鎌倉山ミュージックデイ2025の実行委員長を務める 平山 高司さん 鎌倉山在住 73歳
音楽の力 信じて
○…新緑鮮やかな鎌倉山で、音楽を通して人々をつなぐ「鎌倉山ミュージックデイ2025」を初開催する。出演者や会場の調整など、ゼロから積み上げてきた。「生みの苦しみもあったけれど、仲間に恵まれて開催できる。もう楽しみだよ」と瞳を輝かせる。
○…高校時代に出合ったバンドミュージック。楽器の個性が混ざり合い、一つの音となって会場を包む。心地よい調和とミスできない緊張感。魅力に一気に引き込まれていった。57年経った今も、バンドメンバー5人のうち3人は結成当時と同じ。互いに歳を重ねても、顔を合わせればくだらない話で大笑いしたあの頃にいつでも戻れる。自身のパートであるベースを「孤独な楽器」と評する。前に出る華ではないが、深いビートを刻んで曲を守る冷静沈着な仕事人。黙々と技を探求することもあるが、「一人で弾いても飽きちゃう。やっぱり仲間と音を合わせる時間が最高」。さらに「その後の一杯はもっと最高」とニンマリ。
○…50代の頃、バンドを裏から支える仲間がガンで余命宣告を受けた。楽器のできない彼から「今からでもやってみたい」と告げられると、すぐにドラムセットを渡した。命を燃やすように一心にドラムスティックを振り、病室でも手離さない。間に合わないと思っていた同窓会で、奇跡のセッションが実現した。「音楽は偉大だよ」。身をもって知るその力で、今度は地域の絆を結ぶ。
○…過去には横浜銀行鎌倉支店の支店長を務め、鎌倉山集会所の建て替えにも尽力した。音楽と並ぶ趣味のゴルフもあって日々飛び回るなか、家庭を守る夫人には「本当にありがたい」と目を細める。家族と仲間、地域の隣人。感謝を込めて、つま弾く音色は一層円熟味を増す。
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