多摩区・麻生区版【5月2日(金)号】
登頂した陵太郎さん(左)と父・建一郎さん

高津区在住前田陵太郎さん キリマンジャロ登頂 アフリカ最高峰に10歳で

日本人最年少記録を達成

 高津区在住の小学5年生、前田陵太郎さんが昨年12月、10歳でアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5895m)の登頂に成功した。これまでの11歳の日本人最年少記録を塗り替えた。

 1歳から登山を始めた陵太郎さんは、日本最高峰の富士山(3776m)に小学1年生で登頂。家族と一緒に日本各地の山々を巡り、登山愛好家が憧れる「日本百名山」のうち、70座を4年生までに制覇している。

 キリマンジャロへの挑戦は、父・建一郎さんが、同じ小学生が登頂した新聞記事を読んだことがきっかけ。「お父さんに誘われて、もし登れたら最年少記録になることを知って、挑戦する勇気が湧いた」と決意した。

 陵太郎さんは、12月25日に日本を出発し、キリマンジャロのあるタンザニアへ。27日に登山口から歩き始めた。途中で高度順応をしながら登ったが、歩き出して3日目に激しい頭痛に襲われた。翌日には回復したものの、連日の疲労や薄い酸素など、過酷な登山は続いた。

 そして、30日の午後11時30分、ついに山頂へのアタックを開始。真っ暗な中、ヘッドライトの明かりを頼りに黙々と歩き続け、翌31日の午前9時1分、とうとうアフリカ大陸の最高地点に到達した。

 厳しい山行を振り返り、陵太郎さんは「疲れて足も痛くて、景色をゆっくり見ることはできなかった」と話す。それでも、下山を始めると徐々に体力が回復し、登頂できた喜びが湧き上がってきたという。

頼れる父とともに

 共に登山をする父・建一郎さんは、大学時代に探検部に所属し、国内外で豊富な経験を持つ。陵太郎さんは、そんな頼りになる父のことが「大好き」だという。登山の魅力について「山頂に着いた時の達成感や、きれいな景色を見ること。そして、大好きな父と一緒に登れることが何より楽しい」と笑顔を見せる。

 陵太郎さんの目標は、小学生のうちに日本百名山の残り30座に登頂すること。そして「将来は、アジアやヨーロッパなど世界七大陸それぞれの最高峰を全て制覇するのが夢。19歳までに達成して、日本人最年少記録をまた作りたい」と力強く語った。

【9月1日追記】以下について訂正いたします

当記事は、山岳雑誌「岳人」のキリマンジャロ日本人最年少登頂の記事を基に取材し取り上げましたが、岳人は9月号で「事実と異なる記述があった」とし、訂正を発表しました。訂正文では「当時10歳の前田陵太郎さんが日本人最年少で登頂したと記載してたが、2019年に中澤正太さんが特別許可を得て当時6歳4カ月で登頂し、日本記録認定協会から登山証明書が発行されていることが判明した」としています。よって、当記事も同誌に従い訂正させていただきます。関係者並びに読者にご迷惑をおかけしお詫びいたします。

川崎市緑化センターの統括責任者を4月から務めている 古屋 栄さん 多摩区宿河原在勤 61歳

声を形に、挑戦続ける

 ○…市で唯一の都市緑化植物園を13人の職員と共に盛り上げる。重視するのは「市民と一緒に」取り組みを進めていくことだ。「引き続き園内の整備を進め、地域との関係性をさらに深めていきたい」と意気込む。情報発信も強化していく姿勢を見せる。「現状は多摩区からの来園者が多い。センターで育てた苗を他区のイベントで販売するなどして、認知度アップにつなげていければ」と戦略を描く。老若男女問わず、身近に植物とふれあえる場を目指して着実に歩んでいく。

 ○…多摩区宿河原出身。稲田小・中、生田高校と生粋のたまっ子。法政大進学後も向ヶ丘遊園駅近くの居酒屋でアルバイトに明け暮れ、多摩区で過ごした時間は長い。子どもの頃は植物よりカブトムシなどの昆虫採集に熱中。多摩川での釣りにもはまっていた。「振り返ると、自然を存分に遊び尽くした少年だった」と懐かしむ。

 ○…川崎市役所に入庁後は市内の緑化推進に尽力。清掃など公園の管理運営を地元の人たちと一緒に進めた。市民と対話を欠かさず向き合う姿勢は、自然と培われてきた。「市民100万本植樹運動」の立ち上げや、そのイメージキャラクター「モリオン」誕生にも関わった。

 ○…3月末に市役所を定年退職。(公財)川崎市公園緑地協会に再就職し、統括責任者として地元に戻ってきた。子どもの頃、親と一緒に遊びに来ていた場所でもある。「第2の人生、生まれ育った地元に貢献していきたい」と思いを新たにする。夢を聞けば「サーフィンをしてみたい」。年を重ねても、新しいことに挑戦する姿勢を貫く。「仕事でも、職員や市民のみなさんの『こんなことをしてみたい』を、どんどん実現していけたら」

静脈や動脈などを絵具や絞り染めで表現し、完成させた5m四方の大きな絵

寺尾みどり幼稚園 いのち題材に「大きな絵」 大阪・関西万博で展示

 寺尾みどり幼稚園(多摩区/小塚麻衣園長)の園児が、大阪・関西万博の会場内で8月に展示される「世界一大きな絵」の制作に、県代表として取り組んだ。

 これは、特定非営利活動法人アース・アイデンティティー・プロジェクツ(東京都)が主催するプロジェクト内での取り組み。世界中の子どもが5m四方の布に描いた絵を合わせて一枚の大きな作品を完成させることで、平和に対する意識を育てることを目的とし、五輪など世界規模のイベントに合わせて行われている。今回は「世界一大きな絵EXPO2025」として、「いのち」を題材に、大阪・関西万博で実施される。

 同園では、年間行事として、年長児を中心に3学年で協働して制作活動に取り組む造形展を行っている。23年度には「妖怪の世界」をテーマに、張りぼてや、段ボールパネルなどを作った。

 この取り組みを動画サイトなどで発信すると、同法人の目にとまり、パリ五輪のタイミングで行われた「世界一大きな絵2024PARIS」に参加することに。子どもたちは、造形展で作った立体物を生かして大きな絵を完成させた。その後、作品はパリ日本文化会館などで飾られた。

観察突き詰めて

 そうした経緯もあり、同園は今回の企画にも参加。造形展のテーマを「体の中の世界」としていたことから、同法人から届けられた1m×5mの布5枚それぞれに「血管」を表現した。

 布を組み合わせる際には、いのちにまつわる童謡『手のひらを太陽に』をモチーフに、中心を丸くくり抜き、太陽の要素もプラス。その周りに歌詞に出てくるミミズやカエルなどの生物を加え、作品を完成させた。

 小塚園長は「しっかり聞いて、じっくり見るという教えのもと、子どもたちは血管や生き物の観察を突き詰めてくれた。多様な視点を持つ機会になればうれしい」と力を込めた。

 6月には沖縄県に各都道府県から代表作品などが集まる。それらが合わさり「世界一大きな絵」が完成する予定。

『シン・ゴジラ』の作中に登場する丸子橋

かわさきロケアワード 1位は『シン・ゴジラ』 応募数1200通超える

 「映像のまち・かわさき」推進フォーラムはこのほど、川崎市内で撮影された映像作品に投票する「かわさきロケアワード」の結果を発表した。1位には、映画『シン・ゴジラ』(東宝/2016年)が選ばれた。

 例年、同フォーラムは、市内の映画館でその年に観た中で、一番印象に残っている作品を選ぶ「かわさきシネマアワード」を開催している。

 昨年の市制100周年を記念し、今回は市内で撮影された一番好きな映像作品に投票する「かわさきロケアワード」を実施。昨年12月から今年2月末まで投票を募り、昭和から現在までに市内でさまざまな作品のロケ地となっていることを周知することで、シビックプライドの向上を図った。

 応募総数は1269通。1位の『シン・ゴジラ』は、川崎区の川崎市役所旧本庁舎、第3庁舎や、中原区の武蔵小杉エリア周辺などで撮影が行われており、313票を集めた。投票者からは「自宅が無事か映画を見ながら探してしまった」「多摩川河川敷を舞台にしていて衝撃だった」といった声が寄せられた。

 2位以下は次の通り。

▼2位・MV『Gifted.―Orchestra ver.』(BE:FIRST)▼3位・ドラマ『男女7人秋物語』(TBS)▼4位・ドラマ『白い巨塔』(フジテレビ)▼5位・ドラマ『相棒』(テレビ朝日)▼6位・映画『小川町セレナーデ』(アイエス・フィールド)▼7位・映画『HERO』(東宝)▼8位・映画『DEATH NOTE』(ワーナー・ブラザース映画)▼9位(3作)・ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS)/アニメ『ガールズバンドクライ』(東映アニメーション)/ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)▼10位・ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)

 詳細は同フォーラムウェブサイトを参照。

(左から)吉田社長、佐藤理事長、斎藤さん、佐々木陸前高田市長 (C)川崎フロンターレ

市内在住大学生 子ども食堂へ「米」寄贈 CFで資金 復興支援も

 川崎市内在住の大学1年生・斎藤愛桜さん(18)がこのほど、クラウドファンディング(CF)を活用して、市内の子ども食堂に岩手県陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」200kgを寄贈した。今回の企画には、NPO法人かわさきこども食堂ネットワーク、川崎フロンターレが協力。斎藤さんは「子どもたちに安心して食事を楽しんでもらえる居場所を、これからも応援していきたい」と話した。

 斎藤さんがCFを開始したのは高校3年生だった昨年9月。将来、児童福祉に携わりたいと考えていた斎藤さんは、子ども食堂に関心を持ち、子どもたちへ食の支援を希望していたことから、こども食堂ネットワークに相談。その際、被災地の復興支援も視野に入れ、現地の米の寄贈を考えていた。相談を受けた同ネットワークの佐藤由加里理事長は、日頃支援してもらっているフロンターレに協力を仰いだ。フレンドシップ協定を結ぶ陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」と、購入先をフロンターレから紹介してもらい、今回の企画が実現した。

 CFは2カ月間実施。目標金額10万円に対し、17万円が集まった。斎藤さんは「母校の在校生が地域のボランティア活動で集めたお金を寄付してくれた。皆さんの温かい気持ちがプロジェクトを後押ししてくれて、感謝している」と振り返る。

 購入した「たかたのゆめ」200kgは、同ネットワークを通じて、中原区内で子ども食堂を運営している任意団体8カ所に寄贈された。

 企画が実現したことに対し、斎藤さんは「思いに賛同してくれた皆さんのおかげ。子ども食堂をこれからも応援していきたい。今回の企画を通じて、社会課題に対して自分にできることがあることを実感した。学びや行動を大切にし、少しずつ進んでいきたい」と抱負を語った。

協力者も称賛

 4月20日にUとどろきスタジアムで行われた記者会見には、佐藤理事長、陸前高田市の佐々木拓市長、フロンターレの吉田明宏社長も同席。佐々木市長は「素晴らしい企画に参加でき、感謝している」と話し、吉田社長は「自ら行動を起こし、広い視点を持った情熱に感銘を受けた。今後の活躍に期待したい」と斎藤さんへエールを送った。佐藤理事長は「こども食堂は運用資金の調達に苦慮している。斎藤さんの思い、行動に感謝している」と話した。

開講式に出席した今年度メンバーら=クラブ提供

少年少女発明クラブ 創作に励む一年始まる

 麻生区、多摩区、宮前区、高津区で活動する「川崎北部少年少女発明クラブ」は4月20日、昭和音楽大学北校舎で開講式を行った。

 同クラブは、ものづくり工作を通じて科学的創造性の育成や開発を目指し、(公社)発明協会のもとで地元経済・文化団体の支援を受けて運営される非営利団体。対象地域の小中学年が講座を通じて創作活動に励む。

 当日は小学3年から中学2年までの児童生徒18人と保護者が出席。同クラブ会長でHIREC(株)社長の上森規光さんはあいさつで、昨夏に開かれたペットボトルロケット大会にふれ、「どうして失敗してしまったのかと考えそこから学ぶことが大切」などと述べ、「今年一年楽しく頑張りましょう」と呼びかけた。

 式の合間にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)に37年間勤務した上森会長が「宇宙クイズ」を出題。会場を盛り上げた。式にはクラブの活動を支援する国市会議員や行政、地域の企業、大学関係者も参列し、子どもたちへエールを送った。

 午後はさっそく第1回の活動。子どもたちは放物線と放物面の工作を行い、LED光源部や放物鏡面を組み立てて光の進み方を学んだ。今後、年間を通じて多彩なプログラムに取り組んでいく。

昨年のオルガンラジオ体操の模様 ©Y.Masuda/MUZA

ミューザ川崎 こどもの日、無料開放 コンサートや舞台裏見学

 音楽ホール「ミューザ川崎シンフォニーホール」(JR川崎駅中央西口直結)では、5月5日(月・祝)に一日無料開放日「こどもの日 オープンハウス」を開催する。

 普段、コンサートに足を運ぶ機会の少ない人にもミューザに親しんでもらおうと実施している取り組みで今回が10回目。一般開放していないステージに上がって客席を眺めたり、楽屋や音響室などの舞台裏を見学したりすることができる。

 パイプオルガンミニコンサート&照明ショーや、恒例のオルガンラジオ体操を予定。燕尾服を着て指揮台で写真撮影をしたり、ペットボトルのキャップを使って即席でカスタネットを作ったりと、子ども向けのイベントが多数用意され、家族で楽しむことができる。

 午前10時から午後3時40分まで(イベントにより開始・終了時間の差異あり)。入場無料で0歳から参加できる。事前申込制の「音のワークショップ」は受付終了。

 担当者は「年に一度のこの機会に、素晴らしいホールがあることを知ってほしい」と参加を呼びかけている。各イベントの開催時間など、詳細はウェブサイト「ミューザ川崎」で検索。

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あいさつする小塚会長

地下鉄延伸 期成同盟会 事業促進へ働きかけ模索 7回総会 小塚会長は再任

 横浜市営地下鉄3号線延伸早期完成期成同盟会(小塚良雄会長)の第7回総会が4月23日、新百合21ホールで開かれた。

 同会は、2030年の開業を目指して横浜市交通局を主体にあざみ野駅から新百合ヶ丘駅までの延伸が計画されている横浜市営地下鉄3号線に関し、事業の早期着工・完成に向けて要望や提案を行っている組織。麻生区にある企業や団体、個人有志、約50者からなる。

 総会では冒頭、小塚会長が「新百合ヶ丘は文化レベルの高い面白いまちになってきている。形の上でもしっかりしたものができれば本当に良いまちになる」とし、改めて延伸の重要性を訴えた。

 続けて、役員改選で小塚会長の再任が決定。加えて前年度の決算や、今年度の事業計画案・予算案が承認された。横浜市が主体である中、川崎市側から事業の促進をどのように考えていくべきかを協議する場を増やしていくことも確認された。

 第2部では、一般社団法人海老名扇町エリアマネジメント代表理事の伊波武則氏が「海老名駅周辺のまちづくり」をテーマに講演を行った。

作品の前に立つ小椋さん(左)と上野さん

黒板アートを初公開 麻生区内の学習塾で

 麻生区の学習塾「麻生プレップ・スクール」(万福寺1の10の10)で5月31日(土)まで、「黒板アート」が展示されている。

 4枚の黒板にチョークで描いたのは、稲城市に住む小椋優美子さん(53)だ。絵が趣味である小椋さんが初めて黒板アートにふれたのは2022年頃。コロナ禍で、中学3年生だった息子が通う学校の行事は中止が相次いだ。「卒業アルバムに載せる写真がない」。教員らが困り果てる中、保護者有志約20人が集まり、試行錯誤を重ねながら黒板アートに挑戦したという。「少しでも思い出を作ってもらいたい、子どもたちに笑ってもらいたい」。そんな思いで冬休みの期間を使い作品を仕上げた。1月の始業式で披露され、アルバムにも載った。「保護者みんなで力を合わせた。息子や同級生、先生たちがすごく喜んで。反応が大きく、うれしかった」と当時を懐かしむ。

 「また黒板アートを描けたら」。2人の子どもを通わせていた学習塾の塾長・上野英夫さん(73)に23年の春に相談。上野さんは高齢だったこともあり、一対一の個別指導のみを細々と続けている状況だった。そこで、使用していなかった4枚の黒板をキャンバスとして提供することに。その後、1カ月に1枚程度のペースで制作してきた。通う子どものほか、同塾内で月に1回実施されている子ども食堂に訪れる親子らにも好評を博している。

 そんなアートをより多くの人に見てもらえるように一般にも初公開することになった。子どもに喜んでもらおうと、アニメの一場面を描いている。小椋さんは「椅子もあるので、ゆっくりと絵を楽しんでもらいたい。展示期間中に制作しているときも。気軽に声をかけてもらえたら」と笑顔を見せる。上野さんも「多くの人から評判を呼んでいる」と勧める。

 鑑賞できる時間は午前10時から午後5時まで。入場無料。問い合わせは上野さん【携帯電話】090・8300・2288。

標本の一部=科学館提供

大地の成り立ち感じて 11日 剥ぎ取り標本を公開

 多摩区のかわさき宙と緑の科学館2階学習室で5月11日(日)、「オシ沼切通し多摩ローム層模式露頭剥ぎ取り標本」が公開される。観覧無料。午前10時から午後4時まで。

 2023年度に第6回市地域文化財に決定した同標本は同館に保管され、普段は見学できない。5月10日の「地質の日」を記念して、限定公開されることとなった。

 同標本7点のうち昨年度は1点を公開。今回は全長約20mの連続した5点が見られる。

 「露頭」は地層が露出している崖などの場所、「剥ぎ取り標本」は露頭に接着剤を塗り、布やガラス繊維を貼り付けて表面を剝ぎ取った実物資料のことだ。

 生田緑地周辺は多摩ローム層(約13万〜29万年前)、おし沼砂礫層(約30万年前)など、関東ローム層ほか火山噴出物の重要な研究拠点として研究者や学生に知られている。標本は、かつて生田緑地近く(多摩区東生田3丁目)に存在した「オシ沼切通の露頭」の表面を、1991年の宅地造成時に13枚に分けて剝ぎ取り保管したもの。

 11日午前10時30分、午後1時30分、3時30分の3回、各回10分程度、学芸員が標本の説明を行う「ギャラリートーク」もある。また、午後1時と3時には、本物の火山灰などを使った「マイ地層を作ろう」と題したワークショップも。各回先着24人、小学生以下は保護者同伴。時間は15分から30分程度。参加無料。

 同館の担当者は「膨大な時間によって積み重ねられた歴史にふれていただきながら、ぜひ、大地の成り立ちという壮大なロマンを感じてほしい」と来館を呼びかける。問い合わせは同館【電話】044・922・4731。

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インタビューに応えるふじたさん

戦後80年 戦禍の記憶【2】 麻生区在住 ふじた あさやさん(91) 「手のひら返し」に憤り覚え 「自分事として見つめる体験を」

 たった一夜で、家が、人が、まちが、なくなった――。

 東京都生まれ。国民学校(小学)5年生だった1944年の初夏から、学童疎開が始まっていたが、体調を崩し伊豆から帰京を余儀なくされていた。東京では、度重なる空襲に怯え、睡眠不足が続く毎日。「皆、段々とまいっていくのが目に見えた」

 そんな日々の中、東京大空襲が起こった。1945年3月10日の真夜中。今までは数百m上空を飛んでいた爆撃機が、初めて数十mの超低空から爆弾を落とした。操縦士の顔が見えるほどの近さだった。「何丁目の角から何丁目の間に何発、と正確に落としていく。それはもう正確に」。射程距離が狭まったことで、米軍機は的確に被害を与えていった。

 「僕は上野不忍池の方に逃げた。無駄だから、池には焼夷弾を落とさないだろう」。不忍池の周りにあった防空壕に入り、時々顔を出して様子をうかがった。まちが焼けていくだけだった。その光景はまさに火の海。一夜にして9万5千人が亡くなった。「軍事的なものはない場所。人々がこれだけ死ねば音を上げるだろう、というものだったのでは」

 凄惨な光景を目の当たりにしてもなお、我が国が勝利を手にする日がやってくると思っていた。なぜか。日本は勝つと「教えられていた」からだ。

 それが、負けた。

 日本はポツダム宣言を受け入れ、戦争は終わった。

 敗戦後、学校では手のひらを返したように、教科書に記された文章を濃くすった墨で塗りつぶすよう指示された。戦意を鼓舞し、軍国主義を賛美する文言ばかりだった。「今消したところは教わらなかったことにしてほしい」。担任の言葉に、激しい憤りを覚えた。「だましやがって。覚えてろ!」。心の中で叫んだ。

 当時感じた教育への不信感は、演劇にまい進し、劇作家として活動をする今もなお、自身の表現の根となっている。「教育は信じるものではなく、考え始めるきっかけに過ぎない」。その思いで多くの児童向け作品を手がけてきた。「自分だったらどうしようと考え、自分事として見つめられる。そういう疑似体験をさせる演劇は、本当の意味で教育だ」

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

春の看護イベント 多摩病院で5月12日

 川崎市立多摩病院(多摩区宿河原)の正面玄関前で5月12日(月)、春の看護イベントが開かれる。午前9時30分から11時30分まで。荒天中止。

 身体測定(骨密度・血圧・体脂肪)など。10時から11時まで、筋力やバランスなどを評価して体操指導を行う筋力バランス測定も。入場・体験無料。(問)同病院【電話】044・933・8111(代)

目録を持つ鈴木会長(左)と井上校長

麻生RC 虹ヶ丘小へテント寄贈 地域の学校を応援

 奉仕団体の「川崎麻生ロータリークラブ」(RC、鈴木憲治会長)はこのほど、麻生区の虹ヶ丘小学校にテント1張りを寄贈した。

 1976年に創立、今年50周年を迎える同校。児童数は約130人と市内最少だ。地域で学童が減少していることを受けて同RCでは、学校を応援しようと社会奉仕委員長の志村幸男さんを中心に計画を進め、12畳大のテントを贈った。志村委員長は「テントは日陰を作ってくれる。いろいろな行事に活用していただければ」と思いを語る。

 ホテルモリノ新百合丘で4月18日に開かれた例会で鈴木会長から井上恵子校長へ目録が手渡された。井上校長は「小さな学校だが地域の方々と共に頑張っている。テントは5月の運動会で使わせていただく」と述べた。

 同RCは一昨年の柿生小150周年の際にも法被などを寄贈している。

中田悠真さん(右)と豊さん

川崎市子ども夢パーク 「あそぼうデイズ」今年も 初の解体イベント好評

 川崎市の「子どもの権利に関する条例」に基づく社会教育施設「川崎市子ども夢パーク」(高津区)で4月19日、施設内に蓄積した壊れた家具などを解体して再利用につなげる「かいたいまつり」が開かれ、市内外から約50人が参加した。

 川崎市子ども夢パーク(以下「夢パーク」)では、市民有志が多様な形で施設運営にかかわる利用者懇談会「つくりつづける会」がある。この会の中で、「夢パーク」内に散在している壊れかけの机や椅子などに関し、「解体して再利用につなげる企画をやろう」との提案があり、「かいたいまつり」と名付けてイベントを企画。19日には市内外から親子連れが集まり、主に木製の壊れた椅子や机、看板など約20点を、ドライバーやのこぎりなどの工具を使って解体した。

 東京都国立市から父と参加した小学校1年生の中田悠真さん(6)は、電動ドライバーを使って釘を上手に抜き取り、木製の机を手際よく解体した。日ごろからDIYを楽しんでいるといい、父の豊さん(32)は「今日も張り切って来ました」。

 この日は市の環境局が保有する学習用の「スケルトンごみ収集車」や、市のリサイクルキャラクター「かわるん」も参戦。ごみ分別の大切さなどをアピールした。

 「夢パーク」所長の友兼大輔さんは「初めてのイベントだったが、たくさんの人に集まってもらえた。作ったものを自分が片付けるという意識づけになればうれしい」と話していた。

 大型連休中は、「夢パーク」恒例の「とことん遊ぼうデイズ」を開催する。5月3日には文字通り、大きなこいのぼりを作って遊ぶ「巨大こいのぼりづくり」▽4日は段ボールなど様々な素材を使って自由にものづくりを楽しむ「ものづくりして遊ぼう」▽5日はパン生地を棒に巻いて焚火で焼く「遊ぼうパンづくり」がある。3日と4日は午前10時半〜、5日は午後2時〜で、パン生地の準備は約100人分の予定。

 問い合わせは「夢パーク」(【電話】044・811・2001)。

校庭で遊ぶ小学校児童

放課後等の子どもの居場所 川崎市 支援の「方向性」策定

 川崎市は「放課後等の子どもの居場所に関する今後の方向性」を策定し、4月17日に公表した。今年1月に案をまとめて1月末から2月末まで、行政手続法に基づくパブリックコメント(意見募集)を実施し、改めて「方向性」として内容を策定した。

 こども家庭庁が2023年12月に「こどもの居場所づくりに関する指針」を閣議決定したことを受け、全国の各自治体が「子どもの居場所」に関する取り組みを本格化させている。川崎市では、子どもを孤立・孤独から守り、健やかに育てるための「Well-being(ウェルビーイング)で成長するための居場所づくり」を全市的に進めることを目指し、「今後の方向性」の策定を進めていた。

 市はまず基本的な考え方として、「子どもの声・主体性・価値観を大切にする居場所づくり」「発達段階に応じた目的・空間を有する居場所づくり」、そして不登校の状態にある子どもたちに対する「子どもの状況に応じた支援の実施」の3点を掲げた。そのうえで、居場所のありようを考えるうえで、「学童期(主に6歳〜12歳)」と「思春期(主に13歳〜18歳)」に分けて方向性案をまとめた。

 寄せられた意見は55通76件で、学童期の居場所づくりに関する意見は43件、思春期の居場所づくりに関する意見は11件だった。方向性の策定にあたり「意見を踏まえて反映したもの」はなかったが、「今後の参考とするもの」は15件あり、このうち「思春期の居場所づくりに関すること」が10件で最多だった。

中学生の居場所は

 学童期の居場所づくりに関する意見では、「学童クラブ」への補助金支出を求める声が多数寄せられた。「こども文化センターの老朽化」を指摘する声や、小学校の全学年が対象である「わくわくプラザ事業」と、低学年が対象から外れがちな「みんなの校庭プロジェクト」などの放課後児童健全育成事業を「分けて運営するべき」との指摘もあった。

 思春期の居場所づくりに関する意見としては、「中学生が急に地域とつながるのは難しい。小学生から(地域と)かかわることが理想」「中学生は部活に入らないと居場所を見つけにくく、居場所が不足している」といった「中学生」に関する意見が目立つ。「貧困や家庭環境の問題を抱える子どもの『生き場所』が必要」と、複雑な生育環境にある子どもを気遣う声もあった。

 今回の「方向性」は、今年度から策定が進む「総合計画第4期実施計画」や「第3期川崎市子ども・若者の未来応援プラン」の中で、考え方の基本となる。市の担当者は「地域ごとに子どもたちの状況は異なるので、具体的にどのような居場所を設けるかは、様々な形をとることになる。地域と連携しつつ、市としても部局間で工夫して進めていきたい」とした。

リーグ後半戦のホームゲームが対象のハーフシーズンチケット

GO!GO!!フロンターレ

ハーフシーズンチケット販売中

 サッカーJ1・川崎フロンターレが、2025ハーフシーズンチケット(抽選)を販売中。

 リーグ戦約3分の1を終了して、1位との勝ち点はわずか3(4月25日現在)と、4年ぶりのリーグ優勝へ順調な滑り出しを見せる同クラブ。ハーフシーズンチケットで後半戦を応援しよう。

 対象試合は6月21日(土)ヴィッセル神戸戦以降の、リーグ戦ホームゲーム全10試合(「ホームA自由」は対象外)。同クラブ後援会会員が条件で、申し込み受付期間に新規入会した人も含まれる。後援会マイページ内のバナーから申し込む。5月6日(火・振休)の午後11時59分まで受付。抽選結果の発表は19日(月)午前10時。

 今季のシーズンチケット保有者の紹介で購入すると、紹介者にリーグ戦ホームゲームのスタジアム内外で利用できる飲食クーポンをプレゼント。

 詳細は同クラブ【電話】0570・03・5026、または公式ウェブサイト。

画像は川崎フロンターレ