鎌倉版【5月2日(金)号】
相棒の5台目の人力車とともにほほえむ青木さん

時代を駆けた車夫、引退へ 有風亭 青木登さん

 東日本初の観光人力車の車夫として、鎌倉のまちを円転自在に駆け抜け42年という月日が経った。観光客や地元住民に親しまれてきた名物車夫・青木登さん(77)が、9月下旬で引退する。「生涯現役を目標にしてきましたが、体力の限界を感じました」。年齢を感じさせないぐらい軽快な足取り、ときおり見せる笑顔は満足げだ。

 茨城県の農家に生まれた青木さん。高度経済成長期真っ只中の1963年、中学卒業と同時に戸塚区にあった大手タイヤメーカーに就職した。

 その後、流通業界に転身。ちょうどその頃、横浜駅西口の相鉄ジョイナスが開業するタイミングで、婦人服やハンドバッグ販売店の支店長として働いた。「髪は七三分けでスーツを着て今じゃ考えられないですね」と当時を懐かしむ。

 仕事に邁進し、売り上げトップになった35歳の時、権力闘争に巻き込まれ、理不尽な扱いを受けた。「悔しくて涙がこぼれました」

週刊誌が転機に

 そんな時偶然目にした週刊誌に、飛騨高山の観光人力車が紹介されており、「これだ!」と閃いた。脱サラして自分の身一つで生きていくことを決めた。

 すぐに現地に赴き、接客や人力車の操作方法などを実際に乗って学んだ。「私ならもっとお客様を喜ばせる自信があった。舞台は昔から観光地として魅力を感じていた鎌倉に決めていた」

 中古の人力車を格安で譲り受け、1984年元日に創業。昼は人力車、夜は喫茶店アルバイトの二重生活を余儀なくされた。心無い言葉を投げかけられた時もあったが、「ただ歯を喰いしばって目の前の仕事に全力を尽くしてきた」。

 創業当時、特に印象に残っているのが、北鎌倉の円覚寺前から乗せた女性客。著名な画家だったがそれを知らず接客し、「お付きの方にお叱りをうけました」。以来、観光以外にもさまざまなアンテナを張り、勉強を続けた。

親子3世代で乗車も

 しだいに青木さんの仕事ぶりは評判を呼び、リピーターも増加。これまでに10回以上乗車した人は数えきれず、なかには100回以上の人もいるとか。

 結婚式では、1万1千組の新郎新婦を送迎した。子や孫が誕生し、親子3世代にわたり利用する人も多い。「お客様の人生の節目に立ち会ってきた。長くやってきたご褒美かも」。乗車延べ人数は12万人を超える。

感謝込め幕引きの会

 「生涯現役」を掲げて体を鍛えてきたが、「体力の限界」と引退を決意。青木さんは「ご縁のあった方々に直接感謝を伝えたい」として幕引きの会を企画。「お誘い合わせの上、ご参加いただければ幸いです」と話す。幕引きの会/6月8日(日)、KOTOWA鎌倉鶴ヶ岡会館、午後6時開宴。会費1万円(幼児無料、高校生まで半額)。(問)青木さん【携帯電話】090・3137・6384

ポスターを手にする平山実行委員長(左)と島田さん

鎌倉山「音」でつなぐ 有志がイベント初開催

 鎌倉山在住の有志が5月18日(日)、「鎌倉山ミュージックデイ2025」を初開催する。午前11時から。入場無料。鎌倉山の4会場でアコースティックやロックなど多彩な音楽を披露。平山高司実行委員長は「地域の人々をつなげる新たな場にしたい」と意気込む。

 イベントの構想は昨年5月頃。平山委員長が地域活動の拠点となる鎌倉山集会所をもっと活用し、住民間の交流を活性化させるイベントができないかと知人の島田浩由さんに話をもちかけた。共に音楽好きだったこともあり、バンド演奏のイベントを模索。有志を募り、11月に実行委員会を立ち上げて準備を進めてきた。

 島田さんはイベントのポイントを「回遊性」と語る。当日は、「竹の子広場」を中心に「鎌倉山集会所」「檑亭」「ル・ミリュウ鎌倉山」の4会場で、アーティストたちがそれぞれの楽曲を披露する。各会場は歩いて移動できる距離で、「新緑の鎌倉山散策をしながら、音楽も楽しんでもらえたら」と笑顔をみせる。

 出演者たちも鎌倉山在住など鎌倉市に縁のあるメンバーが揃い、「プロの方もいれば、普段はライブハウスで活躍するセミプロ、このイベントがデビューの人などバラエティー豊か」と平山委員長。自身も「バックルカバー」というバンドでオールディーズナンバーを奏でる予定だ。

 高校生弦楽部、フラダンス、出演者が一堂に集う「鎌倉山バンド」などもあり、最新情報は公式インスタグラムで発信している。

地域課題の解消に

 鎌倉山に住んで25年になる平山委員長は「近年は地域で考えなくてはいけない課題が増えている」と話す。

 災害時には地域住人がお互いに顔を知っていることで安否確認がスムーズになり、防災力の向上につながる。また、観光者の増加によって海外からの民泊利用者が増えたが、家のオーナーが鎌倉山に住んでいないことでトラブルになるケースも発生しているという。「長く住んでいる人も、新しく移住された人も、鎌倉山を愛しているということは同じだと思う。このイベントで、鎌倉山を一つにできたら」とほほ笑む。

鎌倉山ミュージックデイ2025の実行委員長を務める 平山 高司さん 鎌倉山在住 73歳

音楽の力 信じて

 ○…新緑鮮やかな鎌倉山で、音楽を通して人々をつなぐ「鎌倉山ミュージックデイ2025」を初開催する。出演者や会場の調整など、ゼロから積み上げてきた。「生みの苦しみもあったけれど、仲間に恵まれて開催できる。もう楽しみだよ」と瞳を輝かせる。

 ○…高校時代に出合ったバンドミュージック。楽器の個性が混ざり合い、一つの音となって会場を包む。心地よい調和とミスできない緊張感。魅力に一気に引き込まれていった。57年経った今も、バンドメンバー5人のうち3人は結成当時と同じ。互いに歳を重ねても、顔を合わせればくだらない話で大笑いしたあの頃にいつでも戻れる。自身のパートであるベースを「孤独な楽器」と評する。前に出る華ではないが、深いビートを刻んで曲を守る冷静沈着な仕事人。黙々と技を探求することもあるが、「一人で弾いても飽きちゃう。やっぱり仲間と音を合わせる時間が最高」。さらに「その後の一杯はもっと最高」とニンマリ。

 ○…50代の頃、バンドを裏から支える仲間がガンで余命宣告を受けた。楽器のできない彼から「今からでもやってみたい」と告げられると、すぐにドラムセットを渡した。命を燃やすように一心にドラムスティックを振り、病室でも手離さない。間に合わないと思っていた同窓会で、奇跡のセッションが実現した。「音楽は偉大だよ」。身をもって知るその力で、今度は地域の絆を結ぶ。

 ○…過去には横浜銀行鎌倉支店の支店長を務め、鎌倉山集会所の建て替えにも尽力した。音楽と並ぶ趣味のゴルフもあって日々飛び回るなか、家庭を守る夫人には「本当にありがたい」と目を細める。家族と仲間、地域の隣人。感謝を込めて、つま弾く音色は一層円熟味を増す。

子ども大学 受講生募集 5月12日締切

 大学教授ら専門家の授業が受けられる「子ども大学かまくら」(田上誠理事長)では、今年度の受講生を募集している。

 今年度の講師は、ズーラシア園長・村田浩一さん(6月14日(土))、江ノ電社員(7月12日(土))、早稲田大名誉教授・池田雅之さん(9月21日(日))、湘南鎌倉医療大助教・櫻井純子さん(11月23日(日))、日本女子大名誉教授・多屋淑子さん(2月21日(土))。

 対象は鎌倉市内在住・在学の小学4〜6年生。定員100人(応募多数時は抽選)。保護者1人参観可。授業料は5千円(1年分・入学金含む)。会場は、開催日で異なる(いずれも鎌倉市内)。

 子ども大学の学長・養老孟司さん(7月24日(木))、元共同通信の横川和夫さん(夏期全3回)、ディレクトフォース理科実験グループ(8月30日(土))によるゼミや体験学習は希望制(費用別途)。

 応募は、5月12日(月)までに「子ども大学かまくら」ホームページから。

自慢のからあげを持つ歌川夫妻

鎌あいな からあげGPで2冠の快挙 しょうゆダレと弁当で最高金賞

 市内常盤の飲食店・鎌あいなが、4月9日に都内で開催された「第16回からあげグランプリ」の東日本しょうゆダレ部門と弁当部門で、最高賞の最高金賞を獲得した。最高金賞の2冠は、同グランプリ初。

 からあげグランプリは、(一社)日本唐揚協会が主催。同店は、昨年初めて弁当部門でエントリーし、初出場で金賞を獲得していた。

 今大会には、味付けや素材などの異なる12部門に全国から約600店が参加。同店は、国産鶏を使用した醤油ベースの唐揚げを出品した。

「地域に恩返しを」

 「もちろん目指していた」という最高金賞。しかし、エントリーした部門は全国の有名店が名を連ねていたこともあり、心のどこかで弱気になっていたという。

 名前が発表された時は「大号泣でした」とマネージャーの歌川貴子さん。店主の暢浩さんとともに「常連さんや地域の方が一緒に喜んでくれた。皆さんの自慢のお店になれるよう、頑張りたい」と話した。

鎌倉の混雑、マップで確認 10地点対象に公開中

 鎌倉市では、ゴールデンウィークに合わせ、混雑回避につなげようと、市内10地点の混雑予測を示したマップをウェブ上で公開している。

 小町通りや長谷周辺などを対象に、天気ごとの混雑予測1週間分と過去1週間分の実績を掲載。混雑度は3段階で表し、英語も併記している。

 閲覧は「鎌倉観光混雑マップ」で検索を。

かしわ餅を丁寧に包む松野さん

5月5日「こどもの日」 健やかな成長願い かしわ餅に思い込め

 5月5日の「こどもの日」を前に、西鎌倉の「和菓子処茶の子」では季節の風物詩であるかしわ餅が店頭に並ぶ。

 かしの木は新芽が出るまで古い葉が落ちない特性から、「家系が途絶えない」という子孫繁栄の象徴といわれ、端午の節句にかしわ餅を食べる習慣は江戸時代から続くといわれている。

 同店の松野友美さんは、「食感にこだわり、水分の多い粉を使って日々の気象条件などを加味して仕上がり具合を変えています」と話す。季節の味覚として、今年から「ちまき」も手作りしている。ちまきは5月6日まで、かしわ餅は5月中旬まで販売している。

車いすのままでも遊べる複合遊具

連載 コレ 気になってます! 本当にインクルーシブ? 要望受け、改善視野に

 2024年2月にオープンした鎌倉海浜公園由比ガ浜地区のインクルーシブ広場。テーブル型の砂場や車いすのまま入れる大型複合遊具など、障害の有無にかかわらず利用できる「インクルーシブ遊具」が設置されている。見守り用ベンチや休憩用のあずまやも備え、休日にはたくさんの親子連れが集う。誰もが使いやすいことを謳う公園だが、実際の使い勝手はどうなのか、課題はあるのか、調べてみた。

  ◇  ◇  ◇

 インクルーシブ広場の「その後」が気になっていたのには理由がある。実は昨年2月のオープン時、近隣の保育園児や障害児らが遊ぶのを取材する中で、スロープの入り口に段差があって車いすが引っかかり、ゴムチップの舗装幅も足りず方向転換も難しいという声を聞いたからだ。

 市みどり公園課に尋ねたところ、実際に当事者から前述のような声が上がっているといい、課題は認識しているものの、具体的にいつまでに改善するという計画は現状決まっていないという。

 また、赤い家型の遊具は、屋根に上る、揺らすなど、想定外の遊び方があり、安全性の見直しのため利用を中止。利用再開を目指して、現在、メーカーと今後の対応を協議中だ。

 「今後、調査や利用者の声を聞きながら、整備を進めていけたら」と市担当者。市としても遊具間をつなぐ園路の整備など、より使いやすくするための案は出ているという。

市民の寄付で追加整備

 一方で、3月28日には追加整備が完了し、新たな遊具やあずまや、ベンチなどが増設された。

 元々あった通常のブランコに加え、隣に設置されたのは、インクルーシブブランコ。体を包み込む形の座面でハーネスがついており、姿勢の保持が難しい子どもでも乗ることができる。さらに「ちびっこぞーん」として、乳幼児向けの遊具2つも追加された。

 これらの整備には、ある市民からの寄付金が使われている。昨年2月、広場の開園と同じ頃、「インクルーシブ広場のさらなる充実のために」と個人から3000万円の寄付があったという。

 19年に「共生社会の実現を目指す条例」を制定した鎌倉市。施設設置で終わらず、その後の市民の声も受け入れ、本当の意味での「インクルーシブ」を目指してほしい。

記者が鎌倉で気になったことを調べる連載「コレ気になってます!」。不定期で掲載しています。

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御周印帳を紹介する市観光協会の有馬菜々さん

御周印帳で日本遺産PR 鎌倉市観光協会で販売

 鎌倉市観光協会(鎌倉駅西口)で4月19日から、全国各地に点在する「日本遺産」を訪れた証「御周印」を収集するための専用帳面「御周印帳」の販売が始まった。

 表紙はステンドグラスを模した和柄デザインで、「扇」と「花」の2種類を用意。中面には、朱書きで「日本遺産」の文字があらかじめ印字されており、そこに「御周印」を押すことで、完成する。

 販売価格は1冊2000円、押印は300円(ともに税込)。問い合わせは同会【電話】0467・23・3050へ。

初夏に響くハーモニー 鎌倉芸術館でコンサート

 清泉女学院音楽部と同部卒業生により結成された「La Pura Fuente」のジョイントコンサートが5月5日(月・祝)、鎌倉芸術館(大船6の1の2)大ホールで開催される。午後1時開場、1時30分開演。入場無料(全席自由)。

 当日は、委嘱組曲完成記念・信長貴富作曲「無伴奏女声合唱のための『ガブリエラ・ミストラルの二つの詩』」、邦人作曲家による宗教曲「Salve Regina」「Ave Maria」などのほか、同部が国際合唱コンテストで歌った「音戸の舟唄」「あんたがたどこさ」なども披露する。

 1950年の学校創立当初から続く伝統ある音楽部。過去に数多くの受賞歴もある澄んだ歌声とハーモニーを風が心地よい初夏に楽しめる。

 

戦跡を調査する佐藤さん(左)

東京湾要塞研究家の佐藤さん 「戦跡」焦点のガイド本制作

 東京湾要塞研究家のデビット佐藤(本名=佐藤正弘/三浦市在住)さんが、旧日本軍が三浦半島に築いた砲台や陣地跡などの戦争遺跡(戦跡)を紹介するガイドブックの制作に取り掛かっている。明治初期から太平洋戦争終焉まで70年超の長きにわたる戦争のあゆみを戦跡に焦点を当てて伝えるもの。戦争の歴史とそこに至る経緯をガイド本を通して発信していく。発行費用の一部を賄うためのクラウドファンディング(CF)も活用して、7月の完成をめざす。

 三浦半島に点在する戦跡を自分で歩いて見学することを想定しているが、いつでも見ることが可能な場所だけでなく、管理者への確認や申請が必要なもの、中には立ち入りが制限されているケースもあり、見どころと合わせて注意点などを盛り込んでいく。CFの目標額は50万円。支援者への返礼品として完成本の提供や佐藤さんが案内する戦跡ガイドツアーへの招待などを用意している。CFを通さない直接の応援も募っている。

 詳細はタウンニュース横須賀支社【電話】046・850・1290。

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暮らし支える活動知って 鎌倉駅地下道でパネル展

 身近な地域の相談役である民生委員・児童委員の活動を紹介するパネル展示が5月7日(水)から12日(月)まで、鎌倉駅地下道のギャラリー50で開催される。

 毎年5月12日の「民生委員・児童委員の日」にあわせて行われるもの。一人暮らし高齢者の自宅を訪問する見守り活動や、地域での健康サロン、子育てサロンや研修など、日頃の取り組みが展示される。

 非常勤の地方公務員である民生委員・児童委員。鎌倉市では4月25日現在219人が活動している。担当の市生活福祉課では「人と話すことが好きな人や、地域に貢献したい人、困っている人の力になりたい人は民生委員・児童委員にピッタリです。一緒に活動していただける方をお待ちしています」と話す。 

(問)市生活福祉課【電話】0467・61・3958

 

 

関係者らと当選を喜ぶ大石氏(中央・党関係者YouTubeライブ配信から)

鎌倉市議会議員選挙 新人10人が議席獲得 トップ当選は大石氏

 任期満了に伴う鎌倉市議会議員選挙が4月27日、投開票され、新たな顔ぶれが決まった。トップ当選は国民民主党新人の大石香氏(52)。投票率は2021年の前回を1・07ポイント下回る47・66%だった。

 定数26に対して現職17、元職3、新人21の計41人が立候補した今回の市議選。各候補は市役所移転や観光、まちづくりなど、それぞれの論点をかかげ政策を訴えた。

 開票の結果は新人10人と元職2人が当選した一方、現職は14人が当選し3人が議席を失った。党派別では自民党と公明党が各3、立憲民主党と共産党が各2、国民民主党、参政党、地域政党鎌倉、鎌倉を守る党が各1、無所属12となった。

 有権者数は14万7351人(男性6万8597人、女性7万8754人)。

国民旋風鎌倉も

 定数に対して多数の候補者が出馬し激戦となった今回の選挙では、国民民主党新人の大石氏が候補者のうち唯一4千票を越えてトップ当選を果たした。同党は各地の市議選で1位当選が相次いでおり、鎌倉市でも追い風となった。

 当選確実の一報を受け、午後11時50分頃に党関係者のYouTubeライブ配信で関係者らとともに万歳で喜んだ大石氏は「責任の重さを感じている。言ったことをしっかりと実現できるように市政を動かしていきたい」とコメントした。

過去の様子

いざ、子ども源平合戦 5日 片瀬山公園で

  「鎌倉子ども源平合戦」が5月5日(月・祝)、片瀬山公園(湘南モノレール目白山下駅すぐ)で開催される。主催の鎌倉もののふの会では参加者を募集している。

 源平合戦を模して紅白に分かれ、スポンジ製の刀で合戦を行う企画。鎌倉市、藤沢市などの後援を受け、こどもの日に合わせて毎年開催されているもので、昨年は393人が参加した。

 午前10時から正午まで(9時受付開始)。雨天中止。参加無料。対象は子どもから大人まで。事前申し込みを受け付けているが、空きがあれば飛び入り可。【1】参加者氏名【2】年齢【3】住所・電話番号【4】保護者氏名を添えてinfo@izakamakura.jpへ申し込みを。(問)同会・鎌倉智士さん【携帯電話】090・6513・8892

ようこそ小鳥の世界 5月11日に即売会

 インコや文鳥などの小鳥をブリーダーから直接購入できるイベント「とりっぷ」が5月11日(日)、藤沢商工会館ミナパーク(藤沢市藤沢607の1)6階多目的ホールで初開催される。午前11時から午後5時。入場料は大人千円、中高生500円、小学生以下無料。

 実行委員長を務める鎌倉市在住の鶴羽淳さんは、過去にトカゲなどエキゾチックアニマルの展示販売会に携わってきた。この中で、同じ会場にいる小鳥たちを見て「萎縮してかわいそう」という来場者の声から、小鳥のみの展示即売会を企画。鎌倉市内でイベント運営等を手掛ける株式会社Chronosと協力し、初開催に向けて準備を進めてきた。

 イベントでは、小鳥や飼育用品、餌、グッズの販売をはじめ、鳥の健康相談ができる獣医のブースなども設けられる。

 小鳥の魅力を伝える一方、飼育についての注意点の啓発にも力を入れる鶴羽さん。

 鳥は小さな体でも想像以上に長生きをするため、「家で飼いきれず外に放してしまうケースもある。飼われていた鳥は外敵に狙われたり命を落とす可能性が高い」とし、「きちんと飼うための知識もしっかりと伝えていきたい」と話す。イベントの最新情報は公式ホームページ(「とりっぷ 小鳥」で検索)へ。

黒地蔵盆の提灯

鎌倉のとっておき 第183回 黒地蔵盆の夜

 私の鎌倉のとっておき、それは覚園寺さんの黒地蔵盆に徒歩で訪れることです。なぜなら、この時の異世界へ誘われるような雰囲気が堪らなく好きだからです。

 毎年8月10日の深夜0時から覚園寺さんで行われる深夜の縁日、黒地蔵盆はご存じでしょうか?私は毎年楽しみにしているのですが、ただ訪れるだけではありません。鎌倉駅から覚園寺さんまで歩いていくことを拘りとしています。

 深夜の鎌倉は昼の喧騒とはうって変わって、若宮大路も小町通りもがらんとしています。それだけでも雰囲気の違いに圧倒されますが、そこから鶴岡八幡宮さんを東に進んでいくと、だんだん電灯も少なくなり、暗くなっていきます。

 そして、しんとして虫の音が聞こえるばかりになります。人ひとりにも会いません。

 気が付くとそこはぽっかりとした暗闇の異世界で、私は今どこにいるのだろうという不思議な気持ちになるのです。そして少しずつ、ぼう…と小さな明かりが見え始めます。民家の軒先に吊るされた提灯の明かりです。それがポツポツと点在し、次第に何とも言えない幻想的な雰囲気を醸し出していきます。そして、その先に漸く煌々と輝く覚園寺さんが現れ、私はやっと現実の世界に戻ってくるのです。それは、普段の鎌倉では味わえない、何とも言えない不思議な感覚であり、私にとって年に1度の鎌倉のとっておきです。

谷村 健