都筑区版【5月15日(木)号】
「ご来場お待ちしてます」と話す会員ら

まちなかbiz EXPO初開催 ビジネスで地域を元気に

 都筑・青葉・緑の3区に拠点を持つビジネスコミュニティ「まちなかbiz」が5月17日(土)、展示商談会「まちbizEXPO」をボッシュホール(中川中央1の9)で初めて開催する。EXPOは、ビジネスマッチングなどを通じた新たなつながりの創出による3区中心の地域活性化が狙いだ。

 まちなかbizは、「地域課題をビジネスで解決する」をコンセプトに、ビジネス拠点を提供する会員制コミュニティ。都筑・青葉・緑の企業や個人経営者、起業家など約850者が所属している。レンタルオフィスやバーチャルコミュニティ事業を展開しているほか、イベントの運営などを通し、会員の人脈作りや事業支援を行っている。

 「まちbizEXPO」の構想は約1年半前から。きっかけについてまちなかbizつづきの小杉駿介代表は「会員の多くが地域に根付く企業や個人経営者。『地域の企業や住民とつながり、地域に貢献したい』という声が挙がっていたので、実現の機会をつくりたかった」と語る。

「街の専門家」に困りごと相談

 EXPOでは「地域」をテーマに、出展者と来場者が相互に情報収集を行いながら、自社サービスの認知や新規顧客の獲得、販路開拓などを進め、事業化促進や市場の創出を図る。

 当日は43者が出展。美容・健康や建築、不動産など、さまざまなジャンルの「街の専門家」が集う。ビジネスマッチングやスタートアップ・起業家相談会をはじめ、就活学生向けブース、地元企業を応援できる特別スポンサー企画など、多様な催しが行われる。

 小杉代表は「困りごとを抱える地域住民にとっても、解決の糸口を見つける機会になると思う」と語る。今後は「地域に関わる全ての人たちが手を取り合い、未来への一歩を踏み出せるイベントとして定着させたい」と意気込む。

 EXPOは、午前10時から午後3時。入場無料。事前に来場予約をすると、当日の受付がスムーズになるほか、出展者の商品サンプルのプレゼントや商談予約が可能になる。

横浜市 12年ぶり待機児童ゼロに 保留児童は1511人

 横浜市はこのほど、4月1日現在の保育所等利用待機児童数が12年ぶりに0人になったと公表した。一方で、特定の園を希望しているなどの理由で待機児童から除かれる保留児童数は過去最少となったものの、1511人となっている。

 市の待機児童は2010年に1552人と全国最多だったが、施設整備などを推し進め13年には0人を達成。その後、少子化を背景に就学前児童数は減少し続けるも、共働きの家庭が増加するなど利用ニーズは高まり、待機児童は2〜63人で推移していた。保留児童も増加傾向にあった。

 今年度の待機児童は昨年度比で5人減り、12年ぶりに0人を達成。要因として市は、ニーズの高い1歳児の受入枠拡大、送迎支援の推進、医療的ケア児の受入推進、園選びサポートの4つの取組みをあげている。今後もさらにそれぞれの対策を拡充していく方針だ。

1歳児受入拡大に重点

 今年度の1歳児の受入枠拡大については、認可保育所等の定員構成の見直しや保育所整備で、新たに404人分の受入枠を確保。既存施設の受入枠拡大に対する補助や、新設のための補助基準額の増額なども継続して行っていく。

 送迎支援では、保育所等に入所できず保留となった1、2歳児が、自宅から遠距離の小規模保育事業所を利用する際、駐車場に係る費用やタクシー代の補助を行う。

 医療的ケア児の受入推進については、看護職員を複数配置し、常時受入れが可能な「医療的ケア児サポート保育園」を前年度から7カ所増設し、医療的ケア児の受入れ人数を26人増加させた。

 園選びのサポートについては、保護者向け園選びサイト「えんさがしサポート★よこはま保育」を充実させ、情報発信や保育・教育コンシェルジュによる個別フォローを実施していく。

 こども青少年局保育対策課の担当者は「これまで各区の保育・教育コンシェルジュを中心に一人ひとりに寄り添った対応をしてきた。今後も継続してニーズの分析などを行い、待機児童数ゼロの継続、保留児童数減にも努めたい」と話した。

4月に武相中学・高等学校の校長に就任した 田中 徳孝さん 茅ケ崎南在住 62歳

現場主義活かし役割全う

 ○…創立83年の歴史ある学校の校長に4月に就任。「思いもよらなかった」というのが当初の心境。前校長の体調を考慮し、母校で体育教師を務め約40年になるベテランに白羽の矢がたった。「生涯現場主義」。生徒と授業で接していられることが教師としての喜びの一つ。現場を離れることは寂しいが、「期待されてお声がけいただいた以上、しっかり務めたい」。生徒、教員の双方が調和して学校は成り立つと言い、長年現場で培ってきたものを活かして、環境づくりに励む。

 ○…川崎市多摩区に生まれ育つ。多摩川が近く、自然の中を駆け回る活発だった少年時代。小学校では「体育の先生」に憧れを持ち、陸上の世界に飛び込むきっかけや、教師を目指す礎に。陸上部中心の中学校生活を経て、武相高校に進学。男子校を希望したのは、気を使わず、自分をさらけ出せると思ったから。「そして相手を深く知ることができた」という。友人たちとは今でも連絡を取り合う仲だ。

 ○…進んだ日体大にはトップアスリートが集まってきた。競技では太刀打ちできないと、途中から後輩の指導・アドバイスに力を入れる。「大学記録などの結果が出て、喜んでくれた」。そこで指導者への思いにも気付く。卒業後、縁あって母校の教師に。29歳から、校長になった現在も陸上部の顧問を務める。部として初のインターハイ出場や、のちの五輪選手の育成にも携わった。

 ○…将来像を描き、かなえる努力をする生徒たちをサポートし、世界に羽ばたく人材を育成するのが役目だ。還暦を過ぎても元気でいられる秘訣は「生徒たちの存在」。「英気をもらっているのかな。生徒たちが頑張っている姿をみると応援したくなるし、自分の励みになる」と目を細める。

レポートを発表するラミア局長(中央、横浜市提供)

横浜市 気候変動対策の評価対象都市としての取り組み発表

 横浜市は、脱炭素化に関する取り組みをまとめたレポートを4月16日にパリで行われた国際会議「Urban Days」で発表した。市が2023年に経済協力開発機構(OECD/本部・パリ)による気候変動対策の評価対象都市に、世界で初めて選定されたことを受けて行われたもの。

 OECDは、各国の環境政策などに関する調査や分析を実施。都市などにおける気候変動対策を重要視し、23年のCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)で、独自の指標で政策を評価する「TACAR」(気候変動対策とレジリエンスのための地域的アプローチ)を発表した。

 TACARには、大きく9項目の評価基準を設定。これには国や都市圏などで気候変動対策を実行しているか、市民を気候変動の取り組みに巻き込めているかなどの要素が含まれている。

 市は、2050年までに脱炭素化を目指す「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、公民連携で再生可能エネルギーの導入などを促進。市民向けの取り組みとして、節電効果の大きい家電の購入を促す事業や啓発活動などを行い、持続可能な社会の実現に向けた意識醸成を図ってきた。

 地域における不平等・格差問題の是正などに取り組む都市の首長によるネットワーク「包摂的成長のためのOECDチャンピオン・メイヤー」に山中竹春横浜市長が23年に就任。OECD側から気候変動対策の評価対象都市の選定に関する話を受けた。市はTACARに則る評価基準9項目のうち7項目で最高評価を獲得し、同年に評価対象都市として世界で初めて選ばれた。

 市は選定の根拠となった取り組みをまとめた約60ページのレポートを作成。OECDのラミア・カマル・シャウイ局長がUrban Daysで発表した。ラミア局長は「世界中の国々や都市、自治体などに示唆を与えることになるだろう」と感想を述べた。

 市の担当者は「レポートを活用した上で、今後も市民を環境保全に関する取り組みに巻き込んでいきたい」と話す。

山中市長 再選出馬報道を否定

 横浜市の山中竹春市長は5月14日の定例会見で、横浜市長選挙(7月20日告示、8月3日投開票)に再選を目指して出馬の意思を固めたとの一部報道を否定した。

 記者から市長選について問われ、「残り3カ月の任期で、これまでやってきたことを形にして、市民にお返しすることに集中している」と語り、出馬の判断時期についても「適切な時期に判断したい」と述べるにとどめた。

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引き取り数に応じて進呈されるカード

茅ケ崎公園自然生態園 めざせマスター 捕獲ザリガニの受入開始

 茅ケ崎公園自然生態園(茅ケ崎南1の4)で今年も「ザリガニマスター」の登録が始まった。

 同園では、生態系に影響を与える外来種のアメリカザリガニの駆除を呼び掛けるため、2004年から捕獲したザリガニを引き取っている。「ザリガニマスター」は、多くの人に捕獲に参加してもらおうと、12年から実施している企画。引き取りの匹数に応じて10級(10匹)から10段(4500匹以上)まで階級ごとのカードと交換できる。ザリガニマスターには毎年度、事前登録(登録料100円)が必要。引き取り期間は5月から10月の半年間。捕獲数は累計なので、年度をまたいで「進級」が可能だ。

 同園事務局の保川一治さんによると、昨年度は約40人が登録、約1200匹を引き取ったという。5月11日時点で10段の「名誉マスター」が1人、9段(3500匹)が1人、6段(2000匹)が6人いる。引き取り数は昨年までの累計で4万9000匹を超えている。

 引き取るザリガニは同園外で捕獲したもので、同園の開園日(土・日・祝日、9月までは午前9時から午後4時まで、10月以降は午後3時まで)に持ち込む。カードの渡し日は第1・3日曜日の午後1時30分から4時のみ。問合せは同園【電話】045・945・0816(月・火は不在)。

つづきジュニアストリング 新規メンバー募集 8月10日にコンサート

 都筑区を拠点に活動する弦楽オーケストラ「つづきジュニアストリングス」が、8月10日(日)にボッシュホールで開催予定のコンサートに向け、新規メンバーを募集している。

 同オーケストラは、参加者に「音楽の楽しさ」を実感してもらおうと、新しい仲間との出会いやプロの音楽家による指導、音楽を奏でる場を提供している。

BH(ボッシュホール)で晴れ舞台

 コンサートに向けた練習の日程や内容は、左上表の通り。場所は全日ボッシュホール。メイン演奏曲目は「ブルックグリーン組曲(ホルスト)」、「おもちゃのシンフォニー第1楽章(アンゲラー)」、「君をのせて(久石譲)」。さらに、チャレンジ演奏曲目(任意参加曲)として「2つのヴァイオリンのための協奏曲第1楽章(バッハ)」を演奏する。

 参加費は1万円(コンサート出演料込み)募集人数は、ヴァイオリン20人、ヴィオラ5人、チェロ3人、コントラバス2人。楽譜が読めるパーカッション(8月8日、10日のみ)・弦楽器初心者も幾人か募集。対象は全日程に参加できる小学3年生から高校3年生まで。申込は6月8日(日)までに左記フォームから。

 (問)【携帯電話】050・3553・2114(NPO法人都筑文化芸術協会)

北山田駅で啓発活動を行う会員ら

交通安全対策協議会 自転車マナー向上を啓発 強化月間に合わせ

 都筑区交通安全対策協議会(会長/佐々田賢一区長)が5月2日、九都県市一斉で実施している「自転車マナーアップ強化月間」に合わせ、北山田駅構内で街頭啓発活動を行った。

 強化月間は「自転車も のれば車の なかまいり」をスローガンに、ルール遵守や交通マナー向上の呼びかけ、自転車整備の促進、ヘルメット着用努力義務の周知徹底を行うことで、自転車の交通事故防止を図るもの。

 この日は、駅周辺を走行中の自転車利用者や歩行者などにハンドプレートを提示し、啓発グッズや保険加入促進のチラシなどを配布した。

高校や公園でも

 同会は期間中、荏田高校入口正門付近や山崎公園=中川=周辺の緑道や遊歩道でも啓発活動を実施予定。また、都筑警察署と関係団体は、区内小学校で児童や教職員、保護者らへ向けた「はまっ子交通安全教室」の開催を予定している(6月以降も継続実施・全9校)。

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関家住宅

都筑をガイドする会 関家住宅と尾根道を巡る 6月21日、参加者募集中

 都筑をガイドする会は6月21日(土)、国の重要文化財にも指定されている勝田町の関家住宅と早渕尾根道からの眺望を楽しむガイドイベントを開催。現在、参加者を募集している。

 当日は仲町台駅に集合し、午前9時からの受付順にスタート。関家住宅を見学の後、勝田杉山神社、最乗寺、清林寺を経由。早渕川を望む昔道からの眺望を楽しんだ後、大善寺の西ノ谷遺跡跡を巡り、センター北駅で解散となる。約6Km、3時間ほどの行程。小雨決行。荒天中止。

 関家住宅は、市内の古民家として唯一、国の重要文化財に指定されている建造物。主屋の建築は17世紀前半にさかのぼり、関東地方で最古級と考えられている。主屋の他、18世紀前半に建てられた書院、19世紀中ごろに建てられた表門も残っている。普段は公開されていないが、ガイド当日は、当主の好意で書院を開け、庭から見学ができる。

 申込みは参加者全員の住所、氏名、年齢、連絡先、何で知ったかを明記の上、【1】同会ホームページのフォーム、【2】メール(newtga2022@gmail.com)、【3】広報担当者の電話番号(090・3685・4596)へのショートメール、のいずれかで。先着50人。参加費500円。6月14日(土)締切(定員に達し次第締切)。問合せも同番号。

5月25日 小鼓の世界へようこそ 演奏体験のWS(ワークショップ)も

 ボッシュホール(都筑区民文化センター)で5月25日(日)、「小鼓の世界へようこそ」と題した演奏会が開かれる。午後3時開演(公演約1時間30分)。

 出演は望月太津友と千人鼓の会、花柳大日翠、長唄連中。約30人が日本の伝統楽器「小鼓」で『三番叟組曲』などの演奏や踊りを披露する。また、伝統芸能に初めて触れる人でもわかりやすいよう、日本語と英語通訳での紹介や小鼓の演奏が体験できるワークショップなども行われる。

 チケットは全席指定で大人2500円、小学生以下1000円。未就学児も入場可。2歳以下の膝上鑑賞は無料。チケットはボッシュホールLINEチケットサービスか電話予約、窓口販売で。電話予約、問合せともに【電話】045・530・5084(午前9時から午後8時※休館日除く)。

 なおワークショップ参加希望者は、当日会場で受け付け(先着10人)。

区内碁打ち「春の陣」 6月15日、中川西地区セン

 都筑区囲碁連盟は6月15日(日)、第53回都筑区囲碁大会を中川西地区センター(中川2の8の1)で開催する。当日午前9時30分から受付。参加費は昼食付で1人1500円。女性および高校生以下は1000円。段・級位毎に4クラス別の変則4回戦。初心者も参加可。成績優秀者は市の対抗戦に推薦される。

 問合せは広報担当・曾木さん【携帯電話】090・6943・9310。

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見学終了後、質問に答える児童ら

在宅避難を施設で体感 青葉区・小4年生が見学

 青葉区のもえぎ野小4年生73人が、茅ケ崎中央の東京ガスライフバル横浜北ショールーム内の「エマージェンシーハウス」を訪れた。見学はごみの排出や分別、リサイクルなどを学ぶ社会科の授業の一環。児童らは午前中にごみ焼却施設である平台の都筑工場を見学した。

 同社はエマージェンシーハウスを使った防災啓発活動について青葉区と協定を結んでおり、小学生の見学も積極的に受け入れている。児童らは3グループに分かれ、在宅避難時に必要な備えや過去の災害史について学び、段ボールベッドや非常用トイレなどの防災設備を体感した。

平和のための戦争展 改めて知る戦後80年

 「2025平和のための戦争展inよこはま」が5月25日(日)と31日(土)、かながわ県民センター2階ホールで開催される。

 同展実行委員長でノーベル平和賞を受賞した日本被団協の事務局次長を務める和田征子さんの講演(25日)や慶大名誉教授で世界平和アピール七人委員会委員の小沼通二さんの講演、朗読劇(31日)などが行われる。両日午後1時30分から4時。費用は資料代800円。高校生以下無料。

 また5月30日(金)から6月1日(日)まで、横浜大空襲に関する資料などの展示が同センター1階展示場で開催される。午前10時から午後7時(最終日は6時)。入場無料。

 問合せはすべて同展実行委員会【携帯電話】090・8726・5227へ。

睡眠や余暇の時間と「時間貧困」の関係

働く子育て世代の「時間貧困」 横浜市大 幸福感低い傾向に

 横浜市立大学はこのほど、働く世代が感じる「時間が足りない」という感覚、いわゆる「時間貧困」が、幸福感や精神的な健康、仕事への満足度などと深く関連しているとする調査結果を発表した。

 この研究は、同大医学部看護学科老年看護学の三浦武助教や同大学院国際マネジメント研究科の原広司准教授らの研究グループが、横浜市在住で子育て中の1万世帯を対象とする大規模調査アンケート「ハマスタディ」の一環として実施。1979人の回答を分析した。

「時間足りない」子どもにも影響

 その結果、時間貧困を強く感じている人ほど、睡眠時間や余暇時間が短い傾向にあり、育児・家事時間が長いことが明らかになった。具体的には、平日の睡眠時間が7時間、または余暇時間が3時間を下回ると、時間が足りないと強く感じる傾向がみられた。

 仕事や家事・育児に追われることによる睡眠時間の減少や心理的負担などは、個人の心身の健康だけでなく、子どもにも影響を及ぼす可能性があることがこれまでの研究でも指摘されている。

 また、今回の研究で、時間貧困を定量的に測定できる国際的な指標「主観的時間貧困尺度」の日本語版を開発。「これまで可視化が難しかった時間の使い方や日常生活における負担感を定量的に把握することが可能となり、今後の働き方や子育て支援、地域支援策を検討する上で活用されることが期待される」と同研究グループ。今後も関連する調査・分析を継続するとしている。

プレゼントされる限定ステッカーのイメージ

横浜に「パウ・パトロール」 キャラ参加イベントも

 横浜市は人気アニメ「パウ・パトロール」のキャラクターがイベントに参加するなどの企画「パウっと開港月間×横浜市」を6月2日まで行っている。

 イベントを紹介するA3判二つ折のマップを用意。5万部を横浜駅や桜木町駅の観光案内所、市内商業・観光施設、区役所で配布している。

 5月24日から6月2日までの10日間は、8種類の限定ステッカーがプレゼントされるキャンペーンを実施。MARK ISみなとみらい、横浜赤レンガ倉庫など、160以上の対象店舗で指定の商品やサービスを購入した人に、横浜オリジナルデザインのステッカーがプレゼントされる。

 ほかにも、5月25日の「ハマフェスY166」や31日の「横浜開港祭」でステージショーが開催される予定。

横浜市 「情報登録」で高齢者支援 孤独死などに備える

 横浜市は、身寄りのない高齢者などへの支援として、本人が緊急連絡先などの情報を事前に登録する制度を初めて導入する。スマートフォンでの電子登録を基本にしつつも、市内全区に1カ所ずつ入力支援窓口を整備する。

 市では2040年に3人に1人が高齢者になるとともに、総世帯に占める高齢単独世帯と高齢夫婦世帯の合計が3割を超える見込みだ。

 こうした背景を踏まえ、市は孤独死などの万が一に備え、希望する65歳以上の高齢者を対象に葬儀会社との契約や遺言の有無、緊急連絡先、エンディングノートの保管場所などを市のシステムに事前登録する仕組みを今年度中に導入する。病院や警察、消防などの関係機関からの問合せに各区役所が、システムに登録された情報を伝え、円滑な対応を取れるようにすることが狙い。

 情報登録はスマートフォンやパソコンなどで登録者本人が入力することを市はイメージしているが、不得意な人もいることを踏まえ、各区に1カ所の入力支援窓口を設置する。またこれとは別に、身寄りのない高齢者らが抱える将来への不安や悩みを相談する対面、電話対応が可能な窓口を今年度中に市内に開設する。

横須賀式参考に

 市が参考にしたのが横須賀市の「終活情報登録伝達事業」だ。年齢や所得など利用制限はなく、計11項目の情報を登録するもの。18年5月から実施しており、登録者は25年4月2日時点で1054人となっている。遺体が自宅で発見されたと警察から連絡があり、緊急連絡先やこれまでの相談経過を伝えたこともあるという。横須賀市担当者は「関係機関からも好評。引き取り手の無い遺体を減らすためには必要」と重要性を語る。

「尊厳ある最期のため」

 市は現在、各自治体の先行事例を参考に登録項目の選定や入力支援窓口の設置場所などを検討しており、26年1月の導入開始を目指す。市担当者は「65歳以上の高齢者は登録が可能です。尊厳のある最期を迎えるため、本人の意志を支援につなげられれば」と話す。

「ふるさと生活」を使った横浜市のサイト

ふるさと納税 独自サイト 市開設、使い道に焦点

 横浜市は、ふるさと納税の寄付の使い道や事業紹介に焦点を当てた独自のサイト(https://yokohama.furusato-seikatsu.jp/)を開設した。

 新しいサイトは、株式会社ワークシー=福岡市=が運営する自治体交流ファンサイト「ふるさと生活」を活用したもの。横浜市を含めた19自治体が登録されている。

 サイトでは、寄付の活用先事業や取組状況を画像を使って紹介。寄付申込受付やクレジットカードによるオンライン決済機能も備わっているほか、返礼品なしの寄付のみにも対応する。市は「横浜市を身近に感じてもらい、全国の皆様から応援していただくことを目指している」としている。

 市は現在、12のふるさと納税ポータルサイトで返礼品を紹介。中区伊勢佐木町で100年続く茶屋「川本屋茶舗」の自家製スイーツなど、新しい返礼品も加わっている。

スポーツ意識調査 「週1以上実施」は53% 横浜市民、微増も目標と差

 横浜市は2024年度の市民スポーツ意識調査の結果を4月23日に公表した。この中で週1回以上スポーツをしている人は53・0%で23年度から上昇したものの、市が26年度の達成目標としている70%には依然として差があることが分かった。

 調査は毎年実施しており、今回は18歳以上の約2千人からインターネットで回答を得た。

 調査結果によると、週1回以上のスポーツ実施率は20年度の64・5%をピークに23年度まで3年続けて減少し、半数を割り込んだが、やや上昇した。また、1年に1回以上の実施率は79・7%で、23年度から4・9ポイント増加したが、26年度目標の「100%に近づける」には差がある。

 30〜40代の働く世代・子育て世代の週1回以上の実施率は48・4%で、全体平均より低い。この傾向は過去の調査でも同様で、市は「成人全体の実施率向上には、この世代が運動しやすい環境整備が引き続き重要」としている。

 運動不足を感じている市民は77・8%で、23年度から6・5ポイント増加。一方、健康だと感じている市民は62・3%で、0・3ポイントの微増にとどまった。

 市内でのスポーツイベントを直接観戦したのは35・9%で目標の30%を超えた。このことから、市は「『スポーツが好き』な層が、実際に『する』『みる』『ささえる』活動に取り組めるような働きかけが重要」としている。また、「運動不足を感じて運動を実施した層が継続できるよう、運動・スポーツが健康に与える効果についての理解を高めていくことが必要」と分析している。

12人が立候補を表明 今夏参院選 本紙調べ

 任期満了(7月28日)に伴う夏の参議院選挙で、神奈川県選挙区(改選定数4)には本紙の調べでこれまでに現職3人、新人9人の12人が立候補の意向を示している。(5月9日起稿)

 自民党は2019年の前回改選時にトップ当選した島村大氏が23年に死去したことを受け、公募を実施。元神奈川県局長の脇雅昭氏(43)を選んだ。「県で働く中で国だからできることがあると感じた。行政のデジタル化を進めたい」と話す。

 立憲民主党の牧山弘惠氏(60)は07年に初当選し、4期目を目指す。「物価高から生活を守るための具体的な提案を行う。食料品に掛かる消費税をゼロに引き下げ、暫定税率の早期廃止でガソリン価格を25円引き下げる」と述べる。

 22年の合併選挙で欠員枠の5位で初当選し、任期が約3年だった立憲民主党の水野素子氏(55)は「物価高対策はもちろん、大学までの所得制限のない授業料無償化の推進など、未来を担う人材の育成や産業発展にも力を注ぎたい」と語る。

 13年に初当選し、現在、党女性局長を務め、3期目を目指す公明党の佐々木さやか氏(44)は「物価高克服のための減税や給付、中小企業支援などで給料アップ、全世代を守る社会保障の充実を求めていく」とコメントする。

 日本維新の会からは参議院議員秘書の千葉修平氏(52)が挑む。1999年から八王子市議を1期務め、03年から松沢成文氏の秘書を務める。「首相公選制の実現や飲食店の禁煙化などの受動喫煙対策を訴えていきたい」としている。

 共産党は党県委員会副委員長の浅賀由香氏(45)を擁立する。参院選に過去3回挑戦しており、「賃金の引き上げによる8時間働けば普通に暮らせる社会の実現や、大学をはじめとする高等教育の学費無償化を進めていきたい」と語る。

 国民民主党は元農林水産省官僚の籠島彰宏氏(36)を立てる。13年に農水省に入省し、20年から23年に経済協力開発機構へ出向していた。「日本を守るため、給料が上がる経済が必要。手取りを増やし、再び日本を強くしたい」と語る。

 れいわ新選組は元外務官僚の三好諒氏(39)を擁立する。21年に外務省を退職後、山本太郎参議院議員の秘書を務め、24年の衆院選では神奈川2区から立候補していた。「消費税廃止や社会保険料の減免などを訴えたい」と話す。

 社民党は元相模原市議の金子豊貴男氏(75)を立てる。1991年から2023年まで市議を8期務め、基地問題などに取り組んできた。「今の日本は平和を維持できるか、戦争国家に進むかの岐路に立たされている」と訴える。

 参政党は警備会社顧問の初鹿野裕樹氏(47)を立てる。警視庁に約23年間勤務し、24年衆院選で神奈川11区から出馬していた。「消費税や社会保険料を下げ、可処分所得を増やしたい。また、警察官など公安職の待遇改善を求めたい」という。

 日本改革党からはダンスインストラクターの畠山貴弘氏(45)が出馬意向。23年の南足柄市議選に立候補していた。「国民生活が苦しい中、消費税は5%にし、最終的には廃止。ガソリン暫定税率と再エネ賦課金の即刻廃止」と訴える。

 このほか1人が立候補の意向を示している。

過去の留学の様子(市提供)

留学に最大150万円補助 市、高校生を支援

 横浜市は、高校生の留学を支援する補助金の申請を受け付けている。

 支援の対象は市内在住・在学の高校生。留学先への航空運賃や授業料などが補助対象となる。90日以上1年以下の長期留学については、補助上限額を昨年度までの40万円から150万円へ大幅に拡充した。市は「物価高が続いていることや費用面を理由に、留学へのハードルの高さを感じている人を支援するため」と増額の理由を説明している。昨年度は24人が審査を通過し、アメリカやカナダなどに渡航した。

 今年度から新たに、上限額20万円の14日以上90日未満の短期留学に対する補助制度を設けた。市は「留学期間についてのアンケートで、3カ月以内を望む声が半数を超えたため」としている。

 定員は長期留学が40人程度、短期留学が60人程度。申請は5月31日まで。問い合わせは国際局政策総務課【電話】045・671・4700。

横浜LC 「盲導犬への理解を」 18日、チャリティーコンサート

 視覚障害者や盲導犬(アイメイト)を支援するチャリティーコンサートが5月18日(日)、横浜みなとみらい大ホールで行われる。横浜ライオンズクラブ(LC)主催。

 国内外で活躍する若手音楽家、ピアノの實(じつ)川(かわ)風(かおる)さんとヴィオラの田原綾子さんによる至極のデュオリサイタル。ショパン『革命のエチュード』やリスト『愛の夢』、ピアソラ『ル・グラン・タンゴ』など、多彩な名曲の演奏に耳を傾けながら、盲導犬についての理解を深める。

 13時半開演(12時50分開場)。全席指定3500円。収益金の一部をアイメイト協会に寄付。(問)【電話】045・319・6721(平日10時〜17時)

「わくわく」模擬店ずらり 6月1日 中川西地区セン

 中川西地区センターの自主事業「わくわくワークショップ」が6月1日(日)、同センターで開催される。午前9時から午後0時30分。

 ポップコーンやかき氷などの飲食販売をはじめ、フラワーボトルやスノードームなどのワークショップ、裁縫や「ちびっこお仕事」などの体験ブースが並ぶ。

 参加無料(一部有料・50円から)。申し込み不要。室内履き、マイバック持参。

 問い合わせは、同センター【電話】045・912・6973。

河村事務総長(左)に目録を手渡す坂倉副会頭(横浜商工会議所提供)

横浜商工会議所 園芸博協会に314万円を寄付 ゴルフ大会で募る

 横浜商工会議所(上野孝会頭)は、2027年の「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)の開催に役立ててもらおうと、5月12日に戸塚カントリー倶楽部=旭区=でチャリティーゴルフ大会を開き、集まった314万円を公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会に寄付した。

 大会には横商や県内の商議所会員、経済団体、横浜青年会議所のメンバーなど201人が参加し、参加費の一部と特別協賛企業13社からの協賛金を寄付。大会幹事長の坂倉徹副会頭が同協会の河村正人事務総長に目録を手渡した。

 ゲストとして巨人元監督の原辰徳さんもプレー。黒岩祐治知事、山中竹春市長も来賓として来場した。

自民党 夏の選挙へ団結を確認 横浜市長選は候補者選び続く

 自民党横浜市連による政治資金パーティーが5月12日、西区のホテルで開かれた=写真=。国会議員や地方議員と支援者らが参加し、夏の参院選と直後の横浜市長選へ向けて一致団結して取り組むことが確認された。

 参院選に立候補を予定している元県局長の脇雅昭氏が決意を述べると、市連幹事長を務める山下正人市議は「参院選の結果が横浜市長選、その後にある衆院選に影響を与える」と語った。

 その後、記者団の取材に応じた山下氏は、市長選の候補者選びが続いていることを説明した上で「4年前のような分裂は避けたい」と一枚岩で臨むことを強調。独自候補を擁立するか、出馬が確実視されている現職の山中竹春市長を推すか、党内の意見を集約していく考えを示した。決断のリミットについては「6月3日の市連大会では方向性を示さないといけない」と語り、早期に結論を出したいとした。

 市長選には、これまでに青果卸「つま正」会長の小山正武氏と市議の高橋徳美氏が立候補の意思を示している。山中市長は態度を明確にしていない。

「脱炭素取組宣言」のロゴマーク

横浜市が中小企業の脱炭素化へ伴走支援開始 専門家の訪問指導など

 横浜市と公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)は5月8日、中小企業の脱炭素化を促進するための新たな2つの支援策を発表した。

 一つ目の「伴走支援」では、昨年6月に創設した「脱炭素取組宣言」制度に参加した事業者を対象に、年間80社に温室効果ガス排出量の見える化と削減計画策定を支援する。専門家が1事業者あたり原則3回の訪問指導を行う。

 二つ目の「訪問支援」では、宣言を行っていない事業者を対象に、脱炭素取組宣言制度の紹介や、排出量を可視化するセルフ診断方法のアドバイスを実施する。これは1社につき1回の訪問で年間400社の枠を設ける。

 両支援とも2026年3月まで無料提供される。申し込みはIDEC横浜のサイト(https://datsutanso.idec.or.jp)から。

 市は市内企業の99.6%を占める中小企業の取り組みが脱炭素社会実現に不可欠とし、「脱炭素取組宣言」制度を創設。すでに5千以上の事業者が参加している。今後も「知る」「測る」「減らす」の3ステップで中小企業の脱炭素経営を促進し、地域全体の脱炭素社会実現に向けた取り組みを加速させる方針だ。

 問い合わせや脱炭素に関する相談はIDEC横浜【電話】045・225・3713。

地域支える活動紹介 民児協がパネル展

 都筑区民生委員児童委員協議会(小林達夫会長)が、区総合庁舎1階の区民ホールでパネル展を開催した。

 パネル展は、5月12日の「民生委員・児童委員の日」に合わせて毎年この時期に開催されているもの。会場には各地区ごとに活動を分かりやすく紹介するパネルが並んだ。

 民生委員・児童委員は、地域住民や子育て世代の相談を聞き、必要な支援機関につなげる役を主に担う。厚生労働大臣と市長から委嘱されるもので、区内では自治会町内会から推薦を受け、審査会を経た約170人が活動している。

園内を動き回るカモの親子=5月8日撮影

一挙手一投足にシャッターの嵐

 仲町台駅近くのせせらぎ公園では、今年もカモの親子の愛らしい姿が、来園者の目を楽しませている。

 カモの親子は、せせらぎ池からつながる水路を泳いだり、園路を横切り、黄菖蒲が咲く池へ移ったりと大忙し。その姿を撮影しようと、多くの人がスマートフォンのレンズを向けていた。

タリバン政権の女性の今 かけはし都筑で講座

 WE21ジャパン都筑が5月18日(日)、講座「アフガニスタン 女性たちの学校の今」を、かけはし都筑(荏田東4の10の3)で開催する。午後1時45分から3時30分。参加無料。事前申し込み制。

 アフガニスタンのタリバン政権下で昨年施行された、いわゆる「道徳法」で、教育、移動、服装など、さまざまな権利制限を受ける女性たち。そんな状況下でも、学ぼうとする現地の女性たちの「今」を、(一社)平和村ユナイテッドの小野山亮代表が紹介する。

 申込み、問合せは、WEショップつづき【電話】045・948・5596。

 

 

対象の生ハム(市提供)

「カルディ」で販売の生ハムからサルモネラ属菌検出 栄区の工場で製造

 横浜市は5月8日、栄区飯島町の工場で製造された生ハムからサルモネラ属菌が検出されたと発表した。生ハムはコーヒー豆や輸入食品を販売する「カルディコーヒーファーム」の店舗で販売されていたもので、運営会社は対象商品の販売を中止し、自主回収を始めた。

 横浜市保健所が4月22日に行った抜き取り検査で発覚した。対象商品は「Original 生ハム切り落とし」(内容量120グラム)。4月7日、9日、10日に製造された約2万個が店舗で販売された可能性がある。

 サルモネラ属菌は、動物の腸管や自然界に広く分布。感染すると6〜72時間の潜伏期間を経て激しい腹痛や下痢、発熱、嘔吐などの症状を引き起こす。

 市は「健康被害の情報は現時点で確認されていないが、お手元に残っている場合は食べずに返品してほしい」と呼びかける。店舗を運営するキャメル珈琲は「対象商品があれば店舗へお持ちいただくか、電話でご連絡ください」としている。問い合わせはキャメル珈琲お客様相談室フリーダイヤル0120・415・023(午前9時〜午後6時)。

5月17日 聞かせて!まちの先生 区民活動センターで

 都筑区民活動センター主催の交流サロン「聞かせて!まちの先生」が5月17日(土)、区役所1階の同センターで開催される。午前10時から正午。

 折紙インストラクターの大塩桂子さんの折紙の作品紹介や宮嶋一元さんによる生成AIを活用したキャラクターとの対話体験が楽しめる。

 参加無料。定員は15人(都筑区・近隣区在住、在勤、在学者優先)。申し込みは5月15日(木)までに電子申請、または電話、窓口から。

 問い合わせは、同センター【電話】045・948・2237。

〜医療・介護の視点から〜 災害に備える ■都筑区訪問看護連絡会

 都筑区医師会地域多職種連携協議会によるコラム「災害に備える〜医療・介護の視点から〜」。第8回は都筑区訪問看護連絡会から、日ごろから備えておきたいポイントについての紹介です。

 災害はいつ起こるかわかりません。訪問看護は、病気や障がいがあっても住み慣れた家で安心して暮らせるよう、看護師がご自宅を訪問し、医療的なケアや生活支援を行うサービスです。日ごろから"もしも"に備えるお手伝いもしています。

 災害に備え、日ごろから最低3日間は自力で過ごせる準備をしておくことが大切です。災害時は道路や通信が混乱し、看護師がすぐに駆けつけられないこともあります。ベッド周りを整理しておくと、転倒を防ぎ、安全に動けます。また、懐中電灯や呼び鈴は手元に置きましょう。お薬やお薬手帳、保険証のコピー、着替え、タオルなどは非常袋にまとめておくと安心です。お薬の残りが十分あるかも日ごろから確認を。連絡先はスマートフォンだけに頼らず、紙に書いて貼っておきましょう。

 ご家族とも「どんな備えが必要か」話し合っておくと、より安心です。

「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」を務める高橋優斗さん  【プロフィール】1999年11月15日、横浜市出身。2015年から芸能事務所に所属し、テレビや舞台、コンサートなどで幅広く活動。2024年に芸能事務所を退所し、YX factory株式会社(現 横浜バニラ株式会社)を設立、代表取締役社長CEOに就任。スタートアップ起業家として、横浜発ギフトスイーツ「横浜バニラ」ブランドを展開する。

横浜「注目の人」インタビュー 「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」高橋優斗さん 大好きな横浜に新しい風吹き込む

 馬車道、関内、山下公園、横浜中華街、元町・山手の横浜ベイエリアで5月24、25日に開催されるイベント「ハマフェスY166」。複数の会場で音楽や食などが楽しめるこのイベントの「次世代ブランドディレクター」に就任したのが横浜市出身で横浜バニラ株式会社の代表取締役社長CEOを務める高橋優斗さん(25)。15歳から芸能活動を行っていた高橋さんは、2024年にギフトスイーツを手掛ける会社を設立。第1弾商品の「塩バニラフィナンシェ」が人気を集めている。横浜への愛着が強い高橋さんに「ハマフェス」への思いや起業のきっかけなどを聞いた。(取材=2025年4月17日)

◇ ◇ ◇

――今回、「ハマフェスY166」の「次世代ブランドディレクター」に就任しました。意気込みを教えて下さい。

「実は昨年のハマフェスには、一人の市民として遊びに来ていました。今回、横浜を代表する多くの企業が力を合わせて盛り上げるという、歴史あるイベントに参加させていただけることをうれしく思っています。若い人に来ていただけるようなイベントにするという実行委員会の思いがあり、私に声がかかったという認識です。このイベントをさらに進化させたいと考えているので、今回がその第一歩だと感じていただければと思っています。15歳から芸能活動を始め、東京を拠点にしていたので、これまでは横浜の方とお会いする機会があまりありませんでした。横浜はとても好きな街なので、盛り上げたいと思うと同時に、今回、若い世代として大きなイベントに参加させていただけることを光栄に感じています。先日、実行委員会の会議に出たのですが、横浜の地域や企業の重鎮ばかりでした(笑)」

――「ハマフェスY166」へ向けて、具体的にどのような活動をしていますか。

「すでに企画を進めている大学生との話し合いに参加しています。今回は時間が限られていたので、間に合わなかったものが多くありました。今回は自分が表に出るパフォーマンスはありませんが、横浜は『音楽の街』と感じるので、来年以降は、音楽をテーマにした企画を行えたらといいなと考えています。『ハマフェス』に長期的に関わっていきたいと思うので、『Y170』あるいは『Y200』まで関われるようにしたいです」

――これまでの活動から横浜への愛着を感じます。横浜の中で思い出の場所はどこですか。

「大さん橋や赤レンガ倉庫の風景は、辛い時の自分を支えてくれた場所です」

――始球式に4年連続で参加するなど、横浜DeNAベイスターズの大ファンとしても知られています。

「昨年、生まれて初めてベイスターズの日本一を見て、どうしたらいいか分からなくて、とにかく涙が出ました。ベイスターズは横浜の象徴ですし、ほぼ毎日試合を見ています。同世代の選手が次々と活躍する中、度会(わたらい)隆輝選手に注目しています。チームを明るくしてくれる存在ですね」

「強いオーナーシップを持った人間になりたい」

――2024年10月に会社を設立しました。以前から経営に興味があったのでしょうか。

「以前からありました。漠然とですが、18、19歳ぐらいの頃から、40、50歳ぐらいには自分の会社を持つことを経験したいとは思っていました。芸能活動は波があり、その中で生きていくこと、永遠にそこにいることは難しいだろうと思っていましたし、世の中のことを知らなすぎると痛感しました。この業界でなくなると、生きていけないのではと感じてしまうような、少し特殊なところでもありました。芸能の仕事をする中で企業の皆さんにお会いする機会が多く、自分の会社やチームを持っている方は、いろいろな波を乗り越えていて強いと感じましたし、その力に憧れというか、何か惹かれるものがありました。『生きる力がすごいな』と思い、そこに魅力を感じました。強いオーナーシップを持った人間になりたいと思い、さまざまなタイミングが重なって起業しました」

――地元の横浜で起業したのは、どういった思いからですか。

「まず会社を作る時、自分が大好きなものから始めたいと思い、野球やアニメとともに大好きな横浜を選びました。横浜は仕事で帰ってくる機会も多かったですし、地元の友達との思い出や青春、そして家族との温かい思い出がたくさん詰まっている場所でした。横浜出身であることに自信もありました。とても愛着があったからこそ、横浜をもっと魅力的な場所にしたいと思い、会社を立ち上げました」

――社名の「横浜バニラ」に込められた思いを教えて下さい。

「最初は『YX factory(ワイテンファクトリー)』という名前で立ち上げました。『横浜から10年後を作る』、『横浜のさまざまな可能性を掛け合わせて作っていく』という意味を込めていました。横浜が軸足ということで、そこから社名を『横浜バニラ』にしました。我々が手掛ける『横浜バニラ』というブランドを圧倒的な軸として、100年後まで続くおみやげにしたいと思っています」

「開国博Y150」の思い出からアイスに

――バニラに着目したのはどうしてですか。

「小学4年生だった2009年、家族で横浜開港150周年のイベント『開国博Y150』に行き、ペリー来航の歴史などと一緒に横浜発祥のものが紹介される企画を見ました。そこにアイスクリン(現在のアイスクリームの原型とされるもの)の製造機械があり、アイスが特別好きだったというわけではないのですが、そのことがとても強く印象に残っていました。歴史もありながら若い世代も楽しめるようなおみやげ作りにいろいろ悩んでいたところ、横浜発祥のアイスクリームのことを思い出し、『アイスクリームといえば、バニラだろう』となりました。日本アイスクリーム協会が調べた好きなアイスクリームの味ランキングでもバニラは1位で、感覚的にも多くの人が連想するものがバニラでした。社名の『横浜バニラ』は直感で決めましたが、覚えやすくて良かったと思います」

――社長としての仕事と芸能活動、どのように違いを感じますか。

「全然違いますね。やっぱり一つ一つの決断の重みが違うというか、会社を立ち上げたばかりなので、それは痛感します。例えば、『この量発注していいのか』とか、大きなお金が動くことですし、かなりシビアです。少しうまくいっているなと思うとトラブルが起きたりして。でも、それが当たり前だと感じるようになりました。より責任が求められるという感じです。自分がやりたいと考えたことに対し、社員についてきてもらうことになるので、すごく慎重になりながらも、決断して進めています。とにかく、決めるということが多いですね」

――「横浜バニラ」ブランドの第1弾商品となった「塩バニラフィナンシェ」は、2025年2月22日に販売を始め、「12時間で販売されたフィナンシェの最多個数世界No.1」としてギネス世界記録に認定されました。この商品もご自身のアイデアですか。

「まずやりたかったのは、バニラ味のお菓子でした。アイデアを何とか形にしてくれる仲間が多くいるので実現できました。経営者として、僕自身も反省する分、相手からいろいろなことを聞くと『これ違うんじゃないですか?』とどんどん言いたくなってきましたね。それを反復している感じです。社内でも、アイデアや『これをやりたい』っていうことが多いですね。意味の分からないことも言うので、そうすると周りに止められます(笑)」

――「塩バニラフィナンシェ」は横浜の高島屋やそごう、ジョイナス、新横浜駅構内などでも販売され、大人気商品となっています。

「おかげさまで大きな反響をいただいています。生産が追い付かない状況で、近々改善する見込みです。残念ながら、ハマフェス会場での販売はないのですか、すでに幅広い世代の方に手に取っていただき、とてもありがたいです。そこは目指しているところなので、忘れずに着実にやっていきたいと思っています」

――次の商品は考えていますか。

「考えています。バニラを起点に広げていくという強い思いを持っていて、すでに進めているものがあります」

――アニメが好きとのことですが、推しの作品はありますか。

「たくさんありますね。 『薬屋のひとりごと』は本当に面白いです。あと、『わたしの幸せな結婚』も。1クール前は 『Re:ゼロから始める異世界生活』や『アオのハコ』がやっていて、もう毎週見るものがある『神』みたいな状態でした。最近になって、『ONE PIECE(ワンピース)』が面白いなと。原点にして頂点なのかもしれないですね。『ワンピース』って溜めて見たくなる時があるじゃないですか。僕は溜める派なんですよ。たまにネタバレをくらうのですが(笑)。限定パッケージとか、アニメとコラボした商品開発もやってみたいですね」

センチメンタルな気分になる赤レンガ

――今後、関わってみたい横浜のスポットやイベントはありますか。

「赤レンガ倉庫では年中、イベントが行われていますよね。特にクリスマスの時期のイベントは印象的なので、そこに関われたらうれしいです。疲れた時に赤レンガへ行くと、幸せそうな家族が散歩しているんですよ。海からの浜風を感じながらそれを見ると、どこかセンチメンタルな気分になりますね」

――最後に「ハマフェスY166」を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

「若い世代にどれだけ来てもらえるかが、今後のハマフェスの大きなテーマとなります。歴史もありつつ、進化するのが横浜らしいイベントだと思うので、その一歩目となるハマフェスY166に来ていただければと思います」