開設20年を超えてもなお、多世代が集う「永明寺別院サロン」の代表を務める 石田 五十六(いそむ)さん 泉区岡津町在住 84歳
「必要なこと、頼まれたから」
○…岡津町にある「永明寺別院サロン」。地域の多世代交流拠点の役割を担ってきたサロンの代表者として、子育て中の母親や障害者、高齢者を長年にわたり迎え入れてきた。「コロナ禍で人の流れが途絶えてから、以前の状態にまだ戻っていません。でも、こうした場所はあった方が望ましい」と平静だ。
○…地域活動を始めたのは、定年の声を聞く前の頃から。現在も居住する、235世帯ある大型マンションの民生委員を担当することに。住民個々のライフスタイルを尊重しようと、適度な距離を保ちながら見守りを続けてきた。「引っ越して来た頃まだ若かった私も80代。高齢社会を実感しています」と感慨深げ。中川地区社会福祉協議会でも会長を務めるなど周囲の期待に応えてきた。「必要なことを頼まれ、お手伝いができるからしてきただけ」
○…新潟県生まれ。石油会社に就職後、60年ほど前に転勤で上京。結婚後、一男を設けた。仕事は規則的で、時間に追われることは少なかったという。趣味の一つはレコードでジャズを聴くことと、山歩き。人とのコミュニケーションを積極的に取る一方、独りの時間も大切にしてきた。「長野県に山小屋を持っているんです。そのうちゆっくり過ごそうと思っているうち、ボランティアが忙しく機を逸してしまった」とほほ笑む。
○…「永明寺別院サロン」では、岡津小の児童に地域の歴史や昔遊びを伝えている。先日、教育実習で訪れた大学生は、小学生のとき、サロンに通っていたという。「『私のこと覚えていますか』と声をかけられて。うれしかった」。一方サロンは曲がり角に。「私は年齢的にバトンタッチする時期だが、これからも一住民としてサポートしていく」と上を向いた。
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