杉山県議が抱負

 川崎区選出の杉山信雄県議(自民)は1月31日、川崎日航ホテルで県政報告を行った。

 災害対策では、神奈川県が防災ヘリを再導入する予定となったと述べ、災害に強い神奈川県作りに向け力を注ぐと約束。京急川崎駅周辺の再開発では、道路整備により、交通の利便性が高まると述べた。

 杉山氏はまた、昨年死去した同氏の後援会長で元参議院議員の斎藤文夫氏について言及。「郷土川崎を愛する心を政治の糧として教えていただいた。それは私の心に生き続けている」と教えを胸に刻んで政治活動に取り組むと誓った。

参院選 立民 現職2人擁立へ 牧山氏と水野氏

 今夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に立憲民主党がともに現職の牧山弘惠氏(60)と水野素子氏(54)の2人を擁立することを決めた。

 牧山氏は米国での弁護士活動などを経て、2007年の参院選に民主党から出馬して初当選。13年、19年と連続当選している。1月28日に県庁で会見を開き、「物価高への対策として、食料品の消費税ゼロを訴えていく」と語った。

 水野氏は宇宙開発事業団(現JAXA)に28年間勤務した後、22年の参院選で欠員議席分の5位で当選。28日に牧山氏と別に行った会見で、「日米地位協定の改定を進めることや先端技術による産業が元気な日本を作っていきたい」と述べた。

 2人が出馬することに牧山氏は「自分の政策を思い切りアピールする」、水野氏は「議員歴が短い自分がいかに頑張れるか」と語った。

かわさきマイスター競演 市制100周年の記念品 市役所本庁舎で展示

 川崎市市制100周年を記念し、卓越した技術を駆使してものづくりを続ける「かわさきマイスター」たちがコラボレーションした記念品が誕生した。3月6日まで、市役所の本庁舎(川崎区)1階で展示している。

 市の「かわさきマイスター記念品制作支援事業」により、業務委託を受けた佐野デザイン事務所(中原区)の代表・佐野正(まさし)さん(58)が、4種類の記念品のデザインとマイスターの組み合わせを考案した。

 企画に参加したマイスターは計8人。「KAWASAKIマイスタースツール」では、特殊な金属加工「ヘラ絞り」の匠・大浪忠さん(高津区)、友和さん親子(同)と、家具職人の昼川捷太郎さん(宮前区在住)が技術を集結。また「KAWASAKIマイスタースイーツ」では、パティシエの宍戸哉(ちか)夫さん(麻生区)と、複雑なデザインに対応できる板金加工の技術を持つ比屋根卓(たかし)さん(川崎区)が、異色のコラボ。川崎の多様性を焼き菓子で表現し、人形のクッキーが「つながる」仕掛けも楽しい。

 「KAWASAKIマイスターヒーリング」は、溶接の技巧を生かして楽器づくりも手掛ける飯田誠二さん(川崎区)の鈴に、昼川さんの手による木工の台座を組み合わせ、視覚と音で癒しを表現した。

 佐野さんが「一番難しかった」と語るのが「KAWASAKIマイスタークロック」だ。精密研削加工技能者の三田村宏宣さん(高津区)、特殊な塗装技能をもつ綾部淳さん(同)と大浪さん親子の4人が共同制作。佐野さんの発案で、文字盤を彩る3色の輪を時針と分針に連動させ、正午と午前零時の2回、「川」の字がそろう仕掛けになっている。

 佐野さんは「職人の技が伝わりやすいデザインを心がけた。マイスターの方々の技と熱意のおかげで完成することができた」と感謝を述べた。市の担当者は「記念品を通し、川崎のものづくりの力を広く周知していく」としている。

天野さん(左)の隣で試食する福田市長

中学校給食献立コン 東高津・天野さん市長賞 福田市長「バランスに感動」

 中学生が給食の献立を考える「中学校給食献立コンクール」で、東高津中学校(高津区)2年生の天野塁さん(14)が市長賞に輝き、1月31日、同校で表彰式と試食会が行われた。

 コンクールは、市立中学に通う生徒たちに食への理解を深めてもらうことを目的に、2018年度に始まった。市制100周年の今年は、「これからの100年に向けて川崎の子どもたちに伝えていきたい献立」がテーマ。計28校から過去最多の2075点の献立案が集まり、6千票を超える生徒投票などによる審査の結果、最優秀賞にあたる市長賞に天野さんの献立が選ばれた。

 天野さんは、「栄養バランス満点! 風味豊かな彩り給食」をテーマに、「じゃがいもと鶏肉の甘辛炒め」を主菜、「ピリ辛ナムル」を副菜に、汁物には冬らしい「しょうがの根菜汁」を考案。市内の強豪チームでサッカーに打ち込む天野さん。体力づくりを意識し、鶏肉を中心にメニューを組み立てた。しょうがを入れる汁物のアイデアは、「お母さんに相談したらアドバイスをくれた」という。

 この日は東高津中で表彰式の後、福田市長が天野さんのクラスで生徒と一緒に市長賞の献立を試食。笑顔で完食し、「バランスが素晴らしい」と感心しきりだった。

 またコンクールの「保護者部門」は、柿本勝栄(かつえ)さん(宮崎中/宮前区)の献立が最優秀賞を受賞。この献立も、2月に給食として提供される。

川崎市役所

放課後の子どもの居場所 川崎市 方向性に意見募集

 川崎市はこのほど「放課後等の子どもの居場所に関する今後の方向性(案)」をまとめ、市民からの意見を募集している。2月28日まで。

 こども家庭庁は2023年12月、子どもの居場所づくりを全国で推進する「こどもの居場所づくりに関する指針」を閣議決定。指針では、居場所づくりによってすべての子どもの権利が守られ、子どもたちが将来にわたり幸福な生活を送れることを目的としている。

 これを受けて各自治体で「子どもの居場所」に関する取り組みが続いているが、川崎市は、25年度が「総合計画第4期実施計画」の策定年度にあたるため、放課後の子どもたちの居場所に関する調査や方向性の検討を進めている。

子どもの声を大切に

 案では、まず基本的な考え方として「子どもの声・主体性・価値観を大切にする居場所づくり」、「発達段階に応じた目的・空間を有する居場所づくり」、そして主に不登校の状態にある子どもたちに対する「子どもの状況に応じた支援の実施」を掲げる。発達段階に応じて「学童期」と「思春期」に分け、現状の居場所に関する調査などをふまえ、それぞれに考え方をまとめた。

 「学童期」の居場所に関しては、子ども自身だけではなく保護者にとっても安全・安心な場であることが必要なことから、小学校での放課後の居場所を軸に検討した。その結果、「子どもにとって居心地のいい空間の実現」「大人の見守りなどを交えた安全・安心の確保」「(わくわくプラザなど)現状施策の一体的な取り組み」の3点の方向性を打ち出した。

 一方、「思春期」では、思春期の子どもたちの特性に対応した居場所づくりに取り組むとし、「子どもの多様な主体性や価値観への対応」「思春期特有の悩みなど、状況が深刻化することを防ぐ対応」「地域と連携し、小地域での居場所づくり」といった方向性を示している。

 「方向性(案)」の資料は、市の公式サイトのほか、各区役所や図書館、こども文化センターなどで閲覧可能。意見の提出方法は、市の専用サイトから電子メールで送るか、市の青少年支援室までファックスか郵送、または持参する。今回の募集に限らず、子どもからの意見は常時、市の「こども・若者の”声”募集箱」で募集している。

 問い合わせは市青少年支援室(【電話】044・200・1425、【メール】45sien@city.kawasaki.jp)。

人工芝のグラウンドを走る子どもたち

GO!GO!!フロンターレ

100m走を全力で楽しく走ろう!

 サッカーJ1・川崎フロンターレは2月22日(土)午前10時〜午後3時、富士通スタジアム川崎で未就学児・小学生を対象とした「DreamChampionship2025〜かわさき100m走グランプリ〜」を開催する。小雨決行。

 100m走を「全力で、楽しく走ろう!」をテーマに、MCによる盛り上げなど、従来の陸上競技とは一線を画すエンターテイメント性あふれるイベント。当日は100m走グランプリをはじめ、ミニトレーニングアトラクション、ボッチャなどを楽しめるパラスポーツ体験会、ペガーボール体験会など、多彩なプログラムを用意。運動経験の有無に関わらず、楽しめる内容となっている。

 総監督を務めるのは元お笑い芸人で現在は様々な拠点で活動しているおねだり豊さん。各学年の優勝者には特製トロフィー、参加者全員には参加賞が贈られる。

 川崎市内在住1200円(税込)、市外在住1500円(税込)。対象は年中・年長各25人、小学1〜2年生各25人、3〜6年生男女各20人。

 申し込みは同所公式ウェブサイト専用フォームから。2月14日(金)締切。応募多数の場合は抽選。当選者には15日以降メールが送られる。

画像は川崎フロンターレ