中区・西区・南区版【5月8日(木)号】
手作りした大きなペーパーローズが華やかなフォトスポット前で渡辺さん(左)と園田さん。2人は「ローズ姉妹」と名乗り、SNSなどを通じてブルガリアンローズの普及に力を注いでいる

元町がバラ一色に 11日にはローズの女王も

 元町で5月10日(土)から6月2日(月)まで、「ブルガリアンローズフェスティバル元町」が開催される。バラをテーマにしたイベントやブルガリアの「ローズクイーン」によるパレードが行われ、街がバラ一色に染まる。

 同イベントは2023年、元町の美容サロン「サロンレイ」のオーナー・渡辺幸子さん(61)=今号人物風土記で紹介=がスタッフの園田祥子さん(61)と共に元町の一角にバラのフォトスポットを作ったのが始まり。同サロンが香りや品質がバラの最高峰といわれる「ブルガリアンローズ」を美容法に取り入れていることから、6月2日の「ローズの日」にあわせて企画した。

新たな文化を発信

 バラを一大産業とし、毎年バラの祭りが開かれるブルガリアでは、感謝の気持ちを伝える時にバラを贈り合う文化があるという。渡辺さんはバラが横浜の市花であることや、1937年の開港記念祭でバラの行進が行われたという歴史をふまえ「バラの花言葉は『愛と感謝』。ありがとうを伝える素晴らしい文化を、文化発祥の地である横浜元町から再び発信できたらと思った」と話す。

 3年目の今年は、所属する商店街「元町クラフトマンシップ・ストリート(CS)」の主催で大々的に開催されることになった。2人はCSメンバーの元町を盛り上げたいという熱意や団結力にふれ「みなさんの協力なくしてはできなかった。いちサロンで始めた取組をまちのイベントとして行ってくれて嬉しい」と感謝する。

 イベントでは元町の各所に商店街の人たちが手づくりしたバラのフォトスポットが設置されるほか、10日・11日は景品が抽選で当たるスタンプラリー、11日はブルガリアから来日する「ローズクイーン」(親善大使)によるパレードを開催。オープニングセレモニーが行われる山手イタリア山庭園外交官の家(10時)から元町厳島神社(16時)まで元町仲通りを中心に各所を巡り、フォトスポットに立ち寄ったローズクイーンと一緒に記念撮影もできる。また、元町厳島神社では、バラをモチーフにした菓子や雑貨、コスメなどが販売されるローズマルシェ(11日13時〜17時)や、5月10日〜6月2日の期間限定でバラの御朱印と花手水が登場する。詳細は元町クラフトマンシップ・ストリートのHPで。

スタッフに見守られ、思い思いに過ごす児童

横浜市 小学生に朝の居場所を モデル実施 10校に拡大

 朝早く出勤しなければならない共働き家庭を想定し、小学校始業前に子どもが過ごせる環境を整えようと、今年度から西前小学校=西区=や永田小学校=南区=など新たに市内8校(計10校)で朝の居場所づくりのモデル実施が始まった。横浜市は実施校の利用状況や他都市の事例をみながら、全区展開を検討していくとしている。

 通常は朝7時30分から子どもを預かってくれる保育所に対し、小学校の昇降口は概ね8時過ぎまで開かない。保護者の勤務時間が早かったり、通勤に時間がかかるケースは、子どもを家に残して出勤しなければいけない状況が生じている。そのため、仕事を辞めるきっかけや、働き方を変えざるを得ない場合があり、社会問題化していた。

 横浜市はこうしたいわゆる”小1の壁”対策を念頭に、「小学生の朝の居場所づくりモデル事業」に着手。昨年度は青葉区の2校でモデル事業を実施し、今年度は10校に拡大させた。

 利用には事前登録が必要で、長期休業日を含む平日7時から8時頃まで学校内に居場所が用意される。登校時は保護者の付き添いが必要で、時間内は(公財)横浜市シルバー人材センターから派遣されたスタッフ3人が校門と居場所で見守る仕組み。利用料は無料で、保険料が年800円かかる。

 西区の西前小学校は平日の朝7時から受付を開始する。体育館の一角に机と椅子を設置し、マットを敷いて、児童が過ごせる居場所を作っている。現在登録は15人で、そのほとんどが小学1年生。平均して1日5人前後が利用しているという。朝集まった児童は、本を読んだり、折り紙をしたりと、思い思いに過ごしていた。

 この制度を利用する大島博美さんは小学1年生の母親。共働きで、昨年度は近隣の保育所に朝7時半から子どもを預けていた。「小学校になったらどうしようと思っていた。離職もちらついていた」と話す。生活のリズムを崩さずに済んだと、事業を歓迎する。

 横浜市によると各実施校の登録者は概ね10数人で、利用者は1日3〜5人程度だという。市は今年度、同事業に予算4505万円を充てる。担当者は「費用対効果だけでなく、保護者の声や利用状況、他都市の事例なども考慮して検討していく」としている。

5月10日から行われる「ブルガリアンローズフェスティバル元町」の発起人 渡辺 幸子さん 中区北方町在住 61歳

ローズに魅せられて

 ○…3年前、自身の元町サロンだけで始めたローズフェスティバル。今年は念願のローズクイーンによるパレードが初開催されるなど、街をあげてのイベントとなり、準備にも一段と気合が入る。「元町をバラでいっぱいにしたい。沢山の方に遊びに来てもらえたら」と笑顔を見せる。

 ○…長身を生かして中高はバスケ一筋。市立金沢高では全国大会に出場し、県の最優秀選手に2年連続で選ばれるほどの実力だったが「女子大生になっておしゃれがしたい」とバスケのオファーを全て断り、短大へ。客室乗務員のカッコ良さに憧れてANAに入社。息子を出産するまでの11年間、「品格やおもてなしの視点など、接客業の第一線で多くのことを学べた」と振り返る。

 ○…「子育て中、ネイルをやってもらったら気分がすごくあがって」。コンプレックスだった大きい手を美しく変えてくれたネイルリストの道へ。38歳の時、自宅で開業。いち早くジェルネイルを扱い、予約が取れない人気サロンになった。そんな華やかな経歴の裏で、20代で若年性更年期障害を発症、化粧品アレルギーや40代で子宮がんを患うなど、長年心身共に辛い症状に悩まされてきた。しかし10年前、香水の勉強で出会った世界最高峰のバラ「ブルガリアンローズ」を身体に取り入れたことで激変。健康を取り戻したという。

 ○…「私を救ってくれた『奇跡のバラ』。ブルガリアンローズの素晴らしさを多くの人に広めていきたい」。自身の経験と使命感から”ローズ美容専門家”を名乗り、オリジナルの温活美容法・ローズ蒸しを開発するなど、美と健康への探究心は尽きることがない。「女性はキレイになることで元気になれる。女性の笑顔を増やし、社会をもっと元気にできたら」

協定書を手にする菊地区長(右)と水戸部学長

八洲学園大×西区 災害時・防災協力で協定 避難所として利用

 学校法人八洲学園 八洲学園大学=西区桜木町=と西区は4月24日、「横浜市西区における災害時及び防災啓発活動の協力に関する協定」を締結した。協定では、災害時に補充的避難所と津波避難施設として施設を提供することを約束した。

 これまで、同大学がある高島町駅から戸部駅にかけてのエリアには補充的避難所や津波避難施設がなかった。地域防災拠点には戸部小学校が指定されているが、住民の数も多く受け入れが困難になる可能性がある。多数の避難者が訪れてスペースが足りなくなったり、被災により機能しなくなった場合には、補充的避難所として開設する。

 また、津波避難対象区域と区域外の狭間にあるため、津波発生時や発生するおそれのある場合、津波避難施設としても避難者を受け入れる。

 学長の水戸部優子さんは「地域に根差した大学として、社会の一員の責任を常に意識してきた」と話す。西区とは選挙の際に施設を貸し出すなどこれまでも関わりがあった。今回、「防災に関しても地域貢献に協力できないか」と区に相談し、協定締結に至った。

普及啓発も

 また、防災・減災への普及啓発も相互に協力していく。講座において区の職員が地域の防災・減災への取り組みを講義するなどの連携も検討している。同大学は県内の教育機関では初めて「防災士養成研修実施機関」として、2019年度から防災士養成講座を開催してきた。この公開講座には、地域からも幅広い年代の人が受講している。

 菊地健次区長は、「西区は地震や津波以外にも大雨による土砂崩れや洪水、木造住宅密集地の火災など、災害のリスクが高い。区民や事業者の方々と協力して防災意識の向上に努めていく」と話した。

グランプリに輝いたチワワの「天」

横浜ベイクォーター 新たなマスコット犬誕生 2千2百の投票の中で

 横浜駅東口すぐの商業施設「横浜ベイクォーター」でこのほど、新たなマスコット犬が誕生した。選ばれたのはチワワの「天(てん)」。同施設が主催する「第19回マスコット犬コンテスト」で、グランプリに輝いた。

 同コンテストは、書類選考を勝ち進んだ50頭を対象に、4月5日から13日まで一般投票が行われた。その結果、計2220票の投票の中から「天」がグランプリを勝ち取った。

 ペットと一緒に楽しめる買い物や散歩を提案している同施設。今まで選ばれたマスコット犬は18頭にのぼる。今後1年間「天」は、同施設が開催するイベントに登壇したり、公式SNSでペット連れの来場者に呼びかける投稿に登場するなど、同施設のPRのために活動する。第20回も予定。

昨年に続き2回目の開催

大鷲神社で演芸フェス 5月10日、桂枝太郎さんも出演

 能登半島震災復興支援として「金刀比羅大鷲神in社ジャズ音楽と演芸のフェスティバル」が5月10日(土)、金刀比羅大鷲神社=南区真金町=の境内で開催される。昨年に続き、2回目。正午開演で午後5時終演予定。観覧無料。

 演歌や昭和歌謡を主とする地元ゆかりのシンガー・塚田怜央さんやジャジーなステージを披露する「矢嶌愛&ちなお屋」、同神社役員から成るおやじバンド「ジンジャーズ」など、多彩な出演者が登場。さらに、地元のスター桂歌丸さんの弟子・桂枝太郎さんの落語も披露される。

 運営担当者は、「酉の市だけではない大鷲神社の魅力を知っていただければ」と話す。

協定書を見せる柳下議長(左)と小山学長

関東学院大 県議会と包括協定 社会連携教育に力

 中区万代町などにキャンパスがある関東学院大学=金沢区=と神奈川県議会の包括協定締結式が4月24日、県庁新庁舎で行われ、同大学の小山嚴也学長と県議会の柳下剛議長が協定書に署名した。同大学が地域の課題に迅速かつ適切に対応するとともに、活力と魅力にあふれる地域づくりや神奈川県の将来を担う人材の育成に寄与することを目的としている。

 同大学法学部では毎年県議会議長による学生への講義を実施しており、昨年11月には学生15人が県議会を訪問し、県議会議員との意見交換会を行うなどして連携を深めてきた。意見交換会は柳下議長の「若い世代に議会を身近に感じてもらいたい」という思いをきっかけに実現。「若者が政治や議会に関心を持つためにはどうすべきか」というテーマで議論した。

 締結式のあいさつで小山学長は「議員による講義や意見交換会は学生が議員の方と接する貴重な機会。社会連携教育の一環として、あらゆる面で連携していきたい」と述べた。柳下議長は「今回の締結は大きな一歩。まずは学生に政治への関心を高めてもらうきっかけになれば」と話した。同大学は2016年に横須賀市議会とも連携協定を締結。年末ごろにはシンポジウム等の開催を予定している。

にっこり笑いながらチークを塗布

化粧の力を介護予防に 不老町ケアプラで教室

 「いきいき美容教室」が4月24日、不老町地域ケアプラザで行われた。資生堂ジャパン(株)の社員が講師を務め、65歳以上の男女16人が参加した。

 教室では、講師が健康寿命を延ばすために重要な「運動」「食事」「交流」が、化粧をすることで得られると説明。参加者は、化粧品をつかみ開閉したり、塗布することが腕の筋肉のトレーニングになることや、唾液腺を刺激するスキンケア法が飲み込む力の衰え防止につながることを実践を通して学んでいた。

 始めは緊張気味の参加者だったが、終盤には笑顔も増え、参加者同士でリップの色を選び合ったりと交流も深まった。70代の女性は「家でもやってみたい」、80代の女性は「外に出て行きたくなった」と話した。

 同ケアプラザでは、介護予防につながる体操や口腔、栄養についての講座は定期的に開催しているが、化粧を取り入れたものは初めてだったという。職員は「普段来ていない方も参加してくれた。今後もこうした講座を開催し、高齢の方の社会参画や、ケアプラザのことを知ってもらう機会になれば」と話した。

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新署長に聞く

西区、南区の消防署にこの春、新署長が着任しました。管轄エリアの特徴や取り組みなどを紹介します。

地域住民・企業と連携 西消防署 石黒靖雄署長

 市消防局総務課から着任。西消防署は2011年から2年間勤務した。「当時の消防団や町内会の方もいて安心感がある」と表情を緩ませる。

 みなとみらいや横浜駅周辺の大きなビルでの災害は、発生場所の特定が困難な場合も。事業者との連携が重要となる。木造住宅密集地域など住宅地では、住民の迅速な初期消火活動や日頃からの備えが被害を最小限に抑えることにつながる。さまざまな災害が予想される中、「共に訓練を行ったり、広報活動を通して防災・減災への意識を高めてもらいたい」と話す。

 救急要請の増加も課題となっている。「救急車を呼ぶべきか迷った時には、♯7119(かながわ救急相談センター)へ電話を」と呼びかける。

 みなとみらいの海辺の夜景がお気に入り。「ゆったり散歩できるのも安心安全だからこそ。私たちの努力で守っていきたい」

備えの大切さ伝える 南消防署 柴田尚正署長

 南区の赴任は4回目。町内会や消防団の顔なじみから「おかえり」と声をかけられ、改めて「南の風はあったかい」と感じた。「正直、慣れ親しんだまちなので、戻ってこられて嬉しい」と笑顔を見せる。歴史ある下町で商店街の賑わいもあるなど南区の魅力を語る一方で、「防災の視点から見れば、人口密度が高く重点対策地域や土砂災害の危険区域が多いといった課題がある」と気を引き締める。

 緊急消防援助隊として2011年の東日本大震災や昨年の能登半島地震の後に活動したことは、貴重な経験に。「発災直後の避難所には最低限のものしかない。特に各自の備えが大事ということを痛感した」。消防でできる対策を進めつつ、区民一人一人が備えることが、被害の軽減につながると考える。「南区は人の繋がりがとてもあるまち。防災意識を高めあいながら、取り組みを進めていきたい」

笑顔で優勝を報告する阿左美さん(左)

宮谷小6年阿左美さん スノボ全国大会で優勝 菊地区長を訪問

 西区の宮谷小学校6年の阿左美逢夢(あむ)さんが、第43回JSBA全日本スノーボード選手権KENBIKI CUP(3月6日〜19日/福島県会津高原たかつスキー場)のスロープスタイル競技U-15男子で優勝し4月25日、菊地健次西区長を訪問した。

 職員に拍手で迎えられた阿左美さんは、菊地区長から花束と記念品を手渡された。菊地区長は「動画でプレーを見たが、素晴らしかった。中学生も出場する15歳以下の部での優勝はすごい」と賛辞を贈った。阿左美さんは、9歳の時に同大会のクロス競技で優勝したが、スロープでは初。「昨年も、スロープで決勝出場が決まっていたけど、ケガで出場できなかった。今年、初の決勝でやっと優勝できてすごくうれしい」と明るい笑顔で喜びを話した。

目標はオリンピック

 阿左美さんが父・隆彰さんに連れられて初めてスノーボードをしたのは3歳の時。プレーをするのが楽しくて、小学1年頃には毎週末、練習に行くようになった。シーズン中は栃木県のハンターマウンテンスノーボードスクールが主な練習場に。雪のないシーズンは鶴見区のスノーヴァ新横浜や千葉の人口芝のジャンプ場に通い、練習を積む。母・香さんは「練習メニューも自分で決めている。年間を通して週末に家にいることは1度もない」と苦笑いする。

 これまでスノーボードで得た賞状は約30枚。将来の目標を問うと「オリンピックや世界で活躍できる選手になりたい」ときっぱり。2030年の冬季五輪を目指し、できることを積み重ねる。

インタビューに答える山中竹春市長

山中市長インタビュー 暮らしやすい環境創出 あらゆる世代に配慮

 本紙では2025年度のスタートにあたり、山中竹春横浜市長にインタビューを行った。山中市長は「あらゆる世代の皆様が暮らしやすい環境づくり」のため、地域交通の拡充など4つの柱を重点施策に掲げた。GREEN×EXPO 2027については地球規模の課題解決に向けた横浜の取組を世界に発信したいと意欲を語った。一方、任期満了に伴う市長選への出馬については、市政運営に専念する姿勢を強調し、明言を避けた。

◇  ◇

 新年度予算について山中市長は「任期4年間の総仕上げ」と位置づけ、「あらゆる世代の皆様が暮らしやすい環境づくりを加速させたい」と思いを語った。

 中でも「地域交通の拡充」、「防犯」、「防災」、「子育て支援」を4つの柱として重点施策に掲げた。

4つの柱

 地域交通の拡充については、日常生活での移動のしやすさに向けた取組として、バス停や駅まで一定以上の距離がある「交通空白地」の解消、敬老パスの利用範囲の拡大を進めるとした。

 防犯対策では、「全国でさまざまな犯罪が増えている」点を危惧。自治会町内会に対し新たに緊急補助を行い、防犯カメラの設置などへの支援を強化していくと語った。

 防災対策では、「避難所となる小中学校の体育館への空調設置やトイレ洋式化の完了に向け、トップスピードで取り組む」方針を示した。

 また、「避難所の備蓄品を大幅に充実させる」と語り、飲食料の備蓄量を大きく増やすほか、福祉避難所では、介護食としての流動食やきざみ食を新たに備蓄するとした。さらに、プライバシー確保のためのパーティション、簡易ベッド、衛生用品など、これまで備蓄していなかった品目を配備する。

 子育て支援では、商業施設などでの短時間預かり、公共施設などでの一時預かり、24時間365日の預かりなど、どのような場面でも預けやすい体制を整備。

 また、昨年、放課後キッズクラブ・児童クラブで実施した夏休み期間中の昼食提供が「好評だった」ことから、冬休み、春休みにも実施する。

 さらに、サービス向上のため4月にリニューアルが始まった中央図書館や野毛山動物園に続き、市内の動物園や図書館についても「横浜の財産であるので、生まれ変わらせたい」と意欲を語った。

 来年度から始まる中学校での全員給食では、生徒の意見を取り入れたメニュー開発や有名レストランとのタイアップなども進め、満足度の一層の向上につなげていく。

横浜から世界へ発信

 開幕まで2年を切ったGREEN×EXPO 2027について、「横浜市が目指す『持続可能なグリーン社会の実現』のためのロードマップ上に位置付けている」と語る山中市長。こうした取組に共感する企業や団体から、多くの出展や寄附の申し出がある現状に触れ、「温暖化など地球規模の環境課題解決に向けたアクションを横浜から発信し、盛り上げていきたい」と熱を込めた。

残りの任期に全力

 7月20日告示、8月3日投開票に決まった市長選については、「市民の皆様から託された残りの任期で、しっかり成果をお返しすることに全力を注ぐ」と述べ、出馬についての明言は避けた。

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アメリカ山公園 みつばちと花の写真展

 アメリカ山公園=中区元町=では、2026年3月まで、写真展「Harmony&Diversity〜みつばちと花と〜」をエスカレーター壁面で開催している。みつばち研究者の干場英弘さんが撮影した写真36点を紹介する。同園では、ミツバチを飼育する「はち育」に取り組み、採取した蜂蜜を商品化するなどしている。

「戦国時代の関東」 5月17日、蒔田で講演会

 蒔田に関係する吉良家の調査を行っている「蒔田の吉良歴史研究会」は5月17日(土)、講演会「戦国時代の関東【1】」を旅館松島=南区蒔田町=で開催する。講師は青山学院大学准教授の谷口雄太さん。午前10時30分から。参加費3千円。講演会後の懇親会(午後12時30分〜、食事、飲み物付)に参加する場合は合わせて8千円。

 問い合わせは同会事務局【電話】045・731・2720へ。

洋式化した小学校のトイレ

市立学校 トイレ・空調5年で整備へ 新防災戦略受け加速化

 横浜市は今年度から、市立学校505校のトイレの洋式化と小中学校体育館空調の整備を加速させ、5年をめどに工事を完了させる方針だ。新防災戦略を受けたもので、従来の取組を前倒しする。教育委員会の担当者は「防災の観点からすると学校は地域の公共施設。教育現場に配慮して進めたい」と話す。

残り3千基

 今回の取り組みは、市が今年3月に改定した「地震防災戦略」に盛り込まれたもの。同戦略では大規模地震の被害軽減を目的に、2029年度までの5年間を集中取組期間としている。今年度予算にも整備の加速が明記され、従来の計画を前倒しして2029年度までに完了する予定だ。

 トイレの洋式化はこれまでも市が重点的に取り組んできたもので、すでに505校中88%は完了。残る約3000基について、従来よりペースを上げて対応していく。

 教育委員会の担当者は「幼稚園や保育園も今はほとんどが洋式。子どもたちの使いやすさのためでもあると同時に、発災時には高齢者など地域の多くの人が使いやすくなるはず」とする。

避難所としても

 また避難所などにもなる小中学校体育館の空調については現在465校中115校(25%)が整備を完了。年に約20校ずつのペースだったものを前倒しして、こちらも5年間での完了をめざす。「夏場の利用などを想定した教育環境の整備が第一だが、能登半島地震を見ても避難所環境は重要。教育活動への影響を最小限にするために長期の休みを活用するなどして進めたい」という。

 今年度予算では22校の工事と80校の設計を盛り込み、次年度以降に80校の工事と80校の設計という計画で進めていく。

 地域施設としての学校の防災化としてはほかに、校庭の夜間照明の整備も行われている。市内25校に設置されており、このうち旧式の22校は順次、LED化と合わせて停電にも備えた防災対応のものに置き換えていくという。

 横浜市町内会連合会の馬場勝己会長は「避難所のトイレや空調は切実。早めてもらえるのならなにより」と話している。

横浜市、NHK契約漏れで受信料未払い333件 テレビ、公用車カーナビなど

 横浜市は5月2日、区や局で使用するテレビや公用車のカーナビなどで、NHKとの放送受信契約を結んでいない設備が333件あったと発表した。全国の自治体でNHKの受信契約漏れが報じられたことを受け、市が同様の案件がないか、全庁的に調査した結果、判明したもの。

 未契約の期間は、2006年度から24年度まで。内訳は、地上波放送が受信できるテレビが108件、衛星放送が受信できるテレビが35件、NHKが受信可能なワンセグ携帯が21件、車載カーナビが169件。区局別では、消防局が88件と最も多かった。

 市によると、毎年度NHK受信料の支払いのために、設備の台数調査を行っているが、報告漏れがあったことが原因だという。今後、未契約の設備はNHK横浜放送局と協議を進め、支払い事務を進めるとしている。

 再発防止策として、NHKの受信設備が不要の場合には、設備更新時に仕様書にその旨を明記することや調査手法を見直し、契約漏れが発生しないようにすることを挙げている。

 市総務局は「適正な事務処理がされず市民の皆さまの信頼を損ねることとなり、深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

親子と走る高橋尚子さん

高橋尚子さんや吉田沙保里さんらが親子とふれあう 日産スタジアムで「JA全農チビリンピック」

 「こどもの日」の5月5日、五輪金メダリストらと親子がスポーツを楽しむイベント「JA全農チビリンピック2025」が日産スタジアム=港北区=で行われた。

 イベントは日刊スポーツホールディングスと横浜市スポーツ協会が主催。全国農業協同組合連合会(JA全農)が特別協賛し、今回で47回目。

 会場には、JA全農所属の卓球の石川佳純さんやマラソンの高橋尚子さん、レスリングのアニマル浜口さんと浜口京子さん親子、吉田沙保里さん、サッカーの中村憲剛さんがゲストとして参加。

 親子でスタジアムと周辺を走るマラソンには高橋さんや吉田さんも参加。高橋さんはゴールではハイタッチをしながらランナーを出迎えるなどしていた。ほかにも、ゲストが玉入れやくす玉割りにも参加し、親子とふれあった。

 同イベントに19回目の参加となった高橋さんは「子どもが楽しそうな笑顔を見せてくれるのが一番うれしい。この中からいずれ日の丸をつける選手が出てほしい」と期待した。初参加の中村さんは子どもたちへのメッセージとして、「自分の可能性にふたをしないでほしい」と語り、チャレンジすることの重要性を訴えていた。

 スタジアムの外ではJA全農によるブースが展開され、農産物が販売されたほか、ゲストによる餅つきもあり、にぎわいを見せた。

報告を行う萩さん

高校生平和大使「核廃絶へ歩み止めない」 活動報告で決意新たに

 核兵器廃絶や平和な世界の実現を目指して活動している高校生の活動報告会が4月に行われた。

 報告したのは、昨年5月に「高校生平和大使」に選ばれ、約1年間活動してきた青葉区在住でフェリス女学院高校=中区=3年の萩有彩さんら。「高校生平和大使」は、全国の平和活動団体が1998年から国連に派遣しているもの。県内では県立高校の教職員らによる派遣委員会が2005年から生徒を送っている。

国連軍縮本部を訪問

 萩さんらは昨年7月に駅頭などで核兵器廃絶などを目指す署名活動を実施。萩さんは全国の他の平和大使とともに、8月にスイス・ジュネーブの国連軍縮本部を訪れ、全国から集まった9万6428筆の署名を届けた。

 スイスでは、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使と面会。「核兵器のない世界」がゴールである点は平和大使も日本政府も一致しているが、政府は核兵器禁止条約に署名・批准しない方針を崩していない。面会時に平和大使は「批准はしなくても、締約国会議にオブザーバー参加し、日本政府の姿勢を示すべきでは」と市川大使に質問したが、「オブザーバー参加も核保有国を巻き込んでいない時点で無意味で、核兵器に反対する国と依存する国の溝が深まるだけ」との回答があったという。

 萩さんは「日本政府の断固たる姿勢に、自分たちの活動の意義を問い直した」と振り返りつつ、「異なる意見を持つ相手と話す時は、意見の背景を理解し、同意はできないが理解はできるという状態こそが対話の第一歩となる」と面会で得たものも大きかったとした。

 ほかにも、11月に長崎県・対馬で韓国の高校生と「日本軍『慰安婦』」について意見交換を行ったことも報告した。

 萩さんは「核兵器廃絶は達成しなければいけない未来で、活動の歩みを止めてはいけない」と話し、「高校生や若い人の活動が大人へのプレッシャーになる」という。4月26日には、連合神奈川による「かながわ中央メーデー」に参加し、核兵器廃絶を訴えて署名活動も行った。「今後も世界平和を目指した活動を続けていきたい」としている。

5月3日の発表会で特別仕様のナンバープレートを手にする(左から)河村事務総長、高橋副大臣、山中市長

園芸博仕様のナンバープレート デザイン発表 6月から申込受付

 2027年に行われる「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)の開催を記念した特別仕様のナンバープレートのデザインが、5月3日にパシフィコ横浜で開催された「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」の中で発表された。

 ナンバープレートは園芸博の機運醸成を図ろうと、主催する公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会がデザインしたもので、ロゴマークがあしらわれている。

 申込受付は6月9日に始まり、交付は7月14日から2027年11月30日まで。申し込みは、専用サイト(https://www.kibou-number.jp/)から行うことができる。料金は5月下旬に同サイトで公表される予定。新車・中古車の購入時だけでなく、現在所有している車両の車検時にも、番号を変更することなく交換が可能。「フルカラー版」と「モノトーン版」の2種類が用意されており、フルカラー版の申し込みには1千円以上の寄付が必要となる。寄付金は、園芸博の開催に関連した交通サービスの充実などに充てられる。

 3日の発表会には、高橋克法国土交通副大臣、同協会の河村正人事務総長、横浜市の山中竹春市長が出席。高橋副大臣は「多くの人に付けていただき、『走る広告塔』となれば」と期待を寄せ、山中市長は「市の公用車もこのナンバープレートに切り替えていきたい」と述べた。

「パウ・パトロール」のキャラクター「チェイス」(右)と「マーシャル」

初夏の陽気 「ザよこはまパレード」に38万人 「パウ・パトロール」のキャラも登場

 横浜の大型連休の恒例行事「ザよこはまパレード(国際仮装行列)」が5月3日に行われ、63団体、約3千人が山下公園前や赤レンガ倉庫前などを練り歩いた。全長3.4Kmのコースには、主催者発表で約38万人の観客が詰めかけた。

 前半の「キッズパレード」には、人気アニメ「パウ・パトロール」のキャラクター「チェイス」や「マーシャル」らがオープンカーなどに乗って登場し、沿道の子どもたちに手を振って笑顔を誘った。

 各部門の受賞団体は次の通り。【スーパーパレード フロートの部】▽はまっパレ大賞…崎陽軒▽準はまっパレ大賞…イセザキ・モール、ありあけ【スーパーパレード 徒歩の部】▽はまっパレ大賞…ヨコハマリトルメジャレッツ/ザ ヨコハマスカウツ Drum & Bugle Corps▽準はまっパレ大賞…青山学院横浜英和中学高等学校/綾北 “Mercury winds”、洋光台バトン/神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部White Shooting Stars【キッズパレードの部】▽はまっパレ大賞…ヨコハマチキージャズ/横浜市ジュニアマーチングバンドBay Wind▽準はまっパレ大賞…DANCE STUDIO GROW UP、SWEET BAMBI'S/横浜市立下野庭小学校マーチングバンド【ローズパフォーマンス コカ・コーラ ボトラーズジャパン賞】一般財団法人民族衣裳文化普及協会

大会のポスター

プロレスリング・ノア 5月10日にラジアントホールで大会 3組6人を招待

 プロレス団体「プロレスリング・ノア」が5月10日(土)午後4時30分から、横浜ラジアントホール=中区長者町=で大会を行う。

 3日に両国国技館で行われた大会では、OZAWA選手がGHCヘビー級王座を防衛、清宮海斗選手が次期挑戦者に名乗りを上げるなど、今後の展開から目が離せない。

 同団体は子どもたちにプロレスの魅力を知ってもらおうと、一部大会で小中学生の観戦を無料としており、ラジアントホール大会も無料となる。入場方法は団体のサイト(https://www.noah.co.jp/)で確認できる。

 大会に読者3組6人を招待。メールに〒住所、氏名、年齢、電話番号、NOAH選手への応援メッセージを明記し、件名を「NOAHラジアント」として編集室(yoko-d@townnews.co.jp)まで。5月7日(水)着分有効。当選者にはメールで連絡。

横浜市 カスハラ対策の基本方針策定 区役所8割が経験 「組織として毅然と対応」

 横浜市は4月30日、職員が理不尽な要求や迷惑行為を受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策基本方針を策定したと発表した。この中で、職員に対する不当な要求や人格否定などの言動に組織として毅然と対応する姿勢を明確にした。

 カスハラが社会問題化する中、市は昨年度から対策を検討してきた。昨年12月から今年1月に行った実態調査では、市全体の770課のうち72%にあたる553課がカスハラがあったと回答。区役所では88%(205課)、局では65%(348課)の部署がカスハラ被害を報告している。対応時間は、区では30分以上60分未満が49%(101課)と最も多い一方、局では60分以上の対応が45%(127課)と最も多かった。

9割が精神的な攻撃

 職員が受けたカスハラの内容は、区では「継続的、執拗な言動」や「威圧的・差別的な言動」、「脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言など」がいずれも9割を超えた。ほかにも「SNS等での誹謗中傷」や「暴行、傷害などの身体的な攻撃」も3割前後あった。

ガム吐きかけ、SNSに顔写真

 具体例として、「制度上対応できないと説明した途端に激高して机を叩き、ガムを吐きかけられた」「SNSに職員の氏名とともに写真を投稿された」「女性職員の説明では納得できないと男性職員への交代を強要された」などが挙げられている。こうした行為により「その後の対応が怖くなった」と回答した職員は、区でカスハラがあったと回答した課の職員全体の15%だった。

 対策基本方針は基本的な考え方を「職員の人権や就業環境を脅かす言動に対し組織として毅然と対応する」と示し、カスハラを「要求内容が妥当性を欠く」、「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもので、職員の就業環境が害されるもの」と定義。カスハラが疑われる言動があった際には、組織として事実把握し、悪質な場合は警察への通報や法的な対応を行うことを記した。

 具体策として、ケース別の対応方法を整理したマニュアルを策定したほか、研修や相談体制の整備を進めるとしている。

自分好みのベルギービールを探そう

5月8日〜11日 横浜・山下公園で「ベルギービールウィークエンド2025横浜」 14タイプ96種類を飲み比べ

 初夏恒例のビールイベント「ベルギービールウィークエンド2025横浜」(横浜)が5月8日(木)〜11日(日)、横浜の山下公園で4日間にわたり開催される。駐日ベルギー王国大使館が特別協力。

 BBW横浜では14タイプ96種類のベルギービールのほか、名物フリッツ、フリッカンデルやブーレットなどのベルギー料理、ベルギービールに合うローストビーフやジャークチキン、デザートにはベルギーワッフルなど約40種類のグルメ料理が登場する。

ステージではライブも

 会場ステージでは、ベルギー人MCがベルギーにまつわる様々な内容を中心に、クイズやゲームを交えながら楽しいトークを繰り広げる。週末には、ベルギーから来日するシンガーソングライター「ISE」と国内で活躍する2組のインストバンドの演奏で会場を盛り上げる。土産用のベルギービールやベルギー菓子、雑貨などが並ぶベルギーマルシェも。爽やかな初夏の海風と澄み渡る青空の下でベルギービールを飲みながら、グルメ、ミュージック、ショッピング、ツーリズムとベルギーを丸ごと楽しめる。

 時間は午前11時〜午後9時(初日のみ午後4時開始、最終日は8時まで。ラストオーダーは終了30分前)。

横浜大会の「スイムポンツーン」 © Shinji KAWATA Japan Triathlon Media

世界トライアスロン横浜大会15回記念 子どもたちが稚魚放流 5月18日、参加者募集中

 世界トライアスロン横浜大会(5月17日、18日開催)に合わせ、5月18日、山下公園=中区=で小中学生を対象にしたスイム飛込用浮桟橋ウォークと稚魚放流イベントが行われる。

 2009年に始まった横浜大会が15回目を迎えることを記念した企画。参加者は選手がスタート時に使用する「スイムポンツーン」と呼ばれる浮桟橋の上を歩き、その場所から稚魚を放流する。15回の大会開催を通じてきれいになった海への感謝と、将来に向けてきれいな海を残していきたいという思いを込めて行う。

 実施は午前11時40分から約30分間。対象は小学生から中学生までで、参加費無料。参加者には大会オリジナルグッズがプレゼントされる。保護者の同伴も可能で、車いすでの参加にも対応する。定員は50人で、5月12日まで専用申込ページ(https://peatix.com/event/4397336/view)で先着順に受け付ける。大会情報は公式サイトで。

「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」を務める高橋優斗さん  【プロフィール】1999年11月15日、横浜市出身。2015年から芸能事務所に所属し、テレビや舞台、コンサートなどで幅広く活動。2024年に芸能事務所を退所し、YX factory株式会社(現 横浜バニラ株式会社)を設立、代表取締役社長CEOに就任。スタートアップ起業家として、横浜発ギフトスイーツ「横浜バニラ」ブランドを展開する。

横浜「注目の人」インタビュー 「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」高橋優斗さん 大好きな横浜に新しい風吹き込む

 馬車道、関内、山下公園、横浜中華街、元町・山手の横浜ベイエリアで5月24、25日に開催されるイベント「ハマフェスY166」。複数の会場で音楽や食などが楽しめるこのイベントの「次世代ブランドディレクター」に就任したのが横浜市出身で横浜バニラ株式会社の代表取締役社長CEOを務める高橋優斗さん(25)。15歳から芸能活動を行っていた高橋さんは、2024年にギフトスイーツを手掛ける会社を設立。第1弾商品の「塩バニラフィナンシェ」が人気を集めている。横浜への愛着が強い高橋さんに「ハマフェス」への思いや起業のきっかけなどを聞いた。(取材=2025年4月17日)

◇ ◇ ◇

――今回、「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」に就任しました。意気込みを教えて下さい。

「実は昨年のハマフェスには、一人の市民として遊びに来ていました。今回、横浜を代表する多くの企業が力を合わせて盛り上げるという、歴史あるイベントに参加させていただけることをうれしく思っています。若い人に来ていただけるようなイベントにするという実行委員会の思いがあり、私に声がかかったという認識です。このイベントをさらに進化させたいと考えているので、今回がその第一歩だと感じていただければと思っています。15歳から芸能活動を始め、東京を拠点にしていたので、これまでは横浜の方とお会いする機会があまりありませんでした。横浜はとても好きな街なので、盛り上げたいと思うと同時に、今回、若い世代として大きなイベントに参加させていただけることを光栄に感じています。先日、実行委員会の会議に出たのですが、横浜の地域や企業の重鎮ばかりでした(笑)」

――「ハマフェスY166」へ向けて、具体的にどのような活動をしていますか。

「すでに企画を進めている大学生との話し合いに参加しています。今回は時間が限られていたので、間に合わなかったものが多くありました。今回は自分が表に出るパフォーマンスはありませんが、横浜は『音楽の街』と感じるので、来年以降は、音楽をテーマにした企画を行えたらといいなと考えています。『ハマフェス』に長期的に関わっていきたいと思うので、『Y170』あるいは『Y200』まで関われるようにしたいです」

――これまでの活動から横浜への愛着を感じます。横浜の中で思い出の場所はどこですか。

「大さん橋や赤レンガ倉庫の風景は、辛い時の自分を支えてくれた場所です」

――始球式に4年連続で参加するなど、横浜DeNAベイスターズの大ファンとしても知られています。

「昨年、生まれて初めてベイスターズの日本一を見て、どうしたらいいか分からなくて、とにかく涙が出ました。ベイスターズは横浜の象徴ですし、ほぼ毎日試合を見ています。同世代の選手が次々と活躍する中、度会(わたらい)隆輝選手に注目しています。チームを明るくしてくれる存在ですね」

「強いオーナーシップを持った人間になりたい」

――2024年10月に会社を設立しました。以前から経営に興味があったのでしょうか。

「以前からありました。漠然とですが、18、19歳ぐらいの頃から、40、50歳ぐらいには自分の会社を持つことを経験したいとは思っていました。芸能活動は波があり、その中で生きていくこと、永遠にそこにいることは難しいだろうと思っていましたし、世の中のことを知らなすぎると痛感しました。この業界でなくなると、生きていけないのではと感じてしまうような、少し特殊なところでもありました。芸能の仕事をする中で企業の皆さんにお会いする機会が多く、自分の会社やチームを持っている方は、いろいろな波を乗り越えていて強いと感じましたし、その力に憧れというか、何か惹かれるものがありました。『生きる力がすごいな』と思い、そこに魅力を感じました。強いオーナーシップを持った人間になりたいと思い、さまざまなタイミングが重なって起業しました」

――地元の横浜で起業したのは、どういった思いからですか。

「まず会社を作る時、自分が大好きなものから始めたいと思い、野球やアニメとともに大好きな横浜を選びました。横浜は仕事で帰ってくる機会も多かったですし、地元の友達との思い出や青春、そして家族との温かい思い出がたくさん詰まっている場所でした。横浜出身であることに自信もありました。とても愛着があったからこそ、横浜をもっと魅力的な場所にしたいと思い、会社を立ち上げました」

――社名の「横浜バニラ」に込められた思いを教えて下さい。

「最初は『YX factory(ワイテンファクトリー)』という名前で立ち上げました。『横浜から10年後を作る』、『横浜のさまざまな可能性を掛け合わせて作っていく』という意味を込めていました。横浜が軸足ということで、そこから社名を『横浜バニラ』にしました。我々が手掛ける『横浜バニラ』というブランドを圧倒的な軸として、100年後まで続くおみやげにしたいと思っています」

「開国博Y150」の思い出からアイスに

――バニラに着目したのはどうしてですか。

「小学4年生だった2009年、家族で横浜開港150周年のイベント『開国博Y150』に行き、ペリー来航の歴史などと一緒に横浜発祥のものが紹介される企画を見ました。そこにアイスクリン(現在のアイスクリームの原型とされるもの)の製造機械があり、アイスが特別好きだったというわけではないのですが、そのことがとても強く印象に残っていました。歴史もありながら若い世代も楽しめるようなおみやげ作りにいろいろ悩んでいたところ、横浜発祥のアイスクリームのことを思い出し、『アイスクリームといえば、バニラだろう』となりました。日本アイスクリーム協会が調べた好きなアイスクリームの味ランキングでもバニラは1位で、感覚的にも多くの人が連想するものがバニラでした。社名の『横浜バニラ』は直感で決めましたが、覚えやすくて良かったと思います」

――社長としての仕事と芸能活動、どのように違いを感じますか。

「全然違いますね。やっぱり一つ一つの決断の重みが違うというか、会社を立ち上げたばかりなので、それは痛感します。例えば、『この量発注していいのか』とか、大きなお金が動くことですし、かなりシビアです。少しうまくいっているなと思うとトラブルが起きたりして。でも、それが当たり前だと感じるようになりました。より責任が求められるという感じです。自分がやりたいと考えたことに対し、社員についてきてもらうことになるので、すごく慎重になりながらも、決断して進めています。とにかく、決めるということが多いですね」

――「横浜バニラ」ブランドの第1弾商品となった「塩バニラフィナンシェ」は、2025年2月22日に販売を始め、「12時間で販売されたフィナンシェの最多個数世界No.1」としてギネス世界記録に認定されました。この商品もご自身のアイデアですか。

「まずやりたかったのは、バニラ味のお菓子でした。アイデアを何とか形にしてくれる仲間が多くいるので実現できました。経営者として、僕自身も反省する分、相手からいろいろなことを聞くと『これ違うんじゃないですか?』とどんどん言いたくなってきましたね。それを反復している感じです。社内でも、アイデアや『これをやりたい』っていうことが多いですね。意味の分からないことも言うので、そうすると周りに止められます(笑)」

――「塩バニラフィナンシェ」は横浜の高島屋やそごう、ジョイナス、新横浜駅構内などでも販売され、大人気商品となっています。

「おかげさまで大きな反響をいただいています。生産が追い付かない状況で、近々改善する見込みです。残念ながら、ハマフェス会場での販売はないのですか、すでに幅広い世代の方に手に取っていただき、とてもありがたいです。そこは目指しているところなので、忘れずに着実にやっていきたいと思っています」

――次の商品は考えていますか。

「考えています。バニラを起点に広げていくという強い思いを持っていて、すでに進めているものがあります」

――アニメが好きとのことですが、推しの作品はありますか。

「たくさんありますね。 『薬屋のひとりごと』は本当に面白いです。あと、『わたしの幸せな結婚』も。1クール前は 『Re:ゼロから始める異世界生活』や『アオのハコ』がやっていて、もう毎週見るものがある『神』みたいな状態でした。最近になって、『ONE PIECE(ワンピース)』が面白いなと。原点にして頂点なのかもしれないですね。『ワンピース』って溜めて見たくなる時があるじゃないですか。僕は溜める派なんですよ。たまにネタバレをくらうのですが(笑)。限定パッケージとか、アニメとコラボした商品開発もやってみたいですね」

センチメンタルな気分になる赤レンガ

――今後、関わってみたい横浜のスポットやイベントはありますか。

「赤レンガ倉庫では年中、イベントが行われていますよね。特にクリスマスの時期のイベントは印象的なので、そこに関われたらうれしいです。疲れた時に赤レンガへ行くと、幸せそうな家族が散歩しているんですよ。海からの浜風を感じながらそれを見ると、どこかセンチメンタルな気分になりますね」

――最後に「ハマフェスY166」を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

「若い世代にどれだけ来てもらえるかが、今後のハマフェスの大きなテーマとなります。歴史もありつつ、進化するのが横浜らしいイベントだと思うので、その一歩目となるハマフェスY166に来ていただければと思います」

連載コーナー49 横浜とシュウマイと私 「定着?スタジアムシュウマイ」

令和はシュウマイの時代!その中心は横浜!と断言するシュウマイ研究家が、横浜から「シュウマイ愛」を叫び(語り)ます。あなたの中で閉ざされた「シュウマイ愛」の扉が開くかも?

 先日、以前Bリーグチームの広報をしていた大学同期から、横浜BUNTAI(旧横浜文化体育館)で行われた「横浜ビー・コルセアーズ」の試合に誘われ、初Bリーグ観戦を体験。元バスケ部ながら試合に出ることがなかったほろ苦い思い出と共に、売店で買った地元横浜のクラフトビールの苦さが身に染みた...というのはウソで、購入しておいた崎陽軒「昔ながらのシウマイ15個入り」とビール片手に、「即席シウマイスポーツ酒場」を満喫しました。

 そして改めて、スポーツ観戦とシュウマイの相性の良さを実感。その理由は、【1】一口二口で食べやすいサイズ【2】多少冷めても美味しさに影響がない(特に崎陽軒は冷めても美味しいが基本)【3】大量調理&保温に向いている、と様々ですが、その象徴と言えるのが、横浜スタジアム内で販売される「シウマイ弁当」。残念ながらそれに続く目立った存在はこれまでありませんでしたが、近年横浜日産スタジアム内で、野毛「焼売スタンドきんぎょ」が「中華食堂きんぎょ」として営業を開始。ジャンボサイズの手包みシュウマイを提供。横浜で「スタジアムシュウマイ」が定着? 

 ぜひこの動きが全国に広がって欲しいわけですが、個人的にはシウマイの街・栃木県鹿沼市が、地元のBリーグチーム「宇都宮ブレックス」の試合で提供を始めてほしいです。ちなみに同チームで活躍する元NBA・田臥勇太選手は横浜市金沢区出身。私の3つ下で当時から有名人でした。