中原区版【3月7日(金)号】
新しい名称「かわさきホリスタ」のロゴ

川崎市立学校 平日休み可「親子体験を」 新年度スタート「ホリスタ」

 親子で一緒に体験学習する、いわゆる「ラーケーション」を目的に、川崎市が市立学校に2018年度から試行実施してきた「かわさき家庭と地域の日」について、4月から新たな制度としてスタートさせる。年度中のラーケーションの取得回数を1日から2日に増やし、名称を「かわさきホリスタ」へと変更。市教育委員会は現在、保護者への周知に向けた準備を進めている。

任意で1日

 ホリスタは、ホリデー(休日)とスタディ(学習)の略。新制度では、市がこれまで「かわさき家庭と地域の日」として設けていた10月のスポーツの日を含む3連休後の火曜日を、ラーケーションの固定利用日に位置づける。これに伴い、学校では「学校閉庁日」に指定される。加えて、保護者の休暇に合わせ、年度初めや運動会・体育祭、卒業式の練習期間などを除き、柔軟に休みを取得できる任意利用日を1日設ける。事前に届ければ、欠席扱いとはならず、「出席停止・忌引」として扱われる。届け出はアプリを通じて行うとしている。ラーケーションの機会を提供するため、市は市内企業に工場見学などの協力を呼び掛けたところ、24年12月末時点で17企業が参画。市のウェブサイトなどに掲載し、体験参加を促していくとしている。

8割が好意的

 市が23年に実施した保護者対象のアンケートによると、18年度から試行実施してきた「かわさき家庭と地域の日」を設けたことについて、「よい」「どちらかといえばよい」と好意的に答えた割合が約80%に上ったという。実施時期については約70%が「そのままでよい」と回答。一方で、設定日に「仕事を休めない」との意見があったほか、「家で留守番をしていた」子どもの割合が約15%いたことも判明した。

 これを受け、市議会では保護者が柔軟に休暇取得できるようにすることや、児童生徒の体験的な学習機会に向けた考えについての質問も行われ、1月24日の文教委員会で新制度の方向性が示された。

武蔵小杉駅周辺タワマン 在宅避難 認知度は7割 区が調査 防災対策へ活用

 中原区役所は2月18日、武蔵小杉駅周辺の高層マンション住民を対象に実施した防災対策に関するアンケート調査の結果を公表した。調査結果から、在宅避難に対する認知度は7割、自宅のある階までの上り下り経験がある人が5割未満だったことなどがわかった。区は、この結果を今後のマンション防災対策等の資料として活用していくとしている。

 今回の調査は、同駅周辺の高さ100m以上の高層マンション12棟のうち、満18歳以上の世帯主1500人を対象に実施。763件の有効回答を得た。

 調査結果では、「在宅避難」を推奨していることを「知っていた」と回答した人は全体の70・0%だった。年齢層別では「60〜69歳」が83・6%と最も多く、年齢層が下がるにつれ「知っていた」の割合が減少する傾向が見られた。

 自宅がある階までの階段の上り下り経験については、「両方ある」が48・1%で最も多く、次いで「ない」が35・6%だった。居住階数別では、1〜15階に居住する人は67・1%が「両方ある」と回答。一方、16〜30階に居住する人は42・4%、31階以上に居住する人は36・6%と、居住階数が高いほど上り下りの経験がある人が減少する傾向となった。

 食料の備蓄状況については、「3日」が最も多く36・6%、7日以上備蓄がある人は13・2%、3日〜7日以上は合わせて71・2%だった。

 家具等の固定については、「一部のみ固定している」が最も多い47・8%、「全部または大部分を固定している」が12・7%、「ほとんど作り付けで固定の必要がない」が3・8%。その一方で、「固定していない」は35・4%だった。

 地震発生から1時間後の行動については、「おそらく自宅の中に留まる」が最も多く61・1%、「必ず自宅の中に留まる」が28・0%で、合わせて89・1%が自宅に留まると回答。居住階数別にみると、1〜15階に居住する人は23・2%が「必ず自宅の中に留まる」と回答した一方、16〜30階に居住する人は25・5%、31階以上に居住する人は35・4%と、居住階数が高いほど自宅に留まる人が多くなる傾向が見られた。

 同駅周辺は、タワーマンションが立ち並び、大規模な地震発生時の被害想定では、エレベーター停止による避難困難者や帰宅困難者の発生、ライフラインの途絶などが懸念されている。区危機管理担当の担当者は「今回の調査結果を踏まえ、高層マンションの住民に対する防災対策の啓発活動と、今後のマンション防災対策に活用していきたい」と話している。

武蔵小杉で「人と人をつなぐ」ために映画の上映会を主催する 神谷 明子さん 今井西町在住 50歳

映画で仲間を増やしたい

 ○…「平和な日本にいると見えないもの。ニュースでは報じない真実の世界に触れるきっかけになれば」。昨年11月から武蔵小杉を拠点に、ドキュメント映画などを上映する会を主催する。2年半ほど前、ある社会起業家の取り組みを知り、社会課題やSDGsがテーマの映画上映会のことを知った。「いつか自分が暮らす街でも上映会を開きたい」。昨年8月に50歳の誕生日を迎え、「やるなら今しかない」と思い立った。

 ○…世界各地でやまない紛争、人権問題、環境破壊、貧困などをテーマにした作品を中心に毎月1回上映。参加者同士で同じ時間を共有し、世界の本当の姿を見て一緒に考える。「絶望や悲観するものばかりでなく、ふとした日常の笑いや希望を与えてくれる作品も多い。若い人たちにも見てほしい」と呼び掛ける。

 ○…千葉県習志野市に生まれ、中学時代はソフトボール部で汗を流した。短大を卒業し、今もIT系企業に勤める。結婚して家を購入したことがきっかけで中原区に移住し、20年以上が経つ。一緒にプロ野球観戦へ出掛けていた一人息子はこの春から高校生になり、子育てにも一区切りついた。地域活動にも積極的で、ホームページ作成などのスキルを生かしたボランティア活動「プロボノ」や、街の活性化に向けて協力し合う中原区SDCにも参加している。

 ○…「映画には人と人をつなげる力がある」。人口が増え続ける武蔵小杉駅周辺エリアで、新旧の住民たちが出会える場所になることが目標の一つだ。「映画は人生を幸せに生きるためのヒントにもなる。区内には学生が多いので、運営に携わりたい人も大歓迎しますよ」。大好きな映画で仲間を増やすためにも、大切に続けていきたいと思っている。

地域活動の冊子配布

 中原区は地域のサークル活動情報をまとめた冊子「kikkake(きっかけ)」改訂版=写真=を3月14日(金)から区役所などで無料配布する。団体や活動できる場所、支援制度等を紹介。区ウェブサイトでも閲覧可。(問)地域振興課【電話】044・744・3324

児童からの質問に答える上々軍団の2人(上)、じゃんけんの勝者にプレゼントされたTシャツ

新城小 お笑いコンビが出前授業 母校でライブ披露

 新城小学校(伊東芳男校長)に2月25日、同校の卒業生でお笑いコンビとして活躍する「上々軍団」の2人が訪問。コミュニケーションや言語学習の学びの一環として、低学年と高学年に合わせた内容のお笑いライブを行った。

 ライブ後には6年生(117人)を対象に、総合学習の時間を使ってキャリア教育授業を実施。メンバーのさわやか五郎さんは卒業を迎える児童に向けて「小学校も楽しいが、中学校は部活もあるからもっと楽しい」と経験を語った。鈴木啓太さんは「中学には多くの生徒が集まるから、友だちもたくさんできる。困ったときは、新城小の仲間たちが互いに助け合って頑張ってほしい」とエールを送った。

持ち歌も披露

 児童からの質問コーナーでは芸人になったきっかけや、仕事の大変さを聞かれ、一人ひとりと向き合いながら答えた2人。うれしかったことを聞かれると、「仕事で全国各地に行けることと、こうして母校に呼ばれて帰って来られたこと」と声をそろえた。最後は持ち歌の『悪友』を披露し、じゃんけん大会で勝ち残った児童にTシャツがプレゼントされた。

 女児の一人は「お笑いライブが最高に面白かった。仕事などのいろいろな話や生で歌を聞くことができてよかった」と感想を述べた。

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多摩区観光ガイドブック「はなもす」の2025年度版が発行され、3月1日から多摩区内の公共施設などで配布されている。発行は多摩区観光協会(末吉一夫会長)。はな... (続きを読む)
沿道を飾るのぼり旗とゼッケンを手にする小林さん(左)と実行委員会メンバー

湯河原〜元住吉 「沿道から声援を」 「100Kmウォーク」開催迫る

 湯河原町から元住吉までの100Kmの道程を歩く「神奈川100Kmウォーク湯渡し100」が3月15日(土)から16日(日)にかけて行われる。モトスミ・ブレーメン通り商店街を中心とする実行委員会が主催。

 15日午後1時に湯河原の万葉公園をスタートし、小田原、平塚、藤沢、戸塚、六角橋(横浜市神奈川区)を通って、ゴールの元住吉の住吉神社までの100Kmを一晩かけて歩く同イベント。ウォーキングの魅力と人同士の交流、各地域のグルメを楽しんでもらうことが目的。昨年プレ企画として実施し、今年記念すべき1回目を迎える。

 スタート地点の湯河原駅前通り名店街をはじめ、県内5カ所にエイドステーションを設け、それぞれ商工会議所や商店街が協力。食事などで参加者を盛り立てる。実行委員長の小林規一郎さんは「地域の人たちが主導、協力して県内を横断する地域イベントは初めての試み。いろいろな人が関係して、一つの道を切り開くことができた。思い出に残るイベントにしたい」と初開催への意気込みを語る。

 参加受付はすでに終了しており、全国から500人が参加する。「当日、ゼッケンをつけたウォーカーを見掛けたら温かい声援を。沿道で応援する人たちも一緒につながって、大きな輪になって成功させたい」と呼び掛けている。

ごえんカフェ(上)、つながたりカフェで話を聞く参加者

地域活動との出合い演出 市民活動センターが活況

 市内で活動する市民団体や社会貢献に取り組む企業、個人が集まり、交流を深める「ごえんカフェ」が2月22日、かわさき市民活動センター(新丸子東)で開かれた。当日は、地域活動を始めたい人とすでに地域活動をしている人が語って、つながる「つながたりカフェ」も行われた。

 ごえんカフェでは、区内で活動を広げ、多様な参加者が集まる「こすぎの大学」を主宰する岡本克彦さんがゲストに登場。参加者37人に向けて、自分たちの活動を地域に広げていくこつなどを伝えた。今回初めて参加したという高津区在住の高校3年生・川口まゆかさん(18)は「SNSがきっかけで岡本さんのことを知り、話を聞きに来た。地域の人とつながることで、自分たちが暮らす街により一層の愛着を持ち続けることができると思う」と話した。

 初の合同開催として行われた、つながたりカフェでは中原区市民提案型事業の報告会や中原区SDCの説明会を実施。同市民活動センターの小倉敬子さんが地域活動立ち上げや活動について話をし、後半は飲み物片手に参加者同士で自由に交流を楽しんだ。

映画を見て真実を知る 3月28日 上映会

 武蔵小杉を拠点にドキュメンタリー作品等を上映する「KOSUGI―de―Cinema」が3月28日(金)、武蔵小杉イベントスペースKOSUGI1で開催される。午後5時30分から8時。

 今回の作品は『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』。平和や人権よりも、金や権力が優先される国際武器取引の実態を描く。主催者の神谷明子さん=人物風土記で紹介=は「こうした作品を通して、世界の真実を知る機会になれば」と呼び掛ける。入場料1000円(一般)は、ライセンス料や会場費に充てられる。詳細は「コスギデシネマ」で検索を。

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にぎわう体験コーナー

「SDGs」児童ら体感 遊びながら学ぶブースも

 中原区と区内の学校やスポーツチーム、企業が連携した「なかはらSDGsまつり」が3月1日、グランツリー武蔵小杉で開催された。

 端材アクリルで作るNECレッドロケッツ川崎のキーホルダーや、従来は廃棄していた床ワックス廃液からリサイクル芳香剤を作る和光産業(株)の実験に参加した児童が夢中になって取り組んだ。

 出展ブースでは、平間小学校は3年生が作った平間SDGsかるたを紹介。5年生はペットボトルキャップを材料にしてアクセサリー制作などを行った。新城小学校は「安心・安全・防災プロジェクト」と題し、防災意識を高めるために4年生が学んだことを発表。川崎工科高校の生徒らは「まだまだ使える、捨てられるものでものづくり」をテーマに、銅線でつくる知恵の輪や弁当箱のふたでつくるグッズなどを用意した。

 体験しながら各所を巡り、スタンプを集めるスタンプラリーにも多くの親子が参加。小3の娘と訪れた区内在住の40代の父親は「子どもと一緒に遊びながら学び、環境などについて考える良い機会になった」と話した。
展示された受賞作品の一部

世界子ども絵手紙展 国内外から800点 入賞作品を表彰

 「世界子ども絵手紙展」の入賞作品の表彰式が3月1日、川崎市国際交流センター(木月祗園町)で行われた。主催は川崎北ロータリークラブ。

 子どもの描く力や表現する力、国の文化や言語の壁を超えた世界観などを育み、平和にもつなげようと企画され、未就学児、小学生(低学年・高学年)、中学生、高校生以上の一般部門に800点を超える応募があった。波木井輝昭会長は「言葉がわからなくても作品から何を伝えたいか読み取れる力作が多い。心を込めて描いてくれた方々に感謝を伝えたい」と話した。すべての応募作品は同クラブのウェブサイトで見ることができる。

 主な受賞者は次の通り(敬称略)。▽神奈川県知事賞...にったはるや、杁江真実、関桜咲、ZaniyahCamilleT.Pimentel、パウリーネボーセ▽川崎市長賞...おがたゆきほ、五十嵐一翔、岩永洋敬、高村芽生、椿恵美子▽日本郵便(株)南関東支社賞...たかやまみう、江島祐輝、堀池祐花、MalcomKianIlagat、上原雅子▽川崎北ロータリークラブ会長賞...RitsuTanemura、小館奏太、堀井玲那、君希瞳、笹嶋陽子、ほか。

グランプリに選ばれた佐方さんの作品

市茶華道協会 100周年ロゴを決定 川崎高・佐方さんの作品に

 川崎市茶華道協会(徳安興理事長)はこのほど、創立100周年記念のロゴマークを決定した。市内の中学、高校生を対象に公募。グランプリの川崎市長賞に市立川崎高校2年の佐方華さんの作品が選ばれた。

 同協会では、昨夏に市内の中学、高校の美術部を中心にロゴマークを公募し、39点が集まった。集まった作品は、秋に高津市民館で一般投票を行い、同協会会員らによる選考委員会を経て、入賞作品5点が決定した。

 2月24日に川崎市総合自治会館で行われた表彰式では、入賞者に表彰状、川崎市名誉市民の藤嶋昭東京大学特別栄誉教授の色紙が贈られた。日本舞踊家の藤嶋とみ子さんが「若者への期待」と題して記念講演を行い、「夢を持ってチャレンジしてほしい」とエールを送った。佐方さんは「ゼロの中に花や道具などいろいろ考え、遠くから見てもわかりやすいデザインができた。選ばれてうれしい」と喜んだ。徳安理事長は「素晴らしい作品ばかりで甲乙つけがたかった。グランプリの佐方さんの作品は名刺などいろいろなところで使わせてもらいたい」と話した。

 ほかの入賞者は次の通り(敬称略)。▽川崎市議会議長賞(準グランプリ)/長浜幸(高津中)▽川崎市教育委員会賞/浜田紗(桜本中)▽川崎市茶華道協会理事長賞/中内響(桜本中)/小林那緒(橘中)

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贈呈式であいさつする古宮会長

川崎リバティLC 活動に対し感謝状 オレンジリボンに協力

 川崎リバティライオンズクラブ(古宮雅之会長)は2月25日、川崎市社会福祉協議会からオレンジリボン運動の啓発活動への協力に対して感謝状を贈呈された。

 子どもへの虐待防止を訴えるオレンジリボン運動への参加は、同クラブが力を入れている奉仕活動の一つ。昨年10月にも児童虐待防止推進月間に合わせ、メンバーらが横断幕とのぼりを掲げて武蔵小杉駅前で啓発グッズを配布しながら通行人に呼び掛けた。

 感謝状を受け取った古宮会長は「未来のある子どもたちのため、クラブにとって大切にしている活動が感謝されてうれしい。これからもメンバーらと力を合わせて続けていきたい」と話した。

平和を願う原爆展 3月12日まで 市民館

 「第15回中原・平和をねがう原爆展」が3月7日(金)から12日(水)まで、中原市民館ギャラリーで開催される。午前10時から午後5時(最終日は4時まで)。入場無料。

 同実行委員会主催。戦後80年を迎え、戦争の記憶が薄れゆく中、改めて戦争の実相を知り、平和を考える。「原爆と人間」のパネル、高校生が被爆者の記憶を描いた油絵などを展示。9日(日)午前10時から、被爆体験者の話を聞くこともできる。

 (問)同実行委員会・清水さん【電話】090・1844・8233

市立川崎のオーストラリア留学の様子

市立高校「検証報告書」 専門学科や定時制に課題 市教委、「魅力化推進へ」

 川崎市教委はこのほど市立高校に関する「検証報告書」をまとめた。2026年度から私立高校の授業料無償化が確実となり、生徒争奪戦が予想される中、市教委は今後、「公立離れ対策」の議論を本格化させる。

 川崎市立高校が目指す方向性として、市教委は2003年に「川崎市立高等学校教育振興計画」を策定し、開かれた高校づくりなどに取り組んできた。さらに20年には「振興計画」を推進する約10年間の「第2次計画」を策定。24年度は「第2次計画」の中間にあたることから実施状況を検証のうえ、今年2月に「第2次計画検証報告書」をまとめた。

 報告書ではまず、14年に中高一貫校として開校した市立川崎高校・附属中学校について、計画で目指す「6年間を通した体系的な学び」が未達成と評価。今後は教育課程の見直しや柔軟な教員配置などを検討する。また「福祉科」や「総合電機科」など専門学科の定員割れが常態化しており、動画による情報発信など広く魅力を伝える取り組みを強化する。

定時制の需要が変化

 最も状況が厳しいのが定時制だ。従来の「勤労学生の夜間学校」としての需要がほぼなくなり、通信制人気にも押され、定員の1割や2割という学校もある。個別の支援が必要な生徒も多く、23年度には全生徒の約3割(延べ人数)に、学習面や福祉面での支援が必要なことが分かった。市教委の担当者は「一人一人の状況に応じた、きめ細やかなフォローが必要とされている」と語る。今後は時代の変化にあわせた学級編成や、個々のニーズに応じた学びの充実に取り組む方針を報告書に明記した。

 検討すべき「3つの方向性」として、【1】選ばれる高校づくり【2】生徒が学びを選べる高校づくり【3】適正配置や(学校や学級の)規模の検討、を掲げた。今後は報告書をもとに「新たな市立高等学校等改革構想」(仮称)を策定する。

 政府は高校生のいる世帯への就学支援金を巡り、今年4月から現行の支給額について所得制限を撤廃し、2026年度からは私立高校向けの加算支援金についても所得制限を撤廃する方針を固めた。公私とも授業料が無料化される見通しで、全国的な「公立離れ」が危惧される。

 市教委の担当者は「高校無償化の影響は現時点では分からないが、現状の課題解決に取り組み、市立高校の魅力化を進めていく」としている。

川崎市営バス

市バスの運転手不足 「未経験者枠」新設 ジョブ・リターン制度も

 市バスの運転手不足の解消を目指し、川崎市交通局は2025年度採用選考から、大型自動車二種免許の保有者でバス乗務経験がない人を対象とした「未経験者枠」と、育児や介護などで退職した人を再雇用する「ジョブ・リターン制度」を新設した。

 これまでの市バス運転手の採用選考では、経験者と未経験者を同じ枠で募集して試験を実施していたが、圧倒的に経験者の合格率が高かった。しかし市バス運転手の人手不足が恒常化、深刻化していることから、大型自動車二種免許を持つ未経験者のみの採用枠を設けることで、幅広く人材を募りたい考えだ。

 また、市バス運転手として5年以上勤務した人で、出産や育児、介護などで退職した人が対象の採用選考「ジョブ・リターン制度」も創設。スキルのある人材がライフステージに合わせて働ける環境整備を目指したという。

 市バスの運転手不足の影響で、昨年6月には「鷲ヶ峰営業所」管内の4区を走る7路線18系統の計144便を減便した。そのため人材確保が急務となった24年度の採用選考では、受験可能な年齢を「49歳以下」から「59歳以下」へと拡大し、選考に必要な日程を短縮し、教養試験を廃止した。その結果、前年度(62人)の2倍以上の169人の応募があった。

 市交通局の担当者は「多くの方に『市バス運転手』を職業の選択肢に加えて頂きたい。若い世代にも選ばれるよう、魅力づくりに努めていく」と話している。

 問い合わせは市交通局の庶務課職員係(【電話】044・200・3215)。

川崎市メルカリShopsの画面。「SOLD」の文字も目立つ

川崎市 メルカリで不用品販売 両袖机など計約520点

 川崎市は市役所庁舎の移転に伴い不要になった事務机などのリサイクルを進めるため、フリマサイト「メルカリ」での販売を始めた。2月18日に「メルカリShops」を開設し、課長級以上の管理職が使った両袖机や、更衣室のロッカーなどを出品している。

 2023年秋の市役所の庁舎移転に伴い、市職員約2600人分の事務机やロッカー、ソファーセットや書類ファイルなど、大量の什器や事務用品が不用となった。このうち約2700点を新庁舎や旧庁舎(現・第3庁舎)、交通局などが入る御幸ビルなどで再利用したうえで、約1500点を市内の区役所や公立学校、消防署など出先機関で転用。ソファーなどの什器約200点を、市内の町内会や自治会に譲渡した。

 そして今回、より幅広く再利用を呼びかけようと、(株)メルカリ(東京都港区)の協力のもと、庁内物品販売サイト「川崎市メルカリShops」を開設し、事務机やロッカーなどの什器約70点、書類ファイルや電話機などの消耗品約450点を出品。金額は未使用の磁気ファイル1000円から両袖机の18000円までと幅広い。

 このうち5000円から1万円前後で出品したソファーセットが完売。その一方で両袖机の動きが鈍いという。市の担当者は「本来なら4〜5万円するものだが、価格的にはお手頃だと思う」とアピールする。

 事務机やロッカーなどの什器類は第4庁舎(川崎区宮本町)で保管しており、落札後は現地での引き取りとなる。

川崎市役所

埼玉の道路陥没事故受け 川崎市 下水道管を緊急点検

 埼玉県八潮市での道路陥没事故を受け、川崎市は2月20日までに下水道の汚水管や合流管の緊急点検を実施した。対象となる施設とマンホールを点検した結果、道路陥没につながる不具合は確認されなかったという。

 八潮市の陥没事故では、複数の自治体にまたがる「流域下水道」が硫化水素の影響で腐食・破損したことが原因とみられる。そのため国土交通省は同様の「流域下水道」に関して、管理する都道府県に対して緊急点検を求める事務連絡を1月末に通達。川崎市は対象外だが、独自の調査を実施した。

 国交省の通達に準じ、市内に設置されている口径2千ミリ以上の汚水管約7Kmと合流管約31Kmを点検。計483カ所のマンホールを開けたうえで、地上からの目視に加え、地上から見えない箇所は作業員が下へ降りて目視で点検した。その結果、管の劣化は数カ所で確認されたが、陥没につながる腐食などは確認されなかったという。

 一方、2月15日の午後6時20分ごろ、川崎区大島3丁目の県道で、マンホールのふたと乗用車が接触する事故が起き、乗用車を運転していた男性と助手席に乗っていた女性が首に軽いけがをした。市の担当課によると、このマンホールは事故前日に点検を実施したが、点検時に異常はなかったという。

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ポールウォーキングを行う参加者

GO!GO!!フロンターレ

楽しくフレイル予防!

 フロンタウンさぎぬまは、日々の健康を気遣う人向けに、運動教室を開催中。

 教室の前半では、屋外で専用ポールを使った正しい姿勢でのウォーキングや、軽い筋力トレーニングを行い、全身運動で運動効果を高める。転倒予防や足腰への負担軽減が見込まれる。

 後半は室内でマットに横になりながらストレッチ。ゆっくりと体をほぐして、心までリフレッシュする。

 いつまでも元気な脚腰で自立した生活を続けたい、健康寿命を延ばしていきたいという人におすすめだ。

 3月の日程は、7日(金)、11日(火)、14日(金)、18日(火)、21日(金)、25日(火)、28日(金)。火曜日は午後1時〜2時と2時30分〜3時30分の各2回で、名称は「ロコ体操教室」。金曜日は午後1時〜2時10分の1回で、名称は「ポールウォーキング&ストレッチ教室」(宮前区との連携事業)。

 両教室とも完全予約制。定員に達し次第受け付け終了。申込みはフロンタウンさぎぬま【電話】044・854・0210、または同所カウンター。

画像はいずれも川崎フロンターレ