戸塚区・泉区版【2月27日(木)号】
小島民俗資料館の前で記念撮影した泉区歴史の会会員ら(上・提供)/同資料館の一部

泉区中田東 郷土史継ぐ資料館、閉館 収集品は地域住民らに

 泉区中田東にあった「小島民俗資料館」がこのほど閉館し、45年の歴史に幕を閉じた。故・小島貞雄さんは長年にわたって農耕器具、日用品、郷土品などを収集・展示。約70種、2000点の資料は、閉館前の譲渡会で希望者や泉区歴史の会会員の手に渡った。

 同資料館は1980年に小島さんの自宅敷地内に設立。郷土資料の見学のために、地元の小学校の子どもたちや、国内の大学教授などが訪れることもあった。

 2014年に小島さんが亡くなって以降、資料の管理や整備を継続することが困難になり、解体することが決まったという。

「功績を次世代に」

 泉区歴史の会の会員同士で小島さんと親交が深かった宮田貞夫さんによると、農協の研修で歴史に興味を持ったことをきっかけに、小島さんの収集・展示活動が始まったという。

 資料の中でも多くを占める農具は郷土資料としての価値を重視し、特に中田地区で使用されていたものが中心で、県外のものは対象外。一方で、見学に訪れた子どもたちのために昔使われていたおもちゃなども展示され、農具に次ぐ数の多さとなった。

 閉館に伴う資料調査で、小島さんの名前が記された小学校の教科書や戦闘帽なども発見された。さらに泉区の歴史をまとめた『いずみいまむかし 泉区小史』に写真のみ掲載され、行方が分からなくなっていたという縄文時代の石皿も見つかった。

 資料の大部分は、閉館が決まった11月から5回にわたって一般公開され、地域住民や同会に譲渡された。宮田さんは「小島さんが歴史を語り継ぐために残した功績は大きい。資料をまとめて改めてどこかで公開したい」と語った。

共同検針用の水道スマートメーター(防水型)

市水道の自動検針 全戸導入に向け技術検証 市民生活の利便性向上も

 横浜市はこのほど、自動で使用水量を把握できる水道スマートメーターの技術検証を今年10月から実施する計画を打ち出した。独居高齢者の見守りや減災対策にもつながる事業で、2028年度からの順次導入を目指す。

 スマートメーターは無線端末を用いて、自動的に使用水量データを取得するもの。現在は検針員約400人が平均して月約2500戸のメーターを目視で調べている。

 市水道局によると、導入後は利用者(市民)が1時間ごとの使用量を確認できるようになる。漏水やトイレの故障などの早期発見、水の不使用などの異変をいち早く察知することにより、独居高齢者の見守りにもつながる。加えて、将来予想される検針員不足への対応、震災時の断水エリアの早期特定や円滑な復旧作業が可能になるなどメリットが多いという。

 スマートメーターの技術検証は、19年度に始まった緑区(約460戸)に続いて2回目。緑区では携帯の通信回線を利用しているのに対して、10月からの検証は東京電力パワーグリッド(株)との連携によって、既に整備されている電力通信ネットワークを活用。3区(保土ケ谷・西・中)の約1000戸で自動検針を行い、さまざまな環境下における通信の安定性を調べるほか、通信コスト低減を模索する。

コスト低減が課題

 導入への課題が高コストだ。現行タイプは、設置や使用期間中(8年)の検針委託費を含めて1戸あたり約1万1000円。スマートメーターは現段階で、専用機器や通信コストによって現行の3倍ほどかかるという。

 市は19年度に導入に向けた連携協定を東京都と大阪市と結んでおり、仕様の共通化などを推進することで、コストを低減したい考え。市職員は「3都市で連携しながら、最短での全戸導入を目指したい」と話す。

 全国ではスマートメーターを住民の見守りに活用している事例もある。高知県仁淀川町では高齢化が進む地区で、水道利用の異常を検知した際に登録アドレスに通知する実証を行っている。

 市職員は見守りの仕組みについて、「個人情報の取り扱いなど課題もあるが、将来的に検討できれば」と説明する。

開設20年を超えてもなお、多世代が集う「永明寺別院サロン」の代表を務める 石田 五十六(いそむ)さん 泉区岡津町在住 84歳

「必要なこと、頼まれたから」

 ○…岡津町にある「永明寺別院サロン」。地域の多世代交流拠点の役割を担ってきたサロンの代表者として、子育て中の母親や障害者、高齢者を長年にわたり迎え入れてきた。「コロナ禍で人の流れが途絶えてから、以前の状態にまだ戻っていません。でも、こうした場所はあった方が望ましい」と平静だ。

 ○…地域活動を始めたのは、定年の声を聞く前の頃から。現在も居住する、235世帯ある大型マンションの民生委員を担当することに。住民個々のライフスタイルを尊重しようと、適度な距離を保ちながら見守りを続けてきた。「引っ越して来た頃まだ若かった私も80代。高齢社会を実感しています」と感慨深げ。中川地区社会福祉協議会でも会長を務めるなど周囲の期待に応えてきた。「必要なことを頼まれ、お手伝いができるからしてきただけ」

 ○…新潟県生まれ。石油会社に就職後、60年ほど前に転勤で上京。結婚後、一男を設けた。仕事は規則的で、時間に追われることは少なかったという。趣味の一つはレコードでジャズを聴くことと、山歩き。人とのコミュニケーションを積極的に取る一方、独りの時間も大切にしてきた。「長野県に山小屋を持っているんです。そのうちゆっくり過ごそうと思っているうち、ボランティアが忙しく機を逸してしまった」とほほ笑む。

 ○…「永明寺別院サロン」では、岡津小の児童に地域の歴史や昔遊びを伝えている。先日、教育実習で訪れた大学生は、小学生のとき、サロンに通っていたという。「『私のこと覚えていますか』と声をかけられて。うれしかった」。一方サロンは曲がり角に。「私は年齢的にバトンタッチする時期だが、これからも一住民としてサポートしていく」と上を向いた。

横浜市内の20代女性がはしか感染 東急東横線、京王バス利用 市が注意呼びかけ

 横浜市は2月26日、市内の20代女性がはしか(麻しん)に感染したと発表した。市内の感染例は2022年以来3年ぶり。今年は19日時点で全国で3人の感染が確認されている。

 女性は2月上旬にタイから帰国。17日に発熱し、21日にはのどの痛みや咳が出て市内の医療機関を受診。24日に発疹が現れ、25日にはしかと診断された。予防接種歴はないという。

 帰国後、感染の可能性がある期間に公共交通機関を利用しており、同じ時間帯に利用した人に市が注意を促している。

 女性が利用したのは、16日の東急東横線(午前6時57分綱島駅乗車→7時18分渋谷駅下車、午後10時頃渋谷駅乗車→10時30分頃綱島駅下車)と京王バス(午前7時29分渋谷駅乗車→7時47分幡ヶ谷駅下車、午後9時30分頃幡ヶ谷駅乗車→10時頃渋谷駅下車)、17日の東急東横線(午前6時48分綱島駅乗車→7時21分渋谷駅下車、午後10時頃渋谷駅乗車→10時30分頃綱島駅下車)と京王バス(午前7時30分頃渋谷駅乗車→7時50分頃幡ヶ谷駅下車、午後9時30分頃幡ヶ谷駅乗車→10時頃渋谷駅下車)、21日の東急東横線(午前10時台綱島駅乗車→菊名駅下車、午後1時台菊名駅乗車→綱島駅下車)。市はこれらの交通機関を利用し、利用後10日前後経ってから発熱などのはしかを疑う症状が現れた場合は、事前に医療機関に電話連絡の上、受診するように呼びかけている。

 はしかは非常に感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染し、患者と同じ空間にいるだけで感染することがある。抗体がない人が感染するとほぼ100%発症する。

 夜間・休日の医療機関案内は、かながわ救急相談センター(♯7119)(直通ダイヤルの場合は【電話】045-232-7119または【電話】045-523-7119)へ(24時間、年中無休)。

踊場のまちを練り歩いた大猫人形とそれに続く地域住民

「踊場が猫だらけ!」 イベント多数で地域活性

 毎年2月22日、踊場地区では地名の由来である毎夜手拭いを被った猫が踊っていたという伝説にちなんで、猫の日のイベントが開催される。

 今年は踊場地域ケアプラザから、大猫人形4匹がまちを練り歩いた。猫たちは道行く人に手を振ったり、ポーズを取ったりしながら猫の日の開幕を飾った。

 物珍しい光景に、子どもから大人まで多くの人が猫に続いて行列となり踊場のまちを歩いた。途中、猫の供養塔として知られる踊場駅横の碑や、伝説にちなんだお菓子を販売する和菓子店などで写真撮影も行われた。

 チラシを見てイベントを知ったという汲沢在住の女性は「娘が猫が大好きで偶然知ったイベントだけど、こんなに盛り上がっているとは知らず驚いた」と話した。

伝説を人形劇に

 また踊場地域ケアプラザでは、戸塚区を中心に活動する有志団体「劇団ぴよぴよ」による人形劇が公演された。

 かえるの歌や大きなかぶの人形劇のほか、子どもたちが劇団員と一緒に、かぶを抜くことに挑戦する参加型の劇も実施。子どもたちの一生懸命な姿に、会場からも応援の声が上がった。

 さらに踊場の猫伝説をもとにしたオリジナルの演目「とつかのねこのものがたり」も披露。愛らしい猫の人形と劇団員が繰り広げるコミカルな物語に、会場は笑顔と拍手で包まれた。

 このほか、上新粉を使った「しんこ細工」でオリジナルの猫の置物をつくる講座も開催。参加者は講師の笠原しのぶさんの説明に耳を傾け、思い思いに自分だけの猫作りに励んだ。

模擬店やお笑いプロレスも(写真は昨年)

楽しみながら認知症理解 宮ノ前公園で3月2日

 お笑いプロレスの観戦や模擬店での食事を楽しみながら、介護や認知症への理解を深めて――。中田町宮ノ前公園(泉区中田東4の58)で3月2日(日)、介護や認知症啓発と地域活性を目的としたイベント「オレンジ・フェス」が開かれる。午前10時30分から午後2時30分まで。

 主催は区内で福祉事業所を営む(株)NGU、認知症フレンドシップクラブ横浜事務局。今年で7回目の催しで、会場には模擬店やキッチンカーが並ぶ中で、無料のお笑いプロレスも開催。また第二会場の泉地域活動ホームかがやき(中田北3の6の55)では無料の介護・認知症相談なども。雨天中止。

大正地区センター 作品展示や舞台発表 3月2日

 大正地区センターで3月2日(日)、恒例の大正地区センターまつりが開かれる。午前9時30分から午後3時30分まで。

 活動サークルによる体育室でのステージ発表や展示、また近隣の小雀小、大正小、横浜深谷台小、深谷小、東俣野小、大正中の児童生徒作品の展示も行う。小学生以下の子どもを対象にしたゲームコーナーやたい焼きなど食品販売も。

 駐輪場では戸塚交通安全協会大正支部のコーナーとしてパトカー、白バイの展示もあり、記念撮影などが楽しめる。

手作りの箸の紹介する、プロジェクトの禾木理事長(右)と、平沼副理事長

戸塚区在住者らで構成 こんな資格もあるんだ! 「箸文化を伝え続けたい」

 おいしい和食、正しい箸使いで食べてますか--?

 正しい箸の持ち方だけでなく、良質な日本文化を次世代に継承していくことを目的に活動を続ける「NPO法人みんなのお箸プロジェクト」。各種メディアを駆使した箸文化の情報発信、保育園などでの出前講習のほか、「箸育アドバイザー」「箸育インストラクター」の講師育成に力を入れている。講師の資格を取得するためには、同プロジェクトによる試験の合格が必要だ。

 「アドバイザー」になるには、座学・体験を受講し、オンラインでの筆記試験をパスする。「インストラクター」になるためには、アドバイザーの資格取得後に座学を受け、実技試験をパスする。

和食は世界的に評価

 2018年に、下倉田町在住の平沼芳彩さん(66)が設立した同プロジェクト。当時、60歳を間近に控えており、新たな人生の一歩を踏み出そうとしていたという。「営業職でバリバリ働いて。一区切りつけられるタイミングが来たので、関心があった日本文化を広めたいと。お箸に光をあてている方が少なかったので、『では私が!』となった」と当時を振り返る。

 一方、現在理事長を務める、名瀬町在住の禾木(かつき)義秀さん(74)も設立当初からのメンバーだ。正しい箸を持つ練習のためには、三角形の箸が役に立つ。「平沼さんから『工作が得意そうだから作ってくれないか』と誘われたのがきっかけ。いまでは、保育園で園児さんに持ち方を教えているとやりがりを感じますね」と笑う。

 現在、プロジェクトメンバーは38人。全国展開しており、アドバイザー資格を持つ人は127人、インストラクターは14人となる。

 禾木さん、平沼さんは「和食はユネスコ無形文化財に選ばれるほど価値がある。食べるために箸は欠かせませんが、正しく持てる方は減っている。私たちは箸を『食具』ではなく、『文化』としてとらえ、日本文化の素晴らしさの一つとして、伝え続けます」と声をそろえる。

戸塚区内企業 職人技術を間近で 2月28日、3月1日

 戸塚区内の企業や職人が持つ技術を展示・実演する「戸塚ものづくり自慢展」が2月28日(金)、3月1日(土)の2日間、戸塚区総合庁舎3階で開催される。午前10時から午後4時。入場無料。

 企業展では、印刷や抗菌、電子部品など12企業が各々の技術を生かして生産した製品がずらりと並ぶ。

 実演ブースには、研磨や描絵など、5つの企業が誇るさまざまな技術が披露され、間近で見ることができる。また、かんな掛けや記念カードの発行など、一部体験コーナーも実施される。

 このほか、飲食の販売が行われる「戸塚フードマルシェ」や使い切れない食品を寄付できるフードドライブ、消費生活に関する知識の展示などのイベントも同時開催。

 実演・体験の実施時間など、問い合わせは区地域活動係【電話】045・866・8413。

著書を紹介する村瀬さん

戸塚区・秋葉中学校 人気ライターが職業講話 「仕事の信用」など語る

 戸塚区の秋葉中学校でこのほど、1年生を対象とした職業講話が実施された。

 当日は弁護士や消防署員、カフェのオーナーや美容師など各界で活躍する人々が講師として来校。生徒たちは事前に話を聞きたい講師を選択したうえで当日に臨んだ。

仕事の覚悟を聞く

 ノンフィクションライターの村瀬秀信さんが講師となったクラスでは、横浜DeNAベイスターズの歴史をまとめた自身の著書『4522敗の記憶』を紹介。

 様々な立場の人々の話を一冊にをまとめる苦悩や、取材の過程で球団の歴史の暗部まで切り込んだことから、出入り禁止となる覚悟をもって執筆したことなどが語られた。

 「この仕事はいかに信用してもらえるかが大切。まずは信用してもらうことで面白い話も聞ける」と話し、誠意をもって対応するなど人間関係をしっかりと築いていくことの大切さについて語った。

 また自身の中学時代について、あまり勉強をしてこなかったと振り返り、勉強して選択肢を広げ「面白いことを見つけるアンテナ」を持つことが重要だと語った。

 同校の本間健太郎教諭は「将来の進路について少しでも考えるきっかけになってくれれば」と話した。

警察からの聴取に応じる水道局員(上)/散布場所の除染作業を行うNBCテロ対応専門部隊

小雀浄水場で 警察合同のテロ対策訓練 アフリカ開発会議に向け

 小雀浄水場で2月7日、戸塚警察署と同所の水道局員が「テロ対策合同訓練」を実施した。今年8月に横浜市で開催される「第9回アフリカ開発会議」を見据えて行われた。

 訓練では、不審者役の警察官1人が、同所に侵入。刃物を振り回しながら本館に侵入を試みるのに対して、水道局員がさすまたや防護盾などで阻止した。

 さらに不審者は、刺激臭のする液体を想定した不審物を入口に散布し逃走。駆けつけた警察官は水道局員に対して、犯人の侵入経緯や逃走経路を聴き取りするなど、両者が連携して事案に対応する流れが確認された。

専門部隊も出動

 不審者が警察官に確保されると、NBCテロ対応専門部隊が到着。不審物の検知・採集が行われ、内容物を特定した後、散布された場所の除染も実施された。

 同署署員は「同じような事案が発生する確率は低いかもしれないが、ゼロではない。今回の訓練を通して、そういう気持ちを持ってもらえれば」と訴えた。

 浄水場長の板谷秀史さんは「毎日上質な水を届けるためには、さまざまなリスクへの備えが必要。水道局だけでは難しいことも、警察と協力して水道を守っていく」と話した。

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今年度の受賞者たち

戸塚区社会福祉大会 地域の功労者を表彰

 フレンズ戸塚(戸塚町167の25)で7日、戸塚区社会福祉大会が行われた。大会は長年にわたり地域の社会福祉の発展に貢献した人物・団体・企業らを表彰するために行われているもの。

 今回は7人4団体が会長賞を受賞し、4人6団体も活動を称えられた。授与式後は受賞者の活動報告がおこなわれ、現状の活動に至った経緯や苦労などが語られた。

 出席した同会会長の西村邦夫さんは「皆さんをはじめとする多くの人々と関わりあいながら、地域で支えあい安心して暮らすことのできる街づくりをしていきたい」と話した。

多世代がボランティアに

いずみ野地域ケアプラザ 多世代が高齢者支援 楽しい食事を「みんなで」

 いずみ野地域ケアプラザで2月8日、地域の一人暮らし高齢者を招いた食事会が開かれ、約30人が参加した。

 同所では昨年秋に多世代食堂「いずみ野キッチン」がスタート。民生委員をはじめ、幅広い世代がボランティアとして参加し、温かい食事を楽しめる場を提供している。

 今回の食事会には、近隣のいずみ野小学校5年生が今年度育てた米5kgを寄贈してくれたとあって、地元産食材にこだわった献立に。参加者は会話を楽しみながら、「美味しかったわ」と笑顔を見せていた。

 同ケアプラザの草島佳子さんは「日頃、一人で食事をしているという人も少なくない。こういう場が各地域に増えたら」と思いを語った。

「祖母と一緒に」

 ボランティアとして参加する大学1年の新明心和(しんめい ここと)さん(19)は、祖母・雅子さんの誘いで活動に関わるように。「おばあちゃんと一緒に、世代が違う人とも料理や野菜の話ができるのも楽しい」とやりがいを語った。
プレー中の小林さん(撮影・金子周平さん)

泉区出身・小林千沙選手 ラクロス全日本でMVP 「‘28ロス五輪にも」

 泉区上飯田町出身の女子ラクロス選手・小林千沙さん(28)が所属するチーム「NeO」がこのほど、ラクロス全日本選手権で2連覇を果たした。小林選手は個人としても活躍し、大会最優秀選手に選ばれた。

 ラクロスは2028年のロサンゼルス五輪で正式種目にも決まり、26年にはW杯の日本開催も控えるなど今注目の競技の1つ。小林選手は「(代表選考は)狭き門ではあると思うけど、あきらめずに準備をしたい」と出場に向けて力を込める。

バスケの経験生かし

 小林選手は日向山小学校(現・瀬谷さくら小)を卒業後、相模女子大附属中・高へ。スポーツも盛んな同校にあって、中学高校時代は体力テストで毎年学年1位を取るほどの運動神経の持ち主。長身も生かして中学からバスケットボールをはじめ、けがも乗り越えながら青春を注いだ。

 卒業後は両親と同じ日本体育大学に進み、「新しいスポーツに挑戦してみたい」との思いを強めた。そんな時に母・由紀さんからラインで「これ知ってる?」と動画のURLが送られてきた。それは初めて見るラクロスの試合映像だった。

 興味を惹かれ、体験してみるとすぐさまその魅力に取りつかれた。「今まではバスケで『手とボール』だったのが、『手と道具とボール』という競技になって、その感覚がまた新鮮だった」と笑顔で振り返る。

 大学卒業後は現在のNeOに所属し、クラブチームや中学高校のコーチなどもしながら、日々トレーニングを続ける。

多彩な駆け引き

 ラクロスは男子と女子とでルールが大きく異なり、例えば女子の場合、接触プレーは禁止。ただ、棒状の「クロス」がアイガードの上からぶつかることもあれば、シュートの球は時速130キロの勢いで飛んでくることもあり、あざなどのけがは絶えない激しいスポーツだ。

 一方、「ホッケーのようにゴール裏のフィールドも使えるので戦術は多彩。さまざまな駆け引きが醍醐味」と小林選手。「ぜひ実際の試合も見に来てもらえたら」と呼びかけている。

永明寺別院サロンを紹介する石田さん。後ろは岡津小児童

寺院でほんわか交流 泉区岡津町 石田さん

 2004年に開設した泉区岡津町にある多世代交流の場「永明寺(ようめいじ)別院サロン」。幅広い世代の交流を促進している。予約不要、誰でも参加できる気軽さから地域に親しまれている。

 サロンの代表者が、石田五十六さん=関連記事・人物風土記。中川地区社会福祉協議会の会長でもある。

 20年にわたり、訪問者を温かく出迎えてきた石田さん。近隣の岡津小学校の3年生は年度を通じて授業の一環としてサロンを訪問。2月18日には石田さんが地域の歴史について語った後、児童は折り紙でお内裏様を作り、「面白かった!」との明るい声を響かせた。石田さんは「今後も地域のコミュニケーションの場になれば」と話す。

 毎月第3火曜日の午前10時〜11時50分開設。参加費100円(茶菓子代)。(問)石田さん【電話】045・813・6845。

 アクセス:神奈中バス岡津橋バス停から徒歩1分。

中学生に語りかける橘内さん

舞岡中 「福島県の現状を知って」 現地の桃農家が講演

 舞岡中学校で2月10日、2年生を対象とした平和学習の一環として、福島県で桃農家を営む橘内(きつない)義知さんを招いた講演会が開かれた。橘内さんは「福島県 果樹産地10年の取り組み」と題して、東日本大震災から今日までの状況を語った。

 福島市生まれの橘内さんは大学進学で神奈川へ。卒業後、横浜市中央卸売市場の青果卸売会社に勤めたのち、2010年に実家で就農したという。その直後に震災が襲った。

 「あの震災で、宮城や岩手と福島がちがうのは原子力災害」と橘内さん。ただ、目に見えないものだけに「報道で知るだけで、現実感はなかった。ただ良くないことが起きている不安感はあった」と明かす。

 不安を払しょくしようと、橘内さんは農家有志で勉強会などを開催。放射性物質の濃度を細かに計測するなどして、安全性確認に継続して取り組んできた。

安全と安心のちがい

 震災から14年が経ち、福島の放射線量は世界の主要都市や国内の他都市と同程度まで低減しているという。

 「震災直後は、はっきりと風評被害があったが、それは消費者の選択として正しいことでもある」と橘内さん。中学生からの「今も震災の影響はあるか」といった質問に対し、「気にしていないつもりでも、あえて福島県産を選ばないというような消費者の深層心理に溶け込んでしまったように思う」とした上で、「信頼を得られるよう安全性を伝え続けていく」と思いを語った。

チーム学年経営のイメージ

横浜市 全市立小で教科分担制 児童と教員の交流機会増

 横浜市は2025年度から、全市立小学校(義務教育学校含む)で教科分担制の「チーム学年経営」を実施する。全国に先駆け18年度に8校で試験的に始まった取り組み。児童の学校生活への支援の充実や、教材研究の効率化による教育の質の向上が期待される。

◇     ◇

「児童の心の安定」

 チーム学年経営は、学校生活における「児童の心の安定」を主題に18年度にスタート。従来の体制では児童が学級担任以外の教員と関わる機会が少なく、「担任には言いづらい不安や悩みを抱えたまま通学するケースもあった」と市教育委員会の担当者は話す。

 思春期に入り、他者意識も大きくなる5〜6学年で、児童が複数の教員と関わる機会を増やすことで心の安定を図ろうと生まれたのが教科分担制だ。

 この仕組みでは、学級を持たず当該学年を統括する「チーム・マネジャー」という役職を新設し、各担任がこれまで個々で担当していた教科を分担して受け持つ。チーム・マネジャーは主にこれまで教務主任や学年主任などを担当していた教員が務める。

担任以外とかかわる機会

 18年度に市内8校で開始し、これまでに286校で実施。来年度には全339校で導入される。市教委によると、22年の調査では、学級担任とうまく関われない児童の半数以上が、他の教員との関わりで学校生活に安心感や楽しさを持てていることが分かった。

 また分担制による教員の負担軽減から、教材研究に充てる時間も増え、教育の質も向上。教員同士の意見交換もより活発になり、児童理解も深まったという。

 チーム学年経営を実施している神奈川区の小学校の教諭は「教員同士でも相談がしやすく、児童のこともより見守りやすくなった。チームとして方向性をしっかり定めることが大切」と話す。

 一方で若手教員が、担当外の教科を経験する機会が減るなどの課題も挙がったが、学期や単元ごとに教科担当を入れ替えるなど、各校の状況に応じて柔軟な役割分担を導入している。細かい分担などは現場での判断となるが、市教育委員会では「各校の好事例などを随時共有しながらサポートしていきたい」とする。

山口区長(左)に意見書を提出した協議会メンバー

泉区地域協議会 15年の歴史に幕 時代と共に役割終え

 泉区内12地区の代表者が集まって地域課題について意見交換を行う「泉区地域協議会」の定例会が2月13日、泉区役所会議室で開かれ、今年度をもって同協議会を「発展的解消」することが決まった。

 地域協議会は2009年に発足。2年1期で毎年「地域で取り組む交通安全対策」「地域活動における担い手づくり」などの課題について話し合ってきた。当初は区政へ意見を述べる形だったが、参考意見をまとめる形へと変わるなど協議会の位置づけも変化した。

 今回の意見書では協議会の解消後も、地域主体の地域運営が行われるよう、区役所の地域支援チームによるサポートについて要望を盛り込んだ。泉区の山口賢区長は「15年に及ぶ活動は、今の泉区の体制に生きている。無駄にしないよう取り組みたい」として感謝を述べた。

今年は昭和100年 原宿の川邊重男さんと振り返る あの日、あの時――。

昭和のお宝発見

 2025年は昭和で数えると100年。戸塚区原宿在住の川邊重男さん協力のもと、あの頃の思い出や昔懐かしい品々を振り返る。

♢ ♢ ♢

 川邊さんの自宅に残る「映写機」。映像技術のデジタル化が進んだ現在では使われる機会も少なくなったものだが、当時は最新技術だった。

 映写機右側のアームにフィルムを取り付け、溝に沿わせながら左上に設置した巻き取り用リールに接続......慣れた手つきで操作を説明する川邊さん。「布団のシーツを大きく張ってそこに映像を写してさ、みんなで見てたんだよね」と思い出もよみがえる。

 懐かしい思い出とともに今も川邊家にあるのが、庭の井戸だ。「夏の日は冷蔵庫の代わり。スイカを入れておくと、ちょうどいい冷たさになっててね。おいしかったなぁ」。かつては、お茶やコーヒーを淹れるため、わざわざ近所から水を汲みに来る人もいたほど。現在は災害時に使える非常用の井戸として備えられ、水質検査も欠かさないという。

昭和の原宿。輝く思い出の数々

 原宿のシンボル的存在と言えば、国道1号と環状4号線が交わる「原宿交差点」。交通の要衝としていまも昔も多くの車両や人の往来がある。

 川邊さんによると正月には、国道1号を走る大学生ランナーと、応援する人々の歓声で原宿のまちは大いに盛り上がっていたという。「先導する車両の荷台からも学生たちが仲間を応援していたよ」

 さらに時代をさかのぼり、戦中の原宿。交差点にほど近い大正小学校では、川邊さんの父・利男さんが敷地の一部をさつまいも畑にしたという。

 大きなさつまいもを抱える小学生と利男さんの写真を見て、「お腹いっぱいになれるようにしたんだね。厳しい時代だったから」と思いを馳せる。

 昔の写真を見れば、楽しい思い出もよみがえる。川邊家には「大正地区子供会大運動会」の記録写真が多数。川邊さんによれば、ここでも父・利男さんが地域を盛り上げるために運営側として尽力していたという。

 「五重塔」が伸びる青空の下、会場には多くの人が集まり、にぎわう声や会場の熱気が伝わってくる。子どもたちの胸元には、「富士見」「小雀」「影取」などの地名が見え、地域別で競い合っていたこともわかる。徒競走や玉入れ、借り物競争......。躍動する子どもたちの姿は、今もアルバムの中で輝いている。

昔懐かし、昭和の生活

 1960年代の「新・三種の神器」はクーラー、自動車そして、カラーテレビ。鮮やかな映像を楽しんだそのときめきを覚えている人も多いのでは。川邊家にカラーテレビが来た時も「近所の人が集まってみんなで見たよ。普及してからは、囲炉裏を囲んで家族で楽しんだね」と団らんの象徴的存在だった。

 台所や風呂場の写真には、昭和の生活風景が写っている。今はスイッチ一つで使える火も「昔は薪割りだから大変。煙もすごくいから、大きな換気扇や煙突で工夫してたんだよ」。何気ない普段の食事や入浴も、記憶とともに思い起こされる。

 川邊さんは「薪を割ってて、鎌の狙いがずれるとスコーンと地面を叩いちゃってね」と振り返る。自宅の三和土の少々凹んだ部分や外壁に沿って残っている煙突が、そんな日常生活の1コマを今に伝えている。

女性の不安・困りごとは 神奈川県の相談窓口へ

 神奈川県では、不安や困りごとに悩む女性を対象に、LINEや電話、メールで相談できる窓口を設置している。

 『かながわ女性の不安・困りごと相談室』では、「生活が苦しい」「どこにも居場所がない」など不安や生活上の課題を抱える県内女性を対象に相談を受け付けている。

 パートナーから「暴言を吐かれる」「生活費を渡してもらえない」「交友関係を監視される」など、様々な暴力に関する相談は『かながわDV相談LINE』へ。匿名でも相談可能。どんな小さな困りごとでも一人で悩まずに相談を。

村上さんの作品「Known Unknown」から

写真コンテスト「ZOOMS JAPAN 2025」グランプリは村上賀子さんの作品 2月27日からパシフィコ横浜「CP+」で展示

 パシフィコ横浜で2月27日から3月2日まで行われるカメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+」(一般社団法人カメラ映像機器工業会主催)が日本の写真家の国際的な活躍を応援するコンテスト「ZOOMS JAPAN 2025」のグランプリに村上賀子(いわうこ)さんの作品「Known Unknown」を選出した。

 村上さんは1986年宮城県仙台市生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了後、コンセプチュアル・フォトのパイオニアとして知られる写真家・山崎博氏に師事。記憶やアイデンティティーを社会的出来事や生活環境と関連付けて捉える写真プロジェクトを展開している。

 受賞作「Known Unknown」は、女性の日常空間を捉えたポートレート作品。被写体の顔を写していないのが特徴で、審査員のサイモン・エドワーズ氏は「感情は顔の表情で表現されることが多いが、本作では体の動きや仕草がその役割を果たしている」と評した。村上さんは「この受賞を励みに、今後も制作に邁進する」とコメントしている。

 準グランプリには竹腰隼人さんの「寂として」が選ばれた。受賞作品は「CP+ 2025」の会場で展示される。

横浜市内外国人「生活に満足」7割超 意識調査で明らかに

 横浜市が行った外国人意識調査の結果が2月20日に発表され、回答者の7割以上が生活に満足していると回答したことがわかった。

 調査は市内の外国人人口が12万人を超え、今後も増加が見込まれる中、外国人住民の生活意識やニーズを把握するために行った。18歳以上の市内在住外国人5千人を無作為抽出し、郵送とインターネットで調査。1512件の回答があった。

 結果によると、現在の生活について「満足している」(31・6%)、「やや満足している」(39・4%)と回答した人の合計は71・0%に達した。この数値は前回の2019年度調査の64・1%から約7ポイント上昇した。

 大地震などで自宅が使えなくなった際に避難する「地域防災拠点」について、「知っているし、場所もわかっている」と答えた人は38・5%にとどまり、前回調査(43・9%)から5・4ポイント低下した。「知らない」と回答した人は30・7%で前回調査(25・8%)から増えた。

 市は「今後、外国人の地域での活躍に向けた後押しや、災害時の外国人支援などの課題に取り組み、外国人材の受入・共生を一層推進していく」としている。

キャンペーンのイメージ

「東方神起」横浜キャンペーンの追加企画で特別セレクト楽曲 3月1日から元町やマリンタワーなどで

 横浜市は韓国の人気アーティスト「東方神起」の日本デビュー20周年を記念した「東方神起×横浜 ZONE キャンペーン」の追加企画を発表した。

 キャンペーンは3月5日(水)、6日(木)に横浜アリーナで行われる「東方神起 20th Anniversary LIVE TOUR〜ZONE〜」に合わせ、3月1日(土)から9日(日)まで行う。

 期間中、キャンペーンのために特別に選んだ楽曲「東方神起×横浜セットリスト」が横浜元町ショッピングストリート(4日から)や横浜マリンタワー、横浜港大さん橋国際客船ターミナル、横浜赤レンガ倉庫、よこはまコスモワールド(6日は休園)の5か所で流れる。

 また、ファンクラブ公式キャラクター「TB」と一緒に撮影できるフォトスポットが横浜マリンタワー2階のアートギャラリースペースなど6カ所に設置され、各施設で異なるデザインの「TB」と記念撮影ができる。

 問い合わせは、市にぎわいスポーツ文化局にぎわい創出戦略課【電話】045・671・4851。

地下鉄関内駅に掲示されているポスター

アフリカの魅力に触れるデジタルスタンプラリー 横浜市内23カ所で

 市営地下鉄、みなとみらい線沿線などを巡るイベント「会いたい!アフリカデジタルスタンプラリー」が行われている。3月23日(日)まで。

 これは今年8月に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議「TICAD9」の機運醸成を図ろうと、横浜市が企画した取り組み。市民に遊び感覚でアフリカの知識を深めてもらおうという意図がある。

 市営地下鉄とみなとみらい線の17駅のほか、パシフィコ横浜やよこはま動物園ズーラシアなど、アフリカにゆかりのある6施設に掲示されているチラシやポスターにある二次元コードを読み取り参加。アフリカにちなんだクイズに正解するとスタンプがもらえる。集めたスタンプの数に応じて特典に応募でき、抽選で賞品が当たる。

 イベントに関する問い合わせは市国際局グローバルネットワーク推進課アフリカ開発会議担当【電話】045・671・4888へ。

最新機器に触れることができる(昨年の様子)

カメラと映像の祭典「CP+2025」パシフィコ横浜で2月27日から 過去最多の出展者、新製品展示など

 カメラと写真映像の展示会「CP+(シーピープラス)2025」が2月27日(木)から3月2日(日)までの4日間、パシフィコ横浜で開催される。一般社団法人カメラ映像機器工業会の主催。

 同時開催のオンラインイベントとのハイブリッド形式で、過去最多の125の企業・団体が出展し、会場スペースも例年より拡大する。

 「Visualize Your Story あなたの物語をイメージにのせて」をテーマに、各メーカーの新製品が展示される。そのほかに、人気写真家らが参加するトークステージ、写真・動画撮影ワークショップなども開催される。プラレールの巨大ジオラマや「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」のフォトスポットなど、ファミリーで楽しめるイベントも用意されている。

 午前10時から午後6時(初日は正午から、最終日は午後5時まで)。入場無料(要事前登録)。登録は公式サイト(https://www.cpplus.jp/)から。

横浜市委託事業 管理体制などの問題指摘 包括外部監査人が報告書提出

 横浜市が行った事業をチェックする包括外部監査人による2024年度の監査報告書が2月19日、山中竹春市長に提出された。

 今年度は「委託に関する財務事務の執行」をテーマに、11部局・2区の138の委託事業を監査。その結果、24事業に何らかの措置が必要な「指摘」、118件に改善を要望する「意見」が付いた。

請求書受理日が不明

 報告書によると、経済局が行った大学研究室の起業を支援するイベントや相談支援事業では、委託先の企業が発行した請求書の日付から44日後に支払いがあった。規定では請求を受けた時から30日以内に支払うことになっている。監査時に請求書受理日が不明で、30日以内に支払われたか確認できなかった。そのため、受理簿を設けることや、請求書に受理日付を押印するなどの対策が必要と指摘した。さらに、報告書の完成直前に同局が請求書受理日が分かる資料があったと連絡したことに対しても、「業務に対する管理体制に問題があると考えられる」と指摘した。